JP2004018007A - 錠剤投入機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】錠剤投入機1は、傾斜軸線を中心として回転する投入回転盤7を有し、この投入回転盤7には複数の錠剤投入孔6が仮想の円上に、周縁部から錠剤1粒分の幅をあけて形成されている。各錠剤投入孔6は、第1、第2投入孔部13、14を有し、各投入孔部13、14の入口部12a及び連接部12cにおける長さ方向の両端縁部は円弧状に形成されている。第1投入孔部13の各端壁部は13a、13bは、連接部12cに向かって傾斜され、第1投入孔部13の入口部12aにおける最大長さL1は錠剤の長さaより大きく、第2投入孔部の最大長さL2は錠剤の長さaより小さく且つ錠剤2の最大幅bよりも大きく、第1,2投入孔部の幅寸法Wは錠剤2の最大幅bよりやや大きい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、錠剤投入機に関し、特に、一端から他端へ向かって断面積が次第に大きくなる滴型の錠剤を1粒ずつ充填包装装置へ供給する錠剤投入機に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数の錠剤を一粒ずつ供給する従来装置の一例は、特開2000−203525に開示されている。この従来装置は、多数の錠剤計量穴を形成した供給回転盤と、その下側に設けられ、供給回転盤の回転によって移動する錠剤計量穴の1つと整合する錠剤投下穴を形成した固定板とから構成されている。供給回転盤に形成されている錠剤計量穴は、該供給回転盤の表面に沿った断面が円形状のストレート部と穴入口に向かって広がる導入部とから構成されている。この導入部における各部位の寸法や形状は、供給回転盤の表面上に横たわっている錠剤が錠剤計量穴に移動してきたときに、傾いて円滑に導入部からストレート部に入ることができるように錠剤の寸法との関係で規定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公開特許公報に開示された従来装置で扱う錠剤は、一様な太さの円柱状で、かつ両端部が半球状をした薬を対象としている。近時、薬ではない多種の栄養補助剤、所謂「サプリメント」と言われる錠剤が飲まれるようになってきた。このようなサプリメントは、薬ではないので、意匠的の面から消費者に好まれるような外観形状で作られることがある。
【0004】
その一例として、一端から他端に向かって断面積が次第に大きくなる滴型をしたサプリメントがある。上述した従来装置は、このような滴型の錠剤を対象とするものではなく、そのため、滴型のサプリメントをこの従来装置で1粒ずつ供給しようとしてもサプリメントが錠剤計量穴に円滑に入らず、1粒ずつの供給が非常に困難であるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を解決するためになされたもので、一端から他端に向かって断面積が次第に大きくなる滴型の錠剤を円滑に錠剤投入孔に入れて、1粒ずつ充填包装装置へ確実に供給可能な錠剤投入機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題解決のために、この発明が対象とするのは、垂直に対して傾斜した軸線を中心として回転可能に設けられ、回転軸心を中心とする仮想の円上に、錠剤を通過させる複数の錠剤投入孔を形成した投入回転盤と、この投入回転盤の下面側に配置され、前記投入回転盤の回転に伴って前記円上を移動する前記錠剤投入孔に整合する1つの錠剤通過孔を有する固定板とを備え、前記錠剤を1粒ずつ充填包装装置へ供給する錠剤投入機である。
【0007】
かかる錠剤投入機において、この発明が特徴とするところは、各錠剤投入孔が、投入回転盤の表面に形成された入口部から内部に延びる第1投入孔部と、第1投入孔部に連接部を介して連続し、投入回転盤の下面に形成された出口部を有する第2投入孔部とから構成され、前記入口部及び前記連接部のそれぞれにおける長さ方向の両端縁部が対向側を凹状にした円弧状に形成され、第1投入孔部の長さ方向両端部が、入口部と連接部との各端縁部とをつなぎ、連接部に向かって両端部間の距離を次第に短くするように傾斜した端壁部で形成され、入口部における最大長さL1が錠剤の長さaより大きく、第2投入孔部の最大長さL2が錠剤の長さaより小さく且つ錠剤の最大幅bよりも大きく、第1,2投入孔部の幅寸法Wが錠剤の最大幅bよりやや大きくされていること、にある。
【0008】
本発明に係る錠剤投入機の好ましい実施態様の一つとしては、前記錠剤が、細長くかつ長さ方向に直交する幅方向の断面形状がほぼ円形で、一端から他端に向かって断面積が次第に大きくなる滴型をしている。また、他の好ましい実施態様としては、複数の錠剤投入孔が、投入回転盤の周囲縁に対して錠剤の最大幅bとほぼ同じ距離だけ間隔をあけていることである。
【0009】
更に他の好ましい実施態様としては、錠剤の両端部が半球状に形成され、入口部と連接部との円弧状両端縁部は、錠剤の半球状端部における最大の曲率よりやや大きい曲率で形成されていることである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の錠剤投入機を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る錠剤投入機1を示す縦断面図であり、図2は、この錠剤投入機1を縦方向中心線に沿う上方から見た上面図である。この錠剤投入機1で扱う錠剤2は、図4及び図5に示されるように細長く、かつ長さ方向に直交する幅方向の断面形状がほぼ円形で、一端2aから他端2bに向かって断面積が次第に大きくなる滴型をしており、両端はそれぞれ半球状に形成されている。便宜的に、この錠剤2における長さ方向の一端2aを細い球状端部、他端2bを太い球状端部と称し、更に錠剤2の最大長さ寸法をaとし、最大幅寸法をbとする。
【0011】
このような形状の錠剤を1粒ずつ充填包装装置(図示せず)へ供給する錠剤投入機1は、平坦な表面7a及び下面7bを有する投入回転盤7を備えている。この投入回転盤7は、垂直な軸線3に対して傾斜した軸線4を中心として回転可能に設けられ、回転軸心を中心とする仮想の円5(図2参照)上に、表面7aから下面7bに貫通した複数の錠剤投入孔6が形成されている。投入回転盤7に形成された複数の錠剤投入孔6は、図3に示されるように投入回転盤7の周囲縁から錠剤2の最大幅bと同じ距離だけ間隔をあけている。
【0012】
この投入回転盤7の下面7b側には、該投入回転盤7の回転に伴って円5上を移動する錠剤投入孔6に整合する1つの錠剤通過孔8aを有する固定板8が配置され、図示しない架台などの固定部に支持されている。固定板8の錠剤通過孔8aは、投入回転盤7の回転中、複数の錠剤投入孔6のうち垂直方向に最も高い位置又はその近傍に来た1つの錠剤投入孔6と整合可能な位置に形成されており、この錠剤通過孔8aと整合する1つの錠剤投入孔6以外の錠剤投入孔6は固定板8の他の部位で閉鎖されている。
【0013】
投入回転盤7は、固定板8の下面側に配置されかつ架台に支持された電動モータ9から、固定板8を貫通して延出し、かつ前記軸線4に一致する回転中心軸線を有する駆動軸9aに接続されている。その結果、投入回転盤7は、軸線4を回転中心軸線として電動モータ9により回転される。この投入回転盤7の周囲部には、その表面7aに対してほぼ直角に立ち上がる周壁部10が取り付けられ、投入回転盤7の表面7a上に多数の錠剤2を貯留させる収容空間部11を形成している。
【0014】
各錠剤投入孔6は、図4および図5の拡大図に示されるようにその表面7aに形成された入口部12aから内部に延びる第1投入孔部13と、連接部12cで第1投入孔部13につながり、かつ投入回転盤7の下面7bに形成された出口部12bに至る第2投入孔部14とから構成されている。第1、第2投入孔部13、14は、投入回転盤7の周方向に長く、入口部12a及び連接部12cのそれぞれにおける長さ方向の両端縁部12d、12eは、対向側を凹状とした円弧状に形成されている。これら各端縁部12d、12eを形成している円弧は、錠剤2の半球状端部を形成している最大の曲率、即ち太い球状端部2bの曲率よりやや大きい曲率で形成されている。
【0015】
第1投入孔部13の入口部12aにおける各端縁部12dから連接部12cの各端縁部12eまでをそれぞれつなぐ各端壁部13a、13bは、表面が凹状の曲面であり、且つこれら湾曲端壁部13a間の距離は、連接部12cに向かって次第に短くなるように傾斜している。第2投入孔部14における連接部12cから出口部12bまでの両端壁部14a、14bは、投入回転盤7の表面7aに対してほぼ垂直に設けられており、従って表面7aに沿う横断面形状は連接部12cの端縁部12eと同じ円弧状に湾曲している。
【0016】
第1投入孔部13の入口部12aにおける最大長さ寸法をL1、第2投入孔部14の最大長さ寸法をL2とすると、L1はaより大きく、L2はaより小さく且つbよりも大きい。すなわち、L1>a、b<L2<aとされている。
【0017】
次に、この錠剤投入機1の動作について説明する。投入回転盤7上の収容空間部11内に多数の滴型錠剤2を入れると、各錠剤2は、図2に示されるように収容空間部11内の傾斜方向下側に集まり、多くの錠剤2は、その長さ方向を投入回転盤7の周方向に向けて横たわる。各錠剤投入孔6は、投入回転盤7の周囲縁から錠剤2の1粒の最大幅寸法bだけ間隔を開けているため、各錠剤投入孔6と周囲縁との間に多数の錠剤2が周壁部10に寄りかかるように一列に、即ち投入回転盤7上で最外側の列として配列する。同時に、この最外側の列から数えて隣接する2列目として多くの錠剤2が同様に配列する。
【0018】
2列目に配列した多数の錠剤2は、錠剤投入孔6の上にほぼ正確に位置する。そのとき、2列目の各錠剤2は、その多くが図4に示されるように錠剤投入孔6の第1投入孔部13に入る。第1投入孔部13に入った錠剤2は、太い球状端部2b側の重量が細い球状端部2a側に比べて重いため、この太い球状端部2bが、傾斜した湾曲端壁部13a又は13bを滑って第2投入孔部14に入り込む。この状態で投入回転盤7が図2に矢印15で示す方向に回転すると、最下方位置にあった錠剤投入孔6が仮想円5上を上方へ移動することから、錠剤2の長さ方向の向きが次第に変わる(図2で見て投入回転盤7の下側に位置する錠剤2は投入回転盤7が約90度回転すると、投入回転盤7の左側に移動し、その時の長さ方向の向きは上下方向になる)。
【0019】
太い球状端部2bが第2投入孔部14に入った錠剤2の長さ方向が、投入回転盤7の回転により、投入回転盤7の最大傾斜方向に向くと(図2で見て左側の位置に来たときの向き)、錠剤2の長さ方向が垂直方向に近づき、かつ太い球状端部2bが細い球状端部2aよりも垂直方向下側に位置することになる。その結果、錠剤2の重さがほぼ長さ方向へ作用し、錠剤2の太い球状端部2aが第2投入孔部14内に落ち込んで、その長さ方向が表面7aに対して垂直になる。その後、錠剤投入孔6が固定板8の錠剤通過孔8aに整合すると、この錠剤投入孔6内の錠剤2が錠剤通過孔8aに落下し、そこから図1に矢印16で示すように図示しない充填包装装置へ供給される。このような動作は、各錠剤投入孔6について繰り返され、これにより投入回転盤7上の収容空間部11内に貯留されている多数の錠剤2は、1粒ずつ充填包装装置へ供給される。
【0020】
もし、細い球状端部2aが最初に第2投入孔部14に入り、太い球状端部2bが第1投入孔部13の湾曲端壁部13a又は13bに乗った場合には、上述した太い球状端部2bが先に第2投入孔部14に入った場合よりも第2投入孔部14への落ち込みがスムーズではないが、それでも投入回転盤7が回転して錠剤2が投入回転盤7の最大傾斜方向に向くと第2投入孔部14に落ち込む。このように錠剤投入機1を用いると、滴型をした多数の錠剤2を1粒ずつ正確に計量して、例えば充填包装装置などへ供給することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る錠剤投入機1によれば、第1投入孔部と第2投入孔部とからなり、投入回転盤の周方向に長い錠剤投入孔を投入回転盤に設け、この第1投入孔部の入口部と、第2投入孔部との連接部における長さ方向の両端縁部を円弧状に形成し、第1投入孔部の入口部における両端縁部から連接部の両端縁部までをつなぐ各端壁部を、連接部に向かって両端部間の距離が次第に短くなるように傾斜させたことから、一端から他端に向かって断面積が次第に大きくなる滴型の錠剤を円滑に各錠剤投入孔に入れることができ、その結果滴型の錠剤を1粒ずつ、例えば充填包装装置などに確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る錠剤投入機の縦断面図である。
【図2】錠剤投入機を縦方向中心線に沿う上方から見た上面図である。
【図3】錠剤投入機の一部を拡大して示す部分的な上面図である。
【図4】投入回転盤に形成された錠剤投入孔に滴型の錠剤が入った状態を示す平面図である。
【図5】図3の5−5線で切断して錠剤投入孔を示す断面図である。
【符号の説明】
1 錠剤投入機
2 錠剤
2a 細い球状端部(一端)
2b 太い球状端部(他端)
3 垂直な軸線
4 傾斜した軸線
5 仮想の円
6 錠剤投入孔
7 投入回転盤
7a 投入回転盤の表面
7b 投入回転盤の下面
8 固定板
8a 錠剤通過孔
10 周壁部
11 収容空間部
12a 入口部
12b 出口部
12c 連接部
12d 入口部の端縁部
12e 連接部の端縁部
13 第1投入孔部
13a、13b 端壁部
14 第2投入孔部
14a、14b 端壁部
Claims (4)
- 垂直に対して傾斜した軸線を中心として回転可能に設けられ、回転軸心を中心とする仮想の円上に、錠剤を通過させる複数の錠剤投入孔を形成した投入回転盤と、この投入回転盤の下面側に配置され、前記投入回転盤の回転に伴って前記円上を移動する前記錠剤投入孔に整合する1つの錠剤通過孔を有する固定板とを備え、前記錠剤を1粒ずつ充填包装装置へ供給する錠剤投入機において、
前記各錠剤投入孔は、前記投入回転盤の表面に形成された入口部から内部に延びる第1投入孔部と、前記第1投入孔部に連接部を介して連続し、前記投入回転盤の前記下面に形成された出口部を有する第2投入孔部とから構成され、
前記入口部及び前記連接部のそれぞれにおける長さ方向の両端縁部が対向側を凹状にした円弧状に形成され、前記第1投入孔部の長さ方向両端部が、前記入口部と前記連接部との前記各端縁部とをつなぎ、前記連接部に向かって前記両端部間の距離を次第に短くするように傾斜した端壁部で形成され、
前記入口部における最大長さL1が前記錠剤の長さaより大きく、前記第2投入孔部の最大長さL2が前記錠剤の長さaより小さく且つ前記錠剤の最大幅bよりも大きく、前記第1,2投入孔部の幅寸法Wが前記錠剤の最大幅bよりやや大きくされていることを特徴とする錠剤投入機。 - 前記錠剤が、細長くかつ長さ方向に直交する幅方向の断面形状がほぼ円形で、一端から他端に向かって断面積が次第に大きくなる滴型をしている請求項1に記載の錠剤投入機。
- 複数の前記錠剤投入孔が、前記投入回転盤の周囲縁に対して前記錠剤の最大幅bとほぼ同じ距離だけ間隔をあけて形成されている請求項2に記載の錠剤投入機。
- 前記錠剤の前記両端部が半球状に形成され、前記入口部と前記連接部との前記円弧状両端縁部は、前記錠剤の前記半球状端部における最大の曲率よりやや大きい曲率で形成されている請求項2又は3に記載の錠剤投入機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174025A JP2004018007A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 錠剤投入機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002174025A JP2004018007A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 錠剤投入機 |
Publications (1)
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JP2004018007A true JP2004018007A (ja) | 2004-01-22 |
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ID=31173098
Family Applications (1)
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JP2002174025A Pending JP2004018007A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 錠剤投入機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004018007A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2002
- 2002-06-14 JP JP2002174025A patent/JP2004018007A/ja active Pending
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