JP2004016921A - 水浄化方法及びそのシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄・酸化チタン担持触媒体を用いた高速水浄化方法及びそのシステム等を提供する。
【解決手段】鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水に混入し、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする水浄化方法、担体に担持させた鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ排水等の被処理水と接触させ、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする前記水浄化方法、鉄成分を酸化チタンに配合して複合化することにより作製された、鉄・酸化チタン担持触媒体を有効成分として含有する水浄化剤、及び水浄化システム。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄・酸化チタン担持触媒体を用いた水浄化方法及びそのシステムに関するものであり、更に詳しくは、鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化した鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、例えば、上水、下水、集落排水、農業排水、工場廃水、湖沼水、河川水などの懸濁物質を含む被処理水に含まれる有機質懸濁物、農薬、環境ホルモン等の不純物を吸着、分解及び沈澱させて、被処理水を短時間で高速に浄化処理することを可能とする新しい水浄化方法、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を有効成分として含有する水浄化剤、及びその水浄化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活廃水や産業廃水による水質汚染が進み、それによる湖沼・河川の富栄養化が、藻やプランクトンなどの大量発生を引き起こす大きな原因となっている。このため、上水道・下水道の整備や農村集落排水整備事業などが進められている。そこでは、一般的な排水の処理方法として、スクリーニングや沈澱による物理的処理、微生物による有機物の生物化学的摂食代謝及び酸化分解による生物的処理、及び凝集や消毒などの化学的処理が行われている。
【0003】
このように、現在、水浄化は、物理的処理、生物的処理、及び化学的処理を利用して行われており、最終処理では、より清浄な水を得るために、活性炭による有機物の吸着、除去や、次亜塩素酸等による消毒が行われている。しかし、これらの方法では、吸着処理後の活性炭の処分や残留塩素によるトリハロメタンの生成の問題がある。また、現在の放流水質基準では、浄化処理後においても処理水には相当なレベルの有機物が残存しているために、農業用水等として処理水の再利用は難しく、より厳しい廃水基準を満たすためには、更なる有機物の除去処理が必要とされている。そのために、活性炭処理装置を付加している浄水処理場もあり、そこでは、新たに有機物等を吸着した活性炭の回収処理対策が問題となっている。
【0004】
また、塩素消毒による化学的処理は、残留塩素と未処理水中に含まれる有機物とが反応して、発ガン性物質のトリハロメタンを発生する問題も生じている。一方、上水道処理においても、例えば、中性洗剤中に含まれるノニルフェノールが、平成13年12月に環境ホルモンとして認定され、低用量効果として、微量であっても毒性が上がることが報告されており、どうしてもこの化合物を分解処理する必要がある。
【0005】
一方、農業集落排水施設は、水資源を有効利用するために、処理水を農業用水として再利用する計画となっており、既存の生物的処理ではCODを20mg/L程度までしか浄化することができず、活性炭処理、化学的処理、オゾン処理等を行って、河川への放流基準COD10mg/L以下に浄化している。しかし、処理水を農業用水として再利用するには、処理水を更に農業用水質基準のCOD6mg/L以下にしなければならず、そのために、現状では、処理水を農業用水として再利用できていないのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、処理水を農業用水等として再利用することを可能とする新しい水浄化方法を開発することを目標として鋭意研究開発を進める過程で、鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化することにより作製した鉄含有複合酸化チタン系光触媒(以下、鉄・酸化チタン担持触媒体と記載する)を使用することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、上記の点に鑑み、既存の施設に比較的簡単な施設を追加するだけで、用水及び排水中に含まれる有機質懸濁物、農薬、環境ホルモン等を容易に、かつ短時間で迅速に浄化して安全な水を得ることを可能とする新規水浄化方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、光照射又は非照射下で、懸濁物質を含んだ被処理水を浄化処理することにより、例えば、農業用水質基準のCOD6mg/L以下まで浄化することを可能とする新規水浄化方法を提供すること、及び当該方法で浄化した処理水を再利用することにより、地域のリサイクルシステムの一翼を担う新しい水浄化の基幹技術を構築することを可能とする新規水浄化システムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、懸濁物質を含んだ被処理水を浄化処理することを特徴とする水浄化方法。
(2)鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水に混入し、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする前記(1)記載の水浄化方法。
(3)被処理水中に酸素を導入しながら、鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水に混入することを特徴とする前記(2)記載の水浄化方法。
(4)担体に担持させた鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水と接触させ、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする前記(1)記載の水浄化方法。
(5)被処理水中に酸素を導入しながら、担体に担持させた鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水と接触させることを特徴とする前記(4)記載の水浄化方法。
(6)被処理水の懸濁物質が高濃度の場合に、得られた処理水を被処理水に再注入して浄化処理することを特徴とする前記(1)から(5)のいずれかに記載の水浄化方法。
(7)被処理水の懸濁物質が高濃度の場合に、鉄・酸化チタン担持触媒体を被処理水に再投入して浄化処理することを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の水浄化方法。
(8)使用した鉄・酸化チタン担持触媒体を、磁石の作用を利用して処理水から分離、回収し、適宜再利用することを特徴とする前記(1)から(7)のいずれかに記載の水浄化方法。
(9)処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽から引き上げ、再利用することを特徴とする前記(8)記載の水浄化方法。
(10)処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽底部に固定し、処理水を抜いた後、再利用することを特徴とする前記(8)記載の水浄化方法。
(11)被処理水が、上水、下水、集落排水、農業排水、工場廃水、湖沼水、又は河川水であることを特徴とする前記(1)から(10)のいずれかに記載の水浄化方法。
(12)前記(1)から(11)のいずれかに記載の水浄化方法を、他の物理的処理、化学的処理、又は生物的処理による水浄化方法と組み合わせたことを特徴とする水浄化方法。
(13)前記(1)から(12)のいずれかに記載の水浄化方法に使用する水浄化剤であって、鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化することにより作製された、鉄・酸化チタン担持触媒体を有効成分として含有することを特徴とする水浄化剤。
(14)鉄成分が、金属鉄、酸化鉄、鉄酸塩(フェライト)から選択された1種以上であることを特徴とする前記(13)記載の水浄化剤。
(15)攪拌手段を具えた攪拌槽、被処理水流入手段、処理水流出手段、及び任意の構成としての光照射手段、を構成要素として含み、上記攪拌槽に懸濁物質を含んだ被処理水を流入させ、鉄・酸化チタン担持触媒体を上記被処理水に混入して、水浄化処理を行い、処理水を処理水流出手段から流出させるようにしたことを特徴とする水浄化システム。
(16)前記(15)記載の水浄化システムを、他の物理的処理、化学的処理、又は生物的処理による水浄化設備と組み合わせて、上記水浄化システムを構成要素として含む複合水浄化システムを構築したことを特徴とする複合水浄化システム。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、有機質懸濁物等の懸濁物質を含む用水・排水等の被処理水に、鉄・酸化チタン担持触媒体を混入し、光を照射しながら、あるいは、光照射無しに、撹拌又は瀑気して、被処理水中に酸素を導入しながら、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることにより、撹拌又は瀑気後に、鉄・酸化チタン担持触媒体等を沈殿物として分離して、上澄み液を処理水として取水することにより高速水浄化を可能とする新しい水浄化方法、に係るものである。本発明において、懸濁物質を含んだ被処理水とは、例えば、水に溶解しないで、微粒子として非常に細かく分散して漂っている有機及び無機系の物質、汚泥、及び微生物の死骸等の懸濁物質を含んだ被処理水を意味するが、これらに制限されるものではない。
【0010】
本発明において、鉄・酸化チタン担持触媒体は、鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化することにより作製された、表面に酸化チタンと鉄が露出している複合触媒体であり、例えば、酸化チタンを担体として鉄あるいは鉄化合物を担持したものだけでなく、その反対に、鉄あるいは鉄化合物を担体として酸化チタンを担持したものや、シリカやアルミナ、セラミックス、セメント、コンクリートなどの担体に、酸化チタンと鉄あるいは鉄化合物を担持させたものも含まれる。鉄化合物としては、例えば、FeO,Fe O ,Fe O などの酸化物や、Mn,Co,Ni,Zn,Cd,Cu,Mg,Ba,Cr,Ba,Tiなどの重金属を含んだ鉄酸塩(フェライト)、例えば、Znフェライト、Mnフェライト、MnZnフェライト、NiZnフェライト等が挙げられるが、これらに限らず、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。また、酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトなどの結晶のものだけでなく、酸素欠陥を有すものや、金属ドープ、あるいは窒素、硫黄などをドープした酸化チタンが挙げられる。即ち、本発明では、酸化チタンの種類は特に制限されない。
【0011】
本発明において、鉄・酸化チタン担持触媒体は、好適には、例えば、酸化チタン粒子に鉄あるいは鉄化合物の粒子を混合して成形して作製する方法、鉄あるいは鉄化合物の粒子に酸化チタン粒子を混合して成形して作製する方法、シリカやアルミナ、セラミックス、セメント、コンクリートなどの担体に酸化チタン粒子と鉄あるいは鉄化合物の粒子を混合して成形して作製する方法、酸化チタンや酸化チタンを含んだ担体の表面で鉄のアルコキシドや有機鉄を加水分解させ、焼成することによって作製する方法、鉄あるいは鉄化合物の担体の表面でチタンのアルコキシドや有機チタンを加水分解させ、焼成することによって作製する方法、などにより得ることができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0012】
また、それらの成分の配合手段、配合割合についても特に制限されるものではないが、好適には、例えば、酸化チタンと鉄化合物の重量による配合割合を約1:1とする方法、配合割合を2:1、あるいは1:2とする方法が例示される。また、鉄・酸化チタン担持触媒体の粒径としては、好適には、例えば、0.1〜100μmが例示される。本発明において、鉄・酸化チタン担持触媒体の形状は、例えば、粒子状、球状、針状、円柱状、ラグビーボール状、角柱状、繊維状、ブロック状など、さまざまな形状のものが用いられるが、好適には、例えば、微粒子状や繊維状などの表面積の大きなものが使用される。
【0013】
本発明では、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を、光照射又は非照射下で、懸濁物質を含んだ排水等の被処理水に混入又は接触させ、懸濁物質を吸着させると共に、光触媒作用により分解させながら沈澱させることにより、短時間で高速に水浄化処理を行う。本発明では、後記する実施例に示されるように、上記鉄・酸化チタン担持触媒体(事前に光照射したものを含む)を使用することにより、光照射の有無にかかわらず、水浄化効果が得られるが、これらは、本発明者らの実験によってはじめて実証されたものである。即ち、本発明は、予め光照射した鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、被処理水を浄化処理する方法をも含むものである。
【0014】
また、本発明では、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を排水等に混合する方法、また、多孔質担体に上記鉄・酸化チタン担持触媒体を担持し、当該複合体を上記排水等と接触させる方法、あるいはこれらと同効の方法が採用される。この場合、担体としては、多孔質担体、例えば、具体的には、シリカ、アルミナ、セラミックス、セメント、コンクリート、粘土焼結体等が例示されるが、これらに制限されるものではなく、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。また、担体の形態についても特に制限されない。本発明では、上記鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化することにより作製された、鉄・酸化チタン担持触媒体を有効成分として含有する水浄化剤が提供される。この場合、上記有効成分の他に、必要により、他の適宜の成分を配合することができる。また、水浄化剤の形態についても特に制限されるものではない。
【0015】
本発明では、得られた処理水を排水等の被処理水に再注入して浄化処理することが可能であり、特に、排水等の懸濁物質の濃度が高い場合には、この方法により排水等の懸濁物質の濃度を低くして浄化処理することが好ましい。また、本発明では、排水等の懸濁物質の濃度が高い場合には、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を排水等に再投入して、排水等の懸濁物質の濃度を段階的に薄くして浄化処理することが好ましい。また、本発明では、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を、好適には、例えば、攪拌又は曝気等の適宜の手段により、排水等に酸素を導入しながら、排水等に混入又は接触させることが好ましい。
【0016】
光触媒に光が照射されると電子と正孔が生じ、水中の溶存酸素などと反応して活性酸素が発生する。この活性酸素は、オゾンなどよりはるかに強い酸化力を持っており、有機物を水や炭酸ガスに酸化分解して無害化する。しかし、酸素がなくなると、光触媒によって活性酸素ができなくなり、有機物の分解ができなくなってしまう。排水等に酸素を導入すると活性酸素が生じやすくなる。これにより、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、その光触媒作用により上記懸濁物質の吸着、分解及び沈澱をより促進させ、短時間で高速に被処理水を浄化することが可能となる。
【0017】
本発明では、鉄・酸化チタン担持触媒体は、全体として磁性体となるので、これを、磁石の作用を利用して処理水から分離し、回収し、適宜再利用することができる。処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽から引き上げ、適宜乾燥させて再利用することができる。また、処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、例えば、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽底部に固定し、処理水を抜いた後、適宜乾燥させて再利用することができる。
【0018】
次に、本発明では、攪拌手段を具えた攪拌槽、排水等の被処理水流入手段、処理水流出手段、任意の構成としての光照射手段、及び鉄・酸化チタン担持触媒体、を構成要素として含み、上記攪拌槽に排水等を流入させ、鉄・酸化チタン担持触媒体を上記排水等に混入して水浄化処理を行い、処理水を処理水流出手段から流出させるようにしたことを特徴とする水浄化システムが提供される。この場合、上記攪拌手段、攪拌槽、排水等の被処理水流入手段、処理水流出手段、光照射手段の具体的な構成は、特に制限されるものではなく、排水等の種類、処理目的等に応じて任意に設計することができる。また、後記する実施態様に示されるように、攪拌モーター、鉄・酸化チタン担持触媒体を排出して集積する集積管及び集積桝、あるいは鉄・酸化チタン担持触媒体を取り出す電磁石端子付きクレーン、あるいは、攪拌槽の底部に沈澱させた複合体等を攪拌槽底部に固定する電磁石、光照射機能を有する紫外線ランプ等の光源を任意に設置することができる。
【0019】
本発明において、光を照射するための光源としては、例えば、太陽光、可視光、水銀ランプ、キセノンランプ、ブラックライト、ケミカルライト、LED、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、白熱灯、蛍光灯などがあげられるが、これらに制限されるものではない。また、本発明では、上記水浄化方法を、他の物理的処理、化学的処理、及び生物的処理による水浄化方法と適宜組み合わせて使用することができる。また、上記水浄化システムを、他の物理的処理、化学的処理、及び生物的処理による水浄化設備と組み合わせて、上記水浄化システムを構成要素として含む複合水浄化システムを構築することができる。それらの具体的構成については、その使用目的に応じて、任意に設計することができる。
【0020】
次に、図面の記載に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、その使用目的に応じて、任意に設計変更し得るものであることは云うまでもない。
図1に、本発明の水浄化システムの一例(実施態様1)を示す。この水浄化システムは、撹拌槽(1)、撹拌翼(2)、撹拌モーター(3)、汚水流入管(4)、汚水流入ポンプ(5)、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)、集積桝(7)、集積管(11)、集積調整弁(12)、処理水流出管(13)、処理水流出弁(14)、で構成される。次に、上記水浄化システムの動作について説明すると、汚水を前処理水槽から汚水流入ポンプ(5)によって汚水流入管(4)を通して撹拌槽(1)に入れ、撹拌槽(1)下部に設置した撹拌モーター(3)により撹拌翼(2)を回転させ、太陽光(8)あるいは紫外線ランプ(9)による光照射下で、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)を投入して、所定時間(例えば45分程度)撹拌する。
【0021】
その後、処理水は、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)と分離するために、沈殿処理(例えば、15分間放置)を行ったうえ、処理水流出弁(14)を開いて処理水流出管(13)を通して外部へ放流し、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)は、撹拌槽(1)の下部より、集積調整弁(12)を開いて集積管(11)を通して、集積桝(7)に送られる。
【0022】
集められた鉄・酸化チタン担持触媒体(6)は、吸着した未分解の有機物を取り除いて再利用するために、太陽光(8)あるいは紫外線ランプ(9)による紫外線照射を受けるように集積桝(7)に広げて乾燥させ、それらの分解が終了した時点(例えば、3日程度)で撹拌槽(1)へ再投入して、上記と同様の操作を繰り返す。なお、再投入時は、若干、光触媒効果が低下する(例えば、△15%)ので、活性の低下分を補う新たな鉄・酸化チタン担持触媒体(6)を加えて投入する。
【0023】
図2は、本発明の水浄化システムの他の一例(実施態様2)を示す。このシステムが上記実施態様1と異なるのは、電磁石端子付きクレーン(15)、転倒ゲートヒンジ(16)、転倒ゲート板(17)を有することである。汚水の処理水は、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)と分離するために、沈殿処理を行ったうえで、転倒ゲート板(17)を倒すことにより撹拌槽(1)の外部へ放流し、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)は、撹拌槽(1)の上部より、電磁石端子付きクレーン(15)で搬出されて、集積桝(7)に送られ、通電を切ることにより、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)を集積桝(7)に落下させる。
【0024】
図3は、本発明の水浄化システムの他の一例(実施態様3)を示す。このシステムが上記実施態様1と異なるのは、電磁石(18)を有することである。汚水の処理水は、鉄・酸化チタン担持触媒体(6)と分離するために、沈殿処理(例えば、15分間放置)を行ったうえ、電磁石で底部に固定し、吸着した未分解の有機物を取り除いて再利用するために、太陽光(8)あるいは紫外線ランプ(9)による紫外線照射して乾燥させ、それらの分解が終了した時点(例えば、3日程度)で汚水を再投入して、上記と同様の操作を繰り返す。なお、再投入時は、若干、光触媒効果が低下する(例えば、△15%)ので、活性の低下分を補う新たな鉄・酸化チタン担持触媒体(6)を投入する。
【0025】
【作用】
本発明は、鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ排水等の被処理水に混入又は接触させ、当該触媒体に懸濁物質を吸着させると共に、その光触媒作用によりこの懸濁物質等を分解させながら沈澱させることにより高速水浄化処理することを特徴とするものである。本発明は、上記鉄・酸化チタン担持触媒体を使用することで、上記吸着、分解及び沈澱が短時間で進行及び形成されるので、上記沈澱後の上澄み液を排出するだけの簡便な操作で、被処理水を、例えば、農業用水基準値以下に高速で浄化することが可能となる。
【0026】
従来の方法においても、光触媒による処理で、水中の有機化学物質は、ほぼ分解、及び無害化できるが、それらの方法では、懸濁物や有機物が多い場合、それらの分解に相当の時間がかかり、しかも、表面積の大きな微粒子の酸化チタン光触媒を使った場合、水中に沈澱せず、処理水との分離が難しいという問題があった。しかし、本発明の方法では、上述のように、懸濁物や有機物が多くても簡易な処理で、しかも、短時間で、高速に、それらを吸着、分解、及び沈澱させることができるうえに、処理水と上記鉄・酸化チタン担持触媒体との分離が容易であるので、本発明は、従来技術の諸問題を抜本的に解決することを可能とする新しい水浄化方法及びそのシステムを提供するものとして有用である。
【0027】
【実施例】
次に、参考例及び実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら限定されるものではない。
参考例1
(1)酸化チタン
酸化チタンとして、従来、最も高活性といわれていたアナターゼ型の超微粒子(粒径17mm以下)を使用した。
【0028】
(2)方法
撹拌条件下における酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果を、酸化チタンの投入量別に調べた。COD濃度58mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカー4つに、それぞれ、4g、6g、8g、10gの酸化チタンを投入し、スターラーで撹拌しながら、紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を照射する中で、実験開始後、1、2、4、8、及び24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。なお、対照として、酸化チタンを投入せず、紫外線照射のない場合を比較例とした。
【0029】
(3)結果
その結果を図4に示す。この図から明らかなように、酸化チタンを投入した撹拌条件下では、時間の経過と共に水浄化が進み、24時間後には汚水中のCODが2〜4mg/L程度に低減し、酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果が認められた。これらの結果から、汚水500mLに対する酸化チタン投入量は、4〜10gにおける水浄化効果の差が余り無いことから、5g程度が好適であることが分かった。
【0030】
参考例2
(1)方法
酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果を、紫外線照射強度別に調べた。COD濃度43mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカーに、酸化チタン10.0gを投入し、撹拌をしないで、0.1、0.2、0.4、0.6mW/cm の紫外線照射強度別に紫外線照射する中で、実験開始後、1、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。なお、対照として、酸化チタンを投入せず、紫外線照射しない場合を比較例とした。
【0031】
(3)結果
その結果を図5に示す。この図から明らかなように、紫外線照射強度の大きいほど水浄化が進み、0.4、0.6mW/cm おける24時間後の汚水中のCOD濃度が8mg/L程度に低減した。これらの結果から、紫外線照射強度は、0.4mW/cm が好適であることが分かった。なお、図4の場合と比較して、図5におけるCOD濃度の低減効果が小さいのは、撹拌をしなかったためと考えられる。
【0032】
参考例3
(1)方法
酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果を、撹拌強度別に調べた。COD濃度44mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカーに、酸化チタン10.0gを投入し、スターラーによって、強・中・弱・無し、の4段階の強度で撹拌して、紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を照射する中で、実験開始後、1、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。なお、対照として、酸化チタンを投入せず、撹拌が無く、紫外線照射の無い場合を比較例とした。
【0033】
(2)結果
その結果を図6に示す。この図から明らかなように、撹拌条件下では、時間の経過と共に水浄化が進み、24時間後の汚水中のCOD濃度が2〜3mg/L程度に低減した。これらの結果から、撹拌の強弱による差はほとんど無く、ある程度の撹拌強度で攪拌すれば水浄化効果は促進されることが分かった。
【0034】
参考例4
(1)方法
酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果を、酸化チタン投入の有無及び紫外線照射の有無によって調べた。硬質ガラス製ビーカー5つに、COD濃度60mg/Lの汚水500mLを入れ、1)酸化チタンを5.0g投入し、撹拌しながら紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を照射したもの、2)酸化チタンを5.0g投入して、撹拌するが、紫外線ランプによる紫外線照射の無いもの、3)酸化チタンの投入無しで、撹拌しながら紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を照射したもの、4)酸化チタンの投入無しで、撹拌するが紫外線ランプによる紫外線照射の無いもの、5)酸化チタンの投入無しで、撹拌及び紫外線ランプによる紫外線照射も無いもの、を準備し、実験開始後、1、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。
【0035】
(2)結果
その結果を図7に示す。この図から明らかなように、上記1)の酸化チタンを5.0g投入し、攪拌しながら紫外線照射したものに特に高い水浄化効果が得られ、農業用水質基準COD6mg/L以下となった。これにより、紫外線0.4mW/cm 照射の撹拌条件下において、汚水500mLに対して酸化チタンを5.0g投入した場合、酸化チタンの光触媒作用による高い水の浄化効果が得られることが確認された。
【0036】
実施例1
(1)鉄・酸化チタン担持触媒体の作製
上記参考例1〜4において、酸化チタンの光触媒作用による水浄化効果は確認されたが、酸化チタンの粒径が17nm以下の微粒子であるため、酸化チタンが被処理水中に懸濁し、処理後における処理水との分離が困難であった。そこで、大粒径である鉄系酸化物MnZnフェライトを配合して複合化した鉄・酸化チタン担持触媒体を使用することにより、その分離性を調べた。鉄・酸化チタン担持触媒体の粒径は0.3μmであり、酸化チタンと鉄系酸化物の重量による配合割合は1:1であった。
【0037】
(2)方法
鉄・酸化チタン担持触媒体の光触媒作用による水浄化効果を、紫外線0.4mW/cm 照射及び撹拌条件下で、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入量別に調べた。COD濃度53mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカーに、鉄・酸化チタン担持触媒体を、6g、10g、14g投入し、対照1として、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入の無い撹拌条件下の場合、対照2として、紫外線照射が無く、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入の無い静水条件下の場合を比較例とした。実験開始後、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。
【0038】
(3)結果
その結果を図8に示す。この図から明らかなように、鉄・酸化チタン担持触媒体を投入した場合、汚水中のCOD濃度は2時間以内で急激に減少し、その後のCOD濃度の経過は5〜6mg/Lと横ばいであった。鉄・酸化チタン担持触媒体の効率的な投入量は、汚水500mLに対して鉄・酸化チタン担持触媒体10g(酸化チタン5gと鉄系酸化物5g)であり、処理後における鉄・酸化チタン担持触媒体は、容器を傾けて上澄み液を移し取るデカンデーション操作のみで分離できることが分かった。
【0039】
(4)比較実験
鉄系酸化物単体による水浄化効果について、鉄系酸化物の投入量別に調べた。COD濃度66mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカーに、鉄系酸化物MnZnフェライトを1g、3g、5g投入し、紫外線照射無しで、スターラーで撹拌する中で、実験開始後、1、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度を観察した。対照1として、鉄系酸化物の投入の無い撹拌条件下の場合、対照2として、鉄系酸化物の投入の無い静水条件下の場合を比較例とした。
【0040】
(5)比較実験の結果
その結果を図9に示す。この図から明らかなように、鉄系酸化物の投入量が多いほど汚水中のCOD濃度は減少し、5g投入量においては、2/3程度の水浄化効果に留まった。鉄・酸化チタン担持触媒体と較べると、明らかにその水浄化効果は劣ることが分かった。実験終了後、鉄系酸化物は沈殿した。
【0041】
実施例2
(1)方法
鉄・酸化チタン担持触媒体の水浄化効果を、2時間以内でのCOD濃度の変化を測定して詳細に検討した。COD濃度44mg/Lの汚水を入れた500mLの硬質ガラス製ビーカーに、鉄・酸化チタン担持触媒体10g(酸化チタン5gと鉄系酸化物5g)を投入し、紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を照射し、スターラーで撹拌15分、撹拌30分、撹拌45分、撹拌60分とし、撹拌停止後15分の沈殿を待って採水して、実験開始後、15分、30分、45分、60分、75分、120分における汚水中のCOD濃度の変化を観察した。なお、対照1として、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入も撹拌も無く、紫外線照射がある場合、対照2として、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入も撹拌も紫外線照射も無い場合を比較例とした。
【0042】
(2)結果
その結果を図10に示す。この図から明らかなように、鉄・酸化チタン担持触媒体を投入した撹拌・沈殿後のCOD濃度は、農業用水質基準6mg/L以下を満たすことが分かった。また、効率の良い処理方法としては、表1に記載の数値に基づいて、測定誤差や安全面を配慮すると、撹拌45分+沈殿15分=60分が好適であることが分かった。
【0043】
【表1】
Figure 2004016921
【0044】
実施例3
(1)方法
鉄・酸化チタン担持触媒体の水浄化能力の限界について、処理前の汚水原水の濃度別に調べた。COD濃度を136mg/L、77mg/L、43mg/Lの3段階とした汚水500mLを、硬質ガラス製ビーカーに入れ、鉄・酸化チタン担持触媒体10g(酸化チタン5gと鉄系酸化物5g)を投入し、紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm2 を照射して、スターラーで撹拌45分とし、攪拌停止後、沈殿15分を経過した後、実験開始後、1、2、4、8、24時に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。なお、対照として、3段階のCOD濃度の各汚水500mLに対して、撹拌も紫外線も照射も無い場合を比較例とした。
【0045】
(2)結果
その結果を図11に示す。この図に示されるように、処理後のCOD濃度が農業用水質基準6mg/L以下になったのは、汚水原水が43mg/Lの場合のみであった。図8、図10、図11を合わせて総合判断すると、処理後のCOD濃度6mg/L以下を前提条件とするとき、鉄・酸化チタン担持触媒体の水浄化能力の限界は、汚水原水のCOD濃度50mg/L程度が上限となった。ただし、濃度が50mg/L以上の場合は、浄化した処理水に鉄・酸化チタン担持触媒体を再投入して段階的に処理することで対応可能であることが分かった。
【0046】
実施例4
(1)方法
鉄・酸化チタン担持触媒体の光の有無による水浄化効果について調べた。硬質ガラス製ビーカー5つに、COD濃度56mg/Lの汚水500mLを入れ、1)鉄・酸化チタン担持触媒体を10.0g投入し、攪拌しながら紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を120分間照射したもの、2)鉄・酸化チタン担持触媒体を10.0g投入して攪拌するが、紫外線ランプによる照射の無いもの(事前に光照射したものを含む)、3)酸化チタンを5.0g投入し、攪拌しながら紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を120分間照射したもの、4)鉄・酸化チタン担持触媒体あるいは酸化チタンの投入無しで、攪拌しながら紫外線ランプによる紫外線0.4mW/cm を120分照射したもの、5)鉄・酸化チタン担持触媒体あるいは酸化チタンの投入無しで、攪拌も紫外線ランプによる照射も無いもの、を準備し、実験開始後、30、60、120分に採水して、汚水中のCOD濃度の変化を観察した。
【0047】
(2)結果
その結果を図12に示す。この図から明らかなように、上記1)と2)の場合のみに迅速な水浄化効果が確認でき、農業用水質基準COD6mg/L以下となった。これにより、紫外線照射の有無にかかわらず、攪拌条件下において、汚水500mLに対して鉄・酸化チタン担持触媒体を10.0g投入した場合、水浄化効果があることが確認された。本実験により、上記2)の、鉄・酸化チタン担持触媒体を投入し、攪拌するが、光照射の無いもの、の場合に、上記1)の場合とほぼ同一の水浄化効果が得られることが実証された。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、懸濁物質を含んだ被処理水を処理することを特徴とする高速水浄化方法及びそのシステム等に係るものであり、本発明により、1)容易に、かつ短時間で迅速に処理できる水浄化方法を提供することができる、2)汚水中に鉄・酸化チタン担持触媒体を投入し、例えば、紫外線を照射しながら45分間撹拌して15分間沈殿させる簡単な方法によって、1時間以内の短時間で高速に汚水中の有機懸濁物、農薬、環境ホルモン等を吸着、分解及び沈澱させて浄化することができる、3)鉄・酸化チタン担持触媒体を汚水に投入し、紫外線を照射しながら撹拌又は瀑気して、汚水中に酸素を導入するだけで、上記鉄・酸化チタン担持触媒体による有機物の吸着、分解と除菌及び沈澱が迅速に行われ、高速に水浄化することができる、4)処理水の分離も沈殿後の上澄み液を排出するのみで容易に行うことができる、5)鉄・酸化チタン担持触媒体は、磁石の作用を利用して回収し、再生して再利用することができる、6)上記水浄化方法に用いる新しい水浄化システムが提供される、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水浄化システムの一実施例を示す。
【図2】図2は、本発明の水浄化システムの他の実施例を示す。
【図3】図3は、本発明の水浄化システムの他の実施例を示す。
【図4】図4は、攪拌条件下での酸化チタンの投入量別による水浄化効果を示す。
【図5】図5は、酸化チタンの紫外線照射強度別による水浄化効果を示す。
【図6】図6は、酸化チタンの撹拌強度別による水浄化効果を示す。
【図7】図7は、酸化チタンの水浄化効果を示す。
【図8】図8は、鉄・酸化チタン担持触媒体の投入量別による水浄化効果を示す。
【図9】図9は、鉄系酸化物の水浄化効果を示す。
【図10】図10は、鉄・酸化チタン担持触媒体の短時間処理による水浄化効果を示す。
【図11】図11は、鉄・酸化チタン担持触媒体の汚水原水濃度別による水浄化効果を示す。
【図12】図12は、鉄・酸化チタン担持触媒体の光の有無による水浄化効果を示す。
【符号の説明】
1  撹拌槽
2  撹拌翼
3  撹拌モーター
4  汚水流入管
5  汚水流入ポンプ
6  鉄・酸化チタン担持触媒体
7  集積桝
8  太陽光
9  紫外線ランプ
10 水面
11 集積管
12 集積調整弁
13 処理水流出管
14 処理水流出弁
15 電磁石端子付きクレーン
16 転倒ゲートヒンジ
17 転倒ゲート板

Claims (16)

  1. 鉄・酸化チタン担持触媒体を用いて、懸濁物質を含んだ被処理水を浄化処理することを特徴とする水浄化方法。
  2. 鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水に混入し、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする請求項1記載の水浄化方法。
  3. 被処理水中に酸素を導入しながら、鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水に混入することを特徴とする請求項2記載の水浄化方法。
  4. 担体に担持させた鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水と接触させ、懸濁物質を吸着、分解及び沈澱させることを特徴とする請求項1記載の水浄化方法。
  5. 被処理水中に酸素を導入しながら、担体に担持させた鉄・酸化チタン担持触媒体を、懸濁物質を含んだ被処理水と接触させることを特徴とする請求項4記載の水浄化方法。
  6. 被処理水の懸濁物質が高濃度の場合に、得られた処理水を被処理水に再注入して浄化処理することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水浄化方法。
  7. 被処理水の懸濁物質が高濃度の場合に、鉄・酸化チタン担持触媒体を被処理水に再投入して浄化処理することを特徴とする請求項2又は3に記載の水浄化方法。
  8. 使用した鉄・酸化チタン担持触媒体を、磁石の作用を利用して処理水から分離、回収し、適宜再利用することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の水浄化方法。
  9. 処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽から引き上げ、再利用することを特徴とする請求項8記載の水浄化方法。
  10. 処理水から鉄・酸化チタン担持触媒体を分離するために、電磁石を用いて鉄・酸化チタン担持触媒体を処理槽底部に固定し、処理水を抜いた後、再利用することを特徴とする請求項8記載の水浄化方法。
  11. 被処理水が、上水、下水、集落排水、農業排水、工場廃水、湖沼水、又は河川水であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の水浄化方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の水浄化方法を、他の物理的処理、化学的処理、又は生物的処理による水浄化方法と組み合わせたことを特徴とする水浄化方法。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の水浄化方法に使用する水浄化剤であって、鉄成分を酸化チタン系光触媒に配合して複合化することにより作製された、鉄・酸化チタン担持触媒体を有効成分として含有することを特徴とする水浄化剤。
  14. 鉄成分が、金属鉄、酸化鉄、鉄酸塩(フェライト)から選択された1種以上であることを特徴とする請求項13記載の水浄化剤。
  15. 攪拌手段を具えた攪拌槽、被処理水流入手段、処理水流出手段、及び任意の構成としての光照射手段、を構成要素として含み、上記攪拌槽に懸濁物質を含んだ被処理水を流入させ、鉄・酸化チタン担持触媒体を上記被処理水に混入して、水浄化処理を行い、処理水を処理水流出手段から流出させるようにしたことを特徴とする水浄化システム。
  16. 請求項15記載の水浄化システムを、他の物理的処理、化学的処理、又は生物的処理による水浄化設備と組み合わせて、上記水浄化システムを構成要素として含む複合水浄化システムを構築したことを特徴とする複合水浄化システム。
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