JP2004014746A - モジュール構造体とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウムを主成分とする金属の連続相と炭化珪素の連続相とからなる放熱板の一主面上に、絶縁層を介して、回路が設けられていることを特徴とする回路基板であり、好ましくは、前記絶縁層が、回路を形成する金属板を酸化又は窒化して得られたもの、或いは、無機高分子を酸化、窒化又は熱分解して得られたものであることを特徴とする前記回路基板。それを用いたモジュール構造体。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体分野におけるパワー素子を搭載したパワーモジュールに用いられる放熱板(ヒートシンク)と、前記ヒートシンクとセラミックス回路基板とを接合した構造を有する、放熱性に優れ、高信頼性を有しているモジュール構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パワーエレクトロニクスの進歩により、IGBT、MOS−FETなどのパワーデバイスにより制御される機器が急速に増えつつある。中でも電鉄、車両などの移動機器のパワーデバイス化が急速であり、注目されている。
【0003】
また、環境問題への関心の高まりと共に電気自動車やガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッドカーが市販され初めており、それらに搭載されるパワーモジュールの需要の伸びが期待されている。これらの車両用途に用いられるパワーモジュールには、その使用目的から特に高い信頼性が要求されている。
【0004】
現在の標準的なパワーモジュールは、セラミックス回路基板を無酸素銅などの高純度の銅からなる銅製ヒートシンクに半田付けした構造を有しており、半導体素子の動作に伴う繰り返しの熱サイクルや、動作環境における温度変化等で、セラミックス回路基板とヒートシンクとの境界に存在する半田部分にクラックを生じたり、酷い時にはセラミックス回路基板を破損してしまう等の問題を生じることがある。
【0005】
半田層において熱膨張率差に由来するクラックが発生することを抑制するため、熱膨張率が銅に比べてセラミックス基板に近いAl−SiC複合材あるいはCu−Mo複合材をヒートシンクに用いた構成が電鉄やハイブリッドカーなどの駆動用パワーモジュールとして広く使用されるようになった。
【0006】
しかし、前記複合材からなるヒートシンクは、複合材の製法が特殊なことや、MoやWなどといった特殊金属を使用することなどのために、銅製ヒートシンクと比べはるかに高価となってしまう欠点がある。
【0007】
また、半導体装置の高集積化、大電力化に伴って、益々高い放熱性が求められているとともに、環境汚染の面から半田が鉛フリー組成であることが望まれている。このため、いわゆる鉛フリー半田が用いられ始めてはいるものの、現在多用されているPb−Sn系半田に比べて信頼性が劣っている問題がある。更に半田自身が基板やヒートシンクよりも熱伝導率が低いため、その存在が放熱性を悪くしてしまうという欠点がある。
【0008】
上記の状況から、より簡便な構造を採用することにより製造工程が簡便でしかも熱抵抗が低くなる新規のモジュール構造体が特性と価格の両面からますます熱望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
現在パワーモジュールに用いられている標準的なモジュールは、0.635mm程度厚みを有する窒化アルミニウムなどといったセラミックス基板の両面に金属板を接合し、エッチング処理により回路基板化したものをチップとヒートシンクを半田付けして製造されるが、セラミックス基板の成型と焼成のプロセスがコスト高の大きな要因となっている。
【0010】
更に、セラミックス自体の熱伝導率が金属よりも一般的に低いことから、より厚みを薄くすることが熱特性の点から望まれている。
【0011】
本発明者は、上記の事情に鑑みて、新規構造のモジュール構造体を開発するべく種々検討した結果、前記従来技術の有する課題が解消され、高い放熱性を有し、しかも安価なモジュール構造体が容易に得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、アルミニウムを主成分とする金属の連続相と炭化珪素の連続相とからなる放熱板の一主面上に、絶縁層を介して、回路が設けられていることを特徴とする回路基板であり、好ましくは、前記絶縁層が、前記回路を形成する金属板を酸化又は窒化して得られたものであること、或いは、無機高分子を酸化、窒化又は熱分解して得られたものであることを特徴とする前記の回路基板である。
【0013】
又、本発明は、前記の回路基板を、放熱部材に接合してなることを特徴とするモジュール構造体である。
【0014】
本発明は、(1)回路用金属板を酸化又は窒化して少なくとも一主面に絶縁層を設ける工程、(2)予め形成した平板状の多孔質炭化珪素成形体の一主面上に、前記絶縁層が接するように、前記回路用金属板を配置し積層体とする工程、(3)容器内に前記積層体を配置し、容器内にアルミニウムを主成分とする金属を供給し、多孔質炭化珪素成形体中の空隙部にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させるとともに、回路用金属板が絶縁層を介して金属−セラミックス複合体に接合された一体化物を形成する工程、(4)前記一体化物の回路用金属板を加工して回路とする工程、を順次経ることを特徴とする回路基板の製造方法である。
【0015】
加えて、本発明は、(1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)回路用金属板の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴とする回路基板の製造方法である。
【0016】
更に、本発明は、(1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)前記金属−セラミックス複合体の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴とする回路基板の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らは従来のモジュール構造体の有する課題解消を目的にいろいろなモジュール構造について検討した結果、本発明のモジュール構造が高い放熱性を有し、しかも安価なモジュールを提供できるとの知見を得て、本発明に至ったものである。即ち、従来のセラミックス回路基板に代えて、アルミニウムを主成分とする金属の連続相と炭化珪素の連続相とからなる放熱板の一主面上に、絶縁層を介して、回路が設けられていることを特徴とする回路基板を用いることで、前記従来構造のモジュールの有する問題点を解消することができる。これは、主として、アルミニウムを主成分とする金属の連続相と炭化珪素の連続相とからなる放熱板が、回路上に搭載されるいろいろな電子部品と熱膨率が近いことに起因していると推察されている。
【0018】
更に、前記回路基板においては絶縁層の形成の仕方が重要であるが、本発明者の実験的検討に基づけば、回路を形成する金属の少なくとも一主面を酸化させ又は窒化させて絶縁層を得るとき、或いは、無機高分子を層状に被覆した後にこれを酸化、窒化又は熱分解させることで絶縁層を得るとき、いずれも電気絶縁性に優れた薄い被膜が得られ、従って熱伝導性にも優れるものが得られ、本発明の効果を一層容易に達成できることから好ましい。
【0019】
また、本発明のモジュール構造体は、前記特定の回路基板を用いているので、電子部品実装工程や実用条件下で受ける熱変動を受けても、半田クラックが発生しがたく、また、長期に渡って高い電気的信頼性を達成できる。
【0020】
本発明の回路基板、並びにモジュール構造体の作り方としては、従来公知の方法を組み合わせて、また、新たな工程を付加する等の工夫をすることで得ることができるが、次に例示する方法は、従来工程を大幅に変更することなく前記の回路基板を得ることができ、その結果、安価に高信頼性のモジュールを提供できる。
【0021】
本発明の第1の方法は、(1)回路用金属板を酸化又は窒化して少なくとも一主面に絶縁層を設ける工程、(2)予め形成した平板状の多孔質炭化珪素成形体の一主面上に、前記絶縁層が接するように、前記回路用金属板を配置し積層体とする工程、(3)容器内に前記積層体を配置し、容器内にアルミニウムを主成分とする金属を供給し、多孔質炭化珪素成形体中の空隙部にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させるとともに、回路用金属板が絶縁層を介して金属−セラミックス複合体に接合された一体化物を形成する工程、(4)前記一体化物の回路用金属板を加工して回路とする工程、を順次経ることを特徴とする。
【0022】
回路用金属板としては、一般に銅、アルミニウム、これらの合金、若しくは前記金属の複合板等が電気伝導性が良いことから選択されるが、この発明においては電気絶縁性に優れた絶縁層が得られることから、アルミニウム又はその合金を含んだ金属板が選択される。本発明の第1の工程では、前記回路用金属板の少なくとも一主面を酸化又は窒化して絶縁層を形成する。酸化又は窒化の条件は形成される絶縁層に所望される電気絶縁性、厚さ等を勘案して選択すれば良い。
【0023】
この方法における第2の工程は、(2)予め形成した平板状の多孔質炭化珪素成形体の一主面上に、前記絶縁層が接するように、前記回路用金属板を配置し積層体とする工程、である。絶縁層を多孔質炭化珪素成形体の一主面上に絶縁層が接するように配置することで、回路と放熱板との間に絶縁層が介在する回路基板を得ることができる。
【0024】
この方法の第3の工程は、(3)容器内に前記積層体を配置し、容器内にアルミニウムを主成分とする金属を供給し、多孔質炭化珪素成形体中の空隙部にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させるとともに、回路用金属板が絶縁層を介して金属−セラミックス複合体に接合された一体化物を形成する工程、である。即ち、多孔質炭化珪素成形体中にアルミニウムを主成分とする金属を含浸して金属−セラミックス複合体を形成することに併せて、回路用金属板とを接合一体化する。このとき、多孔質炭化珪素成形体中にアルミニウムを主成分とする金属を含浸する方法としては、高圧鋳造法、高圧鍛造法、低圧鋳造法、真空含浸法等いろいろな含浸方法が知られているが、高圧鍛造法は安価でしかも高品質の金属−セラミックス複合体が得やすいし、本発明の前記回路基板を得るにも好適である。
【0025】
この方法の第4の工程は、(4)前記一体化物の回路用金属板を加工して回路とする工程、であり、この工程では従来公知の方法、例えば、機械的加工法、湿式エッチング法、ドライエッチング法等が適用される。
【0026】
本発明の第1の方法では、前記(1)〜(4)の工程を順次経ることにより前記特徴のある回路基板が安定して提供できる。
【0027】
本発明の第2の方法は、(1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)回路用金属板の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴とする。この方法では、無機高分子を用い、これを層状に塗布し、酸化、窒化又は熱分解することで電気絶縁性に優れる薄い、従って熱伝導性に優れる絶縁層を得ることを特徴としており、これを反映して特に歩留まりよく前記回路基板を得ることができる。
【0028】
なお、前記無機高分子としては、シリコーン樹脂、ポリシラザン、シリカゾル等が挙げられるが、このうちポリシラザンを400〜500℃の温度範囲で熱分解した場合には電気絶縁性に優れた薄く緻密な被膜が得られるのでことに好ましい。
【0029】
また、本発明の第3の方法は、(1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)前記金属−セラミックス複合体の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴としている。この方法では、前記第2の方法における絶縁層を設ける場所を金属−セラミックス複合体の一主面上に設けることを特徴としている。本方法は、従来からの工程を大幅な変更をすることなく対応できる特徴があり、量産化する場合に好適である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例、比較例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
厚み0.4mmの純度99.9%以上のアルミ板について、その一主面に厚み100μmのアルマイト処理を行ったものを用意した。また、炭化珪素粉を有機バインダーにて成型固化された厚み3mmプリフォーム板を用意した。
【0032】
前記プリフォーム板とアルミ板とをアルマイト処理した面が間に挟まれるように配置した上で、金型内に設置した。金型を600℃に予備加熱し、800℃に加熱されたアルミ合金(12Si−0.5Mg−残Al)を高圧鍛造法にて含浸処理を行い、アルミニウム板が接合されたアルミニウム−炭化珪素複合材を作製した。
【0033】
次に、アルミニウム表面にレジスト材を所望の回路パターン形状でスクリーン印刷を行い、塩化第2鉄溶液にてエッチング処理を行い回路化し回路基板を得た。アルミニウム−炭化珪素複合材についてメッキ処理を行いモジュール構造体を得た(図1参照)。
【0034】
(実施例2)
炭化珪素粉を有機バインダーにて成型固化させた厚み3mmのプリフォーム板を用意した。上記のプリフォームを、所望の金型に設置した。金型を600℃に予備加熱し、800℃に加熱されたアルミ合金を高圧鍛造法にて含浸処理を行い、アルミニウム−炭化珪素複合材を作製した。
【0035】
次に、アルミニウム−炭化珪素複合材の一主面にクラリアントジャパン社製ポリシラザン溶液を所定量塗布し、窒素雰囲気中で400℃、60分加熱処理を行うことにより厚み100μmの窒化珪素層で構成される絶縁層を得た。
【0036】
次に絶縁層表面に厚み20μmのJIS呼称2017アルミニウム箔を搭載し、さらに厚み0.4mmの純度99.9%以上のアルミニウム板を搭載し、黒鉛治具で垂直方向に10MPaで加圧しながら10−2Paの真空中において630℃、4分の加熱処理を行いアルミニウム−炭化珪素複合体とアルミニウム板とを接合した。
【0037】
アルミニウム面に所望の回路パターン形状でレジストをスクリーン印刷し、塩化第2鉄溶液にてエッチング処理を行い回路化し回路基板とした。アルミニウム−炭化珪素複合材についてメッキ処理を行いモジュール構造体を得た(図2参照)。
【0038】
(実施例3)
炭化珪素粉を有機バインダーにて成型固化させた厚み3mmのプリフォーム板を用意した。上記のプリフォームを、所望の金型に設置した。金型を600℃に予備加熱し、800℃に加熱されたアルミ合金を高圧鍛造法にて含浸処理を行い、アルミニウム−炭化珪素複合材を作製した。
【0039】
次に、アルミニウム−炭化珪素複合材の一主面にクラリアントジャパン社製ポリシラザン溶液を所定量塗布し、次にこの塗布面に厚み0.4mmの純度99.9%以上のアルミニウム板を搭載し黒鉛治具で垂直方向に10MPaで加圧しながら空気中において400℃、60分の加熱処理を行いアルミニウム−炭化珪素複合体とアルミニウム板とを接合した。
【0040】
このアルミニウム面に所望の回路パターン形状でレジストをスクリーン印刷し、塩化第2鉄溶液にてエッチング処理を行い回路化して回路基板とした。アルミニウム−炭化珪素複合材についてメッキ処理を行い、実施例2と同じモジュール構造体を得た。
【0041】
(比較例)
セラミックス板の作成
酸化イットリウム粉5wt%含む窒化アルミニウム粉にポリビニルアルコール系バインダーと水を混合したものを用意した。次に押し出し成形法にて所定の厚みシート状に押し出し、プレス打ち抜き法にて所望の形状にシートを作成した。このシートを空気中400℃で加熱処理して有機成分を除去後、窒素雰囲気中で1800℃、1時間焼成してセラミックス焼結体を得た。
【0042】
アルミの接合と基板の作成
セラミックス焼結体両面に厚さ20μmのJIS呼称2017アルミニウム箔を搭載し、さらに0.4mm厚の純度99.9%以上のアルミニウム板を搭載し、黒鉛治具で垂直方向に10MPaで加圧しながら10−2Paの真空中において610℃、4分の加熱処理を行いAl板とAlN基板とを接合した。接合後、Al板表面の所望部分にエッチングレジストをスクリーン印刷して、塩化第二鉄溶液にてエッチング処理することにより回路パターンを形成し、メッキ処理を施してセラミックス回路基板を作製した。
【0043】
アルミニウム−炭化珪素複合材の作成
炭化珪素粉を有機バインダーにて成型固化させた厚み3mmのプリフォーム板を用意した。上記のプリフォームを、所望の金型に設置した。金型を600℃に予備加熱し、800℃に加熱されたアルミ合金を高圧鍛造法にて含浸処理を行い、アルミニウム−炭化珪素複合材を作成した。アルミニウム−炭化珪素複合材についてメッキ処理を行いアルミニウム−炭化珪素複合材によるヒートシンクを作成した。
【0044】
セラミックス基板とヒートシンクの接合
ヒートシンク上に基板と同サイズの厚み200μmの板状共晶半田を搭載し、その上に基板を載せ、不活性雰囲気中350℃の温度でリフローにより半田付けを行い図3に示すモジュール構造体を得た。
【0045】
前記モジュール構造体について、以下の手順で熱抵抗を測定し、その結果を表1に示した。
【0046】
<熱抵抗の測定方法>
モジュール表面の回路上に1cm角のヒーターシリコンチップを半田付けし、厚み0.05mmのグリースをヒートシンク裏面に塗布し、60℃の冷却水を通過させた冷却ユニットに固定した。そして、ヒーターシリコンチップへ100Wの電力供給することにより発熱させ、チップ温度と冷却水間の温度差を測定し、比較例における温度差を1として、実施例1〜3の温度差を熱抵抗相対値として測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
実施例1〜実施例3と比較例とを対照すれば明らかなとおりに、本発明の回路基板とそれを用いて得られたモジュール構造体は、熱膨張率が小さくしかも熱伝導率に優れるアルミニウム−炭化珪素複合体を基板に用いていることから、従来公知のものに比して、単純な構造を有し、放熱特性に優れしかも安価である特徴を有しているが明らかである。
【0049】
【発明の効果】
本発明の回路基板並びにモジュール構造体は、従来のセラミックス基板を用いたモジュール構造体よりもプロセスが簡略化され、また従来のセラミックス厚みよりも薄い絶縁膜を用いることにより放熱性が向上されていることから、産業上非常に有用である。
【0050】
本発明の回路基板の製造方法は、前記特徴のある回路基板を安定して供給することができるので、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る回路基板の断面図。
【図2】本発明の実施例2、実施例3に係る回路基板の断面図。
【図3】従来公知(比較例)のモジュール構造体の断面図。
【符号の説明】
1 アルミニウム−炭化珪素複合材(ヒートシンク)
2 絶縁層(回路板表面を酸化、窒化したもの)
3 回路
4 絶縁層(無機高分子を酸化、窒化又は熱分解したもの)
5 セラミックス基板
6 半田
Claims (7)
- アルミニウムを主成分とする金属の連続相と炭化珪素の連続相とからなる放熱板の一主面上に、絶縁層を介して、回路が設けられていることを特徴とする回路基板。
- 前記絶縁層が、前記回路を形成する金属板を酸化又は窒化して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
- 前記絶縁層が、無機高分子を酸化、窒化又は熱分解して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
- 請求項1、請求項2又は請求項3記載の回路基板を、放熱部材に接合してなることを特徴とするモジュール構造体。
- (1)回路用金属板を酸化又は窒化して少なくとも一主面に絶縁層を設ける工程、(2)予め形成した平板状の多孔質炭化珪素成形体の一主面上に、前記絶縁層が接するように、前記回路用金属板を配置し積層体とする工程、(3)容器内に前記積層体を配置し、容器内にアルミニウムを主成分とする金属を供給し、多孔質炭化珪素成形体中の空隙部にアルミニウムを主成分とする金属を含浸させるとともに、回路用金属板が絶縁層を介して金属−セラミックス複合体に接合された一体化物を形成する工程、(4)前記一体化物の回路用金属板を加工して回路とする工程、を順次経ることを特徴とする回路基板の製造方法。
- (1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)回路用金属板の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴とする回路基板の製造方法。
- (1)平板状の多孔質炭化珪素成形体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、金属−セラミックス複合体とする工程、(2)前記金属−セラミックス複合体の少なくとも一主面上に無機高分子からなる層を形成する工程、(3)回路用金属板と金属−セラミックス複合体とを、回路用金属板上の無機高分子からなる層を介して、積層する工程、(4)無機高分子からなる層を酸化、窒化又は熱分解して絶縁層とする工程、(5)回路用金属板を加工して回路とする工程、とからなることを特徴とする回路基板の製造方法。
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