JP2004014521A - スライド操作型スイッチ - Google Patents

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前田 卓矢
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Abstract

【目的】 誤動作を防止し、快適な操作感を得られる節度機構を備えたスライド操作型スイッチを提供する。
【構成】 ケースの内壁またはスイッチ要素を設けた基板に節度付与用突起を設
け、該節度付与用突起に対面するケースの内部に揺動自在に支持された揺動部材
を設け、該揺動部材に支持されかつ前記節度付与用突起に向かって弾性付勢され
た節度付与部材を設け、前記スライダーには前記揺動部材を揺動駆動する駆動部
を設けた構成とし、節度付与部材が節度付与用突起の中間で停止することがない
ようにして、スイッチのオンオフが確実にされるようにした。
【選択図】    図1

Description

 本発明は、スライド操作型スイッチに係わり、特に誤動作を防止することが可能な、かつ操作感の良い節度機構に関する。
 従来のスライド操作型スイッチにおいては、図5に示されるような節度機構が多用されている。このものは、ケース51と基板53との間に、スライダー55が前記ケースの壁面によって案内されながらスライド可能に収納されている。基板53の上面にはスイッチ要素の一方である固定接点52が、スライダー55の下面にはスイッチ要素の他方である可動接点54が取り付けられいる。前記ケースの上面には長孔56が設けてあり、ケースの外面に設けられた操作用のつまみ57と前記スライダー55が連結されている。前記ケース51の前記スライダー55に対向する位置の内面58には例えば断面が三角形状の複数の凹部59が、スライダー55の移動方向に並んで形成されている。一方、前記スライダー55の上面には深い孔60が穿設されており、コイルバネ61が収納されている。このコイルバネ61の先端には鋼球62が取り付けられており、スライダー55がケース51内に収納された状態では、コイルバネ61に弾性付勢された鋼球62がスライダー55の上面から突出してケース51の内面58に圧接されている。そして、この鋼球62は、スライダー55の移動にともない前記した凹部59に落ち込む。スライダー55の移動中は、鋼球62が凹部59に落ち込んだ時も含めて、鋼球62が孔60から脱落しないように、ケース51の内面58とスライダー55の上面との間の距離が適正に決定されている。操作者がつまみ57を操作するに伴ってスライダー55が移動し、鋼球61が凹部58に落ち込んだときに、操作者は指先に軽い手ごたえを感じるが、これがいわゆる節度感である。スライダー55が移動するにともない、可動接点54が固定接点52と選択的に接続され、スイッチの切り替え動作が行われるが、このスイッチ切り替え動作と同期して節度感が感じられるように上記の各部分の位置関係が決定されている。スイッチが例えばオン、オフのふたつの状態の切り替えを行うものである場合、ふたつの凹部59が設けられ、オンオフの一方の状態の時に鋼球62が一方の凹部59に落ち込んだ状態にあるように設定されている。そして、オンオフの他方の状態に向けてつまみ57をスライド操作したときに、鋼球62はそれまで係合していた一方の凹部59から脱出し、ふたつの凹部間のケース内面58に圧接された状態で移動した後もう他方の凹部59に係合する。スライダー55は移動前後の位置が規制されており、鋼球62がふたつの凹部59の間を越えて移動しないようになっている。操作者は節度感を感知することにより、スイッチの操作を完了したことを認識できる。
 上記従来のスライド操作型スイッチの節度機構においては、凹部59間には平坦な部分が存在するので、操作者があわてて不確実な操作をした場合には、鋼球62がその平坦部分に接している状態、即ちスイッチのオンオフの中間位置でスライダー55が停止してしまう誤動作が発生するという問題があった。
 本発明の目的は、前記従来技術の問題点を克服し、誤動作を防止し得る節度機構を備えたスライド操作型スイッチを提供することにある。
 以上説明したように、本発明によれば、スライド操作型スイッチに係る節度機構を、一方は突起とし、他方を揺動部材に支持されかつ弾発付勢された節度付与部材としたので、オンオフの中間位置で停止することがない確実な操作が可能となる。
 上記課題を解決するための第1の解決手段として、ケースと、ケースに収納された基板と、該基板に設けられたスイッチ要素と、前記ケースにスライド可能に保持され、且つ、前記スイッチ要素をオンオフさせるスライダーと、前記ケースに設けられた開口を通して前記スライダーにつまみと、前記ケースの内壁、または前記基板上に設けられた節度付与用突起と、該節度付与用突起に対向する前記ケースの内壁、または前記基板に揺動自在に支持された揺動部材と、該揺動部材に支持され、且つ、前記節度付与用突起に向けて弾発された節度付与用部材と、前記スライダーに設けられて、前記揺動部材を揺動駆動する駆動部とからなる節度機構を備え、前記スイッチ要素は、内部に収納された可動接点を駆動する作動子を外部に露出し、前記スライダーには、前記作動子を駆動するスイッチ駆動部が設けられた構成とした。
 また、第2の解決手段として、前記スライダーには、スライド方向に沿う側板に切り欠き形状の前記駆動部が前記ケースの天面側に設けられると共に、前記スイッチ駆動部が前記基板側に設けられ、前記駆動部には前記揺動部材の前記被駆動軸が係止された構成とした。
 また、第3の解決手段として、前記節度付与用突起が前記ケースの内壁に設けられると共に、前記揺動部材の支軸が前記ケースの側壁に係止され、前記スライダーが移動した際、前記駆動部に係止された前記被駆動軸の動きに伴って、前記揺動部材が前記支軸を支点として揺動するようにした構成とした。
 以下、本発明の一実施例によるスライド操作型スイッチに係る節度機構を図面により詳細に説明する。
 図1は本発明の節度機構を採用したスライドスイッチを含む製品の関連する部分を図示した分解斜視図である。図2はスライドスイッチのケースの内面を下から見上げた平面図。図3、図4はスライドスイッチの動作を示す一部断面図である。
 図1において、1はケース、2はプリント基板、3はスライダー、4はつまみである。ケース1にはその外面1aに平面形状が略長方形の浅い凹部1bが形成され、その凹部1bの中央には長孔1cが穿設されている。ケース1の天面1dには図2に示されるように、前記長孔1cの長辺に平行に一対の側壁1e、1eが前記長孔1cをはさんで一体に形成されている。
 側壁1e、1eの下端(図2の紙面に対して手前)には一対の凹部1f、1fが形成されている。前記天面1d上には側壁1e、1eの中間部分の前記長孔1cから少し離れた位置に、一条の幅細の節度付与用突起1gが、側壁1eと平行にかつその頂点を前記一対の凹部1f、1fを結ぶ直線上になるようにして形成されている。
 プリント基板2上にはスイッチ要素であるプッシュスイッチ5が取り付けられている。プッシュスイッチ5は内部に図示しない固定接点と可動接点とが収納され、可動接点を駆動する作動子5aが外部に露出している。該作動子5aは図示しないバネによって外方にバネ付勢されており、バネの付勢力に抗して作動子5aを駆動することにより、スイッチをオンすることができる。プリント基板2は、その表面を前記ケース1の前記側壁1e、1eの下端を当接させて図示しない固定手段により前記ケース1に取り付けられている。
 スライダー3は、概略細長い箱型を呈し、前記ケース1の天面1dと側壁1e、1e及び前記プリント基板2の表面によって画成される空間に、前記側壁1eに沿ってスライド可能に収容されている。スライダー3には、スライド方向に沿う側板3a、3aが形成されている。該側板3a、3aの対向する位置には切り欠き形状の駆動部3b、3bが設けられ、更に前記プリント基板2側にあって前記プッシュスイッチ5の前記作動子5aを駆動するスイッチ駆動部3cが設けられている。スライダー3の幅は前記したケース1の側壁1e、1e間の寸法とほぼ同じに設定され、その最大高さは前記ケース1の天面1dと前記プリント基板2の表面との距離より少なくなるように設定されて、前記空間内で著しいガタが発生しないようにされている。
 つまみ4は、前記ケース1の外に露出しかつケース1の前記凹部1b内で移動可能な、操作者の操作に使用される操作部4bと、可能ケース1の前記長孔1cを貫通する軸部4aとからなっている。前記軸部4aの先端は前記スライダー3に固定されており、その結果、操作者がつまみ4をスライド操作すると、スライダー3も同時にスライド移動する。前記つまみ4及びスライダー3の移動範囲は前記つまみ4の前記軸部4aの側壁が前記ケース1の長孔1cの短辺側壁に当接することで規制されている。
 揺動部材6は、前記ケース1の前記天面1dと前記側壁1e、1e、及びプリント基板2の表面で囲まれる空間に収容されており、かつ前記スライダー3の一対の前記側板3aの間に位置している。揺動部材6には、スライダー3の側板3a、3aに対面する両側面の上部に被駆動軸6aが設けられており、スライダー3の前記側板3aの下方で前記ケース1の前記側壁1e、1eと対面する両側面の下部には支軸6bが形成されている。前記揺動部材6の前記被駆動軸6a、6aは前記スライダー3の側板3a、3aに形成された前記切り欠き形状の駆動部3b、3bに係止され、前記支軸6b、6bは前記ケース1の側壁1e、1eの下端に形成された前記凹部1f、1fに係止されており、その結果揺動部材6は、スライダー3のスライド移動にともなって、支軸6b、6bを支点として揺動する。揺動部材6には上方に開口する深孔6cが穿設されており、該深孔6cには巻き線バネ7が収納され、該巻き線バネ7の末端に鋼球8が載置されており、鋼球8は巻き線バネの付勢力によって前記ケース1の内面1dに設けられた前記節度付与用突起1gに強く押しつけられている。前記スライダー3のスライド移動にともなって、前記鋼球8は前記節度付与用突起1g上を移動する。
 上記の本発明による一実施例のスライド操作型スイッチの節度機構の動作を図3、図4によって説明する。
 図3はスイッチ要素即ちプッシュスイッチ5がオフの状態を示しており、揺動部材6は左側に傾倒しており、鋼球8はケース1の節度付与用突起1gの左側の斜面上の始点に静止している。始点の位置は、弾性付勢された鋼球8が節度付与用突起1gの左の斜面にあることから、揺動部材6、スライダー3及びつまみ4が左側に付勢されている一方、つまみ4の軸部4aがケース1の長孔1cの左側短辺側壁に当接することによって定まっている。プッシュスイッチ5の作動子5aはバネ付勢されて十分な長さが外部に突出している。
 操作者が巻き線バネ7による左方向への付勢力に抗してつまみ4を図の右側にスライド移動させると、スライダー3が右側に移動をし、揺動部材6が右側に揺動を開始する。揺動部材6の揺動にともない鋼球8が節度付与用突起1gの左側斜面を移動し、節度付与用突起1gの頂点に達した後、つまみ4の軸部4aがケース1の長孔1cの短辺側壁に当接して鋼球8が停止する終点位置に到達するが、頂点に達したとき鋼球1gは十分に圧縮された巻き線バネ7の強い付勢力を受けており、また揺動自在な揺動部材6に支持されているため、右方に向けた操作者がわずかな力を追加しても、巻き線バネ7の付勢力によって一気に終点位置まで達することが出来、途中で止まってしまうことがない。もし操作者が操作の初期の段階で操作を中止したときは、巻き線バネ7の付勢力によって鋼球8が節度
付与用突起1gの左側斜面を左側に移動して始点位置まで戻り、その結果つまみ4及びスライダー3も初期の状態に戻ってしまう。従って、スイッチがオンとオフの定位置のいずれかに必ず落ちつくことができる。また、操作の中点を過ぎるとバネの付勢力で一気に終点に達するので、軽快な節度感が得られる。
 図4は操作の終了時、即ちスイッチ要素であるプッシュスイッチ5がオンの状態を示している。このとき、つまみ4及びスライダー3は、巻き線バネ7によって右方向へ付勢され、つまみ4の軸部4aがケース1の長孔1cの右側短辺側壁に当接する事により、定められた終点位置に停止している。そして、プッシュスイッチ5の作動子5aはスイッチ内部のバネ付勢力に抗して深く内部に進入し、図示しない可動接点が固定接点に接続してスイッチがオンの状態に達している。
 スイッチオンからオフにする操作にともなう動作は上記の説明中の動作と基本
的に同じなので省略する。
 以上説明したように、本発明によれば、スイッチのオンオフ操作が確実に行われ、また明快な操作感を得ることが出来る。
 以上の本発明を採用した一実施例の説明においては、スイッチ要素をプッシュスイッチに限定して説明したが、スイッチ要素としてはこの他にスライドスイッチを使用することもできるし、前記のスライダーに可動接点を、前記プリント基板に固定接点を形成した構成であっても良い。また、プリント基板に代えて単なる基板もしくはケースの一部を適用しても良い。また、節度付与用突起をケースの天面に設ける場合を説明したが、ケースの天面に代えて側壁または基板上に形成しても良い。この場合、揺動部材は上記実施例中の支持構造を応用してケースの対向する面に揺動自在に支持すれば良い。更に、節度付与部材を鋼球に限定して説明したが、鋼球に限らず、他の金属またはプラスチック製の球体であっても良く、もしくは節度付与用突起上の移動がスムーズに行い得るような、例えば一部を曲面に曲げた金属薄板や一部に曲面を設けたプラスチック成形品であっても良い。更に節度付与部材に一体に弾性部を形成して巻き線バネを省略しても良い。また、揺動部材の揺動の支持構造として、揺動部材に支軸の代わりに孔を設ける一方でケースの方に支軸を設けても良い。また、ケースでなく、基板上に揺動部材の支軸を係止するようにしても良い。スライダーによる揺動部材の駆動構造として、前述の構造に代えて、スライダーに支軸を設ける一方で揺動部材に凹部を設ける構造としても良い。つまみとスライダーの結合をつまみの軸で行うことを説明したが、結合は他の構造を採用して良く、つまみとスライダーを一体で形成しても良い。スライダーの移動範囲の規制は他の構造によっても良い。例えばケースとスライダーが当接する事により規制しても良い。または、節度付与用突起の両端に例えば三角形状の凹部を形成し、節度付与部材がその凹部に落ち込むことによって規制しても良い。
本発明の節度機構の一実施例を採用したスライドスイッチを含む製品の関連する部分を図示した分解斜視図である。 本発明の節度機構の一実施例を採用したスライドスイッチのケースの内面を下から見上げた平面図。 本発明の節度機構の一実施例の動作の始点を示す縦断面図。 本発明の節度機構の一実施例の動作の終点を示す縦断面図。 従来のスライドスイッチの節度機構を示す断面図
符号の説明
 1 ケース
 1c 長孔(開口)
 1d 天面(内壁)
 1e 側壁(内壁)
 1g 節度付与用突起
 2 基板
 3 スライダー
 3b 凹部(駆動部)
 4 つまみ
 5 プッシュスイッチ(スイッチ要素)
 6 揺動部材
 8 鋼球(節度付与部材)

Claims (3)

  1. ケースと、ケースに収納された基板と、該基板に設けられたスイッチ要素と、前記ケースにスライド可能に保持され、且つ、前記スイッチ要素をオンオフさせるスライダーと、前記ケースに設けられた開口を通して前記スライダーにつまみと、前記ケースの内壁、または前記基板上に設けられた節度付与用突起と、該節度付与用突起に対向する前記ケースの内壁、または前記基板に揺動自在に支持された揺動部材と、該揺動部材に支持され、且つ、前記節度付与用突起に向けて弾発された節度付与用部材と、前記スライダーに設けられて、前記揺動部材を揺動駆動する駆動部とからなる節度機構を備え、前記スイッチ要素は、内部に収納された可動接点を駆動する作動子を外部に露出し、前記スライダーには、前記作動子を駆動するスイッチ駆動部が設けられたことを特徴とするスライド操作型スイッチ。
  2. 前記スライダーには、スライド方向に沿う側板に切り欠き形状の前記駆動部が前記ケースの天面側に設けられると共に、前記スイッチ駆動部が前記基板側に設けられ、前記駆動部には前記揺動部材の前記被駆動軸が係止されたことを特徴とする請求項1記載のスライド操作型スイッチ。
  3. 前記節度付与用突起が前記ケースの内壁に設けられると共に、前記揺動部材の支軸が前記ケースの側壁に係止され、前記スライダーが移動した際、前記駆動部に係止された前記被駆動軸の動きに伴って、前記揺動部材が前記支軸を支点として揺動するようにしたことを特徴とする請求項2記載のスライド操作型スイッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018101526A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 操作入力装置
JP2021033245A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 入力装置
WO2021039489A1 (ja) * 2019-08-29 2021-03-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 入力装置

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