JP2004017325A - インモールド転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビティの転写フィルム表面に沿った配設位置を調整するに際し、その調整工数を最小限に抑制することが可能なインモールド転写装置を提供することにある。
【解決手段】接近離間可能に設けられた一対の盤2、3と、該各盤2、3の互いに相対する表面に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型4、5と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13と、離間させた一対の金型4、5間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7とを備えたインモールド転写装置1であって、各金型4、5は上記各盤2、3表面に複数のノックピン41を介して保持されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】接近離間可能に設けられた一対の盤2、3と、該各盤2、3の互いに相対する表面に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型4、5と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13と、離間させた一対の金型4、5間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7とを備えたインモールド転写装置1であって、各金型4、5は上記各盤2、3表面に複数のノックピン41を介して保持されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融樹脂の射出成形と同時にその表面に模様等を転写印刷するインモールド転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品表面に、例えば模様を付する方法として、転写可能な模様印刷層を設けた転写フィルムをキャビティ内に送り、射出成形と同時に模様を成形品表面に転写するようにした、いわゆるインモールド転写が従来から知られている。
【0003】
このようなインモールド転写を行う装置として、一般に図3に示すようなものが知られている。このインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3がそれぞれ相対する表面上に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整するとともに転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内する調整機構9とを備えている。
【0004】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。また、金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0005】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0006】
ここで、転写フィルム6は、図4に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
【0007】
金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部に、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22の形成位置と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。
【0008】
ここで、上述したように、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に形成された上記標識21、22の形成位置と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記各センサー32、33が、上記標識21、22を各別に同時に検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視において所望の位置に位置している構成となる。
【0009】
また、各金型4、5表面において、キャビティ形成部11、12の外方部には、ザグリ孔及び該ザグリ孔と同軸に且つ小径とされた複数の貫通孔が形成されている。該貫通孔には、ボルト40が嵌挿されるとともに、可動盤2及び固定盤3表面において、上記貫通孔と対応した位置にそれぞれ形成された雌ネジにねじ込まれ、各金型4、5が可動盤2、固定盤3表面にそれぞれ保持された構成となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のインモールド転写装置によれば、製造サイズの変更等のために金型4、5を交換取付けする際には、各金型4、5表面に形成されたキャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置を調整する必要ある。すなわち、上記交換取付けした際、その取付け位置が適切か否かを判断するため、実際に試作し射出成形品の表面において所望の位置に転写印刷されているか否かを確認する必要がある。この際、取付け位置が不適切である場合には、ボルト40を緩め、金型4、5の転写フィルム6表面に沿った配設位置を調整する必要があり、調整工数がかかるという問題があった。さらに、ボルト40と、ボルト40が嵌挿される上記貫通孔との間には間隙があるため、繰返し射出成形すると、金型4、5の転写フィルム6表面に沿った配設位置がずれる場合があり、維持調整工数もかかるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、キャビティの転写フィルム表面に沿った配設位置を調整するに際し、その調整工数を最小限に抑制することが可能なインモールド転写装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、接近離間可能に設けられた一対の盤と、該各盤の互いに相対する表面に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部と、離間させた上記一対の金型間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルムを供給する供給機構とを備えたインモールド転写装置であって、上記各金型は上記各盤表面に複数のノックピンを介して保持されていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るインモールド転写装置によれば、上記転写フィルム表面に形成された印刷層が、上記キャビティの上記転写フィルム表面に沿った配設位置において所望の位置に供給されるように、予め上記各盤表面に複数の上記ノックピンを突出させて設けておくとともに、上記金型の上記各盤との当接面において上記ノックピンの配設位置と対応した位置に複数の孔を設けておく構成を実現することが可能になる。すなわち、上記各金型を上記各盤表面に保持するに際し、上記ノックピンを上記孔に密着嵌合させることにより、上記印刷層が、上記キャビティの上記転写フィルム表面に沿った配設位置において所望の位置に供給されるように、上記各金型を位置決めすることが可能になる。従って、上記金型の上記配設位置の調整工数を削減することが可能になる。さらに、上記各金型は、上記ノックピンが上記孔に密着嵌合され、上記各盤表面に保持された構成となっているため、繰返し射出成形しても上記金型の配設位置がずれることがない。従って、維持調整工数も削減することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態として示したインモールド転写装置を示すものである。このインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3がそれぞれ相対する表面上に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整するとともに転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内する調整機構9とを備えている。
【0015】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。また、金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0016】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0017】
ここで、転写フィルム6は、図2に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
【0018】
金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部には、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22の形成位置と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。
【0019】
ここで、上述したように、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に形成された上記標識21、22の形成位置と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記各センサー32、33が、上記標識21、22を各別に同時に検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視において所望の位置に位置している構成となる。
【0020】
また、各金型4、5表面において、キャビティ形成部11、12の外方部には、ザグリ孔及び該ザグリ孔と同軸に且つ小径とされた複数の貫通孔が形成されている。該貫通孔には、ボルト40が嵌挿されるとともに、可動盤2及び固定盤3表面において、上記貫通孔と対応した位置にそれぞれ形成された雌ネジにねじ込まれ、各金型4、5が可動盤2又は固定盤3表面に保持された構成となっている。
以上の構成は上述した構成と同様である。
【0021】
ここで、各金型4、5において、キャビティ形成部11、12の形成面と相対する面、すなわち可動盤2、固定盤3表面との当接面には、キャビティ形成部11、12の平面視においてキャビティ形成部11、12の外方部に、複数の孔42が形成されている。また、可動盤2、固定盤3の互いに相対する各表面には、突出して複数のノックピン41が設けられ、ノックピン41は、各金型4、5に形成された孔42に密着嵌合された構成となっている。
【0022】
この状態において、転写フィルム6表面に形成された上記各標識21、22の転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、金型4表面に形成された上記各センサー32、33の上記幅方向に対する配設位置と対応するとともに、転写フィルム6表面に形成された印刷層20の、転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、キャビティ形成部11、12の上記幅方向に対する配設位置と対応した構成となっている。すなわち、各金型4、5を上記各盤2、3表面に保持するに際し、各金型4、5に形成された孔42に、上記各盤2、3に設けられたノックピン41を密着嵌合させることにより、キャビティ形成部11、12の上記配設位置が決定される構成となっている。
【0023】
以上のように構成されたインモールド転写装置1により、射出成形品を形成するとともに、形成された成形品表面に模様等を転写印刷する、いわゆる成形同時転写品の製造方法について説明する。
【0024】
まず、供給機構7により転写フィルム6を金型4,5同士の間に供給する。この際、転写フィルム6は、転写可能な印刷層が設けられた面が金型5と対向するように供給されている。そして、可動盤2及び金型4内部に設けられたバキューム流路14にバキュームエアを供給し、転写フィルム6をキャビティ形成部11底面部に吸着保持する。
【0025】
この状態で、可動盤2を図示しない駆動手段により金型4、5の相対する表面同士が当接するまで上昇させる。これによりキャビティ形成部11、12が閉空間すなわちキャビティを形成し、このキャビティ内に供給部13から溶融樹脂を射出供給し、射出成形品を形成する。この際、射出成形品の表面と転写フィルム6の印刷層が圧接し、この射出成形品の表面に転写印刷され、成形同時転写品が形成される。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によるインモールド転写装置によれば、転写フィルム6表面に形成された印刷層20の、転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置において所望の位置となるように、上記各盤2、3表面に複数のノックピン41を突出させて設けるとともに、各金型4、5の上記各盤2、3との当接面においてノックピン41の配設位置と対応した位置に複数の孔42を設ける構成となっている。
【0027】
すなわち、各金型4、5を上記各盤2、3表面に保持するに際し、上記各盤2、3表面に突出して設けられたノックピン41を、各金型4、5表面に設けられた孔42に密着嵌合させることにより、印刷層20の上記供給位置が、キャビティ形成部11、12の上記配設位置において所望の位置となるように、各金型4、5が位置決めされる構成となっている。これにより、製造サイズの変更等のため、各金型4、5を交換取付けした際、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整が不要となり、この位置調整工数を削減することが可能になる。
【0028】
さらに、各金型4、5は、ノックピン41が孔42に密着嵌合され、上記各盤2、3表面に保持された構成となっているため、繰返し射出成形してもキャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置がずれることがない。従って、維持調整工数も削減することが可能になる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、上記金型を交換取付けした際、該金型の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整が不要となり、該位置調整の工数を最小限に抑制することが可能になる。さらに、繰返し射出成形しても上記金型の配設位置がずれることがないため、維持調整工数も削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示したインモールド転写装置の概略図である。
【図2】図1に示すインモールド転写装置の拡大平面図である。
【図3】従来のインモールド転写装置の概略図である。
【図4】図3に示すインモールド転写装置の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 インモールド転写装置
2 可動盤
3 固定盤
4、5 金型
6 転写フィルム
7 供給機構
11、12 キャビティ形成部
13 供給部
20 印刷層
41 ノックピン
42 孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融樹脂の射出成形と同時にその表面に模様等を転写印刷するインモールド転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形品表面に、例えば模様を付する方法として、転写可能な模様印刷層を設けた転写フィルムをキャビティ内に送り、射出成形と同時に模様を成形品表面に転写するようにした、いわゆるインモールド転写が従来から知られている。
【0003】
このようなインモールド転写を行う装置として、一般に図3に示すようなものが知られている。このインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3がそれぞれ相対する表面上に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整するとともに転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内する調整機構9とを備えている。
【0004】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。また、金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0005】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0006】
ここで、転写フィルム6は、図4に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
【0007】
金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部に、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22の形成位置と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。
【0008】
ここで、上述したように、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に形成された上記標識21、22の形成位置と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記各センサー32、33が、上記標識21、22を各別に同時に検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視において所望の位置に位置している構成となる。
【0009】
また、各金型4、5表面において、キャビティ形成部11、12の外方部には、ザグリ孔及び該ザグリ孔と同軸に且つ小径とされた複数の貫通孔が形成されている。該貫通孔には、ボルト40が嵌挿されるとともに、可動盤2及び固定盤3表面において、上記貫通孔と対応した位置にそれぞれ形成された雌ネジにねじ込まれ、各金型4、5が可動盤2、固定盤3表面にそれぞれ保持された構成となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のインモールド転写装置によれば、製造サイズの変更等のために金型4、5を交換取付けする際には、各金型4、5表面に形成されたキャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置を調整する必要ある。すなわち、上記交換取付けした際、その取付け位置が適切か否かを判断するため、実際に試作し射出成形品の表面において所望の位置に転写印刷されているか否かを確認する必要がある。この際、取付け位置が不適切である場合には、ボルト40を緩め、金型4、5の転写フィルム6表面に沿った配設位置を調整する必要があり、調整工数がかかるという問題があった。さらに、ボルト40と、ボルト40が嵌挿される上記貫通孔との間には間隙があるため、繰返し射出成形すると、金型4、5の転写フィルム6表面に沿った配設位置がずれる場合があり、維持調整工数もかかるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、キャビティの転写フィルム表面に沿った配設位置を調整するに際し、その調整工数を最小限に抑制することが可能なインモールド転写装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、接近離間可能に設けられた一対の盤と、該各盤の互いに相対する表面に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部と、離間させた上記一対の金型間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルムを供給する供給機構とを備えたインモールド転写装置であって、上記各金型は上記各盤表面に複数のノックピンを介して保持されていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るインモールド転写装置によれば、上記転写フィルム表面に形成された印刷層が、上記キャビティの上記転写フィルム表面に沿った配設位置において所望の位置に供給されるように、予め上記各盤表面に複数の上記ノックピンを突出させて設けておくとともに、上記金型の上記各盤との当接面において上記ノックピンの配設位置と対応した位置に複数の孔を設けておく構成を実現することが可能になる。すなわち、上記各金型を上記各盤表面に保持するに際し、上記ノックピンを上記孔に密着嵌合させることにより、上記印刷層が、上記キャビティの上記転写フィルム表面に沿った配設位置において所望の位置に供給されるように、上記各金型を位置決めすることが可能になる。従って、上記金型の上記配設位置の調整工数を削減することが可能になる。さらに、上記各金型は、上記ノックピンが上記孔に密着嵌合され、上記各盤表面に保持された構成となっているため、繰返し射出成形しても上記金型の配設位置がずれることがない。従って、維持調整工数も削減することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態として示したインモールド転写装置を示すものである。このインモールド転写装置1は、昇降自在に支持された可動盤2と、可動盤2と相対して設けられた固定盤3と、可動盤2及び固定盤3がそれぞれ相対する表面上に設けられた金型4、5と、可動盤2の一方の側面に設けられ金型4、5同士の間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルム6を供給する供給機構7と、可動盤2の他方の側面に設けられ成形品表面に転写された後の転写フィルム6を巻取る巻取り機構8と、金型4、5表面と転写フィルム6との距離及び平行度を調整するとともに転写フィルム6を金型4、5表面近傍に案内する調整機構9とを備えている。
【0015】
供給機構7と、巻取り機構8と、調整ローラ9とは、可動盤2の側面に設けられた支持体10に取付けられ、調整ローラ9は供給機構7から供給された転写フィルム6を引張状態にするよう位置している。また、金型4、5の表面には、それぞれ相対する方向に開口したキャビティ形成部11、12が設けられ、これらの底面部及び壁面部には離型化処理が施されている。
【0016】
さらに、金型5及び固定盤3の内部にはキャビティ形成部12と連通しキャビティ形成部11、12が形成するキャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部13が設けられている。また、金型4及び可動盤2の内部には、キャビティ形成部11の底面部と連通し金型4、5同士の間に供給された転写フィルム6をキャビティ形成部11の底面部に吸着保持するバキューム流路14が設けられている。
【0017】
ここで、転写フィルム6は、図2に示すように、帯状の形状をなしており、その幅方向の中央部には上述した印刷層20が形成され、印刷層20は転写フィルム6の長手方向に所定の間隔で断続的に形成されている。また、転写フィルム6の一方の周縁部には、印刷層20同士の間に点状の縦位置検出用標識21が転写フィルム6の長手方向に断続的に形成され、他方の周縁部には、長手方向に連続する帯状の横位置検出用標識22が形成されている。
【0018】
金型4表面においてキャビティ形成部11の外方部には、転写フィルム6の供給方向後方側に2つの凹部30、31が転写フィルム6の幅方向に並列して設けられるとともに、後述するように、転写フィルム6表面に設けられた上記標識21、22の形成位置と対応する位置に設けられている。この凹部30、31の内部には、縦位置検出センサー32、横位置検出センサー33がそれぞれ設けられ、これらのセンサー32、33は、金型4の表面より下側に位置した構成となっている。
【0019】
ここで、上述したように、上記センサー32、33は、凹部30、31に設けられることにより、転写フィルム6表面に形成された上記標識21、22の形成位置と対応した位置に設けられることになる。すなわち、上記各センサー32、33が、上記標識21、22を各別に同時に検出した際、転写フィルム6表面に設けられた印刷層20が、キャビティ形成部11、12の平面視において所望の位置に位置している構成となる。
【0020】
また、各金型4、5表面において、キャビティ形成部11、12の外方部には、ザグリ孔及び該ザグリ孔と同軸に且つ小径とされた複数の貫通孔が形成されている。該貫通孔には、ボルト40が嵌挿されるとともに、可動盤2及び固定盤3表面において、上記貫通孔と対応した位置にそれぞれ形成された雌ネジにねじ込まれ、各金型4、5が可動盤2又は固定盤3表面に保持された構成となっている。
以上の構成は上述した構成と同様である。
【0021】
ここで、各金型4、5において、キャビティ形成部11、12の形成面と相対する面、すなわち可動盤2、固定盤3表面との当接面には、キャビティ形成部11、12の平面視においてキャビティ形成部11、12の外方部に、複数の孔42が形成されている。また、可動盤2、固定盤3の互いに相対する各表面には、突出して複数のノックピン41が設けられ、ノックピン41は、各金型4、5に形成された孔42に密着嵌合された構成となっている。
【0022】
この状態において、転写フィルム6表面に形成された上記各標識21、22の転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、金型4表面に形成された上記各センサー32、33の上記幅方向に対する配設位置と対応するとともに、転写フィルム6表面に形成された印刷層20の、転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、キャビティ形成部11、12の上記幅方向に対する配設位置と対応した構成となっている。すなわち、各金型4、5を上記各盤2、3表面に保持するに際し、各金型4、5に形成された孔42に、上記各盤2、3に設けられたノックピン41を密着嵌合させることにより、キャビティ形成部11、12の上記配設位置が決定される構成となっている。
【0023】
以上のように構成されたインモールド転写装置1により、射出成形品を形成するとともに、形成された成形品表面に模様等を転写印刷する、いわゆる成形同時転写品の製造方法について説明する。
【0024】
まず、供給機構7により転写フィルム6を金型4,5同士の間に供給する。この際、転写フィルム6は、転写可能な印刷層が設けられた面が金型5と対向するように供給されている。そして、可動盤2及び金型4内部に設けられたバキューム流路14にバキュームエアを供給し、転写フィルム6をキャビティ形成部11底面部に吸着保持する。
【0025】
この状態で、可動盤2を図示しない駆動手段により金型4、5の相対する表面同士が当接するまで上昇させる。これによりキャビティ形成部11、12が閉空間すなわちキャビティを形成し、このキャビティ内に供給部13から溶融樹脂を射出供給し、射出成形品を形成する。この際、射出成形品の表面と転写フィルム6の印刷層が圧接し、この射出成形品の表面に転写印刷され、成形同時転写品が形成される。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によるインモールド転写装置によれば、転写フィルム6表面に形成された印刷層20の、転写フィルム6の幅方向に対する供給位置が、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置において所望の位置となるように、上記各盤2、3表面に複数のノックピン41を突出させて設けるとともに、各金型4、5の上記各盤2、3との当接面においてノックピン41の配設位置と対応した位置に複数の孔42を設ける構成となっている。
【0027】
すなわち、各金型4、5を上記各盤2、3表面に保持するに際し、上記各盤2、3表面に突出して設けられたノックピン41を、各金型4、5表面に設けられた孔42に密着嵌合させることにより、印刷層20の上記供給位置が、キャビティ形成部11、12の上記配設位置において所望の位置となるように、各金型4、5が位置決めされる構成となっている。これにより、製造サイズの変更等のため、各金型4、5を交換取付けした際、キャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置の調整が不要となり、この位置調整工数を削減することが可能になる。
【0028】
さらに、各金型4、5は、ノックピン41が孔42に密着嵌合され、上記各盤2、3表面に保持された構成となっているため、繰返し射出成形してもキャビティ形成部11、12の転写フィルム6表面に沿った配設位置がずれることがない。従って、維持調整工数も削減することが可能になる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、上記金型を交換取付けした際、該金型の上記転写フィルム表面に沿った配設位置の調整が不要となり、該位置調整の工数を最小限に抑制することが可能になる。さらに、繰返し射出成形しても上記金型の配設位置がずれることがないため、維持調整工数も削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示したインモールド転写装置の概略図である。
【図2】図1に示すインモールド転写装置の拡大平面図である。
【図3】従来のインモールド転写装置の概略図である。
【図4】図3に示すインモールド転写装置の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 インモールド転写装置
2 可動盤
3 固定盤
4、5 金型
6 転写フィルム
7 供給機構
11、12 キャビティ形成部
13 供給部
20 印刷層
41 ノックピン
42 孔
Claims (1)
- 接近離間可能に設けられた一対の盤と、該各盤の互いに相対する表面に設けられ両者間にキャビティが形成された一対の金型と、上記キャビティ内に溶融樹脂を供給する供給部と、離間させた上記一対の金型間に転写可能な印刷層を設けた転写フィルムを供給する供給機構とを備えたインモールド転写装置であって、
上記各金型は上記各盤表面に複数のノックピンを介して保持されていることを特徴とするインモールド転写装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002171940A JP2004017325A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | インモールド転写装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002171940A JP2004017325A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | インモールド転写装置 |
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JP2004017325A true JP2004017325A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31171670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002171940A Abandoned JP2004017325A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | インモールド転写装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004017325A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2133188A1 (en) * | 2008-06-10 | 2009-12-16 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Injection molding apparatus and injection molding method |
CN101468498B (zh) * | 2007-12-27 | 2011-08-31 | 和硕联合科技股份有限公司 | 模内装饰成型机的成型模具 |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171940A patent/JP2004017325A/ja not_active Abandoned
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