JP2004017035A - 目的物質を分離・回収する方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】有価物、不純物などを含有する原料から、それらを分離・回収する際の回収率を改善し、目的にそって高濃度あるいは低い不純物濃度での分離・回収を図る。
【構成】被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質を分離するにあたり、多段向流洗浄・分離操作により効率的な分離を行うと共に、原料液の供給を停止した後、さらに系内の目的物質を多段向流洗浄・分離操作により回収する。
【効果】本発明により全体として高い分離性能が得られ、目的物質の高濃度回収を可能とする。また、変質し易い対象への適用が可能である。複数成分の個別分離に適用できる。使用する洗浄水や廃水量の節減を図ることができ経済的にも優れている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発酵工業、製薬工業、精糖工業、アミノ酸工業、食品工業、染料工業、顔料工業、化学工業、金属精錬工業、廃棄物処理業などにおいて、広く行われている目的物質である有価物や不純物の塩などを分離・回収する方法に係るものである。より詳しくは、液体、固体である原料を液状で取り扱い、多段向流洗浄・分離操作を用いて原料中の目的物質を分離、除去、精製するものであり、目的物質を含有している種々の原料から、洗浄液あるいは抽出液などとの接触工程と、膜分離操作、抽出操作等の分離工程を組み合わせて、効率的に目的物質を分離・回収する方法である。
【0002】
【従来の技術】
製品である有機物と不純物である塩類を含む水溶液の原料から、ナノフィルトレーション(NF)膜と洗浄液を用いた脱塩や製品の精製は広く知られている。例えば、バッチ供給された塩類を含む染料溶液をナノフィルトレーション膜と原液処理容器の間に液循環系を設け、濃縮しながら塩類を除去する脱塩を行うとともに、脱塩用に用水を供給し必要とする塩濃度まで脱塩する方法はダイアフィルトレーションと呼ばれて広く用いられている。単純なダイアフィルトレーションのような、常に洗浄水等の新鮮な洗浄液を用いる洗浄・分離方法は、多量の新鮮な洗浄液が必要であり、膜分離における透過液や抽出における抽出液などの分離液中に有価物が混入する場合は、処理済の原料中への有価物の回収率が下がり、有価物や有害物を透過液に回収する場合には、その濃度の低下があり、高い分離効率の実現に問題があり、多量の廃水も発生する。
また、多段向流洗浄は洗浄水等の洗浄媒液を効率よく使用し、ひいては洗浄廃水である透過液への製品のロスを最小限に抑制する手段として有効である。特に、特開平10−211423号公報、米国特許第6、039、879号は、膜を用いた“時間差的な多段向流洗浄・分離操作”を、特開平11−290602号公報、米国特許第6、203、704号は、抽出など膜以外の分離技術を用いた“時間差的な多段向流洗浄・分離操作”をそれぞれ開示しており、この方法によれば、さらに効率の高い洗浄や分離が可能であると同時に、シンプルな装置による多段向流洗浄が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
<処理対象>
本発明は、精糖工業、発酵工業、アミノ酸工業などで菌類や酵素を作用させて得られた培養液や反応液、植物原料や鉱物原料等の工業原料から有効成分を抽出した抽出液、化学工業での染料等の化学合成生成物やその中間体を含む液から製品、副生物、不純物、有害物などを含有している液や液状物を構成する物質から、有価物、製品、副生物、不純物、有害物などを回収する際の回収率を改善し、目的にそって高濃度あるいは低い不純物濃度での分離・回収を意図したものである。
<単独技術の効率改善>
また、本発明は、多段向流操作、さらに必要に応じて多系統、多種類の分離手段を用いる方法によって、全体として高い分離性能を得、有価成分や有害物質の高い回収率、高い不純物除去性能、製品あるいは副産物や廃棄物中の目的物質の高濃度回収を可能にすることを意図したものである。
<多段洗浄分離の変質しやすい対象への応用>
また、本発明は、食品や発酵などの分野で取扱われる変質しやすい物質の多段向流分離・回収処理を高い回収率で実施することを可能とし、短時間、少サイクルでの立上げ、高負荷運転、原料供給後の目的物質の回収を可能にすることを意図したものである。
<固形物を多段向流操作で得る場合>
また、本発明は、省エネルギープロセスである膜プロセスを用いた固形化あるいは晶析プロセスにおいて、より低濃度の不純物含有量に対応した製品を得ることを意図したものである。
<複数成分のそれぞれの分離>
また、本発明は、複数以上の成分を、複数以上の液状物あるいは固体として、高回収率、高濃度、高純度で分離することを意図したものである。
<使用する洗浄液、抽剤量、廃水量などの削減>
また、本発明においては、必要とする洗浄液や抽剤などの使用量を低減し、廃水量を削減し、廃水中の有害物あるいは環境への負荷を低減することを意図したものである。
<簡潔な装置>
また、本発明は、同じ分離装置による多段使用が可能になり、装置として安価で簡潔かつ洗浄しやすい装置の実現を意図したものである。特に膜分離を用いる場合の高圧機器や関係配管などで、日常の洗浄作業への負担を軽減することを目的としている。
<省力化、自動制御>
また、本発明により、自動制御が可能になり、原料の変動や処理後の製品などの仕様変更に対応を容易にすることを意図したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大別すると請求項1から6に記載されている発明と、請求項7以降に記載された発明から構成されている。
基本となる請求項1の発明は、次のようなものである。
被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に、分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出液を用いて行うこと、(2)最初の段の洗浄・分離操作における分離液を、該多段向流洗浄・分離操作の最終分離液として取り出すこと、(3)最後の段の洗浄・分離操作における残液を、該多段向流洗浄・分離操作の最終残液として取り出すこと、(4)向流洗浄・分離操作の各段では、(a)原料もしくは処理中の原料を洗浄液あるいは抽出液と接触させる接触工程、(b)上記の接触工程によって得られる混合物あるいは抽出物中の目的物質を分離液と残液とに分離する分離工程を用いること、(5)原料の供給を停止するにあたり、多段向流洗浄・分離操作の後段からの分離液を、直接あるいは洗浄液もしくは原料と混合して、原料に代えて向流洗浄・分離操作に供することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0005】
<請求項2>
また、前記の方法において、被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に、分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出液を用いて行うこと、(2)少なくとも複数のバッチに分割された原料の供給に対し、該多段向流洗浄・分離操作を少なくとも複数サイクル実施すること、(3)各サイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の最初の段の分離液を、最終分離液として取り出すこと、(4)各サイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の最後の段の残液を最終残液として取り出すこと、(5)向流洗浄・分離操作の各段では、(a)少なくとも1基の原液処理容器に貯蔵された原料もしくは処理中の原料を洗浄液あるいは抽出液と接触させる接触工程、(b)上記の接触工程によって得られる混合物あるいは抽出物中の目的物質を分離液と残液とに分離する分離工程を用いること、(6)原料の供給を停止するにあたり、それ以前のサイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の後段からの分離液を、直接あるいは洗浄液または原料と混合して、原料に代えて多段向流洗浄・分離操作のサイクルに供することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
<請求項3>
また、前記の方法において、少なくとも3種類の目的物質を含む原料から、多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれの目的物質を分離するにあたり、
(1)該多段向流洗浄・分離操作の最終透過液に目的物質1を分離すること、
(2)該多段向流洗浄・分離操作の最終残液に目的物質2を分離すること、
(3)最終透過液および最終残液とは別に、該多段向流洗浄・分離操作の処理段から目的物質3を含む最終透過液2および/または最終残液2を分離することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0006】
<請求項4>
また、前記の方法における2段以上の多段向流洗浄・分離操作において、最終分離液および/または最終残液中の目的物質1あるいは目的物質2の残量あるいは濃度、目的物質1と目的物質2の濃度比を適切な範囲に維持することを目的として、全てあるいは一部の段における残液中あるいは分離液中の目的物質1および/あるいは目的物質2の濃度あるいは目的物質1と目的物質2の濃度比あるいはそれらを反映した物性を測定し、全てあるいは一部の段での洗浄媒液の供給、濃縮の継続・停止を含む運転条件を決定する指標とすることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0007】
<請求項5 分離操作が膜>
また、前記の方法において、分離操作に膜分離を用い、多段向流洗浄・分離操作の初段以外の透過液が前段の洗浄液として使用され、多段向流洗浄・分離操作の最終段以外の膜分離装置による処理後の液が次の段の被処理液となることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0008】
<請求項6 固体分離と膜分離の組合せ>
また、前記の方法において、多段向流洗浄・分離操作の各段の全てあるいは一部の段の分離操作に、固液分離操作あるいは液液分離操作と他の原料の濃縮を伴う分離操作を用い、各段の全てあるいは一部の段で分離された固形物あるいは液状物質を全体として“最終残液”として、系外に取り出すことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0009】
<請求項7 多段洗浄と2系統目の分離>
次に請求項7以降の発明について説明する。
本発明は、被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の第1系統の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出剤を用いて行うこと、(2)該第1系統の多段向流洗浄・分離操作における最初の段の分離液を、第1系統の最終分離液として取出すこと、(3)該第1系統の多段向流洗浄・分離操作における最後の段の残液を、第1系統の最終残液として取出すこと、(4)該第1系統多段向流洗浄・分離操作の最終分離液あるいは他の分離液または最終残液あるいは他の残液に対し、第2系統の洗浄・分離操作を行うことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0010】
<請求項8 多段洗浄と2系統目からの回収>
また、前記の方法において、第2系統の洗浄・分離操作によって得られた残液あるいは分離液を、第1系統の多段向流洗浄・分離操作の洗浄液あるいは原料とするか、または洗浄液あるいは原液と混合する回収操作を実施することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0011】
<請求項9 第2系統において膜の透過液が順流>
また、前記の方法において、被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作から得た分離液に対し、目的物質1を除去する第2系統の多段洗浄・分離操作を行うこと、(2)該第2系統の多段洗浄・分離操作において、膜分離操作を用いること、(3)該第2系統における各段の透過液が、該第2系統の次の段に供される被処理液であり、同段の残液がその前段に供給されること、(4)該第2系統における最初の段の洗浄・分離操作からの残液が、第1系統の多段洗浄・分離操作に供されることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0012】
<請求項10 第1と第2系統が膜>
また、前記の方法において、第1系統の多段向流洗浄・分離操作および第2系統の洗浄・分離操作で膜分離を用いることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0013】
<請求項11 多段洗浄・分離操作と回収操作を一連のサイクルで実行>
また、前記の方法において、1サイクルで受入れる原料の時間差的な多段向流洗浄・分離操作と回収操作を、一連の1サイクルの中で行うことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0014】
<請求項12 回収操作用の膜装置が多段洗浄・分離操作用と同一膜装置>
また、前記の方法において、第1系統の洗浄・分離操作と第2系統の洗浄・分離操作に、同一の膜装置を使用することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0015】
<請求項13 2系統の多段向流洗浄・分離操作 >
本発明は、少なくとも2種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれ分離液あるいは残液に分離するにあたり、(1)第1系統の洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で洗浄媒液を用いて行うこと、(2)第1系統の多段向流洗浄・分離操作から得た分離液あるいは残液に対し、第2系統の多段洗浄・分離操作を行うことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0016】
<請求項14 2系統多段向流洗浄・分離操作で 透過液1を第2系統分離>
また、前記の方法において、少なくとも3種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれの目的物質を分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液に目的物質1および目的物質3を分離し、第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終残液に目的物質2を分離すること、(2)上記の目的物質1および目的物質3の混合物から目的物質1および目的物質3を、第2系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液と該多段向流分離操作からの最終残液にそれぞれ分離すること、(3)第1系統の多段向流洗浄・分離操作で、膜分離を用いることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0017】
<請求項15 濃縮液に対する2系統多段向流>
また、前記の方法において、少なくともも3種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いてそれぞれの目的物質を分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終残液に目的物質2および目的物質3の混合物を分離し、第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終分離液に目的物質1を分離すること、(2)上記の目的物質2および目的物質3の混合物から目的物質2および目的物質3を、第2系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液と該多段向流分離操作からの最終残液にそれぞれ分離すること、(3)第1系統の多段向流洗浄・分離操作で、膜分離を用いることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0018】
<請求項16  時間差的多段向流処理方法を用いた向流洗浄・分離>
また、前記の各方法において、原料に洗浄液を加え、残液と分離液に分離する多段向流洗浄・分離操作を用いて、目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)該多段向流洗浄・分離操作が、別途用意された目的物質1の濃度の異なる複数の洗浄液を、目的物質1の濃度の高い順番に洗浄に使用し、最終の洗浄には洗浄媒液のみを使用する時間差的な多段向流洗浄・分離操作であること、(2)各原料の供給が複数以上のバッチ供給で行われること、(3)最初の段以外のそれぞれの段から得られる分離液を、後のバッチで供給する原料に対するサイクルにおける洗浄液として使用すること、(4)原料に対して最初の洗浄段で使用する洗浄液が、残液から分離すべき目的物質1について、原料が含んでいる目的物質1の洗浄に対して十分低い濃度であること、(5)各原料のバッチ供給に対するサイクルの各段で、(a)少なくともひとつの原液処理容器に貯蔵された原料と洗浄液の混合物をつくる接触工程、(b)原液処理容器に連結する分離装置によって該混合物を分離液と残液に分ける分離工程を用いることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0019】
<請求項17 液面レベル>
被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)処理中の原料を原液処理容器に貯蔵すること、(2)洗浄液あるいは洗浄媒液の供給に、該原液処理容器内の液位あるいは液量を維持する制御あるいはそれらと同等の制御を用いることを特徴とする目的物質を分離・回収する方法である。
【0020】
<予備濃縮>
また、前記の各目的物質を分離・回収する方法においては、被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにに先立ち、原料をあらかじめ濃縮することが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態、作用】
最初に本発明の基本となる請求項1、2の発明における作用について説明する。
先に、本出願人は、目的成分を含有している原料から、洗浄・分離操作と膜処理とを組み合わせて、効果的に目的成分を分離・回収する方法について、特開平10−211423号公報を出願した。 さらに、前記発明の原理は、膜処理以外の分離手段によっても達成できることを確認し、改善を加えて特開平11−290602号公報を出願した。今回、さらにこれらの発明の実施をより効果的、効率的に行う方法を開発したものである。
本発明は、液体、固体である原料を液状で取り扱い、多段向流洗浄・分離操作を用い、原料中の目的物質を分離、除去、精製するものであり、目的物質を含有している種々の原料から、洗浄液あるいは抽出液などとの接触工程と、膜分離操作、抽出操作等の分離工程とを組み合わせて、効率的に目的物質を分離・回収する方法である。
本発明では、前記の課題を解決するために、原料の多段向流洗浄・分離操作を実施した後に、容器などに貯蔵された洗浄液あるいは分離液などに残存する目的物質の回収を企図し、それらの洗浄液や分離液を単独あるいは他の分離液や原料と混合し、原料に代えて洗浄・分離操作に供するようにした。
本発明における接触工程の意味するところは、実質的に原料が、洗浄液や残液と直接接触すれば、独立した混合工程として存在する必要はなく、それらの混合物や原料の容器を設け、そこで混合してもよいし、原料、洗浄液、原液処理容器から分離装置に移送する間や、分離装置内で混合してもよい。すなわち、膜分離のように均一相で行う場合の原液処理容器への洗浄液の直接混入による接触、液液抽出のように原液処理容器に抽出剤などを加えても必ずしも容器全体に均等に行き渡りにくい場合の原液処理容器から分離装置に移送する間での混入による接触、吸着やクロマトグラフ法などでの一旦処理原液を十分吸着剤と接触してその後に洗浄液や脱着液によって目的物質を後刻取り出すような原液と吸着剤を介した間接的接触などの接触形態がある。
本発明において分離工程とは、膜分離、液液抽出、固液抽出、吸着などで、原液、処理中の原液、洗浄液等の混合液を同時あるいは時間差をもって用いて分離液と残液に分離するもので、膜分離では、膜を通過する速度が物質によってあるいは物質の状態によって異なる選択透過性を用いて、原液あるいは原液と洗浄液等の添加液との混合液を、透過液(分離液)と残液あるいは濃縮液(残液)に分離する工程、液液抽出では、分離相を形成する原液および抽剤間の物質移動を用いて原液および抽剤、あるいはそれらの混合物を抽出液(分離液)と残液に分離する工程、固液抽出では、固体と液体間の物質移動を用いて流動性の確保された状態の原料および抽剤あるいはそれらの混合物を抽出液(分離液)と残液に分離する工程、吸着では、活性炭などの吸着材である固体と液体間の物質移動を用いて原液中の成分を固体に吸着させ、吸着させた該成分を脱着した液(分離液)と処理済の原液(残液)に分離する工程、あるいは充填材と液体間の親和性の物質による差を用いて原液中の成分を濃度の異なる複数の液あるいは濃度分布を維持した液に分離する工程のように供給する原料からあるいは原料に第二の物質を加えたもの、複数以上の液あるいは液状物質に分離する操作を指しており、同様な意味でクロマトグラフ法、蒸発、蒸留などを用いることができる。
分離工程で得た残液は、そのまま系外に抜き出す場合、多段向流操作の次の段に供する場合、分離工程と容器や接触工程の間で循環系を設けてその間に保持するようにしてもよい。
原料は、水溶液、溶媒に溶解した液、懸濁液、二相液などの流動性のある液状流体のほか、洗浄液と混合することによって流動性のある液状流体として取り扱えるものでもよく、処理の過程での原料の状態について、分離操作に供することができれば、処理の途中で固体が発生してもよいし、原料が固体でもよく、接触工程や分離工程で取り扱えるものであればよい。
洗浄媒液は、脱塩水、純水、除菌水などの水をはじめ、有機溶媒、無機物を含んだ水溶液など原料から目的物質の洗浄や分離を実施するための適切なあらゆる洗浄液、抽出剤、脱着剤、溶離液などを意味しており、目的とする洗浄や分離に支障がないものである。また、処理前後や処理中の原液や分離液から分離した液を洗浄媒液とすることができる。
【0022】
本発明では、被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、原料供給停止時に、多段向流洗浄・分離操作の後段からの分離液や洗浄液あるいは原料とそれらの混合液を、原料に代えて、原料を供給し続けた場合に実行する多段洗浄・分離操作のプロセスを実施し、原料の供給を停止する際の、洗浄液や、処理途上の原液中の目的物質1や目的物質2をも適切に回収し、洗浄・分離するものである。
図1に示したのは、多段向流洗浄・分離操作のために、複数の膜分離装置を直列に並べるフローの例である。連続的に原料と洗浄液を供給する連続向流式多段洗浄にあっては、図1に示すように中間の容器を設置し、その洗浄液や処理途中の原料を貯蔵している場合が多い。この場合通常の原料を供給した多段向流洗浄・分離運転の後、容器5a、5bに分離液が洗浄液として貯蔵されている状態で原料の供給が停止し、それらの分離液の中に有価物質や有害物質が含まれていると、容器5a中の透過液を分離装置7aへ送り1段目の膜分離を実施してその透過液4を系外に排出し、その残液と容器5b中の透過液を混合して分離装置7bで2段目の膜分離にかけ、続いて必要な洗浄液と2段目からの残液を混合して分離装置7cで3段目の膜分離にかけ、順次容器5a、5bに含まれた洗浄液を処理仕様に見合った最終残液3あるいは最終分離液4として系外に取出す。
また、容器5a、5bには適宜洗浄媒液を供給する機能が備わっており、図1の中に破線で記載した配管を用いて、それぞれの段の操作で容器と分離装置間の分離液や濃縮液の循環や返送を行うことも可能である。
【0023】
また、複数のバッチに分割して処理原液を供給する多段向流洗浄を実施する場合の原料の供給を停止するに際して、それまでの洗浄・分離操作で得た透過液、抽出液などの分離液中や処理中の原料に目的物質が含まれていることから、それらの回収を進めることが全体の回収率をよくするために重要であり、原料の供給の停止にあたり、最初の段の洗浄液に対応する液を原料に代えて、洗浄、分離、混合などの処理対象として、順次後段の洗浄処理を実施し、全体の目的物質の分離・回収を効率的に実施する。また、原料の供給バッチ数が少ない場合、前述の残された目的物質の供給量に対するこうした回収分の比率が高くなり、より効果がある。
【0024】
本発明において、2段以上の多段向流洗浄・分離操作の意味するところは、多段向流洗浄・分離操作は前述の原料に洗浄液を加え、残液と分離液に分離する操作を用いて、目的物質1を最終分離液として最初の段から、目的物質2を最終残液として最後の段から分離する2段以上の多段向流操作を、最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液を用いて行う操作一般をさしている。この新鮮な洗浄媒液を原液や処理中、処理後の原料の濃縮などから得る場合もある。
分離液、残液は、それぞれ膜分離操作の場合の透過液と濃縮液、液液抽出の場合の抽出液と残留液などで、多段向流洗浄・分離操作の各段で分離される洗浄液の性状や組成に近いものを分離液、処理対象として各段での処理中や処理済の原料を残液と称する。
最終残液は、多段洗浄・分離操作を終えて系外に取り出される残液を、最終分離液は多段向流操作から得られ、該多段向流操作の系外に取り出される分離液で、通常最初の段から系外に抜き出される分離液をさしている。
目的物質1は、上述の最終分離液に分離すべき物質で、最終残液に分離すべき物質である目的物質2と対応させて包括的に表現している。
以下同様にこれらの用語を用いながら説明する。
【0025】
<請求項3関係>
請求項3では第1系統の多段向流洗浄・分離操作から最終残液、最終分離液に加えて最終残液2あるいは最終分離液2を抜き出す場合である。それらに含まれる目的物質を、目的物質1および目的物質2と異なる物質として表す場合には、それを目的物質3と称している。
第1系統からの系外への分離液の抜出しについて、多段向流洗浄・分離操作の最初の段からの抜出しに限定せず、中段から透過液を最終分離液として抜き出すことができる。また、その一部を多段向流洗浄・分離操作の前段で洗浄液とすることができる。また、別に第1系統からの残液の抜出しについても、多段向流洗浄・分離操作の最後の段からの抜出しに限定せず、中程の段から残液を最終残液として抜き出すことができる。中段から透過液あるいは残液を抜き出す場合、その目的は目的物質1あるいは2を抜き出すことのほか、別の目的物質3を抜き出す場合がある。後述の2系統以上の分離操作を組み合わせるに際しても、その組合せは最初の段からの分離液や最後の段からの残液に限定せず、中段からの分離液や残液を対象にして、第2系統の分離操作や多段向流分離操作を実施することもできる。
【0026】
<請求項4関係の説明と作用>
また、本発明においては、適時全体の管理に必要な測定点を選択し、各目的物質の濃度やその比率、電気伝導度、糖度、比重などそれらの濃度を反映した物性を測定して運転管理に用いることで、多段向流洗浄・分離操作の開始、継続、停止などにおける全てあるいは一部の洗浄段での洗浄媒液の供給、濃縮の継続・停止を含む運転条件を決定する指標とすることができる。
多段向流洗浄・分離操作の最終の洗浄段に洗浄液の供給を継続することで目標とする洗浄や分離を行う場合、運転開始の際には、多段向流洗浄・分離操作で用いる後段の洗浄から洗浄液が得られず、最初の洗浄段あるいは2段目以降の洗浄段では、それぞれ新鮮な洗浄媒液を供給する必要がある。本発明はその適切な供給量の決定に、測定濃度や物性をその指標として用いることで、適切な洗浄媒液の供給を実現しようとするものである。濃縮の継続については、例えば膜分離によって脱塩操作を行う場合、原料を濃縮することが、脱塩などの分離をより少ない洗浄媒液で行うのに一般的には有利であるが、固形分の発生、浸透圧の制限があるほか、各段の到達点をバランスよく達成する必要があり、目的物質1や目的物質2の濃度あるいはそれらを代表する物性を測定することが有利になる。
各段に設定される到達点の設定は、繰り返し実行された結果を踏まえて設定する方法や、シミュレーションなどによる予測を踏まえて設定することで可能であるが、設定値は固定する必要はなく、操作状況や原料の変動にあわせて、その設定を調整することができる。また、サイクルの進行に合わせて、最後の段以外の各段で供給する洗浄媒液を徐徐に減らすべく運転を調整することができる。
図2に示したフロー図は、多段向流洗浄・分離操作を一基の膜分離装置と、容器5の循環を基本として行う方法の例である。この場合、容器5に原料がまず供給される。原料に各容器5a、5b、5cからそれぞれの洗浄液を供給し、原料を順次洗浄・分離する。最初の容器5aに最初の洗浄液、5bに2番目の洗浄液、5cには洗浄水などの洗浄媒液を貯蔵し、順次使用する。最初の段で分離した分離液は、ここでの最終分離液4として系外に排出する。次の容器5bの洗浄液を用いて発生する分離液を5aの容器に蓄積し、次のサイクルで供給される原料に対する最初の洗浄液として使用する。3番目の洗浄媒液による洗浄・分離で発生する分離液は5bの容器に蓄積し、次のサイクルにおける2番目の洗浄液として使用する。洗浄後残った最終残液3を系外に取出し、このサイクルの処理が終了する。以上を基本として処理を進めるが、これらのサイクルが繰り返される最初の何回かのサイクルの間には、各段階の洗浄段で洗浄媒液が容器5a、5bに無い分も含めて、必要分を容器5に供給する。そしてサイクルの進行に伴って最後の段以外の各段で使用する洗浄媒液を徐徐に少なくし、ごく少量とする方向で運転を進めることができる。このフローにおいて容器5cから供給する洗浄水量、各段の分離液量、処理の各段で供給する洗浄水量、各段階での処理中の原料の容量は、処理中の原料あるいは分離液を対象とする電気伝導度計、糖度計などの測定値により供給量や設定値を決定する。
【0027】
原料を複数のサイクルに分けてバッチ供給する場合を説明する。最初のサイクルで供給された原料に対して多段向流洗浄・分離操作を開始する際には、後段から洗浄液として用いる分離液は、まだ得られていないため、最終段以外でも通常新鮮な洗浄媒液を用いる。
最終残液中の目的物質1を所定の濃度以下にするための、最初の各段における洗浄媒液の適正量は、多くのサイクルを繰り返した場合に必要な各段の洗浄媒液の必要量よりも通常少なくなる。すなわち、多くのサイクルを繰り返した場合には、各段の洗浄液には目的物質1が既に混入しているが、最初のサイクルでは各段ともに目的物質1が入っていない新鮮な洗浄媒液を用いることから、洗浄効果が高い。
また、ナノフィルトレーション膜による溶解物質である目的物質1と目的物質2の分離を行う場合などでは、その処理後の目的物質2の量に対する目的物質1の比率が、多くのサイクルを繰り返した場合と比べて、初期のサイクルにおいて大きくなることがある。この場合は、単に目的物質1にのみ着目した操作や操作計画では、この多段向流洗浄・分離操作の後、目的物質2の製品化を行った段階で、目的物質2の量に対する目的物質1の量が規定以上になる。こうした現象を防止し、適切な分離・回収を行うことも本発明で可能となった。
【0028】
<連続操作>
連続的に多段向流洗浄・分離操作を行う場合でも、洗浄媒液の供給、濃縮の継続・停止を含む運転条件を適正に管理するには、前述のバッチ供給される原料に対応する場合と必要性と対応方法は同様である。
【0029】
<請求項5 膜を用いる場合>
分離操作として膜分離技術を使う場合、特にナノフィルトレーション膜や限外ろ過膜を使う場合には、原料の供給を停止した後に多段向流洗浄・分離操作で残った処理中の原液、洗浄液あるいは分離液に、目的物質1と目的物質2が残存し、これらを原料の供給停止後、さらにそれぞれを分離、回収することはが重要で、同様に運転の立ち上り時期に、あるいは少ないバッチ数の運転での処理にあたって、目的とする処理を効率良く完結するには、少量の洗浄媒液の添加で適正な洗浄・分離を可能にすることに意義がある。
特に少ないバッチ供給回数の場合に原料供給停止時に残された洗浄液や処理途上の原料に残された目的物質の量は無視できない場合が多い。
食品や医薬品など生物関連物質を原料とする場合、腐敗や変質、さらに多品種生産や少量生産への対応などが必要となる。このことから多段向流洗浄・分離操作も短時間で操業を立上げ、短時間で停止する必要がある場合が多い。本発明はそれらへの対応を可能にする。
【0030】
<請求項6関係 固体分離と膜分離の組合せ、その作用>
本発明において、膜分離などによる濃縮工程を用いた各段あるいは一部の段で固形物を分離することにより、各段での膜分離などの分離工程での取り扱い液中の固形物が許容以上に増加することが防げる結果、膜の汚れやつまりによる障害を防止できる。また、多段操作において目的物質2に固形物質が含まれる場合、原料中に含まれる目的物質1の含有量が洗浄処理の進行に対応して減少するため、濃縮しても最終の残液および各洗浄・分離段で得られる目的物質2の全体を合計した場合における目的物質1の比率を抑制しやすい。
図3に最終残液として固形物および付着水などの液状物質を得るフロー図を示す。固液分離装置で固体を分離する一方、原料中の塩などの物質は洗浄し、最終透過液4として系外に排出される。ここでは、原液処理の容器5と膜分離装置7の循環のほかに、容器5と固液分離機10の間に循環路を設ける方式としたが、同じ循環路中に分離装置と固液分離機を配置してもよく、容器内にサイクロンなどの固液分離機能が存在してもよい。また、本発明において晶析工程を用いて結晶を成長させ、固体あるいはスラリーとして分離してもよく、固形物が発生しにくい高温あるいは低温で洗浄・分離や濃縮を実施し、該処理から取出した液を適切な固形物が発生しやすい低温あるいは高温で晶析工程などにかけるなどの操作によって結晶などの固形物を分離することができる。
多段向流洗浄・分離操作を行いながら、晶析などにより固形物を分離する場合、本発明においては、多段向流洗浄・分離の各段から取出す固形物を最終残液あるいは最終分離液の一部と考えることができる。
また、本発明は液相中に第2の液相が生成する場合にも、重液・軽液分離や膜分離による液液分離を用いて、固体の場合と同様に液体を最終残液あるいは最終分離液の一部として分離することができる。
本発明により、原液からの塩などの不純物の除去と濃縮を同時に進行させ、蒸発濃縮などと比べて省エネルギープロセスである膜プロセスを用いた晶析プロセスにおいて、より低濃度の不純物の含有量に対応した製品を得ることが可能になる。
【0031】
<請求項 7、8、9、10、11、12の説明と作用>
<請求項7 多段洗浄と2系統目の分離、および請求項8の2系統からの回収>
第1系統の多段向流洗浄から得たその最終分離液あるいはその最終残液に、第2系統の分離操作を実施することにより、第1系統の分離における目的物質のロス分を回収することができ、あるいは洗浄媒液を回収し第1系統で使用することで、新鮮な洗浄媒液の使用量を節減することができる。例えば、第1系統で目的物質1に加えて目的物質2までが系外に出るような場合には、目的物質2の回収あるいは目的物質1の除去後その残液あるいは分離液を第1系統に戻す、あるいは別に回収することができる。
第1系統の洗浄・分離操作が多段であることは、この第2系統目の操作を実施する上で重要である。すなわち、多段操作とすることで、単段の洗浄・分離操作の場合に比べて、少ない洗浄媒液で高い分離効率が得やすく、第2系統と併せて全体としても高い分離効率が得やすくなる。
図4に例示したのは、第1系統の7a、7b、7cの分離装置を使った3段の多段向流洗浄・分離操作と、該操作から得る第1系統の多段洗浄・分離操作からの最終分離液4に対して第2系統の分離操作を実施し、その分離液を全体の最終分離液9として系外に排出し、第2系統の膜分離で得た残液8を原料と混合して第1系統、すなわち洗浄媒液による洗浄・分離を含む3段の多段向流洗浄・分離操作を経て、処理全体の最終残液3として、系外に取出すフローである。同様の考え方で、時間差的な多段向流洗浄・操作を用いる方法も本発明では提案している。
また、第1系統、第2系統で同じ膜分離のほかに抽出、吸着、クロマトグラフ法、蒸発、蒸留などそれぞれ同種あるいは異なる分離操作の組合せが可能である。
また、第1系統からの系外への分離液の抜出しについて、多段向流洗浄・分離操作の最初の段からの抜出しに限定せず、中段から分離液を最終分離液として抜き出しまたその一部を洗浄液とすることができる。あるいは第1系統からの残液の抜出しについても、多段向流洗浄・分離操作の最後の段からの抜出しに限定せず、中程の段から残液を最終残液として抜き出すことができる。
また、第2系統での分離には洗浄媒液を加えても加えなくてもよい。
図5は、第1系統の7a、7b、7cの分離装置を使った3段の多段向流洗浄・分離操作と、第2系統の7d、7e、7fの分離装置を使う3段の多段向流洗浄・分離操作を組み合わせたフロー図である。第1系統の最初の段から全体の“最終分離液”4として目的物質1を、第1系統の最後の段から全体の“最終残液”3として目的物質2を系外に抜出し、第1系統の中間の段から目的物質1と目的物質2の中間的透過傾向をもつ目的物質3と目的物質1を少量含む“中間分離液”を抜き出し、この中の目的物質1を第2系統の多段分離で除去して目的物質3を“最終残液2”8に得て、第2系統の最初の段からの透過液を第1系統の最初の段に戻すことで、3種類の物質がそれぞれ分離できる。現実の装置では、それぞれの容器や輸送用のポンプを使うことが一般的であるが、ここでは表記を省略した。また、このフロー図に示したと同様の操作を複数の分離装置を用いて行うことも可能であり、その場合は次の段に分離液を進めるために中継用容器が用いられる。同様に図7、図8においてもこうした記載を省略した。
このような分離方法は第2系統目の分離や多段向流分離を使用しなくとも用いられる。特に処理対象とする原料中に塩化ナトリウムなどの濃度が高く、最初の段からの透過液を第1系統から取り出した場合、浸透圧が高くなりすぎるため、濃度が薄い目的物質3しか得られない場合などに、2段目以降から抜き出すことによって塩化ナトリウム濃度が低い目的物質3を含んだ“最終分離液2”が分離できる。さらにこの“最終分離液2”から目的物質1を除去し、高い濃度の目的物質3を回収するために第2系統目の分離や多段向流分離を使用することは効果的である。
【0032】
<請求項9 第2系統目が2回以上の透過液を順次膜処理する場合>
第2系統の分離については、原料となる第1系統からの分離液について、1段の分離操作では十分できない目的物質2の回収と同時に目的物質1の除去を多段処理で実施する。ここでの多段処理は、第1系統からの対象液に第2系統の最初の段の膜分離操作を実施し、その透過液をさらに次の段の処理対象とし、順次次の段あるいは系外に送り、逆に各段の膜分離操作での残液はそれぞれ前の段の処理対象液と混合して処理し、時間差的な複数のバッチを用いる場合は次のサイクルの前段の対象液と混合し、最初の段の残液は第1系統に戻す。
図6に例示したのは、分離装置7a、7b、7cを用いる3段の多段向流洗浄・分離操作と、そこから得る第1系統の多段洗浄・分離操作からの最終分離液4を、分離装置7dを用いた第2系統の分離操作にかけ、その透過液をさらに次の分離装置eによる分離操作にかけ、その透過液を最終分離液9として系外に排出すると同時に、その濃縮液を前述の第1系統の最終透過液と混合し、第2系統の最初の濃縮液は、第1系統への原料と混合するフローである。
【0033】
<請求項10 第1系統と第2系統が膜>
本発明の膜分離を第1系統と第2系統で組み合わせて用いることで、全体としてそれらの膜分離の性能を改良することができる。特定の膜では、個別の物質に対して、その透過性向が対応する傾向が強いが、多段向流操作と2系統の操作を用いることで全体としてより望ましい分離性能の達成が可能になり、多段向流操作により第1系統からの最終透過液や最終残液が少なくできることと第2系統の操作を用いることにより相乗効果がある。
第1系統で膜分離を用いることに関して、多段向流洗浄・分離操作の最初の段では、取扱い液の目的物質1や目的物質2の濃度は通常双方ともに高く、目的物質2の高い回収率を達成しようとした場合、その物質に対して高い阻止率を示す膜が、目的物質1について十分な透過を達成できることが望ましいが、目的物質2が最初の段の透過液に混入する場合が多い。このため、第1系統の最初の段の透過液に第2系統の膜分離を用いて、目的物質1の除去と目的物質2の回収を実現するものである。
また、第1系統で多段向流洗浄した後の残液に対して、第2の分離を実施する場合も同様の方法が適用できる。同じ膜分離を用いる場合でも、第1系統にはナノフィルトレーション膜を用い、第2系統ではRO膜を用い、洗浄媒液として回収することもできる。第1系統と第2系統では同じ膜を用いても、同種の別の膜でも、異種の膜でも使用できる。
【0034】
<請求項11 多段洗浄・分離操作と回収操作の一連のサイクル>
第1系統と第2系統の洗浄・分離操作を、バッチ方式により供給される原料に対して行う場合に、それらを一連の処理サイクルの中で実行することが可能である。また、別に、まず第1系統の最終残液や最終分離液を一旦蓄積し、その全体や一部をまとめて別の処理に供することも可能であり、第1系統をバッチ処理で、第2系統を連続処理する場合、あるいはその逆に、第1系統を連続多段向流洗浄とし、第2系統をバッチ処理することもできる。
【0035】
<請求項12 回収操作用の膜装置が多段洗浄・分離操作用と同一膜装置>
さらに第1系統の洗浄・分離操作と第2系統の洗浄・分離操作に、同一の膜装置を使用することも可能であり、この場合には、簡便な装置で、高い分離効率を実現できる。
【0036】
<請求項13、14、15、16、17 の説明と作用>
<請求項13 2系統の多段向流洗浄・分離操作の説明と作用>
ここでの第1および第2の2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いる方法について記載する。2種類の目的物質を分離するにあたり、異なる種類の分離操作を用いることも同種の分離操作を用いることも可能である。例えば第1系統の原料の処理にタイトなナノフィルトレーション膜を用い、第2系統目にはよりルーズなナノフィルトレーション膜あるいはUF膜を使用し、第1系統での最終残液を第2系統の原料として濃度の異なる複数以上の液に分離するか、あるいはさらに第2系統からの最終透過液を第1系統の洗浄液として使用する2種類の膜を用いた2系統の多段向流洗浄・分離操作も可能である。
図7に示したのは2系統の3段向流洗浄・分離操作を用いるフロー図である。このフロー図では、6基の膜分離装置の組合せとして記載した。また、このフロー図と同様の操作を1基あるいは2基の分離装置を用いて、時間差的に行うことも可能であり、その場合は次のサイクルで分離液を使用するための保存用容器が必要になる。
図8に示したのは2系統の3段向流洗浄・分離操作を用いる例で、第1系統からの残液(濃縮液)を第2系統で分離するフロー図で、全体として第1系統からの最終分離液(透過液)、第2系統から最終分離液と最終残液を系外に抜き出すことができる。同様のフローは、水系に混入している2種類の物質を2種類の抽出剤を用いて抽出する場合などにも用いることとができる。
【0037】
<請求項14 2系統多段向流洗浄・分離操作で 透過液1を第2系統分離の説明と作用>
<請求項15 濃縮液に対する2系統多段向流の説明と作用>
3種類以上の目的物質について、2系統以上の多段向流洗浄・分離操作を用いて分離することができる。すなわち、3種類の目的物質が含まれている原料について、一旦特定成分を分離する目的の第1系統の多段向流分離から最終残液および最終分離液を得、次の第2系統の最終残液あるいは最終分離液中に含まれてくる2種類の目的物質の分離を実施するものである。
膜分離を用いた多段向流洗浄を用いる場合には、第1系統の多段向流洗浄・分離操作から得られる最終透過液に2種類の目的物質が含まれ、それぞれを第2系統の多段向流洗浄・分離操作により分離する。ここでの第1系統の洗浄・分離操作は洗浄媒液を用いる場合を想定しているが、最終の洗浄段で濃縮のみを行い、その液を洗浄媒液に代えて使用することもできる。また、別の濃縮操作により洗浄液を得ることも可能である。
目的物質1は第1系統の分離液に、目的物質2は第1系統の濃縮液に取り出す成分であるが、目的物質3の成分は、第1系統の分離では目的物質1あるいは目的物質2とともに、系外に分離される。目的物質3と目的物質1あるいは目的物質2の混合物に対して、第2系統の多段向流洗浄・分離操作を行うことにより目的物質3を混合物から分離する。この方法によって3種の成分をそれぞれ3種の液に分離することが可能であり、2系統の多段洗浄・分離操作を用いることにより、高い回収効率で、より高い濃度の回収液が得られる。同様の考え方を適用し、3系統以上の洗浄・分離操作を用いて、4種以上の成分をそれぞれ分離することも可能である。
【0038】
<請求項16  時間差的多段向流処理方法、 請求項17 液位制御>
<時間差的多段向流処理方法を本発明で使用する意義>
本発明では、連続向流分離操作や多くの原料の容器と分離液の容器を用いるバッチ式向流分離操作にも適応できるが、特に“時間差的多段向流洗浄・分離操作”を用いた場合には、さらにその効果を発揮する。“時間差的多段向流洗浄・分離操作”を用いた場合、全てあるいは一部の多段分離操作に同じ分離装置を用いることも可能になり、バッチ供給された原料に対して、その処理の間あたかも分離装置では連続的に変化する処理を実施しながら、多段向流処理ができるだけでなく、その間必要な濃度管理、容積管理、温度管理、pH管理、圧力管理、などの運転管理を、簡潔な装置で実施することができる。
さらに、“時間差的多段向流洗浄・分離操作”におけるその初期のバッチ供給、すなわち、少ないサイクルの段階の運転では、上述のような運転管理や経験的な運転方法や手順のもとで、新鮮な洗浄媒液を各処理段ごとに必要な量のみを供給しながら、各バッチの処理を進めることができる。
また、別に図9に示すように複数の原液処理容器を用い、全てあるいは一部の分離工程からの残液を該複数の原液処理容器を交互、順次あるいは同時に使用して効率よく多段向流洗浄・分離操作を進めることができる。
また、“時間差的多段向流洗浄・分離操作”のいくつかのサイクルを終えた後、残された洗浄液中の目的物質を回収・分離することができる。
また、“時間差的多段向流洗浄・分離操作”を用いた第1と第2の分離操作を用いる場合に、それぞれ異なる分離操作や分離装置を用いることができるほか、同じ分離装置を用いて、第1系統の分離操作からの最終分離液や最終残液などに対する他系統の分離手段でも用いることができる。また、この場合、いくつかのサイクルの多段向流操作を実施した後、蓄積しておいたその最終分離液や最終残液に対して適応することも、各サイクルごとに一連の異なる系統の処理を行うこともできる。
また、複数以上の“時間差的多段向流洗浄・分離操作”を組み合わせることも可能である。
この方式で用いる分離工程には、膜分離のほか、液液抽出、固液抽出、クロマトグラフ法においても効果を発揮する。
<膜の場合>
マイクロフィルトレーション膜(MF)、限外ろ過膜(UF)の場合は、スラリーや大分子を含むものを取扱い、洗浄液の添加、透過液の抜き出しによって、液状物質の洗浄、分離やそれらの濃縮を進めることができ、その意味で濃縮すること、洗浄すること、濃縮液と透過液に分離することができ本発明によく適合する。さらにナノフィルトレーション膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)の場合は、溶解している目的成分などの性質と膜の性質が主に影響して、透過する物質と透過しない物質の分離や洗浄、濃縮が可能であり、これらも濃縮液と透過液に分離することができ本発明によく適合する。通常濃縮液を多段向流操作の後段に、透過液をその前段で使用し、最終段で新鮮な洗浄水を用いる場合が多いが、途中で用いることもできる。図10、図11は膜分離を採用したフロー図である。
<液液抽出の場合>
液液抽出での原料などの取り扱いは、処理する原液と抽剤の混合物を、抽出液と残液に分け、残液を多段向流洗浄・分離の次の段に、抽出液を多段向流洗浄・分離の前段での抽出剤として使用することができる。また、液液抽出においては、液液分離装置に供給する処理原液流量に対する洗浄液に相当する抽剤の流量比が重要であり、しかも原液処理容器に直接その抽剤を入れる場合は少ない。そこで各段の分離操作の少なくとも適切な段階から処理原液流量に対して一定流量の抽剤を供給し、重液・軽液分離のような分離によって処理の進んだ原液と分離液に分ける場合が多くなる。そこでひとつの処理段での処理済の残液は、図9に示したような原液処理容器とは別の容器に移送したほうが物質移動の推進力は一般的には有効に使える。新鮮な抽剤は多段向流操作の最後の段で用い、順次次のサイクルではその前段で使用するが、途中で用いることもできる。
<固液抽出>
また、固液抽出における原料などの取り扱いは、植物由来物質などの原料固体を液体中でスラリー状態とし、抽出した後固液分離装置で固体と分離液を得、固体、ケーキあるいはスラリーをひとつの原液処理容器にコンベヤーなどによって戻し固液分離機との間で循環しながら抽出を進める場合と、図9に示した場合と同様な複数の原液処理容器を交互に用いながら多段抽出を進める場合がある。各処理中の原料容器には多段操作の各段の洗浄液や抽剤を供給し、処理原料の取り扱いに支障のない状態を維持する。この場合も新鮮な洗浄剤や抽剤は多段向流操作の最後の段で供給し、順次次のサイクルの前段で使用するが、途中で用いることもできる。
<吸着>
また、同様に吸着においては、吸着剤が充填された充填層に処理する原料を供給し、吸着を終えた後、通常別の原液処理容器に移送する。続いて多段向流操作におけるその段用の脱着剤で脱着した液は脱着液(分離液)として貯蔵し、次のサイクルの前段での脱着剤(洗浄液)として使用する。すなわち脱着液(分離液)は脱着剤(洗浄液)でもあり、その意味で多段操作の中で繰り返し使用する。処理原液と吸着層の接触は、通常一過式の接触方法を用いるが、吸着工程で十分な推進力が確保できる場合は、処理原液をその原液処理容器と吸着層の間で循環して吸着することもできる。原液処理容器の基数は、図9に示したような複数の原液処理容器を用いる場合と一基の場合がある。ここでの多段向流接触では、固定の吸着層を用い、処理原液と脱着液(洗浄液)をそれぞれ多段向流操作に供する。新鮮な脱着液は通常最後の段で供給するが、途中で使用することもできる。<クロマトグラフ法>
また、クロマトグラフ法では、充填剤の層に処理する原液あるいは溶離剤/洗浄液との混合物を通過させ、複数の種類の目的物質の濃度の異なる複数以上の液に分離し、多段向流操作の後段と前段にそれぞれ供給することを中心とする処理を進める方法のほかに、原液あるいは処理中の原液と溶離液/洗浄液をその順に充填層に流し、残液と分離液を順次得る操作段を用いた多段向流分離・回収方法やその逆に後段で得た溶離液/洗浄液を先に流してから処理する原液を流し、分離液と残液を順次得る操作段を用いた多段向流分離・回収方法が可能である。これらの場合、多段操作の各段で処理する原液や溶離剤/洗浄液を適時分割し、それぞれ交互に供給すると共に、充填層から残液と分離液を交互に得ることができる。この方法により充填物量が少なくても有効に残液と分離液間の濃度差が作られる範囲でクロマト分離操作を繰り返すことが可能である。さらにこの方法では、この段で使用する溶離液/洗浄液の貯槽で濃度差を維持できる場合や分割して貯蔵する場合など、その濃度差を有効に利用することが可能である。また、残液についても同様の濃度差を維持する方法が採用できる。溶離液/洗浄液に処理原料と分離液相を形成する物質を用いる場合は、クロマト分離を行う充填層のほかに、液液分離を行う重液・軽液分離機などを用いることが有効である。
上述の多くの段で用いる溶離液には目的物質が含有しているが、処理原液、溶離液/洗浄液、残液、分離液のほかに実質的に分離に影響のない溶離液をそれらの液の供給/分取に利用することが効果的である場合がある。
<請求項17関係>
また、特に時間差的多段向流操作のような原料の処理の進行に合わせて洗浄液や抽出剤を供給する場合、分離液の取出し量と抽出剤の供給量の関係を適切に維持することが重要で、分離液の取出し量に対して洗浄液や抽剤の量が不足した場合などには処理中の原料濃度が過度に上昇する障害や、過剰な洗浄液の添加による分離性能の低下が発生する場合がある。
こうした障害や分離性能の低下を防止するために、処理原料の状態を監視しながら処理を継続することが重要であるが、その具体的な方法として、処理の進行に合わせて原液処理容器の液位や原液処理容器内の液量や液重量等を制御することができる。対象の原料の液位や原液処理容器内の液重量を一定に維持することが可能であることはいうまでもないが、適切に選定した処理中の原液、分離液、あるいは残液の分析値や物性の測定値を用いて、濃縮や洗浄・分離の進行に対応させてその設定値を順次変更することも可能である。
図10に示したフロー図は、処理原液が容器Bから容器Aにバッチ的に各サイクルで供給されるものである。まず第1系統の3段の向流洗浄・分離操作は、容器C、D、Eの各洗浄液が用いられる。容器Eは新鮮な洗浄媒液の容器である。3段の向流洗浄・分離操作を終えた処理済の原液は、処理全体の最終残液として、最終濃縮液貯槽に排出される。第1系統からの透過液は、3段の処理における最初の段で容器Hに供給される。第2系統の分離装置で分離された透過液は処理全体の最終透過液貯槽に排出される。濃縮液は容器Fに蓄積される。この濃縮液は次のサイクルで原液と混合され処理が進められる。
この装置で2段の第2系統の操作を行う場合は、前述の最初の段における透過液を最終透過液とせずに、容器Jに一旦蓄積し、第2系統の第1段の処理を終えて、第2段の処理を開始する際の容器Hに供給し、分離装置Kでの2回目の分離液を最終分離として系外に排出する。一方その際の濃縮液は容器Iに一旦蓄積し、後のサイクルで前述の第1系統の最終分離液と混合される。
図11は、図10での同様の操作をひとつの分離装置で行うフロー図の例である。
【0039】
<予備濃縮および後濃縮>
本発明の各方法の適応において、事前にRO膜やナノフィルトレーション膜などで処理対象を濃縮することは、その洗浄効果をあげることにつながる。さらに、濃縮時に得た水などの分離液を多段向流洗浄で洗浄媒液や洗浄水として使用することが可能である。また、多段向流洗浄後の残液や透過液を更に濃縮し、その濃縮で得た透過液などを洗浄媒液として使用することが可能である。
【0040】
尚、緊急の場合に分離機能を停止させる場合や処理速度を抑制する場合には、分離操作で得た分離液を原液処理容器に還流させる方法や、循環操作圧力を下げる方法、さらには洗浄液などに置換する方法などを採用することができる。さらに洗浄工程を適時組み込むことや、圧力制御、温度制御、pH制御などエネルギーの投入や除去、添加物の添加などにより適時全体を管理する方法と組み合わせることができることは当然である。
【0041】
<分離技術の種類>
本発明の分離手段としては、前述の原料の循環システムの一部を構成するもので、原料中の目的成分の分離を実施するための装置であり、膜分離、固液分離、重液・軽液分離、抽出装置などの分離機能を有する装置を利用する。目的成分を含有する原料から、その中の目的成分が分離できればよく、この応用として単に分離するだけでなく反応させながら分離する場合や、反応させながら目的成分を変化させる場合などが含まれる。すなわち、ろ過、遠心分離等の固液分離、液液分離、液膜分離、抽出、吸着、クロマトグラフ法、蒸留、蒸発、凍結分離、晶析などの分離技術が適用できるほか、必要に応じて反応器などの利用が可能である。本発明で用いる分離装置としては、連続的に分離操作を行うことができるものが望ましい。
【0042】
分離工程は、分離工程が同じ原液処理容器内に組み込まれていてもよいし、原液処理容器や接触工程と分離して設けてもよい。また、分離工程で得た分離液は、そのまま多段向流操作の前段に送ってもよいし、一旦分離液を貯蔵してもよい。
<NF、UF膜などの場合>
膜分離技術であるマイクロフィルトレーション膜(MF)、限外ろ過膜(UF)の場合は、スラリーや大分子を含むものを取扱い、洗浄液の添加、透過液の抜き出しによって、液状物質の洗浄、分離やそれらの濃縮を進めることができる。さらにナノフィルトレーション膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)の場合は、溶解している目的成分などの性質と膜の性質が主に影響して、透過する物質と透過しない物質の分離や、濃縮が可能であり、本発明によく適合する。特に限外ろ過膜やナノフィルトレーション膜である場合、目的物質1や目的物質2となる物質の分離は、多くの場合双方ともある程度透過され、また、ある程度阻止される場合が多く、本発明では阻止傾向の差を利用して、本来の膜の分離性能よりもさらに効率の高い分離が可能である。また、多くの種類の膜が商用に供されており、その中から適宜使用する膜を選択することによって、目的とする分離や洗浄を実現することが可能である。
【0043】
<液液抽出>
液液抽出での原料などの取り扱いは、原液や原液と抽剤の混合物を抽出液と残液に分け、残液を多段向流洗浄・分離の次の段に、抽出液を多段向流洗浄・分離の前段での抽出剤として使用することができる。
また、例えば水中に溶解している成分を、まず有機溶媒を用いて多段向流操作により抽出し、その抽出液中の物質を膜処理によって分離する方法が本発明の複数の系統の分離操作の応用として適応できる。その膜処理について単段で実施することもできるが、多段向流操作を用いることができ、最後に新鮮な洗浄媒液を使用することで、高い効率の分離が実現できる。
<固液抽出>
また、固液抽出における原料などの取り扱いは、植物由来物質などの原料固体をスラリー状態とし、抽出した後固液分離装置で固体と分離液を得、固体、ケーキあるいはスラリーをひとつの原液処理容器にコンベヤー等によって戻し固液分離機との間で循環しながら抽出を進める場合、複数の原液処理容器を交互に用いながら多段抽出を進める方法が適応できる。各原液処理容器には多段向流操作の各段の洗浄液や抽剤を供給し、処理原料の取り扱いに支障のない状態を維持する。これらの多段向流抽出操作で得た最終分離液に対して膜分離やクロマトグラフ操作を適応することもできる。
<吸着>
また、同様に吸着においては、吸着剤が充填された充填層に処理する原料を供給し、吸着を終えた後、通常別の原液処理容器に移送する。続いて多段向流操作におけるその段用の脱着剤(洗浄液)で脱着した脱着液(分離液)を貯蔵し、前の段の脱着剤(洗浄液)として使用する。すなわち、脱着液(分離液)は脱着剤(洗浄液)でもあり、その意味で多段操作の中で繰り返し使用する。処理原液と吸着層の接触は、通常一過式の接触方法を用いるが、吸着・脱着工程で十分な推進力が確保できる場合は、処理原液をその原液処理容器と吸着層の間で循環して吸着することもできる 原液処理容器の基数は、複数の原液処理容器を用いる場合と一基の場合がある。ここでの多段向流接触では、吸着層自身が移動せずに実行し、処理原液と脱着剤(洗浄液)をそれぞれ多段向流操作に供する。
使用する吸着剤には、活性炭、炭素繊維、イオン交換樹脂などあらゆる種類の吸着剤から適時選択あるいは組み合わせて使用できる。
<クロマトグラフ法>
また、同様にクロマトグラフ法では、充填剤の層に処理する原液あるいは溶離剤(洗浄液)との混合物を通過させ、目的物質の濃度の異なる複数以上の液に分離し、多段向流操作の後段と前段にそれぞれ供給することを中心とする処理を進める方法、原液あるいは処理中の原液と溶離液をその順に充填層に流して、残液と分離液を順次得る操作段を用いた多段向流分離・回収方法、その逆に溶離液を先に流してから原液を流し、分離液と残液を順次得る操作段を用いた多段向流分離・回収方法や、各目的物質の濃度においてピークの部分等を取出し、多段操作の行き先をそれぞれ選択することを中心とする方法などの、充填層に供給した単数あるいは複数の液が、異なる濃度の液として充填層から時間的にあるいは空間的に分割できる液として取出すことを用いる。また、例えば充填剤との親和性の高い目的物質1と親和性の低い目的物質2を前述の2種類の順番の原液と溶離液/洗浄液の供給順序を用いた2系統の時間差的多段向流洗浄・分離を用いて分離することができる。
充填剤としては、吸着・分配型充填剤、イオン交換型充填剤、ゲル浸透型充填剤など多くの種類の充填剤から適宜選択して使用でき、またこれらを修飾、被覆、複合体化したものを使用することができる。
【0044】
<設備>
本発明の設備としては、原液処理容器と分離手段およびそれらをつなぐポンプ、配管、混合器、フィーダー、コンベヤーなどの輸送手段からなり、これらによって原料の循環システムが構成されており、この循環システムの適当なところに、別途貯留されている洗浄液や抽出剤などを連続的あるいは間欠的などの方法で供給しながら、分離手段によって目的成分の分離を行うものをはじめ各説明図に例示したようなバッチ式、連続式の処理装置を用いる。
本発明では均質な溶液を得る場合、固形物の発生を抑える場合、装置や膜の表面へのスケールの付着を防止する場合、雑菌の繁殖を抑える場合、製品や原料、酵素などの劣化を防止する場合、気体の放散を防止あるいは促進する場合のほか、加熱複数の分離手段を同時に用いるにあたってそれぞれ異なる温度に維持する場合などを目的として加熱や冷却を行うことがある。例えば晶析や液液二相分離と膜分離を組み合わせる場合では、膜分離では均一相を維持しやすい温度を用い、晶析や液液二相分離などは二相を作りやすい温度を用いることができる。
分離工程から抜き出される際の濃度分布をもつ分離液の貯蔵容器に関して、その濃度分布を保持したまま貯蔵することを目的とした容器を用いることができる。すなわち、実質的に分割されている容器、細長い流路を形成している場合、バッフルなどを設けることによって逆混合を防止する場合などがこれにあたる。また、クロマトグラフ法等において、目的とする物質に濃度を検知し、あるいは想定した一部の分離液を分取することができる。
こうした簡単な装置による精密な分離ができることから、小型の装置を用意することによってサンプル中の目的物質の濃度や量の測定も可能である。
【0045】
<洗浄媒液の種類>
本発明で使用する洗浄媒液、抽出剤、溶離剤は、目的成分及び原料の特性、物性などによって適宜選択することが望ましく、各種の有機性、無機性の溶媒が利用可能であり、具体的には、水、各種有機溶媒、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン系溶剤、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、アルコール類、フェノール類、ニトロ化物、アミン類、アミド類、ニトリル類、キレート剤、有機酸、無機酸、アルカリ、灯油、重油などが例示できる。また、洗浄媒液や抽出剤には、回収する有価物などに悪影響を及ぼすことがなければ、凝集剤、分散剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、重合防止剤、劣化防止剤等を添加して使用してもよい。
こうした複数の系統の多段向流洗浄操作を行うにあたり、使用する洗浄媒液は異なる種類の洗浄媒液を使うことが有利になる場合がある。すなわち、原料に対して、最初の系統の分離では、水を洗浄媒液とし、次の系統ではアルコールを使用するなどである。例えば最初の系統の多段向流洗浄では水を洗浄媒液とすることで、塩類の除去を進め、第2系統の多段向流洗浄では、メチルアルコールを用いることで溶解しやすくし、高い目的物質濃度での運転を可能にしながら多段向流分離を効率よく実施することができる。
【0046】
<操作>
本発明の操作について、図面を基に詳細に説明する。図10は、本発明を実施するための装置の一例で、3段の多段向流洗浄・分離操作と該多段向流洗浄操作から得る最終透過液からの目的物質2の1段と2段の回収が可能な装置の説明図である。
【0047】
<容器A、B、C、D、E、H、F、ポンプP−1、P−2、膜分離装置G>
容器Bは原液の容器である。容器Aに原料を供給し、3段からなる多段向流洗浄・分離操作を行う間、処理中の原料を容器A中に貯蔵する。容器Cは、多段向流洗浄・分離操作における第1段の洗浄液の容器、容器Dは第2段の洗浄液の容器、容器Eは洗浄水容器である。ポンプP−1は、容器A内の液を容器Aと膜分離装置Gの間で循環している。膜分離装置Gからの透過液は、ポンプP−2により各容器に移送する。すなわち、膜分離装置Gで得られる第1段の透過液は、容器Hに移送し、第2段の透過液は容器Cに、第3段の透過液は容器Dに移送する。
上述の容器Hに貯蔵した第1段の透過液は、膜分離装置Kで透過液を得、1段の回収操作の場合は該透過液を最終透過液として系外に排出し、残った濃縮液は容器Fに移送する。2段目の回収操作を行う場合は、一旦容器Jに透過液を貯蔵し、残った濃縮液を容器Iに移送する。これらの回収操作は、各サイクルの多段向流洗浄・分離操作の進行に合わせて、各サイクル毎に実施することが可能で、それらとは無関係にバッチ的に実施することも、多段向流洗浄・分離操作とは別に回収操作のみを実施することもできる。容器Eには、必要に応じて系外から洗浄水である脱塩水を供給する。また、各容器には新鮮な洗浄水を供給することができる。
【0048】
<各容器について>
容器A、容器Hには液位維持のための、液面計、重量計などで制御可能な、流量調節機能、自動開閉弁などが付属する。各洗浄液あるいは洗浄水の供給を適切に実施することにより、各サイクルの間、連続的に透過液を得る操作を継続することができる。循環を行う容器Aと容器Hはそれぞれの処理対象液の受入れ配管、処理液の抜出し配管、分離工程からの循環液の受入れ配管、分離液の受入れ配管、洗浄液の受入れ配管を必要に応じて接続する。
各容器には攪拌機を付属することができ、洗浄装置を付属することもできる。各容器にはベント配管が付属している。また、各容器には入口側、出口側に液供給用、液抜出し用の弁が付属している。また、窒素などを供給することにより、酸素から処理液などを遮断する構造とすることもできる。
容器A、B、C、D、E、F、H、I、Jには、液受入れ用と液払出し用の弁が付属しており、それぞれの開閉により液の受入れ、および払出しを行う。また、受入れも払出しもしない場合は、前記の弁の双方を閉とする。また、各容器内が実質的に空になったことを検知あるいは認識できるようになっており、液位が観察しやすいポリプロピレン製などの容器を使用することが望ましい。
また、各容器内に受入れる液の濃度分布を保持することで、分離効率を上げることができる場合がある。
【0049】
<段数の随意変更>
上記の洗浄操作を何段実施するかはあらかじめ定めておくことが望ましいが、決まっていなくても装置的な余裕さえ設けておけば、すなわち、透過液用の容器が用意されておれば、適宜段数を増やすことができ、また、処理途中で原料に変化があった場合などに、その処理段数を変えることは容易である。
【0050】
<膜分離装置G、K、ポンプP−2、P−4による透過液の処理>
膜分離装置G、Kでの分離に際しては、PCI Membranes社製のAFC30、AFC40などの管状ナノフィルトレーション膜のほか、ナノフィルトレーション膜、UF膜、MF膜などのスパイラル膜、管状膜、平膜、中空糸膜などあらゆる種類、形状の膜から目的に合わせて選定することができる。
膜分離装置G、Kの運転圧力の制御は、膜分離装置の中で行う。例えば、濃縮液側に圧力制御弁を設け、その開度調整によって操作圧力を制御する。
膜分離装置Gで得た透過液は、中継槽およびポンプP−2を用いて昇圧し、所定の行き先に移送する。中継槽には液面調節機能があり、付属する遮断弁の開閉、ポンプ自身のオンオフ、液面調節弁の開度調整による調整などにより、その払い出し量を制御する。膜分離装置K、ポンプP−4についても同様である。
膜分離装置G、K内に循環ポンプを設け、分離装置でのファウリング防止や適正なクロスフローの維持を行うことができる。
また、必要な膜装置、各容器の洗浄を行うための、配管、容器、薬剤容器などを付属することができる。
【0051】
<主要な弁とその操作>
弁v1は、膜分離装置Gからの透過液を、容器Aに戻す目的で使用する。この弁を開け、他の行き先の弁を閉じることで、膜分離装置Gから得られる透過液を容器Hに戻す。同様に弁v5は、膜分離装置Kからの透過液を容器Hに戻す目的で使用する。弁v2は、膜分離装置Gからの透過液をポンプP−2を経て、容器Hに移送する目的で使用する。弁v3は、最終濃縮液を系外に抜き出すために使用する。弁v4は、膜分離装置Kから得る最終透過液を系外に抜き出すために使用する。
【0052】
<透過液取得の停止>
また、いかなる段階においても、膜分離装置Gあるいは膜分離装置Kからの透過液の分離を停止したい場合には、それぞれ弁v1や弁v5を開け、それまで透過液を移送してきた容器などへの供給に用いた弁を閉じることによって実質的に透過液の取得を停止することができる。
【0053】
<温度管理、pH管理>
容器内の処理液の温度を適正に維持するために、容器内あるいは配管系などに熱交換器を設けることができる。pHの調整、発泡の防止、ファウリングの防止などのために、処理液に薬剤を添加することも可能である。
【0054】
<センサー類について>
pH計、温度計、電気伝導度計、糖度計、密度計、濁度計、各種分析計などを容器、配管、バイパス配管などに設置することができる。
【0055】
<原料供給前の説明>
次に、具体的な操作手順を図10によって、容器Aが空の状態から説明する。操作開始の際には、弁v1及び弁v5が開の状態で、他の図中に記載されている弁は閉の状態である。
【0056】
<第1回目のサイクルの概要>
原料を容器Bから容器Aに供給し、洗浄液で多段向流洗浄・分離操作の第1段から第3段の多段向流洗浄・分離を進めるが、最初のサイクルについて、容器C、Dに洗浄液が確保されていない場合は、容器Eか別に配管から容器A内に洗浄媒液を供給しながら、透過液をそれぞれ1段目は容器Hに、2段目は容器Cに、3段目は容器Dに貯蔵しながら順次、各段の洗浄・分離を進める。その後容器Hに貯蔵した第1段の透過液から、系外に排出する目的物質1を含む透過液を分離し、残液を第2回目のサイクルで原料と混合する目的物質2を含む回収液として容器Fに移送する。
【0057】
<処理原液の供給>
容器B中にある第1回目のサイクルの原料を、弁b1を開にすることにより容器Aに供給する。容器A、ポンプP−1、膜分離装置Gの間の循環は、原料の供給後に開始することができるが、必要に応じて予め洗浄液などを容器Aに供給しておき、循環を確立してから原料を供給することもできる。弁v1を開の状態にすることで、膜分離装置Gからの透過液を容器Aに戻すことが可能である。
原料の供給が完了する前に、膜分離装置での取り扱い圧力を上昇させ膜分離を開始することも可能である。原料の供給が終了したならば弁b1を閉とする。
【0058】
<第1段の洗浄・分離>
容器A、ポンプP−1、膜分離装置Gの間の循環を開始し、透過液を得る間、膜分離装置Gに付属する圧力調節弁を用いて循環する液のGへの供給圧力を維持する。 弁v2を開けて弁v1を閉め、得られた透過液をポンプP−2によって、容器Hに一旦貯蔵する。容器A内の処理中の原料に、容器Cに予め貯蔵してある洗浄液あるいは容器Eか配管から洗浄媒液が、容器A付属のレベル制御弁を通じて供給され、容器A内で必要な液量を確保しながら、膜分離装置Gで必要な透過液の分離を進める。必要な洗浄液の供給と膜分離装置Gから容器Hへの透過液の分離を終えたのち、容器C付属の弁c2を開け、弁c1、v2を閉じ2段目の洗浄・分離に移る。
【0059】
<第2段の洗浄・分離>
1段目と同様に弁d1を開けて容器A内の処理中の原料に、容器Dに予め貯蔵した洗浄液、あるいは容器Eか配管から供給する洗浄媒液で、容器A内で必要な液量を確保しながら、膜分離装置Gによる透過液の分離を進める。必要な洗浄液の供給と分離装置Gから容器Cへの透過液の分離を終えたのち、容器D付属の弁d2を開け、弁c2、d1を閉じ3段目の洗浄・分離に移る。
【0060】
<第3段の洗浄・分離>
容器A内の処理中の原料には、容器Eか別に配管から供給する洗浄用の洗浄水で、容器A内で必要な液量を確保しながら、膜分離装置Gによる透過液の分離を進める。必要な洗浄液の供給と膜分離装置Gから容器Dへの透過液の分離を終えたのち、弁v3を開け、弁e1、d2を閉じ、処理済の原料を、残液として系外に排出し、第1番目の処理原液に対する3段目の処理を終える。
【0061】
<1段の目的物質2の回収操作での、第1回目のサイクルでの操作>
1段で目的物質2の回収操作を行うには、第1番目のサイクルの多段向流洗浄操作における最初の段から得られた透過液を、容器Hに一旦貯蔵し、その中の目的物質2を回収する。すなわち、容器H、ポンプP−3、膜分離装置K間の循環によって、透過液をポンプP−4、弁v4を通じて系外に排出し、弁f2を開け、濃縮液を回収液として容器Fに回収する。
【0062】
<2段の回収操作の場合における、第1回目のサイクルでの操作>
2段での回収操作の場合も上記と同様に操作するが、第1の回収操作として、膜分離装置Gから得た容器H内の透過液を、膜分離装置Kで膜分離して得られる透過液は、弁j2を通じて容器Jに一旦貯蔵し、濃縮液は弁f2通じて回収液として容器Fに回収する。次に、第2の回収操作として、容器J内に一旦貯蔵した透過液を弁j1を通じて容器Hに移送し、膜分離装置Kで透過液を得て最終透過液として弁v4を通じて系外に排出し、残液を弁i2を通じて容器Iに移送する。
【0063】
第2回目のサイクル以降における原料の処理
<第2のサイクルの概要>
膜分離装置Gの運転を継続したまま、第2番目の原料を容器Aに供給し、容器Fに貯蔵した第1段目のサイクルで回収された目的物質2を含む回収液と混合する。以下第1サイクルと同様の処理を行う。
【0064】
<第2のサイクルの多段向流洗浄操作>
第1回目のサイクルと同様に原料を容器Aに供給する。ここで第2サイクルからは、容器Fに貯蔵した前サイクルでの回収液と原料とを弁f1を開けて容器Aに供給し、原料と混合する。 以下第1サイクルと同様に多段向流洗浄操作を進めるが、第1段目の洗浄液は容器C内に第1サイクルで貯蔵した透過液を、第2段目の洗浄液は容器D内の洗浄液をそれぞれ洗浄水に優先して用いる。
【0065】
<1段の回収操作の場合における第2回目のサイクルでの操作>
1段での回収操作の場合には、以下第1回目のサイクルと同様の操作を行う。
【0066】
<2段の回収操作の場合における第2回目のサイクルでの操作>
2段での回収操作の場合も、上記と同様に操作するが、第1の回収操作として、膜分離装置Gから得られた容器H内の透過液と、容器Iに貯蔵した第1サイクルでの2段目の回収操作で得られた濃縮液を弁i1を通じて混合して目的物質2を回収する。膜分離装置Kで膜分離した透過液は、容器Jに一旦貯蔵し、濃縮液は回収液として容器Fに回収する。次に第2の回収操作として、容器J内に一旦貯蔵した透過液を容器Hに移送し、膜分離装置Kからの透過液を最終透過液として弁v4を通じて系外に排出し、残液を弁i2を通じて容器Iに移送する。
【0067】
<原料の供給停止後について>
原料の供給を、何サイクルかに分割して行ない、系外に最終透過液と最終残液を取り出した後、原料の供給を停止する段階で、透過液を貯蔵している容器C、D、F、I、J内には、なお目的物質1や目的物質2が混入している液が残留している。このため、次にこれらの液の中からそれぞれの目的物質を分離する処理を実施する。操作の概要は、容器Cの中の洗浄液と容器F内の回収液を混合し第1段以降の多段向流洗浄・分離操作およびその後の回収に供する。
【0068】
<原料停止直後の操作>
最終の原料の供給に対応するサイクルを終了したのち、原料停止後の洗浄・回収のサイクルを行う。サイクルは必要な回数繰り返す。容器Aに前サイクルで得た容器C内の透過液および/または容器F内の回収液を供給する。上述の透過液あるいは回収液の両方を最初に供給するか、透過液のみ、あるいは回収液のみを供給するかは、適宜その濃度などによって判断する。容器A内への供給後、回収液や透過液を洗浄液として使用する第1段を実施してもよいし、濃縮のみを実施してもよい。その透過液は容器Hに移送し、必要な場合は目的物質2の回収を実施して透過液を系外に排出する。
このサイクルの第1段の洗浄・分離操作の残液は、次の第2段、第3段の洗浄・分離処理に供し、以下前回までのサイクルと同様に、最終残液を得るサイクルを実施する。
【0068】
腐敗や変質の懸念がなく、各容器内に残存した液をそのまま保存できる場合には、原料の供給停止後は、残液を系外に排出する操作や必要な洗浄操作を行い、容器A以外の各容器に蓄積した液をそのまま保存し、次回の原料の供給によるサイクルで使用することも可能である。
【0069】
<原料供給を停止した後の操作の継続>
続いて原料の供給を停止した後、1回目と同様に、2回目のサイクルを実施する。その結果各サイクルから処理原液中の目的物質1、目的物質2の回収がそれぞれ終了したと判断されるところで停止する。
【0070】
【実施例】
実施例 1
グルコース(ブドウ糖)と塩化ナトリウムの混合水溶液を処理原液として、有価物であるグルコースを分離回収し、不純物である塩化ナトリウムの除去する試験を行なった。
尚、この場合の目的物質1は塩化ナトリウムで最終分離液として除去され、グルコース(目的物質2)は最終残液中に回収するための操作である。
本実施例では、分離膜としてナノフィルトレーション膜PCI Membranes社製 AFC30を用いて、前記処理原液の合計250リットルから、グルコースと塩化ナトリウムの分離を行った。尚、操作の詳細部分は、前述の<操作>に記載した操作手順に準じて行なった。表1にその試験結果を示す。
【0071】
<最初のサイクル>
<1段目の洗浄>
図10の容器A(内容積200リットル)に、容器Bに貯蔵されていたグルコース濃度10g/l(g/リットル)、塩化ナトリウム濃度10g/lの処理原液を、全体250リットルの5分の1にあたる50リットルを移し、ポンプP−1と容器Aの液面制御がほぼ一定の状態で、容器Eから洗浄水177リットルが容器Aに徐々に供給され、ここでの最終段階では13リットルにまで濃縮される。すなわち、容器AからはポンプP−1で、30kgf/cmGまで昇圧した後、膜分離装置Gに混合液が送られて膜処理される。膜処理により得られた透過液213リットルは、容器Hに送られる。この実施例1では、1段目の残液のグルコース濃度が17g/リットルで塩化ナトリウム濃度がその33%程度になるように、2段目はそれぞれグルコース濃度18g/リットルで塩化ナトリウム濃度がその11%程度に、3段目はそれぞれグルコース濃度12g/リットルで塩化ナトリウム濃度がその6%程度になるような時間差的多段向流洗浄・分離を目標として濃縮および洗浄水の供給量を選定した。10サイクル以降は装置の運転に必要とする約5リットルの液量を確保するためそれ以上の濃縮は難しかった。また、回収部での残留液の回収は、供給する第1系統からの最終透過液量の25%の回収を目標とした。その結果、この1段目で残留液は13リットル、グルコース濃度17.2g/リットル、塩化ナトリウム濃度5.4グラム/リットルであった。
<2段目の洗浄>
さらに残留液には洗浄水24リットルを加えながら透過液29リットルを得、残留液を9リットルまで濃縮した。その結果、この2段目では残留液は9リットル、グルコース濃度18.6g/リットル、塩化ナトリウム濃度3.4グラム/リットルであった。
<3段目の洗浄>
さらにその残留液に洗浄水34リットルを加えながら透過液36リットルを得、7リットルまで残留液を濃縮した。この3段目では残留液は7リットル、グルコース濃度11.8g/リットル、塩化ナトリウム濃度0.8グラム/リットルであった。処理済原料液は系外(最終濃縮液貯槽)に取り出した。
<回収1段>
一方容器Fに貯蔵された1段目の洗浄で得た透過液213リットルは、濃縮液53リットルと、160リットルに分けられ、濃縮液は容器Fに貯蔵され、このサイクルの透過液は最終透過液として系外(最終透過液貯槽)に排出された。この容器Fに貯蔵された濃縮液は、次のサイクルにおける最初の洗浄液として使用された。
【0072】
<第2のサイクル>
<1段目の洗浄>
2番目の処理原液50リットルが容器Aに供給された。続いて、容器F内の液(前サイクルの回収工程からの濃縮液)を洗浄液とし、続いて容器C内の液(前サイクルの2段目洗浄からの透過液)を洗浄液とし、最後に109リットルの洗浄水を用いながら洗浄および濃縮を実施し、合計218リットルの透過液と23リットルの残液を得た。
<2段目以降の洗浄>
以下同様に2段目以降の洗浄を実施した。
【0073】
<第3のサイクルから第5のサイクル>
上述の場合と同様に、各回毎に処理原液50リットルを供給し、サイクルを5回目まで続けて行なった。
【0074】
<第6のサイクル以降>
第5のサイクルまでは、処理原液を容器Aに受入れるところから操作が始まったが、第6のサイクルからは処理原液は受入れず、各容器に含まれた成分を処理する後処理サイクルである。
ここでは、第5のサイクルでの回収操作から得て容器Fに貯蔵された濃縮液57リットルを容器Aに受入れた。以降のサイクルでも同様に容器Fに貯蔵された液を容器Aに受入れた。
各サイクルで容器Fから受入れる前サイクルで得た回収液量を、表1の洗浄液1の列、各1段目の行に記載した。
容器C内の洗浄液128リットルを使い、更に55リットルの新鮮な洗浄水を使用して前述の濃縮液を洗浄したのち、26リットルの濃縮液になるまで、濃縮をすすめ、214リットルの透過液を得た。
最初のサイクルと同様に2段目、3段目の洗浄を実施し、18リットルの最終濃縮液と161リットルの最終透過液を得た。
同様の回収工程を15サイクル目まで実施した。
表1中における各サイクルの“供給液/処理液”項の1段目は、処理原液の供給量、2から3段目および回収1段は各工程の処理対象液の最初の液量を示し、回収1段にはこの段で処理する第1系統1段目からの透過液量を、“洗浄液1”は第1段目が容器Fから供給される洗浄液、“洗浄液2”はそれぞれの段で容器C、容器Dから供給する洗浄液、“洗浄水”は各工程で容器Eから供給する洗浄水量、“透過液”はその段で得る透過液量を、“残液”は膜分離装置GやKの循環系内に残存していた液量で、濃度のNaCl、グルコース欄にはそれぞれその残液の濃度を記載した。濃度の列に記載したのはその透過液のNaClおよびグルコースの濃度である。
【0075】
Figure 2004017035
Figure 2004017035
【0076】
以下の表2は、上記実施例1の全体の収支である。
Figure 2004017035
【0077】
実施例2 3段の向流多段洗浄 5サイクル分の原料の供給
実施例として、時間差的多段向流洗浄の実施について、その操作を詳述する。実施例1の場合と同様、グルコースと塩化ナトリウムの混合水溶液を処理原液として、有価物と想定したグルコースを分離回収し、不純物である塩化ナトリウムの除去を行なった。
尚、この場合の目的物質1は塩化ナトリウムで最終濃縮液から除去され、有価物であるグルコースは最終濃縮液に回収されるための操作である。
実施例2では、ナノフィルトレーション膜PCI Membranes 社製AFC30を用いて、前記処理原液合計250リットルからのグルコースと塩化ナトリウムの分離を行なった。
【0078】
<最初のサイクル>
<1段目の洗浄>
図10の容器A(内容積200リットル)に、容器Bに貯蔵されていたグルコース濃度10g/l、塩化ナトリウム濃度10g/lの処理原液を、全処理原液250リットルの5分の1にあたる50リットルを移し、ポンプP−1と容器Aの液面制御がほぼ一定の状態で、容器Eから洗浄水111リットルが容器Aに徐々に供給され、ここでの最終段階では32リットルまで濃縮した。すなわち、容器AからはポンプP−1で、30kgf/cmGまで昇圧した後、膜分離装置に混合液が送られて膜処理され、膜処理により得られた透過液(129リットル)は、最終透過液として系外(最終透過液貯槽)に取り出した。
実施例2での1段目のグルコース濃度は10g/リットル、塩化ナトリウム濃度はその55%に相当する濃度を目標に濃縮・洗浄を進め、2段目のグルコース濃度は11g/リットル、塩化ナトリウム濃度はその33%に相当する濃度、3段目のグルコース濃度は8g/リットル、塩化ナトリウム濃度はその14%に相当する濃度を目標として濃縮および洗浄水の供給量を選定した。ただし、8サイクル以降は装置の運転に必要とする約5リットルの液量確保のためにそれ以上の濃縮は困難であった。この結果、この1段目では残留液は32リットル、グルコース濃度9.8g/リットル、塩化ナトリウム濃度5.3g/リットルであった。その残液の組成を表3に示す。
<2段目の洗浄>
さらに残留液には洗浄水65リットルを加えながら透過液79リットルを得、残留液を18リットルまで濃縮した。その残液の組成を表3に示す。
<3段目の洗浄>
さらにその残留液に洗浄水58リットルを加えながら透過液63リットルを得、14リットルまで残液を濃縮した。その残液の組成を表3に記す。処理済原料液は系外(最終濃縮液貯槽)に取り出した。
【0079】
<第2のサイクル>
<1段目の洗浄>
2番目の処理原液50リットルが容器Aに供給される。続いて、容器C内の液(前サイクルの2段目洗浄からの透過液)を洗浄液とし、最後に41リットルの洗浄水を用いながら洗浄および濃縮を実施し、合計129リットルの透過液と41リットルの残液を得る。
<2段目以降の洗浄>
以下同様に2段目以降の洗浄を実施した。
<第3のサイクルから第5のサイクル>
上述と同様に5回までサイクルを続けた。その操作内容を表3に示す。
表3のサイクルの“供給液/処理液”項の1段目、2から3段目は処理原液の供給量、“透過液1”の行には最終透過液量を示し、“洗浄液1”には第1段目の容器Fから供給される洗浄液、“洗浄液2”にはそれぞれの段で容器C、容器Dから供給する洗浄液、“洗浄水”には各工程で容器Eから供給する洗浄液量を示している。
また、“残液”には1、2、3段目では、それぞれの各工程後に容器A内および膜分離装置Gとの循環系内に残存していた液量で、NaCl濃度、グルコース濃度はそれぞれその残存液濃度である。透過液の項に記載したのは、その透過液のNaClおよびグルコースの濃度である。
【0080】
<第6のサイクル以降>
第5のサイクルまでは、処理原液を容器Aに受入れるところから操作が始まったが、第6のサイクルからは処理原液は受入れず、各容器に含まれた成分を処理する後処理サイクルである。
第5サイクルまでの洗浄操作では、容器Cに147リットルの第2段目の透過液が、容器Dに139リットルの第3段目からの透過液が貯蔵されている。第6サイクルでは容器Aにまず147リットルを容器Cから受入れ、これをあたかも第5サイクルまでの処理対象の原液に相当するとみなして処理を進める。
容器Aに容器Cからの液を受入れ、洗浄水155リットルを加えながら濃縮を進め、透過液289リットルを系外に排出しながら、容器内を14リットルまで濃縮する。続いて容器Dからの139リットルの透過液を添加しながら、143リットルの透過液を容器Cに貯蔵し、10リットルの残液とする。
10リットルの残液に、23リットルの洗浄水で洗浄しながら、24リットルの透過液を容器Dに貯蔵し、容器A内の残液を9リットルにまで濃縮する。これにつづいて第7のサイクルを第6のサイクルで容器Cに貯蔵した143リットルを原料にみたてて処理を進め、15サイクルまで処理を進めた。
その結果を表3および表4に示す。
【0081】
<実施例1と実施例2の比較>
実施例2の最初のサイクルを終えた段階での最終残液中における有価物とみなしたグルコースと不純物とみなした塩化ナトリウムの比率は、5サイクル、10サイクル、15サイクルでの各データと同様の比率を確保しているものの、グルコースの最終残液への回収率が23%程度と低い値である。これは各段での透過液へのグルコースの混入が多い結果である。
実施例2の5サイクルまでと10サイクルまでのグルコースの回収率は、上述の23%からそれぞれ38%、46%と大幅に改善できた。
また、15サイクル実施後の実施例1および実施例2を比較すると、実施例1は実施例2に対して、グルコースの最終残液の回収率が約1.5倍で、グルコースを分離した合計残液の合計量について実施例1は実施例2の約92%と少なく、塩化ナトリウムの含有量も同様に74%と少なく、グルコースと塩化ナトリウムの比率は同様に40%程度であり、さらに最終透過液の量の回収グルコース量に対する比は同様に約80%と少ないなど、実施例1のほうが実施例2よりさらに良好な分離成績を示した。
また、両方の実施例共5サイクルまでに、最終段以外に供給する新鮮な洗浄媒液の供給量を最初のサイクルと比べると大幅に削減することに成功している。
【0082】
Figure 2004017035
Figure 2004017035
【0083】
以下の表4は実施例2の全体の収支である。
Figure 2004017035
【0084】
【発明の効果】
<効率改善>
本発明に示した多段向流操作、さらに必要に応じて多系統、多種類の分離手段を用いる方法によって、全体として高い分離性能を得、有価成分や有害物質の高い回収率、高い不純物除去性能、製品あるいは副産物や廃棄物中の目的物質の高濃度回収を可能にする。
<変質しやすい対象への応用>
また、本発明を用いることによって、食品や発酵などの分野で取り扱われる変質しやすい物質の多段向流による分離・回収処理を高い回収率で実施し、短時間、少サイクルでの立上げ、高負荷運転、原料供給の停止後の目的物質の回収を可能にする。
<固形物を多段向流操作で得る場合>
また、本発明を用いることによって、省エネルギープロセスである膜プロセスを用いた固形化あるいは晶析プロセスにおいて、より低濃度の不純物含有量に対応した製品を得ることが可能になる。
<複数成分の個別分離>
また、本発明を用いることによって、複数以上の成分を、複数以上の液状物あるいは固体として、高回収率、高濃度、高純度で分離できる。
<使用する洗浄液、抽剤量、廃水量などの削減>
また、本発明を用いることによって、必要とする洗浄液や抽剤などの使用量を低減し、廃水量を削減することが可能となり、廃水中の有害物あるいは環境への負荷を低減できる。
<簡潔な装置、自動制御>
また、本発明を用いることによって、同じ分離装置による多段使用が可能になり、装置として安価で簡潔かつ洗浄しやすい装置が実現できる。特に膜分離を用いる場合の高圧機器や関係配管などで、日常の洗浄作業への負担を軽減できる。<省力化>
また、本発明を用いることによって、自動制御が可能になり、原料の変動や処理後の製品などの仕様の変更への対応が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための複数の膜分離装置を直列に並べる例のフロー図である。
【図2】本発明を実施するための1基の膜分離装置と、容器との循環を基本として行う方法の例のフロー図である。
【図3】本発明で固形物の分離を併用する場合のフローの一例を示す図である。
【図4】本発明で2系統の多段洗浄・分離を行う場合のフローの例である。
【図5】本発明で2系統の多段洗浄・分離を行う場合の別のフローの例である。
【図6】本発明で2系統の多段洗浄・分離を行う場合の別のフローの例である。
【図7】本発明で2系統の多段洗浄・分離を行う場合の別のフローの例である。
【図8】本発明で2系統の多段洗浄・分離を行う場合の別のフローの例である。
【図9】複数の原液処理容器を用いて本発明を実施する場合の例を示すフロー図である。
【図10】原液の供給がバッチ的に行われる場合の本発明の一例を示すフロー図である。
【図11】原液の供給がバッチ的に行われる場合の本発明の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
図1〜図9における符号の説明
1 処理原料、2 洗浄媒液、3 第1系統最終残液、4 第1系統最終分離液、5a,5b,5c 容器、6 ポンプ、7a,7b,7c,7d,7e,7f分離装置、8 第2系統最終残液、9 第2系統最終分離液、10 固液分離機図10,11における符号の説明
A,C,D,E,F,H,I,J 容器、B 処理原料の容器、G,K 膜分離装置、P1,P2,P3,P4 ポンプ、b1,b2,c1,c2,d1,d2,e1,e2,f1,f2,h1,h2,i1,i2,j1,j2 弁、v1,v2,v3,v4,v5 弁

Claims (17)

  1. 被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出液を用いて行うこと、(2)最初の段の洗浄・分離操作における分離液を、該多段向流洗浄・分離操作の最終分離液として取り出すこと、(3)最後の段の洗浄・分離操作における残液を、該多段向流洗浄・分離操作の最終残液として取り出すこと、(4)向流洗浄・分離操作の各段では、(a)原料もしくは処理中の原料を洗浄液あるいは抽出液と接触させる接触工程、(b)上記の接触工程によって得られる混合物あるいは抽出物中の目的物質を分離液と残液とに分離する分離工程を用いること、(5)原料の供給を停止するにあたり、多段向流洗浄・分離操作の後段からの分離液を、直接あるいは洗浄液もしくは原料と混合して、原料に代えて向流洗浄・分離操作に供することを特徴とする目的物質を分離・回収する方法。
  2. 被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出液を用いて行うこと、(2)少なくとも複数のバッチに分割された原料の供給に対し、該多段向流洗浄・分離操作を少なくとも複数サイクル実施すること、(3)各サイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の最初の段の分離液を最終分離液として取り出すこと(4)各サイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の最後の段の残液を最終残液として取り出すこと、(5)該向流洗浄・分離操作の各段では、(a)少なくとも1基の原液処理容器に貯蔵された原料もしくは処理中の原料を洗浄液あるいは抽出液と接触させる接触工程、(b)上記の接触工程によって得られる混合物中の目的物質を分離液と残液とに分離する分離工程を用いること、(6)原料の供給を停止するにあたり、それ以前のサイクルにおける該多段向流洗浄・分離操作の後段からの分離液を、直接あるいは洗浄液または原料と混合して、原料に代えて多段向流洗浄・分離操作のサイクルに供することを特徴とする請求項1記載の目的物質を分離・回収する方法。
  3. 少なくとも3種類の目的物質を含む原料から、多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれの目的物質を分離するにあたり、(1)該多段向流洗浄・分離操作の最終透過液に目的物質1を分離すること、(2)該多段向流洗浄・分離操作の最終残液に目的物質2を分離すること、(3)最終透過液および最終残液とは別に、該多段向流洗浄・分離操作の処理段から目的物質3を含む最終透過液2および/または最終残液2を分離することを特徴とする請求項1あるいは2記載の目的物質を分離・回収する方法。
  4. 2段以上の多段向流洗浄・分離操作において、最終分離液および/または最終残液中の目的物質1あるいは目的物質2の残量あるいは濃度、目的物質1と目的物質2の濃度比を適切な範囲に維持することを目的として、全てあるいは一部の段における残液中あるいは分離液中の目的物質1および/または目的物質2の濃度あるいは目的物質1と目的物質2の濃度比あるいはそれらを反映した物性を測定し、全てあるいは一部の段での洗浄媒液の供給、濃縮の継続・停止を含む運転条件を決定する指標とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  5. 分離操作に膜分離を用い、多段向流洗浄・分離操作の初段以外の透過液が前段の洗浄液として使用され、多段向流洗浄・分離操作の最終段以外の膜分離装置による処理後の液が次の段の被処理液となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  6. 多段向流洗浄・分離操作の各段の全てあるいは一部の段の分離操作に、固液分離操作あるいは液液分離操作と他の原料の濃縮を伴う分離操作を用い、各段の全てあるいは一部の段で分離された固形物あるいは液状物質を“最終残液”として、系外に取り出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  7. 被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の第1系統の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で新鮮な洗浄媒液あるいは抽出剤を用いて行うこと、(2)該第1系統の多段向流洗浄・分離操作における最初の段の分離液を、第1系統の最終分離液として取出すこと、(3)該第1系統の多段向流洗浄・分離操作における最後の段の残液を、第1系統の最終残液として取出すこと、(4)該第1系統の多段向流洗浄・分離操作の最終分離液あるいは他の分離液または最終残液あるいは他の残液に対し、第2系統の洗浄・分離操作を行うことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法。
  8. 第2系統の洗浄・分離操作によって得られた残液あるいは分離液を、第1系統の多段向流洗浄・分離操作の洗浄液あるいは原料とするか、または洗浄液あるいは原液と混合する回収操作を実施することを特徴とする請求項7記載の目的物質を分離・回収する方法。
  9. 被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作から得た分離液に対し、目的物質1を除去する第2系統の多段洗浄・分離操作を行うこと、(2)該第2系統の多段洗浄・分離操作において、膜分離操作を用いること、(3)該第2系統における各段の透過液が、該第2系統の次の段に供される被処理液であり、同段の残液がその前段に供給されること、(4)該第2系統における最初の段の洗浄・分離操作からの残液が、第1系統の多段洗浄・分離操作に供されることを特徴とする請求項7、8のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  10. 第1系統の多段向流洗浄・分離操作および第2系統の洗浄・分離操作で膜分離を用いることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  11. 1サイクルで受入れる原料の時間差的な多段向流洗浄・分離操作と回収操作を、一連の1サイクルの中で行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  12. 第1系統の洗浄・分離操作と第2系統の洗浄・分離操作に、同一の膜装置を使用することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  13. 少なくとも2種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれ分離液あるいは残液に分離するにあたり、(1)第1系統の洗浄・分離操作による残液を後段に送り、分離液を前段に戻す2段以上の多段向流洗浄・分離操作を、最終の洗浄段で洗浄媒液を用いて行うこと、(2)第1系統の多段向流洗浄・分離操作から得られた分離液あるいは残液に対し、第2系統の多段洗浄・分離操作を行うことを特徴とする目的物質を分離・回収する方法。
  14. 少なくとも3種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いて、それぞれの目的物質を分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液に目的物質1および目的物質3を分離し、第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終残液に目的物質2を分離すること、(2)上記の目的物質1および目的物質3の混合物から目的物質1および目的物質3を、第2系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液と該多段向流分離操作からの最終残液にそれぞれ分離すること、(3)第1系統の多段向流洗浄・分離操作で、膜分離を用いることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  15. 少なくとも3種類の目的物質を含む原料から、少なくとも2系統の多段向流洗浄・分離操作を用いてそれぞれの目的物質を分離するにあたり、(1)第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終残液に目的物質2および目的物質3の混合物を分離し、第1系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終分離液に目的物質1を分離すること、(2)上記の目的物質2および目的物質3の混合物から目的物質2および目的物質3を、第2系統の多段向流洗浄・分離操作からの最終透過液と該多段向流分離操作からの最終残液にそれぞれ分離すること、(3)第1系統の多段向流洗浄・分離操作で、膜分離を用いることを特徴とする請求項7〜14のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  16. 原料に洗浄液を加え、残液と分離液に分離する多段向流洗浄・分離操作を用いて、目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)該多段向流洗浄・分離操作が、別途用意された目的物質1の濃度の異なる複数の洗浄液を、目的物質1の濃度の高い順番に洗浄に使用し、最終の洗浄には洗浄媒液のみを使用する時間差的な多段向流洗浄・分離操作であること、(2)各原料の供給が複数以上のバッチ供給で行われること、(3)最初の段以外のそれぞれの段から得られる分離液を、後のバッチで供給する原料に対するサイクルにおける洗浄液として使用すること、(4)原料に対して最初の洗浄段で使用する洗浄液が、残液から分離すべき目的物質1について、原料が含んでいる目的物質1の洗浄に対して十分低い濃度であること、(5)各原料のバッチ供給に対するサイクルの各段で、(a)少なくともひとつの原液処理容器に貯蔵された原料と洗浄液の混合物をつくる接触工程、(b)原液処理容器に連結する分離装置によって該混合物を分離液と残液に分ける分離工程を用いることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
  17. 被処理液を残液と分離液に分離する分離操作を用いて、原料中の目的物質1を最終分離液に、目的物質2を最終残液に分離するにあたり、(1)処理中の原料を原液処理容器に貯蔵すること、(2)洗浄液あるいは洗浄媒液の供給に、該原液処理容器内の液位あるいは液量を維持する制御あるいはそれらと同等の制御を用いることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の目的物質を分離・回収する方法。
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