JP2004016327A - 蒸気発生器 - Google Patents

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JP2004016327A
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Tetsushi Nakai
中井 哲志
Yuichi Takahashi
高橋 裕一
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Miura Co Ltd
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Miura Co Ltd
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Abstract

【課題】この発明が解決しようとする課題は、異なる種類の蒸気の要求に際して経済的な蒸気を供給することである。
【解決手段】異なる種類の給液からそれぞれの蒸気を発生させる蒸気発生手段3,4を備えたことを特徴としている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院,各種医療施設等においては、手術用機器等(以下、「被滅菌物」と云う)を滅菌処理している。この滅菌処理を行う滅菌手段としては、たとえば蒸気滅菌器が用いられている。この蒸気滅菌器は、前記被滅菌物を滅菌槽内に密閉収容し、この滅菌槽内へ蒸気を送り込むことによって滅菌処理するものである。
【0003】
この蒸気滅菌器の大型のものは、外部に設けられている蒸気ボイラ等から蒸気の供給をうけるが、比較的小型の前記蒸気滅菌器は、蒸気を発生させる蒸気発生手段を内蔵したり、あるいは近くに備えている。最近では、前記滅菌処理に際して、前記被滅菌物に直接触れる蒸気は、通常品質の蒸気ではなく、不純物の少ない蒸気,いわゆるクリーン蒸気が要求されるようになり、このクリーン蒸気を発生させるクリーン蒸気発生手段を設置する場合がある。
【0004】
このクリーン蒸気発生手段における原材料として給水されるのが純水であり、そのランニングコストが、たとえば軟水により生成される通常品質の蒸気を使用する場合より高い。一方、前記蒸気滅菌器は、滅菌処理に際して予熱用,保温用等の蒸気も必要であるが、前記クリーン蒸気発生手段のみしか設置されていない場合は、ランニングコストの高いクリーン蒸気を予熱用等に使用しなければならず、不経済である。また、前記のように、軟水を使用する蒸気発生手段を別個に設置することは、設置スペース等に関連する新たな問題が発生する。
【0005】
また、食品加工,調理等においても同様に、食材と直接接する蒸気は、クリーン蒸気が要求されるが、保温用等に用いる蒸気は、通常品質の蒸気を用いることが経済的である。このようなときも前記クリーン蒸気発生手段のみしか設置されていない場合は、ランニングコストの高いクリーン蒸気を保温用等に使用することは不経済である。
【0006】
一方、給液が、たとえばアルコール等の溶剤を含んでいる液であり、この液を蒸発させて反応釜へ導入するような場合においては、保温用等には別の蒸気発生手段を用意する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、異なる種類の蒸気の要求に際して経済的な蒸気を供給することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、異なる種類の給液からそれぞれの蒸気を発生させる蒸気発生手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、異なる種類の蒸気の要求があるとき、たとえば被滅菌物を滅菌する蒸気滅菌器,食品加工装置,調理器,反応釜等で使用する蒸気発生器において好適に実施することができる。この実施の形態では、前記蒸気滅菌器に適用する蒸気発生器を例として説明する。
【0010】
前記蒸気発生器は、たとえば純水を供給し、この純水を加熱して不純物の少ない蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させるクリーン蒸気発生手段と、たとえば軟水を供給し、この軟水を加熱して蒸気を発生させる通常蒸気発生手段とにより構成されている。すなわち、この蒸気発生器は、異なる種類の給液(すなわち、純水と軟水)からそれぞれの蒸気を発生させる蒸気発生手段を備えている。具体的に説明すると、前記給液が純水と軟水との異なる種類の給水であり、前記蒸気発生手段の少なくとも1つが不純物の少ないクリーン蒸気の発生手段である。ここにおいて、前記両蒸気発生手段の加熱源は、排ガス等が発生しない方式である電気ヒータを用いるのが好ましい。
【0011】
このような構成の前記蒸気発生器の作用について説明する。前記蒸気滅菌器の運転に際し、前記蒸気発生器は、まず前記通常蒸気発生手段により発生させた通常蒸気を前記蒸気滅菌器のジャケット部へ供給する。これにより、前記蒸気滅菌器の予熱,保温等をする。つぎに、前記クリーン蒸気発生手段により発生させたクリーン蒸気を前記蒸気滅菌器の滅菌槽内へ供給する。これにより、前記滅菌処理を行う。
【0012】
したがって、この蒸気発生器からクリーン蒸気と通常蒸気との両方を供給できるので、従来のように予熱用,保温用等にクリーン蒸気を使用することなく、予熱用等には、ランニングコストが安価な軟水により生成された通常蒸気を使用できるので経済的である。
【0013】
さらに、前記蒸気滅菌器の変形例として、殺菌ガス,たとえばホルマリン等の殺菌剤の蒸気による滅菌器において、この殺菌剤を蒸発させる蒸気発生手段と、保温用等に使用するための通常蒸気発生手段とを備えた構成の蒸気発生器とすることも好適である。
【0014】
また、前記食品加工装置,前記調理器等に適用する蒸気発生器においても同様に、食材と直接接する蒸気は、クリーン蒸気が要求されるが、保温用等に用いる蒸気は、前記のように、ランニングコストの安価な通常蒸気を使用することができるので、経済的である。
【0015】
一方、給液が、たとえばアルコール,石油系等の溶剤を含んでいる液であり、この液を蒸発させて反応釜へ導入するような場合について説明すると、この場合の蒸気発生器は、この溶剤を蒸発させる溶剤蒸気発生手段と、たとえば軟水を加熱して蒸気を発生させる通常蒸気発生手段とにより構成されている。そして、この溶剤の蒸気を前記反応釜内へ導入して目的の反応作業において使用し、前記反応釜の保温用等には、前記のように、ランニングコストの安価な通常蒸気を使用する。これにより、一台の蒸気発生器から異なる蒸気を発生させることができる。
【0016】
以上のように、この実施の形態によれば、異なる種類の蒸気の要求に際して経済的な蒸気を供給することができる。
【0017】
【実施例】
以下、この発明の具体的な実施例について、図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る蒸気発生器1を被滅菌物(図示省略)を滅菌処理する蒸気滅菌器2と組み合せた実施例の概略構成を示す説明図である。この実施例においては、前記蒸気発生器1は、前記蒸気滅菌器2へ2種類の蒸気を供給するよう構成されている。
【0018】
前記蒸気発生器1は、純水を加熱して不純物の少ない蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させるクリーン蒸気発生手段3と、軟水を加熱して蒸気を発生させる通常蒸気発生手段4と、運転を制御する制御器5とにより構成されている。
【0019】
前記クリーン蒸気発生手段3は、純水を貯留する第一缶体6と、純水を加熱する手段である第一ヒータ7と、純水を前記第一缶体6内へ供給する第一給水ポンプ8と、前記第一缶体6内の純水の水位を制御する第一水位制御手段(図示省略)と、前記第一缶体6内の圧力を検出する第一圧力センサ9とをそれぞれ備えている。前記第一缶体6の底部(符号省略)には、別に設置された純水装置(図示省略)と接続されている純水ライン10が設けられており、この純水ライン10には、前記第一給水ポンプ8が設けられている。前記第一缶体6の上方位置(符号省略)には、クリーン蒸気を取り出すクリーン蒸気ライン11が接続されている。前記第一ヒータ7,前記第一給水ポンプ8,前記第一水位制御手段および前記第一圧力センサ9は、前記制御器5と第一回線12,12,…を介して、それぞれ接続されている。
【0020】
前記通常蒸気発生手段4は、軟水を貯留する第二缶体13と、軟水を加熱する手段である第二ヒータ14と、前記第二缶体13内へ軟水を供給する第二給水ポンプ15と、前記第二缶体13内の軟水の水位を制御する第二水位制御手段(図示省略)と、前記第二缶体13内の圧力を検出する第二圧力センサ16とをそれぞれ備えている。前記第二缶体13の底部(符号省略)には、別に設置された軟水装置(図示省略)と接続されている軟水ライン17が設けられており、この軟水ライン17には、前記第二給水ポンプ15が設けられている。前記第二缶体13の上方位置(符号省略)には、通常蒸気を取り出す通常蒸気ライン18が接続されている。前記第二ヒータ14,前記第二給水ポンプ15,前記第二水位制御手段および前記第二圧力センサ16は、前記制御器5と第二回線19,19,…を介して、それぞれ接続されている。
【0021】
そして、前記両蒸気発生手段3,4は、併設されるように設けられており、前記制御器5は、前記両蒸気発生手段3,4をそれぞれ運転制御するように構成されている。さらに、前記蒸気発生器1は、前記蒸気滅菌器2の滅菌処理に連動して運転制御されるように構成されており、この連動する運転制御は、前記制御器5と、前記蒸気滅菌器2の後述するコントロール部22とを後述する第四回線32を介して接続することにより実現される。
【0022】
前記蒸気滅菌器2は、前記被滅菌物を収納する滅菌槽20と、この滅菌槽20を密閉する扉(図示省略)と、この滅菌槽20を周囲から加温するジャケット部21と、この蒸気滅菌器2の滅菌処理を制御するとともに、前記蒸気発生器1と相互に信号を授受するコントロール部22とをそれぞれ備えている。
【0023】
前記滅菌槽20は、前記クリーン蒸気ライン11と接続されており、このクリーン蒸気ライン11には、前記滅菌槽20内へのクリーン蒸気の供給を制御する第一電磁弁23が設けられている。前記滅菌槽20の底部(符号省略)には、ドレンを排出する第一排出ライン24が接続されており、この第一排出ライン24には、第一スチームトラップ25が設けられている。さらに、前記滅菌槽20の上方位置(符号省略)には、この滅菌槽20内の圧力を検出する第三圧力センサ26が設けられている。
【0024】
前記ジャケット部21は、このジャケット部21内に導入した通常蒸気の保有する熱量により、前記滅菌槽20を周囲から加温して前記滅菌槽20内の予熱と保温を行うように構成されている。前記ジャケット部21は、前記通常蒸気ライン18と接続されており、この通常蒸気ライン18には、前記ジャケット部21内への通常蒸気の供給を制御する第二電磁弁27が設けられている。前記ジャケット部21の底部(符号省略)には、ドレンを排出する第二排出ライン28が接続されており、この第二排出ライン28には、第二スチームトラップ29が設けられている。さらに、前記ジャケット部21の上方位置(符号省略)には、このジャケット部21内の圧力を検出する第四圧力センサ30が設けられている。
【0025】
前記コントロール部22は、前記第一電磁弁23,前記第二電磁弁27,前記第三圧力センサ26および前記第四圧力センサ30と第三回線31,31,…を介して、それぞれ接続されている。さらに、前記のとおり、前記コントロール部22は、前記蒸気発生器1と前記蒸気滅菌器2の連動する運転制御を実現するために、前記制御器5と第四回線32を介して接続されている。
【0026】
つぎに、このような構成の前記蒸気発生器1の作用を説明する。前記蒸気滅菌器2の滅菌処理に際し、前記制御器5は、まず前記第一給水ポンプ8を作動させ、前記第一缶体6内へ純水を前記第一水位制御手段(図示省略)により所定水位まで貯留する。そして、前記制御器5は、前記第一ヒータ7を作動させて純水を加熱し、クリーン蒸気を発生させる。ここにおいて、前記制御器5は、前記第一圧力センサ9の出力信号に基づいて、前記第一ヒータ7の作動を制御することにより、前記第一缶体6内に発生させるクリーン蒸気の圧力制御を行う。そして、前記蒸気滅菌器2へクリーン蒸気を供給する準備を完了する。
【0027】
そして、前記通常蒸気発生手段4も同様に運転を開始し、軟水を加熱して通常蒸気を発生させる。前記制御器5は、まず前記第二給水ポンプ15を作動させ、前記第二缶体13内へ軟水を前記第二水位制御手段(図示省略)により所定水位まで貯留する。そして、前記制御器5は、前記第二ヒータ14を作動させて軟水を加熱し、通常蒸気を発生させる。ここにおいて、前記制御器5は、前記第二圧力センサ16の出力信号に基づいて、前記第二ヒータ14の作動を制御することにより、前記第二缶体13内に発生させる通常蒸気の圧力制御を行う。そして、前記通常蒸気発生手段4により発生させた通常蒸気を前記ジャケット部21へ供給する準備を完了する。
【0028】
つぎに、前記被滅菌物を前記滅菌槽20内へ収納し、前記扉(図示省略)を閉じる。ここにおいて、前記コントロール部22は、予め設定されたプログラムにしたがい、前記蒸気滅菌器2の滅菌処理を制御する。そして、前記コントロール部22は、前記制御器5と相互に信号を授受し、通常蒸気の供給準備が完了したことを確認,すなわち前記第二圧力センサ16が所定圧力を出力していることを確認すれば、通常蒸気を前記ジャケット部21内へ前記通常蒸気ライン18,前記第二電磁弁27を介して供給し、前記滅菌槽20を周囲から加熱して前記滅菌槽20内の予熱を行う。
【0029】
つぎに、前記コントロール部22は、前記制御器5と相互に信号を授受し、クリーン蒸気の供給準備が完了したことを確認,すなわち前記第一圧力センサ9が所定圧力を出力していることを確認すれば、クリーン蒸気を前記滅菌槽20内へ前記クリーン蒸気ライン11,前記第一電磁弁23を介して供給し、前記滅菌処理を行う。このとき、前記ジャケット部21には通常蒸気を必要に応じて供給し、前記滅菌槽20を周囲から加熱し保温する。
【0030】
ここにおいて、前記蒸気滅菌器2への両蒸気の供給の制御は、前記第三圧力センサ26,前記第四圧力センサ30の出力信号に基づいて、前記両電磁弁23,27の開閉をそれぞれ行うことにより制御する。これにより、前記滅菌槽20内と、前記ジャケット部21内のそれぞれの圧力値は、所定の圧力値を維持するように制御される。
【0031】
したがって、この蒸気発生器1からクリーン蒸気と通常蒸気との両方の蒸気を供給できるので、従来のように予熱用,保温用等にクリーン蒸気を使用することなく、予熱用,保温用等には、ランニングコストの安価な通常蒸気を使用できるので経済的である。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、異なる種類の蒸気の要求に際して経済的な蒸気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明に係る蒸気発生器を蒸気滅菌器と組み合せた実施例の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
3 クリーン蒸気発生手段(蒸気発生手段)
4 通常蒸気発生手段(蒸気発生手段)

Claims (1)

  1. 異なる種類の給液からそれぞれの蒸気を発生させる蒸気発生手段3,4を備えたことを特徴とする蒸気発生器。
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