JP2004017278A - 電動ドリルによる切削屑の飛散防止器 - Google Patents

Abstract

【目的】鉄材への電動ドリルによる穴あけ加工時に発生する切削屑の飛散を防止する。
【構成】鉄材３への穴あけ加工のさい、上部が貫通した麦藁帽子状の支持部材２にリング状の永久磁石１を装着して被穴あけ加工部４を覆うように吸着固定することにより、回転刃物６のエネルギーにより飛び散る切削屑が支持部材２の外部へ出ないようにし、且つ切削屑の回収を容易に行なえる切削屑の飛散防止器。
【選択図】　　　図４

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄材の電動ドリルによる穴あけ加工時の切削屑の飛散防止に関する。
【０００２】
【従来の技術】
鉄材の電動ドリルによる穴あけ加工の場合刃物の回転力により切削屑が周囲３６０度にわたり飛散する為、場合によっては飛散防止策が必要となる。
その場合穴あけ加工部の周辺に紙や布をビニルテープ等で貼りつけて養生したり、リング状の永久磁石を穴あけ加工部に直接吸着固定させ磁力により切削屑を吸着させて飛散防止策としている。又、特許出願公開番号・特開平９−１２３０９５においては回転刃に対して覆っている部分が少ない為、磁力以上のエネルギーで飛散する切削屑は防止できず実用的ではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記の紙や布による養生の飛散防止策は穴あけ加工部周辺のかなり広い範囲を覆わなければならず手間がかかる。
又、リング状の永久磁石による飛散防止策にあっては、磁石の吸引力以上のエネルギーで飛散する切削屑は回収出来ない為著しく飛散防止精度が劣ると共に穴あけ加工後にリング状永久磁石に吸着した切削屑を除去するのが特に困難な作業となり不便である。
【０００４】
本発明は上記のごとく、鉄材の穴あけ加工時の切削屑の飛散防止策の問題点を合理的に解消させ得るものとした切削屑の飛散防止器を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する為、本発明は透明プラスチックパイプの底面外周に全周の鍔部を備えパイプ上面内周の全周に出っ張りを施して一体形成された支持部材に、リング状の永久磁石をパイプ上面から通して底面の鍔部を介して磁力によって鉄材の被穴あけ加工部を覆うように吸着固定して使用し、穴あけ加工後は支持部材のパイプ部を持ってリング状の永久磁石ごと鉄材から取り外して、リング状の永久磁石を支持部材から抜き取れば切削屑がリング状の永久磁石に吸着する事なく回収出来ることを特徴とする。
【０００６】
【作用】
鉄材の穴あけ加工時にリング状の永久磁石を被あけ加工部に直接吸着固定させないため穴あけ加工後に切削屑が、リング状の永久磁石に吸着しない。
又、支持部材のパイプ部が覆いとなり切削屑の飛散防止精度が格段に向上し、切削屑の回収も容易に行なえる。
【０００７】
【実施例】
以下本発明の具体的な実施例を図面により詳細に説明する。図１はリング状の永久磁石の斜視図。図２は本発明の切削屑の飛散を防止する支持部材の構造の斜視図。図３は支持部材にリング状の永久磁石を装着した状態を示す斜視図。図４は使用例の説明図。図５は切削屑の状態の説明図。図６は切削屑を回収している状態の説明図である。
【０００８】
図２の支持部材２において２ｂは鍔部。２ａは被穴あけ加工部を覆う為のパイプ部である。２ｃは切削屑回収時に磁石への吸着を防ぐ出っ張り部である。
図２の２ａ、２ｂ、２ｃ、は透明プラスチック材により一体形成されている。
【０００９】
使用例としては図４の如く穴あけ加工を施す対象となる鉄材３の被穴あけ加工部４が、支持部材２の中心になるようにリング状の永久磁石１の磁力により吸着固定する。この状態で電動ドリル５に装着された回転刃物６により穴あけ加工を行なう。
そのさい切削屑は回転刃物６の影響により飛散するが、支持部材２のパイプ部２ａが覆いとなり外部に飛散することなくリング状の永久磁石１の磁力によりパイプ部２ａ内に吸着集積される。
【００１０】
穴あけ加工後は図４の支持部材２にリング状の永久磁石１を装着したまま取り外すと、図５の如く切削屑７はリング状の永久磁石１の磁力によりパイプ部２ａ内に吸着集積されたままである。
【００１１】
切削屑７の回収は図６の如くリング状の永久磁石１を支持部材２の上方へ抜き取って行なう。そのさい切削屑７は磁力の影響によりリング状の永久磁石１と共にパイプ部２ａの内部の上方へ引っ張り上げられるが、出っ張り部２ｃに引っ掛かりパイプ部２ａより外部に出ることなくパイプ部２ａの下方へ落ちていくので回収が容易である。
【００１２】
【発明の効果】
以上の如く構成した本発明によれば、電気制御盤や精密機械などの周辺機器に配慮を要する箇所への穴あけ加工時に必要とされてきた切削屑の飛散防止の為の養生作業が不要となり、飛散防止精度も向上し、切削屑の回収も容易である。なお支持部材は透明プラスチックの一体形成による簡単な構成であり且つ繰り返し使用出来る為、極めて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るリング状の永久磁石の斜視図である。
【図２】本発明に係る支持部材の構造の斜視図である。
【図３】本発明に係る支持部材にリング状の永久磁石を装着して関係を示す斜視図である。
【図４】本発明に係る使用例の説明図である。
【図５】本発明に係る使用後の切削屑の状態を示す説明図である。
【図６】本発明に係る使用後の切削屑の回収状態を示す説明図である。
【符号の説明】
１．リング状の永久磁石
２．支持部材
２ａ．パイプ部
２ｂ．鍔部
２ｃ．出っ張り部
３．鉄材
４．被穴あけ加工部
５．電動ドリル
６．回転刃物
７．切削屑

Claims (1)

1. 鉄材への電動ドリルによる穴あけ加工にさいし、パイプ状の底面外周に全周の鍔部を備えパイプ上面内周の全周に出っ張りを施した支持部材にリング状の永久磁石をパイプ上面から通して底面の鍔部を介して磁力によって鉄材に吸着固定させ、被穴あけ加工部をパイプ内周面で覆う事により穴あけ加工時の切削屑の飛散を防止し、かつ切削屑がリング状の永久磁石に直接吸着せず容易に回収できる事を特徴とする切削屑の飛散防止器。

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