JP2004017553A - 平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷版 Download PDF

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松浦 睦
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上杉 彰男
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Abstract

【課題】搬送ローラとアルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じて前記アルミニウムウェブの表面に前記面質不良が発生するのを効果的に防止できる平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷版の提供。
【解決手段】一定方向に走行するアルミニウムウェブの少なくとも一方の面に粗面化処理を施す平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理において前記アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度との差が前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%以内になるように、前記搬送ローラの回転速度を制御することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、平版印刷版。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体、および平版印刷版に関し、具体的には、粗面化処理において前記アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラのスリップに起因して生じるキズ状の面質不良の発生を効果的に防止できる平版印刷版用支持体の製造方法、前記製造方法で得られる平版印刷版用支持体、および前記平版印刷版用支持体を基材とする平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版用アルミニウム支持体は、一般には、帯状のアルミニウム薄板であるアルミニウムウェブを一方向に搬送しつつ、前記アルミニウムウェブの少なくとも一方の面に、機械的粗面化工程、酸又はアルカリ溶液中での化学的エッチング工程、酸性水溶液中でのデスマット処理工程、電気化学的な粗面化を行う電解粗面化工程、酸性水溶液中で陽極酸化処理する謡曲酸化処理工程、親水化処理工程、および封孔処理工程などから選択される1つ以上の工程を組み合わせて粗面化処理することにより製造される。
【0003】
とくに、前記電解粗面化工程は、均一な凹凸を得やすいことから、前記粗面化処理において一般的に用いられてきた。前記電解粗面化工程においては、とくに、塩酸または硝酸水溶液中での電解粗面化処理が主に行なわれてきた。
【0004】
前記粗面化処理における各工程においては、前記アルミニウムウェブを搬送するのに搬送ローラを使用することが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度とは完全に一致するとは限らない。
【0006】
そして、前記周速と走行速度との差が大きくなると、前記搬送ローラと前記アルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じ、その結果、前記アルミニウムウェブにおける前記搬送ローラに接する側の面に、スジ状またはキズ状の面質不良が生じる。前記アルミニウムウェブの粗面化面に前記面質不良が生じると、得られる平版印刷版の耐刷性能や耐汚れ性能が劣化する原因になることがある。
【0007】
本発明は、前記粗面化処理において、前記搬送ローラと前記アルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じて前記アルミニウムウェブの表面に前記面質不良が発生するのを効果的に防止できる平版印刷版用支持体の製造方法、前記製造方法で得られた平版印刷版用支持体、および前記平版印刷版用支持体を基材として有する平版印刷版を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一定方向に走行するアルミニウムウェブの少なくとも一方の面に粗面化処理を施す平版印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化処理において前記アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度との差が前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%以内になるように、前記搬送ローラの回転速度を制御することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0009】
前記平版印刷版用支持体の製造方法においては、前記アルミニウムウェブの走行速度と前記搬送ローラの周速との差が小さいから、前記搬送ローラと前記アルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じることがない。したがって、前記スリップに起因するキズ状またはスジ状の面質不良の発生が効果的に防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記粗面化処理が、前記アルミニウムウェブを電解粗面化処理する1または2以上の電解粗面化工程を有する平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0011】
前記電解粗面化工程においては、電解液の組成や電解条件を変化させることにより、ピットの直径、形状、および分布密度状態などを広範囲に制御できる。しかも、前記アルミニウムウェブの走行速度と前記電解粗面化処理において前記アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラの周速との差が小さいから、前記搬送ローラと前記アルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じて一旦生じたピットが破壊されることがない。
【0012】
したがって、前記製造方法によれば、前記電解粗面化工程の長所を最大限に発揮させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記電解粗面化処理工程が、前記アルミニウムウェブを硝酸溶液中で電解粗面化する第1の電解粗面化工程と、前記第1の電解粗面化工程で電解粗面化されたアルミニウムを塩酸溶液中で電解粗面化する第2の電解粗面化工程とを有してなる平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0014】
前記製造方法においては、前記第1の電解粗面化工程で、大きさが1〜2μm程度の凹凸であるハニカムピットが主に形成され、前記第2の電解粗面化工程で、ファセット状であってピットの一辺の大きさが0.05〜0.3μm程度の微小波が主に形成されると考えられる。
【0015】
したがって、前記製造方法によれば、ハニカムピットに微微小波が重畳された構造の粗面化面が得られる。
【0016】
前記構造の粗面化面は、版面の汚れにくさに優れ、画質に優れた印刷画像が得られるだけではなく、耐刷性にも優れている。
【0017】
故に、前記製造方法は、請求項1および2に記載の製造方法の有する特長に加えて耐汚れ性、印刷画像の画質、および耐刷性の何れも優れた平版印刷版の得られる平版印刷版用支持体が得られるという特長を有する。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記アルミニウムウェブは、アルミニウムの含有率が99重量%以上である平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0019】
前記製造方法によれば、アルミニウムウェブ中の不純物に起因するポツ汚れなどの不良の発生し難い平版印刷版用支持体が得られる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする平版印刷版用支持体に関する。
【0021】
前記平版印刷版用支持体は、キズ状やスジ状の面質不良がないから、耐刷性や耐汚れ性能に優れた平版印刷版が得られる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の平版印刷版用支持体の粗面化面に製版層を形成してなる平版印刷版に関する。
【0023】
前記平版印刷板は、耐刷性や耐汚れ性能に優れている。
【0024】
【発明の実施の形態】
1.アルミニウムウェブ
本発明に使用されるアルミニウムウェブは、アルミニウム等の帯状薄板であり、具体的には、純アルミニウム、またはアルミニウムを主成分として各種微量元素を含むアルミニウム合金の帯状薄板、およびアルミニウムがラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0025】
前記微量元素としては、たとえば珪素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、チタン、およびバナジウムなどがある。
【0026】
珪素が多く含まれると、粗面化処理後に陽極酸化処理を施したときに、陽極酸化皮膜の欠陥となり、欠陥部分の保水性が劣り、印刷時に紙が汚れやすくなる。また、銅が多く含まれると、ハニカムピットが生成しない部分の面積が多くなり外観故障となる。したがって、硝酸水溶液および塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処理において均一なハニカムピットを生成させる点からは、前記微量元素の量は、0.001重量%〜1.5重量%の範囲が好ましい。
【0027】
前記アルミニウムウェブに使用される純アルミニウムおよびアルミニウム合金としては、通常は、アルミニウムハンドブック第4版(1990、軽金属協会)に記載の、例えばJIS  A  1050材、JIS  A  3103材、JIS  A  3005材、JIS  A  1100材、JIS  A  3004材、および引っ張り強度を増す目的でこれらに5重量%以下のマグネシウムを添加した合金など、公知のアルミニウム材を用いることができる。
【0028】
また、前記アルミニウムウェブとしては再生アルミニウムの帯状薄板も使用できる。
【0029】
1−1 アルミニウム合金の説明
前記アルミニウム合金としては、具体的には以下のものが挙げられる。
【0030】
(1)AL1
必須成分として、FeをO.2〜1重量%、Siを0.05〜0.20重量%、Cuを0.006〜0.40重量%含有し、任意成分としてMgを0,001〜0.03受領%、Tiを0.001〜0.04重量%含み、残部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム合金である。
【0031】
前記アルミニウム合金は、JlS A 1050材に分類され、特に、電気化学的粗面化処理におけるピット径と深さとを大きくできるから、汚れ性と耐刷性のバランスを重視した平版印刷版用支持体に適している。
【0032】
(2)AL2
必須成分としてFeを0.1〜0.5重慮%、Siを0.02−0.10重量%を含有し、任意成分として、Cuを0.005重量%以下、Mgを0.001〜0.03重量%、Tiを0,001−0.04重量%、Niを0.002〜0.005重量%、Vを0.01〜O、05重量%含有し、残部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム合金である。
【0033】
前記アルミニウム合金は、JlS A 1050材〜J1S A 1070材に分類される合金であって、特に、電気化学的粗面化処理におけるピット径を小さくすることにより、汚れ性を向上させることができ、非シリケート現像と組み合わせることにより、汚れ性と耐刷性のバランスを両立した平版印刷版版を作製することができる。
【0034】
(3)AL3
Alが95−99.4重量%であり、次の元素のうち、5種類以上を以下の範囲で含むA1合金板である。
【0035】
Fe:0.3〜1重量%
Si:0.15〜1重量%
Cu:0.1〜1重量%
Mg:0.1〜1.5重量%
Mn:0.1〜1.5重量%
Zn:0.1〜0.5重量%
Cr:0.01〜0.1重量%
Ti:0.03〜0.5重量%
前記アルミニウム合金は、スクラップ材を主原料として使用できるから、原料コストが安価である。また、前記アルミニウム合金は、アルミニウム合金AL1およびAL2に比ベて機械強度が優れる。したがって、アルミニウム合金AL3を使用することにより、原材料コストが安く、かつ機械強度の優れた高強度型の平版印刷版原版が製造できる。
【0036】
(4)AL4
必須成分として、Mnを0.1−1.5重量%、および/またはMgを0.1〜1.5重量%含有するアルミニウム合金である。
【0037】
前記アルミニウム合金は、機械強度が優れると共に、AL3に比べて、粗面化処理の安定性に更に優れ、より均一な粗面化面が優れると共に、AL1よりも更に深いピットを生成させやすい。したがって、アルミニウム合金AL4を用いることにより、汚れ性と耐刷生とのバランスが取れ、特に耐刷性に優れ、言い換えれば印刷性能が高く、しかも機械強度の優れた高強度型の平版印刷原版が得られる。
【0038】
1−2 微量元素についての説明
前記アルミニウム合金に含まれる微量元素については、以下の通りである。
【0039】
▲1▼Fe:
Feは、新地金においても0.1〜0.2重量%前後含有される元素であり、アルミニウム中に固溶する量は少なく、殆どが金属間化合物として残存する。
【0040】
Feは、機械強度を高める作用があるが、1.0重量%より多いと圧延途中に割れが発生しやすくなる。一方、Feの含有量を0.1重量%以下にすることは現実的ではない。
【0041】
前記金属間化合物としては、A1Fe、A1Fe、AlFeSi系化合物、およびAlFeSiMn系化含物などが代表的である。
【0042】
▲2▼Si:
Siは、新地金においても0.03〜0.1重量%前後含有される元素で、アルミニウム製品のスクラップの中にも多く含まれ、アルミニウム中に固溶した状態、金属間化合物、および単独の析出物として存在する。また、平版印刷版用支持体の製造過程で加熱されると、固溶していたSiが単体Siとして析出することがある。
【0043】
単体Siが過剰の場合、過酷インキ汚れが低下することが知られている。また、電気化学的粗面化性に影響する。
【0044】
前記金属間化合物としては、AlFeSi系化合物、AlFeSiMn系化合物、およびMgSiなどが代表的である。
【0045】
▲3▼Cu:
Cuは、新地金の中にも極微量含まれる。また、JlS A 2000系およびJIS A 4000系アルミニウム材のスクラップに多く含まれる元素であり、比較的アルミニウムに中に固溶しやすい。Cuは、電気化学的粗面化性に大きな影響を及ぼす元素である。
【0046】
▲4▼Mg:
Mgは、新馳金の中には極微量含まれる。また、JlS A 2000系、3000系、5000系、および7000系材料のスクラップに多く含まれる元素である。特に缶エンド材に多く含まれるため、スクラツプ材に含まれる主要な不純物金属の1つである。
【0047】
Mgを添加する事で、耐熱軟化性、機械強度を向上できる。比較的アルミニウム中に固溶しやすく、Siと金属間化合物を形成することも知られている。
【0048】
▲5▼Mn:
Mnは、新地金の中には極微量含まれるが、JlS A 3000系材料のスクラップに多く含まれる元素である。特に缶ボディ材に多く含まれるため、スクラップ材に含まれる主要な不純物金属の1つである。
【0049】
Mnも比較的アルミニウム中に固溶しやすく、Al、Fe、Si等と金属間化合物を形成する。Mnは、アルミニウム合金の機械強度を向上させるが、電気化学的粗面化性に影響を及ぼす。
【0050】
▲6▼Zn:
Znは、新地金の中には極微量含まれるが、JlS A 7000系材料のスクラップに多く含まれる元素である。比較的アルミニウム中に固溶しやすい。電気化学的粗面化性に影響を及ぼす。
【0051】
▲7▼Cr:
Crは、新地金の中にも極微量含まれることがあり、JlS A 5000系、6000系、および7000系材料のスクラップに少量含まれることもある。
【0052】
▲8▼Ti:
Tiは、結晶微細化剤として通常0.01〜0.04重量%添加される元素である。主として、Alとの金属間化合物、あるいはTiBの形で添加される。JlS A 5000系、6000系、および7000系材料のスクラップには不純物金属として比較的多めに含まれる。過剰に含まれると、電気化学的粗面化性に影響することがある。
【0053】
1−3 金属間化合物の説明
前記諸元素は、鋳造工程で凝固する際、一部はアルミニウム中に溶け込み(固溶)、残りは金属間化合物、または単独の晶出物・析出物として存在する。前記元素が金属間化含物または晶出・析出物として残る割合は、凝固速度の影響を大きく受ける。前記元素は、たとえば、ローラ式連続鋳造を採った場合のように急速疑固する場合には大部分が固溶し、DC鋳造法のように疑固速度が遅い鋳造法を採った場合には、金属間化合物または晶出・析出物が生成し易い。
【0054】
前記アルミニウム合金を鋳造後、均熱、焼鈍などの熱処理を行ったり、熱間圧延を行ったりすると、前記元素の多くは、アルミニウムに再固溶したり、より安定な金属間化合物に変化したりするが、厚さ0.1−0.7mm程度の板状に圧延された時点で、得られるアルミニウム板の表面や内部に、金属間化合物または晶出・析出物として析出することが多い。
【0055】
たとえば、DC鋳造法で前記アルミニウム板を製造した場合においてアルミニウム合金として前記AL1合金を使用した場合には、得られるアルミニウム板には、500−20000個/mm程度の密度で、金属間化含物または単独の晶出物および析出物が存在する。一方、アルミニウム合金として前記AL2合金を使用した場合には、得られるアルミニウム板には、100−10000個/mm程度の密度で金属間化合物または単独の晶出物・析出物が存在する。AL3合金またはAL4合金を使用した場合には、得られるアルミニウム板には、金属間化合物または単独の晶出物・析出物が5000−50000個/mmの密度で析出する。
【0056】
1−4 アルミニウム板の製造方法
前記アルミニウム板は、DC鋳造法、連続鋳造法、DC鋳造法から中間焼鈍処理および均熱処理の何れかまたは両方を省略した製造方法、および連続鋳造法から中間焼鈍処理を省略した製造方法の何れかにより製造できる。
【0057】
2.粗面化処理
粗面化処理に包含される工程としては、
(1) 機械的粗面化工程
(2) アルカリエッチング工程(1)
(3) デスマット工程(1)
(4) 電解粗面化工程
(5) アルカリエッチング工程(2)
(6) デスマット工程(2)
が挙げられる。
【0058】
また、前記各工程の間に水洗工程を挿入することができる。
【0059】
以下、前記各工程のそれぞれについて説明する。
【0060】
2−1 機械的粗面化工程
機械的粗面化工程においては、前記アルミニウム板の少なくとも一方の面に、機械的粗面化処理を施す。
【0061】
前記機械的粗面化処理は、処理後の粗面化面の中心線平均粗さ(Ra)は0.3〜0.6μmの範囲になるように行うことが好ましい。
【0062】
前記機械的粗面化処理としては、たとえばローラ状ブラシで擦って粗面化するブラシグレイニングを施すことができる。以下、ブラシグレイニングについて説明する。
【0063】
前記ブラシグレイニングを行なうに先立ち、必要に応じて、前記アルミニウム板の表面に付着した圧延油を除去するための脱脂処理を行うことができる。前記脱脂処理としては、例えば界面活性剤による処理、有機溶剤による処理、およびアルカリ性水溶液による処理などを行うことができる。但し、圧延油の付着が少い場合は、前記脱脂処理を省略することができる。
【0064】
引き続いて、研磨材スラリーを前記アルミニウム板表面に供給しながら、1種類、または毛径が異なる2種類以上のローラ状ブラシを用いてブラシグレイニングを行う。
【0065】
前記ブラシグレイニング処理に使用されるブラシグレイニング装置の一例を図1に示す。
【0066】
ブラシグレイニング装置100は、図1に示すように、粗面化しようとするアルミニウムウェブの走行経路を挟んで上方に配置された2本のローラ状ブラシ102と、1本のローラ状ブラシ102につき2本づつ、合計4本が前記走行経路を挟んで下方に配置され、アルミニウムウェブを図1における矢印の方向に走行させる搬送ローラ107と、アルミニウムウェブ101の走行方向に対してローラ状ブラシ102の上流側に研磨材スラリーを供給する2つのスラリー供給装置103とを備える。
【0067】
ブラシグレイニング時においては、ローラ状ブラシ102により、前記アルミニウムウェブを2本の搬送ローラ107の間に押し入れるように加圧することが好ましい。
【0068】
本発明に用いられるローラ状ブラシは、ナイロン、ポリプロピレン、動物毛、あるいはスチールワイヤなどから形成したブラシ毛を均一な毛長及び植毛分布で円筒状の胴の側面全体に植設したもの、前記胴の表面全体に多数の小穴を開け、前記ブラシ毛の束であるブラシ毛束を前記小穴のそれぞれに植設したもの、およびチャンネルローラ型のものなどが好ましく用いられる。
【0069】
前記ブラシ毛の材質としてはナイロンが最も好ましい。前記ブラシ毛の植毛後の毛長は、10〜200mmが好ましく、特に25−100mmが好ましい。なおローラ状ブラシに植え込む際の植毛密度は1cm当り30〜1000本が好ましく、さらに好ましくは50〜300本である。
【0070】
前記ブラシ毛の好ましい毛径は、好ましくは0.2mm〜0.83mmであり、特に好ましくは0.25mm〜0.8mmである。ブラシ毛の断面形状は円が好ましい。毛径が0.2mm以上であれば、得られる平版印刷版のシャドウ部での汚れ性能が良好であり、0.83mm以下であれば、ブランケット汚れの生じ難い平版印刷版が得られる。
【0071】
前記ブラシ毛の材質は、ナイロンが好ましく、特にナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10などが好ましいが、引っ張り強さ、耐摩耗性、吸水による寸法安定性、曲げ強さ、耐熱性、回復性などに優れている点から、ナイロン6・10が最も好ましい。
【0072】
ローラ状ブラシの本数は、好ましくは1本以上10本以下であり、更に好ましくは1本以上6本以下であり、最も好ましくは3本または4本である。特開平6−135175号公報に記載されているように、ブラシ毛の毛径が異なる2以上のローラ状ブラシを組み合わせてもよい。
【0073】
ローラ状ブラシの回転数は、100〜500rpmの範囲が好ましい。ローラ状ブラシは、アルミニウム板の搬送方向と同じ方向に回転(順転)させることが好ましいが、ローラ状ブラシが多数本の場合には、一部のローラ状ブラシを、アルミニウム板の搬送方向と同じ方向に回転(逆転)させてもよい。前記ローラ状ブラシを3本用いるときは、アルミニウム板の搬送方向に対して最も上流側に位置するローラ状ブラシを順転させ、中央のローラ上ブラシを逆転させ、アルミニウム板の搬送方向に対して最も下流側に位置するローラ状ブラシを順転させることが特に好ましい。ローラ状ブラシを4本用いるときには、前記4本のローラ状ブラシの回転方向は、アルミニウム板の搬送方向に対して上流側(以下、単に「上流側」という。)からアルミニウム板の搬送方向に対して下流側(以下、単に「下流側」という。)に向かって、順転、逆転、順転、順転が好ましい。
【0074】
また、前記ローラ状ブラシを、アルミニウム板の搬送方向に対して直角の方向に沿って0.0001−1Hzの周期および10〜200mmの振幅でオシレートさせることにより、処理ムラのない表面を有する平版印刷版用アルミニウム支持体が得られる。
【0075】
ローラ状ブラシの押し込み量は、前記モータの消費電力が、1.0〜15kw、更に好ましくは2〜10kwになるように、前記ローラ状ブラシを回転させるモーターの負荷に基いて管理することが好ましい。
【0076】
前記ブラシグレイニングにおいて、太いブラシ毛を植毛したローラ状ブラシで粗面化した後、細いブラシ毛を植毛したローラ状ブラシで処理することにより、親水性、保水性及び密着性のすべてを兼ね備えた平版印刷版が得られるから好ましい。前記平版印刷版は、湿し水が少ない場合のシャドー部のつぶれがないため、水幅が広く、地汚れが発生しにくく、さらに感光層との密着劣化がないという特長を有する。
【0077】
本発明に用いられる研磨材スラリーとしては、珪砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、火山灰、パミス粉末、カーボランダム、金剛砂等の研磨材を、比重1.05〜1.3となるような範囲で水に分散させたものが好ましい。前記研磨材のの平均粒子径は、一般的には1〜50μmであり、好ましくは5−45μmであり、更に好ましくは15−45μmの範囲である。前記平均粒子径は、スラリー液中に含まれる全研磨材の体積に対し、各径の粒子の占める割合の累積度数をとったとき、前記累積割合が50%となる粒子径として求められる。
【0078】
前記ブラシグレイニングにおいては、前記範囲の中心線平均粗さ(Ra)が得られるように、ローラ状ブラシの押し込み量、回転数、回転方向の組み合わせ、ローラ状ブラシの本数、それぞれのローラ状ブラシの直径、ブラシ毛の密度、アルミニウム板に加える張力、前記研磨材スラリーに配合する研磨材の種類、平均粒子径、粒度分布、および前記研磨材スラリーをアルミニウム板に吹きつける流量・方向・角度などを選択することが好ましい。
【0079】
2−2 アルカリエッチング工程
前記アルカリエッチング工程においては、前記アルミニウムウェブの少なくとも一方の面をアルカリ溶液でエッチングするアルカリエッチング処理を施す。
【0080】
前記機械的粗面化工程の後にアルカリエッチング処理を行うことにより、アルミニウムウェブの表面に食い込んだ研磨材やアルミニウム屑などが除去され、その後に行われる電解粗面化工程を、より均一に、しかも効果的に行うことができる。また、電解粗面化工程の後にアルカリエッチング工程を行うことにより、アルミニウム板の表面に生じた水酸化アルミニウムの被膜を除去できる。
【0081】
前記アルカリエッチング処理におけるアルミニウムウェブの溶解量、換言すればエッチング量は、前記機械的粗面化工程に続くアルカリエッチング工程(1)においては2〜15g/mの範囲が好ましく、特に3−10g/mの範囲が好ましい。
【0082】
一方、電解粗面化工程に続くアルカリエッチング工程(2)においては、前記エッチング量は、0.05〜4g/mの範囲が好ましい。
【0083】
前記電解粗面化工程において、最初に硝酸溶液中で電解粗面化処理し、次に塩酸溶液中で電解粗面化処理する場合には、エッチング量は、前記硝酸溶液中での電解粗面化処理に引き続いて行われるアルカリエッチング工程(2a)においては0.1〜4g/mの範囲が好ましく、特に0.2〜3.5g/mの範囲が好ましい。そして、前記塩酸溶液中での電解粗面化処理に引き続いて行われるアルカリエッチング工程(2b)においては、0.05〜1g/mの範囲が好ましく、特に0.1〜0.3g/mの範囲が好ましい。
【0084】
前記アルカリ溶液としては、苛性アルカリおよびアルカリ金属塩の溶液等が挙げられる。
【0085】
苛性アルカリとしては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等が挙げられる。
【0086】
前記アルカリ金属塩としては、メタ珪酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、および珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、アルミン酸ナトリウムおよびアルミン酸カリウム等のアルカリ金属アルミン酸塩、グルコン酸ナトリウムおよびグルコン酸カリウム等のアルカリ金属アルドン酸塩、並びに第二燐酸ナトリウム、第二燐酸カリウム、第三燐酸ナトリウム、および第三燐酸カリウム等のアルカリ金属燐酸水素塩等が挙げられる。前記アルカリ溶液としては、エッチング速度が速い点および安価である点から、苛性アルカリの溶液、および前記苛性アルカリとアルカリ金属アルミン酸塩との溶液が特に好ましい。
【0087】
前記アルカリ溶液としては、アルミニウムイオンを所定量含有する水酸化ナトリウム溶液が特に好ましい。
【0088】
前記水酸化ナトリウム溶液中の水酸化ナトリウムの濃度は、アルカリエッチング工程(1)およびアルカリエッチング工程(2a)においては、20〜30重量%の範囲が好ましく、アルカリエッチング工程(2b)においては4〜6重量%の範囲が好ましい。一方、アルミニウムイオンの濃度は、アルカリエッチング工程(1)およびアルカリエッチング工程(2a)においては5〜9重量%の範囲が好ましく、アルカリエッチング工程(2b)においては0.3〜0.7重量%の範囲が好ましい。
【0089】
前記アルカリ溶液の液温は、前記アルカリエッチング工程(1)においては40〜80℃の範囲が好ましく、前記アルカリエッチング工程(2a)においては30〜80℃の範囲が好ましい。そして、前記アルカリエッチング工程(2b)においては、25〜80℃の範囲が好ましい。
【0090】
前記アルカリエッチング処理が終了した後には、前記アルカリ溶液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましい。
【0091】
前記アルカリエッチング工程において使用されるアルカリエッチング処理装置の一例について以下に説明する。
【0092】
前記アルカリエッチング処理装置においては、アルカリ溶液としてアルミニウムイオンを所定量含有する水酸化ナトリウム溶液が使用され、アルミニウムウェブの片面または両面に前記アルカリ溶液をスプレーで噴きつけてアルカリエッチングを行う。
【0093】
前記アルカリエッチング処理装置200は、図2に示すように、アルカリエッチング処理を行うエッチング処理槽211と、エッチング処理槽211の内部において、アルミニウムウェブを張架しつつ、矢印で示す方向に搬送するパスローラ202と、エッチング処理槽211の内部に設けられ、パスローラ202によって搬送されるアルミニウムウェブの両面にアルカリ溶液を噴霧するスプレー203と、エッチング処理槽211の開口部に設けられ、エッチング処理槽211内でアルカリエッチング処理されたアルミニウムウェブをエッチング処理槽211の外部に導出するとともに、表面のアルカリ溶液を駅切りニップローラ201とを備える。
【0094】
前記アルカリエッチング処理装置200は、また、スプレー203から噴霧されたアルカリ溶液を回収する調液タンク205と、エッチング処理槽211の底部と調液タンク205とを接続する戻り液配管213とを有する。
【0095】
前記アルカリエッチング処理装置200は、更に、調液タンク205に回収されたアルカリ溶液から水酸化ナトリウム溶液を回収する拡散透析槽206と、拡散透析槽206で苛性アルカリ溶液を分離した残りの透析廃液に含まれるアルミン酸ナトリウムを水酸化アルミニウムに変化させて析出させる析出層207と、析出層207で水酸化アルミニウムを析出させた透析廃液から水酸化アルミニウムを分離して水酸化ナトリウム溶液を回収するシックナー208とを備える。
【0096】
調液タンク205と拡散透析槽206とは、導入管212によって接続されている。導入管212には送液ポンプ204が介装され、送液ポンプ204と拡散透析層206との間から析出層207にアルカリ溶液を供給する管路が分岐している。調液タンク205には、更に、水酸化ナトリウム溶液および水を補充する補給配管200および201が設けられている。
【0097】
拡散透析槽206には、蒸発した水を補給する給液配管214と、回収された水酸化ナトリウム溶液を調液タンク205に戻す回収配管218と分離された透析廃液を析出層207に送る透析廃液送液管215とが設けられている。
【0098】
シックナー208には、分離された水酸化アルミニウムを離漿するドラムフィルター209と、回収された水酸化ナトリウム溶液を調液層205に戻す戻し配管219とが設けられている。
【0099】
前記アルカリエッチング処理装置200においては、パスローラ202によってエッチング処理槽211の内部にアルミニウムウェブが導入・搬送され、スプレー203によってアルミニウムウェブの両面にアルカリ溶液がスプレーされる。
【0100】
アルカリ溶液がスプレーされたアルミニウムウェブは、ニップローラ201によって液切りされると同時にエッチング処理槽211の外部に導出され、次の工程に送られる。
【0101】
エッチング処理槽211の内部においてスプレーされたアルカリ溶液は、戻り液配管213を通って調液タンク205に回収される。
【0102】
調液タンク205に回収されたアルカリ溶液は、送液ポンプ204によって一部が析出層207に送られ、残りが拡散透析槽206に送られる。
【0103】
拡散透析槽206においては、アルミン酸ナトリウムを飽和濃度で含む廃液と、殆どアルミニウムイオンを含まない水酸化ナトリウム溶液からなる回収液とに分離される。拡散透析槽206で分離された回収液は、回収配管218を通って調液タンク205に戻される。一方、廃液は、透析廃液送液管215を通って析出層207に導かれ、導入管212を通って調液タンク205から導入されたアルカリ溶液と混合される。これにより、廃液中のアルミン酸ナトリウムは水酸化アルミニウムに変化すると共に析出する。水酸化アルミニウムが析出した廃液は、シックナー208に導入され、水酸化アルミニウムを殆ど含まない回収液と水酸化アルミニウム結晶とに分離される。分離された回収液は、戻し配管219を通して調液タンクに戻される。
【0104】
これにより、前記アルカリ溶液に過剰量のアルミニウムイオンが蓄積することが防止されると同時に、水酸化ナトリウムの濃度が一定範囲に保持される。
【0105】
2−3 デスマット工程
前記アルカリエッチング工程においては、前記アルミニウム板をアルカリ溶液で処理するので、表面にスマットが生成する。
【0106】
そこで、前記アルカリエッチング工程の次にデスマット工程を設け、前記アルミニウムウェブを酸性溶液に接触させてデスマット処理し、表面のスマットを除去する。
【0107】
前記デスマット処理は、前記アルミニウム板を酸性溶液中に浸漬するか、酸性溶液中を通過させるかして行なうことができ、また、前記酸性溶液を、スプレーノズルを用いて吹付けるスプレー処理により行うことができるが、前記スプレー処理が好ましい。
【0108】
酸性溶液としては、主要な酸成分として、硝酸、硫酸、塩酸、およびクロム酸から選択される1種または2種以上の酸を含有する溶液が挙げられる。前記酸性溶液における前記酸性分の濃度は0.5〜60重量%が好ましい。前記酸性溶液中には、アルミニウムイオン、および前記微量元素のうち前記アルミニウム板を形成するアルミニウム合金中に含まれるもののイオンが0〜5重量%溶解していても良い。具体的には、機械的粗面化工程の次のアルカリエッチング工程においては、前記酸性溶液として、硝酸を5〜15g/リットル含有する硝酸水溶液または硫酸を80〜200g/リットル含有する硫酸溶液が好ましく、電解粗面化工程の次のアルカリエッチング工程に引き続くデスマット工程においては、前記酸性溶液としては、硫酸を80〜350g/リットル含有する硫酸溶液が好ましい。
【0109】
また、電解粗面化工程に先立つデスマット工程において前記電解粗面化工程で排出される廃液を使用し、最後のデスマット工程において、引き続き行われる謡曲酸化処理工程で排出される廃液を使用すれば、前記電解粗面化工程および陽極酸化処理工程において排出される廃液の量を削減できるうえ、前記デスマット工程の後にアルミニウムウェブを洗浄することなく、直ちに次の工程に移行できるから好ましい。
【0110】
前記酸性溶液の液温は、常温〜95℃の範囲が好ましく、特に、25〜80℃の範囲が好ましい。
【0111】
処理時間は1〜30秒が好ましく、特に1〜5秒が好ましい。
【0112】
デスマット処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましいが、酸性溶液として、次の工程で用いる液と同じ種類・組成の液、または次の工程で排出される廃液を使用する場合には、廃液量を少なくすべく、前記液切りおよび水洗を省略することができる。
【0113】
2−4 電解粗面化工程
前述のように、第1の電解粗面化工程においては硝酸溶液内で電解粗面化処理を行ない、第2の電解粗面化工程においては塩酸溶液中で電解粗面化処理を行なう。
【0114】
(1)硝酸溶液
第1の電解粗面化工程において使用される硝酸溶液としては、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いる硝酸水溶液が挙げられる。
【0115】
前記硝酸水溶液としては、硝酸を1〜100g/リットル含む硝酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、および塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸塩から選択される1種以上の塩を、1g/リットル〜飽和濃度の範囲で添加したものを挙げることができる。前記硝酸水溶液には、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/リットルの濃度になるように添加することもできる。前記硝酸水溶液中には、さらに、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等の前記アルミニウム板を形成するアルミニウム合金中に含まれる微量元素が溶解していてもよい。加えて、次亜塩素酸または過酸化水素を1〜100g/リットルの濃度で含有していてもよい。
【0116】
前記硝酸水溶液としては、硝酸を5〜15g/リットル含有する希硝酸に、硝酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を添加してアルミニウムイオンの濃度を2〜7g/リットルに調整した溶液が特に好ましい。
【0117】
また、硝酸水溶液中で電解粗面化処理を行っていると、還元反応により、前記硝酸水溶液中にアンモニウムイオンが生成するので、前記硝酸水溶液中に、アンモニウムイオン濃度が50−150ppmになるように、予め硝酸アンモニウムを添加することがとくに好ましい。
【0118】
前記硝酸水溶液の液温は、30−80℃が好ましく、35−60℃が特に好ましい。
【0119】
(2)塩酸溶液
第2の電解粗面化工程で使用される塩酸溶液としては、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いる塩酸水溶液が挙げられる。
【0120】
前記塩酸水溶液としては、塩酸濃度が1〜100g/リットルの塩酸水溶液に、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸塩、および硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩から選択された1種以上の塩を、1g/リットル〜飽和濃度の範囲で添加したものを挙げることができる。前記塩酸水溶液には、また、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/リットルの濃度になるように添加することもできる。前記塩酸水溶液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、珪素等の前記アルミニウム板を形成するアルミニウム合金中に含まれる微量元素が溶解していてもよい。加えて、次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/リットルの濃度で含有していてもよい。
【0121】
前記塩酸水溶液としては、塩酸を2〜15g/リットル含有する希塩酸に塩化アルミニウムなどのアルミニウム塩を添加してアルミニウムイオンの濃度を2〜7g/リットルに調整した溶液が特に好ましい。
【0122】
前記塩酸水溶液の液温は、20〜50℃が好ましい。
【0123】
(3)電解粗面化処理の条件
前記第1および第2の電解粗面化工程においては、交流および直流の何れを印加してもよいが、交流を印加することが好ましい。前記交流は、前記アルミニウムウェブが前記電解粗面化処理の間に陽極反応にあずかる電気量が20〜500C/dmになるように印加することが好ましい。そして、電解粗面化処理(1)においては50〜300c/dmの範囲が特に好ましく、電解粗面化処理(2)においては、25〜75C/dmが特に好ましい。
【0124】
前記交流としては、サイン波電流、矩形波電流、台形波電流、および三角波電流など、各種の波形を有する交流電流を用いることができるが、矩形波電流および台形波電流が好ましく、台形波電流が特に好ましい。
【0125】
前記交流の周波数は、0.1〜500Hzが好ましいが、前記第1の電解粗面化工程においては40〜70Hzの範囲が特に好ましく、前記第2の電解粗面化工程においては、40〜150Hzが特に好ましい。
【0126】
台形波を場合は、電流が0からピークに達するまでの立上り時間t(tpaまたはtpc)は0.1〜10msecの範囲が好ましく、0.5〜2msecの範囲がとくに好ましい。立上り時間tが0.1以上であれば、電源回路のインピーダンスの影響が小さいので、電流波形の立ち上がり時に大きな電源電圧が不要であるから、電源回路が安価に構成できる。また、立上り時間tが10msec以下であれば、第1および第2の電解粗面化工程の何れにおいても硝酸水溶液または塩酸水溶液中の微量成分の影響を受け難いから、均一な粗面化がおこなわれる。
【0127】
前記交流においては、アルミニウムウェブのアノード反応時間tが交流の周期Tに占める割合t/Tが0.33−0.66の範囲であることが好ましく、0.45−0.55の範囲であれば更に好ましく、0.5であれば最も好ましい。
【0128】
主極に対向するアルミニウムウェブに加わる電気量は、アルミニウムウェブがカソード反応時の電気量Qとアノード反応時の電気量Qの比Q/Qが0.9〜1の範囲にあることが好ましい。この電気量比のコントローラは電源が発生する電圧を制御しておこなうことができ、また、電解粗面化処理に使用する電解処理装置の交流電源と主極との間にサイリスタが挿入されているときは、サイリスタの点弧角を制御して前記電気量比を調整することができる。
【0129】
電流密度は台形波のピーク値で電流のアノードサイクル側I、カソードサイクル側Iともに10〜200A/dmの範囲が好ましく、15〜35A/dmの範囲が特に好ましい。
【0130】
前記電解粗面化処理を行う電解処理装置としては、縦型、フラット型、ラジアル型などの公知の電解槽を有する電解処理装置が使用できる。電解槽は、1槽のみ使用してもよく、2槽以上を直列に使用してもよいが、第1の電解粗面化工程においては、1槽〜3槽を直列に使用することが特に好ましく、第2の電解粗面化工程においては、1槽でおこなうことがとくに好ましい。電解槽を2層使用するときは、第1槽目の電解槽における電流密度および電気量を第2槽目の電解槽における電流密度および電気量よりも高くすることがとくに好ましい。
【0131】
前記電解処理装置の一例を図3に示す。
【0132】
電解処理装置300は、図3に示すように、第1処理部302、第2処理部303、および第3処理部304を備える。第1処理部302、第2処理部303、および第3処理部304は、何れも電解槽305を有している。電解槽305内には、交流電源(図示せず)に接続された一対の円弧状の主電極306と、主電極306の内側に回転可能に配設され、アルミニウムウェブを矢印の方向に搬送する搬送ドラム307とを備え、主電極306と搬送ドラム307との間には酸性電解液308が充填されている。酸性電解液308としては、前記塩酸溶液および硝酸溶液が挙げられる。
【0133】
酸性電解液308は、ポンプ(図示せず。)により、一定の流速、たとえば500〜4000mm/sec、好ましくは700〜2500mm/secで循環している。酸性電解液308の循環方向は、アルミニウムウェブの走行方向と同方向であってもよく、反対方向であってもよい。
【0134】
アルミニウムウェブは、パスローラ309により張架されながら、第1処理部302から第3処理部304に向かって電解粗面化処理されつつ移動する。パスローラ309および搬送ドラム307は、本発明における搬送ローラに相当する。第1処理部302および第2処理部303は、第1処理部302においてアルミニウムウェブの搬送ドラム307に当接した側の面301bが第2処理部303において搬送ドラム307に当接するように配置されている。また、第3処理部304においては、面301bとは反対側の面301aが搬送ドラム307に当接するように、第2処理部303と第3処理部304との間には反転走行路310が設けられている、これによりアルミニウムウェブの両面が電解処理される。
【0135】
反転走行路310には、前記硝酸溶液または塩酸溶液をアルミニウムウェブに散布してアルミニウムウェブの表面を常に濡れた状態に保持するスプレー311が複数設けられている。
【0136】
フラット型および縦型の電解槽においては、特公昭61−30036号公報に記載されているように、走行するアルミニウムウェブが摺動できるように形成された面を内部に設け、静圧を利用して前記アルミニウムウェブを圧接させつつ走行させることにより、前記距離を一定に保つことができる。また、ラジアル型の電解槽においては、特開平8−300843号公報に記載されているように、内部に、前記アルミニウムウェブを搬送する直径の大きなローラを設け、前記ローラを取り囲むように、複数の主電極を円周上に配設し、前記主電極とアルミニウムウェブの距離を一定に保つことができる。
【0137】
また、前記硝酸水溶液および塩酸水溶液の流速を一定にするには、電解槽の内部に液溜り室を設け、内部を走行するアルミニウムウェブの巾方向に沿って幅1〜5mmの液吹き出し用のスリットを設けた給液ノズルを用いて前記硝酸水溶液および塩酸水溶液を供給すればよい。また、複数の液溜り室を設け、それぞれの液溜り室を、バルブと流量計とを備える管路で接続し、前記給液ノズルのそれぞれのスリットから吹き出す液量を調整してもよい。
【0138】
前記電解槽内部を走行するアルミニウムウェブへの給電方式としては、たとえばコンダクタローラを用いる直接給電方式と、前記コンダクタローラを用いない液給電方式、換言すれば間接給電方式とがある。
【0139】
前記電解槽において、間接給電方式を用いる場合は、変圧器および可変式誘導電圧調整器などを用いて電流値を制御できる。
【0140】
また、前記電解槽の内部に前記主電極のほかに、直流を印加する補助陽極を設け、前記補助電極に流れる直流電流の強さを制御することにより、アルミニウムウェブに加わる陽極時の電気量と陰極時の電気量の比を調整することができる。前記補助電極は、フェライト等により形成できる。
【0141】
補助陽極に流れる電流を制御する方法としては、特公平6−37716号公報および特公平5−42520号公報に記載されているように、サイリスタおよびGTOなどの制御整流器による位相制御、およびダイオードと可変抵抗器とによる制御などが挙げられる。前記方法により、前記補助陽極に流れる電流を制御すれば、変圧器の偏磁の影響を小さくすることができ、また、電源装置を安価に製作できるから、コスト的に非常に有利である。
【0142】
直接給電方式を用いる場合は、コンダクタローラとしては、特開昭58−177441号公報に記載されているように、工業用アルミニウムを用いて鋳造し、高温均質化処理を施して表面部分のAl−Fe系昌出物をAlFeの単一相に変化させて耐食性を向上させたコンダクタローラを用いることができる。また、特開昭56−123400に記載されているように、フラット型または縦型の電解槽におけるアルミニウムウェブの導入部、または前記導入部と前記アルミニウムウェブの導出部との両方に前記コンダクタローラを配設した電解槽を使用することができる。
【0143】
前記電解槽においては、コンダクタローラは、アルミニウムウェブの上面または下面に接触するように設けることが可能であるが、アルミニウムウェブの上面に接触するように設け、ニップ装置にてアルミニウムウェブに押しつけるようにするのが特に好ましい。アルミニウムウェブがコンダクタローラに接する長さは、アルミ進行方向に対して1mm〜300mmが好ましい。アルミニウムウェブを挟んでコンダクタローラに対向するパスローラはゴム製の胴を有するゴムローラが好ましい。前記コンダクタローラの押しつけ圧、およびゴムローラの胴の硬度は、前記コンダクタローラと前記アルミニウムウェブとの接する箇所においてアークスポットが発生しない条件で任意に設定できる。コンダクタローラがアルミニウムウェブの上面に接触するように設置することで、コンダクタローラの交換作業・点検作業が簡単になる。コンダクタローラの端部には給電ブラシを回転体に摺動させながら通電する方式を用いるのが好ましい。
【0144】
前記コンダクターローラは、アークスポットの発生を防止するために、前記硝酸水溶液または塩酸水溶液により常に冷却することが好ましい。
【0145】
2−5 陽極酸化処理
前記手順で粗面化処理されたアルミニウムウェブは、酸性電解液中で陽極酸化処理することが好ましい。
【0146】
アルミニウムウェブの陽極酸化処理に用いられる酸性電解液としては、一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、およびそれらの混合物を主要な酸成分とする酸性溶液が用いられるが、陽極酸化処理により多孔質酸化皮膜を形成できる溶液であれば、前記の酸性溶液には限定されない。
【0147】
陽極酸化の処理条件は、用いる酸性電解液の組成によって変わるので、一概には特定できないが、一般的には、前記酸成分の濃度が1〜80重量%であり、液温が5〜70℃であり、電流密度が1〜60A/dmであり、電圧が1〜100Vであり、処理時間が10秒〜300秒の範囲が適当である。
【0148】
陽極酸化皮膜の量は、1〜5g/mの範囲が適当である。陽極酸化皮膜の量が1g/m以上であれば、充分な耐刷性が得られるから、平版印刷版の非画像部に傷が付き難く、したがって、傷の部分にインキが付着する所謂きず汚れが生じ難い。陽極酸化皮膜量が多くなると、アルミニウムウェブのエッジ部分に酸化皮膜が集中しやすくなるが、陽極酸化皮膜の量が5g/m以下であれば、このような問題が生じることはない。但し、アルミニウムウェブのエッジの部分と中心部分の酸化皮膜量の差は1g/m以下であることが好ましい。
【0149】
前記酸性電解液として硫酸水溶液を用いる場合には、通常は、前記アルミニウムウェブに直流電流を印加して陽極酸化処理を行なうが、交流を印加して陽極酸化処理を行なってもよい。
【0150】
硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行なう場合には、特開昭54−128453号公報および特開昭48−45303号各公報に詳しく記載されているように、硫酸濃度が10〜300g/リットルであり、アルミニウムイオンの濃度が1〜25g/リットルの硫酸水溶液が好ましく、硫酸濃度が80〜200g/リットルであり、アルミニウムイオンの濃度が2−10g/リットルである硫酸水溶液が特に好ましい。液温は30〜60℃が好ましく、特に30〜55℃の範囲が好ましい。
【0151】
直流を用いて陽極酸化処理を行なうときは、電流密度は、1〜60A/dmの範囲が好ましく、特に5〜40A/dmの範囲が好ましい。アルミニウムウェブを連続的に陽極酸化する場合は、アルミニウムウェブの焼けと呼ばれる電流集中を防ぐために、最上流側においては5〜10A/dmの低電流密度で陽極酸化処理をおこない、下流側に向かって徐々に電流密度を高め、30〜50A/dmまたはそれよりも高い値にまで電流密度を高くすることが好ましい。電流密度は、5〜15ステップで徐々に上げることが好ましく、各ステップごとに独立した電源装置を設けて前記電源装置のそれぞれにおいて電流密度を制御することにより、下流側に向かって徐々に電流密度を高めることができる。
【0152】
アルミニウムウェブへの給電方式としては、前記電解粗面化工程のところで述べたのと同様の直接給電方式および間接給電方式が挙げられる。
【0153】
直接給電方式は、高速・高電流密度になるとコンダクタローラとアルミニウムウェブ間においてスパークが発生して不利なので、ライン速度が30m/分以下の比較的低速・低電流密度の陽極酸化装置で用いられることが多く、間接給電方式は、ライン速度が30m/minを越える高速・高電流密度の陽極酸化装置で用いられることが多い。
【0154】
間接給電方式を使用する場合には、連続表面処理技術(総合技術センター、昭和61年9月30日発行)の289頁にあるように、山越型またはストレート型の槽レイアウトを用いることができる。
【0155】
なお、直接給電方式、間接給電方式ともに、アルミニウムウェブ内の電圧ドロップによるエネルギーロスを少なくする目的で、陽極酸化処理工程は2つ以上に分離し、それぞれの電解装置の給電槽と酸化槽、またはコンダクタローラと酸化槽の間に直流電源を接続して用いることがとくに好ましい。
【0156】
間接給電方式を用いた陽極酸化処理装置の一例を図4に示す。
【0157】
陽極酸化処理装置400は、図4に示すように、アルミニウムウェブに直流を給電する給電槽412と、給電層412で直流を給電したアルミニウムウェブを陽極酸化処理する陽極酸化処理槽414とを備える。給電槽412および陽極酸化処理槽414の何れも、内部に酸性電解液が満たされている。
【0158】
給電槽412内には、板状の給電電極420がアルミニウムウェブの走行経路である搬送面の下方に、前記搬送面に対して平行に配設され、陽極酸化処理槽414内には、板状の酸化処理電極430−1、430−2、430−3が、前記搬送面の下方に前記搬送面に対して平行に配設されている。酸化処理電極430−1、430−2、430−3は、それぞれ直流電源434−1、434−2、434−3の−極にそれぞれ接続されている。直流電源434−1、434−2、434−3の+極は何れもコモンライン436に接続されている。コモンライン436には給電電極420も接続されている。
【0159】
給電槽412および陽極酸化処理槽414内には、前記アルミニウムウェブを緊張させ、矢印の方向に搬送する搬送ローラ422がそれぞれ2個づつ配置されている。また、給電槽412と陽極酸化処理槽414との間には、ニップローラ424が搬送ローラ422の位置よりも高い位置に配置されている。
【0160】
アルミニウムウェブは、図中矢印で示す方向に沿って搬送され、まず給電槽412内の酸性電解液に浸漬され、ニップローラ424で液切りされた後、陽極酸化処理槽414内の酸性電解液に浸漬される。
【0161】
ここで、給電電極420は、直流電源434−1〜434−3の+極にコモンライン436によって接続されているから、アルミニウムウェブは、給電槽412内で給電電極420によって(+)に荷電される。一方、主電極430−1〜430−3は、直流電源434−1〜434−3のそれぞれの−極に接続されているから、アルミニウムウェブは、陽極酸化処理槽414内で(−)に荷電される。これにより、前記アルミニウムウェブの表面に陽極酸化皮膜が形成される。
【0162】
直接給電方式を用いる場合は、コンダクタローラとしては、前記「2−4 電解粗面化処理」のところで述べたコンダクタローラと同様のものを使用できる。
【0163】
陽極酸化処理工程においては大電流を流すため、ブスバーに流れる電流により発生する磁界により、アルミニウムウェブにローレンツ力が働く。その結果ウェブが蛇行する問題が生じるため、特開昭57−51290に記載のような方法を用いることが特に好ましい。
【0164】
また、アルミニウムウェブには大電流が流れるため、アルミニウムウェブ自身を流れる電流による磁界により、アルミニウムウェブの幅方向において中央に向かってローレンツ力が働く。その結果アルミニウムウェブに折れが発生しやすくなるため、陽極酸化処理槽内に直径100〜200mmのパスローラーを100〜3000mmピッチで複数設け、1度から15度の角度でラップさせてローレンツ力による折れを防止する方法をとることが特に好ましい。
【0165】
また、陽極酸化被膜は、アルミニウムウェブのエッジに近づくほど生成量が多くなり、厚さが厚くなるから、巻き取り装置においてアルミニウムウェブをうまく巻きとれないという問題が生じることがある。前記問題は、特公昭62−30275公報および特公昭55−21840号公報に記載されているように、酸性電解液を撹拌することにより解決できる。酸性電解液を攪拌しても前記問題が十分に解決できない場合には、巻き取り装置を0.1〜10Hzの周期で5〜50mmの振幅でアルミニウムウェブの幅方向にオシレートさせれば、前記アルミニウムウェブの巻取りの問題を解決できる。
【0166】
アルミニウムウェブに電流を通電するための陽極としては、鉛、酸化イリジウム、白金、フェライトなどを用いることができるが、酸化イリジウムを主体とするものが特に好ましい。酸化イリジウムは熱処理により基材に被覆できる。基材としてはチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウムなどの所謂バルブ金属が用いられるが、チタンまたはニオブが特に好ましい。前記バルブ金属は比較的電気抵抗が大きいため、芯材に銅を用い、その周囲にバルブ金属をクラッドすることが特に好ましい。銅の芯材にバルブ金属をクラッドする場合は、あまり複雑な形状のものは作れないので、各パーツに分割して作成した電極部品を、酸化イリジウムを被覆した後にボルト・ナット等で希望の構造となるように組み立てるのが一般的である。
【0167】
2−6 封孔処理・親水化処理
陽極酸化処理されたアルミニウムウェブは、現像液への陽極酸化皮膜の溶解および非画像部における画像形成層の残膜の抑制、陽極酸化皮膜の強度、親水性、および感光層との密着性の向上等を目的に、水洗処理した後、親水化処理を施すことができる。
【0168】
前記親水化処理としては陽極酸化皮膜をアルカリ金属珪酸塩の水溶液と接触させて処理するシリケート処理があげられる。
【0169】
前記シリケート処理は、アルカリ金属珪酸塩濃度が通常0.1〜30重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%であり、25℃でのpHが10〜13.5であるアルカリ金属珪酸塩の水溶液に、前記アルミニウムウェブを、5〜80℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃で0.5〜120秒間接触させることにより、行なうことができる。
【0170】
前記アルミニウムウェブを前記アルカリ金属珪酸塩の水溶液に接触させる方法としては、浸漬およびスプレーによる吹き付けなどが挙げられるが、これらの方法には限定されない。
【0171】
なお、アルカリ金属珪酸塩水溶液は、pHが10より低いとゲル化し、13.5より高いと陽極酸化皮膜が溶解されてしまうから、前記ゲル化および陽極酸化皮膜の溶解の問題が生じないpH10〜13.5の範囲が好ましい。
【0172】
前記アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。
【0173】
アルカリ金属珪酸塩の水溶液のpH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が使用される。
【0174】
なお、前記水溶液には、アルカリ土類金属塩または第IVB族金属塩を配合してもよい。
【0175】
アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸酸塩、硼酸塩などの水溶性塩が挙げられる。
【0176】
第IVB族金属塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
【0177】
アルカリ土類金属および第IVB族金属塩は、単独でも、2種以上の組み合わせでも使用できる。前記アルカリ土類金属および第IVB族金属塩の好ましい配合量は、0.01〜10重量%であり、更に好ましい配合量は、0.05〜5重量%である。
【0178】
前記アルミニウムウェブには、前記親水化処理に加え、封孔処理を施すこともできる。
【0179】
前記封孔処理としては、水蒸気封孔、沸騰水(熱水)封孔、金属塩封孔(クロム酸塩/重クロム酸塩封孔、酢酸ニッケル封孔など)、油脂含浸封孔、合成樹脂封孔、低温封孔(赤血塩やアルカリ土類塩などによる)など、陽極酸化皮膜の封孔処理として公知の処理が挙げられるが、印刷版用支持体としての性能(感光層との密着性や親水性)、高速処理、低コスト、低公害性等の面から、水蒸気封孔が好ましい。
【0180】
前記水蒸気封孔に使用される封孔処理装置の一例を図5に示す。
【0181】
封孔処理装置500は、図5に示すように、上下方向に沿って切断した断面形状が略J字型の2つの小槽部6、7を備えている。小槽部6、7はより長い方の壁6A、7Aが内側になるように配置され、壁6A、7Aは水平に配置された下壁11と上端において連続している。下壁11の上方には、下壁11、壁6A、および壁7Aに相対するように、全体としてコの字型の断面を有する上壁9が配置されている。上壁9、下壁11、壁6A、および壁7Aによって、小槽部6と小槽部7とを連結する逆U字型に屈曲した管路3が形成される。
【0182】
管路3の内部には、アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラ8が4個配置されている。管路3における水平部分には、アルミニウム合金板1の搬送路を挟んで複数の蒸気供給ノズル2が設けられている。また、小槽部6、7内には液体が貯留され、前記液体によって管路3における入口部4と出口部5とがシールされてその間に蒸気室10が形成されている。
【0183】
アルミニウムウェブは、搬送ローラ8によって小槽部6内に案内され、次いで入口部4から管路3の内部に入り、蒸気室10を通過する。アルミニウムウェブは、蒸気室10を通る間に上記供給ノズル2から供給される蒸気により封孔処理され、出口部5近傍の搬送ローラ8によって出口部5から小槽部7内に案内され、次いで封孔処理装置500の外に出る。
【0184】
水蒸気封孔としては、たとえば、加圧または常圧の水蒸気を連続または非連続的に、相対湿度70%以上、蒸気温度95℃以上で2秒〜180秒程度陽極酸化皮膜に接触させる特開平4−176690号公報に開示された方法などが挙げられる。
【0185】
他の封孔処理法としては、熱水またはアルカリ水溶液への浸漬、熱水またはアルカリ吹き付け処理、亜硝酸塩水溶液への浸漬、および亜硝酸塩水溶液の吹き付け処理などが挙げられる。前記亜硝酸塩水溶液への浸漬および噴き付け処理は、前記熱水またはアルカリ水溶液への浸漬および吹き付け処理に代えて行なってもよく、前記処理に引き続いて行なってもよい。
【0186】
前記亜硝酸塩の例としては、周期律表のIa、IIa 、IIb 、IIIb、IVb 、IVa 、VIa、VIIa、VIII族の金属の亜硝酸塩である金属亜硝酸塩、および亜硝酸アンモニウムが挙げられる。
【0187】
前記金属亜硝酸塩としては、例えばLiNO、NaNO、KNO、Mg(NO、Ca(NO 、Zn(NO、Al(NO、Zr(NO、Sn(NO、Cr(NO、Co(NO、Mn(NO、Ni(NO等が好ましく、特にアルカリ金属硝酸塩が好ましい。亜硝酸塩は2種以併用することもできる。
【0188】
処理条件は、前記アルミニウムウェブの状態および亜硝酸塩の種類により異なるので一義的には決定できないが、例えば亜硝酸ナトリウムを用いた場合には、濃度は一般的には0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜2重量%である。浴温度は一般的には室温から約100℃前後であり、より好ましくは60〜90℃である。処理時間は一般的には15〜300秒であり、より好ましくは10〜180秒である。
【0189】
亜硝酸塩水溶液のpHは8.0〜11.0に調整されていることが好ましく、8.5〜9.5に調整されていることが特に好ましい。亜硝酸塩水溶液のpHを上記の範囲に調製するには、例えばアルカリ緩衝液等を用いて好適に調製することができる。該アルカリ緩衝液としては、例えば炭酸水素ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合水溶液、塩化ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液、塩酸と炭酸ナトリウムの混合水溶液、四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合水溶液等を好適に用いることができるが、これらには限定されない。また、上記アルカリ緩衝液はナトリウム以外のアルカリ金属塩、例えばカリウム塩等も用いることができる。
【0190】
前記親水化処理および封孔処理の少なくとも一方を施した後、感光層との密着性をアップさせるために、特開平5−278362号公報に開示されている酸性水溶液処理と親水性下塗りを行なってもよく、特開平4−282637号公報や特願平6−108678号明細書に開示されている有機層を設けてもよい。
【0191】
支持体表面に以上のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。このようなバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特願平4−189448号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。前記有機または無機金属化合物としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OCなどの珪素アルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液性に優れている故に、特に好ましい。
【0192】
2−7 水洗処理
なお、前記処理のそれぞれにおいて使用された薬液や研磨材をアルミニウムウェブ表面から除去すべく、前記各処理の間に、前記アルミニウムウェブを水洗処理する水洗工程を設けてもよい。
【0193】
前記水洗工程においては、水洗処理は、種類および組成の異なる薬液を使用する処理槽の間において行なうのが普通である。前記アルミニウムウェブが一の処理槽から出て洗浄工程に入る時間、および前記洗浄工程が終了してから前記一の洗浄槽に隣接する次の処理槽に入るまでの時間は、10秒以下が好ましく、0.1〜10秒が特に好ましい。前記時間が10秒以下であれば、前記アルミニウムウェブの表面の化学的な変性がそれほど進まないから、処理ムラが発生し難い。また、前記一の処理槽を出てから次の処理槽までのアルミニウムウェブの通過時間は、15秒以下が好ましく、特に5秒以下が好ましい。前記通過時間が15秒以下であれば、前記アルミニウムウェブの表面の化学的な変性が進むことが殆どなく、次工程で均一な粗面化処理を行うことができる。
【0194】
前記アルミニウムウェブの水洗工程においては、ニップローラーにて液切りした表面を、水洗槽において、スプレーチップから水を噴射して洗浄するのが一般的である。水は下流に向かって45度〜90度の角度で噴射することが好ましい。
【0195】
水の噴射圧力は、噴射ノズル直前の圧力で0.5〜5kg/cmが好ましく、水温は10〜80℃が好ましい。
【0196】
前記アルミニウムウェブの搬送速度は20〜200m/minが好ましい。
【0197】
アルミニウムウェブに吹き付ける洗浄水の量は、洗浄工程1回当り0.1〜10リットル/mが好ましい。
【0198】
前記水洗槽においては、アルミニウムウェブの表面および裏面に、最低2本以上のスプレー管から洗浄水を噴射することが好ましい。一つのスプレー管にはピッチ50mmから200mmの間隔でスプレーチップを5〜30本設置することが好ましい。スプレーチップの噴霧角度は10〜150度が好ましく、アルミニウムウェブとスプレーチップ噴射面の間隔は10〜250mmが好ましい。スプレーチップの噴霧の断面形状(スプレーパターン)は環状、円形、楕円形、正方形、長方形などがあるが、円形・惰円形または正方形・長方形が好ましい。流量分布(アルミニウムウェブの表面における噴霧の水量分配状態)は環状分布、均等分布、山型分布などがあるが、スプレーチップをスプレー管に複数並べて使用するときは、幅全域での均一な流量分布を容易にする山型分布が好ましい。流量分布は噴霧圧力とスプレーチップとアルミニウムウェブの距離により変化する。噴霧の粒子径はスプレーチップの構造、噴霧圧力、噴霧量によって変わるが、10μm〜10000μmの範囲が好ましく、とくに100μm〜1000μmの範囲が好ましい。スプレーノズルの材質は高速で流れる液体に対して耐摩耗性があることが好ましく、真鍮、ステンレス、セラミックなどが用いられるが、セラミックノズルが特に好ましい。
【0199】
スプレーチップを設置したスプレーノズルは、アルミニウムウェブの進行方向に対して45〜90°の角度で配置することができるが、スプレーパターンの中心線のうち長さが長い方の中心線がアルミニウムウェブの進行方向と直角になるようにすることが好ましい。
【0200】
水洗処理の時間は、1回の水洗工程当り10秒以下が工業的に好ましく、特に0.5秒から5秒が好ましい。
【0201】
2−8 パスローラおよび搬送ローラ
ブラシグレイニング装置100における搬送ローラ107、アルカリエッチング処理装置200の備えるパスローラ202、電解処理装置300の備える搬送ドラム、および陽極酸化処理装置400の備える搬送ローラ422、封孔処理装置500の備える搬送ローラ8は、何れも本発明における搬送ローラに相当し、アルミニウムウェブの走行速度との差が、前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%以内、好ましくは±0.2%以内である周速で回転するように回転速度が制御される。
【0202】
搬送ローラ107、422およびパスローラ202としては、金属ローラ、ゴムローラ、不織布ローラなどが挙げられる。
【0203】
前記搬送ローラやパスローラの材質、表面の物性値は、前記処理に使用される薬液やアルミニウムウェブの表面の状態に応じて、要求される耐食性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性などを考慮して選定する。
【0204】
金属ローラとしては、ハードクロムメッキローラが一般的に用いられる。
【0205】
ゴムローラとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクローラヒヒドリンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、フッ素ゴムなどのゴム類、および前記ゴム類に微量の添加物を添加したものから製した胴を有するローラを用いることができる。ゴムローラの胴の硬度は60〜90がとくに好ましい。
【0206】
また、アルミニウムウェブが濡れて滑りやすい箇所において、アルミニウムウェブの搬送速度を制御するときには、アルミニウムウェブが濡れた状態でもスリップしにくい不織布ローラを用いることがとくに好ましい。前記箇所においてゴムローラを用いるときは、ローラに補助駆動用のモータを設けることがとくに好ましい。
【0207】
3.画像形成層
3−1 バックコート層
現像時のアルミ溶解をなくし、画像形成層と平版印刷版用アルミニウム支持体との擦れによるキズを無くす目的で、特開平6−32115に記載されているように、有機高分子化合物ならびに界面活性剤を含む厚さ0.01−8μmのバックコート層を設けることができる。
【0208】
このバックコート層の主成分としては、ガラス転移点20℃以上の、飽和共重合ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニリデン共重合樹脂の群から選ばれる少なくとも一種の樹脂が用いられる。
【0209】
飽和共重合ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸ユニットとジオールユニットからなる。
【0210】
本発明に用いられるポリエステルのジカルボン酸ユニットとしてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラブロムフタル酸、テトラクローラフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、およびアジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、蓚酸、スベリン酸、セバチン酸、マロン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0211】
バックコート層には更に、着色のための染料や顔料、アルミニウム支持体との密着性向上のためのシランカップリング剤、ジアゾニウム塩からなるジアゾ樹脂、有機ホスホン酸、有機リン酸およびカチオン性ポリマー等、更には滑り剤として通常用いられるワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ジメチルシロキサンよりなるシリコーン化合物、変性ジメチルシロキサン、ポリエチレン粉末等が適宜加えられる。
【0212】
バックコート層をアルミニウム支持体の裏面に被覆するには種々の方法が適用できる。このような方法としては、たとえば、前記樹脂の溶液または乳化分散液を塗布、乾燥する方法、予めフィルム状に成形した前記樹脂を接着剤や熱でアルミニウム支持体に貼り合わせる方法、および溶融押し出し機で前記樹脂の溶融皮膜を形成して支持体に貼り合わせる方法等が挙げられるが、上記の塗布量を確保する上で最も好ましいのは、前記樹脂の溶液または乳化分散液を塗布、乾燥する方法である。
【0213】
3−2 画像形成層
(1)可視光露光型画像形成層
前記可視光露光型画像形成層は、感光性樹脂および必要に応じて着色剤などを含有する組成物により形成できる。
【0214】
前記感光性樹脂としては、光が当たると現像液に溶けるようになるポジ型感光性樹脂、および光が当たると現像液に溶解しなくなるネガ型感光性樹脂が挙げられる。
【0215】
ポジ型感光性樹脂としては、キノンジアジド化合物およびナフトキノンジアジド化合物等のジアジド化合物と、フェノールノボラック樹脂およびクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂との組み合わせ等が挙げられる。
【0216】
一方、ネガ型感光性樹脂としては、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との縮合物等のジアゾ樹脂、前記ジアゾ樹脂の無機酸塩、および前記ジアゾ樹脂の有機酸塩等のジアゾ化合物と、(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリウレタン等の結合剤との組み合わせ、並びに(メタ)アクリレート樹脂およびポリスチレン樹脂等のビニルポリマーと、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレン等のビニル重合性化合物と、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、およびチオキサントン誘導体等の光重合開始剤との組み合わせ等が挙げられる。
【0217】
前記着色剤としては、通常の色素のほか、露光により発色する露光発色色素、および露光により殆どまたは完全に無色になる露光消色色素等が使用できる。前記露光発色色素としては、たとえばロイコ色素等が挙げられる。一方、前記露光消色色素としては、トリフェニルメタン系色素、ジフェニルメタン系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフトキノン系色素、アゾメチン系色素、およびアントラキノン系色素等が挙げられる。
【0218】
前記可視光露光型画像形成層は、前記感光性樹脂と前記着色剤とを溶剤に配合した感光性樹脂溶液を塗布して乾燥することにより形成できる。
【0219】
前記感光性樹脂溶液に使用される溶剤としては、前記感光性樹脂を溶解し、しかも、室温である程度の揮発性を有する溶剤が挙げられ、具体的には、たとえばアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アミド系溶剤、および炭酸エステル系溶剤等が挙げられる。
【0220】
アルコール系溶剤としては、エタノール、プロパノール、およびブタノール等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、およびジエチルケトン等が挙げられる。エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エチル等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、テトラヒドロフランおよびジオキサン等が挙げられ、グリコールエーテル系溶剤としては、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、およびブチルセロソルブ等が挙げられる。アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド等が挙げられる。炭酸エステル系溶剤としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、および炭酸ジブチル等が挙げられる。
(2)レーザ露光型画像形成層
レーザ露光型画像形成層としては、露光・現像後に、レーザ光を照射した部分が残存するネガ型レーザ画像形成層、レーザ光を照射した部分が除去されるポジ型レーザ画像形成層、およびレーザ光を照射すると光重合する光重合型レーザ画像形成層などが主なものとして挙げられる。
【0221】
A.ネガ型レーザ画像形成層
前記ネガ型レーザ画像形成層は、(A)熱または光により分解して酸を発生する酸前躯体、(B)前記酸前躯体(A)が分解して発生した酸により架橋する酸架橋性化合物、(C)アルカリ可溶性樹脂、(D)赤外線吸収剤、および(E)フェノール性水酸基含有化合物を適宜の溶剤に溶解または懸濁させたネガ型レーザ画像形成層形成液から形成できる。
【0222】
酸前躯体(A)としては、例えばイミノフォスフェート化合物等のように、紫外光、可視光、または熱により分解してスルホン酸を発生する化合物が挙げられる。他には、光カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、または光変色剤などとして一般に使用されている化合物も、酸前躯体(A)として使用できる。
【0223】
酸架橋性化合物(B)としては、アルコキシメチル基およびヒドロキシル基の少なくとも一方を有する芳香族化合物、N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物、およびエポキシ化合物などが挙げられる。
【0224】
アルカリ可溶性樹脂(C)としては、ノボラック樹脂、およびポリ(ヒドロキシスチレン)などの側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーなどが挙げられる。
【0225】
赤外線吸収剤(D)としては、760nm〜1200nmの赤外線を吸収する染料および顔料が挙げられ、具体的には、黒色顔料、赤色顔料、金属枌顔料、フタロシアニン系顔料、および前記波長の赤外線を吸収するアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、シアニン色素などが挙げられる。
【0226】
フェノール性水酸基含有化合物(E)としては、一般式(R−X)−Ar−(OH)(Rは、炭素数6〜32のアルキル基またはアルケニル基であり、Xは、端結合、O、S、COO、またはCONHであり、Arは、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または複素環基であり、nおよびmは、何れも1〜3の自然数である。)で示される化合物が挙げられる。前記化合物としては、具体的にはノニルフェノールなどのアルキルフェノール類などが挙げられる。
【0227】
前記ネガ型レーザ画像形成層形成液には、さらに可塑剤なども配合できる。
【0228】
B.ポジ型レーザ画像形成層
前記ポジ型レーザ画像形成層は、(F)アルカリ可溶性高分子、(G)アルカリ溶解阻害剤、および(H)赤外線吸収剤を適宜の溶剤に溶解または懸濁させたポジ型レーザ画像形成層形成液により形成できる。
【0229】
アルカリ可溶性高分子(F)としては、たとえばフェノール樹脂、クレゾール樹脂、ノボラック樹脂、ピロガローラ樹脂、およびポリ(ヒドロキシスチレン)などのフェノール性水酸基を有するフェノール系ポリマー、少なくとも一部のモノマー単位がスルホンアミド基を有するポリマーであるスルホンアミド基含有ポリマー、N−(p−トルエンスルホニル)(メタ)アクリルアミド基などの活性イミド基を有するモノマーの単独重合または共重合により得られる活性イミド基含有ポリマーなどが使用できる。
【0230】
アルカリ溶解阻害剤(G)としては、加熱などによりアルカリ可溶性高分子(F)と反応してアルカリ可溶性高分子(F)のアルカリ可溶性を低下させる化合物が挙げられ、具体的には、スルホン化合物、アンモニウム塩、スルホニウム塩、およびアミド化合物などが挙げられる。たとえば、アルカリ可溶性高分子(F)として前記ノボラック樹脂を用いる場合には、アルカリ溶解阻害剤(G)としてスルホン化合物の一種であるシアニン色素が好ましい。
【0231】
赤外線吸収剤(H)としては、スクワリリウム色素、ピリリウム色素、カーボンブラック、不溶性アゾ染料、アントラキノン系染料など、750〜1200nmの赤外域に吸収領域があり、光/熱変換能を有する色素、染料、および顔料が挙げられる。
【0232】
C.光重合型レーザ画像形成層
光重合型レーザ画像形成層は、(I)分子末端にエチレン性不飽和結合を有するビニル重合性化合物を含有する光重合型レーザ画像形成層形成液により形成できる。前記光重合型レーザ画像形成層形成液には、必要に応じて、(J)光重合開始剤、および(K)増感剤などを配合できる。
【0233】
ビニル重合性化合物(I)としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステルであるエチレン性不飽和カルボン酸多価エステル、前記エチレン性不飽和カルボン酸と多価アミンとからなるメチレンビス(メタ)アクリルアミド、キシリレン(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸多価アミドなどが挙げられる。
【0234】
ビニル重合性化合物(I)としては、他に、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸モノエステルなども使用できる。
【0235】
光重合開始剤(J)としては、ビニル系モノマーの光重合に通常に使用される光重合開始剤が使用できる。
【0236】
増感剤(K)としては、チタノセン化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、シアニン色素、メロシアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素などが挙げられる。
【0237】
前記ネガ型レーザ画像形成層形成液、ポジ型レーザ画像形成層形成液、または光重合型レーザ画像形成層形成液に使用される溶剤、および前記ネガ型レーザ画像形成層形成液、ポジ型レーザ画像形成層形成液、または光重合型レーザ画像形成層形成液の塗布方法については、「(1)可視光露光型画像形成層」のところで述べた溶剤および塗布方法と同様である。
【0238】
なお、前記光重合型レーザ画像形成層を形成するときは、シラン化合物を水、アルコール、またはカルボン酸で部分分解して得られる部分分解型シラン化合物などの反応性官能基を有するシリコーン化合物で平版印刷版用支持体の粗面化面を予め処理すると、平版印刷版用支持体と前記光重合型レーザ画像形成層との接着性が向上するから好ましい。
【0239】
3−3 塗布方法
前記感光性樹脂溶液、ネガ型レーザ画像形成層形成液、ポジ型レーザ画像形成層形成液、および光重合型レーザ画像形成層形成液を前記平版印刷版用アルミニウム支持体の粗面化面に塗布する方法としては、コーティングロッドを用いる方法、エクストルージョン型コーターを用いる方法、スライドビードコーターを用いる方法など、従来公知の方法が使用でき、また公知の条件に従って行うことができる。
【0240】
前記感光性樹脂溶液、ネガ型レーザ画像形成層形成液、ポジ型レーザ画像形成層形成液、および光重合型レーザ画像形成層形成液を塗布後のアルミニウムウェブを乾燥する装置としては、特開平6−63487号公報に記載の、乾燥装置内にパスローラを配置し、前記パスローラで搬送しつつ乾燥するアーチ型ドライヤー、上下からノズルによりエアーを供給し、ウェブを浮上させながら乾燥するエアードライヤー、高温に加熱された媒体からの輻射熱で乾燥する輻射熱ドライヤー、およびローラを加熱し、前記ローラとの接触による伝導伝熱により乾燥するローラドライヤー等がある。
【0241】
【実施例】
(実施例1〜220、比較例1〜216)
アルミニウムの含有率が99.7重量%であり、幅が1000mmであり、厚さが0.3mmであるアルミニウムウェブを50m/分の速度で一定方向に走行させ、以下の工程、即ち
(1)機械的粗面化工程
・研磨材:パミス(平均粒径20μm)、ローラ状ブラシ:8号ナイロンブラシ、回転数250rpm
(2)アルカリエッチング工程(1)
・アルカリ溶液:NaOH26重量%水溶液、液温60℃、エッチング量10g/m
(3)デスマット工程(1)
・酸性溶液:硝酸1重量%溶液、液温35秒、処理時間10秒
(4)電解粗面化工程(1)
・酸性電解液:硝酸1重量%溶液、液温50℃、交流電流:矩形波、60Hz、電流密度:30A/dm、アノード反応時電気量:200C/dm
(5)アルカリエッチング工程(2a)
・アルカリ溶液:NaOH26重量%水溶液、液温:30℃、エッチング量0.1g/m
(6)デスマット工程(2a)
・酸性溶液:硫酸30重量%溶液、液温35秒、処理時間10秒
(7)電解粗面化工程(2)
・酸性電解液:塩酸1重量%溶液、液温:35℃、交流電流:矩形波、60Hz、電流密度:30A/dm、アノード反応時電気量:50C/dm
(8)アルカリエッチング工程(2b)
・アルカリ溶液:NaOH5重量%水溶液、液温:40℃、エッチング量0.05g/m
(9)デスマット工程(2b)
・酸性溶液:硫酸30重量%溶液、液温35秒、処理時間10秒
(10)陽極酸化工程
・酸性電解液:硫酸15重量%、液温35℃、酸化被膜量:2g/m
を順次行って粗面化した。
【0242】
前記各工程の間に水洗工程を設け、アルミニウムウェブの両面を水洗して前の工程で表面に付着した薬液を洗い流してから次の工程に移行した。
【0243】
前記工程(1)〜工程(9)、および各工程の間に設けられた水洗工程において、搬送ローラを異なる回転速度で回転させて搬送ローラの周速とアルミニウムウェブの搬送速度との差を変化させ、得られる平版印刷版用支持体における面質不良の発生状況を調べた。なお、搬送ローラとしては、直径が150〜500mmのものを用い、前記搬送モータを駆動する駆動モータとしてはPSモータを用いた。
【0244】
面質不良の発生率については以下の手順に従って調べた。
【0245】
得られた平版印刷版用支持体の粗面化面を目視で観察し、キズ状またはスジ状の面質不良の有無および大きさを調べ、面質不良の発生率を求めた。前記面質不良の発生率は以下の基準に基いて5段階で評価した。
【0246】
○  … 傷が全く見えない。
【0247】
○△ … 傷がごくわずかに発生。
【0248】
△  … 傷は少し発生しているが面質上は問題ないレベル。
【0249】
△× … 傷発生がやや強く見られる。
【0250】
×  … 傷発生が強く見られる。
【0251】
結果を表1〜表24に示す。なお、前記表1〜表24において、工程の欄に記載された数字は、搬送ローラの周速とアルミニウムウェブの走行速度との差の前記走行速度に対するパーセンテージであり、何も附しない数字は、搬送ローラの周速が前記アルミニウムウェブの走行速度よりも大きいことを示す。
【0252】
【表1】
Figure 2004017553
【0253】
【表2】
Figure 2004017553
【0254】
【表3】
Figure 2004017553
【0255】
【表4】
Figure 2004017553
【0256】
【表5】
Figure 2004017553
【0257】
【表6】
Figure 2004017553
【0258】
【表7】
Figure 2004017553
【0259】
【表8】
Figure 2004017553
【0260】
【表9】
Figure 2004017553
【0261】
【表10】
Figure 2004017553
【0262】
【表11】
Figure 2004017553
【0263】
【表12】
Figure 2004017553
【0264】
【表13】
Figure 2004017553
【0265】
【表14】
Figure 2004017553
【0266】
【表15】
Figure 2004017553
【0267】
【表16】
Figure 2004017553
【0268】
【表17】
Figure 2004017553
【0269】
【表18】
Figure 2004017553
【0270】
【表19】
Figure 2004017553
【0271】
【表20】
Figure 2004017553
【0272】
【表21】
Figure 2004017553
【0273】
【表22】
Figure 2004017553
【0274】
【表23】
Figure 2004017553
【0275】
【表24】
Figure 2004017553
前記表1〜表24に示すように、実施例1〜220においては、前記工程(1)〜(9)および各水洗工程の何れにおいても搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度との差が前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%以内であったので、得られた平版印刷版用支持体の粗面化面の面質は、○〜△と良好であった。これに対し、比較例1〜216においては、前記工程(1)〜(9)および各水洗工程の何れかにおいて搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度との差が前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%を超えていたので、得られた平版印刷版用支持体の粗面化面の面質は、△×〜×と実施例1〜220に比較して劣っていた。
【0276】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粗面化処理において、前記搬送ローラと前記アルミニウムウェブとの間に著しいスリップが生じて前記アルミニウムウェブの表面に前記面質不良が発生するのを効果的に防止できる平版印刷版用支持体の製造方法、前記製造方法で得られた平版印刷版用支持体、および前記平版印刷版用支持体を基材として有する平版印刷版が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、機械的粗面化工程において試用されるブラシグレイニング装置の一例について概略を示す概略断面図である。
【図2】図2は、アルカリエッチング工程において使用されるアルカリエッチング処理装置の一例につき概略を示す概略断面図である。
【図3】図3は、電解粗面化工程において使用される電解処理装置の一例につき、概略を示す概略断面図である。
【図4】図4は、本発明における粗面化処理に引き続いて行われる陽極酸化処理において使用される陽極酸化処理装置であって、間接給電方式を用いたものの一例につき、構造の概略を示す概略断面図である。
【図5】図5は、前記陽極酸化処理に引き続いて行われる封孔処理において使用される水蒸気封孔処理装置の一例につき、構造の概略を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2  蒸気供給ノズル
3  管路
4  入口部
5  出口部
6  小槽部
7  小槽部
8  搬送ローラ
100  ブラシグレイニング装置100
102  ローラ状ブラシ
107  搬送ローラ
200  アルカリエッチング処理装置
202  パスローラ
203  スプレー
300  電解処理装置
306  主電極
307  搬送ドラム
400  陽極酸化処理装置
420  給電電極
422  搬送ローラ
430  主電極
434  直流電源

Claims (6)

  1. 一定方向に走行するアルミニウムウェブの少なくとも一方の面に粗面化処理を施す平版印刷版用支持体の製造方法であって、
    前記粗面化処理において前記アルミニウムウェブを搬送する搬送ローラの周速と前記アルミニウムウェブの走行速度との差が前記アルミニウムウェブの走行速度の±1.1%以内になるように、前記搬送ローラの回転速度を制御することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 前記粗面化処理は、前記アルミニウムウェブを電解粗面化処理する1または2以上の電解粗面化工程を有する請求項1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 前記電解粗面化処理工程は、前記アルミニウムウェブを硝酸溶液中で電解粗面化する第1の電解粗面化工程と、前記第1の電解粗面化工程で電解粗面化されたアルミニウムを塩酸溶液中で電解粗面化する第2の電解粗面化工程とを有してなる請求項2に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  4. 前記アルミニウムウェブは、アルミニウムの含有率が99重量%以上である請求項1〜3の何れか1項に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする平版印刷版用支持体。
  6. 請求項5に記載の平版印刷版用支持体の粗面化面に製版層を形成してなる平版印刷版。
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