JP2004018810A - 光学用易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

光学用易接着性ポリエステルフィルム Download PDF

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JP2004018810A JP2002179773A JP2002179773A JP2004018810A JP 2004018810 A JP2004018810 A JP 2004018810A JP 2002179773 A JP2002179773 A JP 2002179773A JP 2002179773 A JP2002179773 A JP 2002179773A JP 2004018810 A JP2004018810 A JP 2004018810A
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Koji Kubo
久保 耕司
Shinji Yano
矢野 真司
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

【課題】種々の光学用途に用いられる層との接着力、透明性、耐熱性に優れ、しかも耐候性に優れたポリエステルフィルムであって、特に屋外使用ディスプレイ用途や、プラズマディスプレイ等の映像表示パネル面に好適に使用できる光学用易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設したフィルムであって、該皮膜が(A)ガラス転移点が40〜100℃、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂を60〜90重量%と、(B)粒子径が0.02〜0.2μmのフィラーを1〜20重量%とを含有する組成物からなる、光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐候性に優れた易接着性フィルムに関し、更に詳しくは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着性塗膜を形成した、優れた接着性、透明性、耐熱性を有し、耐候性に優れた光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイなどの表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。近年、特に各種光学用フィルムが多く用いられ、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルムやディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途がある。このような光学用フィルムに用いられるベースフィルムは優れた透明性とプリズムレンズ、ハードコート、粘着剤、反射防止処理等に対する優れた易接着性が要求される。
【0003】
更に、ノート型PCや、PDAなど、屋外で使用される用途の場合、いずれのフィルムも耐候性が劣るために、フィルムの強度が低下したり、透明度が低下するなど、長期間の使用に耐えるものではなかった。一方、カラーテレビジョンに代表される映像機器においては、映し出される映像の高精細化と大画面化という市場要求により、従来のCRTを用いた直視型テレビジョンに加えて、プラズマディスプレイ等を用いた発光型パネル方式、液晶ディスプレイ等を用いた非発光型パネル方式、映像プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式等のテレビジョンが進出しつつある。中でも、発光型パネル方式のプラズマディスプレイは、光源あるいは放電部を構成する各々の画素部分の構造的要因により、可視光領域から赤外線波長領域にわたって、カラー映像の3原色(赤、緑、青色)の波長帯以外の光線が発せられ、例えば、波長が820nm、880nm、980nm近辺等に強い近赤外線の放射が測定される。そして、この近赤外線放射により周辺機器に誤作動等の問題が生じている。これは、例えば、テレビ、ビデオやクーラーのリモートコントローラー、携帯通信、パソコン等の近赤外線通信機器等に使用されている近赤外線の作動波長と合致しているためである。
【0004】
特開平10−156991号公報には、上述のような近赤外線による周辺機器への誤作動の防止機能と同時に外光反射防止機能を併せ持ち、映像機器表示装置の前面パネル用に好適に使用することのできる外光反射防止性フィルムが提案されている。この外光反射防止性フィルムの近赤外線による周辺機器への誤作動を防止するために近赤外線吸収剤含有層を付与する必要があるが、この近赤外線吸収剤は紫外線に対して弱い性質があるため、更に紫外線吸収剤を含有する層も別に付与する必要があり製造コスト面で課題があった。
【0005】
上記のような問題から、紫外線吸収作用のある光学用ポリエステルが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、種々の光学用途に用いられる層との接着力、透明性、耐熱性に優れ、しかも耐候性に優れたポリエステルフィルムであって、特に屋外使用ディスプレイ用途や、プラズマディスプレイ等の映像表示パネル面に好適に使用できる光学用易接着性ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設したフィルムであって、該皮膜が(A)ガラス転移点が40〜100℃、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂を60〜90重量%と、(B)粒子径が0.02〜0.2μmのフィラーを1〜20重量%とを含有する組成物からなる、光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタリンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオール等のグリコール成分とから構成される芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタリンジカルボキシレートが好ましい。また、共重合ポリエステルであっても良く、共重合成分としては。例えば上記成を用いることができる。
【0009】
前記ポリエステルには、製膜時のフィルムの巻取り性や、ハードコート層や粘着剤等を塗設する際のフィルムの搬送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての有機又は無機の微粒子を含有させることができる。かかる微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂も透明性を損なわない範囲で任意に含有させることができる。
【0010】
[紫外線吸収剤]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤は、下記式(I)
【0011】
【化5】
Figure 2004018810
【0012】
(式中、Xは上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はRはn=2のとき直接結合であることができる。)
で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)
【0013】
【化6】
Figure 2004018810
【0014】
(式中、Aは下記式(II)−a
【0015】
【化7】
Figure 2004018810
【0016】
で表わされる基であるか又は
下記式(II)−b
【0017】
【化8】
Figure 2004018810
【0018】
で表わされる基であり;RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;Xは4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を、未反応の形態で用いるのが好ましい。
【0019】
かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤として公知の化合物であり、例えば特開昭59−12952号公報に記載されている。
【0020】
前記一般式(I)中、Xは式(I)に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はRはn=2のとき直接結合であることができる。
【0021】
としては、好ましくは例えば1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、下記式
【0022】
【化9】
Figure 2004018810
【0023】
(式中、Rは−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CH−、−(CH)−または−C(CH−である。)
で表わされる基を挙げることができる。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好ましい。
【0024】
について例示した上記芳香族残基は、例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基で置換されていてもよい。
【0025】
はn価(ただし、nは1、2又は3である)の炭化水素残基であるか、又はnが2であるときに限り直接結合であることができる。
【0026】
1価の炭化水素残基(n=1の場合)としては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12の未置換脂環族基が挙げられる。
【0027】
炭素数1〜10の未置換脂肪族基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等を、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を;炭素数5〜12の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0028】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(c)
【0029】
【化10】
Figure 2004018810
【0030】
(式中、Rは炭素数2〜10のアルキレン、フェニレン又はナフチレンである。)
で表わされる基、下記式(d)
【0031】
【化11】
Figure 2004018810
【0032】
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基又はナフチル基である。)
で表わされる基、下記式(e)
【0033】
【化12】
Figure 2004018810
【0034】
(式中、RおよびRの定義は上記に同じであり、Rは水素原子又はRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる基、下記式(f)
【0035】
【化13】
Figure 2004018810
【0036】
(式中、RおよびRの定義は上記に同じであり、Rは水素原子又はRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる、置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0037】
また、上記1価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記Xを表わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。それ故、かかる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチルフェニル又はアセチルナフチル等を挙げることができる。
【0038】
1価の炭化水素残基としては、上記式(c)、(d)、(e)又は(f)で表わされる基、すなわち置換された脂肪族残基又は芳香族残基、特にそのうち置換された芳香族残基が好ましい。
【0039】
2価の炭化水素残基(n=2の場合)としては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、炭素数5〜12の未置換の脂環族残基基が挙げられる。
【0040】
2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、デカメチレン等を、2価の炭素数6〜12の未置換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレン、P,P’−ビフェニレン等を;2価の炭素数5〜12の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチレン、シクロヘキシレン等を挙げることができる。
【0041】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(g)
【0042】
【化14】
Figure 2004018810
【0043】
(式中、RはRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる基、又は下記式(h)
【0044】
【化15】
Figure 2004018810
【0045】
(式中、Rの定義は上記に同じであり、RはRに定義された基のいずれかであり、そしてR10はRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる置換された脂肪族残基又は芳香族残基を挙げることができる。
【0046】
また、上記2価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記Xを表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。
【0047】
nが2の場合には、Rとしては、これらのうち直接結合又は上記第一〜第三の群の未置換又は置換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に2本の結合手が最も離れた位置から出ている第一又は第三の群の未置換又は置換された芳香族炭化水素残基が好ましく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレン又は2,6−ナフチレンが好ましい。
【0048】
3価の炭化水素残基(n=3の場合)としては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げることができる。
かかる芳香族残基としては、例えば
【0049】
【化16】
Figure 2004018810
【0050】
等を挙げることができる。
かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0051】
上記一般式(I)中、RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、Xは4価の芳香族炭化水素残基である。
【0052】
およびRとしては、上記式(I)の説明において、n=1の場合のRについて例示したと同じ基を例として挙げることができる。
4価の芳香族炭化水素残基としては、例えば
【0053】
【化17】
Figure 2004018810
【0054】
(ここで、Rの定義は式(a)に同じ。)
で表わされる基を挙げることができる。
【0055】
上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の説明において、Rを表わす1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
【0056】
本発明において用いられる上記式(I)および(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0057】
上記式(I)の化合物
n=1の場合の化合物
2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(又はm−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
【0058】
n=2の場合の化合物
2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−又は1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン。
【0059】
n=3の場合の化合物
1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン。
【0060】
上記式(II)の化合物
2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)。
【0061】
上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合物、特に好ましくは下記式(I)−1
【0062】
【化18】
Figure 2004018810
【0063】
(式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基である。)
で表わされる化合物が有利に用いられる。
【0064】
式(I)−1の化合物としては、就中2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
【0065】
これら環状イミノエステルの紫外線吸収特性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−12952号公報に記載されているので、それを援用する。
【0066】
前記環状イミノエステルは、ポリエステルに対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−12952号公報や米国特許第4291152号明細書に記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造するのに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混合の時間は、下記式
【0067】
【数1】
Logt≦−0.008T+4.8
及び
【0068】
【数2】
Tm<T<320
(式中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶融混合温度(℃)及びTmはポリエステルの溶融温度(℃)である。)
を満足するように、短時間で完了するようにするのが望ましい。この場合、環状イミノエステルとポリエステルとが少しの割合で反応する可能性があるが、この反応によってポリエステルの分子量は大きくなるので、この割合によっては可視光吸収剤によるポリエステルの劣化による分子量低下を防ぐことが可能である。なお、環状イミノエステルがポリエステルと反応した場合、紫外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態の紫外線吸収波長領域より低波長側にずれる傾向を示し、それ故高波長側の紫外線を透過する傾向をもつ。
【0069】
前記環状イミノエステルは、適量を添加する場合、昇華物が殆どないので、製膜でダイ周辺を汚すことが少なく、紫外線から380nm付近の光線を吸収するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィルムの劣化を防止する特性に優れている。
【0070】
前記紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステルに対し、0.1〜5重量%が好ましく、さらには0.2〜3重量%が好ましい。この量が0.1重量%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、一方5重量%を超えるとポリエステルの製膜特性が低下し、好ましくない。
【0071】
前記紫外線吸収剤のポリエステルへの添加は、例えばポリエステル重合工程、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸、により行なうことができ、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができる。
【0072】
[フィルムのヘーズ]
本発明におけるポリエステルフィルムは、ヘーズが好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。この範囲のヘーズであると、各種ディスプレイ用途において良好な視認性を得ることができ、光学用途として適する。
【0073】
[皮膜]
本発明におけるポリエステルフィルムは、その少なくとも片面に皮膜が塗設され、皮膜は、(A)ガラス転移点が40〜100℃、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂を60〜90重量%と、(B)粒子径が0.02〜0.2μmのフィラーを1〜20重量%と、を含有する組成物からなる。
【0074】
皮膜を組成する成分として用いるポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移点が40〜100℃、好ましくは60〜90℃である。ガラス転移点が40℃未満であるとフィルム同士のブロッキングが発生する場合があり、100℃を超えると皮膜表面が荒れて透明性が損なわれる。
【0075】
かかるガラス転移点を有するポリエステル樹脂は、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体から得ることができる。
【0076】
すなわち、多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6ーナフタレンジカルボン酸、1、4ーシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が挙げられる。これら酸成分を2種以上用いて共重合ポリエステルを合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1、4ーブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6ーヘキサンジオール、1、4ーシクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等が挙げられる。また、これらモノマーが挙げられる。
【0077】
上記ポリエステル樹脂(A)は、水に可溶性または分散性のポリエステルであることが好ましい。水への可溶性または分散性を向上させるためには、例えば0.1〜15モル%のスルホン酸塩基を有するジカルボン酸を導入することが好ましい。特に0.1〜5モル%のスルホン酸塩基を有するジカルボン酸を導入した水分散性ポリエステル樹脂を用いることが、耐水性、耐湿性の面からも好ましい。また、該ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.4以上0.7未満、好ましくは0.5以上0.65以下である。固有粘度が0.4未満であると、皮膜の耐熱性が劣り、加工工程で熱がかかった場合に表面が白化するなどの問題が発生する。一方、固有粘度が0.7を超えると、きれいな皮膜が得られず、表面に荒れが発生するために透明性が低下する。
【0078】
ポリエステル樹脂(A)は皮膜の組成物に60〜90重量%、好ましくは70〜85重量%含有される。ポリエステル樹脂が90重量%を超えると、皮膜が平坦になりすぎて耐ブロッキング性が劣る。ポリエステル樹脂が60重量%未満であると、ハードコートなどの接着性が低下する。
【0079】
皮膜の組成物に用いるフィラー(B)は、粒子径が0.02〜0.2μmであり、含有量は1〜20重量%である。フィラーの粒子径が0.02μm未満であるか、皮膜中のフィラーの含有量が1重量%より少ないとフィルムが滑らなくなり、ハンドリング性が低下するとともに、耐ブロッキング性も劣るようになる。フィラーの粒子径が0.2μmを超えるか、フィラー含有量が20重量%を超えると塗布量の透明性が無くなり、ディスプレイ用途等に使用できなくなる。
【0080】
かかるフィラーは有機又は無機の微粒子であり、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が例示される。
【0081】
皮膜の組成物のポリエステル樹脂(A)とフィラー(B)の屈折率は、ともに1.50〜1.60の範囲にあることが好ましく、特に1.55〜1.59の範囲であることが好ましい。屈折率が1.50未満であるか1.60を超えると、ハードコートやベースフィルムとの、また皮膜における樹脂とフィラーとの界面反射が強くなり、透明性を損なうことがある。
【0082】
本発明において、ポリエステルフィルム表面に形成される塗布層を構成する組成物は、更に、ワックスを含有していることが好ましい。ワックスを含有することでより優れた易滑性を得ることができる。
【0083】
ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスパルミチン酸アミド、N,N’−メチレンビスラウリン酸アミド、リノール酸アミド、カプリル酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸のアミドまたはビスアミド等である。ワックスは、環境問題や取扱のし易さから水分散体がより好ましい。
【0084】
ワックスが皮膜の組成物に含有される場合、皮膜の組成物中に0.5〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%含有される。この範囲で含有されることにより、フィルム表面の易滑性を有しつつ、ポリエステル基材への密着やハードコートなどに対する易接着を得ることができる。
【0085】
皮膜の組成物は、ポリエステル樹脂(A)60〜90重量%、フィラー(B)1〜20重量%、さらに好ましくは1〜9重量%、およびワックス0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜9重量%、を含有することが好ましい。
【0086】
本発明における皮膜は、その表面固有抵抗値が1×1014Ω/□以下であることが好ましい。表面固有抵抗値が1×1014Ω/□を超えると、加工工程などでのフィルム搬送時に帯電が発生しやすくなり、フィルムのハンドリング性が悪化することがある。皮膜の表面固有抵抗値を調整するには、既知の帯電防止剤を添加する方法が好ましく例示できる。
【0087】
本発明においては皮膜を形成する成分として、上記の成分以外に、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などの他の樹脂や、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を性能の損なわない範囲の添加量で使用することができる。
【0088】
[フィルムの製造]
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に前記成分を用いた皮膜を塗設する。例えば延伸可能なポリエステルフィルムに皮膜を形成する成分を含む水性液を塗布した後、乾燥、延伸し、必要に応じて熱処理することにより塗設することができる。この水性液の固形分濃度は、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
【0089】
前記の延伸可能なポリエステルフィルムとは、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリエステルフィルムである。このうちフィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸した縦延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
【0090】
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
【0091】
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進するものであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。この範囲であれば40mN/m以下にすることができ、塗布層のハジキを防止可能である。
【0092】
ポリエステルフィルムへ水性液を塗布する場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムに該フィルムの製造工程と切り離した工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易く、好ましくない。かかる観点より、クリーンな雰囲気での塗布、即ちフィルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布によれば、皮膜(塗膜)のポリエステルフィルムへの密着性がさらに向上する。
【0093】
塗布方法としては、公知の任意の塗布法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。塗布量は走行しているフィルム1m当り、0.5〜20g、さらには1〜10gが好ましい。水性液は水分散液又は乳化液として用いるのが好ましい。なお、塗膜は、必要に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
【0094】
水性液を塗布した延伸可能なポリエステルフィルムは、乾燥、延伸処理工程に導かれるが、かかる処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことができる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜130℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は180〜240℃×2〜20秒である。
【0095】
かかる処理後の二軸配向ポリエステルフィルムの厚さは50〜250μmであること、また塗膜の厚さは0.02〜1μmであることが好ましい。
【0096】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)ヘーズ値
日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH―20)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。尚、フィルムのヘーズを下記の基準で評価した。
◎:ヘーズ値≦1.5%      ……フィルムのヘーズ極めて良好
○:1.5%<ヘーズ値≦3.0% ……フィルムのヘーズ良好
×:3.0%<ヘーズ値      ……フィルムのヘーズ不良
【0097】
(2)ハードコート接着性
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ10μmのハードコート層を形成して碁盤目のクロスカット(1mm2のマス目を100個)を施し、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察し、下記の基準で評価した。
5:剥離面積が20%未満       ……接着力極めて良好
4:剥離面積が20%以上30%未満  ……接着力良好
3:剥離面積が30%以上40%未満  ……接着力やや良好
2:剥離面積が40%以上50%未満  ……接着力不良
1:剥離面積が50%を超えるもの   ……接着力極めて不良
【0098】
(3)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するように重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で17時間にわたって0.6kg/cmの圧力をかけ、その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
◎:剥離力<98mN/5cm
……耐ブロッキング性極めて良好
○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm
……耐ブロッキング性良好
△:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm
……耐ブロッキング性やや良好
×:196mN/5cm≦剥離力
……耐ブロッキング性不良
【0099】
(4)摩擦係数(μs)
ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッパリー測定器を使用し、塗膜形成面とポリエチレンテレフタレートフィルム(塗膜非形成面)との静摩擦係数(μs)を測定した。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1kgとした。尚、フィルムの滑り性を下記の基準で評価した。
◎:    摩擦係数(μs)≦0.5 ……滑り性極めて良好
○:0.5<摩擦係数(μs)≦0.8 ……滑り性良好
×:0.8<摩擦係数(μs)     ……滑り性不良
【0100】
(5)二次転移点(Tg)
デュポン製  Thermal Analyst 2000型  示差熱量計にて、20℃/分の昇温速度にて測定する。
【0101】
(6)屈折率
・ポリエステル樹脂
樹脂を加熱溶融した後、板状に急冷固化させて、アッベ屈折率計(D線589nm)で測定した。
・微粒子
微粒子を、屈折率が既知である種々の25℃の溶液に懸濁させ、懸濁液が最も透明に見える液の屈折率をもって微粒子の屈折率とする。
【0102】
(7)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃にて測定し求める。
(8)表面固有抵抗値
タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定する。
【0103】
(9)耐候性
易接着評価同様、易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ10μmのハードコート層を形成する。このサンプルを、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)性、WEL−SUN−HCL型)を使用し、JIS−K−6783bに準じて、1000時間(屋外曝露1年間に相当)照射することにより屋外曝露促進試験を行う。処理後、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH―20)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。尚、フィルムのヘーズを下記の基準で評価した。
◎:ヘーズ値≦2.0%      ……フィルムのヘーズ極めて良好
○:2.0%<ヘーズ値≦3.5% ……フィルムのヘーズ良好
×:3.5%<ヘーズ値      ……フィルムのヘーズ不良
【0104】
(10)耐熱性
フィルムを120℃*60分熱処理し、上記(1)と同様にフィルムのヘーズ値を測定した。尚、フィルムのヘーズを下記の基準で評価した。
◎:     ヘーズ値≦2.0% ……フィルムの耐熱性極めて良好
○:2.0%<ヘーズ値≦3.5% ……フィルムの耐熱性良好
×:3.5%<ヘーズ値      ……フィルムの耐熱性不良
【0105】
[実施例1〜5、比較例1〜10]
下記式(A)に示す紫外線吸収剤を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
【0106】
【化19】
Figure 2004018810
【0107】
次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その両面に下記塗膜用組成物(表1)の濃度8%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。
【0108】
【表1】
Figure 2004018810
【0109】
・ポリエステルA−1:酸成分が2,6―ナフタレンジカルボン酸80モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール80モル%/ジエチレングリコール20モル%で構成されている(Tg=88℃、固有粘度0.45、屈折率1.58)。
・ポリエステルA−2:酸成分がテレフタル酸90モル%/イソフタル酸6モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸4モル%、グリコール成分がエチレングリコール70モル%/ジエチレングリコール30モル%で構成されている(Tg=58℃、固有粘度0.55、屈折率1.56)。
・ポリエステルA−3:酸成分がテレフタル酸70モル%/イソフタル酸25モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%で構成されている(Tg=44℃、固有粘度0.62、屈折率1.55)。
【0110】
・ポリエステルA−4:酸成分が2,6―ナフタレンジカルボン酸90モル%/イソフタル酸2モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸8モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=103℃、固有粘度0.48、屈折率1.59)。
・ポリエステルA−5:酸成分がテレフタル酸70モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%、グリコール成分が1,4−ブタンジオール70モル%/ネオペンチルグリコール30モル%で構成されている(Tg=38℃、固有粘度0.43、屈折率1.55)。
・ポリエステルA−6:酸成分が2,6―ナフタレンジカルボン酸70モル%/イソフタル酸25モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール70モル%/ジエチレングリコール30モル%で構成されている(Tg=75℃、固有粘度0.38、屈折率1.57)。
【0111】
・ポリエステルA−7:酸成分がテレフタル酸75モル%/イソフタル酸23モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸2モル%、グリコール成分がエチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%で構成されている(Tg=45℃、固有粘度0.72、屈折率1.55)。
【0112】
・フィラーC−1:架橋アクリルフィラー(平均粒径:0.03μm、屈折率1.50)
・フィラーC−2:シリカ及びチタニアの複合無機粒子(平均粒径:0.10μm、屈折率1.56)
・フィラーC−3:シリカフィラー(平均粒径:0.04μm、屈折率1.42)
・フィラーC−4:架橋アクリルフィラー(平均粒径:0.015μm、屈折率1.50)
・フィラーC−5:架橋アクリルフィラー(平均粒径:0.25μm、屈折率1.50)
・添加剤D:N,N’−エチレンビスカプリルアミド
・添加剤E:p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル
次いで、この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.7倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの易接着性フィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.08μmであった。
これらの評価結果を表2に示す。
【0113】
[比較例11]
水性液を塗布しない以外は、実施例1と同様に行なった。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0114】
[実施例6,7および比較例12]
ポリエステルに含有させる紫外線吸収剤を下記の通り変更する他は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0115】
実施例6・・・下記式(B)の紫外線吸収剤を1重量%含有
実施例7・・・構造式(C)の紫外線吸収剤を1重量%含有
比較例11・・・紫外線吸収性剤を含まないポリエステルを使用
【0116】
【化20】
Figure 2004018810
【0117】
【化21】
Figure 2004018810
【0118】
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0119】
【表2】
Figure 2004018810
【0120】
※表中、−印は評価しなかったことを示す。
【0121】
表2に示す結果から明らかなように、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは耐候性に優れ、かつ接着性、透明性、スクラッチ傷耐性に優れ、光学用易接着性ポリエステルフィルムとして有用である。
【0122】
【発明の効果】
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、耐候性に優れ、しかも優れた接着性、透明性、スクラッチ傷耐性を有する光学用易接着性ポリエステルフィルムとして有用であり、プラズマディスプレイ前面板フィルターに特に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に皮膜を塗設したフィルムであって、該皮膜が(A)ガラス転移点が40〜100℃、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂を60〜90重量%と、(B)粒子径が0.02〜0.2μmのフィラーを1〜20重量%とを含有する組成物からなる、光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 皮膜のポリエステル樹脂(A)およびフィラー(B)の屈折率が、ともに1.50〜1.60の範囲にある、請求項1に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 皮膜の表面固有抵抗値が1×1014Ω/□以下である、請求項1または2に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 紫外線吸収剤が、下記式(I)
    Figure 2004018810
    (ここで、Xは、上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基であり;nは1、2又は3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい、又はRはn=2のとき直接結合であることができる。)
    で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)
    Figure 2004018810
    (ここで、Aは下記式(II)−a
    Figure 2004018810
    で表わされる基であるか又は
    下記式(II)−b
    Figure 2004018810
    で表わされる基であり;RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;Xは4価の芳香族残基で、これは更にヘテロ原子を含有していてもよい。)
    で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1乃至3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  5. プラズマディスプレイ前面板フィルターに用いられる、請求項1乃至4のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
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