JP2004268517A - 平版印刷版支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版支持体の製造方法 Download PDF

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Mutsumi Matsuura
睦 松浦
Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Abstract

【課題】面質ムラの改善と、安定したピットの砂目が得られる電解処理方法を提供する。
【解決手段】塩酸を含む電気化学的粗面化処理液中で電解処理を施すことにより、アルミニウム支持体を粗面化する平版印刷版支持体の製造方法において、
陽極時総電気量を10〜600c/dmとし、
電解液の送液をスリット状吐出部を設けた給液ノズルを使用し、スリット出口の吐出液流速の巾方向分布を巾方向平均流速±10%以内とすることで、電解セル内の巾方向流速分布を巾方向平均流速の±30%以内とすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版支持体の製造方法に関する。特に電解粗面化処理において安定した砂目が形成でき、面質ムラがなく、平版印刷版とした時に画質のよい印刷が得られる平版印刷版用支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷版用支持体、特に平版印刷版用支持体としては、アルミニウム板が用いられ、ユーザーの多様化からアルミニウム板も純アルミニウムに近いものから、マンガンを添加し強度を上げたものまで多様化している。そしてその様なアルミニウム板を平版印刷版用支持体として使用するためには、支持体表面が画像記録層である例えば感光材との適度な接着性と保水性を有していることが必要である。このためには、アルミニウム板の表面を均一かつ緻密な砂目を有するように粗面化しなければならない。この粗面化処理は、実際に印刷を行ったとき、版材の汚れ性能などの印刷性能に著しい影響を及ぼすので、その良否は版材製造上重要な要素となっている。
【0003】
印刷版用アルミニウム支持体の粗面化方法としては、機械的な砂目立て法、電気化学的な砂目立て法などがあり、又それらを適時組合わせた形で粗面化を行っている。機械的な砂目立て法としては、例えばボールグレイン,ワイヤーグレイン,ブラッシグレイン,液体ホーニング法などがある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解エッチング法が一般的に使用されており、電流としては普通の正弦波交流電流あるいは矩形波など、特殊交番電流が用いられている。またこの電気化学的砂目立ての前処理として、苛性ソーダなどでエッチング処理をしても良い。
【0004】
その中で交流電解エッチング方法においては、ラジアル型セルにおいても槽型セルにおいても、図2に示すように電解液を供給する給液ノズル20は1ケ所であったため、ここから補給された電解液はアルミニウム板1と電極3A,3B、3Cとの間の定められた狭い空間の間(例えば10mm)を通って反対側に流れ、電解液排出口6に出て行くので、流路における電解によって次第に電解液が疲労し電極の初めと、終りでは電解液が疲労してその成分に差が出て来て充分な電解効率が得られず、また液の入口と出口との温度差が大きくなり所望の砂目が得られなかった。上記の欠点を改善するため本出願人は先に給液ノズルを電極間に2ケ所以上設けることを特徴とする電解処理装置として特開平2−15198号公報を開示した(特許文献1)。
また、アルミニウム板巾方向両端部に対して電極側より板巾に対して複数個の給液ノズルを設け、この複数個の給液ノズルから供給される液がアルミニウム板の巾方向両端部にカーテン膜を形成し、中央部の電解液が両端部に流れることを防ぐ方法を開示している(特許文献2)。
【0005】
又、交流電解エッチング方法において、アルミニウム板の巾方向の電解液の流速分布が平均流速から大きくずれる変動がおこると巾方向での砂目立て性が大きく変化してしまい、印刷性能差が発生したりする。特開平9−248977号公報では、巾方向流速分布を平均流速±50%以内に規定するために、給液ノズル内にアルミニウム板巾方向に摩擦抵抗を増加させるためのガイドベーンを巾方向に適当に間隔を違えて挿入する方法等が記載されている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−015198号公報(請求項1、第1図)
【特許文献2】
特開平5−195300号公報(請求項1、段落7)
【特許文献3】
特開平9−248977号公報(第5−7頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記複数の給液ノズルを用いても、電解処理での面質ムラの改善は充分とは言えず、また電解液を多量に流すことによっても充分な結果は得られずより一層の改善が望まれていた。
本発明の目的は、前記問題点を解消し、面質ムラの改善と、安定して均質で緻密な砂目が得られる平版印刷版用支持体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各発明を提供する。
(1)塩酸を含む電解処理液中で電気化学的粗面化処理を施すことにより、アルミニウム支持体を粗面化する平版印刷版支持体の製造方法において、
陽極時総電気量を10〜600c/dmとし、
電解液の送液をスリット状吐出部を設けた給液ノズルを使用し、スリット出口の給液流速の巾方向分布を巾方向平均流速±10%以内とすることで、電解セル内の巾方向流速分布を巾方向平均流速の±30%以内とすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
(2)給液ノズル内部に整流部を設け、前記スリット状吐出部が、スリットクリアランスとスリット長さとを有し、スリットクリアランスを1〜10mmとし、スリット長さを20〜150mmとし、スリットクリアランスとスリット長さの関係を、
スリット長さ/スリットクリアランス≧4とし、
スリット内部に0.5mm以上の凹凸または障害物のない構造とすることで、給液ノズル出口の巾方向流速分布を巾方向平均流速±10%以内とすることを特徴とする上記(1)記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0009】
(3)機械的粗面化処理、硝酸電解処理のどちらか一方、あるいは両方の処理を施した支持体に塩酸電解処理を施すことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
(4)1セル当たりの陽極時電気量を150c/dm以下とすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法で得られた平版印刷版用支持体に画像記録層を積層してなる平版印刷版原版。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法に用いる電解処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴の1つは、電解液の電解槽 (電解セル)内への送液をスリット状吐出部を設けた給液ノズルを使用して行う。スリット状吐出部とは、電解液の吐出口がアルミニウム板の巾方向(走行方向と直角方向)に伸び、長手方向に短い隙間を有するスリット状であるものをいい、その構造は限定されない。
図3Aに斜視図で示し、図3Bにその断面図でその好適例を示すように、本発明に用いる給液ノズル20は、図示しない電解処理液槽から電解処理液がポンプ等を介して送液されてくる給液部21と、内部にキャビテイ13を有するハウジング22と、処理液が電解槽15へと吐出される吐出口14とを備えている。
【0011】
図3は給液ノズル20の好適な第1の態様を示し、この態様では、電解処理されるアルミニウム板の巾に対応する横長のハウジング22を有し、横長のハウジングの上面に複数の給液部21が一列に設けられている。給液部21は、好ましくは3〜5個で、アルミニウム板の横巾に沿って等間隔に、設けられる。ハウジング22内は電解処理液を保持できるキャビテイ13を有し、キャビテイ内の給液部21に近い上部には整流部30を備えている。この態様では整流部30は、キャビテイ上部の給液部21からの進入処理液が通過する全面に渡って設けられ、ガイドベーン(誘導羽根板)等を有するデストリビュータであっても良いが、好ましくは多孔板等であり、オリフィス板であることがより好ましい。電解処理液5は、好ましくは複数の供給部21を介して給液ノズル20内のキャビテイ13に入り、整流部30で整流されてキャビテイ13内で均一な流れとなる。
【0012】
スリット24は、吐出口14のみでも良いが、スリット長さ26とスリットクリアランス28とから構成され,好ましくは横長の扁平な流路を持つスリットノズルであることが好ましい。キャビテイ13のスリット24が設けられる付近には障害物がない構造とすることが好ましい。スリット内部も後述するように障害物がない構造とするのが好ましい。また、スリット24は複数の給液部21に対して1個設けられ、キャビテイ内の処理液の端部から液流を出すのではなく下部に液層を有した状態でハウジング22の側面に液流を出すことが好ましい。液流がキャビテイの底部から電解セルに流れると下部に液層がないので吐出流速の変動がおこり易い。本発明は、以上の構成をとることでスリット吐出口での流速の巾方向分布を巾方向平均流速±10%以内とし、電解槽15、50内の電解処理液5の巾方向流速分布を巾方向平均流速±30%以内として、後述する塩酸を含む電解液中での電解粗面化処理において安定した砂目を形成し、面質ムラがなく平版印刷版とした時に画質のよい印刷ができる平版印刷版用支持体が製造できる。
【0013】
スリットクリアランス28は、1〜10mmが好ましく、4〜8mmがより好ましい。1mm未満であるとスリットノズル製作上均質な内面とすることが困難で、10mm超であると処理液の均一な吐出が困難となる。
スリット長さ26は20〜150mmが好ましく、40〜100mmが特に好ましい。スリット長さが20mm未満では流速分布の均一化が難しくなり、150mm超では給液ノズル20全体が大型化して好ましくない。
スリット長さ/スリットクリアランス(比)は、4以上が好ましく、6以上がより好ましい。4未満では流速分布の均一化が難しくなる。
【0014】
スリット内部は、0.5mm以上の凹凸または障害物のない構造とすることが好ましく、0.4mm以下の凹凸とすることがより好ましく凹凸は実質的にないことがさらに好ましい。ここで実質的にないとは、0.1mm以下の凹凸であるこという。以上の条件を満たすスリットを有する給液ノズルを用いて、スリット出口の吐出液流速の巾方向流速分布を巾方向平均流速±10%以内とすれば、電解セル内の巾方向流速分布を巾方向平均流速の±30%以内とすることが比較的容易に調整できる。
【0015】
図4は給液ノズル20の好適な第2の態様を示し、図4Aは第2Aの態様の給液ノズルの斜視図を示し、図4Bは別の第2Bの態様の給液ノズルの断面図である。第2Aの態様では、電解処理されるアルミニウム板の巾に対応する横長のハウジング22を有し、横長のハウジングの一方の側面に給液部31が設けられている。ハウジング内は処理液を保持できるキャビテイ13を有し、給液部31はキャビテイ13内に横長の管状部32を備えており、管状部32は多数の開口34を有し、処理液をキャビテイ内に吐出する。図2Aでは開口34は、管状部32の側面全面に均質に設けられ、整流部30を構成する。スリット24は給液ノズルのハウジングの側面に吐出口14のみで構成される。第2Bの態様では、管状部32の開口34は、スリット24の設けられていない側の管状部32の断面の半円の範囲にだけ設けられて整流部30を構成する。このような構成とすれば、給液ノズル20から電解槽15、50に吐出される吐出流速の巾方向分布をより均質に制御することができる。第2Bの態様のスリット24は、第1の態様のスリット24と同様に、スリット長さ26とスリットクリアランス28を有するスリットである。
【0016】
以下に本発明の平版印刷版原版用支持体の製造方法のその他の特徴を説明する。
<アルミニウム板(圧延アルミ)>
本発明に用いられるアルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分として微量の異元素を含む合金板、またはアルミニウムがラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルムの中から選ばれる。アルミニウム板に含まれる微量の異元素は、元素周期表に記載されているものの中から選択される1種以上で、その含量は0.001〜1.5質量%である。
アルミニウム合金に含まれる異元素の代表例としては、ケイ素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、チタン、バナジウムが挙げられる。通常は、アルミニウムハンドブック第4版(1990、軽金属協会)に記載されている従来公知の素材のもの、例えば、JIS A1050材、JIS A3005材、JIS A1100材、JIS A3004材、国際登録合金 3103A、または、引っ張り強度を増す目的でこれらに5質量%以下のマグネシウムを添加した合金を用いる。
【0017】
また、本発明に用いられるアルミニウム板は、飲料缶等をスクラップして再生した不純物の多く含まれる地金を圧延して得られるアルミニウム板であってもよい。
【0018】
本発明においては、DC鋳造法から中間焼鈍処理および/または均熱処理を省略して製造されたアルミニウム板、連続鋳造法から中間焼鈍処理を省略して製造されたアルミニウム板を用いることもできる。
【0019】
アルミニウム板の厚みは0.05〜0.8mmであるのが好ましく、0.1〜0.6mmであるのがより好ましい。
【0020】
本発明の平版印刷版用支持体の製造においては、上記アルミニウム板に、塩酸を含む水溶液中での電気化学的粗面化処理を含む表面処理を施して平版印刷版用支持体を得るが、この表面処理には、更に各種の処理が含まれていてもよい。
【0021】
本発明においては、後述する各処理を組合わせて粗面化することができるが、各電気化学的粗面化処理の前には、アルカリエッチング処理またはデスマット処理を施すのが好ましく、また、アルカリエッチング処理とデスマット処理とをこの順に施すのも好ましい。また、各電気化学的粗面化処理の後には、アルカリエッチング処理またはデスマット処理を施すのが好ましく、また、アルカリエッチング処理とデスマット処理とをこの順に施すのも好ましい。また、各電気化学的粗面化処理後のアルカリエッチング処理は、省略することもできる。
本発明においては、これらの処理の前に機械的粗面化処理を施すのも好ましい。また、各電気化学的粗面化処理を2回以上行ってもよい。また、これらの後に、封孔処理、親水化処理等を施しても良い。
【0022】
特に、機械的粗面化処理、硝酸電解処理のどちらか一方、あるいは両方の処理を施した支持体に塩酸電解処理を施すことは、本発明の好ましい態様の一つである。
【0023】
以下、機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、デスマット処理、電気化学的粗面化処理、陽極酸化処理のそれぞれについて、詳細に説明する。
<機械的粗面化処理>
本発明においては、機械的粗面化処理は電気化学的粗面化処理の前に行うのが好ましい。機械的粗面化処理によりアルミニウム板の表面積が増大する。
まず、アルミニウム板をブラシグレイニングするに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための脱脂処理、例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。ただし、圧延油の付着が少い場合は脱脂処理は省略することができる。
引き続いて、ブラシグレイン、ボールグレイン、転写等で機械的粗面化を行う。機械的な粗面化処理については、特開平6−135175号公報、特公昭50−40047号公報に詳しく記載されている。
【0024】
ブラシグレインでは、1種または毛径が異なる少なくとも2種のブラシを用いて、研磨スラリー液をアルミニウム板表面に供給しながら、ブラシグレイニングを行う。
本発明に用いられるブラシは、ローラ状の台部にナイロン、ポリプロピレン、動物毛、スチールワイヤ等のブラシ材を均一な毛長および植毛分布をもって植え込んだもの、ローラ状の台部に小穴を開けブラシ毛束を植込んだもの、チャンネルローラ型のもの等が好ましく用いられる。
【0025】
本発明において、上記太いブラシで粗面化した後、細いブラシで処理することにより、親水性、保水性および密着性のすべてを兼備えた支持体が得られて好ましい。その場合、湿し水が少ない場合のシャドー部のつぶれがないため水巾が広く、地汚れが発生しにくく、更に画像記録層との密着劣化がないことである。
本発明に用いられる研磨材は、パミス、ケイ砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、火山灰、軽石、カーボランダム、金剛砂等のメジアン径7〜50μm(好ましくは20〜45μm)の研磨剤を、比重1.05〜1.3となるような範囲で水に分散させて用いるのが好ましい。
なお、機械的な粗面化後の中心線平均粗さ(Ra )は0.3〜1.0μmとなる様に処理されることが好ましい。
もちろんスラリー液を吹き付ける方式、ボールグレイン方式、ワイヤーブラシを用いた方式、凹凸を付けた圧延ロールの表面形状をアルミニウム板に転写する方式等を用いてもよい。その他の方式としては、特開昭55−074898号公報、特開昭61ー162351号公報、特開昭63−104889号公報等に記載されている。
【0026】
このようにアルミニウム板を機械的粗面化した後、ついで、アルミニウム板の表面を化学的にエッチングしておくことが好ましい。この化学的エッチング処理は、ブラシグレイニング処理されたアルミニウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除く作用を有し、その後に施される電気化学的な粗面化をより均一に、しかも効果的に達成させることができる。
【0027】
<アルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理>
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、エッチングを行う。アルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理を行っていない場合には、前記アルミニウム板(圧延アルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜を除去することを目的として、また、機械的粗面化処理を行った場合には、機械的粗面化処理によって生成した凹凸のエッジ部分を溶解させ、滑らかなうねりを持つ表面を得ることを目的として行われる。機械的粗面化処理後、硝酸電解処理後、塩酸電解処理後は特にアルカリエッチングすることが好ましい。
アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板をアルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アルカリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。
【0028】
かかる化学的エッチング方法の詳細は、米国特許第3,834,398号明細書に記載されている。より具体的に説明すると、アルミニウムを溶解し得る溶液、より具体的にはアルカリの水溶液へ浸せきする方法である。
上記のアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が含まれる。塩基の水溶液を使用するとエッチング速度が早い。
【0029】
化学的エッチングは、これらのアルカリの0.05〜40質量%水溶液を用い、40℃〜100℃の液温において5〜300秒処理するのが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は1〜30質量%が好ましく、アルミニウムは勿論アルミニウム合金中に含有する合金成分が0〜10質量%含有していてよい。アルカリ水溶液としては、特にカセイソーダを主体とする水溶液が好ましい。液温は常温〜95℃で、1〜120秒間処理することが好ましい。
【0030】
アルミニウム板の化学的なエッチング量としては片側のアルミニウム板の溶解量0.001〜30g/mが好ましい。
機械的粗面化後のアルカリエッチングのエッチング量は、3〜20g/mが好ましく、より好ましくは、5〜15g/mである。硝酸電解処理後のアルカリエッチングのエッチング量は、0.1〜10g/mが好ましく、より好ましくは、0.3〜6g/mである。塩酸電解処理後のアルカリエッチングのエッチング量は、0.02〜5g/mが好ましく、より好ましくは、0.05〜1g/mである。
エッチング処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましい。
【0031】
<酸性エッチング処理>
酸性エッチング処理は、酸性水溶液中でアルミニウム板を化学的にエッチングする処理であり、電気化学的粗面化処理の後に行うのが好ましい。また、電気化学的粗面化処理の前および/または後に上記アルカリエッチング処理を行う場合は、アルカリエッチング処理の後に酸性エッチング処理を行うのも好ましい。
【0032】
酸性エッチング処理に用いられる酸性水溶液としては、リン酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸、またはこれらの2種以上の混酸を含有する水溶液が挙げられる。中でも、硫酸水溶液が好ましい。酸性水溶液の濃度は、50〜500g/Lであるのが好ましい。酸性水溶液は、アルミニウムはもちろん、アルミニウム板中に含有される合金成分を含有していてもよい。
【0033】
酸性エッチング処理は、液温を60〜90℃、好ましくは70〜80℃とし、1〜10秒間処理することにより行うのが好ましい。このときのアルミニウム板の溶解量は0.001〜0.2g/mであるのが好ましい。また、酸濃度、例えば、硫酸濃度とアルミニウムイオン濃度は、常温で晶出しない範囲から選択することが好ましい。好ましいアルミニウムイオン濃度は0.1〜50g/Lであり、特に好ましくは5〜15g/Lである。
また、酸性エッチング処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち出さないために、ニップローラによる液切りとスプレーによる水洗とを行うのが好ましい。
【0034】
<酸性水溶液中でのデスマット処理(第1デスマット処理)>
化学的なエッチングをアルカリ水溶液を用いて行うと、一般にアルミニウムの表面にはスマットが生成するので、この場合にはリン酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸、またはこれらの2以上の酸を含む混酸でデスマット処理する。酸性水溶液の濃度は0.5〜60質量%が好ましい。更に酸性水溶液中にはアルミニウムはもちろんアルミニウム合金中に含有する合金成分が0〜5質量%が溶解していてもよい。 また、デスマット処理液として、電気化学的な粗面化処理で発生した廃液、陽極酸化処理で発生した廃液を用いることが特に好ましい。
【0035】
液温は常温から95℃で実施され、30〜70℃が特に好ましい。処理時間は1〜120秒が好ましく、特に1〜5秒が好ましい。デスマット処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましい。ニップローラーによる液切りとスプレーによる水洗は、デスマット処理液が、次の工程で用いる液と同じ種類の液、または同じ組成の液を用いるときは省略することができる。
また、電気化学的な粗面化処理に用いる装置で、電極の溶解防止と粗面化形状のコントロールのために補助陽極槽を使用するとき、補助陽極槽をアルミニウム板に交流が流れて電気化学的粗面化処理を行う槽の前に持ってくる場合は、電気化学的な粗面化処理の前の酸性水溶液中でのデスマット工程を省略することもできる。
【0036】
<電気化学的粗面化処理>
本発明における電気化学的粗面化処理は、塩酸を含有する水溶液(以下「塩酸を主体とする水溶液」ともいう。)中での電気化学的粗面化処理に特徴がある。
また、電気化学的な粗面化処理は複数回行ってもよいし、前記塩酸を主体とする水溶液中での電気化学的な粗面化処理を行う前または後に、硝酸を主体とする水溶液中での電気化学的な粗面化処理を行ってもよい。
以下、電気化学的粗面化処理について説明する。
【0037】
(1)塩酸を主体とする水溶液
本発明でいう塩酸を主体とする水溶液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜30g/Lの塩酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/L〜飽和まで添加して使用することができる。また、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/Lの割合で添加することもできる。塩酸を主体とする水溶液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。
好ましくは、塩酸水溶液は、液温20〜80℃、特には30〜50℃、塩酸濃度を0.1〜3質量%、特には0.2〜1質量%含有する水溶液に、アルミニウム塩(塩化アルミニウム、AlCl・6HO)を10〜300g/Lの割合で添加してアルミニウムイオン濃度を1〜30g/Lにした水溶液であることが特に好ましい。このような塩酸水溶液を用いて電気化学的粗面化処理を行うと、該粗面化処理による表面形状が均一になり、低純度のアルミニウム圧延板(合金成分を多く含むアルミニウム板または合金成分を調製していないアルミニウム板)を使用しても、該粗面化処理による処理ムラが発生せず、平版印刷版としたときに優れた耐刷性および印刷性能(耐汚れ性)を両立できる。
塩酸を主体とする水溶液中への添加物、装置、電源、電流密度、流速、温度としては公知の電気化学的な粗面化に使用するものが用いることができる。電気化学的な粗面化に用いる電源は交流または直流が用いられるが、交流が特に好ましい。塩酸を主体とする水溶液中での電気化学的な粗面化でアルミニウム板が陽極反応にあずかる電気量(陽極時総電気量)は、電気化学的な粗面化処理が終了した時点で、10〜600C/dm、より好ましくは10〜400C/dmの範囲から選択でき、特には10〜100C/dmが好ましい。
また、1セル当たりの陽極時総電気量は150C/dm以下とすることが好ましい。この理由は、150C/dm超であると水素ガス発生量の増加から処理ムラが発生するためである。
【0038】
(2)硝酸を主体とする水溶液
本発明でいう硝酸を主体とする水溶液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜100g/Lの硝酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/L〜飽和まで添加して使用することができる。また、銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/Lの割合で添加することもできる。硝酸を主体とする水溶液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。
好ましくは、液温20〜80℃、特には30〜65℃、硝酸濃度を0.5〜5質量%、特には0.7〜2質量%含有する水溶液にアルミニウム塩(硝酸アルミニウム)を添加してアルミニウムイオンが3〜50g/Lにした水溶液であるのが特に好ましい。硝酸を主体とする水溶液中への添加物、装置、電源、電流密度、流速、温度としては公知の電気化学的な粗面化に使用するものが用いることができる。電気化学的な粗面化に用いる電源は1〜150Hzの交流または直流が用いられるが、40〜120Hzぼ交流が特に好ましい。硝酸を主体とする水溶液中での電気化学的な粗面化でアルミニウム板が陽極反応にあずかる電気量は、電気化学的な粗面化処理が終了した時点で、50〜400C/dmの範囲から選択でき、80〜250C/dmが好ましい。
【0039】
(3)電気化学的粗面化処理
電気化学的な粗面化処理とは、酸性水溶液中で、アルミニウム板とこれに対向する電極との間に、直流または交流を加えて電気化学的に粗面化処理することをいう。本発明では、交流が特に好ましいが、該交流は単相、二相、三相等のいずれでもよい。また、交流と直流とを重畳した電流を用いることもできる。酸またはアルカリ水溶液中でのエッチング処理、酸性水溶液中でのデスマット処理、酸または中性塩水溶液中でのアルミニウム板のカソード電解処理等を挟んで電気化学的な粗面化処理を繰り返し行ってもよい。
【0040】
a)アルミニウム板への給電方法
アルミニウム板への給電方式はコンダクタロールを用いた直接給電方式またはコンダクタロールを用いない液給電方式(間接給電方式)を用いることができる。電解槽内を通過する電解液はアルミニウム板の進行とパラレルでもカウンターでもよい。ひとつの電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。間接給電方式を用いるときは、特公平6−37716号公報、特公平5−42520号公報に記載されている補助陽極を用いた方法で、アルミニウム板に加わる陽極時の電気量と陰極時の電気量の比を調整することが好ましい。補助陽極に流れる電流はサイリスタ、ダイオード、GTO等の整流素子を用いて制御することが特に好ましい。特公平6−37716号公報に記載されている方式を用いれば、電気化学的な粗面化反応が行われる主極のカーボン電極に対向するアルミニウム板表面における交流電流の陽極時の電気量と陰極時の電気量(電流値)を容易に制御できる。また、電源装置制作上も変圧器の偏磁の影響も小さく非常にコスト的に有利である。
【0041】
サイン波を用いた電気化学的な粗面化を行うときの電流値の制御方法は、変圧器、可変式誘導電圧調整器等を併用して用い、電解に用いる電流値を可変式誘導電圧調整器にフィードバックして行う。そのとき、電流値を制御する方法では特開昭55−25381号公報に記載されているように、サイリスタで位相制御する方式を併用することもできる。
【0042】
電気化学的な粗面化処理ではアルミニウム板と電極の距離と液流速が一定でないと電流の偏りが発生しやすく、その結果アルミニウム表面の処理ムラとなって平版印刷版用支持体として適さないものが製造されてしまう。その問題点を解決するために、本発明では前述の給液ノズルを用いて、給液ノズルのスリット出口の吐出液流速の巾方向分布を巾方向平均流速±10%以内とすることで、電解セル内の巾方向流速分布を巾方向平均流速の±30%以内とする。
アルミニウム板と電極の距離は5〜100mm、特に8〜15mmが好ましい。この距離を一定に保つために特公昭61−30036号公報に記載されている、走行する板を摺動しうる面に静圧を利用して板を摺動面に圧接させつつ走行させる方式が用いられてもよい。または特開平8−300843号公報に記載されているように直径の大きなローラーを用いて電極とアルミニウム板の距離を一定に保つ方法も用いることができる。
【0043】
直接給電方式を用いるときは、特開昭58−177441号公報に記載されているようなコンダクタロールを用い、特開昭56−123400号公報に記載されている装置で電気化学的に粗面化処理することが好ましい。コンダクタロールはアルミニウムウェブの上面または下面に設けることが可能であるが、アルミニウム板の上面に設け、ニップ装置にてアルミニウム板に押しつけるようにするのが特に好ましい。アルミニウム板がコンダクタロールに接する長さは、アルミ進行方向に対して1〜300mmが好ましい。アルミニウム板を挟んでコンダクタロールに対向するパスロールはゴム製のロールであることが好ましい。押しつけ圧、ゴムロールの硬度はアークスポットの発生しない条件で任意に設定する。コンダクタロールをアルミニウム板の上面に設置することで、コンダクタロールの交換作業および点検作業が簡単になる。コンダクタロールの端部には給電ブラシを回転体に摺動させながら通電する方式を用いるのが好ましい。
アルミニウム板に押しつけられたコンダクターロールにはアークスポットの発生を防止するために常に電気化学的な粗面化に用いる電解液と同じ組成、同じ温度の電解液により常に冷却することが好ましい。電解液の中に異物が入るとアークスポットの原因になりやすいので、冷却に用いるスプレーに濾布等を巻いたり、スプレー管の上流側の配管にメッシュの細かいフィルターを入れるなどするのが好ましい。
【0044】
b)交流を用いた電気化学的な粗面化
電気化学的な粗面化に用いる交流電源波形は、サイン波、矩形波、台形波、三角波等を用いることができるが、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特に好ましい。周波数は0.1〜500Hzが好ましく、40〜120Hzが更に好ましく、45〜65Hzが特に好ましい。
台形波を用いる場合は、電流が0からピークに達するまでの時間tpは0.1〜2msecが好ましく、0.2〜1.5msecが特に好ましい。電源回路のインピーダンスの影響のため、tpが0.1未満であると電流波形の立ち上がり時に大きな電源電圧が必要となり、電源の設備コストが高くなる。2msecより大きくなると、電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり均一な粗面化が行われにくくなる。電気化学的な粗面化に用いる交流の1サイクルの条件が、アルミニウム板のアノード反応時間taが交流の周期Tに占める割合(本発明において「duty」という。)ta/Tは、0.33〜0.66が好ましく、0.45〜0.55が更に好ましく、0.5が特に好ましい。
アルミニウム板の表面には、カソード反応時に、水酸化アルミニウムを主体とする酸化皮膜が生成し、更に、酸化皮膜の溶解や破壊が生じることがある。そして、酸化皮膜の溶解や破壊が生じると、溶解や破壊が生じた部分は、次のアルミニウム板のアノード反応時におけるピッティング反応の開始点となる。
【0045】
主極に対向するアルミニウム板に加わる電気量は、アルミニウム板がカソード反応時の電気量Qc とアノード反応時の電気量Qa の比Qc /Qa が0.9〜1.0の範囲であり、好ましくは、0.92〜0.98であり、特に好ましくは、0.94〜0.96である。Qc /Qa がこの範囲であると、粗面化処理による処理ムラが発生せず、平版印刷版としたときに耐刷性および印刷性能(耐汚れ性)を両立できる。また、Qc /Qa が1.0超では、電極が溶解する場合がある。この電気量比のコントロールは電源が発生する電圧を制御して行うことができる。
電解粗面化処理を、主極のアノード電流を分流する補助電極を有する交流電解槽を用いて行う場合には、特開昭60−43500号公報および特開平1−52098号公報に記載されているように、補助電極に分流するアノード電流の電流値を制御することにより、Qc /Qa を制御することができる。
電流密度は台形波のピーク値で電流のアノードサイクル側Ia 、カソードサイクル側Ic ともに10〜200A/dmが好ましい。Ia /Ic は0.5〜3の範囲にあることが好ましい。
本発明で交流を用いた電気化学的な粗面化に用いる電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているようなラジアル型電解槽またはフラット型が特に好ましい。電極はカーボンを主電極とし、補助陽極としてフェライトを用いることが特に好ましい。
また、交流電解槽を複数台直列に配設した電解粗面化処理装置も好適に用いることができる。
【0046】
補助陽極を有する電解槽は、主極を有する電解槽の前または後に設置することができるが、特に塩酸を主体とする電気化学的な粗面化工程で用いる補助電極を有する電解槽は、主極を有する電解槽の前に持ってくることが、処理ムラの発生を低減できる点で好ましい。
【0047】
図2に、本発明に好適に用いられるフラット型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例の断面模式図を示す。図2において、50は交流電解槽、3A、3Bおよび3Cはそれぞれ電極、18Aおよび18Bはそれぞれ搬送ローラ、8Aは導入ローラ、8Bは導出ローラ、80は電解粗面化処理装置である。電解粗面化処理装置80は、アルミニウム板1を略水平方向に搬送しつつ三相の交流(以下「三相交流電流」ともいう。)を印加して電解粗面化処理を施す電解粗面化処理装置である。
【0048】
電解粗面化処理装置80は、アルミニウム板1の搬送方向に沿って配置された上面が開放された浅い箱状の交流電解槽50と、交流電解槽50の底面近傍に搬送方向に沿って、アルミニウム板1の搬送経路である搬送面に対して平行に配設された三つの板状の電極3A、3Bおよび3Cと、交流電解槽50の内部における搬送方向の上流側(以下、単に「上流側」という。)および搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」という。)の端部近傍に配設され、交流電解槽50内部においてアルミニウム板1を搬送する搬送ローラ18Aおよび18Bと、交流電解槽50の上方における上流側に位置し、アルミニウム板1を交流電解槽50の内部に導入する導入ローラ8Aと、交流電解槽50の上方における下流側に位置し、交流電解槽50内部を通過したアルミニウム板1を交流電解槽50の外部に導出する導出ローラ8Bとを備える。交流電解槽50内部には、上述した酸性水溶液が貯留されている。
電極3A、3Bおよび3Cは、それぞれ三相の交流を発生させる交流電源TacのU端子、V端子およびW端子に接続されている。したがって、電極3A、3Bおよび3Cに印加される交流は、位相が120°ずつずれている。
【0049】
図1に、本発明に好適に用いられるラジアル型交流電解槽を備える電解粗面化処理装置の一例の断面模式図を示す。図1において、15は交流電解槽、3aおよび3bはそれぞれ電極、35aは上流側案内ローラ、2はラジアルドラムローラ、20aおよび20bはそれぞれ給液ノズル、35bは下流側案内ローラ、36は溢流槽、85は電解粗面化処理装置である。
電解粗面化処理装置85は、酸性水溶液が貯留される交流電解槽15と、回転可能に配設され、アルミニウム板1を、図1における左方から右方の搬送方向で送るラジアルドラムローラ2とを備えている。
交流電解槽15の内壁面は、ラジアルドラムローラ2を囲むように略円筒状に形成されており、前記内壁面上には、半円筒状の電極3aおよび3bがラジアルドラムローラ2を挟んで設けられている。電極3aおよび3bは、複数の小電極に分割され、それぞれの小電極の間には、絶縁スペーサ10が介装されている。小電極は、例えば、グラファイトや金属を用いて形成することができ、スペーサ10は、例えば、塩化ビニル樹脂により形成することができる。スペーサ10の厚さは1〜10mmであるのが好ましい。また、図1においては簡略的に示したが、電極3aおよび3bのいずれにおいても、スペーサーにより分割された小電極のそれぞれが交流電源7に接続されている。
【0050】
交流電解槽15の上部には、アルミニウム板1を交流電解槽15に導入し、また、導出するための開口が形成されている。交流電解槽15の開口の近傍には、交流電解槽15に酸性水溶液を補充する給液ノズル20aが設けられている。また、給液ノズル20bも別途設けられている。これらの給液ノズルの好ましい構造は前述した通りである。
交流電解槽15の上方における開口近傍には、アルミニウム板1を交流電解槽15内部に案内する一群の上流側案内ローラ35aと、交流電解槽15内で電解粗面化処理されたアルミニウム板1を外部に案内する一群の下流側案内ローラ35bとが配設されている。
【0051】
交流電解槽15の上流側に隣接して溢流槽36が設けられている。溢流槽36内部には、上述した酸性水溶液が貯留されている。溢流槽36は、交流電解槽15から溢流した酸性水溶液を一時貯留し、交流電解槽15における酸性水溶液の液面の高さを一定に保持する機能を有する。
交流電解槽15の上流には、図示しない補助電解槽が設けられていてもよい。
【0052】
電解粗面化処理装置85の作用について以下に説明する。
図1における左方から、アルミニウム板1は、まず、上流側案内ロ一ラ35aによって交流電解槽15に案内される。そして、下流側案内ロ一ラ35bにより導出される。
交流電解槽15の内部において、アルミニウム板1は、電極3aおよび3bに印加された交流電流により、電極3aおよび3bに面する側の表面が粗面化され、ほぼ均一なピットが形成される。
【0053】
本発明において、好ましくは電解液の流速は500〜4000mm/secにする。500mm/sec未満の流速では砂目に巨大ピットが生成するので好ましくなく、又流速がそれより遅くなるとウロコ状の水素ガスムラが発生するので面質上好ましくなく、流速が4000mm/secより速いと全体的に砂目が大きくなり不均一で未エッチ部分が多く発生して好ましくない。流速としては800〜2000mm/secがより好ましい。
アルミニウム板のスピードとしては5〜200m/minの範囲であるが、30m/min以上で効果が大きい。
電極とアルミニウム板との間隔は5〜50mmで電力コスト上は5〜20mmが望ましい。
【0054】
<アルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理(第2アルカリエッチング処理)>
電気化学的粗面化処理の後で第2アルカリエッチング処理を行うのが好ましい。この処理により、アルミニウム板の表面形状が均一で耐刷性および印刷性能に優れた平版印刷版が得られる。
第2アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、エッチングを行う。アルカリの種類、アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させる方法およびそれに用いる装置は、アルカリエッチング処理の場合と同様のものが挙げられる。
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、アルカリエッチング処理の場合と同様のものが挙げられる。
アルカリ溶液の濃度は、エッチング量に応じて決定することができるが、0.01〜80質量%であるのが好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃であるのが好ましい。処理時間は1〜60秒であるのが好ましい。
第2アルカリエッチング処理においては、アルミニウム板(電解粗面化処理を施した面)の溶解量は、好ましくは、0.001〜30g/mであり、より好ましくは、0.1〜10g/mであり、特に好ましくは、0.2〜5g/mである。
【0055】
<酸性水溶液中でのデスマット処理(第2デスマット処理)>
第2アルカリエッチング処理の後に第2デスマット処理を行うのが好ましい。
第2デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板をリン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法は、第1デスマット処理の場合と同様のものが挙げられる。
第2デスマット処理および第3デスマット処理においては、酸性溶液として、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸溶液の廃液を用いるのが好ましい。また、該廃液の代わりに、硫酸濃度が100〜600g/L、アルミニウムイオン濃度が1〜10g/Lであり、液温が30〜90℃である硫酸溶液を用いることもできる。
第2デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、第2デスマット処理の処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。第2デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
【0056】
<陽極酸化処理>
アルミニウム板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならば、いかなるものでも使用することができる。一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、またはそれらの混合液が用いられる。硫酸が特に好ましい。
それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質によって変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%、液温は5〜70℃、電流密度1〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜300秒の範囲にあれば適当である。硫酸法は通常直流電流で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。陽極酸化皮膜の量は0.5〜10g/mの範囲が好ましく、特に、1〜5g/mの範囲が好ましい。また、陽極酸化皮膜量が多くなると、アルミニウムエッチ部分へ酸化皮膜が集中しやすくなるので、アルミニウム板のエッチの部分と中心部分の酸化皮膜量の差は、1g/m以下であることが好ましい。
【0057】
硫酸水溶液中での陽極酸化については、特開昭54−128453号公報および特開昭48−45303号公報に詳しく記載されている。硫酸濃度10〜300g/L、アルミニウムイオン濃度1〜25g/Lとすることが好ましく、50〜200g/Lの硫酸水溶液中に硫酸アルミニウムを添加してアルミニウムイオン濃度を2〜10g/Lとすることが特に好ましい。液温は30〜60℃が好ましい。直流法を用いるとき、電流密度1〜60A/dm、特に5〜40A/dmが好ましい。連続的にアルミニウムシートを陽極酸化する場合は、アルミニウム板の焼けと呼ばれる電流集中を防ぐために最初5〜10A/dmの低電流密度で陽極酸化処理を行い、後半に行くに従い徐々に電流密度を上げて30〜50A/dmになるまで、またはそれ以上に電流密度を設定することが特に好ましい。電流密度は5〜15ステップで徐々に上げることが好ましい。各ステップごとには独立した電源装置を持ち、この電源装置の電流値で電流密度をコントロールする。給電方法はコンダクタローラを用いない液給電方式が好ましい。特開2001−11698号公報にはその一例が示されている。
【0058】
[平版印刷版原版]
本発明の平版印刷版用支持体には、画像記録層を設けて本発明の平版印刷版原版とすることができる。画像記録層には、感光性組成物が用いられる。
本発明に好適に用いられる感光性組成物としては、例えば、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含むサーマルポジ型感光性組成物( 以下、この組成物およびこれを用いた画像記録層について、「サーマルポジタイプ」という。) 、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルネガ型感光性組成物( 以下、同様に「サーマルネガタイプ」という。) 、光重合型感光性組成物( 以下、同様に「フォトポリマータイプ」という。) 、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有するネガ型感光性組成物( 以下、同様に「コンベンショナルネガタイプ」という。) 、キノンジアジド化合物を含有するポジ型樹脂感光性組成物( 以下、同様に「コンベンショナルポジタイプ」という。) 、特別な現像工程を必要としない感光性組成物(以下、同様に、「無処理タイプ」という。)が挙げられる。以下、これらの好適な感光性組成物について説明する。
【0059】
<サーマルポジタイプ>
(感光層)
サーマルポジタイプの感光層は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルポジタイプの画像記録層においては、光熱変換物質が赤外線レーザ等の光のエネルギーを熱に変換し、その熱がアルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ溶解性を低下させている相互作用を効率よく解除する。
【0060】
アルカリ可溶性高分子化合物としては、分子中に酸性基を含有する樹脂およびその2種以上の混合物が挙げられる。特に、フェノール性ヒドロキシ基やスルホンアミド基(−SONH−R(式中、Rは炭化水素基を表す。))、活性イミノ基(−SONHCOR、−SONHSOR、−CONHSOR(各式中、Rは上記と同様の意味である。))等の酸性基を有する樹脂がアルカリ現像液に対する溶解性の点で好ましい。
とりわけ、赤外線レーザ等の光による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有する樹脂が好ましく、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合−ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂が好ましく挙げられる。
さらに、特開2001−305722号公報( 特に[0023] 〜[0042]) に記載されている高分子化合物、特開2001−215693号公報に示された一般式(1)で表される繰り返しを含む高分子化合物、特開2002−311570号公報( 特に[0107]) に記載されている高分子化合物も好適に挙げられる。
【0061】
光熱変換物質としては、記録感度の点で、波長700〜1200nmの赤外域に光吸収域がある顔料または染料が好適に挙げられる。染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体(例えば、ニッケルチオレート錯体)が挙げられる。中でもシアニン染料が好ましく、とりわけ特開2001−305722号公報に記載されている一般式(I)で表されるシアニン染料が好ましい。
【0062】
サーマルポジタイプの組成物中には、さらに溶解阻止剤を加えることができる。溶解阻止剤としては、例えば、特開2001−305722号公報の[0053]〜[0055]で示されているような溶解阻止剤が挙げられる。
また、サーマルポジタイプの感光性組成物中には、添加剤として、感度調節剤、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤としての染料等の化合物、塗布性および処理安定性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。これらについては、特開2001−305722号公報の[0056]〜[0060]で記載されているような化合物が好ましい。
上記以外の点でも、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている感光性組成物が好ましく用いられる。
またサーマルポジタイプの画像記録層は、単層に限らず、2層構造であってもよい。
2層構造の画像記録層(重層系の画像記録層)としては、支持体に近い側に耐刷性および耐溶剤性に優れる下層( 以下「A層」という。) を設け、その上にポジ画像形成性に優れる層( 以下「B層」という。) を設けたタイプが好適に挙げられる。このタイプは感度が高く、広い現像ラチチュードを実現することができる。B層は、一般に、光熱変換物質を含有する。光熱変換物質としては、上述した染料が好適に挙げられる。
上記A層に用いられる樹脂としては、スルホンアミド基、活性イミノ基、フェノール性ヒドロキシ基等を有するモノマーを共重合成分として有するポリマーが耐刷性および耐溶剤性に優れている点で好適に挙げられる。B層に用いられる樹脂としては、フェノール性ヒドロキシ基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂が好適に挙げられる。
A層およびB層に用いられる組成物には、上記樹脂のほかに、必要に応じて、種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、特開2002−3233769号公報の[0062]〜[0085]に記載されているような種々の添加剤が好適に用いられる。また、上述した特開2001−305722号公報の[0053]〜[0060]に記載されている添加剤も好適に用いられる。
A層およびB層を構成する各成分およびその含有量については、特開平11−218914号公報に記載されているものを記載の含有量で用いるのが好ましい。
【0063】
<中間層>
サーマルポジタイプの画像記録層と支持体との間には、中間層を設けるのが好ましい。中間層に含有される成分としては、特開2001−305722号公報の[0068]に記載されている種々の有機化合物が挙げられる。特願9−264309号出願の[0020]〜[0042]に記載のような酸基とオニウム基を含む共重合ポリマーとその形成方法も好適に用いることができる。
【0064】
<その他>
サーマルポジタイプの画像記録層の製造方法および製版方法については、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0065】
<サーマルネガタイプ>
サーマルネガタイプの感光性組成物は、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルネガタイプの画像記録層は、赤外線レーザ等の光で照射された部分が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。
<重合層>
サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、重合型の画像記録層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、光熱変換物質と、ラジカル発生剤と、硬化性化合物であるラジカル重合性化合物と、バインダーポリマーとを含有する。重合層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱によりラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、発生したラジカルによりラジカル重合性化合物が、連鎖的に重合し、硬化する。
【0066】
光熱変換物質としては、例えば、上述したサーマルポジタイプに用いられる光熱変換物質が挙げられる。特に好ましいシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の[0017]〜[0019]に記載されているものが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、オニウム塩が好適に挙げられる。特に、特開2001−133969号公報[0030]〜[0033]に記載されているオニウム塩が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーが好適に挙げられる。水または弱アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが好適に挙げられる。中でも、アリル基、アクリロイル基等の不飽和基またはベンジル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れている点で好適である。
ラジカル重合性化合物およびバインダーポリマーについては、特開2001−133969号公報の[0036]〜[0060]に詳細に記載されているものを用いることができる。
サーマルネガタイプの感光性組成物中には、特開2001−133969号公報の[0061]〜[0068]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤) を含有させるのが好ましい。
【0067】
重合層の製造方法および製版方法については、特開特開2001−133969号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
<酸架橋層>
また、サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、酸架橋型の画像記録層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、光熱変換物質と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)および酸の存在下で架橋剤と反応しうるアルカリ可溶性高分子化合物を含有する。酸架橋層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。
【0068】
光熱変換物質としては、重合層に用いられるのと同様のものが挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の熱分解化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物;N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーが挙げられる。
【0069】
<フォトポリマータイプ>
光重合型感光性組成物は、付加重合性化合物と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを含有する。
付加重合性化合物としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物が好適に挙げられる。例えば、エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。具体的には、例えば、モノマー、プレポリマー、これらの混合物等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。また付加重合性化合物としては、ウレタン系付加重合性化合物も好適に挙げられる。
【0070】
光重合開始剤としては、種々の光重合開始剤または2種以上の光重合開始剤の併用系(光開始系)を、使用する光源の波長により適宜選択して用いることができる。例えば、特開2001−22079号公報の[0021]〜[0023]に記載されている開始系が好適に挙げられる。
高分子結合剤は、光重合型感光性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、画像記録層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が用いられる。そのような有機高分子重合体としては、特開2001− 22079号公報の[0036]〜[0063]に記載されているものが好適に挙げられる。
【0071】
フォトポリマータイプの光重合型感光性性組成物中には、特開2001−22079号公報の[0079]〜[0088]で記載されている添加剤( 例えば塗布性を向上させるための界面活性剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤) を含有させるのが好ましい。
【0072】
また、フォトポリマータイプの画像記録層の上に、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性保護層を設けることが好ましい。酸素遮断性保護層に含有される重合体としては、例えば、ポリビニルアルコール、その他の共重合体が挙げられる。
さらに、特開2001−228608号公報の[0124]〜[0165]に記載されているような中間層もしくは接着層を設けるのも好ましい。
【0073】
<コンベンショナルネガタイプ>
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物は、ジアゾ樹脂または光架橋性樹脂を含有する。中でも、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(結合剤)とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物;p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。
結合剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体が挙げられる。具体的には、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリルおよび不飽和カルボン酸からなる多元共重合体が挙げられる。
【0074】
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−281425号公報の[0014]〜[0015]に記載されている焼出し剤、染料、塗膜に柔軟性や耐摩耗性を付与するための可塑剤、現像促進剤等の化合物、塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0075】
コンベンショナルネガタイプの画像記録層の下には、特開2000−105462号公報に記載されている、酸基を有する構成成分とオニウム基を有する構成成分とを有する高分子化号物を含有する中間層を設けるのが好ましい。
【0076】
<コンベンショナルポジタイプ>
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。中でも、o−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルや、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルが挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の樹脂が挙げられる。
【0077】
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物には、添加剤として、特開平7−92660号公報の[0024]〜[0027]に記載されている感度調節剤、焼出剤、染料等の化合物や、特開平7− 92660号公報の[0031]に記載されているような塗布性を向上させるための界面活性剤を含有させるが好ましい。
【0078】
コンベンショナルポジタイプの感光層の下には、上述したコンベンショナルネガタイプに好適に用いられる中間層と同様の中間層を設けるのが好ましい。
【0079】
<無処理タイプ>
無処理タイプの感光性組成物には、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、スルホン酸発生ポリマー含有する型等が挙げられる。これらはいずれも光熱変換物質を含有する感熱型である。光熱変換物質は、上述したサーマルポジタイプに用いられるのと同様の染料が好ましい。
【0080】
熱可塑性微粒子ポリマー型の感光性組成物は、疎水性かつ熱溶融性の微粒子ポリマーが親水性高分子マトリックス中に分散されたものである。熱可塑性微粒子ポリマー型の画像記録層においては、露光により発生する熱により疎水性の微粒子ポリマーが溶融し、互いに融着して疎水性領域、即ち、画像部を形成する。
微粒子ポリマーとしては、微粒子同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散しうるものがより好ましい。具体的には、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号および同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。中でも、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーとしては、例えば、ポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものがある。
微粒子ポリマーは、反応性官能基を有するのが好ましい。
【0081】
マイクロカプセル型の感光性組成物としては、特開2000−118160号公報に記載されているもの、特開2001−277740号公報に記載されているような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好適に挙げられる。
【0082】
スルホン酸発生ポリマー含有型の感光性組成物に用いられるスルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基またはsec−またはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマー等を挙げられる。
【0083】
無処理タイプの感光性組成物に、親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感光層自体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するもの、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。
【0084】
無処理タイプの画像記録層は、特別な現像工程を必要とせず、印刷機上で現像することができる。無処理タイプの画像記録層の製造方法および製版印刷方法については、特開特開2002−178655号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0085】
<バックコート>
このようにして、本発明の平版印刷版用支持体上に各種の画像記録層を設けて得られる本発明の平版印刷版原版の裏面には、必要に応じて、重ねた場合における画像記録層の傷付きを防止するために、有機高分子化合物からなる被覆層を設けることができる。
【0086】
[製版方法(平版印刷版の製造方法)]
本発明の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版は、画像記録層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプが挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム−ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−カドミウムレーザ、KrFエキシマレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、YAG−SHGレーザが挙げられる。
【0087】
上記露光の後、画像記録層がサーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、コンベンショナルネガタイプ、コンベンショナルポジタイプおよびフォトポリマータイプのいずれかである場合は、露光した後、現像液を用いて現像して平版印刷版を得るのが好ましい。
現像液は、アルカリ現像液であるのが好ましく、有機溶剤を実質的に含有しないアルカリ性の水溶液であるのが好ましい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液も好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像する方法としては、特開平11−109637号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液を用いることもできる。
【0088】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
[1.] 給液ノズルのノズル形状の違いによるスリット長さとスリットクリアランスの関係と処理液吐出口における巾方向流速分布の測定
図3に示す給液ノズルで、表1に示すスリットクリアランス、スリット長さ、スリット内部の凹凸を変えたスリット構造を有する、ノズル例1〜7、およびノズル比較例1〜4を用いて、図2に示す電解セルを用いて後述する (g) 工程と同様にアルミニウム板を用いて塩酸電解処理を平均流速1000mm/sceとして行い、スリット吐出口の巾方向流速分布の平均流速からの変動をピト−管を用いて測定した。
結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
Figure 2004268517
【0090】
[ 2.] 平版印刷版用支持体の製造との評価
(平版印刷版用支持体)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(JIS A1050材)に、以下の(a)〜(j)の各種表面処理を連続的に行い、平版印刷版用支持体を得た。
各処理間ではスプレーによる水洗とニップローラでの液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
研磨剤(パミス、メジアン径30μm)と水との懸濁液(比重1.12)を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0091】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m溶解した。
【0092】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を3秒間行った。
【0093】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて図1に示す電解粗面化処理装置および図3に示す給液ノズル2個を図1に示す位置に設置して、連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。アルミニウム板進行速度としては40m/分,電極と板間の距離20mmにして、このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。 電流密度は電流のピーク値で30A/dm、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で200C/dmであった。
【0094】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を60℃で行い、アルミニウム板を3g/m溶解した。
【0095】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度30質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行った。
【0096】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて図1に示す電解粗面化処理装置および図3に示す給液ノズル2個を図1に示す位置に設置して、連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。アルミニウム板進行速度としては40m/分,電極と板間の距離20mmにして、このときの電解液は、塩酸10.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを10g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は正弦波であり、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。
電流密度は電流のピーク値で16A/dm、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dmであった。
【0097】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を50℃で行い、アルミニウム板を0.1g/m溶解した。
【0098】
(i)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度30質量%水溶液(アルミニウムイオンを10質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を3秒間行った。
【0099】
(j)陽極酸化処理
直流電解による陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行い、平版印刷版用支持体を得た。電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度180g/L(アルミニウムイオンを5.0質量%含む。)、温度40℃であった。電流密度は6A/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.5g/mであった。
【0100】
前記の送液条件に対し、得られた支持体の砂目立て性と、得られた支持体の面質を評価した。結果を表2に示す。
<電解セル内の巾方向流速分布>
ピトー管を用いて、給液ノズルから180°の位置で測定し、平均流速に対する最大変化量%で示した。
<砂目立て性(ピットの均質性)の評価>
高分解能SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率5000倍で撮影し、得られたSEM写真において
小ピットが均一で未エッチ部がない、またはほとんどない砂目形状を○、とし、小ピットがやや不均一または未エッチ部が多い砂目形状を△として評価した。
【0101】
<支持体の面質の評価>
得られたアルミニウム支持体表面の進行方向にスジ状ムラ (面質ムラ)が観測されるか否かで評価した。
○:スジ状ムラ見えなかった。
○△:スジ状ムラが発生した。
△:やや強いスジ状ムラが発生した。
△×:強いスジ状ムラが発生した。
【0102】
【表2】
Figure 2004268517
【0103】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版用支持体の製造方法によれば、得られた支持体の砂目形状が安定化して均質となり、面質が従来より一層よくなった。又電解槽内の巾方向の砂目立てが均一化されるため、アルミニウム支持体の巾方向による印刷性能差がなくなり印刷版原版とした時にアルミニウム板の進行方向のスジ上ムラの欠陥が非常に少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いるラジアル型セルの一例の側面図である。
【図2】本発明方法に用いるフラットセルの一例の側面図である。
【図3】給液ノズルの好適な第1の態様を示し、図3Aは斜視図であり、図3Bは断面図である。
【図4】給液ノズルの好適な第2の態様を示し、図4Aは第2Aの態様の斜視図であり、図4Bは別の第2Bの態様の断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
2 ラジアルドラムローラ
3,3a,3b 電極
5 電解処理液
6 電解液排出口
7 交流電源
8A 導入ローラ
8B 導出ローラ
9 給電ローラ
10 絶縁スペーサ
11 供給管
13 キャビティ
14 吐出口
15、50 電解槽 (電解セル)
18A、18B 搬送ローラ
20、20a、20b 給液ノズル
21,31 給液部
22 ハウジング
24 スリット
26 スリット長さ
28 スリットクリアランス
30 整流部
32 管状部
34 開口
35a 上流側案内ローラ
35b 下流側案内ローラ
36 溢流槽
80,85 電解粗面化処理装置

Claims (4)

  1. 塩酸を含む電解処理液中で電気化学的粗面化処理を施すことにより、アルミニウム支持体を粗面化する平版印刷版支持体の製造方法において、
    陽極時総電気量を10〜600c/dmとし、
    電解液の送液をスリット状吐出部を設けた給液ノズルを使用し、スリット出口の吐出液流速の巾方向分布を巾方向平均流速±10%以内とすることで、電解セル内の巾方向流速分布を巾方向平均流速の±30%以内とすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 給液ノズル内部に整流部を設け、前記スリット状吐出部が、スリットクリアランスとスリット長さとを有し、スリットクリアランスを1〜10mmとし、スリット長さを20〜150mmとし、スリットクリアランスとスリット長さの関係を、
    スリット長さ/スリットクリアランス≧4とし、
    スリット内部に0.5mm以上の凹凸または障害物のない構造とすることで、スリット出口の吐出液流速の巾方向流速分布を巾方向平均流速±10%以内とすることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 機械的粗面化処理、硝酸電解処理のどちらか一方、あるいは両方の処理を施した支持体に塩酸電解処理を施すことを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  4. 電解槽1セル当たりの陽極時総電気量を150c/dm以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
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EP3514263A3 (de) * 2018-01-23 2019-10-16 SMS Group GmbH Vorrichtung und verfahren zur elektrolytischen behandlung eines metallbands

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