JP2004016473A - スプリンクラーヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のスプリンクラーヘッドでは、導水孔と弁体との間の間隙を塞ぐシール部材が、弁体の外周に嵌め込まれていたので、弁体が抜け落ちる際に導水孔の内面との間に噛み込まれるおそれがあった。本発明は、この点の改善を課題とする。
【解決手段】導水孔3の下端開放側を大径とし、その内側に段部3aを設けた。また、弁体8の下端には、この段部3aに係合する鍔部8aを設け、この鍔部8aと前記段部3aとの間でシール部材9を上下方向から挟み込むこととした。さらに、シール部材9が接する鍔部8aの上面には、シール部材9が癒着することを防止するために、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施した。
【選択図】 図1
【解決手段】導水孔3の下端開放側を大径とし、その内側に段部3aを設けた。また、弁体8の下端には、この段部3aに係合する鍔部8aを設け、この鍔部8aと前記段部3aとの間でシール部材9を上下方向から挟み込むこととした。さらに、シール部材9が接する鍔部8aの上面には、シール部材9が癒着することを防止するために、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火配管に接続され、定常的に消火配管に充満された加圧消火用水を密閉し、火災時に加圧供給された消火用水を放水する閉鎖型のスプリンクラーヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のスプリンクラーヘッドは、天井内に敷設された消火配管に接続して天井の下面に設置され、弁体を感熱機構などで閉鎖状態に保持することにより、消火配管内の加圧消火用水を密閉し、火災時には、感熱機構が破壊されることにより、弁体が支持を失って開放され、消火用水が放水されるようになっている。
【0003】
ここにおいて、従来のスプリンクラーヘッドでは、弁体によるシール性を保つために、その周囲には、図7に示すようにゴム製のOリング11が、嵌め込まれていた。しかしながら、この種のスプリンクラヘッドでは、弁体12は定常的に導水孔13を塞いだ状態で保持されているので、長年使用しているうちに、このゴム製のOリング11が変質して弁体12や導水孔13の内周面に癒着し、万一の際に円滑に作動しなかったり、あるいはシール漏れが発生するというおそれがあった。
【0004】
また、この点を改善したものとしては、特開2001−299954に示されるものがあった。これは、図8に示すように、弁体21が挿入される導水孔22内に非金属製のカラー部材23を挿着し、弁体21の周囲に装着されたOリング24が直接、金属製の導水孔22の内面に触れないようにしたり、あるいは、さらにこのOリング24の表面に、含フッ素樹脂のコーティングを施したものであり、このことにより、ゴムと金属が直接接触して起きるゴムの変質や劣化による金属との癒着を防止し、また接触面に作用する摩擦を小さくして、火災時に弁体21が円滑、かつ確実に導水孔22を開くように、移動できるようにしたものである。
【0005】
なお、図7において符号12aは、弁体12の周囲に形成されたOリング11の取付用の溝、14は、溶融金属などで形成され、弁体12を導水孔13を塞いだ状態に保持した熱分解機構を示す。
【0006】
また、図8において、符号21aは、弁体21の周囲に形成されたOリング24の取付用の溝を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のスプリンクラーヘッドのうち、まず図7に示したものは、ゴム製のOリングが直接、導水孔内の金属面に接しているので、長年の使用のうちに、このOリングが変質して弁体や放水口端部に癒着し、円滑に作動しなかったり、あるいは、シール漏れが発生したりするおそれがあるという問題点があった。
【0008】
また、図8に示したものは、Oリングの周囲に非金属製のカラー部材を介在させているので、Oリングが導水孔の内面に固着するおそれはないが、合成樹脂等の非金属材で形成されたカラー部材を別途、用意しなくてはならず、また、その製造においても、このカラー部材を金属製の本体の内部に、抜け落ちないように一体的に固定しなくてはならず、製造作業能率が悪く、かつ、製造コストも嵩むという問題点があった。
【0009】
また、このスプリンクラーヘッドでは、接触部分の表面処理や加工により、Oリングが導水孔の内面に癒着しないようにしているが、Oリングは、弁体の周囲に設けられた溝に嵌まって取り付けられているため、弁体が押し出される方向に移動した際に、このOリングが溝から外れ、あるいは変形して、カラー部材との間に噛み込まれるおそれがあり、このようになると、必ずしも弁体が円滑に作動するとは限らず、動作信頼性に一抹の不安があった。
【0010】
本発明は、上記従来のスプリンクラーヘッドが有していた問題点の解決を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、消火配管に接続され、定常的に弁体をシール部材を介して導水孔内に閉鎖状態に保持して前記消火配管内の加圧消火用水を密閉し、火災時に前記弁体を開放作動して加圧供給された消火用水を放水する閉鎖型のスプリンクラーヘッドにおいて、上記導水孔を下端開放側が段部を介して大径のものとし、この導水孔内に保持される弁体の下端には、この大径部分とほぼ同径の鍔部を設け、上記シール部材が、前記段部と鍔部との間で、上下方向に挟まれるようにし、かつ、このシール部材が接する鍔部の上面、あるいは段部の下面の何れか少なくともその一方には、シール部材の固着を防止するためのフッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、導水孔内の段部の表面に、シール部材が係合する凹溝を下向きに設けた構成を加えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成中、シール部材を断面U形やV形あるいはX形など、厚み方向に変形し得る形状に限定したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るスプリンクラーヘッドの半断面図である。図示したように、このスプリンクラーヘッドは、通常のフレーム形スプリンクラーヘッドと同様に、内側に導水孔3、外側に配管接続用のねじ2を有し、下方に一対のアーム4,4が馬蹄形に突設されたフレーム1と、前記アーム4,4の下端の交差した個所に設けられたボス7に螺合したインプレスねじ6と、このインプレスねじ6で下端が保持されたグラスバルブ5と、グラスバルブ5の上端で保持され、上記導水孔3を塞いだ弁体8と、フレーム1の下端に取り付けられた散水用のデフレクター10とで構成されている。
【0016】
そして、上記グラスバルブ5の内部には、液体が封入されており、火災が発生すると、その熱を受けて液体が膨張し、グラスバルブ5が破壊されるようになっており、このグラスバルブ5と、その上方に保持された弁体8とで感熱分解部を構成している。
【0017】
ここにおいて、本発明のスプリンクラーヘッドでは、図2に示すようにフレーム1に設けられた導水孔3の下端寄りに段部3aを設け、この段部3aの下側の開放部分を大径としている。また、この導水孔3a内に保持される弁体8は、その下端にこの導水孔3の大径部分とほぼ同径の鍔部8aを設けている。そして、この鍔部8aの上側外周を前記導水孔3の段部3aの幅よりやや小さい寸法で環状に面取りし、ここにパッキンとなるリング状のシール部材9を載せ、前記段部3aとの間でこのシール部材を上下方向に挟み込むこととしている。
【0018】
また、この弁体8は、少なくとも鍔部8aの上面外周寄りのシール部材9が接する個所が、フッ素樹脂または含フッ素樹脂でコーティングされている。
【0019】
本発明のスプリンクラーヘッドは、上記の構成を有している。
【0020】
従って、定常時は、グラスバルブ5で保持された弁体8がシール部材9を介して導水孔3内の段部3aに圧接し、この導水孔3aを塞いでいる。そして、火災が発生すると、その熱でグラスバルブ5内に封入された液体が膨張し、グラスバルブ5が破壊され、このことで弁体8は、その支持を失い、導水孔3内に供給されている加圧消火用水の圧力と相まって、導水孔3の段部3aから脱落する。
【0021】
この時、本発明のスプリンクラーヘッドでは、水漏れを防止するためのシール部材9が上下方向に挟み込まれており、また、このシール部材9と接した弁体8の上面には、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングが施されているので、シール部材9は弁体8に癒着することがなく、また、弁体8の導水孔3から抜け落ちる方向への移動を妨げるおそれもない。
【0022】
よって、弁体8は円滑に導水孔3から抜け落ち、加圧消火用水の封鎖が解除され、接続された消火管(図示せず)から供給された加圧消火用水が、吹き出し、デフレクター10に当たって周囲に散布され、消火が開始される。
【0023】
以上のようにして本発明のスプリンクラーヘッドは、作動するものである。
【0024】
図3は、本発明の他の実施形態を示した要部拡大断面図である。図示したように、この場合は、導水孔3の下端開放側に設けられた段部3aの表面(図では下側)に、リング状に下向きの凹溝3bを形成すると共に、この導水孔3内に挿着される弁体8の鍔部8a上面を平坦に形成したものである。そして、上記凹溝3bにシール部材9を嵌め込み、このシール部材9の下面に弁体8の鍔部8aの上面を圧接させることにより、導水孔3を水密に塞ぐこととしている。
【0025】
なお、上記凹溝3bの深さは、圧力を受けずに自然状態にあるシール部材9の厚みよりも小さく設定されている。また、弁体8の鍔部8aの上面は、上記の場合と同様に少なくともシール部材9と接する個所が、フッ素樹脂または含フッ素樹脂でコーティングされている。
【0026】
図4、図5、図6は、弁体8と導水孔3との間の水密を保つために用いられるシール部材91,92,93の実施形態を示した断面図である。一般にこの種のシール部材91,92,93は、ゴムやエラストマー系樹脂などの弾性材で形成されているが、密閉性を向上させるために、その材質を柔らかくすると、長年の使用による劣化で弾性が失われ、水漏れを生じるなど、耐久性に問題が生じるおそれがあり、また、耐久性を向上させるために、その材質を固くすると、今度は、弾性力が低下して、密閉性が悪くなるという相反する問題点を有していた。
【0027】
ここにおいて、本発明では、シール部材91,92,93は、上下から挟み込まれて、その厚さ方向に変形して密着するようになっているので、その断面形状を、図4に示された略U字形や、図5に示されたX字形、あるいは図6に示されたV字形のように、構造的に変形し易い形状とすることが可能であり、このようにすれば、このシール部材91,92,93を構成した素材自体が備えている弾性力と相まって、一層、シール部分への密着性が向上し、密閉性が向上すると共に、シール部材として必要以上に柔らかい素材を用いる必要がなく、耐久性に優れた素材の使用が可能となるものである。
【0028】
なお、この場合も弁体8の鍔部8aの上面には、シール部材91,92,93が癒着しないように、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングが施されていることとする。
【0029】
本発明のスプリンクラーヘッドは上記の構成を有している。
【0030】
なお、図1に示した実施の形態では、スプリンクラーヘッドとして、グラスバルブ5で弁体8が保持されたフレーム形スプリンクラーヘッドを例示したが、本発明のスプリンクラーヘッドは、導水孔3と弁体8との密封状態をはかるシール部材9が、弁体8の移動を妨げないように、上下方向に挟み込まれていれば良く、その他の構成は、必ずしも図示した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、感熱分解部としてグラスバルブの代わりに、溶融金属などを用いたものであっても良い。
【0031】
また、上記の実施の形態では、シール部材9が弁体8に癒着してその離脱を妨げないように、鍔部8aの上面にフッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施した例を示したが、このコーティングは、シール部材9の上側が接した段部3aの下面側に施すこととしても良く、あるいはその両者に施すこととしても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち、請求項1記載の発明は、導水孔の下端開放側近傍の内部に段部を設けると共に、弁体の下端には、この段部に係合する鍔部を設け、前記段部と鍔部との間でシール部材を上下方向に挟み込むこととし、また、このシール部材が接する面には、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施すこととしたので、火災時に、シール部材が弁体の移動を妨げるように噛み込むおそれがなく、また、シール部材が弁体や導水孔側に癒着して、その離脱を妨げるおそれもない。よって、弁体は円滑に導水孔から抜け落ち、迅速、かつ、確実に消火散水が開始され、この種のスプリンクラーヘッドとして最も重要な作動の確実性や動作信頼性の向上に優れた効果を奏する。
【0033】
また、請求項2記載の発明は、導水孔の内部に設けられた段部に、シール部材が嵌め込まれる凹所を設けることとしたので、組み付けの際にシール部材が位置ずれするおそれがなく、組立てムラによる品質誤差が生じ難くなると共に、組立作業性も向上することとなる。
【0034】
請求項3記載の発明は、シール部材を断面U形やV形、あるいはX形などの厚さ方向に変形可能な形状としたので、シール部材を構成した素材自体の弾性力と相まって、シール部分により緊密に密着することとなり、その密閉性が向上する。また、このようにシール部材の密着、密閉性が向上するので、径年劣化の激しい柔らかい素材をシール部材として用いる必要がなく、その耐久性も向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスプリンクラーヘッドの実施形態を示した半縦断面図である。
【図2】図1に示したスプリンクラーヘッドの要部拡大図である。
【図3】第2の実施形態を示した要部断面図である。
【図4】第3の実施形態を示した要部断面図である。
【図5】第4の実施形態を示した要部断面図である。
【図6】第5の実施形態を示した要部断面図である。
【図7】従来のスプリンクラーヘッドの断面図である。
【図8】スプリンクラーヘッドの他の従来例を示した要部断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 ねじ
3 導水孔
3a 段部
4 アーム
5 グラスバルブ
6 ボス
7 インプレスねじ
8 弁体
8a 鍔部
9,91,92,93 シール部材
10 デフレクター
【発明の属する技術分野】
本発明は、消火配管に接続され、定常的に消火配管に充満された加圧消火用水を密閉し、火災時に加圧供給された消火用水を放水する閉鎖型のスプリンクラーヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のスプリンクラーヘッドは、天井内に敷設された消火配管に接続して天井の下面に設置され、弁体を感熱機構などで閉鎖状態に保持することにより、消火配管内の加圧消火用水を密閉し、火災時には、感熱機構が破壊されることにより、弁体が支持を失って開放され、消火用水が放水されるようになっている。
【0003】
ここにおいて、従来のスプリンクラーヘッドでは、弁体によるシール性を保つために、その周囲には、図7に示すようにゴム製のOリング11が、嵌め込まれていた。しかしながら、この種のスプリンクラヘッドでは、弁体12は定常的に導水孔13を塞いだ状態で保持されているので、長年使用しているうちに、このゴム製のOリング11が変質して弁体12や導水孔13の内周面に癒着し、万一の際に円滑に作動しなかったり、あるいはシール漏れが発生するというおそれがあった。
【0004】
また、この点を改善したものとしては、特開2001−299954に示されるものがあった。これは、図8に示すように、弁体21が挿入される導水孔22内に非金属製のカラー部材23を挿着し、弁体21の周囲に装着されたOリング24が直接、金属製の導水孔22の内面に触れないようにしたり、あるいは、さらにこのOリング24の表面に、含フッ素樹脂のコーティングを施したものであり、このことにより、ゴムと金属が直接接触して起きるゴムの変質や劣化による金属との癒着を防止し、また接触面に作用する摩擦を小さくして、火災時に弁体21が円滑、かつ確実に導水孔22を開くように、移動できるようにしたものである。
【0005】
なお、図7において符号12aは、弁体12の周囲に形成されたOリング11の取付用の溝、14は、溶融金属などで形成され、弁体12を導水孔13を塞いだ状態に保持した熱分解機構を示す。
【0006】
また、図8において、符号21aは、弁体21の周囲に形成されたOリング24の取付用の溝を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のスプリンクラーヘッドのうち、まず図7に示したものは、ゴム製のOリングが直接、導水孔内の金属面に接しているので、長年の使用のうちに、このOリングが変質して弁体や放水口端部に癒着し、円滑に作動しなかったり、あるいは、シール漏れが発生したりするおそれがあるという問題点があった。
【0008】
また、図8に示したものは、Oリングの周囲に非金属製のカラー部材を介在させているので、Oリングが導水孔の内面に固着するおそれはないが、合成樹脂等の非金属材で形成されたカラー部材を別途、用意しなくてはならず、また、その製造においても、このカラー部材を金属製の本体の内部に、抜け落ちないように一体的に固定しなくてはならず、製造作業能率が悪く、かつ、製造コストも嵩むという問題点があった。
【0009】
また、このスプリンクラーヘッドでは、接触部分の表面処理や加工により、Oリングが導水孔の内面に癒着しないようにしているが、Oリングは、弁体の周囲に設けられた溝に嵌まって取り付けられているため、弁体が押し出される方向に移動した際に、このOリングが溝から外れ、あるいは変形して、カラー部材との間に噛み込まれるおそれがあり、このようになると、必ずしも弁体が円滑に作動するとは限らず、動作信頼性に一抹の不安があった。
【0010】
本発明は、上記従来のスプリンクラーヘッドが有していた問題点の解決を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、消火配管に接続され、定常的に弁体をシール部材を介して導水孔内に閉鎖状態に保持して前記消火配管内の加圧消火用水を密閉し、火災時に前記弁体を開放作動して加圧供給された消火用水を放水する閉鎖型のスプリンクラーヘッドにおいて、上記導水孔を下端開放側が段部を介して大径のものとし、この導水孔内に保持される弁体の下端には、この大径部分とほぼ同径の鍔部を設け、上記シール部材が、前記段部と鍔部との間で、上下方向に挟まれるようにし、かつ、このシール部材が接する鍔部の上面、あるいは段部の下面の何れか少なくともその一方には、シール部材の固着を防止するためのフッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、導水孔内の段部の表面に、シール部材が係合する凹溝を下向きに設けた構成を加えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成中、シール部材を断面U形やV形あるいはX形など、厚み方向に変形し得る形状に限定したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るスプリンクラーヘッドの半断面図である。図示したように、このスプリンクラーヘッドは、通常のフレーム形スプリンクラーヘッドと同様に、内側に導水孔3、外側に配管接続用のねじ2を有し、下方に一対のアーム4,4が馬蹄形に突設されたフレーム1と、前記アーム4,4の下端の交差した個所に設けられたボス7に螺合したインプレスねじ6と、このインプレスねじ6で下端が保持されたグラスバルブ5と、グラスバルブ5の上端で保持され、上記導水孔3を塞いだ弁体8と、フレーム1の下端に取り付けられた散水用のデフレクター10とで構成されている。
【0016】
そして、上記グラスバルブ5の内部には、液体が封入されており、火災が発生すると、その熱を受けて液体が膨張し、グラスバルブ5が破壊されるようになっており、このグラスバルブ5と、その上方に保持された弁体8とで感熱分解部を構成している。
【0017】
ここにおいて、本発明のスプリンクラーヘッドでは、図2に示すようにフレーム1に設けられた導水孔3の下端寄りに段部3aを設け、この段部3aの下側の開放部分を大径としている。また、この導水孔3a内に保持される弁体8は、その下端にこの導水孔3の大径部分とほぼ同径の鍔部8aを設けている。そして、この鍔部8aの上側外周を前記導水孔3の段部3aの幅よりやや小さい寸法で環状に面取りし、ここにパッキンとなるリング状のシール部材9を載せ、前記段部3aとの間でこのシール部材を上下方向に挟み込むこととしている。
【0018】
また、この弁体8は、少なくとも鍔部8aの上面外周寄りのシール部材9が接する個所が、フッ素樹脂または含フッ素樹脂でコーティングされている。
【0019】
本発明のスプリンクラーヘッドは、上記の構成を有している。
【0020】
従って、定常時は、グラスバルブ5で保持された弁体8がシール部材9を介して導水孔3内の段部3aに圧接し、この導水孔3aを塞いでいる。そして、火災が発生すると、その熱でグラスバルブ5内に封入された液体が膨張し、グラスバルブ5が破壊され、このことで弁体8は、その支持を失い、導水孔3内に供給されている加圧消火用水の圧力と相まって、導水孔3の段部3aから脱落する。
【0021】
この時、本発明のスプリンクラーヘッドでは、水漏れを防止するためのシール部材9が上下方向に挟み込まれており、また、このシール部材9と接した弁体8の上面には、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングが施されているので、シール部材9は弁体8に癒着することがなく、また、弁体8の導水孔3から抜け落ちる方向への移動を妨げるおそれもない。
【0022】
よって、弁体8は円滑に導水孔3から抜け落ち、加圧消火用水の封鎖が解除され、接続された消火管(図示せず)から供給された加圧消火用水が、吹き出し、デフレクター10に当たって周囲に散布され、消火が開始される。
【0023】
以上のようにして本発明のスプリンクラーヘッドは、作動するものである。
【0024】
図3は、本発明の他の実施形態を示した要部拡大断面図である。図示したように、この場合は、導水孔3の下端開放側に設けられた段部3aの表面(図では下側)に、リング状に下向きの凹溝3bを形成すると共に、この導水孔3内に挿着される弁体8の鍔部8a上面を平坦に形成したものである。そして、上記凹溝3bにシール部材9を嵌め込み、このシール部材9の下面に弁体8の鍔部8aの上面を圧接させることにより、導水孔3を水密に塞ぐこととしている。
【0025】
なお、上記凹溝3bの深さは、圧力を受けずに自然状態にあるシール部材9の厚みよりも小さく設定されている。また、弁体8の鍔部8aの上面は、上記の場合と同様に少なくともシール部材9と接する個所が、フッ素樹脂または含フッ素樹脂でコーティングされている。
【0026】
図4、図5、図6は、弁体8と導水孔3との間の水密を保つために用いられるシール部材91,92,93の実施形態を示した断面図である。一般にこの種のシール部材91,92,93は、ゴムやエラストマー系樹脂などの弾性材で形成されているが、密閉性を向上させるために、その材質を柔らかくすると、長年の使用による劣化で弾性が失われ、水漏れを生じるなど、耐久性に問題が生じるおそれがあり、また、耐久性を向上させるために、その材質を固くすると、今度は、弾性力が低下して、密閉性が悪くなるという相反する問題点を有していた。
【0027】
ここにおいて、本発明では、シール部材91,92,93は、上下から挟み込まれて、その厚さ方向に変形して密着するようになっているので、その断面形状を、図4に示された略U字形や、図5に示されたX字形、あるいは図6に示されたV字形のように、構造的に変形し易い形状とすることが可能であり、このようにすれば、このシール部材91,92,93を構成した素材自体が備えている弾性力と相まって、一層、シール部分への密着性が向上し、密閉性が向上すると共に、シール部材として必要以上に柔らかい素材を用いる必要がなく、耐久性に優れた素材の使用が可能となるものである。
【0028】
なお、この場合も弁体8の鍔部8aの上面には、シール部材91,92,93が癒着しないように、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングが施されていることとする。
【0029】
本発明のスプリンクラーヘッドは上記の構成を有している。
【0030】
なお、図1に示した実施の形態では、スプリンクラーヘッドとして、グラスバルブ5で弁体8が保持されたフレーム形スプリンクラーヘッドを例示したが、本発明のスプリンクラーヘッドは、導水孔3と弁体8との密封状態をはかるシール部材9が、弁体8の移動を妨げないように、上下方向に挟み込まれていれば良く、その他の構成は、必ずしも図示した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、感熱分解部としてグラスバルブの代わりに、溶融金属などを用いたものであっても良い。
【0031】
また、上記の実施の形態では、シール部材9が弁体8に癒着してその離脱を妨げないように、鍔部8aの上面にフッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施した例を示したが、このコーティングは、シール部材9の上側が接した段部3aの下面側に施すこととしても良く、あるいはその両者に施すこととしても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち、請求項1記載の発明は、導水孔の下端開放側近傍の内部に段部を設けると共に、弁体の下端には、この段部に係合する鍔部を設け、前記段部と鍔部との間でシール部材を上下方向に挟み込むこととし、また、このシール部材が接する面には、フッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングを施すこととしたので、火災時に、シール部材が弁体の移動を妨げるように噛み込むおそれがなく、また、シール部材が弁体や導水孔側に癒着して、その離脱を妨げるおそれもない。よって、弁体は円滑に導水孔から抜け落ち、迅速、かつ、確実に消火散水が開始され、この種のスプリンクラーヘッドとして最も重要な作動の確実性や動作信頼性の向上に優れた効果を奏する。
【0033】
また、請求項2記載の発明は、導水孔の内部に設けられた段部に、シール部材が嵌め込まれる凹所を設けることとしたので、組み付けの際にシール部材が位置ずれするおそれがなく、組立てムラによる品質誤差が生じ難くなると共に、組立作業性も向上することとなる。
【0034】
請求項3記載の発明は、シール部材を断面U形やV形、あるいはX形などの厚さ方向に変形可能な形状としたので、シール部材を構成した素材自体の弾性力と相まって、シール部分により緊密に密着することとなり、その密閉性が向上する。また、このようにシール部材の密着、密閉性が向上するので、径年劣化の激しい柔らかい素材をシール部材として用いる必要がなく、その耐久性も向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスプリンクラーヘッドの実施形態を示した半縦断面図である。
【図2】図1に示したスプリンクラーヘッドの要部拡大図である。
【図3】第2の実施形態を示した要部断面図である。
【図4】第3の実施形態を示した要部断面図である。
【図5】第4の実施形態を示した要部断面図である。
【図6】第5の実施形態を示した要部断面図である。
【図7】従来のスプリンクラーヘッドの断面図である。
【図8】スプリンクラーヘッドの他の従来例を示した要部断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2 ねじ
3 導水孔
3a 段部
4 アーム
5 グラスバルブ
6 ボス
7 インプレスねじ
8 弁体
8a 鍔部
9,91,92,93 シール部材
10 デフレクター
Claims (3)
- 消火配管に接続され、定常的に弁体をシール部材を介して導水孔内に閉鎖状態に保持して前記消火配管内の加圧消火用水を密閉し、火災時に前記弁体を開放作動して加圧供給された消火用水を放水する閉鎖型のスプリンクラーヘッドにおいて、
上記導水孔は、下端開放側が段部を介して大径とされ、この導水孔内に保持される弁体の下端には、この大径部分とほぼ同径の鍔部が設けられ、上記シール部材が、前記段部と鍔部との間で、上下方向に挟まれるようになされ、かつ、このシール部材が接する鍔部の上面、あるいは段部の下面の何れか少なくともその一方には、シール部材の固着を防止するためのフッ素樹脂または含フッ素樹脂によるコーティングが施されたことを特徴とするスプリンクラーヘッド。 - 導水孔内の段部の表面に、シール部材が係合する凹溝が下向きに設けられたことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
- シール部材が、厚み方向に変形し得るように、断面U形やV形あるいはX形などの形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のスプリンクラーヘッド。
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2002
- 2002-06-17 JP JP2002175582A patent/JP2004016473A/ja active Pending
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CN111494851A (zh) * | 2020-04-30 | 2020-08-07 | 嘉兴德力克斯科技有限公司 | 一种双保险消防喷淋头 |
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