JP2004014669A - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法と駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイドウォール8を備えた浮遊ゲート型不揮発性半導体記憶装置において、ドレイン拡散層7が浮遊ゲート電極3と部分的にオーバーラップしている。また、浮遊ゲート電極から半導体基板1へ電子を除去する際に、ゲート絶縁膜2の全面を電子が通過するトンネル電流を用いる。また、読み出し動作時に、半導体基板表面において、半導体基板とドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層9が浮遊ゲート電極のエッジおよびサイドウォール直下に達しないように、ドレイン拡散層の不純物濃度が設定されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置、特に浮遊ゲート型EEPROM(電気的に書き込み及び消去が可能な不揮発性半導体記憶装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンデュランス特性(書き換え回数特性)に優れたEEPROMの要望が強くなっている。このようなEEPROMは、音楽・画像・動画などを記録するメディアとして使用されたり、ICカードにおいて個人情報等の履歴などを記録するメモリーとして使用されたりする。
【0003】
なお、本明細書においてEEPROMの容量は限定されるものではないが、特に、消去単位が数百k〜数Mbit程の大ブロック、或いは数kbit程の中ブロックであるEEPROMと、1Byte(8bit)程の小ブロックであるEEPROMとに限定され、その区別が明確な場合のみ、前者をフラッシュEEPROM、後者をフルファンクションEEPROMと表記することとする。
【0004】
高エンデュランス特性を実現するには、とりわけ書き換え方式が重要となる。これを実現する書き換え方式として、書き込み・消去ともにゲート絶縁膜の全面を介して浮遊ゲート電極と半導体基板間で電子をトンネリングさせる方式がある。
【0005】
図5は、この書き換え方式を実現するEEPROMのゲート長方向における断面を示している。この装置は、図5に示されるように、第1導電型の半導体基板101上に形成されたゲート絶縁膜102と、ゲート絶縁膜102上に形成された浮遊ゲート電極103と、浮遊ゲート電極103上に形成された電極間絶縁膜104と、電極間絶縁膜104上に形成された制御ゲート電極105と、浮遊ゲート電極103の両端に位置し半導体基板101内に形成された第2導電型のソース拡散層106およびドレイン拡散層107と、ゲート絶縁膜102と浮遊ゲート電極103と電極間絶縁膜104と制御ゲート電極105とからなる積層ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォール108と、半導体基板101中の積層ゲート電極の両側に設けられた第2導電型のソース拡散層106およびドレイン拡散層107とを備えている。ここで、ゲート絶縁膜102には、通常、酸化膜が用いられる。
【0006】
図6は書き込み動作を示しており、この動作において電子は、半導体基板101からゲート絶縁膜102の全面を介して浮遊ゲート電極103にトンネリングする。
【0007】
図7は消去動作を示しており、この動作において電子は、浮遊ゲート電極103からゲート絶縁膜102の全面を介して半導体基板101へトンネリングする。
【0008】
このような書き込み動作と消去動作を組み合わせた書き換え方式においては、信頼性を劣化させるホールがほとんど発生しないので書き換え回数1万回程度の高エンデュランス特性を実現できる。
【0009】
なお、この書き換え方式は、NAND型フラッシュEEPROM、或いは、1セルが選択トランジスタとメモリトランジスタの2トランジスタから成るフラッシュEEPROMやフルファンクションEEPROM(特開2000−294658)、等で実現されている。
【0010】
しかし、この書き換え方式においても、数万回あるいは数十万回と書き換えを行っていくと、エンデュランス特性の劣化が見られる。その劣化現象の一つは、電子トラップの発生によりトランジスタのコンダクタンスが低下するというものである。
【0011】
1回の書き換え動作では、この電子トラップはトランジスタにとって非常に微小なダメージであるが、数万回あるいは数十万回の書き換え後ではダメージは蓄積され、無視できないほどのコンダクタンスの低下を引き起こす。その結果、消去状態にあるセルを読み出す際に、読み出し電流が小さくなるという問題を発生する。
【0012】
以下に、この電子トラップの発生メカニズムを説明する。
【0013】
この電子トラップは、書き込み動作よりも、電子が浮遊ゲート電極からゲート絶縁膜の全面を介して半導体基板へトンネリングする消去動作において多く発生する。
【0014】
また、発生箇所としては、浮遊ゲート電極103のゲート長方向における中心よりもエッジ近傍において多く発生する。これは、電子が浮遊ゲート電極103から半導体基板101へトンネリングする際に、浮遊ゲート電極103のエッジ部分が角張っているために形状起因による電界集中が起こり、その高電界で加速された電子がそのエッジ近傍のゲート絶縁膜102やサイドウォール108にトラップされるからである。
【0015】
以上のように、消去動作において浮遊ゲート電極103からゲート絶縁膜102の全面を介して半導体基板101へ電子をトンネリングさせる方法を利用する従来の不揮発性半導体記憶装置では、浮遊ゲート電極103のエッジ近傍において電子トラップが生じるために、例えば、書き換え回数1万回以上のエンデュランス特性を実現することが難しかった。
【0016】
そこで、このような構造の第1の従来型装置におけるエンデュランス特性の劣化を改善するために、図8および図9に示したような、書き換え時の電子トラップを抑制する第2の従来型装置が考えられている。
【0017】
図8に示す装置は、ゲート絶縁膜102のエッジ部を酸窒化することで、この箇所の浮遊ゲート電極103および半導体基板101とゲート絶縁膜102の界面に窒化酸化シリコン層102aを形成し、ゲート絶縁膜のエッジ部における劣化を抑制できるようにしたものである(特開平8−181229号)。
【0018】
図9に示す装置は、トンネル絶縁膜102を浮遊ゲート電極のエッジ近傍において局所的に厚膜化した構造を有しており、書き換え時のゲートエッジ部における電界集中を緩和することができ、その結果ゲート絶縁膜のエッジ部での劣化を抑制できるようにしたものである(特開平11−154711号)。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した第2の従来型の不揮発性半導体記憶装置では、その製造において製造工数が増えるという課題を有している。
【0020】
図8に示す装置においては、浮遊ゲート電極103とゲート絶縁膜102のゲート端における界面、および、半導体基板101とゲート絶縁膜102のゲート端における界面に、窒化酸化シリコン層102aを形成するために、積層ゲート電極形成後に酸窒化工程を追加する必要がある。
【0021】
図9に示す装置においては、浮遊ゲート電極103のエッジ部のみを酸化する工程を追加する必要があり、かつ、この工程を追加することによって微細化への対応が難しくなる。
【0022】
また、上記した第2の従来型装置では、書き換え動作時に発生するダメージの低減方法について対策されたものであるが、読み出し動作においてそのダメージがどのように作用するかについては考慮されていない。
【0023】
以下に、読み出し動作において、書き換えによりゲートエッジ近傍に発生した電子トラップがどのように作用してトランジスタのコンダクタンスの低下を引き起こすかについて説明する。
【0024】
図10は、読み出し状態に関して図示したものであり、図5に示された浮遊ゲート電極103のドレイン拡散層107側におけるエッジ近傍の拡大図を示している。
【0025】
図10に示すように、読み出し動作においてドレイン拡散層107と半導体基板101の境界であるpn接合部分は逆バイアス状態にあるので、その境界には半導体基板101側とドレイン拡散層107側に空乏層109が生じる。ここで、書き換えによりゲートエッジ近傍のゲート酸化膜102およびサイドウォール108に電子トラップ110が発生すると、半導体基板101表面において浮遊ゲート電極103のエッジ近傍に存在する空乏層109は、ドレイン拡散層107側のドレイン拡散層内部に拡がり、ドレイン拡散層107の抵抗上昇を引き起こす。この結果、トランジスタのコンダクタンスが低下することになる。
【0026】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、読み出し動作において、ドレイン拡散層側に生じる空乏層がドレイン拡散層内部に拡がらず、トランジスタのコンダクタンスが低下することを防止できる高エンデュランス特性の不揮発性半導体記憶装置を、製造工数を増やすことなく提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して形成された積層ゲート電極と、積層ゲート電極の両側の半導体基板内に形成されたソース拡散層およびドレイン拡散層と、積層ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォールとを備え、ドレイン拡散層は浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップしており、浮遊ゲート電極から半導体基板へ電子を除去する際に、ゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用い、読み出し動作時に、半導体基板表面において、半導体基板とドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層が浮遊ゲート電極のエッジおよびサイドウォール直下に達しないように、ドレイン拡散層の不純物濃度が設定されている。
【0028】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、浮遊ゲート電極とドレイン拡散層とのオーバーラップ部分におけるゲート長方向の長さが50nm以上であることが好ましい。
【0029】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置において、浮遊ゲート電極のエッジ直下におけるドレイン拡散層の不純物濃度が1.0×1018〜1.0×1019/cm3の範囲内であることが好ましい。
【0030】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して積層ゲート電極を形成する工程と、積層ゲート電極の両側の半導体基板内にソース拡散層およびドレイン拡散層を、少なくともドレイン拡散層が浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップするように形成する工程と、積層ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程とを備え、ゲート絶縁膜を形成する工程では、ゲート絶縁膜を、浮遊ゲート電極から半導体基板へ電子を除去する際にゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用いることが可能なように形成し、ドレイン拡散層を形成する工程では、ドレイン拡散層を、読み出し動作時に、半導体基板表面において、半導体基板とドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層が浮遊ゲート電極のエッジおよびサイドウォール直下に達しないような不純物濃度で形成する。
【0031】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、ドレイン拡散層を形成する工程は、イオン注入法を用い、ドーズ量が2.0×1013〜1.0×1014/cm2の範囲内で行うことが好ましい。
【0032】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法は、半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して形成された積層ゲート電極と、積層ゲート電極の両側の半導体基板内に形成されたソース拡散層およびドレイン拡散層と、積層ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォールとを備え、ドレイン拡散層は浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップしており、浮遊ゲート電極から半導体基板へ電子を除去する際に、ゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用いる不揮発性半導体記憶装置の駆動方法であって、読み出し動作時に、半導体基板表面において、半導体基板とドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層のうち、ドレイン拡散層側に延びる空乏層の幅が50nm以下となるように、ドレイン電圧を設定する。
【0033】
上記のような構成とすることにより、読み出し時に半導体基板とドレイン拡散層との境界に生じる空乏層が、書き換え時に発生し浮遊ゲート電極のエッジ近傍のゲート絶縁膜およびサイドウォールに存在する電子トラップとオーバーラップすることを抑えることができる。その結果、読み出しにおけるドレイン拡散層7の抵抗上昇を抑えることができ、トランジスタのコンダクタンスの低下を抑えることができる。特に、この電子トラップは高書き換え回数後に顕在化するので、高エンデュランス特性を実現できることになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態における不揮発性半導体記憶装置は、消去動作が浮遊ゲート電極からゲート絶縁膜の全面を介して半導体基板へ電子をトンネリングさせることによりなされるものを想定している。
【0035】
図1は、本実施形態によるEEPROMのゲート長方向における断面を示している。図1において、p型半導体基板1上に、ゲート絶縁膜2と浮遊ゲート電極3と電極間絶縁膜4と制御ゲート電極5がこの順に形成されて積層ゲート電極を構成し、この積層ゲート電極の側壁にはサイドウォール8が形成されている。さらに、p型半導体基板1内にはn型ソース拡散層6とドレイン拡散層7とが形成されている。
【0036】
ここで、メモリーのデータ読み出しの際には、p型半導体基板1とドレイン拡散層7とのpn接合部分において、半導体基板1側とドレイン拡散層7側に空乏層9が発生する。
【0037】
図2は、図1に示された浮遊ゲート電極3とドレイン拡散層7とのオーバーラップ部分における拡大図、およびドレイン拡散層7のp型半導体基板表面における不純物濃度(Nd)の分布を示している。
【0038】
図2において、ドレイン拡散層7と浮遊ゲート電極3とのオーバーラップのゲート長方向のサイズ(LOVR)は50nm以上であることが望ましい。これは、筆者らの実験の結果、書き換えにより浮遊ゲート電極3のエッジ近傍で発生する電子トラップは、ゲート絶縁膜2中においては浮遊ゲート電極のエッジより中心方向へ50nm程度の範囲まで拡がる可能性があることが明らかになったことによる。
【0039】
また、図2において、浮遊ゲート電極3のエッジ直下におけるドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)は1.0×1018〜1.0×1019/cm3の範囲内にあることが望ましい。ここで、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)が1.0×1018/cm3以上であることが望ましいのは、ドレイン拡散層7側の空乏層9がゲートエッジからサイドウォール8方向に延びていくのを、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を高くすることで抑えるためである。
【0040】
しかしながら、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を高くしすぎると、消去動作時にゲートエッジ近傍のドレイン拡散層7がほとんど空乏化しなくなり、この箇所における電界集中が顕著になる。これを防止するためには、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を1.0×1019/cm3以下にすることが望ましい。これは、筆者らの実験の結果、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を1.0×1019/cm3程度以下にすることで、消去動作時のゲートエッジ近傍における電界集中を十分に抑えられることが明らかになったためである。
【0041】
また、半導体基板1とドレイン拡散層7との境界に生じる空乏層9は、読み出し時のドレイン電圧にも大きく左右される。例えば、図2に示すようにLOVRを50nm以上に設定した場合、書き換えにより発生する電子トラップ10は浮遊ゲート電極3のエッジ直下に特に集中して存在するため、読み出し時にドレイン拡散層7側に生じる空乏層9の幅が50nm以下となるようにドレイン電圧を設定すれば良い。
【0042】
具体的に、読み出し時において、図2に示した空乏層9の拡がりを与えるようなドレイン電圧を設定することで、読み出し時に半導体基板1とドレイン拡散層7との境界に生じる空乏層9が、書き換え時に発生し浮遊ゲート電極3のエッジ近傍のゲート絶縁膜2およびサイドウォール8に存在する電子トラップ10とオーバーラップすることを抑えることができる。その結果、読み出しにおけるドレイン拡散層7の抵抗上昇を抑えることができ、トランジスタのコンダクタンスの低下を抑えることができる。特に、この電子トラップ10は高書き換え回数後に顕在化するので、高エンデュランス特性を実現できることになる。
【0043】
図3は、本実施形態によるEEPROMの製造方法を示している。
【0044】
まず図3(a)に示すように、p型半導体基板1上に、ゲート絶縁膜2、浮遊ゲート電極3、電極間絶縁膜4、制御ゲート電極5からなる積層ゲート電極を形成する。
【0045】
次に、図3(b)に示すように、n型不純物イオンを注入した後、このn型不純物を活性化させてソース拡散層6およびドレイン拡散層7を形成する。このときドーズ量を2.0×1013/cm2以上とすることで、図2に示すようにLOVRを50nmに設定することが可能である。
【0046】
また、ソース拡散層6およびドレイン拡散層7の深さを基板厚み方向において100nm程度とする場合には、n型不純物イオン注入のドーズ量を2.0×1013〜1.0×1014/cm2とすることで、図2に示すように、ドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を1.0×1018〜1.0×1019/cm3に設定することが可能である。
【0047】
次に、図3(c)に示すように、積層ゲート電極の側壁にサイドウォール8を形成し、その後、ソース拡散層6およびドレイン拡散層7内にn型の高濃度不純物をイオン注入して、配線とのコンタクト領域11を設ける。
【0048】
次に、本実施形態によって作製されたEEPROMのエンデュランス特性について説明する。
【0049】
図4では、横軸をドーズ量、縦軸を10万回書き換え後コンダクタンスの低下率(ΔGm)とし、パラメーターとして図3(b)におけるイオン注入のドーズ量をとっている。パラメーターにイオン注入のドーズ量をとっているのは、上記したように、ドーズ量により図2に示すドレイン拡散層7と浮遊ゲート電極3とのオーバーラップのゲート長方向のサイズ(LOVR)およびドレイン拡散層7の不純物濃度(Nd)を調整できるからである。
【0050】
図4は、エンデュランス特性を示すものであり、横軸にドーズ量、縦軸を10万回書き換え後のコンダクタンスの低下率(ΔGm)をとっている。パラメーターにイオン注入のドーズ量をとっているのは、前述したように、ドーズ量により図2に示すLOVRおよびNdを調整できるからである。
【0051】
図4に示すように、ほぼ2.0×1013/cm2を境としてそれ以上のドーズ量ではΔGmが小さく、かつドーズ量依存性も小さいが、ほぼ2.0×1013/cm2よりドーズ量が少なくなると、ΔGmが大きく、かつドーズ量依存性も急激に大きくなる。
【0052】
このことから、ドーズ量が2.0×1013/cm2以上であればΔGmが小さく、エンデュランス特性が優れたEEPROMを得ることができることがわかる。
【0053】
なお、先に説明したように、ドーズ量が1.0×1015/cm2程度まで増加するとNdが1.0×1019/cm3以上になるために、消去時にゲートエッジで電界集中が起こりエッジ近傍でのダメージが大きくなることから、ドーズ量の最適値は2.0×1013〜1.0×1014/cm2の範囲内である。
【0054】
以上のように、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置は、上記した第2の従来型の不揮発性半導体記憶装置のような複雑かつ工程数の多い製造方法を適用する必要がなく、ドレイン拡散層の不純物濃度の制御のみでトランジスタのコンダクタンスが低下することを防止できる高エンデュランス特性を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法と駆動方法によれば、読み出し動作において、ドレイン拡散層側に生じる空乏層がドレイン拡散層内部に拡がらず、トランジスタのコンダクタンスが低下することを防止できる高エンデュランス特性の不揮発性半導体記憶装置を、製造工数を増やすことなく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるEEPROMの断面図
【図2】本発明の一実施形態におけるEEPROMのドレイン近傍の断面およびドレイン拡散層の不純物濃度のプロファイルを示す図
【図3】本発明の一実施形態におけるEEPROMの製造方法を示す図
【図4】本発明の一実施形態におけるエンデュランス特性を示す図
【図5】第1の従来型装置におけるEEPROMの断面図
【図6】第1の従来型装置におけるEEPROMの書き込み動作を示す図
【図7】第1の従来型装置におけるEEPROMの消去動作を示す図
【図8】第2の従来型装置におけるEEPROMの断面図
【図9】
第2の従来型装置におけるEEPROMの断面図
【図10】第1の従来型装置におけるEEPROMの、読み出し時におけるドレイン拡散層近傍の断面図
【符号の説明】
1 p型半導体基板
2 ゲート絶縁膜
3 浮遊ゲート電極
4 電極間絶縁膜
5 制御ゲート電極
6 n型のソース拡散層
7 n型のドレイン拡散層
8 サイドウォール
9 読み出し時のp型半導体基板−ドレイン拡散層間空乏層
10 電子トラップ
11 コンタクト領域
Claims (6)
- 半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して形成された積層ゲート電極と、前記積層ゲート電極の両側の半導体基板内に形成されたソース拡散層およびドレイン拡散層と、前記積層ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォールとを備え、
前記ドレイン拡散層は前記浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップしており、
前記浮遊ゲート電極から前記半導体基板へ電子を除去する際に、前記ゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用い、
読み出し動作時に、前記半導体基板表面において、前記半導体基板と前記ドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層が前記浮遊ゲート電極のエッジおよび前記サイドウォール直下に達しないように、前記ドレイン拡散層の不純物濃度が設定されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記浮遊ゲート電極と前記ドレイン拡散層とのオーバーラップ部分におけるゲート長方向の長さが50nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記浮遊ゲート電極のエッジ直下における前記ドレイン拡散層の不純物濃度が1.0×1018〜1.0×1019/cm3の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して積層ゲート電極を形成する工程と、前記積層ゲート電極の両側の半導体基板内にソース拡散層およびドレイン拡散層を、少なくとも前記ドレイン拡散層が前記浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップするように形成する工程と、前記積層ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程とを備え、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、前記ゲート絶縁膜を、前記浮遊ゲート電極から前記半導体基板へ電子を除去する際に前記ゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用いることが可能なように形成し、
前記ドレイン拡散層を形成する工程では、前記ドレイン拡散層を、読み出し動作時に、前記半導体基板表面において、前記半導体基板と前記ドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層が前記浮遊ゲート電極のエッジおよび前記サイドウォール直下に達しないような不純物濃度で形成することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。 - 前記ドレイン拡散層を形成する工程は、イオン注入法を用い、ドーズ量が2.0×1013〜1.0×1014/cm2の範囲内で行うことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
- 半導体基板上に、ゲート絶縁膜と浮遊ゲート電極と電極間絶縁膜と制御ゲート電極と順次積層して形成された積層ゲート電極と、前記積層ゲート電極の両側の半導体基板内に形成されたソース拡散層およびドレイン拡散層と、前記積層ゲート電極の側壁に形成されたサイドウォールとを備え、
前記ドレイン拡散層は前記浮遊ゲート電極と部分的にオーバーラップしており、
前記浮遊ゲート電極から前記半導体基板へ電子を除去する際に、前記ゲート絶縁膜の全面を電子が通過するトンネル電流を用いる不揮発性半導体記憶装置の駆動方法であって、
読み出し動作時に、前記半導体基板表面において、前記半導体基板と前記ドレイン拡散層との接合部分に生じる空乏層のうち、前記ドレイン拡散層側に延びる空乏層の幅が50nm以下となるように、ドレイン電圧を設定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の駆動方法。
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