JP2004019679A - 回転体の固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】面取り部16aを有する回転軸16に、回転軸16の端面16cとキャップ19の端面19bとを一致させてキャップ19を固定するとキャップ19が軸方向に沿って回転軸16の面取り部16a側へ抜けることがある。
【解決手段】キャップ19の固定穴19aに、回転軸16の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部21を回転軸16の軸方向に延びるように設け、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部21が少なくとも回転軸16の面取り部16aに対向する部分を有するように、逃がし部21の軸方向寸法を設定する。
【選択図】 図2
【解決手段】キャップ19の固定穴19aに、回転軸16の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部21を回転軸16の軸方向に延びるように設け、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部21が少なくとも回転軸16の面取り部16aに対向する部分を有するように、逃がし部21の軸方向寸法を設定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の固定構造に関するもので、例えば樹脂製の遠心式ファンとモータのシャフトとの固定に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来技術では、図7に示すように、回転軸16により回転駆動されるファン11と、ファン11に回転方向に対して一体に係合するキャップ19とを回転軸16に圧入固定している。
【0003】
ここで、ファン11のボス部14の固定穴14aおよびキャップ19の固定穴19aは、回転軸16に対して締まりばめとなるように内径寸法が設定されている。また、ファン11のボス部14の端面14bには軸方向にへこんだリブ嵌合溝部17が複数形成されるとともに、キャップ19の端面19cには軸方向に沿って突出した回り止めリブ20が複数形成されている。
【0004】
この従来技術の組付手順を述べると、最初に、ファン11のリブ嵌合溝部17とキャップ19の回り止めリブ20とを係合して、ファン11とキャップ19を一体に組み付ける。次に、回転軸16の端面16cとキャップ19の端面19bが一致するようにして、一体に組み付けられたファン11とキャップ19を回転軸16に圧入固定する。
【0005】
ところで、回転軸16の端面16cの反対側には図示しないモータがあり、このモータ内部の軸受内径部、ファン11のボス部14の固定穴14aおよびキャップ19の固定穴19a等を傷つけず、容易に組み付けるために、回転軸16の先端部に面取り部16aが設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術においては、キャップ19の固定穴19aと回転軸16とが締まりばめにて圧入固定されると、図8に示すように、キャップ19の固定穴19aは一旦弾性変形して径外方向に広がり、回転軸16の外周面16bとの接触部において径外方への力Fが発生する。
【0007】
また、キャップ19の固定穴19aのうち回転軸16の面取り部16aが対向する部分は、キャップ19の弾性力によって、圧入固定前の寸法に戻ろうとして径内方へ変形する。この際、回転軸16の面取り部16aとキャップ19の固定穴19aが、面取り部16aの立ち上がり部付近で接触部を形成し、径外方斜め方向の力F1が発生する。この力F1は軸方向の分力F2と径外方向の分力F3に分解される。したがって、この構造では、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれようとする力F2が発生する。
【0008】
ところで、回転軸16とキャップ19は通常異なる材質で構成されるので、両者16、19の線膨張係数は下記条件1または条件2に示す関係となる。すなわち、
(条件1)(キャップ19の線膨張係数)>(回転軸16の線膨張係数)
(条件2)(回転軸16の線膨張係数)>(キャップ19の線膨張係数)
回転軸16がS45C、SUJ丸磨き棒などの金属製であり、キャップ19がポリプロピレン、ナイロン等の樹脂(ガラス入りも含む)で構成されている場合は上記条件1の関係となるので、環境条件が高温状態から低温状態に変化すると、回転軸16の収縮よりキャップ19の収縮のほうが大きくなる。この結果、キャップ19の固定穴19aの径内方への変形によって生じる力F1が更に大きくなり、上記の軸方向の分力F2も更に大きくなって、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれる現象が生じる。これにより、キャップ19が面取り部16a側に抜けるというという不具合が発生する。
【0009】
また、キャップ19が金属製であって、回転軸16の線膨張係数より小さい線膨張係数の材料で構成されている場合は上記条件2の関係となるので、環境条件が低温状態から高温状態に変化すると、キャップ19の膨張より回転軸16の膨張のほうが大きくなる。この結果、キャップ19の固定穴19aの径内方への変形によって生じる力F1が更に大きくなり、上記の軸方向の分力F2も更に大きくなって、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれる現象が生じる。これにより、キャップ19が面取り部16a側に抜けるというという不具合が発生する。
【0010】
この不具合を防止するため、図9に示すように、回転軸16の面取り部16aをキャップ19の端面19bより所定寸法L3を突出させる固定構造が従来採用されている。しかし、この固定構造では、回転軸16の面取り部16aとキャップ19の端面19bの間の寸法L3を管理する必要があり、組み付けコスト増の要因となっていた。また、回転軸16がキャップ19の端面19bより寸法L3だけ突出しているので、ファン11、キャップ19、回転軸16からなる占有空間が大きくなる問題点が生じる。
【0011】
さらに、回り止め部材をなすキャップ19を用いずに、ファン11のボス部14の端面14bと回転軸16の端面16cを一致させてファン11を直接回転軸16に圧入固定する固定構造においても、上記と同様の問題点がある。
【0012】
本発明は上記点に鑑み、回転軸の面取り部がキャップ等の回り止め部材の固定穴に対向する構造であっても、回り止め部材が回転軸の面取り部側にずれることを防止することを目的とする。
【0013】
また、本発明は回転軸の面取り部がファン等の回転体の固定穴に対向する構造であっても、回転体が回転軸の軸方向に沿って回転軸の面取り部側にずれることを防止することを他の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的のいずれか1つを達成するために案出されたものであり、請求項1に記載の発明では、先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)と、
回転体(11)に回転方向に対して一体に係合する回り止め部材(19)とを備え、
回り止め部材(19)を先端側から回転軸(16)に圧入することによって回転体(11)を回転軸(16)に固定するようになっており、
回り止め部材(19)は回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で回転軸(16)に圧入される固定穴(19a)を有する形状に構成されており、
固定穴(19a)には、回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(21)を回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入された状態にて、逃がし部(21)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(21)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする。
【0015】
これによれば、回り止め部材(19)と回転軸(16)とが線膨張係数が異なる材質でできおり、この材料構成にて環境温度が低温から高温に、あるいは高温から低温になっても、逃がし部(21)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(21)の軸方向寸法を設定しているので、回り止め部材(19)の固定穴(19a)が回転軸(16)の面取り部(16a)に沿って径内方へ変形しない。したがって、回り止め部材(19)には変形の際の径外方斜め方向の力(F1)が発生しないので、軸方向の分力(F2)も発生しない。
【0016】
その結果、上記手段によれば、回り止め部材(19)が回転軸(16)の面取り部(16a)側にずれることがない。これにより、回り止め部材(19)が回転軸(16)の面取り部(16a)側に抜けることを防止する。
【0017】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、回り止め部材(19)の端面(19b)と、回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入固定され、
圧入固定の状態にて逃がし部(21)が面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする。
【0018】
これによれば、回り止め部材(19)の端面(19b)と、回転軸(16)の端面(16c)とが一致するように回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入固定されているので、先端側の寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。また、回転軸(16)が回り止め部材(19)の端面(19b)から突出しないので、回転体(11)、回り止め部材(19)および回転軸(16)からなる占有空間を小さく構成できる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)とを備え、
回転体(11)を先端側から前記回転軸(16)に圧入することによって回転体(11)を回転軸(16)に固定するようになっており、
回転体(11)は回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で前記回転軸(16)に圧入される固定穴(14a)を有する形状に構成されており、
固定穴(14a)には、回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(22)を回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
回転体(11)が回転軸(16)に圧入された状態にて、逃がし部(22)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(22)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする。
【0020】
これによれば、請求項1の回り止め部材(19)に設けられた逃がし部(21)形状が回転体(11)に設けられているので、請求項1と同様の理由によって、回転体(11)が回転軸(16)の面取り部(16a)側にずれることがない。これにより、回転体(11)が回転軸(16)の面取り部(16a)側に抜けることを防止する。
【0021】
請求項4に記載の発明では、請求項3において、回転体(11)の端面(14b)と、回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように回転体(11)が回転軸(16)に圧入固定され、
圧入固定された状態にて逃がし部(22)が面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする。
【0022】
これによれば、請求項2と同様に回転軸16の突出寸法管理が不要となり、しかも回転体(11)および回転軸(16)からなる固定空間を小さく構成できる。
【0023】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明による回転体の固定構造を車両用空調装置の遠心式送風機に適用したものである。
【0025】
図1は第1実施形態による遠心式の送風機の断面図であり、図2は送風機の要部拡大図である。
【0026】
図1において、送風機のファン11は、本発明の回転体を構成するものであって、モータ12により回転駆動されて、軸方向Zから吸入した空気を径外方側に向けて吹き出すようになっている。
【0027】
このファン11には、送風作用をなす多数枚の翼13(ブレード)が円周方向に設けられており、翼13の回転中心部に設けられた円筒状のボス部14とを一体に連結するディスク15が形成されている。前記ボス部14には、S45Cなどの金属製の回転軸16に中間ばめまたは締まりばめにて取り付けられる固定穴14aが設けられている。
【0028】
また、図3に示すように、ファン11のボス部14の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16a側の端面14bにリブ嵌合溝部17が円周方向に4箇所、等間隔に放射状にへこんで形成されている。ファン11を構成する翼13、ボス部14およびディスク15は樹脂、具体的にはポリプロピレンにより一体に成形されている。
【0029】
なお、前記ファン11を回転体駆動する回転軸16の先端には直線状の面取り部16aが設けられており、モータ12内部の軸受内径部、ファン11のボス部14の固定穴14a等を傷つけず、容易に組み付けることができるようになっている。
【0030】
また、キャップ19は、本発明の回り止め部材を構成するものであって、樹脂にて2重円筒形状に形成され、固定穴19aが設けられている。この固定穴19aには、円筒状のキャップ19の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16a側の端面19b側に、回転軸16の径方向にへこんだ円形状からなる逃がし部21が回転軸16の軸方向に延びるように設けられている。
【0031】
この逃がし部21の軸方向寸法は、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、回転軸の面取り部16aに対向する部分と回転軸16の外周面16bに対向する部分を有するように設定されている。
【0032】
またキャップ19の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16aと反対側の端面19cにおいて回り止めリブ20が円周方向に4個、等間隔に放射状に突出して形成されている。なお、回り止め部材を構成する回り止めリブ20はキャップ19に一体となって樹脂、具体的にはナイロンにより成形されている。
【0033】
また、第1実施形態によるファン11の線膨張係数をαF、キャップ19の線膨張係数をαC、回転軸16の線膨張係数をαSとすると、αF=9.5×10−5[/K]、αC=3×10−5[/K]、αS=1.21×10−6[/K]である。
【0034】
次に第1実施形態の組付手順を述べる。まず、ファン11のリブ嵌合溝部17とキャップ19の回り止めリブ20が一致するようにして、中間ばめないし締まりばめにて嵌合して固定する。次に、ファン11とキャップ19の組付体をモータ12の回転軸16に組み付ける。この際、ファン11のボス部14の固定穴14aと回転軸16、キャップ19の固定穴19aと回転軸16が締まりばめにて嵌合して、圧入固定する。
【0035】
この際、キャップ19の端面19bと回転軸16の端面16cは、一致するようにして組み付けられる。
【0036】
次に、第1実施形態の効果を述べる。第1実施形態によれば、キャップ19の線膨張係数αCが回転軸16の線膨張係数αSより大きいので、環境温度が高温から低温になると、キャップ19の収縮が回転軸16の収縮より大きくなる。
【0037】
しかし、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部21が回転軸の面取り部16aに対向しているので、キャップ19の固定穴19aには、回転軸16の面取り部16aに沿って変形が生じない。したがって、キャップ19には変形の際の径外方斜め方向の力F1が発生しないので、軸方向の分力F2も発生しない。
【0038】
その結果、キャップ19が回転軸16の軸方向に沿って回転軸16の面取り部16a側にずれることがない。これにより、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0039】
また、キャップ19の端面19bと、回転軸16の端面16cを一致させているから、回転軸16の突出寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。
【0040】
さらに、回転軸16がキャップ19の端面19bから突出しないので、ファン11、キャップ19および回転軸16からなる空間を小さく構成できる。
【0041】
(第2実施形態)
第1実施形態では、キャップ19に逃がし部21を設けたが、第2実施形態では、図5に示すように、キャップ19をなくし、回転軸16にファン11を直接圧入固定し、ファン11のボス部14の固定穴14aに第1実施形態と同様な形状の逃がし部22を設けている。
【0042】
第2実施形態において、前記逃がし部22の軸方向寸法はファン11が回転軸16に圧入された状態にて、回転軸の面取り部16aに対向する部分と回転軸16の外周面16bに対向する部分を有するように設定されている。
【0043】
このとき、ファン11の線膨張係数αFが回転軸16の線膨張係数αSより大きいので、環境温度が高温から低温になると、キャップ19の収縮が回転軸16の収縮より大きくなる。
【0044】
しかし、ファン11が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部22が回転軸の面取り部16aに対向しているので、ファン11のボス部14の固定穴14aには、回転軸16の面取り部16aに沿って変形が生じない。
【0045】
したがって、第1実施形態と同様の理由によって、ファン11が回転軸16の軸方向に沿って回転軸16の面取り部16a側にずれることがない。これにより、ファン11が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0046】
また、ファン11のボス部14の端面14bと、回転軸16の端面16cを一致させているから、回転軸16の端面16cの突出寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。
【0047】
さらに、回転軸16がファン11の端面14bから突出しないので、ファン11、キャップ19および回転軸16からなる空間を小さく構成できる。
【0048】
(第3実施形態)
第1実施形態および第2実施形態における逃がし部21、22は、回転軸16の径方向にへこんだ円形状を回転軸の軸方向に延びるように設けたが、第3実施形態では傾斜するように設けている。
【0049】
図6に示すように、第1実施形態に示すキャップ19の固定穴19aに設けられた逃がし部21は回転軸16の回転中心線から傾斜したテーパ形状23であってもよい。同様に、第2実施形態に示すファン11の固定穴14aに設けられた逃がし部22はテーパ形状であってもよい。
【0050】
(その他の実施形態)
なお、第1実施形態キャップ19の逃がし部21および第2実施形態におけるファン11の逃がし部22は、回転軸16の面取り部16aと外周面16bに対向する部分とを有するようにしたが、これは面取り部16aおよび逃がし部21、22の軸方向寸法の加工誤差を考慮したものであって、少なくとも面取り部16aに対向する部分を有するようにするだけでもよい。
【0051】
また、第1実施形態に示す固定構造において、キャップ19の端面19bと回転軸16の端面16cとを必要に応じて所定寸法ずらしてもよい。
【0052】
また、ファン11の材質はポリプロピレンであったが、ナイロンまたはガラス繊維または炭素繊維等にて引張り強度が強化された樹脂等を用いてもよい。さらに、キャップ19はナイロンであったが、金属製またはガラス繊維または炭素繊維等にて引張り強度が強化された樹脂等を用いてもよい。
【0053】
また、第1実施形態では、キャップ19の線膨張係数が回転軸16の線膨張係数より大きい材料を用いたが、キャップ19の線膨張係数が回転軸16の線膨張係数より小さい材料を用いても、第1実施形態と同様の理由により、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0054】
また、第1実施形態ないし第3実施形態における面取り部16aの形状は直線状のものとしたが、R形状のものでもよい。
【0055】
なお、本発明による回転体の固定構造は、送風機にその適用が限定されるものではなく、その他の回転体にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による送風機の一部断面正面図である。
【図2】図1に示す送風機のファンのボス部の固定部分の拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態におけるファンのボス部の部分投影図、(b)はファンのボス部の軸方向断面図である。
【図4】(a)は本発明の第1実施形態によるキャップの軸方向断面図、(b)はキャップのA矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるファンのボス部の拡大断面図である。
【図6】本発明のその他の実施形態によるファンのボス部の拡大断面図である。
【図7】従来技術によるキャップおよびファンと回転軸との固定部分の拡大図である。
【図8】従来技術によるキャップと回転軸の力作用線図である。
【図9】従来技術によるキャップの拡大断面図である。
【符号の説明】
11…ファン(回転体)、14a、19a…固定穴、16…回転軸、
16a…面取り部、16c…端面、19…キャップ(回り止め部材)、
19b…端面、21、22…逃がし部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の固定構造に関するもので、例えば樹脂製の遠心式ファンとモータのシャフトとの固定に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来技術では、図7に示すように、回転軸16により回転駆動されるファン11と、ファン11に回転方向に対して一体に係合するキャップ19とを回転軸16に圧入固定している。
【0003】
ここで、ファン11のボス部14の固定穴14aおよびキャップ19の固定穴19aは、回転軸16に対して締まりばめとなるように内径寸法が設定されている。また、ファン11のボス部14の端面14bには軸方向にへこんだリブ嵌合溝部17が複数形成されるとともに、キャップ19の端面19cには軸方向に沿って突出した回り止めリブ20が複数形成されている。
【0004】
この従来技術の組付手順を述べると、最初に、ファン11のリブ嵌合溝部17とキャップ19の回り止めリブ20とを係合して、ファン11とキャップ19を一体に組み付ける。次に、回転軸16の端面16cとキャップ19の端面19bが一致するようにして、一体に組み付けられたファン11とキャップ19を回転軸16に圧入固定する。
【0005】
ところで、回転軸16の端面16cの反対側には図示しないモータがあり、このモータ内部の軸受内径部、ファン11のボス部14の固定穴14aおよびキャップ19の固定穴19a等を傷つけず、容易に組み付けるために、回転軸16の先端部に面取り部16aが設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術においては、キャップ19の固定穴19aと回転軸16とが締まりばめにて圧入固定されると、図8に示すように、キャップ19の固定穴19aは一旦弾性変形して径外方向に広がり、回転軸16の外周面16bとの接触部において径外方への力Fが発生する。
【0007】
また、キャップ19の固定穴19aのうち回転軸16の面取り部16aが対向する部分は、キャップ19の弾性力によって、圧入固定前の寸法に戻ろうとして径内方へ変形する。この際、回転軸16の面取り部16aとキャップ19の固定穴19aが、面取り部16aの立ち上がり部付近で接触部を形成し、径外方斜め方向の力F1が発生する。この力F1は軸方向の分力F2と径外方向の分力F3に分解される。したがって、この構造では、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれようとする力F2が発生する。
【0008】
ところで、回転軸16とキャップ19は通常異なる材質で構成されるので、両者16、19の線膨張係数は下記条件1または条件2に示す関係となる。すなわち、
(条件1)(キャップ19の線膨張係数)>(回転軸16の線膨張係数)
(条件2)(回転軸16の線膨張係数)>(キャップ19の線膨張係数)
回転軸16がS45C、SUJ丸磨き棒などの金属製であり、キャップ19がポリプロピレン、ナイロン等の樹脂(ガラス入りも含む)で構成されている場合は上記条件1の関係となるので、環境条件が高温状態から低温状態に変化すると、回転軸16の収縮よりキャップ19の収縮のほうが大きくなる。この結果、キャップ19の固定穴19aの径内方への変形によって生じる力F1が更に大きくなり、上記の軸方向の分力F2も更に大きくなって、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれる現象が生じる。これにより、キャップ19が面取り部16a側に抜けるというという不具合が発生する。
【0009】
また、キャップ19が金属製であって、回転軸16の線膨張係数より小さい線膨張係数の材料で構成されている場合は上記条件2の関係となるので、環境条件が低温状態から高温状態に変化すると、キャップ19の膨張より回転軸16の膨張のほうが大きくなる。この結果、キャップ19の固定穴19aの径内方への変形によって生じる力F1が更に大きくなり、上記の軸方向の分力F2も更に大きくなって、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側にずれる現象が生じる。これにより、キャップ19が面取り部16a側に抜けるというという不具合が発生する。
【0010】
この不具合を防止するため、図9に示すように、回転軸16の面取り部16aをキャップ19の端面19bより所定寸法L3を突出させる固定構造が従来採用されている。しかし、この固定構造では、回転軸16の面取り部16aとキャップ19の端面19bの間の寸法L3を管理する必要があり、組み付けコスト増の要因となっていた。また、回転軸16がキャップ19の端面19bより寸法L3だけ突出しているので、ファン11、キャップ19、回転軸16からなる占有空間が大きくなる問題点が生じる。
【0011】
さらに、回り止め部材をなすキャップ19を用いずに、ファン11のボス部14の端面14bと回転軸16の端面16cを一致させてファン11を直接回転軸16に圧入固定する固定構造においても、上記と同様の問題点がある。
【0012】
本発明は上記点に鑑み、回転軸の面取り部がキャップ等の回り止め部材の固定穴に対向する構造であっても、回り止め部材が回転軸の面取り部側にずれることを防止することを目的とする。
【0013】
また、本発明は回転軸の面取り部がファン等の回転体の固定穴に対向する構造であっても、回転体が回転軸の軸方向に沿って回転軸の面取り部側にずれることを防止することを他の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的のいずれか1つを達成するために案出されたものであり、請求項1に記載の発明では、先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)と、
回転体(11)に回転方向に対して一体に係合する回り止め部材(19)とを備え、
回り止め部材(19)を先端側から回転軸(16)に圧入することによって回転体(11)を回転軸(16)に固定するようになっており、
回り止め部材(19)は回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で回転軸(16)に圧入される固定穴(19a)を有する形状に構成されており、
固定穴(19a)には、回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(21)を回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入された状態にて、逃がし部(21)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(21)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする。
【0015】
これによれば、回り止め部材(19)と回転軸(16)とが線膨張係数が異なる材質でできおり、この材料構成にて環境温度が低温から高温に、あるいは高温から低温になっても、逃がし部(21)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(21)の軸方向寸法を設定しているので、回り止め部材(19)の固定穴(19a)が回転軸(16)の面取り部(16a)に沿って径内方へ変形しない。したがって、回り止め部材(19)には変形の際の径外方斜め方向の力(F1)が発生しないので、軸方向の分力(F2)も発生しない。
【0016】
その結果、上記手段によれば、回り止め部材(19)が回転軸(16)の面取り部(16a)側にずれることがない。これにより、回り止め部材(19)が回転軸(16)の面取り部(16a)側に抜けることを防止する。
【0017】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、回り止め部材(19)の端面(19b)と、回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入固定され、
圧入固定の状態にて逃がし部(21)が面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする。
【0018】
これによれば、回り止め部材(19)の端面(19b)と、回転軸(16)の端面(16c)とが一致するように回り止め部材(19)が回転軸(16)に圧入固定されているので、先端側の寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。また、回転軸(16)が回り止め部材(19)の端面(19b)から突出しないので、回転体(11)、回り止め部材(19)および回転軸(16)からなる占有空間を小さく構成できる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)とを備え、
回転体(11)を先端側から前記回転軸(16)に圧入することによって回転体(11)を回転軸(16)に固定するようになっており、
回転体(11)は回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で前記回転軸(16)に圧入される固定穴(14a)を有する形状に構成されており、
固定穴(14a)には、回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(22)を回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
回転体(11)が回転軸(16)に圧入された状態にて、逃がし部(22)が少なくとも面取り部(16a)に対向する部分を有するように、逃がし部(22)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする。
【0020】
これによれば、請求項1の回り止め部材(19)に設けられた逃がし部(21)形状が回転体(11)に設けられているので、請求項1と同様の理由によって、回転体(11)が回転軸(16)の面取り部(16a)側にずれることがない。これにより、回転体(11)が回転軸(16)の面取り部(16a)側に抜けることを防止する。
【0021】
請求項4に記載の発明では、請求項3において、回転体(11)の端面(14b)と、回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように回転体(11)が回転軸(16)に圧入固定され、
圧入固定された状態にて逃がし部(22)が面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする。
【0022】
これによれば、請求項2と同様に回転軸16の突出寸法管理が不要となり、しかも回転体(11)および回転軸(16)からなる固定空間を小さく構成できる。
【0023】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明による回転体の固定構造を車両用空調装置の遠心式送風機に適用したものである。
【0025】
図1は第1実施形態による遠心式の送風機の断面図であり、図2は送風機の要部拡大図である。
【0026】
図1において、送風機のファン11は、本発明の回転体を構成するものであって、モータ12により回転駆動されて、軸方向Zから吸入した空気を径外方側に向けて吹き出すようになっている。
【0027】
このファン11には、送風作用をなす多数枚の翼13(ブレード)が円周方向に設けられており、翼13の回転中心部に設けられた円筒状のボス部14とを一体に連結するディスク15が形成されている。前記ボス部14には、S45Cなどの金属製の回転軸16に中間ばめまたは締まりばめにて取り付けられる固定穴14aが設けられている。
【0028】
また、図3に示すように、ファン11のボス部14の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16a側の端面14bにリブ嵌合溝部17が円周方向に4箇所、等間隔に放射状にへこんで形成されている。ファン11を構成する翼13、ボス部14およびディスク15は樹脂、具体的にはポリプロピレンにより一体に成形されている。
【0029】
なお、前記ファン11を回転体駆動する回転軸16の先端には直線状の面取り部16aが設けられており、モータ12内部の軸受内径部、ファン11のボス部14の固定穴14a等を傷つけず、容易に組み付けることができるようになっている。
【0030】
また、キャップ19は、本発明の回り止め部材を構成するものであって、樹脂にて2重円筒形状に形成され、固定穴19aが設けられている。この固定穴19aには、円筒状のキャップ19の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16a側の端面19b側に、回転軸16の径方向にへこんだ円形状からなる逃がし部21が回転軸16の軸方向に延びるように設けられている。
【0031】
この逃がし部21の軸方向寸法は、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、回転軸の面取り部16aに対向する部分と回転軸16の外周面16bに対向する部分を有するように設定されている。
【0032】
またキャップ19の軸方向端面のうち、回転軸16の面取り部16aと反対側の端面19cにおいて回り止めリブ20が円周方向に4個、等間隔に放射状に突出して形成されている。なお、回り止め部材を構成する回り止めリブ20はキャップ19に一体となって樹脂、具体的にはナイロンにより成形されている。
【0033】
また、第1実施形態によるファン11の線膨張係数をαF、キャップ19の線膨張係数をαC、回転軸16の線膨張係数をαSとすると、αF=9.5×10−5[/K]、αC=3×10−5[/K]、αS=1.21×10−6[/K]である。
【0034】
次に第1実施形態の組付手順を述べる。まず、ファン11のリブ嵌合溝部17とキャップ19の回り止めリブ20が一致するようにして、中間ばめないし締まりばめにて嵌合して固定する。次に、ファン11とキャップ19の組付体をモータ12の回転軸16に組み付ける。この際、ファン11のボス部14の固定穴14aと回転軸16、キャップ19の固定穴19aと回転軸16が締まりばめにて嵌合して、圧入固定する。
【0035】
この際、キャップ19の端面19bと回転軸16の端面16cは、一致するようにして組み付けられる。
【0036】
次に、第1実施形態の効果を述べる。第1実施形態によれば、キャップ19の線膨張係数αCが回転軸16の線膨張係数αSより大きいので、環境温度が高温から低温になると、キャップ19の収縮が回転軸16の収縮より大きくなる。
【0037】
しかし、キャップ19が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部21が回転軸の面取り部16aに対向しているので、キャップ19の固定穴19aには、回転軸16の面取り部16aに沿って変形が生じない。したがって、キャップ19には変形の際の径外方斜め方向の力F1が発生しないので、軸方向の分力F2も発生しない。
【0038】
その結果、キャップ19が回転軸16の軸方向に沿って回転軸16の面取り部16a側にずれることがない。これにより、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0039】
また、キャップ19の端面19bと、回転軸16の端面16cを一致させているから、回転軸16の突出寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。
【0040】
さらに、回転軸16がキャップ19の端面19bから突出しないので、ファン11、キャップ19および回転軸16からなる空間を小さく構成できる。
【0041】
(第2実施形態)
第1実施形態では、キャップ19に逃がし部21を設けたが、第2実施形態では、図5に示すように、キャップ19をなくし、回転軸16にファン11を直接圧入固定し、ファン11のボス部14の固定穴14aに第1実施形態と同様な形状の逃がし部22を設けている。
【0042】
第2実施形態において、前記逃がし部22の軸方向寸法はファン11が回転軸16に圧入された状態にて、回転軸の面取り部16aに対向する部分と回転軸16の外周面16bに対向する部分を有するように設定されている。
【0043】
このとき、ファン11の線膨張係数αFが回転軸16の線膨張係数αSより大きいので、環境温度が高温から低温になると、キャップ19の収縮が回転軸16の収縮より大きくなる。
【0044】
しかし、ファン11が回転軸16に圧入された状態にて、逃がし部22が回転軸の面取り部16aに対向しているので、ファン11のボス部14の固定穴14aには、回転軸16の面取り部16aに沿って変形が生じない。
【0045】
したがって、第1実施形態と同様の理由によって、ファン11が回転軸16の軸方向に沿って回転軸16の面取り部16a側にずれることがない。これにより、ファン11が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0046】
また、ファン11のボス部14の端面14bと、回転軸16の端面16cを一致させているから、回転軸16の端面16cの突出寸法管理が不要となり、組付コストの低減を図ることができる。
【0047】
さらに、回転軸16がファン11の端面14bから突出しないので、ファン11、キャップ19および回転軸16からなる空間を小さく構成できる。
【0048】
(第3実施形態)
第1実施形態および第2実施形態における逃がし部21、22は、回転軸16の径方向にへこんだ円形状を回転軸の軸方向に延びるように設けたが、第3実施形態では傾斜するように設けている。
【0049】
図6に示すように、第1実施形態に示すキャップ19の固定穴19aに設けられた逃がし部21は回転軸16の回転中心線から傾斜したテーパ形状23であってもよい。同様に、第2実施形態に示すファン11の固定穴14aに設けられた逃がし部22はテーパ形状であってもよい。
【0050】
(その他の実施形態)
なお、第1実施形態キャップ19の逃がし部21および第2実施形態におけるファン11の逃がし部22は、回転軸16の面取り部16aと外周面16bに対向する部分とを有するようにしたが、これは面取り部16aおよび逃がし部21、22の軸方向寸法の加工誤差を考慮したものであって、少なくとも面取り部16aに対向する部分を有するようにするだけでもよい。
【0051】
また、第1実施形態に示す固定構造において、キャップ19の端面19bと回転軸16の端面16cとを必要に応じて所定寸法ずらしてもよい。
【0052】
また、ファン11の材質はポリプロピレンであったが、ナイロンまたはガラス繊維または炭素繊維等にて引張り強度が強化された樹脂等を用いてもよい。さらに、キャップ19はナイロンであったが、金属製またはガラス繊維または炭素繊維等にて引張り強度が強化された樹脂等を用いてもよい。
【0053】
また、第1実施形態では、キャップ19の線膨張係数が回転軸16の線膨張係数より大きい材料を用いたが、キャップ19の線膨張係数が回転軸16の線膨張係数より小さい材料を用いても、第1実施形態と同様の理由により、キャップ19が回転軸16の面取り部16a側に抜けることを防止できる。
【0054】
また、第1実施形態ないし第3実施形態における面取り部16aの形状は直線状のものとしたが、R形状のものでもよい。
【0055】
なお、本発明による回転体の固定構造は、送風機にその適用が限定されるものではなく、その他の回転体にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による送風機の一部断面正面図である。
【図2】図1に示す送風機のファンのボス部の固定部分の拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態におけるファンのボス部の部分投影図、(b)はファンのボス部の軸方向断面図である。
【図4】(a)は本発明の第1実施形態によるキャップの軸方向断面図、(b)はキャップのA矢視図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるファンのボス部の拡大断面図である。
【図6】本発明のその他の実施形態によるファンのボス部の拡大断面図である。
【図7】従来技術によるキャップおよびファンと回転軸との固定部分の拡大図である。
【図8】従来技術によるキャップと回転軸の力作用線図である。
【図9】従来技術によるキャップの拡大断面図である。
【符号の説明】
11…ファン(回転体)、14a、19a…固定穴、16…回転軸、
16a…面取り部、16c…端面、19…キャップ(回り止め部材)、
19b…端面、21、22…逃がし部。
Claims (4)
- 先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
前記回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)と、
前記回転体(11)に回転方向に対して一体に係合する回り止め部材(19)とを備え、
前記回り止め部材(19)を前記先端側から前記回転軸(16)に圧入することによって前記回転体(11)を前記回転軸(16)に固定するようになっており、
前記回り止め部材(19)は前記回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で前記回転軸(16)に圧入される固定穴(19a)を有する形状に構成されており、
前記固定穴(19a)には、前記回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(21)を前記回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
前記回り止め部材(19)が前記回転軸(16)に圧入された状態にて、前記逃がし部(21)が少なくとも前記面取り部(16a)に対向する部分を有するように、前記逃がし部(21)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする回転体の固定構造。 - 前記回り止め部材(19)の端面(19b)と、前記回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように前記回り止め部材(19)が前記回転軸(16)に圧入固定され、
前記圧入固定の状態にて前記逃がし部(21)が前記面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする請求項1に記載の回転体の固定構造。 - 先端側に面取り部(16a)が設けられた回転軸(16)と、
前記回転軸(16)により回転駆動される回転体(11)とを備え、
前記回転体(11)を前記先端側から前記回転軸(16)に圧入することによって前記回転体(11)を前記回転軸(16)に固定するようになっており、
前記回転体(11)は前記回転軸(16)と線膨張係数が異なる材質で前記回転軸(16)に圧入される固定穴(14a)を有する形状に構成されており、
前記固定穴(14a)には、前記回転軸(16)の径方向にへこんだ形状からなる逃がし部(22)を前記回転軸(16)の軸方向に延びるように設け、
前記回転体(11)が前記回転軸(16)に圧入された状態にて、前記逃がし部(22)が少なくとも前記面取り部(16a)に対向する部分を有するように、前記逃がし部(22)の軸方向寸法を設定したことを特徴とする回転体の固定構造。 - 前記回転体(11)の端面(14b)と、前記回転軸(16)の前記先端側の端面(16c)とが一致するように前記回転体(11)が前記回転軸(16)に圧入固定され、
前記圧入固定された状態にて前記逃がし部(22)が前記面取り部(16a)の軸方向寸法(L1)以上の軸方向寸法(L2)を有することを特徴とする請求項3に記載の回転体の固定構造。
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