JP2004018922A - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は 処理容器内の圧力を真空ポンプの回転数で制御することができ、基板処理全体に要する時間を低減して処理のスループットを向上することのできる基板処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【解決手段】真空ポンプ8により排気される処理容器4に基板を連続して投入して処理を行う。真空ポンプ8を第1の回転数で運転し、処理容器4を第1の圧力として基板に処理を施す。処理工程の終了後に、真空ポンプ8の回転数を第1の回転数より高い第2の回転数にして処理容器4内の圧力を第2の回転数に対応した第2の圧力とする。処理容器4内が第2の圧力となった後に、処理容器4内の基板の交換作業を開始する。
【選択図】 図2
【解決手段】真空ポンプ8により排気される処理容器4に基板を連続して投入して処理を行う。真空ポンプ8を第1の回転数で運転し、処理容器4を第1の圧力として基板に処理を施す。処理工程の終了後に、真空ポンプ8の回転数を第1の回転数より高い第2の回転数にして処理容器4内の圧力を第2の回転数に対応した第2の圧力とする。処理容器4内が第2の圧力となった後に、処理容器4内の基板の交換作業を開始する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板処理方法に係り、特に処理容器内を所定の真空度に維持しながら半導体ウェハ等の被処理基板に対して処理を行う基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板に対して薄膜形成したりエッチングを施したりする処理は、処理容器内で真空雰囲気の下で行われることが多い。この際、処理容器内の圧力を所定の真空圧に制御する方法として、処理容器からの真空排気におけるコンダクタンスを調整する方法が一般的に用いられている。コンダクタンスの調整は、排気口に設けられたバタフライバルブを用いて行うことが一般的である。すなわち、バタフライバルブの開度を調整することによりコンダクタンスを調整し、所定の真空度を得るものである。
【0003】
しかし、バタフライバルブを用いた場合、処理容器内にバタフライバルブを設けるスペースを確保しなければならず、処理容器の容積がその分増大してしまう。また、バタフライバルブに処理容器内での反応生成物が付着し、それがバタフライバルブを操作する際に剥離してパーティクルとなり、処理容器内が汚染されるといった問題が発生するおそれがある。
【0004】
このような問題を解決する手段として、特開平11−99327号公報及び特開平8−134696号公報は、処理容器の排気用真空ポンプの回転数を調整することにより真空度を調整する(圧力制御を行う)方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
CVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)により基板上に薄膜を形成する処理では、処理時の真空度は比較的小さく、例えば102Pa程度である。通常、複数の処理容器は搬送室に接続されて基板に対して一連の処理を行なうためのクラスターツールを構成する。搬送室内の圧力は、搬送室に接続された他の処理容器の圧力に合わせて、例えば10−4Pa程度の高真空度に維持される。
【0006】
したがって、上述のように一つの処理容器で行なう処理が102Pa程度の真空度で行なわれる場合、この処理容器に対して基板を搬入・搬出する際には、処理容器内の圧力を搬送室内の真空度まで上げなければならない。すなわち、基板を処理容器に搬入する際には、予め処理容器内の圧力を10−4Pa程度にしてから処理容器のゲートバルブを開ける。また、基板を処理容器から搬出する際には、処理容器内の圧力を処理圧力である102Pa程度の真空度から10−4Pa程度の搬送圧力にする必要がある。
【0007】
上述のように、処理容器内の圧力を102〜10−4Paのような広い範囲で変化させる場合には、真空ポンプの回転数の制御に時間がかかるといった問題がある。例えば、真空ポンプとしてターボモレキュラポンプを用いた場合、搬送圧力である10−4Paに相当する回転数は、最大回転数の例えば3.2×105rpmで運転する。また、処理圧力である400Paに相当する回転数は例えば2.4×105rpmである。
【0008】
一般的に、ターボモレキュラポンプの回転数を3.2×105rpmから2.4×105rpmまで落とすには数分かかる。したがって、この回転数による圧力制御の時間は、基板の搬入・搬出に必要な時間となる。しかし、実際に処理容器のゲートバルブを開けてから基板の搬入・搬出にかかる時間は30秒程度であり、処理容器内の圧力制御に必要な時間の方が実際の基板の搬出・搬入に必要な時間よりはるかに長い。すなわち、基板の搬入・搬出における処理容器内の圧力制御に要する時間が、基板の処理時間を増大させるといった問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、処理容器内の圧力を真空ポンプの回転数で制御することができ、圧力制御に要する時間と基板の搬入・搬出に要する時間とをトータルで考えることにより、基板処理全体に要する時間を低減して処理のスループットを向上することのできる基板処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の発明は、基板処理方法であって、真空ポンプにより排気される処理容器に基板を連続して投入して処理を行う基板処理方法であって、前記真空ポンプを第1の回転数で運転し、前記処理容器内を第1の圧力として基板に処理を施す処理工程と、該処理工程の終了後に、前記真空ポンプの回転数を前記第1の回転数より高い第2の回転数にして前記処理容器内の圧力を該第2の回転数に対応する第2の圧力とする圧力制御工程と、前記処理容器内が前記第2の圧力となった後に、前記処理容器内の基板の交換作業を開始する基板交換工程とを有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板処理方法であって、基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、基板の交換作業が終了した後に、次の基板の処理を開始することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板処理方法であって、基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった後に、次の基板の処理を開始することを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の基板処理方法であって、前記処理容器は、前記基板を搬入・搬入するためのゲートバルブを有し、該ゲートバルブは、前記処理容器内の圧力が前記第2の圧力の下で基板の交換作業が終了した時点において前記ゲートバルブを閉じることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の基板処理方法であって、前記ゲートバルブが閉じられた時点で、前記処理容器へのパージガスの供給を開始することを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の基板処理方法であって、前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった時点で、原料ガスの前記処理容器への供給を開始することを特徴とするものである。
【0017】
請求項7記載の発明は、所定の真空度において基板に処理を施す基板処理装置であって、第1の圧力において基板に対する処理が行われる第1の処理容器と、該第1の圧力より低い圧力である第2の圧力において基板に対する処理が行われる第2の処理容器と、前記第1及び第2の処理容器が接続され、前記第2の圧力に維持される搬送室と、前記第1の処理容器を排気する真空ポンプと、該真空ポンプの回転数を、前記第1の圧力に対応する第1の回転数と前記第2の圧力に対応する第2の圧力との間で制御する回転数制御手段と、前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった後に、前記第1の処理容器内の基板の交換作業を開始させる制御手段とよりなることを特徴とするものである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった時点で前記第1の処理容器と前記搬送室との間のゲートバルブを開き、基板交換作業が終了した時点で該ゲートバルブを閉じることを特徴とするものである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記ゲートバルブが開かれた時点から前期ゲートバルブが閉じられるまでの間に前記真空ポンプの減速を開始することを特徴とするものである。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記ゲートバルブが閉じられた時点から前記真空ポンプの回転数が第1の回転数に下がるまでの間に、前記第1の処理容器内へのパージガスの供給を開始することを特徴とするものである。
【0021】
上述の本発明によれば、真空ポンプの回転数を制御することにより第1の処理容器内の圧力を制御する。したがって、第1の処理容器にバタフライバルブ等の圧力調整機構を設ける必要がなく、第1の処理容器の容積を低減することができる。また、バタフライバルブのような可動部を第1の処理容器内に設ける必要がないので、第1の処理容器内雰囲気の汚染を防止することができる。
【0022】
また、第1の処理容器内の圧力が第2の圧力に到達した時点で、真空ポンプの減速を開始するため、ゲートバルブを閉じた時点で真空ポンプの減速を開始する場合より早く、第1の処理容器内の圧力を第1の圧力まで上昇することができる。
【0023】
また、基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始することにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器内の圧力を急速に第1の圧力に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0024】
まず、本発明による基板処理方法が行われる基板処理装置について説明する。図1は本発明の一実施例による基板処理装置の概略構成図である。図1に示す基板処理装置は、複数の処理容器を接続して一連の処理を行うクラスターツールとして構成されたものである。本実施例では、クラスターツール(基板処理装置)は、基板(半導体ウェハ)に対してCu膜を形成するための一連の処理を行うも装置として説明する。
【0025】
図1に示す基板処理装置は、カセットボックス1と、ガス抜き処理容器2と、プレクリーンエッチトモジュール(PCEM)3と、第1の処理容器4と、第2の処理容器5と、搬送室6とを有する。カセットボックス1と、ガス抜き処理容器2と、PCEM3と、第1の処理容器4と、第2の処理容器5とは、夫々ゲートバルブ7A〜7Eを介して搬送室6に接続される。ゲートバルブ7A〜7Eは、対応する処理容器に対する基板の搬入・搬出時に開けられる。
【0026】
搬送室6には搬送ロボット等の基板搬送機構6aが設けられる。基板搬送機構6aは、各処理容器で基板に処理が順次行われるように、ガス抜き処理容器2、PCEM3、第1の処理容器4、第2の処理容器5の順で、外部からカセットボックス1に供給された基板を順次搬送する。
【0027】
カセットボックス1には、複数の基板(ウェハ)が外部から供給され、基板処理装置内の雰囲気(真空)と外部雰囲気(大気圧)とを切り替える。カセットボックスに供給された基板は、ゲートバルブ7Aを通じて基板搬送機構6aにより一枚ずつ取り出され、ガス抜き処理容器2に供給される。ガス抜き処理容器2では、基板表面に付着したガスを除去する処理が行われる。
【0028】
ガス抜き処理が終了すると、基板はガス抜き処理容器2からPCEM3へと基板搬送機構6aにより搬送される。PCEM3では、プラズマ処理により基板表面を清浄化する。PCEM3での処理が終了すると、表面が清浄化された基板は基板搬送機構6aによりPCEM3から第1の処理容器へと搬送される。
【0029】
第1の処理容器は、基板の表面にバリアメタル膜を形成する処理を行うための処理容器である。例えば、第1の処理容器4内では、CVDやALDを用いて薄膜の形成が行われる。基板上にバリアメタル膜の形成が終了すると、基板はゲートバルブ7Dを通じて取り出され、基板搬送機構により第2の処理容器5へと搬送される。
【0030】
第2の処理容器5内では、PVD(Physical Vapor Deposition)によりバリアメタル膜の上にCu膜を形成する処理が行われる。Cu膜が形成された基板は、基板搬送機構6aによりカセットボックス1に戻された後、装置外部へと移送される。
【0031】
以上のような構成の基板処理装置において、搬送室6内の圧力は、雰囲気の清浄化を維持するために高真空度に維持され、且つ接続されている処理容器の中で、真空度が高い処理容器の圧力と同等な真空度に維持される。本実施例では、第2の処理容器5において行われるPVDによるCu膜の生成処理が、10−4Pa程度の真空度を必要とするので、搬送室6内は10−4Pa程度の真空度に維持される。
【0032】
ここで、第1の処理容器における処理は、CVDあるいはALD等によるバリアメタル膜の生成処理であり、処理時の圧力は比較的低真空度の雰囲気で行われる。例えば、バリアメタル膜がTiN膜である場合、処理圧力は例えば400Pa程度である。すなわち、400Paの圧力に維持した第1の処理容器4内の基板に対して、原料ガスとしてTiCl4とNH3とを交互に供給することで、基板上にTiN膜を生成する。原料ガスを供給する際は、パージガスとして例えばN2も第1の処理容器4に供給される。
【0033】
上述のようなバリアメタル膜生成処理により表面にバリアメタル膜が生成された基板は、第1の処理容器から第2の処理容器へと基板搬送機構6aにより搬送される。第1の処理容器内での処理が終了した時点では、第1の処理容器内は400Pa程度の低真空度である。したがって、処理が終了した基板を搬出して次の基板を搬入するためにゲートバルブ7Dを開く前に、第1の処理容器内の圧力を400Paの低真空度から搬送室6内の圧力である10−4程度の高真空度にしなければならない。
【0034】
ここで、第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際の関連する部分の動作に関して説明する。図2は第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際のタイムチャートである。また、図3は第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際の動作のフローチャートである。図2において、(a)は第1の処理容器4を排気する真空ポンプ8の回転数を示し、(b)は第1の処理容器4に供給されるパージガスの供給状態を示し、(c)は第1の処理容器4に供給される原料ガスの供給状態を示し、(d)は第1の処理容器内の圧力を示し、(e)は第1の処理容器のゲートバルブ7Dの開閉動作を示す。
【0035】
第1の処理容器4内でTiN膜を生成していると仮定すると、第1の処理容器内でのTiN膜の生成処理が終了した時点では、第1の処理容器4内の圧力は400Pa(第1の圧力)である。本実施例では第1の処理容器4を排気する真空ポンプ8はターボモレキュラポンプであり、例えば2.4×105rpmにおいて400Paを維持することができる。したがって、第1の処理容器4において基板の処理が終了した時点では、真空ポンプ8の回転数は2.4×105rpmである。
【0036】
したがって、第1の処理容器4において基板の処理が終了した時点で、パージガス及び原料ガスの供給用バルブが閉じて供給を停止する。パージガス及び原料ガスの供給用バルブが閉じられたら(図3のステップS1)、真空ポンプの回転数を上げ始めて(ステップS2)第1の処理容器4内の圧力を400Pa(第1の圧力)から10−4Pa(第2の圧力)へ向かって上昇させる。この時点では、第1の処理容器4のゲートバルブ7Dは未だ閉じられたままである。なお、真空ポンプ8の回転数は、回転数制御部9(回転数制御手段)により制御される。
【0037】
真空ポンプ8の回転数が最大回転数の3.2×105rpmに達すると、第1の処理容器4内の圧力は10−4Paに到達し(ステップS3)、搬送室6内の圧力に等しくなる。この時点でゲートバルブ7Dを開き(ステップS4)、第1の処理容器4に搬送室6の基板搬送機構6aのアームが進入できるようにする。また、この時点で、回転数制御部9は、第1の処理容器の真空ポンプの回転数を下げ始める。
【0038】
ゲートバルブ7Dが開いたら、第1の処理容器4内の処理が終了した基板を搬基板搬送機構6aにより保持して搬出し、第2の処理容器5内に移すと同時に、次に処理を行う基板を、PCEM3から搬出して第1の処理容器4内へ搬入する。次に処理を行う基板の搬入作業入が終了したら(ステップS5)、ゲートバルブ7Dを閉じる(ステップS6)。
【0039】
ゲートバルブ7Dが閉じられたら、まずパージガスの供給用バルブを開いてパージガスを第1の処理容器4に供給する(ステップS7)。こ時点は、真空ポンプの回転数は2.4×105rpmに向かって減少している途中であり、ゲートバルブ7Dが閉じられると、第1の処理容器4内の圧力は上昇し始める。これに加えて、パージガスを供給することで、第1の処理容器4内の圧力は急速に上昇する。
【0040】
その後、真空ポンプの回転数が、第1の処理容器での処理圧力である400Paに相当する圧力に到達したら(ステップS8)、原料ガスの供給用バルブを開いて原料ガスを第1の処理容器4に供給する(ステップS9)。これにより、次の基板に対するTiN膜の生成処理が行われる。
【0041】
第1の処理容器4では、カセットボックス1に供給された基板を全て処理するまで、以上の動作が繰り返される。ここで、第1の処理容器内の圧力は、真空ポンプの回転数を制御するだけで、処理圧力(第1の圧力)400Paと搬送室内の圧力(第2の圧力=第2の処理容器での処理圧力)とのいずれか一方に維持さすることができる。
【0042】
ここで、本実施例では、図2(a)に示すように、第1の処理容器4内の圧力が10−4Paに到達した時点で、真空ポンプ8の減速を開始する。この時点で第1の処理容器4における排気速度は下がりはじめるが、搬送室6に対しても別の排気系により排気が行われているため、第1の処理容器内力は、ほぼ10−4Paを維持した状態に保たれる。したがって、ゲートバルブ7Dを閉じた時点で真空ポンプ8の減速を開始する場合より早く、第1の処理容器4内の圧力を処理圧力まで上昇することができる。
【0043】
なお、真空ポンプ8の減速は、第1の処理容器4内の圧力が10−4Paに到達した時点で直ちに開始されることが効率的であるが、ゲートバルブ7Dが開けられてから閉じられるまでの間に介しされることとしてもよい。
【0044】
真空ポンプ8の回転数を、第2の圧力に対応する回転数3.2×105rpmから、第1の圧力に対応する回転数2.4×105rpmまで落とすには、真空ポンプの性能にもよるが、数分かかる。ところが、基板の搬出・搬入作業(交換作業)は、30秒から一分以内で完了する。そこで、本実施例では、次に処理する基板の搬入が終了した時点、すなわち基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブ7Dを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始する。これにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器4内の圧力を急速に処理圧力(第1の圧力)に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。なお、パージガスの供給は、ゲートバルブ7Dが閉じられてから真空ポンプ8の回転数が第1の回転数に下がるまでの間に開始することとしてもよい。
【0045】
なお、真空ポンプ8の回転数制御部9を含む基板処理装置全体の動作は、制御部10(制御手段)により制御される。したがって、基板搬送機構6aの制御、各ゲートバルブ7A〜7Eの開閉動作、第1の処理容器への原料ガス及びパージガスの供給用バルブの開閉動作も、制御部10により行われる。これらの制御は、例えば処理容器の圧力や基板搬送機構の動作を検出するセンサからの信号に基づいて行われてもよく、また、予め動作時間に基づいたシーケンスを作成して行うこともできる。
【0046】
以上の実施例では、第1の処理容器4にてTiN膜を生成し、第2の処理容器5にてCu膜を生成する一連の処理を行っているが、本発明による基板処理方法はこれに限ることなく、他の様々な処理に適用することができる。例えば、低誘電率膜(Low−k膜)をエッチングしてビア孔を形成し、ビア孔の内面にバリア膜を形成し、その上にCu膜を形成する一連の処理に適用することができる。また、基板上にゲート絶縁膜を形成し、その上にゲート電極を形成し、これにアニール処理を施すという一連の処理にも適用することができる。
【発明の効果】
上述の本発明によれば、真空ポンプの回転数を制御することにより第1の処理容器内の圧力を制御する。したがって、第1の処理容器にバタフライバルブ等の圧力調整機構を設ける必要がなく、第1の処理容器の容積を低減することができる。また、バタフライバルブのような可動部を第1の処理容器内に設ける必要がないので、第1の処理容器内雰囲気の汚染を防止することができる。
【0047】
また、第1の処理容器内の圧力が第2の圧力に到達した時点で、真空ポンプの減速を開始するため、ゲートバルブを閉じた時点で真空ポンプの減速を開始する場合より早く、第1の処理容器内の圧力を第1の圧力まで上昇することができる。
【0048】
また、基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始することにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器内の圧力を急速に第1の圧力に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による基板処理装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す第1の処理容器に対する基板の交換動作のタイムチャートである。
【図3】図1示す第1の処理容器に対する基板の交換動作のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 カセットボックス
2 ガス抜き処理容器
3 PCEM
4 第1の処理容器
5 第2の処理容器
6 搬送室
6a 基板搬送機構
7A,7B,7C,7D,7E ゲートバルブ
8 真空ポンプ
9 回転数制御部
10 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は基板処理方法に係り、特に処理容器内を所定の真空度に維持しながら半導体ウェハ等の被処理基板に対して処理を行う基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板に対して薄膜形成したりエッチングを施したりする処理は、処理容器内で真空雰囲気の下で行われることが多い。この際、処理容器内の圧力を所定の真空圧に制御する方法として、処理容器からの真空排気におけるコンダクタンスを調整する方法が一般的に用いられている。コンダクタンスの調整は、排気口に設けられたバタフライバルブを用いて行うことが一般的である。すなわち、バタフライバルブの開度を調整することによりコンダクタンスを調整し、所定の真空度を得るものである。
【0003】
しかし、バタフライバルブを用いた場合、処理容器内にバタフライバルブを設けるスペースを確保しなければならず、処理容器の容積がその分増大してしまう。また、バタフライバルブに処理容器内での反応生成物が付着し、それがバタフライバルブを操作する際に剥離してパーティクルとなり、処理容器内が汚染されるといった問題が発生するおそれがある。
【0004】
このような問題を解決する手段として、特開平11−99327号公報及び特開平8−134696号公報は、処理容器の排気用真空ポンプの回転数を調整することにより真空度を調整する(圧力制御を行う)方法を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
CVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)により基板上に薄膜を形成する処理では、処理時の真空度は比較的小さく、例えば102Pa程度である。通常、複数の処理容器は搬送室に接続されて基板に対して一連の処理を行なうためのクラスターツールを構成する。搬送室内の圧力は、搬送室に接続された他の処理容器の圧力に合わせて、例えば10−4Pa程度の高真空度に維持される。
【0006】
したがって、上述のように一つの処理容器で行なう処理が102Pa程度の真空度で行なわれる場合、この処理容器に対して基板を搬入・搬出する際には、処理容器内の圧力を搬送室内の真空度まで上げなければならない。すなわち、基板を処理容器に搬入する際には、予め処理容器内の圧力を10−4Pa程度にしてから処理容器のゲートバルブを開ける。また、基板を処理容器から搬出する際には、処理容器内の圧力を処理圧力である102Pa程度の真空度から10−4Pa程度の搬送圧力にする必要がある。
【0007】
上述のように、処理容器内の圧力を102〜10−4Paのような広い範囲で変化させる場合には、真空ポンプの回転数の制御に時間がかかるといった問題がある。例えば、真空ポンプとしてターボモレキュラポンプを用いた場合、搬送圧力である10−4Paに相当する回転数は、最大回転数の例えば3.2×105rpmで運転する。また、処理圧力である400Paに相当する回転数は例えば2.4×105rpmである。
【0008】
一般的に、ターボモレキュラポンプの回転数を3.2×105rpmから2.4×105rpmまで落とすには数分かかる。したがって、この回転数による圧力制御の時間は、基板の搬入・搬出に必要な時間となる。しかし、実際に処理容器のゲートバルブを開けてから基板の搬入・搬出にかかる時間は30秒程度であり、処理容器内の圧力制御に必要な時間の方が実際の基板の搬出・搬入に必要な時間よりはるかに長い。すなわち、基板の搬入・搬出における処理容器内の圧力制御に要する時間が、基板の処理時間を増大させるといった問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、処理容器内の圧力を真空ポンプの回転数で制御することができ、圧力制御に要する時間と基板の搬入・搬出に要する時間とをトータルで考えることにより、基板処理全体に要する時間を低減して処理のスループットを向上することのできる基板処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の発明は、基板処理方法であって、真空ポンプにより排気される処理容器に基板を連続して投入して処理を行う基板処理方法であって、前記真空ポンプを第1の回転数で運転し、前記処理容器内を第1の圧力として基板に処理を施す処理工程と、該処理工程の終了後に、前記真空ポンプの回転数を前記第1の回転数より高い第2の回転数にして前記処理容器内の圧力を該第2の回転数に対応する第2の圧力とする圧力制御工程と、前記処理容器内が前記第2の圧力となった後に、前記処理容器内の基板の交換作業を開始する基板交換工程とを有することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板処理方法であって、基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、基板の交換作業が終了した後に、次の基板の処理を開始することを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板処理方法であって、基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった後に、次の基板の処理を開始することを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の基板処理方法であって、前記処理容器は、前記基板を搬入・搬入するためのゲートバルブを有し、該ゲートバルブは、前記処理容器内の圧力が前記第2の圧力の下で基板の交換作業が終了した時点において前記ゲートバルブを閉じることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の基板処理方法であって、前記ゲートバルブが閉じられた時点で、前記処理容器へのパージガスの供給を開始することを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の基板処理方法であって、前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった時点で、原料ガスの前記処理容器への供給を開始することを特徴とするものである。
【0017】
請求項7記載の発明は、所定の真空度において基板に処理を施す基板処理装置であって、第1の圧力において基板に対する処理が行われる第1の処理容器と、該第1の圧力より低い圧力である第2の圧力において基板に対する処理が行われる第2の処理容器と、前記第1及び第2の処理容器が接続され、前記第2の圧力に維持される搬送室と、前記第1の処理容器を排気する真空ポンプと、該真空ポンプの回転数を、前記第1の圧力に対応する第1の回転数と前記第2の圧力に対応する第2の圧力との間で制御する回転数制御手段と、前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった後に、前記第1の処理容器内の基板の交換作業を開始させる制御手段とよりなることを特徴とするものである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった時点で前記第1の処理容器と前記搬送室との間のゲートバルブを開き、基板交換作業が終了した時点で該ゲートバルブを閉じることを特徴とするものである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記ゲートバルブが開かれた時点から前期ゲートバルブが閉じられるまでの間に前記真空ポンプの減速を開始することを特徴とするものである。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記ゲートバルブが閉じられた時点から前記真空ポンプの回転数が第1の回転数に下がるまでの間に、前記第1の処理容器内へのパージガスの供給を開始することを特徴とするものである。
【0021】
上述の本発明によれば、真空ポンプの回転数を制御することにより第1の処理容器内の圧力を制御する。したがって、第1の処理容器にバタフライバルブ等の圧力調整機構を設ける必要がなく、第1の処理容器の容積を低減することができる。また、バタフライバルブのような可動部を第1の処理容器内に設ける必要がないので、第1の処理容器内雰囲気の汚染を防止することができる。
【0022】
また、第1の処理容器内の圧力が第2の圧力に到達した時点で、真空ポンプの減速を開始するため、ゲートバルブを閉じた時点で真空ポンプの減速を開始する場合より早く、第1の処理容器内の圧力を第1の圧力まで上昇することができる。
【0023】
また、基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始することにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器内の圧力を急速に第1の圧力に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0024】
まず、本発明による基板処理方法が行われる基板処理装置について説明する。図1は本発明の一実施例による基板処理装置の概略構成図である。図1に示す基板処理装置は、複数の処理容器を接続して一連の処理を行うクラスターツールとして構成されたものである。本実施例では、クラスターツール(基板処理装置)は、基板(半導体ウェハ)に対してCu膜を形成するための一連の処理を行うも装置として説明する。
【0025】
図1に示す基板処理装置は、カセットボックス1と、ガス抜き処理容器2と、プレクリーンエッチトモジュール(PCEM)3と、第1の処理容器4と、第2の処理容器5と、搬送室6とを有する。カセットボックス1と、ガス抜き処理容器2と、PCEM3と、第1の処理容器4と、第2の処理容器5とは、夫々ゲートバルブ7A〜7Eを介して搬送室6に接続される。ゲートバルブ7A〜7Eは、対応する処理容器に対する基板の搬入・搬出時に開けられる。
【0026】
搬送室6には搬送ロボット等の基板搬送機構6aが設けられる。基板搬送機構6aは、各処理容器で基板に処理が順次行われるように、ガス抜き処理容器2、PCEM3、第1の処理容器4、第2の処理容器5の順で、外部からカセットボックス1に供給された基板を順次搬送する。
【0027】
カセットボックス1には、複数の基板(ウェハ)が外部から供給され、基板処理装置内の雰囲気(真空)と外部雰囲気(大気圧)とを切り替える。カセットボックスに供給された基板は、ゲートバルブ7Aを通じて基板搬送機構6aにより一枚ずつ取り出され、ガス抜き処理容器2に供給される。ガス抜き処理容器2では、基板表面に付着したガスを除去する処理が行われる。
【0028】
ガス抜き処理が終了すると、基板はガス抜き処理容器2からPCEM3へと基板搬送機構6aにより搬送される。PCEM3では、プラズマ処理により基板表面を清浄化する。PCEM3での処理が終了すると、表面が清浄化された基板は基板搬送機構6aによりPCEM3から第1の処理容器へと搬送される。
【0029】
第1の処理容器は、基板の表面にバリアメタル膜を形成する処理を行うための処理容器である。例えば、第1の処理容器4内では、CVDやALDを用いて薄膜の形成が行われる。基板上にバリアメタル膜の形成が終了すると、基板はゲートバルブ7Dを通じて取り出され、基板搬送機構により第2の処理容器5へと搬送される。
【0030】
第2の処理容器5内では、PVD(Physical Vapor Deposition)によりバリアメタル膜の上にCu膜を形成する処理が行われる。Cu膜が形成された基板は、基板搬送機構6aによりカセットボックス1に戻された後、装置外部へと移送される。
【0031】
以上のような構成の基板処理装置において、搬送室6内の圧力は、雰囲気の清浄化を維持するために高真空度に維持され、且つ接続されている処理容器の中で、真空度が高い処理容器の圧力と同等な真空度に維持される。本実施例では、第2の処理容器5において行われるPVDによるCu膜の生成処理が、10−4Pa程度の真空度を必要とするので、搬送室6内は10−4Pa程度の真空度に維持される。
【0032】
ここで、第1の処理容器における処理は、CVDあるいはALD等によるバリアメタル膜の生成処理であり、処理時の圧力は比較的低真空度の雰囲気で行われる。例えば、バリアメタル膜がTiN膜である場合、処理圧力は例えば400Pa程度である。すなわち、400Paの圧力に維持した第1の処理容器4内の基板に対して、原料ガスとしてTiCl4とNH3とを交互に供給することで、基板上にTiN膜を生成する。原料ガスを供給する際は、パージガスとして例えばN2も第1の処理容器4に供給される。
【0033】
上述のようなバリアメタル膜生成処理により表面にバリアメタル膜が生成された基板は、第1の処理容器から第2の処理容器へと基板搬送機構6aにより搬送される。第1の処理容器内での処理が終了した時点では、第1の処理容器内は400Pa程度の低真空度である。したがって、処理が終了した基板を搬出して次の基板を搬入するためにゲートバルブ7Dを開く前に、第1の処理容器内の圧力を400Paの低真空度から搬送室6内の圧力である10−4程度の高真空度にしなければならない。
【0034】
ここで、第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際の関連する部分の動作に関して説明する。図2は第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際のタイムチャートである。また、図3は第1の処理容器に対して基板を搬出・搬入する際の動作のフローチャートである。図2において、(a)は第1の処理容器4を排気する真空ポンプ8の回転数を示し、(b)は第1の処理容器4に供給されるパージガスの供給状態を示し、(c)は第1の処理容器4に供給される原料ガスの供給状態を示し、(d)は第1の処理容器内の圧力を示し、(e)は第1の処理容器のゲートバルブ7Dの開閉動作を示す。
【0035】
第1の処理容器4内でTiN膜を生成していると仮定すると、第1の処理容器内でのTiN膜の生成処理が終了した時点では、第1の処理容器4内の圧力は400Pa(第1の圧力)である。本実施例では第1の処理容器4を排気する真空ポンプ8はターボモレキュラポンプであり、例えば2.4×105rpmにおいて400Paを維持することができる。したがって、第1の処理容器4において基板の処理が終了した時点では、真空ポンプ8の回転数は2.4×105rpmである。
【0036】
したがって、第1の処理容器4において基板の処理が終了した時点で、パージガス及び原料ガスの供給用バルブが閉じて供給を停止する。パージガス及び原料ガスの供給用バルブが閉じられたら(図3のステップS1)、真空ポンプの回転数を上げ始めて(ステップS2)第1の処理容器4内の圧力を400Pa(第1の圧力)から10−4Pa(第2の圧力)へ向かって上昇させる。この時点では、第1の処理容器4のゲートバルブ7Dは未だ閉じられたままである。なお、真空ポンプ8の回転数は、回転数制御部9(回転数制御手段)により制御される。
【0037】
真空ポンプ8の回転数が最大回転数の3.2×105rpmに達すると、第1の処理容器4内の圧力は10−4Paに到達し(ステップS3)、搬送室6内の圧力に等しくなる。この時点でゲートバルブ7Dを開き(ステップS4)、第1の処理容器4に搬送室6の基板搬送機構6aのアームが進入できるようにする。また、この時点で、回転数制御部9は、第1の処理容器の真空ポンプの回転数を下げ始める。
【0038】
ゲートバルブ7Dが開いたら、第1の処理容器4内の処理が終了した基板を搬基板搬送機構6aにより保持して搬出し、第2の処理容器5内に移すと同時に、次に処理を行う基板を、PCEM3から搬出して第1の処理容器4内へ搬入する。次に処理を行う基板の搬入作業入が終了したら(ステップS5)、ゲートバルブ7Dを閉じる(ステップS6)。
【0039】
ゲートバルブ7Dが閉じられたら、まずパージガスの供給用バルブを開いてパージガスを第1の処理容器4に供給する(ステップS7)。こ時点は、真空ポンプの回転数は2.4×105rpmに向かって減少している途中であり、ゲートバルブ7Dが閉じられると、第1の処理容器4内の圧力は上昇し始める。これに加えて、パージガスを供給することで、第1の処理容器4内の圧力は急速に上昇する。
【0040】
その後、真空ポンプの回転数が、第1の処理容器での処理圧力である400Paに相当する圧力に到達したら(ステップS8)、原料ガスの供給用バルブを開いて原料ガスを第1の処理容器4に供給する(ステップS9)。これにより、次の基板に対するTiN膜の生成処理が行われる。
【0041】
第1の処理容器4では、カセットボックス1に供給された基板を全て処理するまで、以上の動作が繰り返される。ここで、第1の処理容器内の圧力は、真空ポンプの回転数を制御するだけで、処理圧力(第1の圧力)400Paと搬送室内の圧力(第2の圧力=第2の処理容器での処理圧力)とのいずれか一方に維持さすることができる。
【0042】
ここで、本実施例では、図2(a)に示すように、第1の処理容器4内の圧力が10−4Paに到達した時点で、真空ポンプ8の減速を開始する。この時点で第1の処理容器4における排気速度は下がりはじめるが、搬送室6に対しても別の排気系により排気が行われているため、第1の処理容器内力は、ほぼ10−4Paを維持した状態に保たれる。したがって、ゲートバルブ7Dを閉じた時点で真空ポンプ8の減速を開始する場合より早く、第1の処理容器4内の圧力を処理圧力まで上昇することができる。
【0043】
なお、真空ポンプ8の減速は、第1の処理容器4内の圧力が10−4Paに到達した時点で直ちに開始されることが効率的であるが、ゲートバルブ7Dが開けられてから閉じられるまでの間に介しされることとしてもよい。
【0044】
真空ポンプ8の回転数を、第2の圧力に対応する回転数3.2×105rpmから、第1の圧力に対応する回転数2.4×105rpmまで落とすには、真空ポンプの性能にもよるが、数分かかる。ところが、基板の搬出・搬入作業(交換作業)は、30秒から一分以内で完了する。そこで、本実施例では、次に処理する基板の搬入が終了した時点、すなわち基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブ7Dを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始する。これにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器4内の圧力を急速に処理圧力(第1の圧力)に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。なお、パージガスの供給は、ゲートバルブ7Dが閉じられてから真空ポンプ8の回転数が第1の回転数に下がるまでの間に開始することとしてもよい。
【0045】
なお、真空ポンプ8の回転数制御部9を含む基板処理装置全体の動作は、制御部10(制御手段)により制御される。したがって、基板搬送機構6aの制御、各ゲートバルブ7A〜7Eの開閉動作、第1の処理容器への原料ガス及びパージガスの供給用バルブの開閉動作も、制御部10により行われる。これらの制御は、例えば処理容器の圧力や基板搬送機構の動作を検出するセンサからの信号に基づいて行われてもよく、また、予め動作時間に基づいたシーケンスを作成して行うこともできる。
【0046】
以上の実施例では、第1の処理容器4にてTiN膜を生成し、第2の処理容器5にてCu膜を生成する一連の処理を行っているが、本発明による基板処理方法はこれに限ることなく、他の様々な処理に適用することができる。例えば、低誘電率膜(Low−k膜)をエッチングしてビア孔を形成し、ビア孔の内面にバリア膜を形成し、その上にCu膜を形成する一連の処理に適用することができる。また、基板上にゲート絶縁膜を形成し、その上にゲート電極を形成し、これにアニール処理を施すという一連の処理にも適用することができる。
【発明の効果】
上述の本発明によれば、真空ポンプの回転数を制御することにより第1の処理容器内の圧力を制御する。したがって、第1の処理容器にバタフライバルブ等の圧力調整機構を設ける必要がなく、第1の処理容器の容積を低減することができる。また、バタフライバルブのような可動部を第1の処理容器内に設ける必要がないので、第1の処理容器内雰囲気の汚染を防止することができる。
【0047】
また、第1の処理容器内の圧力が第2の圧力に到達した時点で、真空ポンプの減速を開始するため、ゲートバルブを閉じた時点で真空ポンプの減速を開始する場合より早く、第1の処理容器内の圧力を第1の圧力まで上昇することができる。
【0048】
また、基板の交換作業が終了した時点で、ゲートバルブを閉じてから直ちにパージガスの供給を開始することにより、真空ポンプの回転数を落とすこととパージガスによる圧力上昇とにより、第1の処理容器内の圧力を急速に第1の圧力に上昇させることができ、圧力制御に要する時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の全体処理のスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による基板処理装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す第1の処理容器に対する基板の交換動作のタイムチャートである。
【図3】図1示す第1の処理容器に対する基板の交換動作のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 カセットボックス
2 ガス抜き処理容器
3 PCEM
4 第1の処理容器
5 第2の処理容器
6 搬送室
6a 基板搬送機構
7A,7B,7C,7D,7E ゲートバルブ
8 真空ポンプ
9 回転数制御部
10 制御部
Claims (10)
- 真空ポンプにより排気される処理容器に基板を連続して投入して処理を行う基板処理方法であって、
前記真空ポンプを第1の回転数で運転し、前記処理容器内を第1の圧力として基板に処理を施す処理工程と、
該処理工程の終了後に、前記真空ポンプの回転数を前記第1の回転数より高い第2の回転数にして前記処理容器内の圧力を該第2の回転数に対応する第2の圧力とする圧力制御工程と、
前記処理容器内が前記第2の圧力となった後に、前記処理容器内の基板の交換作業を開始する基板交換工程と
を有することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1記載の基板処理方法であって、
基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、
基板の交換作業が終了した後に、次の基板の処理を開始する
ことを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1記載の基板処理方法であって、
基板の交換作業が終了する前に、前記真空ポンプの回転数を第2の回転数から第1の回転数に向けて低減しはじめ、
前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった後に、次の基板の処理を開始する
ことを特徴とする基板処理方法。 - 請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の基板処理方法であって、
前記処理容器は、前記基板を搬入・搬入するためのゲートバルブを有し、
該ゲートバルブは、前記処理容器内の圧力が前記第2の圧力の下で基板の交換作業が終了した時点において前記ゲートバルブを閉じることを特徴とする基板処理方法。 - 請求項4記載の基板処理方法であって、
前記ゲートバルブが閉じられた時点で、前記処理容器へのパージガスの供給を開始することを特徴とする基板処理方法。 - 請求項5記載の基板処理方法であって、
前記真空ポンプの回転数が前記第1の回転数となった時点で、原料ガスの前記処理容器への供給を開始することを特徴とする基板処理方法。 - 所定の真空度において基板に処理を施す基板処理装置であって、
第1の圧力において基板に対する処理が行われる第1の処理容器と、
該第1の圧力より低い圧力である第2の圧力において基板に対する処理が行われる第2の処理容器と、
前記第1及び第2の処理容器が接続され、前記第2の圧力に維持される搬送室と、
前記第1の処理容器を排気する真空ポンプと、
該真空ポンプの回転数を、前記第1の圧力に対応する第1の回転数と前記第2の圧力に対応する第2の圧力との間で制御する回転数制御手段と、
前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった後に、前記第1の処理容器内の基板の交換作業を開始させる制御手段と
よりなることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項7記載の基板処理装置であって、
前記制御手段は、前記第1の処理容器内が前記第1の圧力から前記第2の圧力となった時点で前記第1の処理容器と前記搬送室との間のゲートバルブを開き、基板交換作業が終了した時点で該ゲートバルブを閉じることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項8記載の基板処理装置であって、
前記制御手段は、前記ゲートバルブが開かれた時点から前期ゲートバルブが閉じられるまでの間に前記真空ポンプの減速を開始することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項8又は9記載の基板処理装置であって、
前記制御手段は、前記ゲートバルブが閉じられた時点から前記真空ポンプの回転数が第1の回転数に下がるまでの間に、前記第1の処理容器内へのパージガスの供給を開始することを特徴とする基板処理装置。
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Cited By (1)
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JP2010135049A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-06-17 | Canon Anelva Corp | 基板搬送装置、及び磁気記録媒体の製造方法 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174439A patent/JP2004018922A/ja active Pending
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