JP2004019076A - ツインワイヤ式抄紙機のフォーマー - Google Patents

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Abstract

【課題】紙料を均一に分散させ良好な紙層形成を可能とする抄紙機のフォーマーを提供する。
【解決手段】フォーミングロール1とガイドロール11に巻き掛けた上部フォーミングワイヤ3と、ブレストロール2とガイドロール12に巻き掛けられた下部フォーミングワイヤ4が、フォーミングロール1とブレストロール2によるニップ部Nから重なって走行する領域をフォーミングゾーンとする抄紙機において、フォーミングロール1に設けられたセーブオール20と、フォーミングロール1に対し上部フォーミングワイヤ3の走行方向下流側であって、上部フォーミングワイヤ3の上方に設けられたサクションボックス30とが設けられており、セーブオール20の後壁面20b とサクションボックス30の前壁面30f とで、サクションボックス30内へ水を吸引する吸引水路41を形成した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツインワイヤ式抄紙機のフォーマーに関する。さらに詳しくは、一対のフォーミングワイヤが重なり合ったフォーミングギャップへ紙料懸濁液を送り込んで紙層形成を行うツインワイヤ式抄紙機のフォーマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のツインワイヤ式抄紙機の基本構成を、図5に基づき説明する。
図5は従来のツインワイヤ式抄紙機の概略説明図である。1はフォーミングロール、2はブレストロールで、これらのロール1,2は互いに接近して配置されている。3は上部フォーミングワイヤ(以下、単に上部ワイヤ3という)で、フォーミングロール1とガイドロール11にエンドレスに巻き掛けられて、ワイヤパートの上半分領域で循環する。4は下部フォーミングワイヤ(以下、単に下部ワイヤ4という)で、ブレストロール2とガイドロール12にエンドレスに巻き掛けられて、ワイヤパートの下半分領域で循環する。
前記上部ワイヤ3がフォーミングロール1に巻き掛けられた部分と、前記下部ワイヤ4がブレストロール2に巻き掛けられた部分は、ワイヤ3,4が互いに接近する方向に走行する部分であり、側面視で漏斗状の開口部を形成している。そして、開口部の奥底が、フォーミングロール1とブレストロール2で挟まれるニップ部Nであり、そこから各ワイヤ3,4の走行方向下流側において、各ワイヤ3,4が重なって走行する領域の内部が紙層を形成するフォーミングギャップを構成している。
そして、前記開口部に臨むように、ヘッドボックス6が配置されており、紙料懸濁液(以下、紙料液という)を前記ワイヤ3,4間に噴出させるようにしている。このようにして紙料液がフォーミングギャップに供給される。この紙料液は、パルプと水の割合(重量)が約1対100 の懸濁液である。
【0003】
前記フォーミングロール1の上方と後方(各ワイヤ3,4の走行方向下流側という。以下同じ)には、水を回収するためのセーブオール101 が取付けられている。つまり、フォーミングロール1の回転に伴って遠心力方向に紙料液の一部がはね飛ばされるが、これを外部に飛散させないように回収するためのセーブオール101 が設けられている。
【0004】
また、上部ワイヤ3の上方であって前記セーブオール101 の後方には、サクションボックス102 が設けられている。このサクションボックス102 はフォーミングギャップを通過していく紙料液から水分の数10%を吸引するために設けられている。さらに、このサクションボックス102 の下面には数本の固定ブレード7が固定されており、上部ワイヤ3をガイドするようにしている。
さらに、上記サクションボックス102 の下方領域において、下部ワイヤ4の下面には可動式のブレード8が配置されており、下部ワイヤ4を下方から支えている。
【0005】
このため、フォーミングロール1とブレストロール2に挟まれたニップ部Nに供給された紙料は、上下ワイヤ3,4によってニップ部Nと上下のブレード7,8との間を通過する間に大部分の水分が除去されて紙層に形成されていく。
そして、紙料を、上下ワイヤ3,4でさらに搬送しつつ紙層形成することによって湿紙となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、紙料は上下のブレード7,8を通過する間にパルス圧を受け地合が形成されるが、この地合の形成には、ニップ部Nを越え最初の固定ブレード7に至る間の上下のワイヤ3,4の支持が重要である。これは、その間に上下のワイヤ3,4を支える部材がなく、外力が加わりやすいことによる。
【0007】
上下のワイヤ3,4に加わる外力の例としては、次のようなものがある。
フォーミングロール1はニップ部Nにおいて上部ワイヤ3を通してフォーミングロール1側に脱水された水を吸引するバキューム機構を備えており、フォーミングロール1の直下より少し下流の部分まではその負圧が作用するため上部ワイヤ3が上方に吸い上げられる。すると、フォーミングロール1が上部ワイヤ3と離れようとする部分には若干の負圧が発生し上部ワイヤ3が上方に引き上げられる現象が発生する。
このとき、上部ワイヤ3が膨らみ、上下のワイヤ3,4の間隔が広がり上下のワイヤ3,4間に空気を吸い込むと、紙料中のパルプ繊維のからみが崩れたり、空気の泡が紙料中に残った状態で紙料が固定し、いわゆる地合崩れが生じ紙品質を低下させてしまう。
上記以外にも、上下のワイヤ3,4を支える部材同士の間隔が広いと上下のワイヤ3,4の挙動が不安定となり上記と同様の欠陥を生じる。
【0008】
フォーミングロール1とセーブオール101 だけで脱水が完了するのであれば、上下のワイヤ3,4に加わる外乱による紙品質の低下は生じないが、実際上不可能であるため、上下のワイヤ3,4に加わる外乱の影響を少なくしなければならない。
例えば、固定ブレード7を支持するサクションボックス102 をフォーミングロール1に近づければ、フォーミングロール1から固定ブレード7までの距離を短くなり上下のワイヤ3,4に加わる外乱の影響を少なくすることはできるが、セーブオール101 の取付けスペースを確保すると、ニップ部Nまでの距離を縮めるには限界がある。
かといって、セーブオール101 の下面に固定ブレード7を設ければ、フォーミングロール1から固定ブレード7までの距離を短くできるが、セーブオール101 は剛性が低く固定ブレード7に加わる荷重を支持することができないので、実際上、採用することができない。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑み、紙料を均一に分散させ良好な紙層形成を可能とする抄紙機のフォーマーを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のツインワイヤ式抄紙機のフォーマーは、フォーミングロールとガイドロールに巻き掛けられて、ワイヤパートの上半分領域で循環する上部フォーミングワイヤと、ブレストロールとガイドロールに巻き掛けられて、ワイヤパートの下半分領域で循環する下部フォーミングワイヤが、前記フォーミングロールと前記ブレストロールによるニップ部から重なって走行する領域をフォーミングゾーンとする抄紙機において、前記フォーミングロールに設けられたセーブオールと、前記フォーミングロールに対し上部フォーミングワイヤの走行方向下流側であって、前記上部フォーミングワイヤの上方に設けられたサクションボックスとが設けられており、前記セーブオールの後壁面と前記サクションボックスの前壁面とで、前記サクションボックス内へ水を吸引する吸引水路を形成したことを特徴とする。
請求項2のツインワイヤ式抄紙機のフォーマーは、請求項1記載の発明において、前記セーブオールが、その下面によって前記フォーミングロールの上方を覆うように配置されており、前記サクションボックスが、その前壁面によって前記フォーミングロールの後方を覆うように配置されており、前記サクションボックスの前壁面と前記フォーミングロールの外周面との間に、前記吸引水路に連通する下部吸引水路を形成したことを特徴とする。
請求項3のツインワイヤ式抄紙機のフォーマーは、請求項2記載の発明において、前記サクションボックスの前壁面において、前記フォーミングロールを覆っている部分が、前記フォーミングロールの回転軸を中心軸とする円筒状凹面であることを特徴とする。
請求項4のツインワイヤ式抄紙機のフォーマーは、請求項3記載の発明において、前記サクションボックスの前壁面において、前記フォーミングロールを覆っている部分と、前記フォーミングロールの外周面との距離が、40〜60mmであることを特徴とする。
請求項5のツインワイヤ式抄紙機のフォーマーは、請求項1記載の発明において、前記サクションボックスの下方において、前記下部フォーミングワイヤを下方から支持する可動ブレードが設けられており、該可動ブレードと前記ブレストロールとの間に、前記下部フォーミングワイヤを下方から支持するプレローディングブレードが設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、セーブオールの後壁面とサクションボックスの前壁面とでサクションボックス内の吸引室への吸水路を構成しているので、サクションボックスをニップ部に近づけて配置することができる。このため、サクションボックスの下面に固定される固定ブレードもニップ部に接近するため、フォーミングロールから先端の固定ブレードに至るまでにおける上下部ワイヤの無支持部分の長さが短くなる。よって、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことが少なくなり、高品質の紙を抄紙することができる。
請求項2の発明によれば、サクションボックスの前壁面とフォーミングロールの外周面との間に下部吸引水路が形成されているから、サクションボックスをニップ部のごく近傍に配置することができる。このため、フォーミングロールから先端の固定ブレードに至るまでにおける上下部ワイヤの無支持部分がほとんどない状態とすることができる。よって、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことが少なくなり、高品質の紙を抄紙することができる。
請求項3の発明によれば、前記サクションボックスの前壁面において、前記フォーミングロールを覆っている部分が、前記フォーミングロールの回転軸を中心軸とする円筒状凹面となっているから、下部吸引水路の流路の高さを一定に保つことができる。よって、下部吸引水路内における水の流れを安定させることができる。
請求項4の発明によれば、下部吸引水路の高さを、水を吸引するのに最適な高さとすることができる。このため、吸引水路が狭すぎてオーバーフローすることを防ぐことができる。また、吸引水路が広すぎてフォーミングロールの回転に伴う遠心力によって後方に飛ばされた紙料液の水分がサクションボックスの前壁面をつたって、再び紙料液に戻ることを防ぐことができる。よって、紙料液から除去された水分を確実にサクションボックスに回収することができる。
請求項5の発明によれば、ブレストロールと可動ブレードの間にプレローディングブレードを設けているので、プレローディングブレードによって両者の間の上下部ワイヤを下方から支持することができる。つまり、プレローディングブレードによって支持することができるから、上下部ワイヤを無支持部分の長さを短くすることができる。よって、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことをさらに少なくすることができ、高品質の紙を抄紙することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るサクションボックス30の概略説明図である。図2はサクションボックス30の部分拡大断面図である。図3は図2のIII −III線断面図である。図4はツインワイヤ式抄紙機の概略説明図である。
【0013】
まず、図1および図4に基づきツインワイヤ式抄紙機の全体構成を説明する。フォーミングロール1と、ブレストロール2は互いに接近して配置されている。上部ワイヤ3は、フォーミングロール1とワイヤパートの上半分適所に配置されたガイドロール11にエンドレスに巻き掛けられて、ワイヤパートの上半分領域で循環する。下部ワイヤ4は、ブレストロール2とワイヤパートの下半分適所に配置されたガイドロール12にエンドレスに巻き掛けられて、ワイヤパートの下半分領域で循環する。
前記上部ワイヤ3がフォーミングロール1に巻き掛けられた部分と、前記下部ワイヤ4がブレストロール2に巻き掛けられた部分で側面視漏半状に形成された開口部に臨むように、ヘッドボックス6が配置されている。そして、ニップ部Nから下流側においてワイヤ3,4が重なって走行する領域の内部が紙層を形成するフォーミングギャップとなっている。
【0014】
前記フォーミングロール1の上方には、セーブオール20が取付けられている。このセーブオール20は、その下面がフォーミングロール1の上方を覆うように配設されている。
このセーブオール20は、図示しない負圧源に接続されて、その内部が負圧に保たれており、その下面から、空気とともに、フォーミングロール1の回転に伴って遠心力方向にはね飛ばされた紙料液の水分を吸引して、水が外部に飛散しないように回収するためのものである。
【0015】
また、上部ワイヤ3の上方であって前記フォーミングロール1の後方には、上部ワイヤ3をガイドするように、数本の固定ブレード7が設けられている。この固定ブレード7は後述するサクションボックス30の下面に取り付けられている。
また、上記サクションボックス30の下方領域において、下部ワイヤ4の下面には浮動式のブレード8が配置されており、下部ワイヤ4を下方から支えている。
【0016】
前記フォーミングロール1およびセーブオール20の後方かつ固定ブレード7の上方には、サクションボックス30が設けられている。このサクションボックス30はフォーミングゾーンを通過していく紙料液から水分の数10%を吸引するためのものである。このサクションボックス30は、複数のチャンバ30a,30b,30c を備えており、いずれも図示しない負圧源に接続され、その内部が負圧に保たれている。
【0017】
このサクションボックス30の下部には、チャンバ30a ,30bと前記フォーミングゾーンとの間を連通させる誘水路30h が設けられている(図1参照)。この誘水路30h は、いずれもその一端がチャンバ30a ,30bに連結されており、その他端における前記上部ワイヤ3に面する部分、つまりフォーミングゾーンと面する部分に開口部が設けられている。
また、チャンバ30c は、サクションボックス30の前壁面30f とセーブオール20の後壁面20b との間に形成された上方吸引水路41に連通されているが、詳細は後述する。
【0018】
このため、紙料液をニップ部Nにおける前記ワイヤ3,4間に噴出させてフォーミングギャップに供給し、上下ワイヤ3,4によって下流側に搬送すれば、ニップ部Nと上下のブレード7,8との間を通過する間に地合を形成し、サクションボックス30等によって紙料液から大部分の水分を除去することができるので、紙層を形成することができる。
【0019】
そして、紙料液を上下ワイヤ3,4でさらに下流側に搬送されつつ紙層形成することによって湿紙とし、ついで全ての抄紙機が備えているプレスパートで湿紙の組織を緻密にし、ドライパートで乾燥させ、カレンダパートで紙の平滑性や光沢をつけ、最後にリールパートでロール状に巻き取ることによって、製品に仕上げられる。
【0020】
さて、本発明の特徴であるサクションボックス30を詳細に説明する。
図1および図2に示すように、前記フォーミングロール1およびセーブオール20の後方には、サクションボックス30が設けられている。
このサクションボックス30の前壁面30f は、その下方部分30d が、前記フォーミングロール1の後方を覆うように形成されている。このサクションボックス30の前壁面30f の下方部分30d (以下、単に下方部分30d という)は、その形状が、フォーミングロール1の回転軸を中心軸とする円筒状凹面となるように形成されている。そして、サクションボックス30は、この下方部分30d とフォーミングロール1の外周面1fとの間の距離Hが40〜60mmとなるように配設されている。このサクションボックス30の下方部分30d とフォーミングロール1の外周面1fとの間に、下部吸引水路42が形成されている。
【0021】
一方、サクションボックス30の前壁面30f の上方部分30e (以下、単に上方部分30e という)は、前記下方部分30d と滑らかに連続する面に形成されている。しかも、サクションボックス30を、その下方部分30d がフォーミングロール1の外周面1fとの間の距離Hが40〜60mmとなるように配設すると、前記セーブオール20の後壁面20b との距離が30〜50mmとなるように形成されている。そして、このサクションボックス30の上方部分30e とセーブオール20の後壁面20b との間に、一端がチャンバ30c に連結された上部吸引水路41が形成されている。
【0022】
なお、サクションボックス30の下方部分30d とフォーミングロール1の外周面1fとの間の距離H、およびサクションボックス30の上方部分30e とセーブオール20の後壁面20b との間の距離は、上記の範囲に限定されず、抄紙する物や抄紙速度に対応させて、紙料から脱水された水が下部吸引水路42内および上部吸引水路41内をスムースに流れるように最適な距離に調整すればよい。
【0023】
図3に示すように、サクションボックス30の両側壁30w は、セーブオール20の両側面20w の側方まで延びており、側壁30w の内面と側面20w の外面との間には、両者の間を液密に遮閉するパッキンPが設けられている。
このため、上部吸引水路41の側方を、外部から遮閉することができるので、上部吸引水路41を通して確実に水をチャンバ3c内に回収することができ、上部吸引水路41内の水が外部に飛散することを防ぐことができる。
【0024】
上記のごとき構成であるから、下部吸引水路42および上部吸引水路41を通して、フォーミングロール1の回転に伴って遠心力方向に飛ばされた紙料液の水分を、周囲に飛散させることなく、確実にサクションボックス30のチャンバ30c 内に回収することができる。
【0025】
また、サクションボックス30の前壁面30f の上方部分30e とセーブオール20の後壁面20b との間に上部吸引水路41を形成し、サクションボックス30の前壁面30f の下方部分30d とフォーミングロール1の外周面1fとの間に下部吸引水路42を形成しているから、サクションボックス30をニップ部Nのごく近傍に配置することができる。このため、フォーミングロール1から先端の固定ブレード7に至るまでの長さを短くすることができ、上下のワイヤ3,4の無支持部分がほとんどない状態とすることができる。
よって、上下のワイヤ3,4のうちフォーミングロール1から先端の固定ブレード7に至るまでの間の部分が波打つことを防ぐことができ、上部ワイヤ3に加わるフォーミングロール1の負圧の影響を削減することができ、さらに上部ワイヤ3の不安定な挙動を排除できるので、上下のワイヤ3,4間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことが少なくなり、高品質の紙を抄紙することができる。
【0026】
さらに、サクションボックス30の前壁面30f の下方部分30d 、つまりサクションボックス30の前壁面30f のうちフォーミングロール1の後方を覆っている部分が、フォーミングロール1の回転軸を中心軸とする円筒状凹面となっている。
このため、サクションボックス30の前壁面30f の下方部分30d とフォーミングロール1の外周面1fとの間の距離H、つまり下部吸引水路42の流路の高さを一定に保つことができるので、下部吸引水路42内における水の流れを安定させることができる。
【0027】
さらに、下部吸引水路42の高さが、40〜60mmであるから、下部吸引水路42が狭すぎて紙料液から吸引した水が水路からオーバーフローすることを防ぐことができる。逆に、下部吸引水路42の広すぎて、フォーミングロール1の回転に伴う遠心力によって後方に飛ばされた紙料液の水分がサクションボックス30の前壁面30f をつたって、再び紙料液に戻ることを防ぐことができるから、紙料液から除去された水分を確実にサクションボックス30のチャンバ30c に回収することができる。
【0028】
なお、図1および図2に示すように、可動ブレード8とブレストロール2との間に、下部ワイヤ4を下方から支持するプレローディングブレード9を設けてもよい。この場合、上下ワイヤ3,4の無支持部分の長さを短くすることができるから、外部の影響によって上下ワイヤ3,4間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことをさらに少なくすることができ、高品質の紙を抄紙することができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことが少なくなり、高品質の紙を抄紙することができる。
請求項2の発明によれば、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことが少なくなり、高品質の紙を抄紙することができる。
請求項3の発明によれば、下部吸引水路内における水の流れを安定させることができる。
請求項4の発明によれば、紙料液から除去された水分を確実にサクションボックスに回収することができる。
請求項5の発明によれば、外部の影響によって上下ワイヤ間で進行している紙層の形成に悪影響が及ぶことをさらに少なくすることができ、高品質の紙を抄紙することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサクションボックス30の概略説明図である。
【図2】サクションボックス30の部分拡大断面図である。
【図3】図2のIII − III線断面図である。
【図4】ツインワイヤ式抄紙機の概略説明図である。
【図5】従来のツインワイヤ式抄紙機の概略説明図である。
【符号の説明】
20   セーブオール
30   サクションボックス
30c  チャンバ
41   上部吸引水路
42   下部吸引水路

Claims (5)

  1. フォーミングロールとガイドロールに巻き掛けられて、ワイヤパートの上半分領域で循環する上部フォーミングワイヤと、ブレストロールとガイドロールに巻き掛けられて、ワイヤパートの下半分領域で循環する下部フォーミングワイヤが、前記フォーミングロールと前記ブレストロールによるニップ部から重なって走行する領域をフォーミングゾーンとする抄紙機において、
    前記フォーミングロールに設けられたセーブオールと、
    前記フォーミングロールに対し上部フォーミングワイヤの走行方向下流側であって、前記上部フォーミングワイヤの上方に設けられたサクションボックスとが設けられており、
    前記セーブオールの後壁面と前記サクションボックスの前壁面とで、前記サクションボックス内へ水を吸引する吸引水路を形成した
    ことを特徴とするツインワイヤ式抄紙機のフォーマー。
  2. 前記セーブオールが、その下面によって前記フォーミングロールの上方を覆うように配置されており、
    前記サクションボックスが、その前壁面によって前記フォーミングロールの後方を覆うように配置されており、
    前記サクションボックスの前壁面と前記フォーミングロールの外周面との間に、前記吸引水路に連通する下部吸引水路を形成した
    ことを特徴とする請求項1記載のツインワイヤ式抄紙機のフォーマー。
  3. 前記サクションボックスの前壁面において、前記フォーミングロールを覆っている部分が、前記フォーミングロールの回転軸を中心軸とする円筒状凹面であることを特徴とする請求項2記載のツインワイヤ式抄紙機のフォーマー。
  4. 前記サクションボックスの前壁面において、前記フォーミングロールを覆っている部分と、前記フォーミングロールの外周面との距離が、
    40〜60mmである
    ことを特徴とする請求項3記載のツインワイヤ式抄紙機のフォーマー。
  5. 前記サクションボックスの下方において、前記下部フォーミングワイヤを下方から支持する可動ブレードが設けられており、
    該可動ブレードと前記ブレストロールとの間に、前記下部フォーミングワイヤを下方から支持するプレローディングブレードが設けられた
    ことを特徴とする請求項1記載のツインワイヤ式抄紙機のフォーマー。
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