JP2004008417A - 滅菌器 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明が解決しようとする課題は、滅菌処理に用いる熱エネルギーの有効利用を図ることである。
【解決手段】一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段4を備えた滅菌器1において、前記一次蒸気のドレンを滅菌槽2の加温手段3へ導入する導入手段5を備えたことを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段4を備えた滅菌器1において、前記一次蒸気のドレンを滅菌槽2の加温手段3へ導入する導入手段5を備えたことを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段を備え、二次蒸気により被滅菌物を滅菌する滅菌器に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、医療用器具等の被滅菌物の滅菌処理において、滅菌器が使用される。この滅菌器による滅菌処理は、その内缶,いわゆる滅菌槽内へ前記被滅菌物を収納し、この被滅菌物へ蒸気を直接接触させることにより行われる。この滅菌処理に際し、前記滅菌槽を外側から加温する加温手段,すなわち予熱したり保温する外缶,いわゆるジャケット部やジャケットパイプを備えた形式の滅菌器がある。
【0003】
そして、最近では、前記滅菌槽内へ供給される蒸気の品質管理が重要になっており、一次蒸気で純水を加熱し、蒸発させた二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を前記滅菌槽内へ導入することにより滅菌処理を行うクリーン蒸気の発生手段を備えた滅菌器がある。
【0004】
このような滅菌器においては、一次蒸気は、前記加温手段と前記クリーン蒸気発生手段の両方へそれぞれの配管から導入されている。このとき、純水を一次蒸気で加熱した後に発生する蒸気のドレンは、そのまま捨てられており、熱経済的に問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、滅菌処理に用いる熱エネルギーの有効利用を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段を備えた滅菌器において、前記一次蒸気のドレンを滅菌槽の加温手段へ導入する導入手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記加温手段内の圧力値に応じて前記ドレンの導入を制御する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記制御手段が閉じているとき、前記ドレンを排出する排出手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、蒸気を用いる滅菌器において、好適に実施することができる。この形態の滅菌器は、滅菌処理において使用するクリーン蒸気の発生手段を備えた構成としている。
【0010】
前記滅菌器は、被滅菌物を収納する滅菌槽と、この滅菌槽を外側から加熱する加温手段と、供給される一次蒸気で二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させる蒸気発生手段と、前記蒸気発生手段のドレンを前記加温手段へ導入するドレン導入手段と、前記加温手段内の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力信号に基づいて、前記ドレン導入手段を制御する制御手段と、前記ドレンを排出する排出手段と、前記滅菌器を制御する制御器とにより構成されている。
【0011】
前記滅菌槽は、前記蒸気発生手段とクリーン蒸気ラインで接続されている。このクリーン蒸気ラインには、クリーン蒸気の供給制御手段,たとえば蒸気バルブが設けられている。そして、前記滅菌槽の周囲には、前記加温手段,いわゆるジャケット部が設けられている。
【0012】
前記ジャケット部の上部には、前記圧力センサが設けられており、さらに前記ジャケット部には、前記蒸気発生手段のドレンを前記ジャケット部へ導入するドレン導入ラインが接続されている。ここにおいて、前記ジャケット部は、前記滅菌槽を取り囲む,いわゆる外缶形式あるいはジャケットパイプで取り巻く形式等がある。
【0013】
前記蒸気発生手段は、たとえば純水製造装置から供給される純水を貯留する貯水部と、この貯水部内へ配置され、一次蒸気の供給手段と接続されている熱交換器とにより構成されている。前記貯水部の上部は、気水部が形成されるようになっており、この気水部と前記クリーン蒸気ラインとが連通するように接続されている。前記熱交換器の上方部は、前記一次蒸気の供給手段と接続されており、また前記熱交換器の下方部は、前記ドレン導入ラインと接続されている。さらに、前記ドレン導入ラインには、前記排出手段が接続されている。これにより、前記蒸気発生手段は、前記一次蒸気の供給手段から一次蒸気の供給を受け、前記熱交換器で純水を加熱し、クリーン蒸気を発生するように構成されている。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器内に生成される。
【0014】
前記制御器は、前記圧力センサ,前記ドレン導入手段および前記蒸気バルブとそれぞれ回線を介して接続されており、前記滅菌器の運転を制御するとともに、前記ドレン導入手段および前記蒸気バルブの作動を制御するように構成されている。
【0015】
このような構成の前記滅菌器の作用について説明する。まず、前記滅菌器の運転開始に際して、前記一次蒸気の供給手段と前記純水製造装置をあらかじめ作動させておき、一次蒸気と純水の供給がそれぞれできる状態にしておく。つぎに、前記貯水部へ所定水位となるまで純水を貯留する。そして、一次蒸気を前記熱交換器へ供給し、クリーン蒸気を発生させる。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器内に生成される。このドレンは、高温高圧であるので、多くの熱エネルギーを保有している。
【0016】
そして、このような運転準備が整うと、前記滅菌槽の中へ前記被滅菌物を収納し、前記扉を閉じて前記滅菌槽を密閉する。つぎに、前記滅菌槽の予熱工程を行う。この予熱工程は、前記圧力センサの検出圧力値が所定圧力となるまで、前記ドレン導入手段から前記ドレンを前記ジャケット部へ導入する。そして、所定圧力値を維持するように、前記ドレンの導入量を制御する。ここにおいて、前記ジャケット部内において、このジャケット部内の前記所定圧力が前記ドレンの圧力より低圧となるように設定してあるので、前記ドレンは再蒸発し、低圧蒸気と低圧ドレンとの混在状態となって前記ジャケット部内に充満する。これにより、前記ドレンの保有する熱エネルギーを利用して前記滅菌槽内を予熱する。
【0017】
つぎに、前記予熱工程が完了すると、前記滅菌槽内へ前記クリーン蒸気ラインを介してクリーン蒸気を供給し、前記被滅菌物の滅菌処理工程を行う。そして、前記滅菌処理工程が終了すると、前記被滅菌物を前記滅菌槽から取り出す。
【0018】
前記予熱工程および前記滅菌処理工程において、前記ジャケット部へ前記ドレンを導入する必要がないときは、前記排出手段からドレンを排出し、前記ジャケット部へは前記ドレンを導入しない。
【0019】
以上のように、この実施の形態によれば、一次蒸気のドレンの熱回収をすることにより、滅菌処理に用いる熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施例を適用するのに好適な滅菌器の概略的な説明図である。
【0021】
まず、この実施例の滅菌器1の構成について説明する。この滅菌器1は、被滅菌物(図示省略)を収納する滅菌槽2と、前記滅菌槽2を密閉する扉(図示省略)と、この滅菌槽2を外側から加熱する加温手段であるジャケット部3と、供給される一次蒸気で二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させる蒸気発生手段4と、前記蒸気発生手段4のドレンを前記ジャケット部3へ導入するドレン導入手段5と、前記ジャケット部3内の圧力を検出する圧力センサ6と、前記ドレンを排出する排出手段7と、前記滅菌器1を制御する制御器8とにより構成されている。
【0022】
前記滅菌槽2は、前記蒸気発生手段4とクリーン蒸気ライン9で接続されている。このクリーン蒸気ライン9には、クリーン蒸気の供給制御手段である蒸気バルブ10が設けられている。前記滅菌槽2の底部には、第一スチームトラップ11を備えた第一排水ライン12が接続されている。そして、前記滅菌槽2の周囲には、この滅菌槽2の外側全体を取り囲むように構成した前記ジャケット部3が設けられている。
【0023】
前記ジャケット部3の上部には、前記圧力センサ6が設けられており、前記ジャケット部3の底部には、第二スチームトラップ13を備えた第二排水ライン14が接続されている。さらに、前記ジャケット部3の側面には、前記ドレン導入手段5が接続されている。このドレン導入手段5は、前記ドレンの導入を制御する制御手段であるドレンバルブ15を備えたドレン導入ライン16により構成されている。
【0024】
前記蒸気発生手段4は、いわゆるリボイラであり、たとえば純水製造装置(図示省略)から純水ライン17を介して供給される純水を貯留する貯水部18と、この貯水部18内へ配置される熱交換器19とを備えている。この熱交換器19の上方部は、一次蒸気の供給手段(図示省略)と一次蒸気供給ライン20で接続されている。前記蒸気発生手段4内において、前記貯水部18の上部は、この貯水部18内の水位を制御することにより気水部21が形成され、この気水部21と前記クリーン蒸気ライン9とが連通するように接続されている。
【0025】
前記熱交換器19の下方部は、前記ドレン導入ライン16と接続されている。そして、前記ドレン導入ライン16は、前記熱交換器19と前記ドレンバルブ15との間で分岐しており、この分岐点22には、前記排出手段7が接続されている。前記排出手段7は、第三スチームトラップ23を備えたドレン排出ライン24により構成されている。そして、前記各スチームトラップ11,13,23の下流側は合流され、排水管25とそれぞれ接続されている。これにより、前記蒸気発生手段4は、前記一次蒸気の供給手段から一次蒸気の供給を受け、クリーン蒸気を発生するように構成されている。このとき、一次蒸気は、前記熱交換器19を介して純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器19内に生成される。
【0026】
前記制御器8は、前記圧力センサ6,前記ドレンバルブ15および前記蒸気バルブ10とそれぞれ回線26,26,26を介して接続されている。前記制御器8は、前記滅菌器1の運転を制御するとともに、前記ドレンバルブ15および前記蒸気バルブ10の作動を制御するように構成されている。
【0027】
ここにおいて、前記第三スチームトラップ23は、前記ドレンを排出するためにスチームトラップが好適であるが、実施に応じて、適宜な排出弁(図示省略)やオリフィス(図示省略)とすることも好適である。また、前記第三スチームトラップ23の代わりに前記ドレンバルブ15が閉じたときに開く電動弁(図示省略)とすることも好適である。
【0028】
さらに、前記第三スチームトラップ23の上流側に前記ドレンを一次的に蓄える,たとえばタンク(図示省略)を設けることも、実施に応じ、好適である。
【0029】
このような構成の前記滅菌器1の作用について説明する。まず、前記滅菌器1の運転開始に際して、一次蒸気の供給手段(図示省略)と前記純水製造装置(図示省略)をあらかじめ作動させておく。つぎに、前記純水ライン17から前記貯水部18内が所定水位となるまで純水を貯留する。そして、一次蒸気を前記一次蒸気供給ライン20から前記熱交換器19へ供給し、純水を加熱して前記気水部21内にクリーン蒸気を発生させる。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器19内に生成される。このドレンは、高温高圧であるので、多くの熱エネルギーを保有している。
【0030】
そして、このような運転準備が整うと、前記滅菌槽2の中へ前記被滅菌物を収納し、前記扉を閉じて前記滅菌槽2を密閉する。つぎに、前記滅菌槽2の予熱工程を行う。
【0031】
この予熱工程は、前記圧力センサ6により検出される前記ジャケット部3内の検出圧力値が所定圧力となるまで、前記ドレン導入手段5から前記熱交換器19内にある前記ドレンあるいは前記ドレンと蒸気の混合状態のものを前記ジャケット部3内へ導入する。導入される前記ドレンは高圧であるので、前記ジャケット部3内においては、再蒸発して前記ジャケット部3内に充満され、前記滅菌槽2を周囲から満遍なく加温する。そして、前記ジャケット部3内の所定圧力値を維持するように、前記ドレンの導入量を前記ドレンバルブ15により制御する。これにより、前記滅菌槽2を予熱する。
【0032】
つぎに、前記滅菌槽2の予熱が完了すると、前記蒸気バルブ10を開いて、前記滅菌槽2内へクリーン蒸気を供給して滅菌処理工程を行う。そして、前記滅菌処理工程が終了すると、前記被滅菌物を前記滅菌槽2から取り出す。
【0033】
前記予熱工程および前記滅菌処理工程において、前記ジャケット部3へ前記ドレンを導入する必要がないとき,すなわち前記ドレンバルブ15が閉じているときは、前記排出手段7から,すなわち前記第三スチームトラップ23を介して前記排水管25からドレンを排出し、前記ジャケット部3へは前記ドレンを導入しない。
【0034】
以上のように、この実施例によれば、一次蒸気のドレンの熱エネルギーを予熱工程において利用することができ、一次蒸気のドレンの熱エネルギーを回収することができる。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、滅菌処理に用いる蒸気の有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用するのに好適な滅菌器の概略的な説明図である。
【符号の説明】
1 滅菌器
2 滅菌槽
3 ジャケット部(加温手段)
4 蒸気発生手段
5 ドレン導入手段(導入手段)
7 排出手段
15 ドレンバルブ(制御手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段を備え、二次蒸気により被滅菌物を滅菌する滅菌器に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、医療用器具等の被滅菌物の滅菌処理において、滅菌器が使用される。この滅菌器による滅菌処理は、その内缶,いわゆる滅菌槽内へ前記被滅菌物を収納し、この被滅菌物へ蒸気を直接接触させることにより行われる。この滅菌処理に際し、前記滅菌槽を外側から加温する加温手段,すなわち予熱したり保温する外缶,いわゆるジャケット部やジャケットパイプを備えた形式の滅菌器がある。
【0003】
そして、最近では、前記滅菌槽内へ供給される蒸気の品質管理が重要になっており、一次蒸気で純水を加熱し、蒸発させた二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を前記滅菌槽内へ導入することにより滅菌処理を行うクリーン蒸気の発生手段を備えた滅菌器がある。
【0004】
このような滅菌器においては、一次蒸気は、前記加温手段と前記クリーン蒸気発生手段の両方へそれぞれの配管から導入されている。このとき、純水を一次蒸気で加熱した後に発生する蒸気のドレンは、そのまま捨てられており、熱経済的に問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、滅菌処理に用いる熱エネルギーの有効利用を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段を備えた滅菌器において、前記一次蒸気のドレンを滅菌槽の加温手段へ導入する導入手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記加温手段内の圧力値に応じて前記ドレンの導入を制御する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記制御手段が閉じているとき、前記ドレンを排出する排出手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、蒸気を用いる滅菌器において、好適に実施することができる。この形態の滅菌器は、滅菌処理において使用するクリーン蒸気の発生手段を備えた構成としている。
【0010】
前記滅菌器は、被滅菌物を収納する滅菌槽と、この滅菌槽を外側から加熱する加温手段と、供給される一次蒸気で二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させる蒸気発生手段と、前記蒸気発生手段のドレンを前記加温手段へ導入するドレン導入手段と、前記加温手段内の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力信号に基づいて、前記ドレン導入手段を制御する制御手段と、前記ドレンを排出する排出手段と、前記滅菌器を制御する制御器とにより構成されている。
【0011】
前記滅菌槽は、前記蒸気発生手段とクリーン蒸気ラインで接続されている。このクリーン蒸気ラインには、クリーン蒸気の供給制御手段,たとえば蒸気バルブが設けられている。そして、前記滅菌槽の周囲には、前記加温手段,いわゆるジャケット部が設けられている。
【0012】
前記ジャケット部の上部には、前記圧力センサが設けられており、さらに前記ジャケット部には、前記蒸気発生手段のドレンを前記ジャケット部へ導入するドレン導入ラインが接続されている。ここにおいて、前記ジャケット部は、前記滅菌槽を取り囲む,いわゆる外缶形式あるいはジャケットパイプで取り巻く形式等がある。
【0013】
前記蒸気発生手段は、たとえば純水製造装置から供給される純水を貯留する貯水部と、この貯水部内へ配置され、一次蒸気の供給手段と接続されている熱交換器とにより構成されている。前記貯水部の上部は、気水部が形成されるようになっており、この気水部と前記クリーン蒸気ラインとが連通するように接続されている。前記熱交換器の上方部は、前記一次蒸気の供給手段と接続されており、また前記熱交換器の下方部は、前記ドレン導入ラインと接続されている。さらに、前記ドレン導入ラインには、前記排出手段が接続されている。これにより、前記蒸気発生手段は、前記一次蒸気の供給手段から一次蒸気の供給を受け、前記熱交換器で純水を加熱し、クリーン蒸気を発生するように構成されている。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器内に生成される。
【0014】
前記制御器は、前記圧力センサ,前記ドレン導入手段および前記蒸気バルブとそれぞれ回線を介して接続されており、前記滅菌器の運転を制御するとともに、前記ドレン導入手段および前記蒸気バルブの作動を制御するように構成されている。
【0015】
このような構成の前記滅菌器の作用について説明する。まず、前記滅菌器の運転開始に際して、前記一次蒸気の供給手段と前記純水製造装置をあらかじめ作動させておき、一次蒸気と純水の供給がそれぞれできる状態にしておく。つぎに、前記貯水部へ所定水位となるまで純水を貯留する。そして、一次蒸気を前記熱交換器へ供給し、クリーン蒸気を発生させる。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器内に生成される。このドレンは、高温高圧であるので、多くの熱エネルギーを保有している。
【0016】
そして、このような運転準備が整うと、前記滅菌槽の中へ前記被滅菌物を収納し、前記扉を閉じて前記滅菌槽を密閉する。つぎに、前記滅菌槽の予熱工程を行う。この予熱工程は、前記圧力センサの検出圧力値が所定圧力となるまで、前記ドレン導入手段から前記ドレンを前記ジャケット部へ導入する。そして、所定圧力値を維持するように、前記ドレンの導入量を制御する。ここにおいて、前記ジャケット部内において、このジャケット部内の前記所定圧力が前記ドレンの圧力より低圧となるように設定してあるので、前記ドレンは再蒸発し、低圧蒸気と低圧ドレンとの混在状態となって前記ジャケット部内に充満する。これにより、前記ドレンの保有する熱エネルギーを利用して前記滅菌槽内を予熱する。
【0017】
つぎに、前記予熱工程が完了すると、前記滅菌槽内へ前記クリーン蒸気ラインを介してクリーン蒸気を供給し、前記被滅菌物の滅菌処理工程を行う。そして、前記滅菌処理工程が終了すると、前記被滅菌物を前記滅菌槽から取り出す。
【0018】
前記予熱工程および前記滅菌処理工程において、前記ジャケット部へ前記ドレンを導入する必要がないときは、前記排出手段からドレンを排出し、前記ジャケット部へは前記ドレンを導入しない。
【0019】
以上のように、この実施の形態によれば、一次蒸気のドレンの熱回収をすることにより、滅菌処理に用いる熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
【0020】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施例を適用するのに好適な滅菌器の概略的な説明図である。
【0021】
まず、この実施例の滅菌器1の構成について説明する。この滅菌器1は、被滅菌物(図示省略)を収納する滅菌槽2と、前記滅菌槽2を密閉する扉(図示省略)と、この滅菌槽2を外側から加熱する加温手段であるジャケット部3と、供給される一次蒸気で二次蒸気,いわゆるクリーン蒸気を発生させる蒸気発生手段4と、前記蒸気発生手段4のドレンを前記ジャケット部3へ導入するドレン導入手段5と、前記ジャケット部3内の圧力を検出する圧力センサ6と、前記ドレンを排出する排出手段7と、前記滅菌器1を制御する制御器8とにより構成されている。
【0022】
前記滅菌槽2は、前記蒸気発生手段4とクリーン蒸気ライン9で接続されている。このクリーン蒸気ライン9には、クリーン蒸気の供給制御手段である蒸気バルブ10が設けられている。前記滅菌槽2の底部には、第一スチームトラップ11を備えた第一排水ライン12が接続されている。そして、前記滅菌槽2の周囲には、この滅菌槽2の外側全体を取り囲むように構成した前記ジャケット部3が設けられている。
【0023】
前記ジャケット部3の上部には、前記圧力センサ6が設けられており、前記ジャケット部3の底部には、第二スチームトラップ13を備えた第二排水ライン14が接続されている。さらに、前記ジャケット部3の側面には、前記ドレン導入手段5が接続されている。このドレン導入手段5は、前記ドレンの導入を制御する制御手段であるドレンバルブ15を備えたドレン導入ライン16により構成されている。
【0024】
前記蒸気発生手段4は、いわゆるリボイラであり、たとえば純水製造装置(図示省略)から純水ライン17を介して供給される純水を貯留する貯水部18と、この貯水部18内へ配置される熱交換器19とを備えている。この熱交換器19の上方部は、一次蒸気の供給手段(図示省略)と一次蒸気供給ライン20で接続されている。前記蒸気発生手段4内において、前記貯水部18の上部は、この貯水部18内の水位を制御することにより気水部21が形成され、この気水部21と前記クリーン蒸気ライン9とが連通するように接続されている。
【0025】
前記熱交換器19の下方部は、前記ドレン導入ライン16と接続されている。そして、前記ドレン導入ライン16は、前記熱交換器19と前記ドレンバルブ15との間で分岐しており、この分岐点22には、前記排出手段7が接続されている。前記排出手段7は、第三スチームトラップ23を備えたドレン排出ライン24により構成されている。そして、前記各スチームトラップ11,13,23の下流側は合流され、排水管25とそれぞれ接続されている。これにより、前記蒸気発生手段4は、前記一次蒸気の供給手段から一次蒸気の供給を受け、クリーン蒸気を発生するように構成されている。このとき、一次蒸気は、前記熱交換器19を介して純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器19内に生成される。
【0026】
前記制御器8は、前記圧力センサ6,前記ドレンバルブ15および前記蒸気バルブ10とそれぞれ回線26,26,26を介して接続されている。前記制御器8は、前記滅菌器1の運転を制御するとともに、前記ドレンバルブ15および前記蒸気バルブ10の作動を制御するように構成されている。
【0027】
ここにおいて、前記第三スチームトラップ23は、前記ドレンを排出するためにスチームトラップが好適であるが、実施に応じて、適宜な排出弁(図示省略)やオリフィス(図示省略)とすることも好適である。また、前記第三スチームトラップ23の代わりに前記ドレンバルブ15が閉じたときに開く電動弁(図示省略)とすることも好適である。
【0028】
さらに、前記第三スチームトラップ23の上流側に前記ドレンを一次的に蓄える,たとえばタンク(図示省略)を設けることも、実施に応じ、好適である。
【0029】
このような構成の前記滅菌器1の作用について説明する。まず、前記滅菌器1の運転開始に際して、一次蒸気の供給手段(図示省略)と前記純水製造装置(図示省略)をあらかじめ作動させておく。つぎに、前記純水ライン17から前記貯水部18内が所定水位となるまで純水を貯留する。そして、一次蒸気を前記一次蒸気供給ライン20から前記熱交換器19へ供給し、純水を加熱して前記気水部21内にクリーン蒸気を発生させる。このとき、一次蒸気は純水と熱交換されて凝縮し、その凝縮水,すなわちドレンが前記熱交換器19内に生成される。このドレンは、高温高圧であるので、多くの熱エネルギーを保有している。
【0030】
そして、このような運転準備が整うと、前記滅菌槽2の中へ前記被滅菌物を収納し、前記扉を閉じて前記滅菌槽2を密閉する。つぎに、前記滅菌槽2の予熱工程を行う。
【0031】
この予熱工程は、前記圧力センサ6により検出される前記ジャケット部3内の検出圧力値が所定圧力となるまで、前記ドレン導入手段5から前記熱交換器19内にある前記ドレンあるいは前記ドレンと蒸気の混合状態のものを前記ジャケット部3内へ導入する。導入される前記ドレンは高圧であるので、前記ジャケット部3内においては、再蒸発して前記ジャケット部3内に充満され、前記滅菌槽2を周囲から満遍なく加温する。そして、前記ジャケット部3内の所定圧力値を維持するように、前記ドレンの導入量を前記ドレンバルブ15により制御する。これにより、前記滅菌槽2を予熱する。
【0032】
つぎに、前記滅菌槽2の予熱が完了すると、前記蒸気バルブ10を開いて、前記滅菌槽2内へクリーン蒸気を供給して滅菌処理工程を行う。そして、前記滅菌処理工程が終了すると、前記被滅菌物を前記滅菌槽2から取り出す。
【0033】
前記予熱工程および前記滅菌処理工程において、前記ジャケット部3へ前記ドレンを導入する必要がないとき,すなわち前記ドレンバルブ15が閉じているときは、前記排出手段7から,すなわち前記第三スチームトラップ23を介して前記排水管25からドレンを排出し、前記ジャケット部3へは前記ドレンを導入しない。
【0034】
以上のように、この実施例によれば、一次蒸気のドレンの熱エネルギーを予熱工程において利用することができ、一次蒸気のドレンの熱エネルギーを回収することができる。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、滅菌処理に用いる蒸気の有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用するのに好適な滅菌器の概略的な説明図である。
【符号の説明】
1 滅菌器
2 滅菌槽
3 ジャケット部(加温手段)
4 蒸気発生手段
5 ドレン導入手段(導入手段)
7 排出手段
15 ドレンバルブ(制御手段)
Claims (3)
- 一次蒸気で二次蒸気を発生させる蒸気発生手段4を備えた滅菌器1において、前記一次蒸気のドレンを滅菌槽2の加温手段3へ導入する導入手段5を備えたことを特徴とする滅菌器。
- 前記加温手段3内の圧力値に応じて前記ドレンの導入を制御する制御手段15を備えたことを特徴とする請求項1に記載の滅菌器。
- 前記制御手段15が閉じているとき、前記ドレンを排出する排出手段7を備えたことを特徴とする請求項2に記載の滅菌器。
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- 2002-06-06 JP JP2002165086A patent/JP2004008417A/ja active Pending
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WO2007058256A1 (ja) * | 2005-11-17 | 2007-05-24 | Masaaki Hanamura | 蒸気熱交換器 |
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