JP2004019249A - 盛土補強装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁面補強部材と盛土補強部材との連結作業をボルトやナットを使用せず、連結ロッド等の部材を別途取り付けることなく、極めて簡単かつ迅速に連結作業を完了することができ、盛土の沈下による盛土補強部材の下方移動に適度に合わせてスライドしたり、回動して連結部分に生じる応力を軽減することができる盛土補強装置を提供する。
【解決手段】壁面に沿う壁面側フレーム3、および盛土側へ水平に延出された盛土側フレーム4により構成された壁面補強フレーム2と、壁面補強フレーム2と盛土補強部材6とを連結させる連結部材5とを有し、壁面側フレーム3は、壁面の上下方向に複数本並設された上下棒状部B1と、上下棒状部B1と交差して複数本並設された左右棒状部B2とにより構成し、連結部材5は、上下棒状部B1にスライド可能に掛合する水平U字部5aと、水平U字部5aの開放一端部に一体形成される垂直U字部5bとにより構成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、盛土の壁面を強固に成形するための盛土補強装置に係り、特に、柔構造体である壁面補強フレームと盛土補強部材とを連結部材によって簡単かつ迅速に連結するとともに、盛土および基礎地盤の沈下に前記盛土補強部材が追従して壁面のはらみ出しや連結部分の損傷を防止するのに好適な盛土補強装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、道路や宅地などに面する壁面を強固にする擁壁として補強土壁面が構築されている。このような補強土壁面を構築する工法は各種提案されており、コンクリートブロック状の壁面ブロックを上下左右に積み上げて剛結させて壁面を構築する工法と、格子状の鉄筋フレームを略L字状に折り曲げて形成された壁面補強フレームを上下左右に連結する、いわゆる柔構造体により壁面を構築する方向とがある。壁面ブロックを剛結する工法は、強固であるが柔軟性に乏しく盛土や基礎地盤の沈下に弱い。一方、柔構造体を構築する壁面補強フレームを用いた工法は、盛土や基礎地盤の沈下に対して壁面補強フレームの間で適度に追従して緩衝できるというメリットがある。
【0003】
そこで、柔構造体を構築する一般的な補強土壁工法について説明すると、まず掘削、整地した後に墨だし、丁張り、杭打ち等の作業を行って壁面補強フレームの設置位置や法面勾配を明確にする。その後、所定位置に壁面補強フレームを左右に複数併設し、設置勾配を確認して互いに連結する。つづいて、それら壁面補強フレームの盛土側にシート状の盛土補強部材を締結して敷設し、固定ピンなどで固定する。その盛土補強部材上に切削土を撒き出して転圧しながら平坦に締め固め、約30cmの盛土を構築する。この高さの盛土をもう一段重ねて締め固めることにより、一層目の盛土が構築される。
【0004】
つぎに、二層目の盛土を構築するために、前記壁面補強フレームの盛土側下端部に盛土補強部材を連結するとともに、一層目の盛土の上に敷設する。盛土補強部材は、盛土や基礎地盤の沈下、移動、流失等を防止する役割や盛土の表層部に壁面補強部材を固定する役割を担うものである。そして、盛土補強部材を展張して固定ピンで止める。その後、再び盛土補強部材の上に切削土を撒き出して転圧しながら平坦に締め固め、約30cmの盛土を積み重ねて二層目を構築する。三層目以降も同様の作業を繰り返して所定の高さの盛土壁面を完成させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した柔構造体を構築する一般的な補強土壁工法においては、盛土完成後の盛土の沈下等に対する柔軟性が高く安全性も確保されている。しかし、施工中に盛土を締め固める際、特に壁面際を転圧する作業を行う場合、壁面補強フレームに作用する土圧が非常に高くなり、外側へ押し出されるという問題がある。つまり、壁面が突出してしまう、いわゆるはらみだしの問題がある。これは安全性に問題はないとはいえ、外観上不安視されるし、美観が損なわれるとの指摘があり、好ましくない。
【0006】
一方、壁面補強フレームと盛土補強部材とは連結部材によって連結されているが、補強土壁の構築作業時はもちろん構築後においても、盛土の転圧によって生じる圧力や盛土上層部の自重による圧力によって、水平に敷設されていた盛土補強部材が経時的に下方へ引っ張られる場合がある。そして、盛土補強部材が下方へ引っ張られると、壁面補強フレームと盛土補強部材との連結部分に引張応力や剪断応力が加わり、破損するおそれがある。
【0007】
他方、特開2001−131979号公報には、コンクリートブロック状の壁面ブロックを用いる補強土壁工法において、盛土の沈下や基礎地盤の沈下に対応するために、盛土補強部材が垂直方向にスライドできるようにした発明が記載されている。具体的には、壁面ブロックの裏側に連結ロッドを取り付けるとともに、この連結ロッドに盛土補強部材に取り付けた連結金具をスライド自在に連結する技術が記載されている。この発明によれば、盛土補強部材が下方へ変位した場合、この変位に伴って連結金具が連結ロッドに沿って下方へスライドするため、連結部に加わる負荷が軽減されて連結部分の損傷を防止できるとされる。
【0008】
しかしながら、前記公報に記載された連結構造においては、連結金具を用いて連結する際に、ボルトやナット等を用いて締結しなければならず、連結作業に相当な手間と時間がかかってしまう。また、連結部材をスライド自在に係合させるために、壁面補強部材の背面に連結ロッドを別途取り付けなければならず、製造作業の増加やコストアップにつながるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、壁面補強フレームと盛土補強部材との連結作業をボルトやナットを使用せず、また連結ロッド等の部材を別途取り付けることなく、極めて簡単かつ迅速に連結作業を完了することができるとともに、施工時や施工完成後におけるはらみ出しを防止し、盛土や基礎地盤の沈下により盛土補強部材が移動してもその動きに追従したり回動したりして連結部分に生じる応力を軽減することができる盛土補強装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る盛土補強装置の特徴は、壁面補強フレームの壁面側フレームが、盛土壁面の上下方向に沿って複数本並設された上下棒状部と、これらの上下棒状部に交差するように複数本並設された左右棒状部とにより構成されており、連結部材が、水平面において略U字状をなし前記上下棒状部にスライド可能に掛合する水平U字部と、この水平U字部の開放端部の一方に一体形成されて垂直面において略U字状をなす垂直U字部とにより構成されている点にある。ここで、連結部材の水平U字部および垂直U字部の形状は、略U字状となっており、この形状には開放端部がより内側に湾曲されている、いわゆるフック形状等も含まれるものと定義する。
【0011】
そして、このような構成を採用したことにより、連結部材が水平U字部と垂直U字部とからなる変形S字状に形成されており、両端部において着脱自在に引っ掛けられるようになっているため、壁面補強フレームと盛土補強部材とを連結する場合、前記水平U字部を壁面補強フレームの上下棒状部に引っ掛け、前記垂直U字部を盛土補強部材の側端部に引っ掛けるだけで簡単に連結作業を完了することができる。また、盛土補強部材が上下に移動すると、それに追従して連結部材の水平U字部が壁面補強フレームの上下棒状部に沿ってスライドし、さらにU字形状に沿って回動することもできるため、壁面に生じる土圧を軽減してはらみ出しを防止し、かつ、各連結部分に加わる負荷や応力を軽減することができて連結部分の破損を防止する。
【0012】
また、本発明において、壁面補強フレームにおける上下棒状部と左右棒状部とは、盛土の補強として使用された場合に、前記上下棒状部が内側で前記左右棒状部が外側となるように重ねられて溶接されていることが好ましい。これによれば、上下棒状部が受ける盛土側で発生する土圧を左右棒状部によって分散し、さらに、左右棒状部が外側に位置することで土圧を受けても上下棒状部との溶接部分が剥離されにくい。
【0013】
さらに、本発明において、上下棒状部のうち、連結部材がスライド可能に掛合する上下棒状部の径は、他の上下棒状部の径よりも大径に形成され、かつ、その径が10mm〜20mmの範囲に形成されていることが望ましい。これによれば、各上下棒状部のうち、特に連結部材が引っ掛けられて大きな応力を受ける上下棒状部について、その径が太くなるように形成することで強度が高められる。また、その上下棒状部の径を太くしすぎると連結部材の水平U字部も大きく形成されることになり、両者の接触面積が大きくなってしまう。これでは、垂直方向へのスライドに抵抗する摩擦抵抗が大きくなってしまうため、上下棒状部の外径を約10mm〜20mmの範囲に収めることにより、前記連結部材の水平U字部と上下棒状部との摩擦抵抗が大きくなりすぎないように形成されている。
【0014】
また、本発明は、連結部材の垂直U字部に盛土内で水平に敷設される盛土補強部材を掛合させるとともに、水平U字部を前記上下棒状部の長手方向における略中央位置に掛合させることを特徴とする。これによれば、連結部材を壁面補強フレームの上下方向における略中央位置に取り付けるため、盛土の内側から壁面補強フレームに加わる土圧に対し、盛土補強フレームの盛土側フレームにおける抵抗に加えて、中央位置でも抵抗することができることになり、土圧により壁面が突出してしまう、いわゆるはらみ出しを効果的に防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る盛土補強装置1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態である盛土補強装置1を用いて補強土壁を構築した状態を示す図であり、図2は、盛土補強装置1のある一層を正面側より見た正面図であり、図3は、盛土補強装置1を構成する連結部材5の斜視図である。
【0017】
図1から図3に示すように、本実施形態における盛土補強装置1は、壁面補強フレーム2と、この壁面補強フレーム2に連結部材5を介して連結される盛土補強部材6とを備えている。前記壁面補強フレーム2は、盛土の壁面に沿って上下左右に積み上げられて、主に盛土壁面を強固に保護するようになっている。盛土補強部材6は、盛土内において所定間隔で層状に敷設されて、主に盛土の沈下や移動、流失を防止するとともに、壁面補強フレーム2が壁面から突出してしまう、いわゆるはらみ出しを防止するようになっている。
【0018】
壁面補強フレーム2は、前記壁面に沿うように形成された壁面側フレーム3と、この壁面側フレーム3の下端部から盛土側へ水平に延出された盛土側フレーム4とにより構成されている。本実施形態では、壁面側フレーム3および盛土側フレーム4は、所定間隔で金属性の細棒を格子状に連結し、所定位置で設計勾配に合わせて折り曲げられることにより形成されている。壁面側フレーム3において、壁面の上下方向に沿って複数本並設された金属細棒を上下棒状部B1とし、これらの上下棒状部B1に直交するように複数本並設された金属細棒を左右棒状部B2とする。本実施形態では、前記上下棒状部B1が適当な位置で折り曲げられることで盛土側フレーム3を延出させて形成しており、それら各上下棒状部B1について左右棒状部B2が連結されている。なお、壁面補強フレーム2に用いられる金属細棒は軽量であって、適当な強度、弾性、防錆性、その他壁面材に適用するのに相応しい性質を有する金属素材により成形されている。
【0019】
また、図3および図4に示すように、壁面補強フレーム2における上下棒状部B1と左右棒状部B2とは、盛土の壁面に配置された場合に、前記上下棒状部B1が内側で前記左右棒状部B2が外側となるように重ねられて溶接されている。これによれば、盛土側からの土圧を主に上下棒状部B1が受け、その土圧を左右棒状部B2によって分散するようになっている。このとき、左右棒状部B2が外側になるように溶接されているため、溶接部分が土圧を受ける上下棒状部B1の背面側となり、その溶接部分が土圧を受けても剥離しにくくなっている。
【0020】
また、盛土側フレーム4の奥行き長さは、壁面補強フレーム2を盛土内に配置した場合に、転圧作業等により盛土側から壁面側へ生じる圧力に抵抗できる長さに形成されており、別途壁面補強フレームに支持部材を取り付けなくても安定的に自立できるようになっている。
【0021】
さらに、各上下棒状部B1のうち、連結部材5がスライド可能に掛合する上下棒状部B1aの径は、他の上下棒状部B1の径よりも大径に形成され、かつ、その径が約10mm〜20mmの範囲に形成されている。これは、部材の軽量化とコスト低減を図りつつ、強度を確保するためであり、連結部材5が掛合する上下棒状部B1aには、盛土補強部材6を介して他の部材よりも大きな力が作用することから、それに抵抗できる大きさに形成されている。ただし、あまりに太すぎると、連結部材5との接触面積が大きくなり摩擦抵抗が大きくなってしまうため、当該連結部材5の上下スライドを妨げる。そこで、本実施形態では、連結用の上下棒状部B1aの径を13mm、他の上下棒状部B1の径を6mmに形成している。これにより、後述する盛土の沈下に伴って連結部材5を介して受ける引張応力に対しても十分な耐性を得ることができる。
【0022】
なお、本実施形態においては、各上下棒状部B1および各左右棒状部B2の間隔を全て等間隔にすることで盛土の土圧に対する抵抗性能を均一化させるようになっている。そして、等間隔に配置された6mm径の上下棒状部B1に隣接させて連結用の上下棒状部B1aを溶接している。
【0023】
また、図1に示すように、壁面補強フレーム2の壁面側フレーム3には、土圧に対する抵抗性能を高めるとともに、自然の景観との調和を図るための植生マット10が張り付けられている。
【0024】
つぎに、図3および図4に示すように、連結部材5は、水平面において略U字状をなし上下棒状部B1にスライド可能に掛合する水平U字部5aと、この水平U字部5aの開放端部の一方に一体形成されて垂直面において略U字状をなす垂直U字部5bとにより構成されている。換言すれば、略S字状の金属部材の一端部を90度回転させた形状をなしている。このような形状に形成することで、壁面補強フレーム2および盛土補強部材6との連結が極めて簡単になり、迅速に作業を完了できる。
【0025】
一方、連結部材5の盛土側に掛合する盛土補強部材6は、強化繊維、高分子材料、合成樹脂等からなる素材を使用したネット状および格子状に形成されている。盛土補強部材6の連結部材5と掛合する側端部は、折り返されて袋状に形成されており、その袋状内側に長尺状の掛合用金属棒9が挿入されている。そして、その掛合用金属棒9に対して連結部材5の垂直U字部5bが掛合される。
【0026】
つぎに、図1を参照しながら本実施形態の盛土補強装置1により補強土壁を構築する手順について説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における盛土補強装置1により補強土壁を構築する場合、まず所望の現場において草木の伐採や掘削による切り株の除去、表土の撤去を行い、ローラーなどの加圧手段により転圧しながら平坦に整地する。この作業により仕上がり精度が向上したり工期の短縮化が図られる。
【0028】
以上のような整地作業の後、盛土の各層S1〜S6の施工位置を確認する。この作業は各層ごとに水糸を張り、墨だし、丁張り、杭打ち等により設置位置や壁面勾配を明確にする。これにより作業効率が向上し、補強土壁面の仕上がりがより一層美しくなる。
【0029】
つぎに、壁面補強フレーム2の勾配と補強土壁の設計勾配とが一致していることを確認しつつ基盤11上に盛土補強装置1を載置する。そして、鋼などにより形成された固定ピン7により壁面補強フレーム2を基盤11に固定する。ここで、図1に示すように固定ピン7の頭部はフック形状となっており、これを盛土側フレーム4の上下棒状部B1または左右棒状部B2に引っ掛けた状態で打ち込むことで壁面補強フレーム2が基盤11に固定される。
【0030】
なお、本実施形態においては壁面補強フレーム2の載置固定後、盛土側フレーム4の上面側に法面排水材8を敷設している。これにより特に湧水の多い地盤等では盛土含水比の増加や湧水による盛土側フレーム4の損傷を防止することができる。
【0031】
つぎに、壁面側フレーム3の背面側に掘削土などの盛土材を撒き出し、敷均する。この際に用いられる盛土材の量は、締め固め後の各盛土層の仕上がり厚さを考慮する。通常、約30cm高さの盛土層を形成し、これを繰り返し重ねるようになっている。また、撒き出しは壁面補強フレーム2側から盛土内部側へと行い、平坦になるよう敷均することで仕上がり精度や盛土の安定性が向上する。
【0032】
以上のように撒き出し、敷均した盛土材を、ローラーなどの加圧手段により転圧しながら凹凸がないよう平坦かつ均一に締め固める。これにより、盛土の第一層S1が形成される。この締め固め作業は補強土壁の安定性や耐久性に大きな影響を及ぼすため、設計の際に用いた土質定数を満足するように締め固め規定を設定し、その規定の下に極めて入念に行うことが好ましい。
【0033】
盛土層S1の形成後、連結部材5を壁面補強フレーム2の上下棒状部B1aに掛合させる。具体的には図1および図4に示すように、上下棒状部B1aの上下方向長さの略中央部近傍において交差する2本の左右棒状部B2の間に連結部材5の水平U字部5aを引っ掛ける。そして、本実施形態においては、図4の(a)に示すように、連結部材5が上側の左右棒状部B2aとほぼ接する状態で上下棒状部B1aに係合する。これにより、図4の(b)に示すように、盛土の沈下に追従する下方へのスライドが可能となる。
【0034】
一方、連結部材5の垂直U字部5bには、盛土補強部材6を掛合する。この盛土補強部材6としては、十分な引張強度特性、クリープ特性、耐衝撃性、盛土材との摩擦特性、耐候性、耐薬品性、耐寒性、耐熱性および柔軟性を有するものを適宜選択することが好ましい。なお、本実施形態においては強化樹脂製の網状シートを採用している。
【0035】
連結部材5と盛土補強部材6との連結は掛合用金属棒9を介して行われる。具体的には、盛土補強部材6の一端側縁部を掛合用金属棒9に巻き掛け、前記盛土補強部材6の網目を通して垂直U字部5bを前記掛合用金属棒9に引っ掛ける。これにより、簡易な手段により連結部材5と盛土補強部材6とを連結できる。つづいて、盛土補強部材6を盛土層S1上に敷設し、展張させた状態で固定ピン7を盛土層S1に打ち込み、固定する。
【0036】
その後、盛土補強部材6の上に盛土材を撒き出し、敷均し、転圧することで第二層S2を形成する。そして、壁面補強フレーム2の上端部に新たな壁面補強フレーム2を配置し、図示しない接合部材により接合した後、前述した作業を繰り返して第三層S3〜第六層S6と順次盛土層を形成し、補強土壁面を構築する。
【0037】
以上のように、本実施形態の盛土補強装置1を用いて構築する補強土壁面は、施工途中あるいは施工完了後に盛土や基礎地盤が沈下したとしても、その沈下に追従して連結部材5が上下方向にスライドし、歪みを吸収するため壁面が突出するようなはらみ出しが生じるのを軽減できる。また、連結部材5が上下棒状部B1aに沿って上下にスライドしたり、U字形状に沿って回動するため、盛土や地盤の沈下により受ける引張応力や剪断応力を軽減し、連結部分が損傷してしまうのを防止できる。
【0038】
さらに、連結部材5は水平U字部5aと垂直U字部5bとにより構成されており、壁面補強フレーム2の上下棒状部B1aとの掛合作業や盛土補強部材6との掛合作業を簡単かつ迅速に進めることができる。
【0039】
さらにまた、盛土補強部材6が壁面側フレーム2の上下棒状部B1の長手方向における略中央部で掛合されているので、盛土側からの土圧に対して、壁面補強フレーム2の下端部における盛土側フレーム4とともに中央位置でも抵抗することができ、特に、壁面付近における転圧作業により生じる土圧に対して、壁面のはらみ出しを確実に抑制でき、安定した盛土を構築することができる。
【0040】
なお、本実施形態における各構成は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0041】
例えば、本実施形態においてはコストを抑制しつつ強度を確保するために、壁面補強フレーム2はどの位置に配置する場合もすべて同じ規格のものを使用している。しかし、より下層に配置する壁面補強フレーム2には、壁面側フレーム3の高さが低いものを使用したり、上下棒状部B1および左右棒状部B2の径がより大きいものを採用するようにしてもよい。これにより、下層側においてより増大する盛土の土圧に対しても信頼性の高い耐荷重性を実現することができる。
【0042】
また、本実施形態における連結部材5の水平U字部5aおよび垂直U字部5bは、U字状の開放端部がストレートに開いているが、もちろん、より内側に湾曲されたフック状に形成することでより掛合が外れにくい形状としてもよい。さらに、バネにより付勢されて開放端部を閉じるストッパー部材を開放端部に取り付けてるようにしてより脱落しにくい構造にすることも可能である。
【0043】
さらに、本実施形態では、盛土補強部材6を強化繊維、高分子材料、合成樹脂等からなる素材を使用したネット状および格子状のものを使用しているが、これに限らず、連結部材5の垂直U字部が掛合できるものであれば各種の汎用的な盛土補強部材6を用いることができる。
【0044】
また、本実施形態における壁面補強フレームの上下棒状部および左右棒状部は、断面が円形状の丸棒を用いているが、これに限らず、適宜、断面矩形状の角形棒等を用いるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、壁面補強部材と盛土補強部材との連結作業をボルトやナットを使用せず、連結ロッド等の部材を別途取り付けることなく、極めて簡単かつ迅速に連結作業を完了することができるし、施工時や施工完成後におけるはらみ出しを防止し、盛土や基礎地盤の沈下により盛土補強部材が移動してもその動きに追従したり回動したりして連結部分に生じる引張応力や剪断応力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る盛土補強装置を用いて補強土壁を構築した状態を示す図である。
【図2】本発明に係る盛土補強装置のある一層を正面側よりみた正面図である。
【図3】本発明に係る盛土補強装置を構成する連結部材の斜視図である。
【図4】本発明に係る盛土補強装置の連結部材が上端において係合した状態(a)、および下端において係合した状態(b)を示す斜視図である。
【符号の説明】
1  盛土補強装置
2  壁面補強フレーム
3  壁面側フレーム
4  盛土側フレーム
5  連結部材
6  盛土補強部材
7  固定ピン
8  法面排水材
9  掛合用金属棒
10  植生マット
11  基盤
B1  上下棒状部
B1a  連結部材と掛合する上下棒状部
B2  左右棒状部
B2a  上側左右棒状部
B2b  下側左右棒状部

Claims (4)

  1. 盛土の壁面を強固にするために前記壁面に沿うように形成された壁面側フレームと、この壁面側フレームの下端部から盛土側へ水平に延出された盛土側フレームとにより構成された壁面補強フレームを有するとともに、この壁面補強フレームと盛土側に敷設される盛土補強部材とを連結させるための連結部材を有する盛土補強装置であって、
    前記壁面補強フレームの前記壁面側フレームは、前記壁面の上下方向に沿って複数本並設された上下棒状部と、これらの上下棒状部に交差するように複数本並設された左右棒状部とにより構成されており、
    前記連結部材は、水平面において略U字状をなし前記上下棒状部にスライド可能に掛合する水平U字部と、この水平U字部の開放端部の一方に一体形成されて垂直面において略U字状をなす垂直U字部とにより構成されていることを特徴とする盛土補強装置。
  2. 請求項1において、前記壁面補強フレームにおける上下棒状部と左右棒状部とは、盛土の補強として使用された場合に、前記上下棒状部が内側で前記左右棒状部が外側となるように重ねられて溶接されていることを特徴とする盛土補強装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記上下棒状部のうち、前記連結部材がスライド可能に掛合する上下棒状部の径は、他の上下棒状部の径よりも大径に形成され、かつ、その径が約10mm〜20mmの範囲に形成されていることを特徴とする盛土補強装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、前記連結部材の垂直U字部に盛土内で水平に敷設される盛土補強部材を掛合させるとともに、水平U字部を前記上下棒状部の長手方向における略中央位置に掛合させることを特徴とする盛土補強装置。
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