JP2004013499A - 紙幣処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で幅の異なる複数種類の紙幣の安定した識別処理を行うことができる紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】幅の異なる複数種類の紙幣P、Qに対応した幅を有する複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60に形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】幅の異なる複数種類の紙幣P、Qに対応した幅を有する複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60に形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機、両替機、パチンコ玉貸機、メタル貸機等に使用される紙幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に紙幣(クーポン券等を含む)を取り扱う自動販売機等の機器本体内には、投入された紙幣の真偽を判別するとともに、真券と見なされた紙幣のみを蓄積収容するようにした紙幣処理装置が装着されている。
【0003】
この紙幣処理装置は大別すると、装置本体の正面に配設され、紙幣投入口が一か所形成されたフロントマスクと、このフロントマスクの紙幣投入口から投入された紙幣を装置本体内へ案内する紙幣通路及び紙幣搬送手段と、案内搬送された紙幣の真偽を判別する紙幣識別手段と、真券とみなされた紙幣を順次積載収容するスタッカとから構成されている。
【0004】
図11は従来の紙幣処理装置1を示す要部破断概念側面図である。
【0005】
この紙幣処理装置1は、矩形状の装置本体2から構成されており、その正面下方には一つの紙幣投入口3が形成されたフロントマスク4が着脱自在に装着されている。
【0006】
なお、この紙幣投入口3が形成されたフロントマスク4は図示せぬ自動販売機等の機器の正面を構成する扉に形成されたフロントマスク取付孔からその先端、即ち紙幣投入口3が外部へ露出するように取り付けられる。
【0007】
一方、このフロントマスク4に形成された紙幣投入口3の直後には、当該紙幣投入口3から紙幣が投入されたか否かを判断する紙幣検出センサー5が配設されている。
【0008】
またこの紙幣投入口3に連通して装置本体2内にはL字形状の紙幣通路6が形成され、このL字形の紙幣通路6には、当該L字形の紙幣通路6に沿って投入紙幣を搬送する紙幣搬送ベルト7からなる紙幣搬送手段8が配設されている。なお、この紙幣搬送手段8の搬送ベルト7を回転駆動するベルト駆動手段は駆動モータ9等から構成されている。
【0009】
一方、上述した紙幣通路6の下流には当該紙幣通路6を開閉するシャッター手段10が配設され、またそのシャッター手段10直後に位置する紙幣通路6の下流には、投入された紙幣の真偽を判別する磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11が配設されている。
【0010】
この磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11は紙幣通路6の幅方向に沿って固定設置されており、そのため常に通過する紙幣のある特定位置のみの磁気的、光学的変化を検出し、それにより通過する紙幣の真偽を判別するようにしている。
【0011】
このような紙幣処理装置1では、紙幣投入口3内に紙幣を投入すると、フロントマスク4内に配設された紙幣検出センサー5により投入紙幣の有無が検出され、その検出信号に基づき反時計方向へ正転する紙幣搬送ベルト7により、投入紙幣は紙幣通路6に沿って図面の右方向へ水平搬送される。
【0012】
一方、投入紙幣が紙幣搬送ベルト7の正転(反時計方向への回転)により紙幣通路6に沿って下流へ搬送され、紙幣識別手段11を通過すると、当該紙幣識別手段11によりその投入紙幣の真偽が判定される。
【0013】
そして、この紙幣識別手段11により投入紙幣が偽券と判断されると、紙幣搬送ベルト9が反転(時計方向へ回転)して、当該投入紙幣を紙幣投入口3から返却する。
【0014】
一方、投入紙幣が紙幣識別手段11により真券と判断されると、その検出信号に基づき紙幣搬送ベルト7の正転が持続され、その後、装置本体2の背面に着脱自在に配設されたスタッカ12側へ搬送され、そこで真券とみなされた投入紙幣は押圧板等からなる周知の紙幣収容手段を介し1枚ずつスタッカ12内に積載収容される。
【0015】
なお、この紙幣収容手段は駆動モータ13等により駆動される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の紙幣処理装置1では、紙幣幅が相異なる2種類の紙幣の識別処理を行う場合もある。
【0017】
その場合、紙幣投入口3の幅は、幅の異なる投入紙幣の挿入を許容させるため、紙幣幅の最も大きい紙幣(以下単に幅広紙幣と言う)に合わせて形成するが、幅の狭い紙幣を紙幣投入口3に投入する場合は、その紙幣を紙幣投入口3の一方の端部に沿わせて位置決め投入することが必要である。
【0018】
なんとならば、前述したように、磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11は紙幣通路6の幅方向に沿ったある特定位置に固定設置され、それより通過する紙幣の特定位置の磁気的、光学的変化を検出してその真偽を判別するようにしているから、幅の狭い紙幣(以下幅狭紙幣という)の真偽を判別する場合、常にその紙幣の特定位置が紙幣識別手段11を通過することが必要で、そのためには利用者が幅狭紙幣を紙幣投入口3の基準位置、すなわち上述したように例えば紙幣投入口3の一方の端部に沿わせて位置決め投入することが必要である。
【0019】
しかしながら、このような幅狭紙幣を投入する際の基準位置の指定は、その操作を全て利用者に委ねるため、その基準位置に幅狭紙幣を位置決めする際の誤りも多く、このため頻繁に幅狭紙幣の識別誤認を発生し、真券であるにもかかわらず幅狭紙幣の返却を繰り返す難点がある。
【0020】
このような難点を解消するため、幅狭紙幣が投入された際には、紙幣通路の一端を幅方向へスライド移動させ、それにより幅狭紙幣の搬送中にその投入初期位置の補正を行い、これにより幅狭紙幣の特定位置が常に紙幣識別手段11を通過させることも考えられるが、そうすると紙幣通路の一端をスライド移動させるための機構およびその駆動システムが複雑となり、コスト高や装置の大型化を招来する難点がある。
【0021】
また紙幣通路の幅方向全面に渡ってイメージセンサ、ラインセンサ等の識別手段を配設することにより、投入基準位置の設定を不要にすることも考えられるが、その場合の識別システムも非常に複雑となりコスト高となる難点がある。
【0022】
この発明は上述した事情に鑑み、簡単な構造で幅の異なる複数種類の紙幣の安定した識別処理を行うことができる紙幣処理装置を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この発明では、投入紙幣の真偽を判別する紙幣処理装置において、幅の異なる複数種類の紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成するようにしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる紙幣処理装置の一実施例を詳述する。
【0025】
図1はこの発明に係わる紙幣処理装置のフロントマスク20を示す拡大正面図である。
【0026】
このフロントマスク20では、その正面20aに紙幣を投入する紙幣投入口が、処理対象となる紙幣幅の異なる2種類の紙幣に対応して上下平行に2箇所形成されている。
【0027】
このうち下方に形成された第1の紙幣投入口21は幅広紙幣専用の紙幣投入口であり、その幅は取り扱う幅広紙幣の幅よりも若干大きく形成されている。
【0028】
また上述した第1の紙幣投入口21と平行に上方に形成された第2の紙幣投入口22は幅狭紙幣専用の紙幣投入口で、その幅は取り扱う幅狭紙幣の幅よりも若干大きく形成されている。
【0029】
一方、図1のAA断面で示す図2のように、幅広紙幣を取り扱う第1の紙幣投入口21直後には紙幣通路21aが連通し、また幅狭紙幣を取り扱う第2の紙幣投入口22直後には紙幣通路22aが連通している。
【0030】
そして、これら幅広紙幣が通過する紙幣通路21aと幅狭紙幣が通過する紙幣通路22aはフロントマスク20内の下流でそれぞれ合流し、従来の一本の紙幣通路6に連通している。
【0031】
なお、上述した紙幣通路21a、22aの幅はそれぞれの紙幣に対応した幅となっており、また紙幣通路21aと紙幣通路6の幅は同一サイズに設定されている。
【0032】
一方、上述した紙幣通路21aと紙幣通路22aとの合流地点23には、紙幣振分レバー24が軸25を中心に回動自在に支承され、さらにこの紙幣振分レバー24は軸25に巻回されたコイルバネ26の作用により紙幣通路6側からみて常時紙幣通路22aの下流端を閉塞している。
【0033】
従って、この紙幣振分レバー24によると、第2の紙幣投入口22内に幅狭紙幣が投入されると、その紙幣はその投入力により紙幣振分レバー24を軸25を中心に時計方向へ回転させ、これにより紙幣通路22aの終端を解放するので、その後、幅狭紙幣は一本の紙幣通路6内に投入されて装置本体内に搬送されることとなる。
【0034】
一方、幅狭紙幣が紙幣通路6内から返却されると、その紙幣は紙幣振分レバー24により幅の広い紙幣通路21a側に案内され、その後、第1の紙幣投入口21から返却される。また、幅広紙幣が紙幣通路6内から返却され場合も、その幅広紙幣は紙幣振分レバー24により紙幣通路21aに案内され、第1の紙幣投入口21から返却される。
【0035】
すなわち、上述した紙幣振分レバー24によると、幅狭紙幣と幅広紙幣の双方とも、返却の際は紙幣通路21aに案内され、第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。従って、幅広紙幣が誤って紙幣通路22a内へ返却され、それにより幅狭紙幣が投入される第2の紙幣投入口22で幅広紙幣が詰まることもない。
【0036】
一方、図2のBB断面で示す図3のように、第1の紙幣投入口21と第2の紙幣投入口22のそれぞれ直後には投入紙幣を検出する紙幣検出センサー30、40が配設されている。
【0037】
このうち、幅広紙幣が投入される第1の紙幣投入口21の直後に配設された紙幣検出センサー30は、その幅方向両端部にそれぞれ配設され、独立して回転する一対のレバー31、32と、このレバー31、32の回転を検知する一対のホトインタラプタスイッチ33、34とから構成されている。
【0038】
また幅狭の紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の直後に配設された紙幣検出センサー40は、その幅方向両端部にそれぞれ配設され、一体的に回転する一対のレバー41、42と、このレバー41、42の回転を検知する一つのホトインタラプタスイッチ43とから構成されている。
【0039】
なお、上述したホトインタラプタスイッチ33、34、43を搭載した基板50は、紙幣通路21a、22a(図2)の上方に位置するフロントマスク20内に配設され、第1の紙幣投入口21あるいは第2の紙幣投入口22内から悪戯により液物が投入された場合の被害を最小限とするようにしている。
【0040】
このように、幅広紙幣が投入される第1の紙幣投入口21の直後に配設された一対のレバー31、32と、このレバー31、32の回転を検知する一対のホトインタラプタスイッチ33、34とから構成された紙幣検出センサー30によると、幅広紙幣が第1の紙幣投入口21内に投入された場合は、一対のレバー31、32が同時に回転するので、一対のホトインタラプタスイッチ33、34の双方がオンし、そのため図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動し、その幅広紙幣を装置本体内に搬送することとなる。
【0041】
一方、第1の紙幣投入口21内に幅狭紙幣が投入された場合は、一対のレバー31、32のうち、その一方のみしか回転せず、そのため一対のホトインタラプタスイッチ33、34のうちのいずれか一方のみしかオンしないので、図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動せず、このため幅狭紙幣が第1の紙幣投入口21内に誤って投入されても、その幅狭紙幣は装置本体内に搬送されることはなく、このため第1の紙幣投入口21内からの幅狭紙幣の投入が防止される。
【0042】
また幅狭紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の幅は、そもそも取り扱う幅広紙幣の幅よりも狭く形成されているから、当該第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣が投入されることはない。
【0043】
一方、幅狭の紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の直後には一体的に回転する一対のレバー41、42と、このレバー41、42の回転を検知する一つのホトインタラプタスイッチ43からなる紙幣検出センサー40が配設されているから、幅狭紙幣が第2の紙幣投入口22内に投入された場合は、一対のレバー41、42が同時に回転して一つのホトインタラプタスイッチ43がオンするので、その検出信号を受けて図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動し、その幅狭紙幣を装置本体内に搬送することとなる。
【0044】
なお、上述した第1と第2の紙幣投入口21、22を形成したフロントマスク20は、図11に示す従来のフロントマスク4と同一サイズでしかも、装置本体2に対する取り付け位置等も同一位置に形成されているので、図4に示すように、に、従来のフロントマスク4に変えて、第1と第2の紙幣投入口21、22を形成したフロントマスク20を装置本体2に簡単に付け替えて、本願発明に関わる紙幣処理装置60とすることができる。
【0045】
なお、図4で図11と同一部分を同一符号で示す。
【0046】
次に、上述したフロントマスク20を装着した本願発明に関わる紙幣処理装置60の作用を、まず幅狭紙幣を使用する場合について説明する。
【0047】
図1に示す第1の紙幣投入口21内に幅狭紙幣Sを投入すると、当該幅狭紙幣Sの幅Lは、第1の紙幣投入口21内に配設された紙幣検出センサー30を構成する一対のレバー31、32間の幅Mよりも狭い(S<M)ので、幅狭紙幣Sにより一対のレバー31、32を同時に回転させることはできず、従って、幅狭紙幣Sを第1の紙幣投入口21内に投入しても紙幣搬送手段は駆動されないので、第1の紙幣投入口21内への幅狭紙幣Sの投入が阻止されることとなる。
【0048】
一方、この幅狭紙幣Sを第2の紙幣投入口22内に投入すると、当該幅狭紙幣Sの幅Lは、第2の紙幣投入口22内に配設された紙幣検出センサー40を構成する一対のレバー41、42間の幅Nよりも大きい(S>N)ので、図5で示すように、幅狭紙幣Sは一対のレバー41、42を同時に回転させ、これにより紙幣搬送手段8を駆動する。
【0049】
一方、図5で示すように、幅狭紙幣Sが第2の紙幣投入口22内に投入され、その投入力により紙幣振分レバー24が軸25を中心に時計方向へ回転し、紙幣通路22aの終端を解放すると、幅狭紙幣Sの先端は一本の紙幣通路6の始端に到達し、そこから回転する紙幣搬送ベルト7により紙幣通路6の下流へ搬送される。
【0050】
なお、紙幣通路22aは幅狭紙幣Sの幅に合わせて形成されているので、幅狭紙幣Sは紙幣通路22aを通過する際に、その傾きが補正された状態で紙幣通路6内に案内されるので、幅狭紙幣Sが紙幣識別手段11を通過する際には、幅狭紙幣Sは偏位することなく、その特定位置が常に紙幣識別手段11を通過するので、その安定した識別処理が行えることとなる。
【0051】
なお、幅狭紙幣Sが紙幣通路22a及び紙幣通路6を搬送される際に、幅狭紙幣Sは図1に示す第2の紙幣投入口22により、予めその投入初期位置が規定されているので、各利用者によって、その投入初期位置がずれることはなく、従って、図6で示すように、幅狭紙幣Sが紙幣識別手段11を通過する際は、その幅狭紙幣Sの常に特定位置が紙幣識別手段11を通過するので、幅狭紙幣Sの安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0052】
なお、上述した紙幣識別手段11により幅狭紙幣Sが真券と判断されると、当該幅狭紙幣Sは、紙幣通路6のさらに下流へ搬送され、その後、スタッカ12内に蓄積収容されることとなる。
【0053】
一方、紙幣識別手段11により幅狭紙幣Sが偽券と判断されると、図7で示すように紙幣搬送手段8の紙幣搬送ベルト7が反転し、幅狭紙幣Sを紙幣投入口側へ返却しようとするが、その際、常時紙幣通路22aの下流端を閉塞する紙幣振分レバー24により紙幣通路21a側へ案内され、このため幅狭紙幣Sであっても第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。
【0054】
次に幅広紙幣を使用する場合について説明する。
【0055】
利用者が、図1に示す第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣Pを投入すると、当該幅広紙幣Pの幅Qは第2の紙幣投入口22の幅Rよりも当然広い(Q>R)ので、第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣Pを投入することはできず、このため利用者は第1の紙幣投入口21内に幅広紙幣Qを投入することとなる。
【0056】
一方、この幅広紙幣Qを第1の紙幣投入口21内に投入すると、当該幅広紙幣Pの幅Qは、第1の紙幣投入口21内に配設された紙幣検出センサー30を構成する一対のレバー31、32間の幅Mよりも大きい(Q>M)ので、図8で示すように、幅広紙幣Pは一対のレバー31、32を同時に回転させ、これにより紙幣搬送手段8を駆動する。
【0057】
一方、図8で示すように、幅広紙幣Pが第1の紙幣投入口21内に投入されると、その先端が紙幣通路21aの終端から一本の紙幣通路6の始端に到達し、そこから回転する紙幣搬送ベルト7により紙幣通路6の下流へ搬送される。
【0058】
なお、紙幣通路21a及び紙幣通路6は最初から幅広紙幣Pの幅に合わせて形成されているので、その間で幅広紙幣Pが偏位することはなく、そのため図9で示すように、幅広紙幣Pが紙幣識別手段11を通過する際は、その幅広紙幣Pの常に特定位置が紙幣識別手段11を通過するので、幅広紙幣Pの安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0059】
なお、上述した紙幣識別手段11により幅広紙幣Pが真券と判断されると、当該幅広紙幣Pは、紙幣通路6のさらに下流へ搬送され、その後、スタッカ12内に蓄積収容されることとなる。
【0060】
一方、紙幣識別手段11により幅広紙幣Pが偽券と判断されると、図10で示すように紙幣搬送手段8の紙幣搬送ベルト7が反転し、幅広紙幣Pを紙幣投入口側へ返却しようとするが、その際、常時紙幣通路22aの下流端を閉塞する紙幣振分レバー24により紙幣通路21a側へ案内され第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。
【0061】
なお、上記実施例では、紙幣幅の異なる紙幣として幅広紙幣Pと幅狭紙幣Sの二種類の紙幣を取り扱う場合に、フロントマスク40にそれぞれ上述した幅広紙幣Pと幅狭紙幣Sの各幅に対応したに二つの紙幣投入口21、22を形成する場合について詳述したが、この発明は上述した実施例に限定されることなく、幅の異なる3種類以上の紙幣を取り扱う紙幣処理装置に適用しても良く、その場合は取り扱うことのできる幅の異なる複数種類の紙幣の数に対応した数の紙幣投入口をフロントマスクに形成すれば良く、また紙幣を返却する場合は、全ての紙幣を複数の紙幣投入口のうち最も幅の広い紙幣投入口へ導く紙幣振分レバーを各複数の紙幣投入口に連通し、独立して形成された紙幣通路の下流端に配設すれば良い。 なお上記実施例では前記複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60の装置本体2に着脱自在に装着されるフロントマスク20に形成したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60の装置本体2に形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の紙幣処理装置では、幅の異なる紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成するようにしたから、利用者が幅の異なる各紙幣を投入する場合に、予めその投入初期位置が対応する紙幣投入口の幅により規定されているので、各利用者によって、紙幣投入口内に紙幣を投入する際に、その投入初期位置がずれることはなく、従って、各紙幣が紙幣識別手段を通過する際は、その紙幣の特定位置が常に紙幣識別手段を通過するので、幅の異なる各紙幣の安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0063】
また、フロントマスクに幅の異なる紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成する場合は、その構造が簡単であり安価に提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係わる紙幣処理装置のフロントマスクの正面図。
【図2】図2は図1のAA断面図。
【図3】図3は図2のBB断面図。
【図4】図4はこの発明に係わる紙幣処理装置の要部破断面図。
【図5】図5は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図6】図6は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図7】図7は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図8】図8は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図9】図9は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図10】図10は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図11】図11は従来の紙幣処理装置を示す要部破断面図。
【符号の説明】
2…装置本体
6…一本の紙幣通路
20…フロントマスク
21、21…紙幣投入口
21a、22a…独立した紙幣通路
24…紙幣振分レバー
30、40…紙幣検出センサー
60…紙幣処理装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機、両替機、パチンコ玉貸機、メタル貸機等に使用される紙幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に紙幣(クーポン券等を含む)を取り扱う自動販売機等の機器本体内には、投入された紙幣の真偽を判別するとともに、真券と見なされた紙幣のみを蓄積収容するようにした紙幣処理装置が装着されている。
【0003】
この紙幣処理装置は大別すると、装置本体の正面に配設され、紙幣投入口が一か所形成されたフロントマスクと、このフロントマスクの紙幣投入口から投入された紙幣を装置本体内へ案内する紙幣通路及び紙幣搬送手段と、案内搬送された紙幣の真偽を判別する紙幣識別手段と、真券とみなされた紙幣を順次積載収容するスタッカとから構成されている。
【0004】
図11は従来の紙幣処理装置1を示す要部破断概念側面図である。
【0005】
この紙幣処理装置1は、矩形状の装置本体2から構成されており、その正面下方には一つの紙幣投入口3が形成されたフロントマスク4が着脱自在に装着されている。
【0006】
なお、この紙幣投入口3が形成されたフロントマスク4は図示せぬ自動販売機等の機器の正面を構成する扉に形成されたフロントマスク取付孔からその先端、即ち紙幣投入口3が外部へ露出するように取り付けられる。
【0007】
一方、このフロントマスク4に形成された紙幣投入口3の直後には、当該紙幣投入口3から紙幣が投入されたか否かを判断する紙幣検出センサー5が配設されている。
【0008】
またこの紙幣投入口3に連通して装置本体2内にはL字形状の紙幣通路6が形成され、このL字形の紙幣通路6には、当該L字形の紙幣通路6に沿って投入紙幣を搬送する紙幣搬送ベルト7からなる紙幣搬送手段8が配設されている。なお、この紙幣搬送手段8の搬送ベルト7を回転駆動するベルト駆動手段は駆動モータ9等から構成されている。
【0009】
一方、上述した紙幣通路6の下流には当該紙幣通路6を開閉するシャッター手段10が配設され、またそのシャッター手段10直後に位置する紙幣通路6の下流には、投入された紙幣の真偽を判別する磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11が配設されている。
【0010】
この磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11は紙幣通路6の幅方向に沿って固定設置されており、そのため常に通過する紙幣のある特定位置のみの磁気的、光学的変化を検出し、それにより通過する紙幣の真偽を判別するようにしている。
【0011】
このような紙幣処理装置1では、紙幣投入口3内に紙幣を投入すると、フロントマスク4内に配設された紙幣検出センサー5により投入紙幣の有無が検出され、その検出信号に基づき反時計方向へ正転する紙幣搬送ベルト7により、投入紙幣は紙幣通路6に沿って図面の右方向へ水平搬送される。
【0012】
一方、投入紙幣が紙幣搬送ベルト7の正転(反時計方向への回転)により紙幣通路6に沿って下流へ搬送され、紙幣識別手段11を通過すると、当該紙幣識別手段11によりその投入紙幣の真偽が判定される。
【0013】
そして、この紙幣識別手段11により投入紙幣が偽券と判断されると、紙幣搬送ベルト9が反転(時計方向へ回転)して、当該投入紙幣を紙幣投入口3から返却する。
【0014】
一方、投入紙幣が紙幣識別手段11により真券と判断されると、その検出信号に基づき紙幣搬送ベルト7の正転が持続され、その後、装置本体2の背面に着脱自在に配設されたスタッカ12側へ搬送され、そこで真券とみなされた投入紙幣は押圧板等からなる周知の紙幣収容手段を介し1枚ずつスタッカ12内に積載収容される。
【0015】
なお、この紙幣収容手段は駆動モータ13等により駆動される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の紙幣処理装置1では、紙幣幅が相異なる2種類の紙幣の識別処理を行う場合もある。
【0017】
その場合、紙幣投入口3の幅は、幅の異なる投入紙幣の挿入を許容させるため、紙幣幅の最も大きい紙幣(以下単に幅広紙幣と言う)に合わせて形成するが、幅の狭い紙幣を紙幣投入口3に投入する場合は、その紙幣を紙幣投入口3の一方の端部に沿わせて位置決め投入することが必要である。
【0018】
なんとならば、前述したように、磁気センサ、フォトセンサー等からなる紙幣識別手段11は紙幣通路6の幅方向に沿ったある特定位置に固定設置され、それより通過する紙幣の特定位置の磁気的、光学的変化を検出してその真偽を判別するようにしているから、幅の狭い紙幣(以下幅狭紙幣という)の真偽を判別する場合、常にその紙幣の特定位置が紙幣識別手段11を通過することが必要で、そのためには利用者が幅狭紙幣を紙幣投入口3の基準位置、すなわち上述したように例えば紙幣投入口3の一方の端部に沿わせて位置決め投入することが必要である。
【0019】
しかしながら、このような幅狭紙幣を投入する際の基準位置の指定は、その操作を全て利用者に委ねるため、その基準位置に幅狭紙幣を位置決めする際の誤りも多く、このため頻繁に幅狭紙幣の識別誤認を発生し、真券であるにもかかわらず幅狭紙幣の返却を繰り返す難点がある。
【0020】
このような難点を解消するため、幅狭紙幣が投入された際には、紙幣通路の一端を幅方向へスライド移動させ、それにより幅狭紙幣の搬送中にその投入初期位置の補正を行い、これにより幅狭紙幣の特定位置が常に紙幣識別手段11を通過させることも考えられるが、そうすると紙幣通路の一端をスライド移動させるための機構およびその駆動システムが複雑となり、コスト高や装置の大型化を招来する難点がある。
【0021】
また紙幣通路の幅方向全面に渡ってイメージセンサ、ラインセンサ等の識別手段を配設することにより、投入基準位置の設定を不要にすることも考えられるが、その場合の識別システムも非常に複雑となりコスト高となる難点がある。
【0022】
この発明は上述した事情に鑑み、簡単な構造で幅の異なる複数種類の紙幣の安定した識別処理を行うことができる紙幣処理装置を提供する。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この発明では、投入紙幣の真偽を判別する紙幣処理装置において、幅の異なる複数種類の紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成するようにしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる紙幣処理装置の一実施例を詳述する。
【0025】
図1はこの発明に係わる紙幣処理装置のフロントマスク20を示す拡大正面図である。
【0026】
このフロントマスク20では、その正面20aに紙幣を投入する紙幣投入口が、処理対象となる紙幣幅の異なる2種類の紙幣に対応して上下平行に2箇所形成されている。
【0027】
このうち下方に形成された第1の紙幣投入口21は幅広紙幣専用の紙幣投入口であり、その幅は取り扱う幅広紙幣の幅よりも若干大きく形成されている。
【0028】
また上述した第1の紙幣投入口21と平行に上方に形成された第2の紙幣投入口22は幅狭紙幣専用の紙幣投入口で、その幅は取り扱う幅狭紙幣の幅よりも若干大きく形成されている。
【0029】
一方、図1のAA断面で示す図2のように、幅広紙幣を取り扱う第1の紙幣投入口21直後には紙幣通路21aが連通し、また幅狭紙幣を取り扱う第2の紙幣投入口22直後には紙幣通路22aが連通している。
【0030】
そして、これら幅広紙幣が通過する紙幣通路21aと幅狭紙幣が通過する紙幣通路22aはフロントマスク20内の下流でそれぞれ合流し、従来の一本の紙幣通路6に連通している。
【0031】
なお、上述した紙幣通路21a、22aの幅はそれぞれの紙幣に対応した幅となっており、また紙幣通路21aと紙幣通路6の幅は同一サイズに設定されている。
【0032】
一方、上述した紙幣通路21aと紙幣通路22aとの合流地点23には、紙幣振分レバー24が軸25を中心に回動自在に支承され、さらにこの紙幣振分レバー24は軸25に巻回されたコイルバネ26の作用により紙幣通路6側からみて常時紙幣通路22aの下流端を閉塞している。
【0033】
従って、この紙幣振分レバー24によると、第2の紙幣投入口22内に幅狭紙幣が投入されると、その紙幣はその投入力により紙幣振分レバー24を軸25を中心に時計方向へ回転させ、これにより紙幣通路22aの終端を解放するので、その後、幅狭紙幣は一本の紙幣通路6内に投入されて装置本体内に搬送されることとなる。
【0034】
一方、幅狭紙幣が紙幣通路6内から返却されると、その紙幣は紙幣振分レバー24により幅の広い紙幣通路21a側に案内され、その後、第1の紙幣投入口21から返却される。また、幅広紙幣が紙幣通路6内から返却され場合も、その幅広紙幣は紙幣振分レバー24により紙幣通路21aに案内され、第1の紙幣投入口21から返却される。
【0035】
すなわち、上述した紙幣振分レバー24によると、幅狭紙幣と幅広紙幣の双方とも、返却の際は紙幣通路21aに案内され、第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。従って、幅広紙幣が誤って紙幣通路22a内へ返却され、それにより幅狭紙幣が投入される第2の紙幣投入口22で幅広紙幣が詰まることもない。
【0036】
一方、図2のBB断面で示す図3のように、第1の紙幣投入口21と第2の紙幣投入口22のそれぞれ直後には投入紙幣を検出する紙幣検出センサー30、40が配設されている。
【0037】
このうち、幅広紙幣が投入される第1の紙幣投入口21の直後に配設された紙幣検出センサー30は、その幅方向両端部にそれぞれ配設され、独立して回転する一対のレバー31、32と、このレバー31、32の回転を検知する一対のホトインタラプタスイッチ33、34とから構成されている。
【0038】
また幅狭の紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の直後に配設された紙幣検出センサー40は、その幅方向両端部にそれぞれ配設され、一体的に回転する一対のレバー41、42と、このレバー41、42の回転を検知する一つのホトインタラプタスイッチ43とから構成されている。
【0039】
なお、上述したホトインタラプタスイッチ33、34、43を搭載した基板50は、紙幣通路21a、22a(図2)の上方に位置するフロントマスク20内に配設され、第1の紙幣投入口21あるいは第2の紙幣投入口22内から悪戯により液物が投入された場合の被害を最小限とするようにしている。
【0040】
このように、幅広紙幣が投入される第1の紙幣投入口21の直後に配設された一対のレバー31、32と、このレバー31、32の回転を検知する一対のホトインタラプタスイッチ33、34とから構成された紙幣検出センサー30によると、幅広紙幣が第1の紙幣投入口21内に投入された場合は、一対のレバー31、32が同時に回転するので、一対のホトインタラプタスイッチ33、34の双方がオンし、そのため図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動し、その幅広紙幣を装置本体内に搬送することとなる。
【0041】
一方、第1の紙幣投入口21内に幅狭紙幣が投入された場合は、一対のレバー31、32のうち、その一方のみしか回転せず、そのため一対のホトインタラプタスイッチ33、34のうちのいずれか一方のみしかオンしないので、図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動せず、このため幅狭紙幣が第1の紙幣投入口21内に誤って投入されても、その幅狭紙幣は装置本体内に搬送されることはなく、このため第1の紙幣投入口21内からの幅狭紙幣の投入が防止される。
【0042】
また幅狭紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の幅は、そもそも取り扱う幅広紙幣の幅よりも狭く形成されているから、当該第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣が投入されることはない。
【0043】
一方、幅狭の紙幣が投入される第2の紙幣投入口22の直後には一体的に回転する一対のレバー41、42と、このレバー41、42の回転を検知する一つのホトインタラプタスイッチ43からなる紙幣検出センサー40が配設されているから、幅狭紙幣が第2の紙幣投入口22内に投入された場合は、一対のレバー41、42が同時に回転して一つのホトインタラプタスイッチ43がオンするので、その検出信号を受けて図示せぬ制御装置は紙幣搬送手段を駆動し、その幅狭紙幣を装置本体内に搬送することとなる。
【0044】
なお、上述した第1と第2の紙幣投入口21、22を形成したフロントマスク20は、図11に示す従来のフロントマスク4と同一サイズでしかも、装置本体2に対する取り付け位置等も同一位置に形成されているので、図4に示すように、に、従来のフロントマスク4に変えて、第1と第2の紙幣投入口21、22を形成したフロントマスク20を装置本体2に簡単に付け替えて、本願発明に関わる紙幣処理装置60とすることができる。
【0045】
なお、図4で図11と同一部分を同一符号で示す。
【0046】
次に、上述したフロントマスク20を装着した本願発明に関わる紙幣処理装置60の作用を、まず幅狭紙幣を使用する場合について説明する。
【0047】
図1に示す第1の紙幣投入口21内に幅狭紙幣Sを投入すると、当該幅狭紙幣Sの幅Lは、第1の紙幣投入口21内に配設された紙幣検出センサー30を構成する一対のレバー31、32間の幅Mよりも狭い(S<M)ので、幅狭紙幣Sにより一対のレバー31、32を同時に回転させることはできず、従って、幅狭紙幣Sを第1の紙幣投入口21内に投入しても紙幣搬送手段は駆動されないので、第1の紙幣投入口21内への幅狭紙幣Sの投入が阻止されることとなる。
【0048】
一方、この幅狭紙幣Sを第2の紙幣投入口22内に投入すると、当該幅狭紙幣Sの幅Lは、第2の紙幣投入口22内に配設された紙幣検出センサー40を構成する一対のレバー41、42間の幅Nよりも大きい(S>N)ので、図5で示すように、幅狭紙幣Sは一対のレバー41、42を同時に回転させ、これにより紙幣搬送手段8を駆動する。
【0049】
一方、図5で示すように、幅狭紙幣Sが第2の紙幣投入口22内に投入され、その投入力により紙幣振分レバー24が軸25を中心に時計方向へ回転し、紙幣通路22aの終端を解放すると、幅狭紙幣Sの先端は一本の紙幣通路6の始端に到達し、そこから回転する紙幣搬送ベルト7により紙幣通路6の下流へ搬送される。
【0050】
なお、紙幣通路22aは幅狭紙幣Sの幅に合わせて形成されているので、幅狭紙幣Sは紙幣通路22aを通過する際に、その傾きが補正された状態で紙幣通路6内に案内されるので、幅狭紙幣Sが紙幣識別手段11を通過する際には、幅狭紙幣Sは偏位することなく、その特定位置が常に紙幣識別手段11を通過するので、その安定した識別処理が行えることとなる。
【0051】
なお、幅狭紙幣Sが紙幣通路22a及び紙幣通路6を搬送される際に、幅狭紙幣Sは図1に示す第2の紙幣投入口22により、予めその投入初期位置が規定されているので、各利用者によって、その投入初期位置がずれることはなく、従って、図6で示すように、幅狭紙幣Sが紙幣識別手段11を通過する際は、その幅狭紙幣Sの常に特定位置が紙幣識別手段11を通過するので、幅狭紙幣Sの安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0052】
なお、上述した紙幣識別手段11により幅狭紙幣Sが真券と判断されると、当該幅狭紙幣Sは、紙幣通路6のさらに下流へ搬送され、その後、スタッカ12内に蓄積収容されることとなる。
【0053】
一方、紙幣識別手段11により幅狭紙幣Sが偽券と判断されると、図7で示すように紙幣搬送手段8の紙幣搬送ベルト7が反転し、幅狭紙幣Sを紙幣投入口側へ返却しようとするが、その際、常時紙幣通路22aの下流端を閉塞する紙幣振分レバー24により紙幣通路21a側へ案内され、このため幅狭紙幣Sであっても第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。
【0054】
次に幅広紙幣を使用する場合について説明する。
【0055】
利用者が、図1に示す第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣Pを投入すると、当該幅広紙幣Pの幅Qは第2の紙幣投入口22の幅Rよりも当然広い(Q>R)ので、第2の紙幣投入口22内に幅広紙幣Pを投入することはできず、このため利用者は第1の紙幣投入口21内に幅広紙幣Qを投入することとなる。
【0056】
一方、この幅広紙幣Qを第1の紙幣投入口21内に投入すると、当該幅広紙幣Pの幅Qは、第1の紙幣投入口21内に配設された紙幣検出センサー30を構成する一対のレバー31、32間の幅Mよりも大きい(Q>M)ので、図8で示すように、幅広紙幣Pは一対のレバー31、32を同時に回転させ、これにより紙幣搬送手段8を駆動する。
【0057】
一方、図8で示すように、幅広紙幣Pが第1の紙幣投入口21内に投入されると、その先端が紙幣通路21aの終端から一本の紙幣通路6の始端に到達し、そこから回転する紙幣搬送ベルト7により紙幣通路6の下流へ搬送される。
【0058】
なお、紙幣通路21a及び紙幣通路6は最初から幅広紙幣Pの幅に合わせて形成されているので、その間で幅広紙幣Pが偏位することはなく、そのため図9で示すように、幅広紙幣Pが紙幣識別手段11を通過する際は、その幅広紙幣Pの常に特定位置が紙幣識別手段11を通過するので、幅広紙幣Pの安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0059】
なお、上述した紙幣識別手段11により幅広紙幣Pが真券と判断されると、当該幅広紙幣Pは、紙幣通路6のさらに下流へ搬送され、その後、スタッカ12内に蓄積収容されることとなる。
【0060】
一方、紙幣識別手段11により幅広紙幣Pが偽券と判断されると、図10で示すように紙幣搬送手段8の紙幣搬送ベルト7が反転し、幅広紙幣Pを紙幣投入口側へ返却しようとするが、その際、常時紙幣通路22aの下流端を閉塞する紙幣振分レバー24により紙幣通路21a側へ案内され第1の紙幣投入口21から返却されることとなる。
【0061】
なお、上記実施例では、紙幣幅の異なる紙幣として幅広紙幣Pと幅狭紙幣Sの二種類の紙幣を取り扱う場合に、フロントマスク40にそれぞれ上述した幅広紙幣Pと幅狭紙幣Sの各幅に対応したに二つの紙幣投入口21、22を形成する場合について詳述したが、この発明は上述した実施例に限定されることなく、幅の異なる3種類以上の紙幣を取り扱う紙幣処理装置に適用しても良く、その場合は取り扱うことのできる幅の異なる複数種類の紙幣の数に対応した数の紙幣投入口をフロントマスクに形成すれば良く、また紙幣を返却する場合は、全ての紙幣を複数の紙幣投入口のうち最も幅の広い紙幣投入口へ導く紙幣振分レバーを各複数の紙幣投入口に連通し、独立して形成された紙幣通路の下流端に配設すれば良い。 なお上記実施例では前記複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60の装置本体2に着脱自在に装着されるフロントマスク20に形成したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、複数の紙幣投入口21、22を紙幣処理装置60の装置本体2に形成してもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の紙幣処理装置では、幅の異なる紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成するようにしたから、利用者が幅の異なる各紙幣を投入する場合に、予めその投入初期位置が対応する紙幣投入口の幅により規定されているので、各利用者によって、紙幣投入口内に紙幣を投入する際に、その投入初期位置がずれることはなく、従って、各紙幣が紙幣識別手段を通過する際は、その紙幣の特定位置が常に紙幣識別手段を通過するので、幅の異なる各紙幣の安定した識別処理がおこなえることとなる。
【0063】
また、フロントマスクに幅の異なる紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成する場合は、その構造が簡単であり安価に提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係わる紙幣処理装置のフロントマスクの正面図。
【図2】図2は図1のAA断面図。
【図3】図3は図2のBB断面図。
【図4】図4はこの発明に係わる紙幣処理装置の要部破断面図。
【図5】図5は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図6】図6は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図7】図7は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図8】図8は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図9】図9は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図10】図10は発明に係わる紙幣処理装置の作用を示す要部破断面図。
【図11】図11は従来の紙幣処理装置を示す要部破断面図。
【符号の説明】
2…装置本体
6…一本の紙幣通路
20…フロントマスク
21、21…紙幣投入口
21a、22a…独立した紙幣通路
24…紙幣振分レバー
30、40…紙幣検出センサー
60…紙幣処理装置
Claims (6)
- 投入紙幣の真偽を判別する紙幣処理装置において、
幅の異なる複数種類の紙幣に対応した幅を有する複数の紙幣投入口を形成したことを特徴とする紙幣処理装置。 - 前記複数の紙幣投入口を前記紙幣処理装置の装置本体に着脱自在に装着されるフロントマスクに形成したことを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
- 前記複数の紙幣投入口を前記紙幣処理装置の装置本体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
- 前記複数の紙幣投入口にはそれぞれ独立した紙幣通路が連通し、かつ独立した該各紙幣通路は、その下流で一本の紙幣通路に合流することを特徴とする請求項1乃至3に記載の紙幣処理装置。
- 前記独立した各紙幣通路が合流する下流端には、返却される紙幣を、前記複数の紙幣投入口のうち最も幅の広い紙幣投入口へ導く紙幣振分レバーが配設されていることを特徴とする請求項4に記載の紙幣処理装置。
- 前記複数の紙幣投入口の直後には、投入紙幣の有無を検出する紙幣検出センサーが配設されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の紙幣処理装置。
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