JP2004017326A - 成形同時転写品の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造サイズを変更する場合等のため金型を交換取付けするに際し、キャビティの配設位置に対する転写フィルムの供給位置を調整する調整工数を最小限に抑制することが可能な成形同時転写品の製造装置を提供することにある。
【解決手段】接近離間可能に設けられ両者間にキャビティ11、12が形成された一対の金型4、5間に、転写印刷可能な印刷層が設けられた転写フィルム6を供給する供給機構7と、転写フィルム6のキャビティ11、12に対する供給位置を検出する検出手段32、33と、キャビティ11、12内に溶融樹脂を供給する供給部13とを備え、供給部13からキャビティ11、12内に供給された溶融樹脂を成形するとともに、該成形品表面に転写フィルム6の印刷層から転写印刷された成形同時転写品を形成する成形同時転写品の製造装置1であって、一対の金型4、5の少なくとも一方の金型に検出手段32、33が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】接近離間可能に設けられ両者間にキャビティ11、12が形成された一対の金型4、5間に、転写印刷可能な印刷層が設けられた転写フィルム6を供給する供給機構7と、転写フィルム6のキャビティ11、12に対する供給位置を検出する検出手段32、33と、キャビティ11、12内に溶融樹脂を供給する供給部13とを備え、供給部13からキャビティ11、12内に供給された溶融樹脂を成形するとともに、該成形品表面に転写フィルム6の印刷層から転写印刷された成形同時転写品を形成する成形同時転写品の製造装置1であって、一対の金型4、5の少なくとも一方の金型に検出手段32、33が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融樹脂の射出成形と同時にその表面に模様等を転写印刷する成形同時転写品の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品表面に、例えば模様を付する方法として、転写可能な模様印刷層を設けた転写フィルムをキャビティ内に送り、射出成形と同時に模様を成形品表面に転写するようにした、いわゆるインモールド転写が従来から知られている。
【0003】
このようなインモールド転写を行う装置として、一般に図3、図4に示すようなものが知られている。図3に示すインモールド転写装置100は、昇降自在に支持された可動盤101と、可動盤101と相対して設けられた固定盤102と、可動盤101及び固定盤102の表面に設けられた金型103、104と、可動盤101の一方の側面に設けられ金型103、104同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム105を供給する供給機構106と、可動盤101の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム105を巻取る巻取り機構107と、金型103、104表面と転写フィルム105との距離及び平行度を調整する調整ローラ108と、金型103、104同士の間に供給された転写フィルム105の供給位置を検出する検出手段109とを備えている。
【0004】
検出手段109は、固定盤102と相対した可動盤101表面において金型103の外方部に設けられ、検出手段109の上方に転写フィルム105が位置する構成となっている。この検出手段109は、図4に示すように、縦位置検出用センサー110と横位置検出用センサー111とを備え、該センサー110、111は、可動盤101の表面に断面L字状のブラケット112を介して設けられた構成となっている。
【0005】
また、金型103、104の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部113、114が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。さらに、金型104及び固定盤102の内部にはキャビティ形成部114と連通しキャビティ形成部113、114が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部115が設けられている。また、金型103及び可動盤101の内部には、キャビティ形成部113の底面部と連通し金型103、104同士の間に供給された転写フィルム105をキャビティ形成部113の底面部に吸着保持するバキューム流路116が設けられている。
【0006】
ここで、転写フィルム105は、図4に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層117が形成され、印刷層117は転写フィルム105の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム105の一方の周縁部には、印刷層117同士の間に点状の縦位置検出用標識118が転写フィルム105の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識119が形成されている。
【0007】
ここで、上記センサー110、111は、それぞれ上記標識118、119と対応した位置に設けられている。すなわち、転写フィルム105が、供給機構106により金型103、104同士の間に供給され、上記センサー110、111が上記標識118、119を検出した際、転写フィルム105表面に形成された印刷層117が、上記キャビティの平面視においてその中央部に位置するように構成されている。
【0008】
ここで、上述のように構成されたインモールド転写装置100により上記成形同時転写品を形成するに際し、上記キャビティの配設位置に対する転写フィルム105表面に形成された印刷層117の供給位置の精度が不十分である場合には、転写位置のズレ等の製造上の不具合を発生させる場合がある。このため、上記供給位置を高精度に実現する必要があり、この際の精度調整は、上記センサー110、111及び上記金型103、104の配設位置を調整することによりなされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の成形同時転写品の製造装置によれば、キャビティ形成部113、114を備えた金型103、104と、調整部位である検出手段109とは、各別に可動盤101表面に設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため金型103、104を交換取付けした場合、金型103、104に形成されたキャビティ形成部113、114の配設位置が、転写フィルム105の元からある供給位置に対してずれが生じる、すなわち、キャビティ形成部113、114の平面視において、その中央部に転写フィルム105の印刷層117を供給できない場合がある。この場合、上記供給位置を高精度に実現するためには、金型103、104の配設位置の調整のみならず、検出手段109の配設位置のも調整する必要があり、調整工数がかかるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、製造サイズを変更する場合等のため金型を交換取付けするに際し、キャビティの配設位置に対する転写フィルムの供給位置を調整する調整工数を最小限に抑制することが可能な成形同時転写品の製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、接近離間可能に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型間に、転写印刷可能な印刷層が設けられた転写フィルムを供給する供給機構と、上記転写フィルムの上記キャビティに対する供給位置を検出する検出手段と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部とを備え、該供給部から上記キャビティ内に供給された溶融樹脂を成形するとともに、該成形品表面に上記転写フィルムの印刷層から転写印刷された成形同時転写品を形成する成形同時転写品の製造装置であって、上記一対の金型の少なくとも一方の金型に上記検出手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る成形同時転写品の製造装置によれば、上記検出手段が、上記一対の金型の少なくとも一方の金型に直接設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため上記一対の金型を交換取付けしても、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記検出手段の配設位置を常に一定に維持することが可能になる。これにより、上記サイズ変更の際の、上記キャビティ形成部の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整を上記金型の配設位置のみについて実施すれば足り、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の成形同時転写品の製造装置であって、上記転写フィルムには標識が設けられ、上記検出手段は上記標識を検出することを特徴とする。
【0014】
この発明に係る成形同時転写品の製造装置によれば、上記標識を上記検出手段が検出することにより、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記転写フィルムの供給位置を決定する構成となっているため、該位置決めを確実になすことが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1、図2は、この発明の一実施形態として示した成形同時転写品の製造装置を説明するための説明図を示すものである。
【0016】
図1に示すインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3の表面に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層が設けられた転写フィル6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整する調整ローラ9とを備えている。
【0017】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内するとともに、転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0018】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0019】
ここで、転写フィルム6は、図2に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
以上の構成は上述した構成と同様である。
【0020】
ここで、図2に示すように、金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部に、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。また、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記センサー32、33が、それぞれ上記標識21、22を検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視においてその中央部に位置している構成となっている。
【0021】
以上のように構成されたインモールド転写装置1により、射出成形品を形成するとともに、形成された成形品表面に模様等を転写印刷する、いわゆる成形同時転写品の製造方法について説明する。
【0022】
図1において、まず、供給機構7により転写フィルム6を金型4,5同士の間に、印刷層20の形成面が金型5と対向した状態で、上記センサー32、33により上記標識21、22が検出されるまで供給する。そして、上記標識が検出され供給機構7が停止した際、転写フィルム6は、図2に示すように、印刷層20がキャビティ形成部11、12の中央部に位置するように配置される。
【0023】
そして、バキューム流路14にバキュームエアを供給し、キャビティ形成部11底面部に転写フィルム6を吸着保持する。その後、可動盤2が、金型4、5同士が当接するまで上昇し、キャビティを形成した後、キャビティ形成部12の底面部から供給部13を介して溶融樹脂を供給し、射出成形品を形成する。この際、射出成形品の表面と転写フィルム6の印刷層20が圧接し、この射出成形品の表面に転写印刷され、成形同時転写品が形成される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態による成形同時転写品の製造装置によれば、上記センサー32、33が、金型4に形成されたキャビティ形成部11の外方部に直接設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため金型4、5を交換取付けしても、キャビティ形成部11、12の配設位置に対する上記センサー32、33の配設位置を常に一定に維持することが可能になる。これにより、上記サイズ変更の際の、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整を金型4、5の配設位置のみについて実施すれば足り、上記センサー32、33の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整は不要になる。従って、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、製造サイズを変更する場合等のため上記一対の金型を交換取付けするに際し、上記キャビティ形成部の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整を、上記金型の配設位置のみについて実施すれば足り、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、上記標識を上記検出手段が検出することにより、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記転写フィルムの供給位置を決定する構成となっているため、該位置決めを確実になすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示した成形同時転写品の製造装置を説明するためのインモールド転写装置の概略図である。
【図2】図1に示すインモールド転写装置の一部拡大平面図である。
【図3】従来のインモールド転写装置の概略図である。
【図4】図3に示すインモールド転写装置の一部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 成形同時転写品の製造装置
4、5 金型
6 転写フィルム
7 供給機構
11、12 キャビティ形成部
13 供給部
20 印刷層
21 縦位置検出用標識(標識)
22 横位置検出用標識(標識)
30、31 凹部
32 縦位置検出センサー(検出手段)
33 横位置検出センサー(検出手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融樹脂の射出成形と同時にその表面に模様等を転写印刷する成形同時転写品の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品表面に、例えば模様を付する方法として、転写可能な模様印刷層を設けた転写フィルムをキャビティ内に送り、射出成形と同時に模様を成形品表面に転写するようにした、いわゆるインモールド転写が従来から知られている。
【0003】
このようなインモールド転写を行う装置として、一般に図3、図4に示すようなものが知られている。図3に示すインモールド転写装置100は、昇降自在に支持された可動盤101と、可動盤101と相対して設けられた固定盤102と、可動盤101及び固定盤102の表面に設けられた金型103、104と、可動盤101の一方の側面に設けられ金型103、104同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム105を供給する供給機構106と、可動盤101の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム105を巻取る巻取り機構107と、金型103、104表面と転写フィルム105との距離及び平行度を調整する調整ローラ108と、金型103、104同士の間に供給された転写フィルム105の供給位置を検出する検出手段109とを備えている。
【0004】
検出手段109は、固定盤102と相対した可動盤101表面において金型103の外方部に設けられ、検出手段109の上方に転写フィルム105が位置する構成となっている。この検出手段109は、図4に示すように、縦位置検出用センサー110と横位置検出用センサー111とを備え、該センサー110、111は、可動盤101の表面に断面L字状のブラケット112を介して設けられた構成となっている。
【0005】
また、金型103、104の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部113、114が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。さらに、金型104及び固定盤102の内部にはキャビティ形成部114と連通しキャビティ形成部113、114が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部115が設けられている。また、金型103及び可動盤101の内部には、キャビティ形成部113の底面部と連通し金型103、104同士の間に供給された転写フィルム105をキャビティ形成部113の底面部に吸着保持するバキューム流路116が設けられている。
【0006】
ここで、転写フィルム105は、図4に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層117が形成され、印刷層117は転写フィルム105の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム105の一方の周縁部には、印刷層117同士の間に点状の縦位置検出用標識118が転写フィルム105の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識119が形成されている。
【0007】
ここで、上記センサー110、111は、それぞれ上記標識118、119と対応した位置に設けられている。すなわち、転写フィルム105が、供給機構106により金型103、104同士の間に供給され、上記センサー110、111が上記標識118、119を検出した際、転写フィルム105表面に形成された印刷層117が、上記キャビティの平面視においてその中央部に位置するように構成されている。
【0008】
ここで、上述のように構成されたインモールド転写装置100により上記成形同時転写品を形成するに際し、上記キャビティの配設位置に対する転写フィルム105表面に形成された印刷層117の供給位置の精度が不十分である場合には、転写位置のズレ等の製造上の不具合を発生させる場合がある。このため、上記供給位置を高精度に実現する必要があり、この際の精度調整は、上記センサー110、111及び上記金型103、104の配設位置を調整することによりなされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の成形同時転写品の製造装置によれば、キャビティ形成部113、114を備えた金型103、104と、調整部位である検出手段109とは、各別に可動盤101表面に設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため金型103、104を交換取付けした場合、金型103、104に形成されたキャビティ形成部113、114の配設位置が、転写フィルム105の元からある供給位置に対してずれが生じる、すなわち、キャビティ形成部113、114の平面視において、その中央部に転写フィルム105の印刷層117を供給できない場合がある。この場合、上記供給位置を高精度に実現するためには、金型103、104の配設位置の調整のみならず、検出手段109の配設位置のも調整する必要があり、調整工数がかかるという問題があった。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、製造サイズを変更する場合等のため金型を交換取付けするに際し、キャビティの配設位置に対する転写フィルムの供給位置を調整する調整工数を最小限に抑制することが可能な成形同時転写品の製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、接近離間可能に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型間に、転写印刷可能な印刷層が設けられた転写フィルムを供給する供給機構と、上記転写フィルムの上記キャビティに対する供給位置を検出する検出手段と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部とを備え、該供給部から上記キャビティ内に供給された溶融樹脂を成形するとともに、該成形品表面に上記転写フィルムの印刷層から転写印刷された成形同時転写品を形成する成形同時転写品の製造装置であって、上記一対の金型の少なくとも一方の金型に上記検出手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る成形同時転写品の製造装置によれば、上記検出手段が、上記一対の金型の少なくとも一方の金型に直接設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため上記一対の金型を交換取付けしても、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記検出手段の配設位置を常に一定に維持することが可能になる。これにより、上記サイズ変更の際の、上記キャビティ形成部の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整を上記金型の配設位置のみについて実施すれば足り、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の成形同時転写品の製造装置であって、上記転写フィルムには標識が設けられ、上記検出手段は上記標識を検出することを特徴とする。
【0014】
この発明に係る成形同時転写品の製造装置によれば、上記標識を上記検出手段が検出することにより、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記転写フィルムの供給位置を決定する構成となっているため、該位置決めを確実になすことが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1、図2は、この発明の一実施形態として示した成形同時転写品の製造装置を説明するための説明図を示すものである。
【0016】
図1に示すインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3の表面に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層が設けられた転写フィル6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整する調整ローラ9とを備えている。
【0017】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内するとともに、転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0018】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0019】
ここで、転写フィルム6は、図2に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
以上の構成は上述した構成と同様である。
【0020】
ここで、図2に示すように、金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部に、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。また、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記センサー32、33が、それぞれ上記標識21、22を検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視においてその中央部に位置している構成となっている。
【0021】
以上のように構成されたインモールド転写装置1により、射出成形品を形成するとともに、形成された成形品表面に模様等を転写印刷する、いわゆる成形同時転写品の製造方法について説明する。
【0022】
図1において、まず、供給機構7により転写フィルム6を金型4,5同士の間に、印刷層20の形成面が金型5と対向した状態で、上記センサー32、33により上記標識21、22が検出されるまで供給する。そして、上記標識が検出され供給機構7が停止した際、転写フィルム6は、図2に示すように、印刷層20がキャビティ形成部11、12の中央部に位置するように配置される。
【0023】
そして、バキューム流路14にバキュームエアを供給し、キャビティ形成部11底面部に転写フィルム6を吸着保持する。その後、可動盤2が、金型4、5同士が当接するまで上昇し、キャビティを形成した後、キャビティ形成部12の底面部から供給部13を介して溶融樹脂を供給し、射出成形品を形成する。この際、射出成形品の表面と転写フィルム6の印刷層20が圧接し、この射出成形品の表面に転写印刷され、成形同時転写品が形成される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態による成形同時転写品の製造装置によれば、上記センサー32、33が、金型4に形成されたキャビティ形成部11の外方部に直接設けられた構成となっている。従って、製造サイズを変更する場合等のため金型4、5を交換取付けしても、キャビティ形成部11、12の配設位置に対する上記センサー32、33の配設位置を常に一定に維持することが可能になる。これにより、上記サイズ変更の際の、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整を金型4、5の配設位置のみについて実施すれば足り、上記センサー32、33の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整は不要になる。従って、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、製造サイズを変更する場合等のため上記一対の金型を交換取付けするに際し、上記キャビティ形成部の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整を、上記金型の配設位置のみについて実施すれば足り、上記調整工数を最小限に抑制することが可能になる。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、上記標識を上記検出手段が検出することにより、上記キャビティ形成部の配設位置に対する上記転写フィルムの供給位置を決定する構成となっているため、該位置決めを確実になすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示した成形同時転写品の製造装置を説明するためのインモールド転写装置の概略図である。
【図2】図1に示すインモールド転写装置の一部拡大平面図である。
【図3】従来のインモールド転写装置の概略図である。
【図4】図3に示すインモールド転写装置の一部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 成形同時転写品の製造装置
4、5 金型
6 転写フィルム
7 供給機構
11、12 キャビティ形成部
13 供給部
20 印刷層
21 縦位置検出用標識(標識)
22 横位置検出用標識(標識)
30、31 凹部
32 縦位置検出センサー(検出手段)
33 横位置検出センサー(検出手段)
Claims (2)
- 接近離間可能に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型間に、転写印刷可能な印刷層が設けられた転写フィルムを供給する供給機構と、上記転写フィルムの上記キャビティに対する供給位置を検出する検出手段と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部とを備え、該供給部から上記キャビティ内に供給された溶融樹脂を成形するとともに、該成形品表面に上記転写フィルムの印刷層から転写印刷された成形同時転写品を形成する成形同時転写品の製造装置であって、
上記一対の金型の少なくとも一方の金型に上記検出手段が設けられていることを特徴とする成形同時転写品の製造装置。 - 請求項1記載の成形同時転写品の製造装置であって、
上記転写フィルムには標識が設けられ、上記検出手段は上記標識を検出することを特徴とする成形同時転写品の製造装置。
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-
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- 2002-06-12 JP JP2002171941A patent/JP2004017326A/ja not_active Abandoned
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