JP2004017132A - はんだ付け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のはんだ付け部の多点同時接続における消費電力の低減、各接続点間の加熱温度の均一化、低酸素雰囲気の形成による酸化防止を実現する。
【解決手段】平面内に配置された複数のはんだ付け部の多点同時接続を行うはんだ付け装置において、通電によって対象物を加熱する発熱部1に、はんだ付け部に当接する発熱部先端109とともに空孔112を貫通して形成した。空孔112の位置は、通電方向において、発熱部先端109のはんだ付け部に対する接触部110と重ならない非接触部111の位置に開口させる。電流は、空孔112に遮られて発熱部先端109の接触部110を通過して当該接触部110(はんだ付け部)の効果的な加熱を行うとともに、非接触部111の無駄な過熱を防止する。また、空孔112からはんだ付け部にガスを供給することで、はんだ付け部の温度や雰囲気の選択的な制御が可能となり、良好なはんだ付けが可能となる。
【選択図】 図7
【解決手段】平面内に配置された複数のはんだ付け部の多点同時接続を行うはんだ付け装置において、通電によって対象物を加熱する発熱部1に、はんだ付け部に当接する発熱部先端109とともに空孔112を貫通して形成した。空孔112の位置は、通電方向において、発熱部先端109のはんだ付け部に対する接触部110と重ならない非接触部111の位置に開口させる。電流は、空孔112に遮られて発熱部先端109の接触部110を通過して当該接触部110(はんだ付け部)の効果的な加熱を行うとともに、非接触部111の無駄な過熱を防止する。また、空孔112からはんだ付け部にガスを供給することで、はんだ付け部の温度や雰囲気の選択的な制御が可能となり、良好なはんだ付けが可能となる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多点加熱接合が可能なはんだ付け装置にかかわり、特に多点同時接続での、消費エネルギーの削減、低酸素濃度雰囲気の形成を可能にし、かつ接触点毎の温度偏差発生を防止するのに好適な発熱部分を持つはんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術では通電または周囲に配置したノズルからの低酸素の高温気体によって単一点、もしくは直線上に並んだ複数の端子部を同時に加熱接合するはんだ付け装置としては、米国特許第6,147,326号公報に開示されているが、平面上の任意の位置に配置した複数の接続点を同時に接合するためのものは無く、また、接触点のみの温度上昇、接続点個々の温度調整を考慮したものではない。また、特開平11−054905号公報には、ヒータ温度によりヒータチップの押圧力を制御するはんだ付け装置が記載されているが、発熱部の構造や多点面接触同時接合については言及されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
はんだ付け装置において発熱部品による多点同時接続を実施する場合、発熱部品の大型化に伴い、消費エネルギの増加、発熱部周囲での低酸素雰囲気の形成が困難、接続点毎の温度調整が不可能であるといった技術的課題があった。
【0004】
すなわち、二次元的に配列された多数のはんだ付け部の接合工程においては、スループット向上の観点からは、多点同時接続を行うことが望ましいが、各接続点の温度分布をはんだ融点等に応じて均一に制御することが困難になる。
【0005】
また、接合時のはんだの酸化を防止して良好なはんだ接合部を得るためには、発熱部周囲での低酸素雰囲気の形成が有効であるが、上記従来技術の場合には、発熱部を含む装置全体を密閉して低酸素雰囲気を形成する等の大がかりな構成が必要となり、また消費される不活性ガスの量も多くなり、高コストとなる。
【0006】
上述の米国特許第6,147,326号公報の技術では、二次元的に配列された多数のはんだ付け部の多点同時接続にかかる上述の技術的課題は全く考慮されていない。
【0007】
本発明は上記した従来技術の技術的課題に鑑みなされたもので、多点接合時の消費エネルギの低減方法、低コストの超低酸素雰囲気形成方法、接合点毎の温度調整方法を用いたはんだ付け装置を提供することを目的としている。
【0008】
本発明の他の目的は、低消費エネルギにて平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上を実現することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、接合部における低コストの低酸素雰囲気形成による接合品質の向上とを両立させることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、複数の接続点での温度分布の的確な制御による接合品質の向上とを両立させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のはんだ付け装置は、対象物に当接する複数の突起部が突設され通電により接合部の加熱を行う発熱部に空孔を形成したものである。
【0012】
はんだ付け装置の発熱部は、鉄、モリブデン等の抵抗値の高い導体により構成され、これに電流を流し、その際に発生するジュール熱を利用して温度が上昇する。通常この発熱は発熱部の断面積に反比例して発生する。しかし、発熱部の形状による発熱量のばらつき、発熱部に電流を導く支持構造への伝熱などにより発熱部内の温度のばらつきが発生する。また、接続対象への接触部以外も発熱することとなり過大な電流が必要となる。そこで、本発明では電流方向に対して対象物に対する突起部の接触部の配列方向の直線上にならないよう、つまり加熱の必要がない非接触部と直線上になるように発熱部品に空孔をあける。これにより接触部への電流集中が行われ非接触部への電流が規制される。これにより、接触部が効率的に加熱される。
【0013】
また、接続点毎に温度を調整する場合、空孔形状を変更し接続点毎の電流量を変え発熱量を調整することが可能である。
【0014】
また、接続点毎の温度を調整する場合、個々の空孔形状を変更し、個々の空孔内を通じてはんだ接合部に流れる気体流量を変更することにより発熱量(冷却量)を調整することも可能である。
【0015】
また、個々の空孔内を通じてはんだ接合部に流れる気体として不活性ガスを用いることで、個々の接合部に選択的に低酸素雰囲気を形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の構成の一部を取り出して例示した構成図、図2は、その全体構成の一例を示す斜視図、図3は、本実施の形態のはんだ付け装置が取り扱うはんだ接続の対象物の一例を示す斜視図、図4は、対象物のはんだ接続部(パット部)を拡大して示す斜視図、図5は対象物のはんだ接続部(端子部)を拡大して示す斜視図、図6は対象物のはんだ接続部の位置合せ状態の一例を示す斜視図、図7は本実施の形態のはんだ付け装置の発熱部の部分を拡大した斜視図、図8は、本実施の形態のはんだ付け装置における接続実施時のパット、端子、発熱部の位置関係を示した平面図、図9は、図8における線IX−IXの部分の断面図である。
【0018】
図1において、1は接合対象物に接触加熱する発熱部を示す。発熱部1は通電によって加熱する場合、発熱効率を上げるため、鉄、モリブデン等の比較的電気抵抗値の高い導体で作られる。またこれらの発熱部1は電食による劣化を防ぐため、金めっき等の表面処理を実施する場合もある。発熱部1は発熱部固定用基盤部2、及び発熱部固定用基盤部3等の支持構造を介して装置本体に固定されている。これにより発熱部1は接続対象に対して位置を固定される。また発熱部1は支持構造との接合部での抵抗発熱を低減するため、接続対象への接触部より大きな断面積を持たせてある。
【0019】
また、通電によって発熱部1を加熱するため、発熱部固定用基盤部2、発熱部固定用基盤部3はそれぞれ電気抵抗の低い銅などの導電物質で作られる。さらに発熱部固定用基盤部2、発熱部固定用基盤部3はそれぞれ電源4の両極に接続されている。加熱を行うための電流は電源4より発熱部固定用基盤部2もしくは3より発熱部1を通り、発熱部固定用基盤部3、もしくは2を通過して電源4に接続され、発熱部1に供給される。気体発生部6は気体導管8を通じて気体を発熱部1の空孔112に供給する。発熱部1は熱電対線7などで温度測定が可能である。それにより得られた温度の測定値が制御装置5に入力される。この測定値で制御装置5は電源4から供給する電流及び気体発生部6の気体温度、流量を制御できる。これにより加熱部品の温度を所定の範囲に制御することを可能としている。
【0020】
発熱部1は形状、及び発熱部固定用基盤部2,3への伝熱により発熱部1内で温度ばらつきが発生する。これは接続される接続対象105側の接続端子108(接続パット107)でも同様であり、個々の接続端子108の間で温度ばらつきが生じる。これは接続点が多く、距離が広くなるほど顕著となってくる。
【0021】
図2に例示されるように、発熱部1は、発熱部移動機構101に取りつけられ上下動が可能であり、これにより接続対象105に対する接触および位置決めが行われる。また接続対象105もステージ102上に搭載され発熱部1下に位置することが可能である。発熱部1と接続対象105の接続部の位置あわせはプリズム104を通してカメラ103で撮影された映像によって画面上で行なう。
【0022】
図3ははんだ接続を行う対象物である。本実施の形態の接続対象105は、磁気ディスク装置を構成するヘッド・スタック・アセンブリ(HSA)であり、ダイカスト成形等にて一体成形された複数のアーム105a、ピボット軸受105b、ボイスコイルモータのヨーク105cからなり、個々のアーム105aの先端部にはジンバル105dを介してヘッド105eが固定されている。
【0023】
そして、本実施の形態の場合におけるはんだ接合部106は、個々のヘッド105eから引き出された4線(記録素子用の2線と再生素子用の2線)のリード線108a(複数の導線と絶縁樹脂で構成される)の接続端子108と、外部のディスク制御回路側に接続されR/W−IC107bが搭載されるフレキシブルプリント基板107a側の複数の接続パット107からなり、この個々の接続パット107の上に、対応する個々の接続端子108を、当該接続対象105(複数のアーム105aの基端部が一体となったピボット軸受105bの側面の平坦部位)上で一括してはんだ150によりはんだ付けしなければならない。
【0024】
図4は接続を行うフレキシブルプリント基板107a側の接続パット107の一例を示したものである。接続パット107はこの場合、40個所ある。
【0025】
図5は、接続パット107に接続されるヘッド側の接続端子108の形状例である。個々の接続端子108が対応する個々の接続パット107にはんだ付けされる。
【0026】
なお接続に使用されるはんだ150は接続パットもしくは接続端子のどちらか一方、またはその両方にめっき、ペースト等の手法を用いて予め載せられている。
【0027】
図6は接続端子108を接続パット107の上に重ねて位置合わせした状態を表したものである。発熱部1は接続対象105に対する対向面に発熱部先端109(点線)突設されている。本実施の形態の場合、発熱部先端109(突起)は発熱部1の幅方向(通電方向に直交する方向)に連続した土手状に突設されており、この土手状の複数の発熱部先端109が接続パット107のヘッドスタック方向(図6、図4、左上から右下方向)の配列ピッチに合わせた間隔で突設形成されている。
【0028】
すなわち、本実施の形態の場合、位置決めは接続パット107のヘッドスタック方向では精密に行う必要があるが、発熱部先端109の長手方向では、個々の接続パット107と接続端子108の重なり合う部分が盛り上がって選択的に接触部110(図6、図8の斜線部)となり、それ以外の部分は非接触部111となるので、比較的簡易な位置決めで済む。
【0029】
そして、この発熱部先端109が、接続端子108と接続パット107との間のはんだ150を溶融するのに必要な熱を供給し、そこではんだ150に接触する部分は斜線部(接触部110)である。
【0030】
図7に例示されるように、本実施の形態のはんだ付け装置おいては、発熱部1の通電方向において発熱部先端109における接触部110の間に位置するように複数の空孔112が貫通して設けられている。この空孔112は、気体を通すことが可能である。この場合、空孔112を通過するために供給される気体は矢印D方向より発熱部1に供給される。供給された気体は接続接触部に設けられた空孔112を通過して矢印E方向に流出する。そして、はんだ接合部の周囲に送られ、当該接合部の周囲に選択的にガス雰囲気を形成する。
【0031】
図8に示すように空孔112は電流方向iに対して各接触部110の並び上の直線とならない位置、つまり非接触部111の電流方向iにおける配列線上に配置され、非接触部111への電流供給を阻害する。これにより発熱部先端109における接触部110を通過する電流が増加し、接触部110(すなわち、はんだ付け部位)を選択的に効率良く加熱することが可能になる。
【0032】
また、発熱部先端109における非接触部111の通電量が空孔112に遮られて相対的に減り、発熱量が減少する結果、非接触部111の近傍のフレキシブルプリント基板107aの絶縁樹脂の過熱損傷等が防止される。
【0033】
なお、空孔112の形状は任意に選定が可能である。例として図8では方形、矩形、円形、楕円形を例示してある。
【0034】
この個々の空孔112の形状及び大きさ等の面積を変更することにより、個々の接触部110(接触点)への電流供給量を個別に調整することが可能になる。これにより発熱部内の接触部110の個々の温度ばらつきを補正することが可能である。また、要求する温度が個々の接続端子108毎に異なる場合にも上記の方式にて調整が可能となり、ひとつの発熱部1で異なる温度条件を作り出すことが可能である。
【0035】
また、図9に示されるように、はんだ付け位置の周囲を窒素でパージし、さらに気体発生部6より空孔112に流す気体を不活性ガス等の低酸素ガス200にすれば接触点近辺を速やかに選択的に低酸素雰囲気とすることが可能になる。このことではんだ付けを低酸素雰囲気で行えるようになる。これにより、はんだ150の品質に悪影響を与えるはんだ組織の酸化を防止でき、はんだ付けの品質が向上する。また、必要以上に多量のガスを消費することもなく低コストで経済的に低酸素雰囲気を形成できる。
【0036】
また、加熱時に気体発生部6より空孔112に高温気体を流すことにより、はんだ溶融と発熱部1の加熱を補助し、冷却時に低温の気体を流すことによりはんだと発熱部1の冷却を加速することが可能であり、はんだ付け部の加熱や冷却に要する待ち時間が短縮され、はんだ付け工程のスループットが向上する。
【0037】
また、空孔112の形状や大きさを変え、面積を変更することにより、それぞれの気体の流量を変更することが可能である。これにより接続端子108の個々の温度を調整することが可能となる。
【0038】
本発明の上述のような実施の形態によれば、多点同時加熱を実施した場合、必要となる温度まで接触点(接触部110)を加熱する効率が高いため、消費エネルギを低減できる。
【0039】
図10は本発明による消費エネルギの効果を示したものである。横軸が設定温度、縦軸が電流である。設定温度が上がるにつれて電流が大きくなっているが、本発明の適用により電流が30%低減される。これにより、同一の電源容量にて同時接続点数を増加させることができるようになる。
【0040】
また、発熱部内の接触点(接触部110)毎の発熱量が空孔112の形状や大きさの異なる発熱部1を用いることにより的確に制御できる。また同様にして接触点(接触部110)毎に要求温度が異なるような場合にも、対応する空孔112の形状や大きさが設定された各種の発熱部1の交換により的確に対応が可能である。
【0041】
図11は本発明の適用以前の従来技術の発熱部の接触部110の温度分布を示し、高温点と低温点で35度の差が生じている。この測定点A点、B点、C点は、図7で示している点である。
【0042】
図12は本発明を適用した発熱部1の接触部110の温度の平均化を行った場合の温度分布である。温度差が10度以内となり加熱温度分布の均一化の効果が認められる。この加熱温度分布の均一化により、使用するはんだの融点にあわせて、各接触部110の温度を均一かつ正確に制御でき、加熱温度の過不足を防止して良好なはんだ付け結果が得られる。
【0043】
特に、はんだ接合時に要求される加熱温度範囲が厳しいPbフリーはんだ等をはんだ付け工程にも有効となる。
【0044】
また、局所的に低酸素雰囲気を作成でき、これにより低酸素ガス等の使用量の低減、パージ時間の短縮によるスループット向上が実現できるようになる。
【0045】
本発明の実施の形態のはんだ付け装置により、発熱部1の加熱に要する消費電力の低減、発熱部1の接触部110の温度調整が可能となり、現状より多数のはんだ付け部からなる多点同時接続が可能となり、生産効率の向上が図られる。
【0046】
この結果、たとえば磁気ディスク装置の製造工程におけるHSAの組立工程での生産効率が格段に向上する。
【0047】
本願の特許請求の範囲に記載された発明を見方を変えて表現すれば以下の通りである。
【0048】
(1)発熱部をはんだ付け部に接触、固定した後、はんだ及び接合部を加熱、はんだを溶融し、接合部を固定する機能を持ち、発熱部内に複数の接触点を持ったはんだ付け装置において、発熱中における通電加熱時の電流方向に対して部材接合部の接触部に対し直線にならないように空孔部を配置し、かつ、非接触部に対して直線上となるように配置した空孔部を該発熱部の面接触点周囲に形成し、該接触部の電流密度を制御するようにした加熱部を有するはんだ付け装置。
【0049】
(2)項目(1)記載のはんだ付け装置において、接触点周囲に空孔部を設け、かつ接触点別に所定温度に調整する空孔形状を個別に変形させた発熱部を有するはんだ付け装置。
【0050】
(3)項目(1)及び項目(2)記載のはんだ付け装置において、発熱部の空孔内部に昇温時には高温気体を放出、降温時には低温気体を放出する気体発生部及び気体導管を有するはんだ付け装置。
【0051】
(4)項目(1)ないし項目(3)記載のはんだ付け装置において、発熱部の接触点周囲に設けられた空孔部より低酸素ガスを噴出し、かつ加熱部周囲に低酸素ガスを供給することにより、加熱する接合部周囲で局所的に低酸素濃度雰囲気を作り出す機能を持つはんだ付け装置。
【0052】
(5)項目(1)ないし項目(3)記載のはんだ付け装置において、接続端子別に所定温度に調整するため、加熱部の接触部周囲の空隙形状を方形、矩形、円形、楕円等個別に変更し、さらにその空孔の大きさも個別に変更することにより既接続端子ごとの空孔を通る気体流量を変更し、温度を調整する機能を有するはんだ付け装置。
【0053】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0054】
たとえば、発熱部における突起部を省略して平坦な形状とし、対象部側の突出部位が発熱部に接触する接触部以外の部分に空孔を形成する構造でもよい。
【0055】
【発明の効果】
通電加熱による多点はんだ接合時の消費エネルギの低減、低コストの超低酸素雰囲気の形成によるはんだ接合部の品質の向上、はんだ接合点毎の的確な温度調整によるはんだ接合部の品質の向上、等を実現可能なはんだ付け装置を提供することができる。
【0056】
低消費エネルギにて平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上を実現することができる。
【0057】
平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、接合部における低コストの低酸素雰囲気形成による接合品質の向上とを両立させることができる。
【0058】
平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、複数の接続点での温度分布の的確な制御による接合品質の向上とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の構成の一部を取り出して例示した構成図である。
【図2】その全体構成の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱うはんだ接続の対象物の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部(パット部)を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部(端子部)を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部の位置合わせ状態の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の発熱部の部分を拡大した斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置における接続実施時のパット、端子、発熱部の位置関係を示した平面図である。
【図9】図8における線IX−IXの部分の断面図である。
【図10】本発明による消費エネルギの低減効果を従来技術と比較対照して示した線図である。
【図11】従来技術のはんだ付け装置における発熱部での接触部の温度分布を示した棒グラフである。
【図12】本発明のはんだ付け装置における発熱部での接触部の温度分布の均一化の効果の一例を示した棒グラフである。
【符号の説明】
1…発熱部、2…発熱部固定用基盤部、3…発熱部固定用基盤部、4…電源、5…制御装置、6…気体発生部、7…熱電対線、8…気体導管、101…発熱部移動機構、102…ステージ、103…カメラ、104…プリズム、105…接続対象、105a…アーム、105b…ピボット軸受、105c…ヨーク、105d…ジンバル、105e…ヘッド、106…はんだ接合部、107…接続パット、107a…フレキシブルプリント基板、107b…R/W−IC、108…接続端子、108a…リード線、109…発熱部先端、110…接触部(突起部)、111…非接触部、112…空孔、200…低酸素ガス、A,B,C…測定点、i…電流方向、D…気体流入方向を示す矢印、E…気体流出方向を示す矢印。
【発明の属する技術分野】
本発明は多点加熱接合が可能なはんだ付け装置にかかわり、特に多点同時接続での、消費エネルギーの削減、低酸素濃度雰囲気の形成を可能にし、かつ接触点毎の温度偏差発生を防止するのに好適な発熱部分を持つはんだ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術では通電または周囲に配置したノズルからの低酸素の高温気体によって単一点、もしくは直線上に並んだ複数の端子部を同時に加熱接合するはんだ付け装置としては、米国特許第6,147,326号公報に開示されているが、平面上の任意の位置に配置した複数の接続点を同時に接合するためのものは無く、また、接触点のみの温度上昇、接続点個々の温度調整を考慮したものではない。また、特開平11−054905号公報には、ヒータ温度によりヒータチップの押圧力を制御するはんだ付け装置が記載されているが、発熱部の構造や多点面接触同時接合については言及されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
はんだ付け装置において発熱部品による多点同時接続を実施する場合、発熱部品の大型化に伴い、消費エネルギの増加、発熱部周囲での低酸素雰囲気の形成が困難、接続点毎の温度調整が不可能であるといった技術的課題があった。
【0004】
すなわち、二次元的に配列された多数のはんだ付け部の接合工程においては、スループット向上の観点からは、多点同時接続を行うことが望ましいが、各接続点の温度分布をはんだ融点等に応じて均一に制御することが困難になる。
【0005】
また、接合時のはんだの酸化を防止して良好なはんだ接合部を得るためには、発熱部周囲での低酸素雰囲気の形成が有効であるが、上記従来技術の場合には、発熱部を含む装置全体を密閉して低酸素雰囲気を形成する等の大がかりな構成が必要となり、また消費される不活性ガスの量も多くなり、高コストとなる。
【0006】
上述の米国特許第6,147,326号公報の技術では、二次元的に配列された多数のはんだ付け部の多点同時接続にかかる上述の技術的課題は全く考慮されていない。
【0007】
本発明は上記した従来技術の技術的課題に鑑みなされたもので、多点接合時の消費エネルギの低減方法、低コストの超低酸素雰囲気形成方法、接合点毎の温度調整方法を用いたはんだ付け装置を提供することを目的としている。
【0008】
本発明の他の目的は、低消費エネルギにて平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上を実現することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、接合部における低コストの低酸素雰囲気形成による接合品質の向上とを両立させることにある。
【0010】
本発明の他の目的は、平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、複数の接続点での温度分布の的確な制御による接合品質の向上とを両立させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のはんだ付け装置は、対象物に当接する複数の突起部が突設され通電により接合部の加熱を行う発熱部に空孔を形成したものである。
【0012】
はんだ付け装置の発熱部は、鉄、モリブデン等の抵抗値の高い導体により構成され、これに電流を流し、その際に発生するジュール熱を利用して温度が上昇する。通常この発熱は発熱部の断面積に反比例して発生する。しかし、発熱部の形状による発熱量のばらつき、発熱部に電流を導く支持構造への伝熱などにより発熱部内の温度のばらつきが発生する。また、接続対象への接触部以外も発熱することとなり過大な電流が必要となる。そこで、本発明では電流方向に対して対象物に対する突起部の接触部の配列方向の直線上にならないよう、つまり加熱の必要がない非接触部と直線上になるように発熱部品に空孔をあける。これにより接触部への電流集中が行われ非接触部への電流が規制される。これにより、接触部が効率的に加熱される。
【0013】
また、接続点毎に温度を調整する場合、空孔形状を変更し接続点毎の電流量を変え発熱量を調整することが可能である。
【0014】
また、接続点毎の温度を調整する場合、個々の空孔形状を変更し、個々の空孔内を通じてはんだ接合部に流れる気体流量を変更することにより発熱量(冷却量)を調整することも可能である。
【0015】
また、個々の空孔内を通じてはんだ接合部に流れる気体として不活性ガスを用いることで、個々の接合部に選択的に低酸素雰囲気を形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の構成の一部を取り出して例示した構成図、図2は、その全体構成の一例を示す斜視図、図3は、本実施の形態のはんだ付け装置が取り扱うはんだ接続の対象物の一例を示す斜視図、図4は、対象物のはんだ接続部(パット部)を拡大して示す斜視図、図5は対象物のはんだ接続部(端子部)を拡大して示す斜視図、図6は対象物のはんだ接続部の位置合せ状態の一例を示す斜視図、図7は本実施の形態のはんだ付け装置の発熱部の部分を拡大した斜視図、図8は、本実施の形態のはんだ付け装置における接続実施時のパット、端子、発熱部の位置関係を示した平面図、図9は、図8における線IX−IXの部分の断面図である。
【0018】
図1において、1は接合対象物に接触加熱する発熱部を示す。発熱部1は通電によって加熱する場合、発熱効率を上げるため、鉄、モリブデン等の比較的電気抵抗値の高い導体で作られる。またこれらの発熱部1は電食による劣化を防ぐため、金めっき等の表面処理を実施する場合もある。発熱部1は発熱部固定用基盤部2、及び発熱部固定用基盤部3等の支持構造を介して装置本体に固定されている。これにより発熱部1は接続対象に対して位置を固定される。また発熱部1は支持構造との接合部での抵抗発熱を低減するため、接続対象への接触部より大きな断面積を持たせてある。
【0019】
また、通電によって発熱部1を加熱するため、発熱部固定用基盤部2、発熱部固定用基盤部3はそれぞれ電気抵抗の低い銅などの導電物質で作られる。さらに発熱部固定用基盤部2、発熱部固定用基盤部3はそれぞれ電源4の両極に接続されている。加熱を行うための電流は電源4より発熱部固定用基盤部2もしくは3より発熱部1を通り、発熱部固定用基盤部3、もしくは2を通過して電源4に接続され、発熱部1に供給される。気体発生部6は気体導管8を通じて気体を発熱部1の空孔112に供給する。発熱部1は熱電対線7などで温度測定が可能である。それにより得られた温度の測定値が制御装置5に入力される。この測定値で制御装置5は電源4から供給する電流及び気体発生部6の気体温度、流量を制御できる。これにより加熱部品の温度を所定の範囲に制御することを可能としている。
【0020】
発熱部1は形状、及び発熱部固定用基盤部2,3への伝熱により発熱部1内で温度ばらつきが発生する。これは接続される接続対象105側の接続端子108(接続パット107)でも同様であり、個々の接続端子108の間で温度ばらつきが生じる。これは接続点が多く、距離が広くなるほど顕著となってくる。
【0021】
図2に例示されるように、発熱部1は、発熱部移動機構101に取りつけられ上下動が可能であり、これにより接続対象105に対する接触および位置決めが行われる。また接続対象105もステージ102上に搭載され発熱部1下に位置することが可能である。発熱部1と接続対象105の接続部の位置あわせはプリズム104を通してカメラ103で撮影された映像によって画面上で行なう。
【0022】
図3ははんだ接続を行う対象物である。本実施の形態の接続対象105は、磁気ディスク装置を構成するヘッド・スタック・アセンブリ(HSA)であり、ダイカスト成形等にて一体成形された複数のアーム105a、ピボット軸受105b、ボイスコイルモータのヨーク105cからなり、個々のアーム105aの先端部にはジンバル105dを介してヘッド105eが固定されている。
【0023】
そして、本実施の形態の場合におけるはんだ接合部106は、個々のヘッド105eから引き出された4線(記録素子用の2線と再生素子用の2線)のリード線108a(複数の導線と絶縁樹脂で構成される)の接続端子108と、外部のディスク制御回路側に接続されR/W−IC107bが搭載されるフレキシブルプリント基板107a側の複数の接続パット107からなり、この個々の接続パット107の上に、対応する個々の接続端子108を、当該接続対象105(複数のアーム105aの基端部が一体となったピボット軸受105bの側面の平坦部位)上で一括してはんだ150によりはんだ付けしなければならない。
【0024】
図4は接続を行うフレキシブルプリント基板107a側の接続パット107の一例を示したものである。接続パット107はこの場合、40個所ある。
【0025】
図5は、接続パット107に接続されるヘッド側の接続端子108の形状例である。個々の接続端子108が対応する個々の接続パット107にはんだ付けされる。
【0026】
なお接続に使用されるはんだ150は接続パットもしくは接続端子のどちらか一方、またはその両方にめっき、ペースト等の手法を用いて予め載せられている。
【0027】
図6は接続端子108を接続パット107の上に重ねて位置合わせした状態を表したものである。発熱部1は接続対象105に対する対向面に発熱部先端109(点線)突設されている。本実施の形態の場合、発熱部先端109(突起)は発熱部1の幅方向(通電方向に直交する方向)に連続した土手状に突設されており、この土手状の複数の発熱部先端109が接続パット107のヘッドスタック方向(図6、図4、左上から右下方向)の配列ピッチに合わせた間隔で突設形成されている。
【0028】
すなわち、本実施の形態の場合、位置決めは接続パット107のヘッドスタック方向では精密に行う必要があるが、発熱部先端109の長手方向では、個々の接続パット107と接続端子108の重なり合う部分が盛り上がって選択的に接触部110(図6、図8の斜線部)となり、それ以外の部分は非接触部111となるので、比較的簡易な位置決めで済む。
【0029】
そして、この発熱部先端109が、接続端子108と接続パット107との間のはんだ150を溶融するのに必要な熱を供給し、そこではんだ150に接触する部分は斜線部(接触部110)である。
【0030】
図7に例示されるように、本実施の形態のはんだ付け装置おいては、発熱部1の通電方向において発熱部先端109における接触部110の間に位置するように複数の空孔112が貫通して設けられている。この空孔112は、気体を通すことが可能である。この場合、空孔112を通過するために供給される気体は矢印D方向より発熱部1に供給される。供給された気体は接続接触部に設けられた空孔112を通過して矢印E方向に流出する。そして、はんだ接合部の周囲に送られ、当該接合部の周囲に選択的にガス雰囲気を形成する。
【0031】
図8に示すように空孔112は電流方向iに対して各接触部110の並び上の直線とならない位置、つまり非接触部111の電流方向iにおける配列線上に配置され、非接触部111への電流供給を阻害する。これにより発熱部先端109における接触部110を通過する電流が増加し、接触部110(すなわち、はんだ付け部位)を選択的に効率良く加熱することが可能になる。
【0032】
また、発熱部先端109における非接触部111の通電量が空孔112に遮られて相対的に減り、発熱量が減少する結果、非接触部111の近傍のフレキシブルプリント基板107aの絶縁樹脂の過熱損傷等が防止される。
【0033】
なお、空孔112の形状は任意に選定が可能である。例として図8では方形、矩形、円形、楕円形を例示してある。
【0034】
この個々の空孔112の形状及び大きさ等の面積を変更することにより、個々の接触部110(接触点)への電流供給量を個別に調整することが可能になる。これにより発熱部内の接触部110の個々の温度ばらつきを補正することが可能である。また、要求する温度が個々の接続端子108毎に異なる場合にも上記の方式にて調整が可能となり、ひとつの発熱部1で異なる温度条件を作り出すことが可能である。
【0035】
また、図9に示されるように、はんだ付け位置の周囲を窒素でパージし、さらに気体発生部6より空孔112に流す気体を不活性ガス等の低酸素ガス200にすれば接触点近辺を速やかに選択的に低酸素雰囲気とすることが可能になる。このことではんだ付けを低酸素雰囲気で行えるようになる。これにより、はんだ150の品質に悪影響を与えるはんだ組織の酸化を防止でき、はんだ付けの品質が向上する。また、必要以上に多量のガスを消費することもなく低コストで経済的に低酸素雰囲気を形成できる。
【0036】
また、加熱時に気体発生部6より空孔112に高温気体を流すことにより、はんだ溶融と発熱部1の加熱を補助し、冷却時に低温の気体を流すことによりはんだと発熱部1の冷却を加速することが可能であり、はんだ付け部の加熱や冷却に要する待ち時間が短縮され、はんだ付け工程のスループットが向上する。
【0037】
また、空孔112の形状や大きさを変え、面積を変更することにより、それぞれの気体の流量を変更することが可能である。これにより接続端子108の個々の温度を調整することが可能となる。
【0038】
本発明の上述のような実施の形態によれば、多点同時加熱を実施した場合、必要となる温度まで接触点(接触部110)を加熱する効率が高いため、消費エネルギを低減できる。
【0039】
図10は本発明による消費エネルギの効果を示したものである。横軸が設定温度、縦軸が電流である。設定温度が上がるにつれて電流が大きくなっているが、本発明の適用により電流が30%低減される。これにより、同一の電源容量にて同時接続点数を増加させることができるようになる。
【0040】
また、発熱部内の接触点(接触部110)毎の発熱量が空孔112の形状や大きさの異なる発熱部1を用いることにより的確に制御できる。また同様にして接触点(接触部110)毎に要求温度が異なるような場合にも、対応する空孔112の形状や大きさが設定された各種の発熱部1の交換により的確に対応が可能である。
【0041】
図11は本発明の適用以前の従来技術の発熱部の接触部110の温度分布を示し、高温点と低温点で35度の差が生じている。この測定点A点、B点、C点は、図7で示している点である。
【0042】
図12は本発明を適用した発熱部1の接触部110の温度の平均化を行った場合の温度分布である。温度差が10度以内となり加熱温度分布の均一化の効果が認められる。この加熱温度分布の均一化により、使用するはんだの融点にあわせて、各接触部110の温度を均一かつ正確に制御でき、加熱温度の過不足を防止して良好なはんだ付け結果が得られる。
【0043】
特に、はんだ接合時に要求される加熱温度範囲が厳しいPbフリーはんだ等をはんだ付け工程にも有効となる。
【0044】
また、局所的に低酸素雰囲気を作成でき、これにより低酸素ガス等の使用量の低減、パージ時間の短縮によるスループット向上が実現できるようになる。
【0045】
本発明の実施の形態のはんだ付け装置により、発熱部1の加熱に要する消費電力の低減、発熱部1の接触部110の温度調整が可能となり、現状より多数のはんだ付け部からなる多点同時接続が可能となり、生産効率の向上が図られる。
【0046】
この結果、たとえば磁気ディスク装置の製造工程におけるHSAの組立工程での生産効率が格段に向上する。
【0047】
本願の特許請求の範囲に記載された発明を見方を変えて表現すれば以下の通りである。
【0048】
(1)発熱部をはんだ付け部に接触、固定した後、はんだ及び接合部を加熱、はんだを溶融し、接合部を固定する機能を持ち、発熱部内に複数の接触点を持ったはんだ付け装置において、発熱中における通電加熱時の電流方向に対して部材接合部の接触部に対し直線にならないように空孔部を配置し、かつ、非接触部に対して直線上となるように配置した空孔部を該発熱部の面接触点周囲に形成し、該接触部の電流密度を制御するようにした加熱部を有するはんだ付け装置。
【0049】
(2)項目(1)記載のはんだ付け装置において、接触点周囲に空孔部を設け、かつ接触点別に所定温度に調整する空孔形状を個別に変形させた発熱部を有するはんだ付け装置。
【0050】
(3)項目(1)及び項目(2)記載のはんだ付け装置において、発熱部の空孔内部に昇温時には高温気体を放出、降温時には低温気体を放出する気体発生部及び気体導管を有するはんだ付け装置。
【0051】
(4)項目(1)ないし項目(3)記載のはんだ付け装置において、発熱部の接触点周囲に設けられた空孔部より低酸素ガスを噴出し、かつ加熱部周囲に低酸素ガスを供給することにより、加熱する接合部周囲で局所的に低酸素濃度雰囲気を作り出す機能を持つはんだ付け装置。
【0052】
(5)項目(1)ないし項目(3)記載のはんだ付け装置において、接続端子別に所定温度に調整するため、加熱部の接触部周囲の空隙形状を方形、矩形、円形、楕円等個別に変更し、さらにその空孔の大きさも個別に変更することにより既接続端子ごとの空孔を通る気体流量を変更し、温度を調整する機能を有するはんだ付け装置。
【0053】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0054】
たとえば、発熱部における突起部を省略して平坦な形状とし、対象部側の突出部位が発熱部に接触する接触部以外の部分に空孔を形成する構造でもよい。
【0055】
【発明の効果】
通電加熱による多点はんだ接合時の消費エネルギの低減、低コストの超低酸素雰囲気の形成によるはんだ接合部の品質の向上、はんだ接合点毎の的確な温度調整によるはんだ接合部の品質の向上、等を実現可能なはんだ付け装置を提供することができる。
【0056】
低消費エネルギにて平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上を実現することができる。
【0057】
平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、接合部における低コストの低酸素雰囲気形成による接合品質の向上とを両立させることができる。
【0058】
平面上の任意の位置に配置された複数の接続点の多点同時接合によるスループットの向上と、複数の接続点での温度分布の的確な制御による接合品質の向上とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の構成の一部を取り出して例示した構成図である。
【図2】その全体構成の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱うはんだ接続の対象物の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部(パット部)を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部(端子部)を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置が取り扱う対象物のはんだ接続部の位置合わせ状態の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置の発熱部の部分を拡大した斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態であるはんだ付け装置における接続実施時のパット、端子、発熱部の位置関係を示した平面図である。
【図9】図8における線IX−IXの部分の断面図である。
【図10】本発明による消費エネルギの低減効果を従来技術と比較対照して示した線図である。
【図11】従来技術のはんだ付け装置における発熱部での接触部の温度分布を示した棒グラフである。
【図12】本発明のはんだ付け装置における発熱部での接触部の温度分布の均一化の効果の一例を示した棒グラフである。
【符号の説明】
1…発熱部、2…発熱部固定用基盤部、3…発熱部固定用基盤部、4…電源、5…制御装置、6…気体発生部、7…熱電対線、8…気体導管、101…発熱部移動機構、102…ステージ、103…カメラ、104…プリズム、105…接続対象、105a…アーム、105b…ピボット軸受、105c…ヨーク、105d…ジンバル、105e…ヘッド、106…はんだ接合部、107…接続パット、107a…フレキシブルプリント基板、107b…R/W−IC、108…接続端子、108a…リード線、109…発熱部先端、110…接触部(突起部)、111…非接触部、112…空孔、200…低酸素ガス、A,B,C…測定点、i…電流方向、D…気体流入方向を示す矢印、E…気体流出方向を示す矢印。
Claims (5)
- 通電によって発熱する発熱部を対象物に当接してはんだ付けを行うはんだ付け装置であって、
前記発熱部は、対象物に当接する複数の突起部と、前記突起部の周辺に前記発熱部を貫通して形成された複数の空孔部と、を含むことを特徴とするはんだ付け装置。 - 請求項1記載のはんだ付け装置において、前記空孔部は、前記発熱部に対する通電方向から見た前記突起部の前記対象物に対する接触部位と重なり合わない位置に配置されていることを特徴とするはんだ付け装置。
- 請求項1または2記載のはんだ付け装置において、複数の前記空孔部の少なくとも一部が、開口面積および開口形状の少なくとも一方が他の前記空孔部と異なるように形成されていることを特徴とするはんだ付け装置。
- 請求項1,2または3記載のはんだ付け装置において、前記空孔部を通じてガスを吹き出させることで、前記突起部が前記対象物に当接する領域に低酸素ガス雰囲気を形成するガス供給機能を備えたことを特徴とするはんだ付け装置。
- 請求項4記載のはんだ付け装置において、個々の前記空孔部から吹き出す前記ガスの温度および流量の少なくとも一方を制御することで、前記突起部が前記対象物に当接する領域の温度制御が行われることを特徴とするはんだ付け装置。
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-
2002
- 2002-06-20 JP JP2002179359A patent/JP2004017132A/ja active Pending
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