JP2004017222A - ワイヤソー切断装置及びワーク切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断中の多溝ローラの熱膨張を低減し、うねりが小さく厚さの均一なウェハを常に安定して得ることのできるワイヤソー切断装置及びワーク切断方法を得る。
【解決手段】複数本の多溝ローラ11〜13間に螺旋状に巻きまわされたワイヤ2をワーク9に押し付けつつ、加工液5をワーク9とワイヤ2の接点に供給しながら、ワイヤ2を走行移動させることによってワーク9をウェハ状に切断するワーク切断方法において、切断中に、ワイヤ2とワーク9の接点に加工液(噴射流5a)を供給する一方、少なくともワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13の表面に、上記ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)と同じか又は同質の加工液(噴射流5b)を噴射し、上記多溝ローラ12、13の熱膨張を低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数本の多溝ローラ11〜13間に螺旋状に巻きまわされたワイヤ2をワーク9に押し付けつつ、加工液5をワーク9とワイヤ2の接点に供給しながら、ワイヤ2を走行移動させることによってワーク9をウェハ状に切断するワーク切断方法において、切断中に、ワイヤ2とワーク9の接点に加工液(噴射流5a)を供給する一方、少なくともワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13の表面に、上記ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)と同じか又は同質の加工液(噴射流5b)を噴射し、上記多溝ローラ12、13の熱膨張を低減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料、磁性材料、セラミックスなどの被加工物たるワークをウェハ状に切断する際に、ウェハの厚さムラ、そりを小さくすることができるようにしたワイヤソー切断装置及びワーク切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に従来のワイヤソー切断装置を示す。これは半導体インゴット等のワーク(被加工物)を多数の薄片状に切断するワイヤソー切断装置であり、一方のワイヤリールから繰り出されたワイヤ2を複数の多溝ローラ(溝付ローラ)11、12、13に螺旋状に巻き掛けてワイヤ列を形成し、他方のワイヤリールに巻き取ると共に、前記ワイヤ列をワーク9に押し付けつつ、ワイヤ2に対するノズル20より、ワーク9とワイヤ2との接点ないし接触部に砥粒を含むスラリーから成る加工液を供給し、ワイヤ2を走行移動させることによって、ワーク9を一度に多数枚のウェハに切断する。ここで切断は、ワーク9とワイヤ2間で営まれるところの、加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果によって行われる。
【0003】
ワーク9の切断中は多溝ローラ11、12、13を支承するローラ軸受け部21、22、23に摩擦熱が発生し、その摩擦熱が多溝ローラに伝わり、多溝ローラが熱膨張し軸方向に伸びる。このためローラに巻かれたワイヤのピッチが切断中に変化し、切り出されるウェハの厚さが不均一となり、該ウェハに大きなうねりが発生する。また、ワイヤの撓み量も大きくなりさらにうねりを大きくさせ高い加工精度を確保できないという問題がある。
【0004】
そこで、従来、図4に示すように、ノズル24、25、26をローラ軸受け部21、22、23に対向配置し、このノズル24、25、26から加工液を流出させて、ローラ軸受け部21、22、23に流し当て、軸受け部で発生した摩擦熱を吸熱することが提案されている(特許第2516717号公報)。
【0005】
これによれば、軸心に主油路を形成し、軸受け部21、22、23にもこれに連通する流路を形成した構造下でも、オイルの流れによって軸心の一端から他端へ向けて温度勾配が生じることがなく、熱膨張率が軸心の長手方向に沿って不均一となることがない。また冷却媒体として、ワイヤ2に流し当てる加工液を用いるので、ワイヤ2に流し当てた液とローラ軸受け部21、22、2に流し当てた液との混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多溝ローラ11、12、13を構成するスリーブは、ワイヤ寿命を長くするために合成樹脂が用いられ、断熱材であるので、加工液をローラ軸受け部21、22、23に流し当てる構成では、ローラ軸受け部21、21間、22、22間、23、23間に存在するところの多溝ローラ11、12、13自体を直接的に冷却することができない。そこで、多溝ローラが熱膨張することに起因して、切断後のウェハに厚さムラが発生したり、ウェハの反りが大きくなってしまうという問題について、常に安定してより精密な切断のできる技術が求められる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、切断中の多溝ローラの熱膨張を低減し、うねりが小さく厚さの均一なウェハを常に安定して得ることのできるワイヤソー切断装置及びワーク切断方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0009】
請求項1の発明に係るワイヤソー切断装置は、複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワイヤソー切断装置において、上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に対向させて、当該多溝ローラに上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射するノズルを配設したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤソー切断装置において、上記複数本の多溝ローラの各々に対し上記ノズルを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたワイヤソー切断装置において、上記多溝ローラに噴射する加工液の供給路中に供給量を調整するバルブを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載したワイヤソー切断装置において、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流す流路を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明に係るワーク切断方法は、複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワーク切断方法において、切断中に、ワイヤとワークの接点に加工液を供給する一方、上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載のワーク切断方法において、上記複数本の多溝ローラの各々に対し、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載のワーク切断方法において、上記多溝ローラに噴射する加工液の量をバルブで調整することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載のワーク切断方法において、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流し、該軸受け部を冷却することを特徴とする。
【0017】
<発明の要点>
本発明は、切断中にワイヤとワークの接点に供給する加工液とは別に、複数本の多溝ローラのそれぞれの表面、又は少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、加工部の接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射させる装置又は切断方法にある。
【0018】
加工液が多溝ローラ自体に直接的に供給されて冷却作用を営むことから、切断中の多溝ローラの熱膨張を低減することができ、うねりが小さく厚さが均一なウェハを常に安定して得ることができる。
【0019】
また冷却媒体として、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液を噴射させることにより、両者の液の混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0020】
さらにまた、多溝ローラを支承する軸受け部に、冷却水を流し、該軸受け部を冷却する構造とすることにより、更に効果的に冷却し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0022】
本発明のワイヤソー切断装置の構造、切断方法を図1〜図2に示す。
【0023】
3つの多溝ローラ11、12、13が三角形の頂点に来るように配設され、これら3つの多溝ローラ11、12、13の各環状溝には、1本の線材より成るワイヤ2が所定のピッチで螺旋状に巻回されている。
【0024】
上記3つのローラ11、12、13のうち下方の2つのローラ12、13の間には、両ローラよりも下方の位置において切断ステージたるワークテーブル10が配設されている。そして、このワークテーブル10にはワーク昇降用モータ(図示せず)が設けられている。ワーク9は、このワークテーブル10に固定されてセットされる。セットされたワーク9は、ワーク昇降用モータによりワークテーブル10が上下動せしめられることによって、ワークテーブル10と共に上下動する。
【0025】
また、上方のローラ11は駆動ローラであって、これには、当該ローラを回転駆動(正逆転)するローラ駆動用モータ(図示せず)が設けられ、このローラ駆動用モータにより、ワイヤ2が走行移動される構造となっている。このワイヤ2の走行移動は、一定量前進(例えば10m)及び一定量後退(例えば9m)を繰り返し、全体として歩進的に前進するように行われる。
【0026】
3はこの加工部用の加工液供給ノズルであり、加工液タンク6に入れられた砥粒を含むスラリーから成る加工液5が、加工液供給ポンプ7により汲み上げられ、供給系統30を介して供給される。この加工液5は、加工液供給ノズル3から、図1中に噴射流5aとして示すようにスプレー状に噴射されて又は流し当てる形で、ワーク9とワイヤ2の接点に供給される。なお噴射流5aとして供給される加工液5は温度制御されている。
【0027】
一方、上記3つの多溝ローラ11、12、13のうち、ワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13には、その表面に対向させて、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4が配設されている。この各加工液供給ノズル4は、噴射量を調整するための調整バルブ8を介して、上記加工部用の加工液供給ノズル3が接続されている加工液の供給系統30に接続されている。従って、多溝ローラ12、13の表面には、上記ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)と同じ加工液が、加工液供給ノズル4から噴射されて、図1中に噴射流5bとして示すように流し当てる形で又はスプレー状に供給される。
【0028】
図2は、加工液供給ノズル4の具体的構造例であり、多溝ローラ12、13の溝のある部分にスプレー状に噴射させることができるタイプを示したものである。
【0029】
この図2の加工液供給ノズル4は、多溝ローラ12、13の軸方向に延在するノズル供給管部14と、そのノズル供給管部14の下部に多溝ローラ12、13の軸方向に沿って複数個形成されたスプレーノズル15とから成り、この複数個のスプレーノズル15から噴射される加工液5(噴射流5b)のスプレー範囲により、多溝ローラ12、13の溝のある部分(ワイヤ2との接触部が存在する軸方向領域)の全域がカバーされるように設定されている。
【0030】
多溝ローラ12、13を支承する軸受け部22、23には冷却水を流す流路が形成されており、これに冷却水を流して摩擦熱の発生を押さえる構造となっている。
【0031】
切断時には、ワーク9の両側の多溝ローラ12、13間を走行移動するワイヤ2に、ワークテーブル10と共に上昇移動されるワーク9を押し付けつつ、ワーク9とワイヤ2との接触部に、加工液供給ノズル3から加工液5(噴射流5a)を供給しながら、ワイヤ2を走行移動させることによって、ワーク9をウェハ状に切断する。
【0032】
またこの切断中においては、ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液5(噴射流5a)とは別に、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4から、噴射流5bとして、加工部の接点に対する噴射流5aと同じ加工液5を噴射させ、多溝ローラ12、13に供給する。
【0033】
なお、噴射流5a、5bとして噴射された後の加工液5は、下方に設けた液回収路31に共通に集められて、加工液タンク6内に回収され、再び、加工液供給ポンプ7により加工液供給ノズル3又は4に対して循環供給される。その際、加工液5は温度制御される。また多溝ローラ12、13に噴射する加工液5の流量は途中に設けた調整バルブ8にて調整することができる。
【0034】
上記のように、切断中にワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)とは別に、多溝ローラ12、13に対し、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液5を噴射流5bとして供給することにより、多溝ローラ12、13の熱膨張を低減することが可能となり、切断後のウェハの厚さムラを低減させ、そりを小さくすることが可能となる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0036】
この実施例の場合、ワイヤ2は3本の多溝ローラ11、12、13に螺旋状に巻かれ、ワイヤ2がワーク9と接し、この設置点に加工液が加工液供給ノズル3を介して供給される。ワーク9はワークテーブル10から成る切断ステージに設置される。切断ステージを上昇させ、ワイヤ2がワーク9と接し、加工液5(噴射流5a)を供給しワイヤ2を回転させる。遊離砥粒の含まれた加工液5が供給され、ラッピング効果により、ワーク9を切断する。多溝ローラ12、13には、加工液供給ノズル4を介して同じ加工液5(噴射流5b)が供給され、多溝ローラ12、13の熱膨張を低減することができている。また、多溝ローラ12、13を支承する軸受け部22、23には冷却水を流し、ベアリングの摩擦熱を低減している。
【0037】
各多溝ローラ11、12、13の全長を300mm、使用ワイヤ2にφ0.16mmのものを使用し、4インチGaAs結晶をワーク9として、上記方法にて切断した。このときの多溝ローラ12、13の温度変化を、多溝ローラ12、13に加工液5を噴射させたとき(実施例)と、加工液5を噴射しなかった場合(従来例)の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
ここで、厚さムラは、切断後のウェハの厚さを5点測定し、その最大厚さと最小厚さの差である。また、そり(ろ波うねり曲線)は、断面曲線から、所定の波長より短い表面粗さの成分を位相補償形低域フィルタで除去した曲線である。
【0040】
この表1の測定結果に示すように、多溝ローラの温度変化は、従来例では2.8℃であったが、本実施例では0.9℃と小さくなった。厚さムラについては、従来例では8μmであったが、本実施例では3μmと小さくなった。また、そり(ろ波うねり曲線)も、従来例では20μm/100mmであったが、本実施例では8μm/100mmと小さくなった。
【0041】
上記実施形態では、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流して摩擦熱の発生を押さえる構造としたが、本発明はこの冷却水が流れていない構造の場合にも適用することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、多溝ローラに噴射する加工液が多溝ローラの溝部分全体(軸方向に見た溝部分全域)にかかるようにしたが、多溝ローラの一部(軸方向に見た溝部分の一部)に噴射させる供給ノズルを用いて構成しても良い。
【0043】
さらに上記実施形態では、3本の多溝ローラ11〜13のうち、ワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13だけに、加工液5を噴射流5bとして供給する構造としたが、多溝ローラ11〜13の全てに対し、それぞれ加工液5を噴射させる構造としても良い。
【0044】
また上記実施形態では、多溝ローラが3本である形態について説明したが、本発明は多溝ローラの本数が2本又は4本である形態に対しても適用することができる。
【0045】
さらに上記実施の形態では、スプレーノズル15によりスプレー状に多溝ローラ12、13に加工液を噴射する構造としたが、図3に示すように、加工液供給ノズル4のノズル供給管部14に小穴16をあけ、そこから加工液を流し、多溝ローラ12、13の表面に噴射流5cとして噴射する構造、つまり多溝ローラ12、13の表面に加工液5を流し当てる構造にしても良い。
【0046】
また、上記実施形態では、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に対する加工液供給系統を、加工部用の加工液供給系統30と共通にして、両者に同じ加工液5を用いた。しかし、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に対する加工液供給系統を、ワイヤ2とワーク9の接点に加工液を噴射する加工部用の加工液供給系統30と別にして、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に、ワイヤ2とワーク9の接点に対する加工部用の加工液5と同質の加工液を供給する形態とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、切断中にワイヤとワークの接点に供給する加工液とは別に、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、加工部の接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射させるようにした装置又は切断方法である。従って本発明によれば、加工液が多溝ローラ自体に直接的に供給されて冷却作用を営むことから、切断中の多溝ローラの温度変化を低減することが可能となり、多溝ローラの熱膨張を低減し、切断後のウェハの厚さムラ、反りを小さくすることが可能となる。すなわち、うねりが小さく厚さが均一なウェハを常に安定して得ることができる。
【0048】
また冷却媒体として、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液を噴射させることにより、両者の液の混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0049】
さらにまた、多溝ローラを支承する軸受け部に、冷却水を流し、該軸受け部を冷却する構造とすることにより、更に効果的に冷却し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワーク切断装置の構成を示した概略図である。
【図2】図1の多溝ローラ用の加工液供給ノズルの構成を示した概略図である。
【図3】図1の多溝ローラ用の加工液供給ノズルの変形例を示した概略構成図である。
【図4】従来のワーク切断装置の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
2 ワイヤ
3 加工液供給ノズル(加工部用)
4 加工液供給ノズル(多溝ローラ用)
5 加工液
5a、5b、5c 噴射流
6 加工液タンク
7 加工液供給ポンプ
8 調整バルブ
9 ワーク
10 ワークテーブル
11、12、13 多溝ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料、磁性材料、セラミックスなどの被加工物たるワークをウェハ状に切断する際に、ウェハの厚さムラ、そりを小さくすることができるようにしたワイヤソー切断装置及びワーク切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に従来のワイヤソー切断装置を示す。これは半導体インゴット等のワーク(被加工物)を多数の薄片状に切断するワイヤソー切断装置であり、一方のワイヤリールから繰り出されたワイヤ2を複数の多溝ローラ(溝付ローラ)11、12、13に螺旋状に巻き掛けてワイヤ列を形成し、他方のワイヤリールに巻き取ると共に、前記ワイヤ列をワーク9に押し付けつつ、ワイヤ2に対するノズル20より、ワーク9とワイヤ2との接点ないし接触部に砥粒を含むスラリーから成る加工液を供給し、ワイヤ2を走行移動させることによって、ワーク9を一度に多数枚のウェハに切断する。ここで切断は、ワーク9とワイヤ2間で営まれるところの、加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果によって行われる。
【0003】
ワーク9の切断中は多溝ローラ11、12、13を支承するローラ軸受け部21、22、23に摩擦熱が発生し、その摩擦熱が多溝ローラに伝わり、多溝ローラが熱膨張し軸方向に伸びる。このためローラに巻かれたワイヤのピッチが切断中に変化し、切り出されるウェハの厚さが不均一となり、該ウェハに大きなうねりが発生する。また、ワイヤの撓み量も大きくなりさらにうねりを大きくさせ高い加工精度を確保できないという問題がある。
【0004】
そこで、従来、図4に示すように、ノズル24、25、26をローラ軸受け部21、22、23に対向配置し、このノズル24、25、26から加工液を流出させて、ローラ軸受け部21、22、23に流し当て、軸受け部で発生した摩擦熱を吸熱することが提案されている(特許第2516717号公報)。
【0005】
これによれば、軸心に主油路を形成し、軸受け部21、22、23にもこれに連通する流路を形成した構造下でも、オイルの流れによって軸心の一端から他端へ向けて温度勾配が生じることがなく、熱膨張率が軸心の長手方向に沿って不均一となることがない。また冷却媒体として、ワイヤ2に流し当てる加工液を用いるので、ワイヤ2に流し当てた液とローラ軸受け部21、22、2に流し当てた液との混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多溝ローラ11、12、13を構成するスリーブは、ワイヤ寿命を長くするために合成樹脂が用いられ、断熱材であるので、加工液をローラ軸受け部21、22、23に流し当てる構成では、ローラ軸受け部21、21間、22、22間、23、23間に存在するところの多溝ローラ11、12、13自体を直接的に冷却することができない。そこで、多溝ローラが熱膨張することに起因して、切断後のウェハに厚さムラが発生したり、ウェハの反りが大きくなってしまうという問題について、常に安定してより精密な切断のできる技術が求められる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、切断中の多溝ローラの熱膨張を低減し、うねりが小さく厚さの均一なウェハを常に安定して得ることのできるワイヤソー切断装置及びワーク切断方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0009】
請求項1の発明に係るワイヤソー切断装置は、複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワイヤソー切断装置において、上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に対向させて、当該多溝ローラに上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射するノズルを配設したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤソー切断装置において、上記複数本の多溝ローラの各々に対し上記ノズルを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたワイヤソー切断装置において、上記多溝ローラに噴射する加工液の供給路中に供給量を調整するバルブを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載したワイヤソー切断装置において、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流す流路を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明に係るワーク切断方法は、複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワーク切断方法において、切断中に、ワイヤとワークの接点に加工液を供給する一方、上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載のワーク切断方法において、上記複数本の多溝ローラの各々に対し、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射することを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項5又は6に記載のワーク切断方法において、上記多溝ローラに噴射する加工液の量をバルブで調整することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載のワーク切断方法において、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流し、該軸受け部を冷却することを特徴とする。
【0017】
<発明の要点>
本発明は、切断中にワイヤとワークの接点に供給する加工液とは別に、複数本の多溝ローラのそれぞれの表面、又は少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、加工部の接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射させる装置又は切断方法にある。
【0018】
加工液が多溝ローラ自体に直接的に供給されて冷却作用を営むことから、切断中の多溝ローラの熱膨張を低減することができ、うねりが小さく厚さが均一なウェハを常に安定して得ることができる。
【0019】
また冷却媒体として、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液を噴射させることにより、両者の液の混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0020】
さらにまた、多溝ローラを支承する軸受け部に、冷却水を流し、該軸受け部を冷却する構造とすることにより、更に効果的に冷却し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0022】
本発明のワイヤソー切断装置の構造、切断方法を図1〜図2に示す。
【0023】
3つの多溝ローラ11、12、13が三角形の頂点に来るように配設され、これら3つの多溝ローラ11、12、13の各環状溝には、1本の線材より成るワイヤ2が所定のピッチで螺旋状に巻回されている。
【0024】
上記3つのローラ11、12、13のうち下方の2つのローラ12、13の間には、両ローラよりも下方の位置において切断ステージたるワークテーブル10が配設されている。そして、このワークテーブル10にはワーク昇降用モータ(図示せず)が設けられている。ワーク9は、このワークテーブル10に固定されてセットされる。セットされたワーク9は、ワーク昇降用モータによりワークテーブル10が上下動せしめられることによって、ワークテーブル10と共に上下動する。
【0025】
また、上方のローラ11は駆動ローラであって、これには、当該ローラを回転駆動(正逆転)するローラ駆動用モータ(図示せず)が設けられ、このローラ駆動用モータにより、ワイヤ2が走行移動される構造となっている。このワイヤ2の走行移動は、一定量前進(例えば10m)及び一定量後退(例えば9m)を繰り返し、全体として歩進的に前進するように行われる。
【0026】
3はこの加工部用の加工液供給ノズルであり、加工液タンク6に入れられた砥粒を含むスラリーから成る加工液5が、加工液供給ポンプ7により汲み上げられ、供給系統30を介して供給される。この加工液5は、加工液供給ノズル3から、図1中に噴射流5aとして示すようにスプレー状に噴射されて又は流し当てる形で、ワーク9とワイヤ2の接点に供給される。なお噴射流5aとして供給される加工液5は温度制御されている。
【0027】
一方、上記3つの多溝ローラ11、12、13のうち、ワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13には、その表面に対向させて、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4が配設されている。この各加工液供給ノズル4は、噴射量を調整するための調整バルブ8を介して、上記加工部用の加工液供給ノズル3が接続されている加工液の供給系統30に接続されている。従って、多溝ローラ12、13の表面には、上記ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)と同じ加工液が、加工液供給ノズル4から噴射されて、図1中に噴射流5bとして示すように流し当てる形で又はスプレー状に供給される。
【0028】
図2は、加工液供給ノズル4の具体的構造例であり、多溝ローラ12、13の溝のある部分にスプレー状に噴射させることができるタイプを示したものである。
【0029】
この図2の加工液供給ノズル4は、多溝ローラ12、13の軸方向に延在するノズル供給管部14と、そのノズル供給管部14の下部に多溝ローラ12、13の軸方向に沿って複数個形成されたスプレーノズル15とから成り、この複数個のスプレーノズル15から噴射される加工液5(噴射流5b)のスプレー範囲により、多溝ローラ12、13の溝のある部分(ワイヤ2との接触部が存在する軸方向領域)の全域がカバーされるように設定されている。
【0030】
多溝ローラ12、13を支承する軸受け部22、23には冷却水を流す流路が形成されており、これに冷却水を流して摩擦熱の発生を押さえる構造となっている。
【0031】
切断時には、ワーク9の両側の多溝ローラ12、13間を走行移動するワイヤ2に、ワークテーブル10と共に上昇移動されるワーク9を押し付けつつ、ワーク9とワイヤ2との接触部に、加工液供給ノズル3から加工液5(噴射流5a)を供給しながら、ワイヤ2を走行移動させることによって、ワーク9をウェハ状に切断する。
【0032】
またこの切断中においては、ワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液5(噴射流5a)とは別に、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4から、噴射流5bとして、加工部の接点に対する噴射流5aと同じ加工液5を噴射させ、多溝ローラ12、13に供給する。
【0033】
なお、噴射流5a、5bとして噴射された後の加工液5は、下方に設けた液回収路31に共通に集められて、加工液タンク6内に回収され、再び、加工液供給ポンプ7により加工液供給ノズル3又は4に対して循環供給される。その際、加工液5は温度制御される。また多溝ローラ12、13に噴射する加工液5の流量は途中に設けた調整バルブ8にて調整することができる。
【0034】
上記のように、切断中にワイヤ2とワーク9の接点に供給する加工液(噴射流5a)とは別に、多溝ローラ12、13に対し、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液5を噴射流5bとして供給することにより、多溝ローラ12、13の熱膨張を低減することが可能となり、切断後のウェハの厚さムラを低減させ、そりを小さくすることが可能となる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0036】
この実施例の場合、ワイヤ2は3本の多溝ローラ11、12、13に螺旋状に巻かれ、ワイヤ2がワーク9と接し、この設置点に加工液が加工液供給ノズル3を介して供給される。ワーク9はワークテーブル10から成る切断ステージに設置される。切断ステージを上昇させ、ワイヤ2がワーク9と接し、加工液5(噴射流5a)を供給しワイヤ2を回転させる。遊離砥粒の含まれた加工液5が供給され、ラッピング効果により、ワーク9を切断する。多溝ローラ12、13には、加工液供給ノズル4を介して同じ加工液5(噴射流5b)が供給され、多溝ローラ12、13の熱膨張を低減することができている。また、多溝ローラ12、13を支承する軸受け部22、23には冷却水を流し、ベアリングの摩擦熱を低減している。
【0037】
各多溝ローラ11、12、13の全長を300mm、使用ワイヤ2にφ0.16mmのものを使用し、4インチGaAs結晶をワーク9として、上記方法にて切断した。このときの多溝ローラ12、13の温度変化を、多溝ローラ12、13に加工液5を噴射させたとき(実施例)と、加工液5を噴射しなかった場合(従来例)の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
ここで、厚さムラは、切断後のウェハの厚さを5点測定し、その最大厚さと最小厚さの差である。また、そり(ろ波うねり曲線)は、断面曲線から、所定の波長より短い表面粗さの成分を位相補償形低域フィルタで除去した曲線である。
【0040】
この表1の測定結果に示すように、多溝ローラの温度変化は、従来例では2.8℃であったが、本実施例では0.9℃と小さくなった。厚さムラについては、従来例では8μmであったが、本実施例では3μmと小さくなった。また、そり(ろ波うねり曲線)も、従来例では20μm/100mmであったが、本実施例では8μm/100mmと小さくなった。
【0041】
上記実施形態では、多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流して摩擦熱の発生を押さえる構造としたが、本発明はこの冷却水が流れていない構造の場合にも適用することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、多溝ローラに噴射する加工液が多溝ローラの溝部分全体(軸方向に見た溝部分全域)にかかるようにしたが、多溝ローラの一部(軸方向に見た溝部分の一部)に噴射させる供給ノズルを用いて構成しても良い。
【0043】
さらに上記実施形態では、3本の多溝ローラ11〜13のうち、ワーク9の両側に位置する一対の多溝ローラ12、13だけに、加工液5を噴射流5bとして供給する構造としたが、多溝ローラ11〜13の全てに対し、それぞれ加工液5を噴射させる構造としても良い。
【0044】
また上記実施形態では、多溝ローラが3本である形態について説明したが、本発明は多溝ローラの本数が2本又は4本である形態に対しても適用することができる。
【0045】
さらに上記実施の形態では、スプレーノズル15によりスプレー状に多溝ローラ12、13に加工液を噴射する構造としたが、図3に示すように、加工液供給ノズル4のノズル供給管部14に小穴16をあけ、そこから加工液を流し、多溝ローラ12、13の表面に噴射流5cとして噴射する構造、つまり多溝ローラ12、13の表面に加工液5を流し当てる構造にしても良い。
【0046】
また、上記実施形態では、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に対する加工液供給系統を、加工部用の加工液供給系統30と共通にして、両者に同じ加工液5を用いた。しかし、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に対する加工液供給系統を、ワイヤ2とワーク9の接点に加工液を噴射する加工部用の加工液供給系統30と別にして、多溝ローラ用の加工液供給ノズル4に、ワイヤ2とワーク9の接点に対する加工部用の加工液5と同質の加工液を供給する形態とすることもできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、切断中にワイヤとワークの接点に供給する加工液とは別に、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、加工部の接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射させるようにした装置又は切断方法である。従って本発明によれば、加工液が多溝ローラ自体に直接的に供給されて冷却作用を営むことから、切断中の多溝ローラの温度変化を低減することが可能となり、多溝ローラの熱膨張を低減し、切断後のウェハの厚さムラ、反りを小さくすることが可能となる。すなわち、うねりが小さく厚さが均一なウェハを常に安定して得ることができる。
【0048】
また冷却媒体として、加工部の接点に供給する加工液と同じ加工液を噴射させることにより、両者の液の混合が問題とならず、構成が簡単となる。
【0049】
さらにまた、多溝ローラを支承する軸受け部に、冷却水を流し、該軸受け部を冷却する構造とすることにより、更に効果的に冷却し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワーク切断装置の構成を示した概略図である。
【図2】図1の多溝ローラ用の加工液供給ノズルの構成を示した概略図である。
【図3】図1の多溝ローラ用の加工液供給ノズルの変形例を示した概略構成図である。
【図4】従来のワーク切断装置の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
2 ワイヤ
3 加工液供給ノズル(加工部用)
4 加工液供給ノズル(多溝ローラ用)
5 加工液
5a、5b、5c 噴射流
6 加工液タンク
7 加工液供給ポンプ
8 調整バルブ
9 ワーク
10 ワークテーブル
11、12、13 多溝ローラ
Claims (8)
- 複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワイヤソー切断装置において、
上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に対向させて、当該多溝ローラに上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射するノズルを配設したことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1に記載のワイヤソー切断装置において、
上記複数本の多溝ローラの各々に対し上記ノズルを設けたことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1又は2に記載されたワイヤソー切断装置において、
上記多溝ローラに噴射する加工液の供給路中に供給量を調整するバルブを設けたことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載したワイヤソー切断装置において、
多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流す流路を形成したことを特徴とするワイヤソー切断装置。 - 複数本の多溝ローラ間に螺旋状に巻きまわされたワイヤをワークに押し付けつつ、加工液をワークとワイヤの接点に供給しながら、ワイヤを走行移動させることによって、ワークとワイヤの間で加工液に含まれる遊離砥粒によるラッピング効果にて、ワークをウェハ状に切断するワーク切断方法において、
切断中に、ワイヤとワークの接点に加工液を供給する一方、
上記複数本の多溝ローラのうち、少なくともワークの両側に位置する一対の多溝ローラの表面に、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射し、上記多溝ローラの熱膨張を低減することを特徴とするワーク切断方法。 - 請求項5に記載のワーク切断方法において、
上記複数本の多溝ローラの各々に対し、上記ワイヤとワークの接点に供給する加工液と同じか又は同質の加工液を噴射することを特徴とするワーク切断方法。 - 請求項5又は6に記載のワーク切断方法において、
上記多溝ローラに噴射する加工液の量をバルブで調整することを特徴とするワーク切断方法。 - 請求項5〜7のいずれかに記載のワーク切断方法において、
多溝ローラを支承する軸受け部に冷却水を流し、該軸受け部を冷却することを特徴とするワーク切断方法。
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