JP2004018622A - 土壌改良材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フザリウム・エクイセティ(Fusarium equiseti)SC−48株を有効成分として含有することを特徴とする土壌改良材、該土壌改良材を利用した植物栽培方法、及び該土壌改良材を利用した土壌伝染性植物病害の軽減方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フザリウム・エクイセティ(Fusarium equiseti)に属する微生物を含有した土壌改良材及びこれを用いた植物の栽培方法、及び植物栽培における土壌伝染性植物病害の軽減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物栽培時における植物病害は、作物の収量や品質を大幅に低下させることで農業生産の現場ではしばしば重大な問題となるため、種々の対策が図られており、植物病害を軽減する技術も提案されているものの、十分な効果を示すものは少ないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、土壌伝染性植物病害を軽減しつつ効率的に植物を栽培することを可能となし得る土壌改良材を提供することにあり、また、これを利用した植物の栽培方法、及び植物栽培における土壌伝染性病害の軽減方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、自然土壌から見出されたある種の微生物が土壌伝染性植物病害を軽減し得る土壌改良材の有効成分となりえることを見出すとともに、植物の栽培において、該微生物を有効成分として含有する土壌改良材を処理した土壌を用いることにより、栽培植物の土壌伝染性植物病害を効率的に軽減でき、効率的に植物を栽培することが可能となることを見出し本発明に至った。
【0005】
すなわち本発明は、フザリウム・エクイセティ(Fusarium equiseti)SC−48株(受託番号:FERM P−18800)(以下、本微生物と記す。)を有効成分として含有することを特徴とする土壌改良材(以下、本改良材と記す。)、本改良材を処理した土壌で植物を生育させることを特徴とする植物の栽培方法(以下、本栽培方法と記す。)、及び植物の栽培土壌に本改良材を処理することを特徴とする植物栽培における土壌伝染性植物病害の軽減方法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本微生物は、兵庫県の自然土壌から分離された菌株であり、本発明者らは、本微生物をフザリウム・エクイセティ(Fusarium equiseti)SC−48株と命名し、2002年4月1日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター長に寄託した(受託番号:FERM P−18800)。
【0007】
本微生物の菌学的性質について説明する。
(1)生育速度(25℃、4日間)
菌糸の伸長:20〜45mm(ポテトデキストロース寒天培地)
(2)培養集落の色調
培養開始から約1週間頃まで白色〜桃色または淡黄褐色で、培養開始から約1ヶ月過ぎた頃から黄褐色〜褐色となる(ポテトデキストロース寒天培地)。
(3)集落表面の組織
羊毛状〜綿毛状
(4)大型分生胞子
カーネーション・リーフ寒天培地上では、小型分生胞子を形成せず、大型分生胞子のみを形成する。大型分生胞子はモノフィアライド型の分生胞子形成細胞から作られる。
鎌形または三日月型で先端が細長い。3〜7隔膜で5隔膜のものが50%以上を占める。大きさは25〜60×2〜4μm。
【0008】
本微生物の培養は、例えば下記のように行うことができ、該培養により本微生物の培養物が得られる。
本微生物の保存用寒天斜面培養物の一部を、一般の糸状菌に用いられる固体培地または液体培地に接種し培養する。
本微生物の培養に用いられる培地(液体培地、固体培地)は本微生物が増殖するものであれば特に限定されるものではなく、微生物培養に通常使用される炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜含む培地が用いられる。
【0009】
液体培地は、通常水に炭素源、窒素源、有機塩及び無機塩等を適宜混合することにより調製できる。
液体培地に含まれる炭素源としては、例えばグルコース、デキストリン、シュークロース等の糖類、グリセロール等の糖アルコール類、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動植物油及び糖蜜が挙げられる。培地に含まれる炭素源の量は、通常0.1〜20%(w/v)である。
【0010】
液体培地に含まれる窒素源としては、例えば肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティープリカー(Corn Steep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩や硝酸塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、尿素及びアミノ酸類が挙げられる。培地に含まれる窒素源の量は、通常0.1〜30%(w/v)である。
【0011】
液体培地に含まれる有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩が挙げられ、具体的には例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸一水素カリウム及びリン酸ニ水素カリウムが挙げられる。培地に含まれる無機塩や有機塩の量は通常0.0001〜5%(w/v)である。
【0012】
固体培地としては例えば、米類、麦類等の主穀類、大豆、小豆等の豆類、トウモロコシ、栗、稗、コーリャン、蕎麦等の雑穀類、フスマ、米ぬか、ビールかす、コーヒーかす、菜種油かすなどの植物加工時の残さ類、汚泥堆肥(工場排水、生活排水、下水道終末処理下水、し尿等をばっ気処理又は発酵処理して得られる処理物)、牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞堆肥などの堆肥類等の1種又は2種以上;オガ粉、バガス、籾殻、莢、藁、コ−ンコブ、綿実粕等を主原料とし、これに必要に応じて、米ぬか、トウモロコシヌカ(コーンブラン)、コーンスティープリカー、酵母粉末、フスマ、アミノ酸類、大豆ミール、小麦粉、オカラ、グルコース、マルトエキス、ミネラル(リン酸一カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等)、ビタミン(チアミン等)等を配合したもの;粘土鉱物等の多孔質、寒天、ゼラチン等の天然高分子等の基材に前記液体培地に使用される炭素源、窒素、有機塩及び無機塩等を含むもの等が挙げられる。
【0013】
本微生物の培養に用いられる培地の具体的例としては、液体培地として、2%マルトエキス液体培地、オートミール液体培地、ポテトデキストロース液体培地、サブロー液体培地及びL−broth液体培地が挙げられ、固体培地としては、フスマ、汚泥堆肥、ポテトデキストロース寒天培地、サブロー寒天培地及びL−broth寒天培地が挙げられる。
【0014】
本微生物の培養は、微生物の培養に通常使用される方法に準じて行うことができる。
液体培地を用いて培養する方法としては、例えば試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター培養及びタンク培養が挙げられる。固体培地を用いて培養する方法としては、例えば静置培養法が挙げられ、適宜間歇的に攪拌しつつ静置培養を行う方法を挙げることもできる。
【0015】
培養温度は、微生物が生育可能な範囲で適宜変更することができるが、通常10〜40℃の範囲、好ましくは25℃前後であり、培地のpHは通常約4〜約8の範囲である。培養時間は培養条件により異なるが、通常数日から数週間程度である。
本微生物の菌体は、例えば本微生物を培養した培養液を遠心分離する、本微生物を培養した固体培地上に蒸留水等を加えて表面から菌体をかきとる等の方法で得ることができる。
【0016】
本改良材は、本微生物の培養物をそのまま用いてもよく、本微生物の培養物と、バーミキュライト、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、けいそう土焼成粒、くん炭、木炭、泥炭、腐植酸資材、ポリエチレンイミド系資材、ポリビニルアルコール系資材などの資材、窒素質肥料、リン酸質肥料、カリ質肥料、有機質肥料、複合肥料、ケイ酸質肥料などの肥料、高吸水性ポリマーなどの合成高分子化合物、マンガン、亜鉛、銅、コバルト、鉄、ホウ素、フッ素、モリブデンなどの微量要素、汚泥堆肥、牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞堆肥などの堆肥類、かにガラ、アミノ酸、酵素、核酸などの有機物等との混合物の状態で用いてもよい。また、使用目的に応じて本微生物の培養物または該培養物から得られる菌体に、固体担体、液体担体等、必要により界面活性剤や保水剤等の製剤用補助剤を含有させた、粉剤、粒剤、水和剤等の固形製剤、乳剤、フロアブル剤、油剤等の液体製剤等の製剤形態であってもよい。
【0017】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、粘土類(セライト、カオリンクレー、珪藻土、合成含水酸化珪素、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、タルク類、セラミック、その他の無機鉱物、ピートモス、パルプ、寒天、ふすま等の有機物が挙げられる。
液体担体としては、例えば、水、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、灯油、軽油等)、農園芸油(マシン油等)、植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
【0018】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアリールエーテル類のポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、及び糖アルコール誘導体があげられる。
【0019】
保水剤としては、例えば粘性多糖類(カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム等)、粘性合成水溶性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等)、粘性動物系高分子(コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン等)、多価アルコール類(グリセリン、エチレングリコール等)が挙げられる。
【0020】
また、本発明の目的が達成される範囲において、他の微生物、殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、植物生育調節剤などを混用または併用してもよい。
【0021】
本改良材には、1gあたり本微生物の菌体を通常102〜1010CFU(CFU:コロニー形成単位)含有する。
本栽培方法は、本改良材を処理した土壌で、植物、特に水稲、野菜、芝、花卉、果樹などの農園芸用植物を生育させることにより行うことができる。本栽培方法により、本改良材を処理していない土壌での栽培に比し、栽培植物の土壌伝染性植物病害を軽減することができる。
【0022】
本栽培方法における本改良材の土壌への処理は、植物の種類及び植付け方法により、播種前、播種時、播種後、定植前、定植時、定植後のいずれの状態で行うことができるが、植物に対する土壌伝染性植物病害の軽減効果の点では、播種前、播種時、定植前及び定植時に処理することが好ましい。また、播種前の本改良材の処理方法として、予め本改良材を処理した育苗用培土を用いて育苗し、この培土とともに苗を定植する方法も好ましい例として挙げることができる。
【0023】
本改良材の具体的な処理方法としては、植物の播種前、播種時、定植前及び定植時に行う場合には、本改良材の形態にもよるが、通常は本改良材を土壌表面に散布することにより、好ましくは、土壌表面に散布後、土壌混和することにより行うことができる。また、播種後または定植後に本改良材を処理する場合には、通常、本改良材を植物周辺の土壌に散布する方法や、植物の株元にかん注する方法等を挙げることができる。
【0024】
本改良材の土壌への処理量としては、植物の栽培域の面積1アールあたり、通常、本改良材に含まれる微生物換算量で104〜1016CFU(CFU:コロニー形成単位)である。
また、本改良材を育苗用培土に処理する場合における本改良材の培土への処理量は培土1Lに対し、通常、本改良材に含まれる微生物換算量で102〜1014CFU(CFU:コロニー形成単位)である。
【0025】
本栽培方法においては、本改良材で処理した土壌で植物を生育させる以外は、植物の通常の栽培において用いられる方法を適用することができる。
【0026】
本栽培方法により有効に軽減される土壌伝染性植物病害としては、例えば、フザリウム属菌、バーティシリウム属菌、リゾクトニア属菌、ピシウム属菌及びシュードモナス属菌に起因する病害があげられる。具体例として、トマト萎凋病、トマト根腐萎凋病、ホウレンソウ萎凋病、ダイコン萎黄病、イチゴ萎黄病、ナス半枯病、メロンつる割病、スイカつる割病、レタス根腐病、コマツナ萎黄病、ナス半身萎凋病、キュウリ苗立枯病、トマト青枯病、ナス青枯病などを挙げることができる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例について詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0028】
実施例1
兵庫県三木市の一土壌を採取し、該土壌を風乾することにより得られた乾燥土壌1gを20mlの滅菌水で懸濁した。該懸濁液を102〜106倍に希釈し、寒天平板培地(ポテト浸出液末4.0g、ブトウ糖20.0g、ストレプトマイシン50mg、寒天15.0g、水で1Lとする。)にて分離培養(25℃、7日間)を行った。生えた集落を寒天斜面培地(組成は前記寒天平板培地と同じ。ただし、ストレプトマイシンは除く。)で培養し、本微生物の菌体(フザリウム・エクイセティSC−48の菌体)を得た。該菌体は7℃で保存した。
【0029】
実施例2
(1)実施例1で得られた菌体の一部を直径9cmのシャーレあたり5mm角片1個の割合で寒天平板培地(ポテト浸出液末4.0g、ブトウ糖20.0g、寒天15.0g、水で1Lとする。)に植菌後、23℃で1週間培養して培養物1を得た。
(2)300ml容のビーカー中でふすま(前田産業(株)製)50gにV8ジュース(カゴメ(株)製)5ml、炭酸カルシウム0.1gおよび蒸留水45mlを加え、混合後、オートクレーブ(121℃、20分間)で滅菌した。冷却後、培養物1の2cm角片2個を上記の滅菌物に植菌し、25℃で2週間培養した後、室温で風乾して培養物2を得た。
【0030】
実施例3
800mlプラスチックカップ中で汚泥堆肥(含水率29.5%)200gに水道水35mlおよび培養物2を2.5g加え、上部をアルミ箔で覆い、25℃で3週間培養した後、室温で風乾し培養物3を得た。
【0031】
実施例4
300mlフラスコ中でポテトデキストロース粉末3gに蒸留水100mlを加え混合後、オートクレーブ(121℃、20℃)で滅菌した。冷却後、培養物1から直径8mmの菌叢ディスクを3個とり、上記の滅菌物に植菌し、常温で2週間往復振とう培養し培養物4を得た。
【0032】
実施例5
市販園芸培土(愛菜1号:片倉チッカリン(株))に実施例2で得られた培養物2を重量割合で1.0%混和後、得られた土壌を90ml容プラスチック製カップに充填し、潅水した。これにホウレンソウ(品種:マジック)種子を5粒播種し18℃〜24℃の温室で栽培した。播種10日後に、ポテトデキストロース培地(PDB培地)で7日間培養したホウレンソウ萎凋病菌(Fusarium oxysporumSchl.f.sp.spinaciae)の培養液をポットあたり1ml施用して栽培を継続し、ホウレンソウ萎凋病菌培養液施用20日後に、ホウレンソウ苗の罹病状況(枯死した苗および地際部が褐変した苗を罹病苗とする。)を調査した。なお、試験は5反復で行った。また、罹病率を以下の次の式によって求めた。結果を表1に示す。
罹病率(%)=100×(枯死苗数+地際部褐変苗数)/出芽苗数
【0033】
実施例6
培養物2に代えて培養物3を用いた以外は実施例5と同様の試験、罹病状況調査及び罹病率計算を行った。結果を表1に示す。
【0034】
比較例1
培養物2を施用しない以外は実施例5と同様の試験、罹病状況調査及び罹病率計算を行った。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例7
市販園芸培土(愛菜1号:片倉チッカリン(株))に培養物2を重量割合で1.0%混和後、得られた土壌を90ml容プラスチック製カップに充填し、潅水した。これにトマト(品種:桃太郎)種子を5粒播種し18℃〜24℃の温室で栽培した。播種10日後に、ポテトデキストロース培地(PDB培地)で7日間培養したトマト萎凋病菌(Fusarium oxysporum Schl.f.sp.lycopersici race J2)の培養液をポットあたり1ml施用して栽培を継続した。トマト萎凋病菌培養液施用28日後に、トマト苗の罹病状況(枯死した苗および地際部が褐変した苗を罹病苗とする。)を調査した。なお、試験は5反復で行った。また、罹病率を以下の次の式によって求めた。結果を表2に示す。
罹病率(%)=100×(枯死苗数+地際部褐変苗数)/出芽苗数
【0037】
比較例2
培養物2を施用しない以外は実施例7と同様の試験、罹病状況調査及び罹病率計算を行った。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
実施例8
市販園芸培土(愛菜1号:片倉チッカリン(株))に実施例3で得られた培養物3を重量割合で1.0%混和後、得られた土壌を90ml容プラスチック製カップに充填し、潅水した。これにトマト(品種:桃太郎)種子を5粒播種し18℃〜24℃の温室で栽培した。播種10日後に、ポテトデキストロース培地(PDB培地)で7日間培養したトマト根腐萎凋病菌(Fusarium oxysporum Schl.f.sp.lycopersici race J3)の培養液をポットあたり1ml施用して栽培を継続した。トマト根腐萎凋病菌培養液施用28日後に、トマト苗の罹病状況(枯死した苗および地際部が褐変した苗を罹病苗とする。)を調査した。なお、試験は5反復で行った。また、罹病率を以下の次の式によって求めた。結果を表3に示す。
罹病率(%)=100×(枯死苗数+地際部褐変苗数)/出芽苗数
【0040】
比較例3
培養物3を施用しない以外は実施例8と同様の試験、罹病状況調査及び罹病率計算を行った。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
実施例9
ダイコン萎黄病菌(Fusarium oxysporum Schl.f.sp.raphani)をふすま培地で25℃、14日間培養し、市販園芸培土(愛菜1号 片倉チッカリン(株))に重量割合で1.0%混和したものを汚染土壌とした。該汚染土壌に培養物2を重量割合で1.0%混和し、ダイコン種子(品種:早生20)を8粒播種し、21〜27℃の温室で21日間栽培した。栽培後、ダイコン苗の罹病状況(枯死した苗、地際部が褐変した苗および未出芽苗を罹病苗とする。)を調査した。なお、試験は5反復で行った。また、罹病率を以下の次の式によって求めた。結果を表4に示す。
罹病率(%)=100×(枯死苗数+地際部褐変苗数+未出芽苗数)/播種数
【0043】
比較例4
培養物2を施用しない以外は実施例9と同様の試験、罹病状況調査及び罹病率計算を行った。結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、土壌伝染性植物病害を軽減しつつ効率的に植物を栽培することを可能となし得る土壌改良材を提供できる。
Claims (4)
- フザリウム・エクイセティ(Fusarium equiseti)SC−48株(受託番号:FERM P−18800)を有効成分として含有することを特徴とする土壌改良材。
- 請求項1に記載の土壌改良材を処理した土壌で植物を生育させることを特徴とする植物の栽培方法。
- 植物の栽培土壌に請求項1に記載の土壌改良材を処理することを特徴とする植物栽培における土壌伝染性植物病害の軽減方法。
- 土壌伝染性植物病害がフザリウム属菌に起因する病害である請求項3に記載の方法
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009161358A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Etsuro Sakagami | 植物生長促進剤の製造方法及びこの製造方法を用いて得られる植物生長促進剤 |
CN113403210A (zh) * | 2021-05-18 | 2021-09-17 | 贵州省草业研究所 | 一种微生物环境改良剂及微生物发酵垫料 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002173956A patent/JP2004018622A/ja active Pending
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CN113403210A (zh) * | 2021-05-18 | 2021-09-17 | 贵州省草业研究所 | 一种微生物环境改良剂及微生物发酵垫料 |
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