JP2004014641A - 洗浄装置、および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体供給口が気体保持室29に設けられ、気体保持室29は、この気体供給口に向かって次第に高くなっている天井部を有し、供給される気体を一時的に保持すると共に、液体を排出する液体排出用弁86が接続されている。気体供給口が気体を保持する気体保持室29に設けられ、かつ液体の流通を制限する液体流通制限部28によって洗浄室12から隔てられているので、洗浄室12から洗浄液が侵入し付着する畏れが少ない。また、洗浄液が気体保持室29内(気体供給口を含む)付着した場合に、気体保持室29にリンス液を供給し液体排出用弁52から排出することで、その内部をクリーニングできる。さらに、気体保持室の天井部が気体供給口に向かって次第に高くなっていることは、気体供給口に洗浄液が付着しにくくし、かつ気体保持室29内のクリーニングを容易性にする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板等洗浄対象の洗浄を行う洗浄装置および洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ等の基板を洗浄する洗浄装置が用いられている。洗浄室内に基板を保持して洗浄液を流入することにより、基板の洗浄が行われる。基板は洗浄後にリンス液でリンスされ、洗浄室内に供給された乾燥用の気体により乾燥される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、洗浄室内に気体を供給する気体供給口には洗浄液(あるいはその飛沫)が付着しがちである。気体供給口に洗浄液の成分が残留したままだと、この残留成分により基板が再汚染されるおそれがある。また、次に異なる洗浄液を用いたときに残留成分と新たな洗浄液とが反応し、この反応成分により基板が汚染される可能性もある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、気体供給口を清浄な状態に保ち易い洗浄装置、洗浄方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために本発明に係る洗浄装置は、洗浄対象が配置され、液体が流入する流入口と、液体が流出する流出口とを有する洗浄室と、前記洗浄室内に気体を供給する気体供給用弁と、前記気体供給用弁と接続された気体供給口と、該気体供給口に向かって次第に高くなっている天井部とを有すると共に、該気体供給用弁から供給される気体を一時的に保持する気体保持室と、前記気体保持室に接続され、該気体保持室から液体を排出する液体排出用弁と、前記洗浄容器と前記気体保持室との間に介在して、気体を流通させ、かつ液体の流通を制限する液体流通制限部と、を具備することを特徴とする。
【0005】
気体供給口が気体保持室に設けられている。気体保持室は、この気体供給口に向かって次第に高くなっている天井部を有し、供給される気体を一時的に保持すると共に、液体を排出する液体排出用弁が接続されている。
気体供給口は、気体を保持する気体保持室に設けられ、かつ液体の流通を制限する液体流通制限部によって洗浄室から隔てられているので、洗浄室から洗浄液が侵入し付着する畏れが少ない。また、洗浄液が気体保持室内(気体供給口を含む)に付着した場合、気体保持室にリンス液を供給し液体排出用弁を通じて排出することで、その内部をクリーニングできる。さらに、気体保持室の天井部が気体供給口に向かって次第に高くなっていることは、気体供給口に洗浄液を付着しにくくし、かつ気体保持室内のクリーニングを容易にする。
【0006】
(2)本発明に係る洗浄方法は、(1)の洗浄装置を用いて洗浄を行う洗浄方法であって、前記気体保持室内に気体を保持した状態で、前記流入口から洗浄液を流入させ、かつ前記流出口から前記洗浄液を流出させて、洗浄対象を洗浄処理する洗浄処理ステップ、を具備することを特徴とする。
気体保持室内に気体を保持した状態で、洗浄室内の洗浄対象を洗浄することで、洗浄室内ひいては気体供給口への洗浄液の付着を防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る洗浄システム100を表すブロック図である。本図に示すように、洗浄システム100は洗浄装置10、流体貯留槽30、待機循環系44、洗浄流体循環路51(供給路46、還流路47)、回収路80、リンス流体供給系54、乾燥流体供給系58等から構成される。
【0008】
洗浄装置10は、半導体ウエハW(以下、「ウエハW」という)等の洗浄対象を内部に保持し、洗浄流体32等による洗浄を行う装置である。後述するように、乾燥流体供給系58が洗浄装置10の液体排出路84に接続されていることで、洗浄装置10との接続部(気体供給口)の汚染を防止している。
流体貯留槽30は、ウエハWを洗浄するための洗浄流体32を貯留する貯留槽である。
待機循環系44は、流体貯留槽30内の洗浄流体32を一定状態に保つために洗浄流体32を循環させる循環路である。
供給路46および還流路47はそれぞれ、流体貯留槽30から洗浄装置10に洗浄流体32を供給、還流する供給路および還流路であり、併せて洗浄流体循環路51を構成する。
回収路80は、洗浄装置10内の洗浄流体32を流体貯留槽30に回収するための回収路であり、また洗浄装置10内の液体を洗浄システム100外部に排出するための排出路の一部でもある。
リンス流体供給系54は、洗浄装置10にウエハWをリンス処理するためのリンス流体を供給する供給路である。
乾燥流体供給系58は、洗浄装置10に乾燥流体(気体)を供給する供給路である。
【0009】
なお、ここでいう洗浄処理は、洗浄対象から汚染物質を除去する処理一般をいい、例えば、ウエハWにドライエッチングを施した後、またはドライエッチング後さらにアッシングを施した後に、不要となるマスクであるレジストやエッチング残滓を除去するのに用いることができる。また、ウエハ膜付け処理の前等に行なわれる通常の前洗浄処理等にも用いることができる。
【0010】
洗浄流体(洗浄液)32は、酸化剤、キレート剤およびフッ素化合物、必要に応じて有機溶剤を含有する洗浄剤を用いる。例えば、アンモニア(NH3)と過酸化水素水(H2O2)の混合物、或いは塩化水素(HCl)と過酸化水素水との混合物を用いることができ、レジスト除去には例えば濃硫酸と過酸化水素水との混合物を用いることができる。他に、希フッ酸(HF,H2O)、バッファードフッ酸(HF,NH4F,H2O)、硫酸過水(H2SO4,H2O3,H2O)や、CO2などの超臨界流体等も用いることができる。
洗浄後のリンス流体(リンス液)として、例えば、超純水を用いることができる。
【0011】
以下に、洗浄システム100を洗浄装置10等に区分して詳細に説明する。
A.洗浄装置10
図2は洗浄装置10を表す正面図である。また、図3、4はそれぞれ、洗浄装置10の一部を表す側断面図および正断面図である。
洗浄装置10は、洗浄処理容器12と、洗浄処理容器12の両端に接続された導入部14および排出部16を有する。
導入部14には、バッファ部18が接続されている。バッファ部18には1本の配管が分岐した導入配管20が、導入配管20には流体配管26が接続されている。流体配管26は供給路46に接続されている。
排出部16には、排出管27、液体流通制限部28、気体保持室29が順に接続されている。排出管27は、出口側二方弁52を通じて還流路47に接続されている。また、気体保持室29は、乾燥流体供給用二方弁57を通じて乾燥流体供給系58に、液体排出用二方弁86を通じて液体排出路84に接続されている。
ここで、洗浄処理容器12、導入部14および排出部16、ならびに、バッファ部18、導入配管20、排出管27、液体流通制限部28、および気体保持室29は、例えば、ステンレス、あるいはテフロン(ポリ四ふっ化エチレンの登録商標)材料により形成されている。
【0012】
洗浄装置10は、縦型であり、導入部14より導入された洗浄流体32が洗浄装置10の内部を上向きに流れ、排出部16より流出するように構成され、その内部(内部空間S)が本発明に係る洗浄室として機能する。洗浄装置10は、大気への開放箇所を有しない密閉系に構成されている。
なお、例えば、超臨界条件で洗浄する等の場合には、洗浄装置10を横置き形として、洗浄流体32を横方向に流通させてもよい。
【0013】
洗浄処理容器12は、図3中X方向の厚みT1、言いかえれば、2つの主面12a、12bの間の間隙の薄い扁平な直方体状に形成されている。
洗浄処理容器12は、X方向に対向する2つの主面12a、12bのいずれか一方が装置から着脱可能あるいは開閉可能に設けられている(図示せず。)。その結果、図示しないウエハ搬送装置を用いてウエハWを洗浄処理容器12内に搬入することができる。
洗浄処理容器12の主面12bには、ウエハWを保持するための保持具(以下、単に保持具という。)24a〜24cが取り付けられている。
【0014】
導入部14は、図2、3中、下方から上方(Z正方向)に向けて末広がりで、X方向に扁平な形状に形成されている。
バッファ部18は、円柱状であり、その両側には分岐した導入配管20が対向して接続されている。したがって、導入配管20からバッファ部18に流入する洗浄流体32は、Y方向中間部で衝突して合流し、流れの方向を上向きに変えて導入部14に流出する。
【0015】
排出部16は、洗浄処理容器12を挟んで導入部14と略対称形状に形成されている。すなわち、排出部16は、流入口(整流側流入口)から流出口(整流側流出口)に向けて漸次扁平度合いが大きくかつ逆末広がり状に形成されている。
排出部16に流入した洗浄流体32は排出管27、出口側二方弁52を通じて還流路47へと流出する。
【0016】
液体流通制限部28は、排出管27と気体保持室29とを接続する複数の流通孔を有し、気体保持室29から排出管27への気体(ガス)の流入を可能とし、かつ排出管27から気体保持室29への流体の流入を制限する。
図5は液体流通制限部28をZ方向から見た状態の一例を表す上面図である。図5(A)では液体流通制限部28aが細長いスリット状の流通孔を複数並べて形成されている(スリット状)。図5(B)では液体流通制限部28bが略円状の流通孔を点在して形成されている(シャワーヘッド状)。流通孔の大きさ(スリットの幅または円の直径)は、ほぼ1mm以下である。複数の流通孔の全面積が(排出管27から還流路47へと向かう流出口の面積に比べて)限定されていることから、液体が液体流通制限部28を流通しにくくなっている。これは、洗浄流体32が塊としてもあるいは飛沫としても排出管27から気体保持室29に到達することを制限することを意味する。
【0017】
気体保持室29は、乾燥流体供給系58から供給された乾燥流体を一時的に保持するものであり、液体流通制限部28の真上に形成され、内部が略円筒状である。気体保持室29の上部は円筒の中心に近づくほど天井の高さが高くなる、いわゆるドーム型をしており、このドームの最上部が乾燥流体供給用二方弁57を通じて乾燥流体供給系58に接続された気体供給口となっている。即ち、気体供給口は排出管27から鉛直方向に最も離れて位置する。
【0018】
以上を纏めると以下のようになる。
▲1▼気体保持室29は乾燥流体を一時的に保持する。これは、液体流通制限部28によって排出管27からの洗浄流体32の侵入が防止されることとも対応する。
▲2▼気体保持室29は、液体流通制限部28によって排出管27から隔てられている。
▲3▼気体供給口(気体保持室29)は排出管27からみて鉛直方向にある。
▲4▼気体供給口は気体保持室29内において排出管27から最も離れた位置にある。
【0019】
以上、▲1▼〜▲3▼はいずれも気体保持室29内への洗浄液の侵入防止ひいては気体供給口への洗浄流体32の付着防止に寄与し、▲4▼は気体供給口への洗浄流体32の付着防止に直接的に寄与する。
そして、この気体供給口への洗浄流体32の付着防止(気体保持室29内への洗浄液の侵入防止)は、乾燥流体供給系58から気体保持室29内に少量の乾燥流体の供給を継続することにより、さらに効果的になる。
以上のようにして、気体供給口への洗浄流体32の付着が防止され、気体供給口に付着した洗浄流体32の成分に起因する(成分そのものまたは他の組成の洗浄流体との反応物による)ウエハWの再汚染が防止される。
【0020】
気体保持室29の側面に液体排出用二方弁(バルブ)86を通じて液体排出路84に接続するための排出口が開口している。仮に気体保持室29内に洗浄流体32が侵入した場合には、供給路46を通じて気体保持室29内にリンス流体を流入させて液体排出路84から流出させることで、気体保持室29内から洗浄流体32を追い出すことができる。なお、この追い出しは、ウエハWのリンス処理後に行うのが好ましい。
気体保持室29の上部がドーム状であることは、上記▲4▼により気体供給口への洗浄流体32の付着防止および気体保持室29内に付着した洗浄流体32の成分の効果的除去の双方に寄与する。
【0021】
B.待機循環系44
待機循環系44は、以下のようにして流体貯留槽30内の洗浄流体32を一定状態に保つための循環を行っている。
【0022】
流体貯留槽30は密閉されて、内部には洗浄流体32が貯留されてN2気体などの不活性雰囲気になされている。この洗浄流体32が不足すると、補給系34を介して洗浄流体32が補給される。
流体貯留槽30には、循環用のポンプ36、洗浄流体32の温度調整を行なう温調器38、洗浄流体32中の不純物を除去するフィルタ40及び開閉弁42を順次介設して再度、流体貯留槽30へ戻る待機循環系44が接続されている。待機中には待機循環系44内で洗浄流体32を循環させて、温調器38により洗浄流体32の温度を一定に維持しつつフィルタ40により洗浄流体32中の例えば粒状の不純物を除去するようになっている。
【0023】
C.洗浄流体循環路51(供給路46、還流路47)
供給路46、還流路47は、以下のようにして、流体貯留槽30から洗浄装置10への洗浄流体32の供給および還流を行う。
【0024】
待機循環系44と洗浄装置10とを接続して、洗浄流体32を洗浄装置10へ供給するための供給路46が設けられている。供給路46には、流量調整弁48、入口側三方弁50、後述する回収用三方弁82が順に接続されている。
また、洗浄装置10と流体貯留槽30とを接続して、洗浄流体32を流体貯留槽30へ戻すための還流路47が設けられ、出口側二方弁52および排出用三方弁56が接続されている。
【0025】
洗浄装置10は外気から密閉された構造となっているため、供給路46と還流路47により、流体貯留槽30と洗浄装置10の間で洗浄流体32を外気に晒すことなく循環する洗浄流体循環路51が形成されている。
なお、上記供給路46は、待機循環系44に接続せずに、流体貯留槽30と洗浄装置10を直接接続してもよい。
【0026】
D.リンス流体供給系54、回収路80、乾燥流体供給系58
リンス流体供給系54、乾燥流体供給系58、回収路80は、以下のように、洗浄装置10に接続されている。
【0027】
入口側三方弁50には、リンス流体として例えば超純水を外気に晒すことなく供給するためのリンス流体供給系54が接続され、洗浄装置10にリンス流体を供給する。
回収用三方弁82には、洗浄装置10内に残留する液体(洗浄流体32またはリンス流体)を流体貯留槽30に回収または気液分離器70から排出するための回収路80が接続されている。
流体貯留槽30と回収路80の途中には排出路88に接続された回収/排出切替用三方弁90が配置され、排出路88は気液分離器70に接続されている。回収/排出切替用三方弁90を切り替えることで、洗浄装置10内から回収用三方弁82を経由して流出してくる液体を流体貯留槽30に回収するか(洗浄流体32の場合)、または気液分離器70から排出するか(特にリンス流体の場合)を切り替えることができる。
なお、洗浄流体32またはリンス流体の回収または排出に際しては、後述する乾燥流体供給系58等により洗浄装置10内に回収用流体(N2ガス等)が供給される。
【0028】
洗浄装置10(具体的には気体保持室29)に接続された乾燥流体供給用二方弁57には、N2ガスやアルコールの蒸気などの乾燥流体を外気に晒すことなく供給するための乾燥流体供給系58が接続されている。この乾燥流体供給系58には、その上流側より、流体の流量を調整するレギュレータ60、流体中の不純物を除去するフィルタ62及び開閉弁66により選択的に供給されるアルコールを気化させる気化器64が順次介設されている。
一方、気体保持室29に液体排出用二方弁86を通じて接続された液体排出路84は、後述する気液分離器70に接続されている。
【0029】
リンス流体供給系54及び乾燥流体供給系58を洗浄流体循環路51に接続することによって、洗浄装置10内さらには配管内も同時にリンスして乾燥することができる。
なお、排出用三方弁56には、不用な液体や気体を排出させる排出系68が接続されており、この排出系68には気液分離器70を介設して気体と液体とを分離して、液体をドレインとして系外へ排出するようになっている。
【0030】
E.供給制御部65
これら処理流体、リンス流体、乾燥流体、及び回収用流体を選択的に連続供給するように制御するため、供給制御部65が設けられている。入口側三方弁50、出口側二方弁52等は供給制御部65によって制御される。洗浄流体32は、供給制御部65によって制御可能な入口側三方弁50等を介して流体貯留槽30から流入し流出する。
【0031】
(洗浄システム100の動作)
以下に洗浄システム100の動作について説明する。図6は、洗浄システム100の動作手順の1例を示すフロー図である。本図に示すように、洗浄システム100による洗浄手順は、大きくウエハWの搬入(ステップS1)、洗浄処理(ステップS2)、リンス処理(ステップS3)、乾燥処理(ステップS4)、ウエハWの搬出(ステップS5)に区分することができる。
【0032】
洗浄する時の洗浄流体32の温度、言いかえれば、ウエハWの温度は、常温〜80℃程度とし、適宜の手段により所定の温度に保持する。この温度は、エッチングの条件等に応じて適宜選択する。
なお、何ら洗浄処理を行わない待機中のときには、流量調整弁48を閉状態とし、待機循環系44を駆動してこの系内に流体貯留槽30内の洗浄流体32を循環させて、温調器38で洗浄流体32の温度を所定の温度に維持して化学的に安定化させておくと同時に、この洗浄流体32中の不純物をフィルタ40により取り除く。
【0033】
(1)未処理のウエハWを洗浄装置10内へ搬入する(ステップS1)。
具体的には、洗浄処理容器12の主面12aまたは主面12bを開き、図示しないウエハ搬送装置を用いてウエハWを洗浄処理容器12内に搬入する。そして、ウエハWの周縁を保持具24a〜24cで保持して、ウエハWを洗浄処理容器12に固定する。
ウエハWを保持したら、洗浄処理容器12を液密に閉じ、内部空間S(洗浄室)内を密閉状態とする。
【0034】
(2)洗浄流体32により洗浄装置10(洗浄処理容器12)内のウエハWを洗浄する(ステップS2)。
この洗浄ステップS2は、ステップS21〜S23に区分される。
▲1▼気体保持室29内への乾燥流体の供給(ステップS21)
乾燥流体供給用二方弁57を通じて乾燥流体供給系58から気体保持室29内にN2ガス等の乾燥流体を少量供給する。供給された乾燥流体は気体保持室29内に保持され、気体保持室29内に洗浄流体32が侵入するのを防止する。なお、このとき液体排出用二方弁86は閉じられている。
気体保持室29内への乾燥流体の供給はその後も必要に応じて継続することができる。乾燥流体の供給(少量でよい)を継続することで、気体保持室29内に洗浄流体32が侵入するのをさらに防止できる。
【0035】
▲2▼洗浄処理容器12への洗浄流体32の供給(ステップS22)
洗浄流体循環路51の入口側三方弁50、出口側二方弁52を、洗浄流体が流れるように開き、流体貯留槽30の洗浄流体32をポンプ36で、例えば、50L/s程度の流量に調整しながら、供給路46を介して洗浄装置10(流体配管26)に送出する。洗浄処理中は、洗浄装置10内を通過した洗浄流体32は、還流路47を通じて流体貯留槽30内へ戻り循環使用される。
【0036】
流体配管26を通った洗浄流体32は、導入配管20、バッファ部18を経由して洗浄処理容器12内に流出する。
洗浄処理容器12に流入した洗浄流体32は、ウエハWの両面に沿って上方に流れ、ウエハWに付着等した汚染物質を除去する。
以上のウエハWの洗浄時において、気体保持室29内に乾燥流体(気体)が保持され、さらに液体排出用二方弁86は閉じられているので、気体保持室29ひいては気体供給口への洗浄流体32の侵入(付着)が防止される。このため、気体供給口に付着した洗浄流体32の成分が後の工程でウエハWに再付着しウエハWが再汚染される危険性が低減する。
【0037】
▲3▼洗浄処理容器12からの洗浄流体32の排出(ステップS23)
洗浄処理が完了したら、洗浄流体32の供給を停止して、乾燥流体供給用二方弁57を開放する(気体保持室29への少量の乾燥流体の供給が継続している場合には、その供給量を増大させる)。
乾燥流体供給系58から気体保持室29を経由して洗浄処理容器12に回収用流体としてN2ガス等の乾燥流体が流入する。これにより洗浄処理容器12内部や配管類に溜っている洗浄流体32を追い出して、回収路80を経由してこれを流体貯留槽30に回収する。
なお、洗浄流体32の回収は、別に設けた回収用流体供給系を用いて行ってもよい。
【0038】
(3)リンス処理(ステップS3)。
このステップS3は、ウエハWのリンス処理(ステップS31)、気体保持室29内のリンス処理(ステップS32)、リンス流体の排出(ステップS33)の3ステップに区分できる。
▲1▼ウエハWのリンス処理(ステップS31)
リンス流体により洗浄装置10内のウエハWを洗浄する。即ち、内部空間Sに超純水などのリンス流体を流すことによりウエハ表面に付着している洗浄流体32を洗い流してリンスを行なう。
具体的には、乾燥流体供給用二方弁57を閉じて、入口側三方弁50をリンス流通側に切り替え、これと同時に排出用三方弁56を排出側に切り替える。洗浄装置10に例えば超純水よりなるリンス流体を供給し、ウエハ表面等に付着している洗浄流体を洗い流す。この洗い流したリンス流体は、排出系68を通じて気液分離器70内に流入し、ここで液体と気体とに気液分離された後、系外へ排出される。
【0039】
このとき、気体保持室29内には先のステップS23で洗浄流体32の排出に用いられた乾燥流体が保持されている。このため、ウエハWのリンスに用いられたリンス流体(少なくともリンス処理の初期には洗浄流体32が混入している)が気体保持室29内に侵入し、気体保持室29内ひいては気体供給口に洗浄流体32の成分が付着する可能性が低減する。
なお、乾燥流体供給用二方弁57を完全に閉じるのではなく、気体保持室29内への乾燥流体の少量の供給を継続することで、気体保持室29内へのリンス流体(洗浄流体32の成分を含む可能性のある)の侵入をより効果的に防止できる。
【0040】
▲2▼気体保持室29内のリンス処理(ステップS32)
リンス流体により気体保持室29内をリンス処理する。この処理は、ウエハWのリンス処理が充分に行われて、出口側二方弁52から気液分離器70に排出されるリンス流体に洗浄流体32の成分がほとんど含まれなくなってから行われる。
具体的には、出口側二方弁52を閉じて、これと同時に液体排出用二方弁86を開く。気体保持室29内を洗い流したリンス流体は、液体排出路84を通じて気液分離器70内に流入し、ここで液体と気体とに気液分離された後、系外へ排出される。
なお、このステップS32は必ず行わねばならないものではない。全く行わないか、あるいはウエハWの洗浄を行う数ロット毎に1回程度行ってもよい。気体保持室29内に何らかの理由で洗浄流体32等が付着する可能性がある場合に、気体保持室29内に付着した洗浄流体32等を除去するために行われる。
【0041】
▲3▼気体保持室29および洗浄処理容器12からのリンス流体の排出(ステップS33)
ステップS32の気体保持室29内のリンス処理が完了したら、気体保持室29および洗浄処理容器12からリンス流体を排出する。
具体的には、入口側三方弁50を操作してリンス流体の供給を停止し、乾燥流体供給用二方弁57を開く。乾燥流体供給用二方弁57を開くと同時に回収用三方弁82を回収側に、回収/排出切替用三方弁90を排出側にそれぞれ切り替える。
乾燥流体供給系58から気体保持室29を経由して洗浄処理容器12に回収用流体としてN2ガス等の乾燥流体が流入する。これにより洗浄処理容器12内部や配管類に溜っているリンス流体を追い出して、排出路88を経由してこれを気液分離器70に排出する。なお、リンス流体の排出は、別に設けた排出用流体供給系を用いて行ってもよい。
このステップS34におけるリンス流体の排出により、この後のステップS4におけるリンス流体の乾燥処理をより効率的に行なうことができる。
【0042】
(4)洗浄装置10内のウエハW(および気体保持室29内面)を乾燥する(ステップS4)。
▲1▼例えば、洗浄装置10内にイソプロピルアルコール(IPA)等の蒸気アルコールを流す。具体的には、N2ガスを供給した状態で、開閉弁66を開にすることにより、アルコールを気化器64内で気化させてN2ガス中に混入させる。
これにより、気化アルコールが洗浄装置10内(気体保持室29内および洗浄処理容器12内)に供給される。その結果、洗浄処理容器12内のウエハW表面(気体保持室29内をリンス処理したときには気体保持室29内面も)に付着するリンス流体の表面張力が破られて液滴ができ難い状態となり、乾燥し易くなる。
【0043】
▲2▼更に、N2ガス等を流すことにより、ウエハW表面(及び洗浄処理容器12内面)を完全に乾燥させる。即ち、気化アルコールの供給を停止し、N2ガスのみを流し続けてウエハ面及び洗浄装置10内の乾燥を行なう。
この場合、N2ガスを加熱してホットN2ガスとして流すことにより、乾燥処理時間を短縮することができる。
【0044】
(5)洗浄処理済のウエハWを洗浄装置10内から搬出する(ステップS5)。
具体的には、洗浄処理容器12の主面12aまたは主面12bを開き、保持具24a〜24cによるウエハWの固定を解除して、図示しないウエハ搬送装置を用いて洗浄処理が施されたウエハWを洗浄処理容器12内から搬出する。
【0045】
以上説明した本実施の形態例に係る基板の洗浄装置および洗浄方法は、気体供給口への洗浄流体32の成分の付着を防止し、また付着した場合にはその成分を除去することで、洗浄流体32の成分によるウエハWの再汚染を防止することができる。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記実施形態には限られず拡張、変更できる。拡張、変更された実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、対象として半導体ウエハ等の基板に限定することなく、ガラス基板等も含めた洗浄対象一般を用いることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば気体供給口を清浄な状態に保ち易い洗浄装置、洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗浄システムを表すブロック図である。
【図2】図1に示す洗浄装置を拡大して表す正面図である。
【図3】図1に示す洗浄装置の一部を拡大して表す側断面図である。
【図4】図1に示す洗浄装置の他の一部を拡大して表す正断面図である。
【図5】液体流通制限部をZ方向から見た状態の一例を表す上面図である。
【図6】本発明に係る洗浄装置による洗浄の手順を表すフロー図である。
【符号の説明】
100…洗浄システム、 10…洗浄装置、 12…洗浄処理容器、 12a、12b…主面、 14…導入部、 16…排出部、 18…バッファ部、 20…導入配管、 24a〜24c…保持具、 26…流体配管、 27…排出管、28…液体流通制限部、 29…気体保持室、 30…流体貯留槽、 32…洗浄流体、 34…補給系、 36…ポンプ、 38…温調器、 40…フィルタ、 42…開閉弁、 44…待機循環系、 46…供給路、 47…還流路、48…流量調整弁、 50…入口側三方弁、 51…洗浄流体循環路、 52…出口側二方弁、 54…リンス流体供給系、 56…排出用三方弁、 57…乾燥流体供給用二方弁、 58…乾燥流体供給系、 60…レギュレータ、 62…フィルタ、 64…気化器、 65…供給制御部、 66…開閉弁、 68…排出系、 70…気液分離器、 72…洗浄処理容器、 80…回収路、 82…回収用三方弁、 84…液体排出路、 86…液体排出用二方弁、 88…排出路、 90…回収/排出切替用三方弁
Claims (8)
- 洗浄対象が配置され、液体が流入する流入口と、液体が流出する流出口とを有する洗浄室と、
前記洗浄室内に気体を供給する気体供給用弁と、
前記気体供給用弁と接続された気体供給口と、該気体供給口に向かって次第に高くなっている天井部とを有すると共に、該気体供給用弁から供給される気体を一時的に保持する気体保持室と、
前記気体保持室に接続され、該気体保持室から液体を排出する液体排出用弁と、
前記洗浄室と前記気体保持室との間に介在して、気体を流通させ、かつ液体の流通を制限する液体流通制限部と、
を具備することを特徴とする洗浄装置。 - 前記液体流通制限部が、前記洗浄室と前記気体保持室とを繋ぐ複数の流通孔を有する
ことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。 - 前記気体供給弁が前記気体保持室の上方に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。 - 前記液体流通制限部が、前記洗浄室内の下方に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。 - 請求項1に記載の洗浄装置を用いて洗浄を行う洗浄方法であって、
前記気体保持室内に気体を保持した状態で、前記流入口から洗浄液を流入させ、かつ前記流出口から前記洗浄液を流出させて、洗浄対象を洗浄処理する洗浄処理ステップ、
を具備することを特徴とする洗浄方法。 - 前記洗浄処理ステップが、前記気体供給用弁を通じて、前記気体保持室内に気体を供給するステップを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の洗浄方法。 - 前記気体保持室内に気体を保持した状態で、前記流入口からリンス液を流入させ、かつ前記流出口から前記リンス液を流出させて、前記洗浄処理ステップで洗浄された洗浄対象をリンス処理するリンス処理ステップと、
前記液体排出用弁を通じて、前記気体保持室内から前記リンス液を排出するリンス液排出ステップ
をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の洗浄方法。 - 前記気体供給用弁を通じて、前記洗浄室内に乾燥用気体を供給し、前記リンス処理ステップでリンス処理された前記洗浄対象を乾燥する乾燥ステップ
をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の洗浄方法。
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