JP2004016066A - 植栽用土の製造方法 - Google Patents

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Shinpei Suematsu
末松 伸平
Akira Umeda
梅田 彰
Kengo Yamamoto
山本 健吾
Tomotaka Yanagida
柳田 友隆
Isao Higa
比嘉 勇雄
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RINKAI CONSTRUCTION CO Ltd
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RINKAI CONSTRUCTION CO Ltd
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Createrra Inc
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Abstract

【課題】種々の土壌中に含まれ植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分、及び硫化物を強制的処理により短期間に除去し、植栽用土として最適なる土に変性させて、土壌の更なる有効活用を図ることが可能な植栽用土の製造方法を提供する。
【解決手段】ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、化学処理された調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業土木分野において、ナトリウム質土及び/又は硫化物含有土を含む土壌(状態として、泥水状、半固体状、固体状がある)から植栽用土を製造する方法に関し、特に港湾、湖沼、河川、池、掘割等の浚渫工事で発生する浚渫泥から植栽用土を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
港湾、湖沼、河川、池、堀割等においては、時間の経過と共に堆積する土、砂、ゴミ、ヘドロ等を浚渫することで、水深の確保、悪臭の発生防止、水棲生物の保護を図っている。この浚渫工事から発生する浚渫底泥は、含水率が高い液体又は半固体状態であり、浚渫泥とも呼称されている。これらの浚渫泥の有効活用、すなわち、土建分野等への用材化や土壌への転用化を図る方法が、例えば、特開平8−257317号公報に開示されている。この公報に記載の発明は、浚渫泥を夾雑物、石塊、砂分、細粒土に分離することにより、各粒度毎に土建分野等への用材化を図り、また、浚渫泥の機械脱水により得られる脱水ケーキを必要に応じて解砕して細粒化し、土と同様に扱える性状に変化させて、土壌への転用化を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−257317号公報に開示されている脱水ケーキを必要に応じて解砕して細粒化し、土と同様に扱える性状に変化させるだけでは、次に示す問題が解決されていない。例えば、港湾からの浚渫泥中においては、植物の生育を阻害するナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分や硫化物が含有されている。また、河川、湖沼又は池等から発生する浚渫泥においては、植物の生育を阻害する硫化物が含有されている。従って、植物の生育を阻害するこれらの成分を含有する浚渫泥は、需要が多いにも係わらず植栽用土には適用できず、土建分野等に用途が限定されてしまっている。また、塩素イオン等の塩分除去法は雨水を利用したものであり、短期間で処理ができないのが現状となっている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、種々の土壌中に含まれ植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分、及び硫化物を強制的処理により短期間に除去し、植栽用土として最適なる土に変性させて、土壌の更なる有効活用を図ることが可能な植栽用土の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る植栽用土の製造方法は、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、前記第2工程で生成された前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、前記第4工程で生成された前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有する。
【0005】
第1工程で、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より、植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去する。植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオン等からなる塩分の中で、ナトリウム塩は粘土成分に吸着している非水溶性の交換性ナトリウムと、水溶性ナトリウムに分けられ、植物の生育に阻害を及ぼす硫化物も、酸化され易い硫化物と酸化されにくい硫化物が存在する。このため、第2工程で、細粒土に水を入れて希釈して調泥することにより水溶性ナトリウム、塩素イオン、及び硫酸イオンを水に溶かし、機械脱水して主に細粒土から構成される第1の脱水ケーキと濾過水に分離することで、細粒土から水溶性ナトリウム、塩素イオン、及び硫酸イオンを除去することができる。なお、この段階で、硫化物を酸化させるために曝気処理を行なうこともできる。第3工程で、第1の脱水ケーキに対して化学処理を行なって粘土成分に吸着している交換性ナトリウムと、硫化物の中で主に酸化され易い硫化物をいずれも水溶性ナトリウムと硫酸イオンに変換させ、水で希釈して調泥物とすることにより、水に溶解させる。第4工程で、この調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキと、濾過水に分離することで、細粒土から、水溶性化された交換性ナトリウム及び硫化物を除去することができる。次いで、第5工程で第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕することにより、植栽用土として最適な粒度を有する土壌とすることができる。
【0006】
前記目的に沿う第2の発明に係る植栽用土の製造方法は、ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、前記第2工程で生成された前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、前記第4工程で造られた前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有する。
【0007】
ナトリウム質土を含む土壌から植栽用土を製造する場合は、第1工程で植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去し、第2〜第4工程で植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンを除去して、第5工程で植栽用土として最適な粒度を有するように細粒化する。
ここで、ナトリウム塩や塩素イオンの除去は、細粒土に水を入れて調泥し、機械脱水して主に細粒土から構成される第1の脱水ケーキと濾過水に分離することで、濾過水中に水溶性ナトリウムと塩素イオンを移動させて細粒土から水溶性ナトリウムと塩素イオンを除去する第2工程と、第1の脱水ケーキに対して化学処理を行なって粘土成分に吸着している交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換させ、水を加えて溶解させる第3工程と、機械脱水して第2の脱水ケーキと濾過水に分離することで、濾過水中に水溶性ナトリウムを移動させて細粒土から水溶性ナトリウムを除去する第4工程により行なう。
【0008】
前記目的に沿う第3の発明に係る植栽用土の製造方法は、硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、前記第2工程で生成した前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、前記第4工程で生成された前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有する。
【0009】
硫化物含有土を含む土壌から植栽用土を製造する場合は、第1工程で植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去し、第2〜第4工程で植物の生育に阻害を及ぼす硫化物を除去して、第5工程で植栽用土として最適な粒度を有するように細粒化する。ここで、硫酸イオンの除去は、細粒土に水を入れて調泥し、機械脱水して主に細粒土から構成される第1の脱水ケーキと濾過水に分離することで、濾過水中に硫酸イオンを移動させて細粒土から除去する第2工程と、第1の脱水ケーキに対して化学処理を行なって硫化物を硫酸イオンに変換させ、水を加えて溶解させる第3工程と、機械脱水して第2の脱水ケーキと濾過水に分離することで、濾過水中に硫酸イオンを移動させて細粒土から除去する第4工程により行なう。
【0010】
第1の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうことが好ましい。
交換性ナトリウムと硫化物を含む土壌にアルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することにより、交換性ナトリウムを添加した塩の交換性陽イオン(例えば、カルシウム、鉄、アルミニウム等のイオン)と置換することにより、水溶性ナトリウムとすることができる。また、曝気処理、酸化剤添加処理、曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれかを行なうことにより、硫化物を酸化して硫酸イオンにすることができる。
【0011】
第2の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することが好ましい。
交換性ナトリウムを含む土壌にアルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することにより、交換性ナトリウムを添加した塩の交換性陽イオン(例えば、カルシウム、鉄、アルミニウム等のイオン)と置換することにより、水溶性ナトリウムとすることができる。
【0012】
第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうことが好ましい。
硫化物を含む土壌に曝気処理、酸化剤添加処理、曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれかを行なうことにより、硫化物を酸化して硫酸イオンにすることができる。
【0013】
第1、第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で更に、中和剤を添加することにより、前記第4工程での機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、前記第5工程で生成される植栽用土の酸性化を防止することが好ましい。
中和剤を添加することにより、酸化処理により植栽用土と濾過水が酸性化するのを防止することができる。
【0014】
第1、第2の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記アルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであることが好ましい。アルカリ土類金属化合物として、カルシウム塩又はマグネシウム塩を使用することにより、交換性ナトリウムの置換効率を向上させることができる。
【0015】
第1、第2の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記鉄塩を含み、該鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであることが好ましい。
第一鉄塩又は第二鉄塩の鉄酸塩を使用することにより、交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換すると共に、酸化剤による硫化物の酸化を促進することができる。
【0016】
第1、第2の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記アルミニウム塩を含み、該アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであることが好ましい。
アルミニウム塩を、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せとすることにより、安価で取り扱いを容易として交換性ナトリウムを除去することができる。
【0017】
第1、第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加した前記酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであることが好ましい。
酸化剤を、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せとすることにより、安価で取り扱いを容易として硫化物を除去することができる。
【0018】
第1、第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であることが好ましい。
アルカリ土類金属の水酸化物を使用することにより効率的に中和処理を行なうことができる。また、アルカリ土類金属の炭酸塩を使用することにより、安全性を確保して中和処理を行なうことができる。
【0019】
第1〜第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に土壌改良材を混合することが好ましい。
無害化された細粒化土に土壌改良材を混合することにより、排水不良の改善、保水力増強、土壌膨潤軟化、土壌中和、肥料保持の各能力を向上させることができ、植栽用土としての品質を一段と向上させることができる。
【0020】
第1〜第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に緑肥植物を播種することが好ましい。
無害化された細粒化土に緑肥植物を播種することにより、土壌を肥沃にしてその品質を向上させることができる。
【0021】
第1〜第3の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に対して、更に水洗を行なうことが好ましい。
植栽用土を水洗することにより、植栽用土中に残留している水溶性ナトリウム、硫酸イオンを水中に溶出させて、植栽用土中の水溶性ナトリウム、硫化物の濃度を低下させることができる。
【0022】
前記目的に沿う第4の発明に係る植栽用土の製造方法は、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキを生成する第2工程と、前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有する。
第1工程で、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より、植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去する。植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオン等からなる塩分の中で、ナトリウム塩は、粘土成分に吸着している交換性ナトリウムと、水溶性ナトリウムに分けられ、植物の生育に阻害を及ぼす硫化物も、酸化され易い硫化物と酸化されにくい硫化物が存在する。このため、第2工程で、細粒土に対して化学処理を行なって粘土成分に吸着している交換性ナトリウムと硫化物をいずれも水溶性ナトリウムと硫酸イオンに変換させ、水で希釈して調泥物とすることにより、ナトリウム塩、塩素イオン、及び硫化物を水に溶解させ機械脱水して脱水ケーキと、濾過水に分離することで、細粒土からナトリウム塩、塩素イオン、及び硫化物を除去することができる。次いで、第3工程で脱水ケーキを解砕して植栽用土として最適な粒度を有する土壌とすることができる。
【0023】
前記目的に沿う第5の発明に係る植栽用土の製造方法は、ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有する。
ナトリウム質土を含む土壌から植栽用土を製造する場合は、第1工程で、植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去する。植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオン等からなる塩分の中で、ナトリウム塩は、粘土成分に吸着している交換性ナトリウムと、水溶性ナトリウムに分けられる。このため、第2工程で、細粒土に対して化学処理を行なって粘土成分に吸着している交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換させ、水で希釈して調泥物とすることにより、ナトリウム塩と塩素イオンを水に溶解させ機械脱水して脱水ケーキと、濾過水に分離することで、細粒土からナトリウム塩と塩素イオンを除去することができる。次いで、第3工程で脱水ケーキを解砕して植栽用土として最適な粒度を有する土壌とすることができる。
【0024】
前記目的に沿う第6の発明に係る植栽用土の製造方法は、硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有する。
硫化物含有土を含む土壌から植栽用土を製造する場合は、第1工程で、植栽用土として不適性な夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去する。植物の生育に阻害を及ぼす硫化物は、酸化性され易い硫化物と酸化されにくい硫化物が存在する。このため、第2工程で、細粒土に対して化学処理を行なって硫化物を硫酸イオンに変換させ、水で希釈して調泥物とすることにより、硫化物を水に溶解させ機械脱水して脱水ケーキと、濾過水に分離することで、細粒土から硫化物を除去することができる。次いで、第3工程で脱水ケーキを解砕して植栽用土として最適な粒度を有する土壌とすることができる。
【0025】
第4の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうことが好ましい。
交換性ナトリウムと硫化物を含む土壌にアルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することにより、交換性ナトリウムを添加した塩の交換性陽イオン(例えば、カルシウム、鉄、アルミニウム等のイオン)と置換することにより、水溶性ナトリウムとすることができる。また、曝気処理、酸化剤添加処理、曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれかを行なうことにより、硫化物を酸化して硫酸イオンにすることができる。
【0026】
第5の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することが好ましい。
交換性ナトリウムを含む土壌にアルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することにより、交換性ナトリウムを添加した塩の交換性陽イオン(例えば、カルシウム、鉄、アルミニウム等のイオン)と置換することにより、水溶性ナトリウムとすることができる。
【0027】
第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうことが好ましい。
硫化物を含む土壌に曝気処理、酸化剤添加処理、曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれかを行なうことにより、硫化物を酸化して硫酸イオンにすることができる。
【0028】
第4、第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で更に、中和剤を添加することにより機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、前記第3工程で生成される前記植栽用土の酸性化を防止することが好ましい。
中和剤を添加することにより、酸化処理により濾過水と細粒化土が酸性化するのを防止することができる。
【0029】
第4、第5の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記アルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであることが好ましい。アルカリ土類金属化合物として、カルシウム塩又はマグネシウム塩を使用することにより、交換性ナトリウムの置換効率を向上させることができる。
【0030】
第4、第5の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記鉄塩を含み、該鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであることが好ましい。
第一鉄塩又は第二鉄塩の鉄酸塩を使用することにより、交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換すると共に、酸化剤の酸化力を強める触媒としての働きがある。
【0031】
第4、第5の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記アルミニウム塩を含み、該アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであることが好ましい。
アルミニウム塩を、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せとすることにより、安価で取り扱いを容易として交換性ナトリウムを除去することができる。
【0032】
第4、第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加した前記酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであることが好ましい。
酸化剤を、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、硝酸のいずれか1又は2以上の組合せとすることにより、安価で取り扱いを容易として硫化物を除去することができる。
【0033】
第4、第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であることが好ましい。
アルカリ土類金属の水酸化物を使用することにより効率的に中和処理を行なうことができる。また、アルカリ土類金属の炭酸塩を使用することにより、安全性を確保して中和処理を行なうことができる。
【0034】
第4〜第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に土壌改良材を混合することが好ましい。
無害化された細粒化土に土壌改良材を混合することにより、排水不良の改善、保水力増強、土壌膨潤軟化、土壌中和、肥料保持の各能力を向上させることができ、植栽用土としての品質を一段と向上させることができる。
【0035】
第4〜第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に緑肥植物を播種することが好ましい。
無害化された植栽用土に緑肥植物を播種することにより、土壌を肥沃にしてその品質を向上させることができる。
【0036】
第4〜第6の発明に係る植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に対して、更に水洗を行なうことが好ましい。
植栽用土を水洗することにより、植栽用土中に残留している水溶性ナトリウム、硫酸イオンを水中に溶出させて、植栽用土中の水溶性ナトリウム、硫化物の濃度を低下させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備の構成図、図2は同植栽用土の製造方法のフロー図、図3は同植栽用土の製造方法における塩分及び硫化物の処理フロー図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備の構成図、図5は同植栽用土の製造方法のフロー図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備10は、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌の一例である港湾の浚渫泥中の夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする細粒土調製手段11と、細粒土に水を入れて調泥して機械脱水する第1の脱水ケーキ調製手段12と、第1の脱水ケーキを解砕し交換性ナトリウム及び硫化物に化学処理を行なった後に水を加えて調泥物とする調泥物調製手段13と、調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第2の脱水ケーキ調製手段14と、機械脱水された第2の脱水ケーキを解砕して細粒化し、更に土壌改良材及び緑肥植物の種子を加える植栽用土調製手段15とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0038】
細粒土調製手段11は、浚渫して採取した浚渫泥を受け入れる浚渫泥貯留槽16と、浚渫泥貯留槽16から浚渫泥を搬送する搬送手段の一例である搬送コンベア17と、搬送された浚渫泥から大夾雑物及び大石塊を分離する分離手段の一例であるバースクリーン18と、大夾雑物及び大石塊が分離された浚渫泥に水を加えてスラリーとする混合機19と、スラリー中の小夾雑物及び小石塊を分離する分離手段の一例である振動篩20と、小夾雑物及び小石塊が分離された細粒土のスラリーを搬送する搬送手段の一例であるスラリーポンプ21を有している。また、バースクリーン18には分離した大夾雑物及び大石塊を回収する回収槽22、振動篩20には分離した小夾雑物及び小石塊を回収する回収槽23がそれぞれ設けられている。このような構成とすることにより、浚渫泥より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とすることができる。
【0039】
脱水ケーキ調製手段12は、搬送された細粒土のスラリーに更に水を加えて調泥して細粒土を洗浄する洗浄機24と、洗浄後の細粒土のスラリーの脱水を行なう機械脱水手段の一例であるフィルタープレス25と、第1の脱水ケーキを搬送する搬送手段の一例である搬送コンベア28とを有している。また、フィルタープレス25には、脱水して得られた濾過水を貯留する濾過水槽29が設けられている。このような構成とすることにより、細粒土に水を入れ調泥することにより細粒土を洗浄することができ、洗浄後の細粒土を機械脱水して第1の脱水ケーキとすることができる。
【0040】
調泥物調製手段13は、第1の脱水ケーキを解砕する解砕機35と、解砕された脱水ケーキに水を加えて希釈調泥し調泥物とする混合機36を有している。また、調泥物調製手段13は、調泥物を撹拌しながら第1の脱水ケーキ中の交換性ナトリウム及び硫化物に化学処理を行なう撹拌機能を備えた化学処理槽31を有している。ここで、化学処理槽31には、交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換する薬剤を添加する定量切り出し機能を備えた薬剤添加装置32と、硫化物を酸化させて硫酸イオンに変換する酸化剤を添加する定量切り出し機能を備えた酸化剤添加装置33と、硫化物の酸化用の酸素を化学処理槽31内に供給する酸素含有ガス供給装置34が設けられている。更に、調泥物調製手段13は、化学処理槽31から処理後の第1の脱水ケーキを搬送する搬送手段の一例であるスラリーポンプ37を有している。
このような構成とすることにより、第1の脱水ケーキを解砕し調泥物として第1の脱水ケーキ中の交換性ナトリウム及び硫化物に化学処理を行なうことができ、化学処理後の第1の脱水ケーキを調泥物状態として搬送することができる。
【0041】
第2の脱水ケーキ調製手段14は、搬送された調泥物を受け入れ、定量切り出し機能を備えた中和剤供給装置38から供給された中和剤と混合して、調泥物のpH値を実質的に7に調整する中和槽39と、中和された調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする機械脱水手段の一例であるフィルタープレス40と、第2の脱水ケーキを搬送する搬送手段の一例である搬送コンベア43を有している。なお、フィルタープレス40には、脱水して得られた濾過水を貯留する濾過水槽44が設けられている。このような構成とすることにより、調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとして搬送することができる。
【0042】
植栽用土調製手段15は、搬送された第2の脱水ケーキを解砕して細粒化する解砕機46と、解砕された第2の脱水ケーキに、定量切り出し機能を備えた土壌改良材供給装置47から供給された土壌改良材及び、定量切り出し機能を備えた種子供給装置48から供給された緑肥植物の種子を加えて均一に混合する混合機49を有している。このような構成とすることにより、第2の脱水ケーキを解砕して植栽用土とし、これに対して土壌改良材を混合し、緑肥植物種子を播くことができる。ここで、調製された植栽用土に対して、更に水洗を行なって、植栽用土中の水溶性ナトリウム、硫化物の濃度を更に低下させた後に、土壌改良材を混合し、緑肥植物種子を播いてもよい。
なお、各濾過水槽29、44には図示しない濾過水処理装置が設けられており、貯留された濾過水は環境排出基準を満たすように処理が行なわれた後、放流される。
【0043】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法について説明する。
図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法は、例えば、浚渫泥より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、細粒土に水を入れて希釈して調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、生成した第1の脱水ケーキを解砕後、更に水で希釈して調泥し第1の脱水ケーキ中の交換性ナトリウム及び硫化物に化学処理を行なって水溶性化し調泥物とする第3工程と、調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、第2の脱水ケーキを解砕し、更に細粒化して植栽用土とする第5工程とを有している。
第1工程においては、浚渫泥貯留槽16に受入れた浚渫泥を、搬送コンベア17でバースクリーン18に搬送して、浚渫泥から大夾雑物及び大石塊を分離する。次いで、大夾雑物及び大石塊が分離された浚渫泥を混合機19に移動させ水を加えてスラリーとし、振動篩20でスラリー中の小夾雑物及び小石塊を分離して細粒土のスラリーとする。この細粒土のスラリーをスラリーポンプ21で、洗浄機24に搬送する。
第2工程においては、洗浄機24に搬送された細粒土のスラリーに更に水を加えて、細粒土のスラリーの含水比を約300%程度に希釈して調泥し、水溶性ナトリウム、塩素イオン、硫化物を水に溶解させる。洗浄後の細粒土のスラリーをフィルタープレス25に供給して脱水を行ない第1の脱水ケーキとする。これによって、第1の脱水ケーキに含まれる水溶性ナトリウム、塩素イオン、及び硫酸イオンの量を減少させる。この第1の脱水ケーキを搬送コンベア28により解砕機35に搬送する。
【0044】
第3工程では、搬送された第1の脱水ケーキを解砕機35で解砕し、混合機36を用いて水を加えながら希釈調泥する(濃度調整)。この調泥物を化学処理槽31内に投入し、薬剤添加装置32で交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換(置換処理)する薬剤と、酸化剤添加装置33で硫化物を酸化させて硫酸イオンに変換(酸化処理)する酸化剤を添加し、あるいは、酸素含有ガス供給装置34で空気を供給して撹拌する(曝気処理)。これによって、交換性ナトリウムと硫化物を水溶性化させる。化学処理槽31での処理が終了すると、処理後の第1の脱水ケーキをスラリーポンプ37で中和槽39に移送する。
ここで、化学処理に関して、図3を用いて、詳しく説明する。
交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムにする薬剤は、非水溶性である交換性ナトリウムを他の交換性陽イオン(例えば、Fe、Ca、Al等)に置換させる作用を有するものであり、具体的にはカルシウム塩である塩化カルシウムを使用する。なお、他のカルシウム塩としては、カルシウムの硝酸、硫酸、炭酸塩、更にはカルシウムの水酸化物等を使用することができるが、溶解性、安価、取り扱いが容易等の点で、塩化カルシウムが総合的に優れている。また、薬剤としては、カルシウム塩の他に、マグネシウム塩、アルミニウム塩を使用することができる。なお、アルミニウム塩としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、鉄ミョウバン、火山灰、活性白土等が使用できるが、ポリ塩化アルミニウムが安価、取り扱いの点で好ましい。
【0045】
塩化カルシウムの添加により、交換性ナトリウムは、交換性陽イオンであるカルシウムイオンに置換され、水溶性ナトリウムとなる。ここで、塩化カルシウムと共に、鉄塩を添加する。鉄塩は交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換する作用を有すると共に、硫化物を除去するために添加する酸化剤の酸化を促進させる作用、すなわち、酸化剤の触媒作用を有している。なお、添加する鉄塩は、第一鉄塩、第二鉄塩等の鉄酸塩を使用するとよいが、中でも硫酸第一鉄と硫酸第二鉄は、反応性、安価、取り扱いが容易等の点で、他の鉄塩より総合的に優れており好ましい。
硫化物の酸化処理としては、酸化剤の添加、曝気処理をそれぞれ単独で行なうか、又は併用する。酸化剤としては、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、硝酸のいずれか1又は2以上を使用するとよいが、中でも過酸化水素水と鉄塩の混合物は、反応性、安価、取り扱いが容易等の点で、他の酸化剤より総合的に優れており好ましい。なお、酸化剤の添加と曝気処理の複合処理ではなく、どちらか一方の処理によって酸化を行なってもよい。
【0046】
ここで、浚渫泥中の塩分を除去する方法について、更に詳しく説明する。
例えば、アルカリ土類金属化合物として塩化カルシウム(CaCl ・2H O)を、鉄塩として硫酸第一鉄(FeSO ・7H O)を使用する場合には、塩化カルシウムの量としてその下限を0.1%DS、上限を10%DS、硫酸第一鉄の量としてその下限を0.01%DS、上限を7.0%DSとすることを基本的な数値範囲として、以下の事項を種々考慮して設定する。なお%DSは、乾燥土に対する重量%を示す。
すなわち、塩分を除去する場合、薬剤により反応が生ずる物質は、浚渫泥中に含有されている交換性ナトリウムである。ここで、交換性ナトリウムの量は、港湾の状況、例えば港湾の近くに大きな河川が流れ込んでいる場所では低いものとなり、また、河川の上流の土砂内のナトリウム含有濃度等によっても異なってくる。また、処理する季節、例えば、冬季、夏季における外気温度や水温の影響も大きい。外気温度、水温が共に高い夏季は、その反応がより活性化するため、その添加量は同一の濃度の浚渫泥を処理する場合より少なくてよい。例えば、夏季では、適正な塩化カルシウムの添加量は、0.5〜9.0%DSが好ましく、より好ましくは2.0〜6.0%DSである。同様に、硫酸第一鉄の適正な添加量は、0.05〜4.0%DSが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0%DSである。
また、アルカリ土類金属化合物、鉄塩として、それぞれ塩化カルシウム、硫酸第一鉄以外のものを使用する場合は、塩化カルシウム、硫酸第一鉄の添加量範囲を基にして、化学反応式を考慮して添加量の適正範囲を設定することができる。
【0047】
酸化剤として過酸化水素(35%H O )を使用する場合には、0.01〜10.0%DSが適するが、好ましくは0.3〜7.0%DS、より好ましくは0.7〜3.0%DSがよい。硫化物含有量が少ない場合には、添加量を下限の0.01%にしても効果がある。しかし、硫化物含有量が多い場合でも、上限の10.0%DSを超えると、植栽用土としては適正な硫化物残存量となるが、反応自体は飽和状態となり不要に加えた酸化剤の分だけ処理価格が増加して、経済的に好ましくない。
また、酸化剤として、過酸化水素以外のものを使用する場合には、過酸化水素の適性範囲の各数値を基にして、化学反応式を考慮して添加量の適正範囲を設定することができる。
【0048】
第4工程では、中和槽39に搬送された調泥物に中和剤供給装置38から中和剤を供給して混合し、調泥物のpH値を実質的に7に調整(中和処理)する。ここで、中和剤としては、溶解性の高い石灰乳(Ca(OH) )、カセイソーダー等のアルカリが適しているが、安価、取り扱いが容易な点で石灰乳を使用することがより好ましい。なお、石灰乳は交換性陽イオンであるカルシウムイオンの供給源としても作用するので、このカルシウムイオンにより交換性ナトリウムは置換されて、水溶性ナトリウムになる。また、中和剤として、アルカリ土類金属の水酸化物である石灰乳を使用したが、アルカリ土類金属の炭酸塩を使用してもよいし、アルカリ土類金属の水酸化物とアルカリ土類金属の炭酸塩を併用してもよい。
中和された調泥物はフィルタープレス40に供給されて機械脱水され第2の脱水ケーキとなる。第2の脱水ケーキは搬送コンベア43を用いて解砕機46に搬送する。ここで、フィルタープレスとしては、高圧フィルタープレス、圧搾型フィルタープレス、普通型フィルタープレスを使用することができるが、第2の脱水ケーキの含水率を低くするためには高圧フィルタープレスが優れており、第2の脱水ケーキの洗浄を行なうとすれば圧搾型フィルタープレスが比較的優れている。また、機械脱水手段としては、フィルタープレスの他に、遠心脱水機、真空脱水機等を適用することができる。なお、本実施の形態では、第4工程で中和処理を行ったが、第3工程において、化学処理の後に中和剤を添加してもよい。
【0049】
第5工程では、搬送された第2の脱水ケーキを解砕機46で解砕して細粒化して、植栽用土として最適な粒度とする。次いで、植栽用土を混合機49に投入し、土壌改良材供給装置47から土壌改良材を、種子供給装置48から緑肥植物の種子を加えて均一に混合する。ここで、土壌改良材として、例えば、ヤシガラ資材(ブラックココ等)を使用することができ、これによって植栽用土の、排水不良の改善、保水力増強、土壌膨潤軟化、土壌中和、肥料保持の向上を図ることができる。また、緑肥植物としては、例えば、マメ科緑物(クローバー等)を使用することができ、これによって、植栽用土の肥沃化を図ることができる。
【0050】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備50は、例えば、港湾の浚渫泥中の夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする細粒土調製手段51と、水を加えて調泥して細粒土に含まれる交換性ナトリウム及び非水溶性硫化物の化学処理を行ない、機械脱水して脱水ケーキとする脱水ケーキ調製手段52と、脱水ケーキを解砕して細粒化し、更に土壌改良材及び緑肥植物の種子を加える植栽用土調製手段53とを有している。以下、これらについて説明するが、細粒土調製手段51及び植栽用土調製手段53は、実質的に第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備10と同一である。このため、同一の構成要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略し、脱水ケーキ調製手段52についてのみ詳しく説明する。
【0051】
脱水ケーキ調製手段52は、上流側の化学処理域54と、下流側の機械脱水処理域55を有している。
化学処理域54は、細粒土を解砕する解砕機60と、解砕された細粒土に水を加えて希釈調泥し調泥物とする混合機61を有している。また、化学処理域54は、調泥物を撹拌しながら細粒土中の交換性ナトリウム及び非水溶性硫化物に化学処理を行なう撹拌機能を備えた化学処理槽56を有している。ここで、化学処理槽56には、交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換する薬剤を添加する定量切り出し機能を備えた薬剤添加装置57と、非水溶性硫化物を酸化させて硫酸塩に変換する酸化剤を添加する定量切り出し機能を備えた酸化剤添加装置58と、非水溶性硫化物の酸化用の酸素を化学処理槽56内に供給する酸素含有ガス供給装置59が設けられている。更に、化学処理域54は、化学処理槽56から処理後の調泥物を搬送する搬送手段の一例であるスラリーポンプ62を有している。
このような構成とすることにより、細粒土中の交換性ナトリウム及び非水溶性硫化物に化学処理を行なって水溶性化することができる。
【0052】
機械脱水処理域55は、搬送された調泥物を受け入れ、定量切り出し機能を備えた中和剤供給装置63から供給された中和剤と混合して、調泥物のpH値を実質的に7に調整する中和槽64と、中和された調泥物を機械脱水して脱水ケーキとする機械脱水手段の一例であるフィルタープレス65と、脱水ケーキを搬送する搬送手段の一例である搬送コンベア68を有している。また、機械脱水処理域55は、搬送された脱水ケーキに散水し洗浄を行なう洗浄機66を有している。なお、フィルタープレス65には、脱水して得られた濾過水を貯留する濾過水槽69が設けられている。このような構成とすることにより、調泥物を中和し機械脱水して脱水ケーキとし、この脱水ケーキを洗浄して植栽用土調製手段53に搬送することができる。
なお、濾過水槽69には図示しない濾過水処理装置が設けられており、貯留された濾過水は環境排出基準を満たすように処理が行なわれた後、放流される。
【0053】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法について説明する。
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法は、例えば、浚渫泥より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、細粒土に対して、水で希釈して調泥し、更に含有する交換性ナトリウム及び非水溶性硫化物に化学処理を行なって水溶性化し、次いで機械脱水して脱水ケーキとし、散水する第2工程と、脱水ケーキを必要に応じて解砕し、調製し植栽用土とする第3工程とを有している。ここで、第1工程、第3工程は、それぞれ実質的に第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法における第1工程、第5工程と同一である。従って、異なる第2工程に関してのみ説明する。
なお、第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法は、第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法と比較して、2回の機械脱水を行なわず、脱水ケーキに散水することが特徴となっている。このため、工程が簡素化されて、設備負担と、処理のためのランニングコストを共に低下させることができる。
【0054】
第2工程は、上流側の化学処理と下流側の機械脱水処理に大別される。
化学処理では、搬送された細粒土を解砕機60で解砕し、混合機61を用いて水を加えながら希釈調泥する(濃度調整)。この調泥物を化学処理槽56内に投入し、薬剤添加装置57で交換性ナトリウムを水溶性ナトリウムに変換(置換処理)する薬剤と、酸化剤添加装置58で硫化物を酸化させて硫酸イオンに変換(酸化処理)する酸化剤を添加し、あるいは、酸素含有ガス供給装置59で空気を供給して撹拌する(曝気処理)。これによって、交換性ナトリウムと硫化物をいずれも水溶性化させる。化学処理槽56での処理が終了すると、処理後の調泥物をスラリーポンプ62で中和槽64に移送する。なお、化学処理の内容は、第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法における化学処理の内容と実質的に同一なので、詳しい説明は省略する。
機械脱水処理では、中和槽64に搬送された調泥物に中和剤供給装置63から中和剤を供給して混合し、調泥物のpH値を実質的に7に調整する。ここで、中和剤としては、溶解性の高い石灰乳、カセイソーダー等のアルカリが適しているが、安価、取り扱いが容易な点で石灰乳を使用することがより好ましい。
中和された調泥物はフィルタープレス65に供給されて機械脱水され脱水ケーキとなる。得られた脱水ケーキを搬送コンベア68を用いて洗浄機66に搬送し、散水して洗浄する。これによって、置換されて水溶性化したナトリウムイオンや変換された硫酸イオンを濾過水として分離する。
【0055】
【実施例】
港湾の浚渫で得られた浚渫泥を処理して、植栽用土を製造した。
使用した浚渫泥は、自然含水比が124.1重量%、土粒子密度が約2.7t/m のもので、その粒度構成は、レキ2%、砂18%、シルト46%、粘土34%であった。なお、処理前の浚渫泥中の塩分は、塩素イオン10800mg/kg、交換性ナトリウム18.9cmol(+)/kg、水溶性ナトリウム16.2cmol(+)/kgであり、硫化物は830mg/kg、pH8.5、電気伝導度は5.3ds/mであった。
先ず、浚渫泥中から、不純物であるレキ、砂、シルト等を除去した。次いで、水を加えて、その濃度が約30%、含水比が約240%になるように調整し、フィルタープレスに供給して、最大濾過圧力約4MPaで脱水を行ない、第1の脱水ケーキを得た。続いて、第1の脱水ケーキを化学処理槽内に投入し、表1に示す各条件で交換性ナトリウムを水溶性化するために塩化カルシウムと硫酸第一鉄、硫化物を酸化させるために過酸化水素、酸化触媒として硫酸第一鉄を添加した。次いで、水を加えて、その濃度が約30%、含水比が約240%になるように調整し中和槽に移送し、中和剤として石灰乳を添加して中和処理を行なった。続いて、フィルタープレスに供給して、最大濾過圧力約4MPaで脱水して、第2の脱水ケーキを得た。得られた第2の脱水ケーキを解砕機にて解砕して、粒状体の中に含有されている塩素イオン、交換性ナトリウム、水溶性ナトリウム、硫化物、pH、電気伝導度をそれぞれ測定した。その結果を表2に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004016066
【0057】
【表2】
Figure 2004016066
【0058】
表1において、番号1、2は、浚渫泥に化学処理を一切行なわない場合を示す。この場合は、表2に示すように、塩素イオン、水溶性ナトリウムは、2回にわたる脱水処理において、濾過水中にその多くが移行するため、その残存量は薬剤を添加しなくても大きく減少している。しかし、塩素イオン、交換性ナトリウム、pH、電気伝導度は、いずれも目標値を大幅に超えている状態である。
番号3〜7に示すものは、浚渫泥中の非水溶性である交換性ナトリウムの除去を目的にしたもので、塩化カルシウムと硫酸第一鉄を添加して化学処理を行なったものである。表2に示すように、処理後の粒状体に残存する交換性ナトリウムの量が大幅に減少している。
番号8〜10に示すものは、浚渫泥中の硫化物の除去を目的にしたもので、硫酸第一鉄と過酸化水素を添加して化学処理を行なったものである。表2に示すように、処理後の粒状体に残存する硫化物の量が減少している。
番号11〜13に示すものは、浚渫泥中の非水溶性の交換性ナトリウム及び硫化物の両方の除去を目的にしたもので、塩化カルシウム、硫酸第一鉄及び過酸化水素を添加して化学処理を行なったものである。表2に示すように、処理後の粒状体に残存する交換性ナトリウムの量が大幅に減少し、硫化物の1割強が減少し、酸化され易い硫化物の大部分が除去されたと考えられる。このため、植栽用の用土に使用可能な値となっている。
番号14、15に示すものは、過酸化水素の添加により植栽用土が酸性化するのを防止する中和処理を目的としたもので、中和剤として石灰乳を添加した。表2に示すように、ほぼ中性となっている。
【0059】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の植栽用土の製造方法を構成する場合にも本発明は適用される。例えば、処理対象を港湾の浚渫泥としたが、その処理を対象とする浚渫泥には、港湾以外に、湖沼、河川、池、掘割等の浚渫工事において、浚渫された浚渫泥を使用することができる。この場合、浚渫場所の地理的に位置する環境条件等によって、その中に含有するナトリウム質土や硫化物含有土の含有形態や含有量が相違する。そのため、その含有形態や含有量によって、適宜具体的な方法を選定し、処理することが望ましい。例えば、湖沼、河川、池、掘割等の浚渫工事において生ずる汚泥中には、一般に塩分は含有されておらず硫化物だけ含有されている場合が多い。従って、この場合の処理方法は、硫化物だけを処理する方法を適宜選択して実施すればよい。また、塩分だけを処理することも可能である。
【0060】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項4、7〜15記載の植栽用土の製造方法においては、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、第2工程で生成された第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、第3工程で化学処理された調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、第4工程で生成された第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有するので、簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分及び硫化物等を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用ができ、工業的な価値が大きい。
【0061】
請求項2及びこれに従属する請求項5、8〜10、13〜15記載の植栽用土の製造方法においては、ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、第2工程で生成された第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、第3工程で化学処理された調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、第4工程で造られた第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有するので、簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用ができ、工業的な価値が大きい。
【0062】
請求項3及びこれに従属する請求項6、7、11〜15記載の植栽用土の製造方法においては、硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、第2工程で生成した第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、第3工程で化学処理された調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、第4工程で生成された第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有するので、簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼす硫化物を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用ができ、工業的な価値が大きい。
【0063】
特に、請求項4記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程での化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)調泥物に対する曝気処理、(2)調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうので、交換性ナトリウムと硫化物を同時に除去することが可能となる。
【0064】
請求項5記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程での化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加するので、交換性ナトリウムを効率的に除去することが可能となる。
【0065】
請求項6記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程での化学処理として、(1)調泥物に対する曝気処理、(2)調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうので、硫化物を効率的に除去することが可能となる。
【0066】
請求項7に記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で更に、中和剤を添加することにより、第4工程での機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、第5工程で生成される植栽用土の酸性化を防止するので、硫化物を効率的に除去することが可能となる。
【0067】
請求項8記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で添加する薬剤がアルカリ土類金属化合物を含み、アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであるので、交換性ナトリウムをより効率的に除去することが可能となる。
【0068】
請求項9記載の植栽用土の製造方法において、第3工程で添加する薬剤が鉄塩を含み、鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであるので、交換性ナトリウムの水溶性ナトリウムへの変換と共に、安価で効率的に硫化物の酸化処理を行なうことが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0069】
請求項10記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で添加する薬剤がアルミニウム塩を含み、アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであるので、安価でより容易に交換性ナトリウムを除去することが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0070】
請求項11の植栽用土の製造方法においては、第3工程で添加する酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであるので、安価でより容易に硫化物を酸化させて除去することが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0071】
請求項12の植栽用土の製造方法において、第3工程で添加する中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であるので、安価でより容易に中和処理を行なうことが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0072】
請求項13記載の植栽用土の製造方法において、第5工程で生成される植栽用土に土壌改良材を混合するので、高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【0073】
請求項14記載の植栽用土の製造方法においては、第5工程で生成される植栽用土に緑肥植物を播種するので、更に高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【0074】
請求項15記載の植栽用土の製造方法において、第5工程で生成される植栽用土に対して、更に水洗を行なうので、ナトリウム塩、塩素イオンを含む塩分及び硫化物の含有量が更に少ない高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【0075】
請求項16、19、及び22〜30記載の植栽用土の製造方法においては、ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキを生成する第2工程と、第2工程で生成された脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有するので、より簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分及び硫化物等を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用が低コストで可能となり、工業的な価値が大きい。
【0076】
請求項17、20、23〜25、及び28〜30記載の植栽用土の製造方法においては、ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、第2工程で生成された脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有するので、より簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼすナトリウム塩や塩素イオンなどからなる塩分を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用が低コストで可能となり、工業的な価値が大きい。
【0077】
請求項18、21、22、及び26〜30記載の植栽用土の製造方法においては、硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、第1工程で得られた細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、第2工程で生成された脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有するので、より簡単かつ容易な方法によって、例えば、種々の浚渫泥中に含有している植物の生育に阻害を及ぼす硫化物を除去することができ、ニーズが多くかつ付加価値の高い植栽用土として最適なる土壌への転用が低コストで可能となり、工業的な価値が大きい。
【0078】
特に、請求項19記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程での化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)調泥物に対する曝気処理、(2)調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうので、交換性ナトリウムと硫化物を同時に除去することが可能となる。
【0079】
請求項20記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程での化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加するので、交換性ナトリウムを効率的に除去することが可能となる。
【0080】
請求項21記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程での化学処理として、(1)調泥物に対する曝気処理、(2)調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうので、硫化物を効率的に除去することが可能となる。
【0081】
請求項22記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で更に、中和剤を添加することにより機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、第3工程で生成される植栽用土の酸性化を防止するので、硫化物を効率的に除去することが可能となる。
【0082】
請求項23記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で添加する薬剤がアルカリ土類金属化合物を含み、アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであるので、交換性ナトリウムをより効率的に除去することが可能となる。
【0083】
請求項24記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で添加する薬剤が鉄塩を含み、鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであるので、交換性ナトリウムの水溶性ナトリウムへの変換と共に、安価で効率的に硫化物の酸化処理を行なうことが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0084】
請求項25記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で添加する酸化剤がアルミニウム塩を含み、アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであるので、安価でより容易に交換性ナトリウムを除去することが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0085】
請求項26記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で添加する薬剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであるので、安価でより容易に硫化物を酸化させて除去することが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0086】
請求項27記載の植栽用土の製造方法においては、第2工程で添加する中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であるので、安価でより容易に中和処理を行なうことが可能となって、低コストで植栽用土の製造することが可能となる。
【0087】
請求項28記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で生成される植栽用土に土壌改良材を混合するので、高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【0088】
請求項29記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で生成される植栽用土に緑肥植物を播種するので、更に高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【0089】
請求項30記載の植栽用土の製造方法においては、第3工程で生成される植栽用土に対して、更に水洗を行なうので、ナトリウム塩、塩素イオンを含む塩分及び硫化物の含有量が更に少ない高品質の植栽用土を、低コストで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備の構成図である。
【図2】同植栽用土の製造方法のフロー図である。
【図3】同植栽用土の製造方法における塩分及び硫化物の処理フロー図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る植栽用土の製造方法を適用した植栽用土の製造設備の構成図である。
【図5】同植栽用土の製造方法のフロー図である。
【符号の説明】
10:植栽用土の製造設備、11:細粒土調製手段、12:第1の脱水ケーキ調製手段、13:調泥物調製手段、14:第2の脱水ケーキ調製手段、15:植栽用土調製手段、16:浚渫泥貯留槽、17:搬送コンベア、18:バースクリーン、19:混合機、20:振動篩、21:スラリーポンプ、22、23:回収槽、24:洗浄機、25:フィルタープレス、28:搬送コンベア、29:濾過水槽、31:化学処理槽、32:薬剤添加装置、33:酸化剤添加装置、34:酸素含有ガス供給装置、35:解砕機、36:混合機、37:スラリーポンプ、38:中和剤供給装置、39:中和槽、40:フィルタープレス、43:搬送コンベア、44:濾過水槽、46:解砕機、47:土壌改良材供給装置、48:種子供給装置、49:混合機、50:植栽用土の製造設備、51:細粒土調製手段、52:脱水ケーキ調製手段、53:植栽用土調製手段、54:化学処理域、55:機械脱水処理域、56:化学処理槽、57:薬剤添加装置、58:酸化剤添加装置、59:酸素含有ガス供給装置、60:解砕機、61:混合機、62:スラリーポンプ、63:中和剤供給装置、64:中和槽、65:フィルタープレス、66:洗浄機、68:搬送コンベア、69:濾過水槽

Claims (30)

  1. ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、
    前記第2工程で生成された前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、
    前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、
    前記第4工程で生成された前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  2. ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、
    前記第2工程で生成された前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、
    前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、
    前記第4工程で造られた前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  3. 硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し、更に機械脱水して第1の脱水ケーキとする第2工程と、
    前記第2工程で生成した前記第1の脱水ケーキを解砕後、水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行なう第3工程と、前記第3工程で化学処理された前記調泥物を機械脱水して第2の脱水ケーキとする第4工程と、
    前記第4工程で生成された前記第2の脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第5工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  4. 請求項1記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
  5. 請求項2記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  6. 請求項3記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程での前記化学処理として、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
  7. 請求項1、3、4、及び6のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で更に、中和剤を添加することにより、前記第4工程での機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、前記第5工程で生成される植栽用土の酸性化を防止することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  8. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記アルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  9. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記鉄塩を含み、該鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  10. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記薬剤が前記アルミニウム塩を含み、該アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  11. 請求項4及び6のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加した前記酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  12. 請求項7記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で添加する前記中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に土壌改良材を混合することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に緑肥植物を播種することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第5工程で生成される前記植栽用土に対して、更に水洗を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
  16. ナトリウム質土及び硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウム及び硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキを生成する第2工程と、
    前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  17. ナトリウム質土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる交換性ナトリウムを水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、
    前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  18. 硫化物含有土を含む土壌より夾雑物、石塊、砂分等の異物を除去して細粒土とする第1工程と、
    前記第1工程で得られた前記細粒土に水を加えて希釈調泥し得られた調泥物に対して該調泥物中に含まれる硫化物を水溶性にする化学処理を行ない、次いで機械脱水して脱水ケーキとする第2工程と、
    前記第2工程で生成された前記脱水ケーキを必要に応じて解砕し、植栽用土とする第3工程とを有することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  19. 請求項16記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加すると共に、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理の内のいずれか1の処理を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
  20. 請求項17記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、アルカリ土類金属化合物、鉄塩、及びアルミニウム塩のいずれか1又は2以上の薬剤を添加することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  21. 請求項18記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程での前記化学処理として、(1)前記調泥物に対する曝気処理、(2)前記調泥物に対する酸化剤の添加処理、(3)前記調泥物に対する曝気及び酸化剤添加の複合処理のいずれか1の処理を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
  22. 請求項16、18、19、及び21のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で更に、中和剤を添加することにより機械脱水で発生する濾過水を中和すると共に、前記第3工程で生成される前記植栽用土の酸性化を防止することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  23. 請求項19及び20のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記アルカリ土類金属化合物を含み、該アルカリ土類金属化合物がカルシウム塩及びマグネシウム塩のいずれか1又は組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  24. 請求項19及び20のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記鉄塩を含み、該鉄塩が第一鉄塩及び第二鉄塩のいずれか1又は組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  25. 請求項19及び20のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記薬剤が前記アルミニウム塩を含み、該アルミニウム塩がポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及び鉄ミョウバンのいずれか1又は2以上の組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  26. 請求項19及び21のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加した前記酸化剤が、過酸化水素、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素水と鉄塩の混合物、及び硝酸のいずれか1又は2以上の組合せであることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  27. 請求項22記載の植栽用土の製造方法において、前記第2工程で添加する前記中和剤が、アルカリ土類金属の水酸化物及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩であることを特徴とする植栽用土の製造方法。
  28. 請求項16〜27のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に土壌改良材を混合することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  29. 請求項16〜28のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に緑肥植物を播種することを特徴とする植栽用土の製造方法。
  30. 請求項16〜29のいずれか1項に記載の植栽用土の製造方法において、前記第3工程で生成される前記植栽用土に対して、更に水洗を行なうことを特徴とする植栽用土の製造方法。
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