JP2004013012A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記スペーサ3が、前記基板を重ね合わせる前の段階で、前記基板と接触する面内に硬化部分12と半硬化部分14とを有し、そして前記基板のおのおのが、少なくとも、それらを重ね合わせた後の前記スペーサの半硬化部分14の硬化により該スペーサ3に接着している液晶表示装置とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、少なくとも一方が透明である一対の基板の間に、一般に液晶として知られる光スイッチ機能を有する媒体を挟持した液晶表示装置であって、有効表示領域における基板間のギャップが均一且つ一定に保たれることにより、コントラストや応答速度等の均一性が向上し良好な表示品質を示す液晶表示装置と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一方が透明である一対の基板間に、光スイッチ機能を有する媒体である液晶を充填した液晶表示装置は、一般に薄くて軽量で低消費電力である等の点から、電卓、家庭電化製品あるいはOA機器等の表示装置、空間光変調装置(Spacial Light Modulator)等として広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置では、基板間のギャップが均一且つ一定であることが、良好な表示を行うのに不可欠である。ギャップの維持のためには、基板間に配置される、一般にスペーサと呼ばれる部材が使用されている。スペーサには、大別して粒子(ビーズ)状のものと柱状のものがあり、それらの配置・固定化方法が種々開発されてきた。
【0004】
一つの方法として、球状の粒子(ビーズ)を基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御する方法が提案されている。ところが、この方法では、ビーズの配置を制御することが困難であり、ビーズは表示に不可欠な画素部分にも散布されることになって、それにより液晶分子の配向欠陥を招来し、表示品位を低下させる問題があった。
【0005】
これを防止するため、ビーズの散布に代えて、フォトリソグラフィー法により画素部分以外に柱状のスペーサを選択的に形成する技術が提案されている。この場合、画素部分にスペーサがないため、配向欠陥、表示品位低下を防止することができる。ところが、スペーサは通常、一方の基板とは接着しているものの他方の基板とは接着性がないため、外圧を受ける(例えば指先で押される等)と基板間隔が変動し、それに従い基板上の電極間隔が変動して、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等の問題が発生していた。更に極端な場合は、外力によって基板どうしが接触し、配向膜が損傷を受けて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下する等の問題が発生していた。
【0006】
そこで、スペーサに両基板との接着性を持たせる検討が行われているが、基板を重ね合わせる前の樹脂スペーサの熱硬化が進行していない条件で、基板を重ね合わせ、加熱し、樹脂スペーサを硬化させた場合、基板との接着性は保持できるものの、基板を重ね合わせた時の圧力により、硬化前のスペーサが変形し、精密なギャップ制御ができない問題があった。
【0007】
そこで、特開2000−155321号公報では、スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立するようにしている。ところが、この手法では、ビーズをスペーサ形成用の樹脂に分散させているため、下記に示す問題が発生する。
(1)確率的にビーズを含有しないスペーサが存在するため、ギャップ均一性が劣る。
(2)この問題を避けるため、ビーズ含有量を増やすと、ビーズがフィラーとして作用して悪影響を及ぼし、スペーサの製造時にスペーサ材料を均一にスピンコートできず、塗布厚さにムラができ、その結果スペーサ高さが不均一になる。
(3)均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分はパターニングにより除去するため、ほとんどのビーズは捨てることになり、製造コストを上昇させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、液晶表示装置用スペーサのこれまでの配置・固定化技術は、外圧に対し強く(耐衝撃性が高い)、表示特性の良好な液晶表示装置を実現するのに十分ではなかった。
【0009】
更に、これまでのスペーサは、基板上にスペーサを均一且つ高密度に配置させた状態で配向膜材料溶液を塗布することが困難であったり、配向膜のラビング処理の際にスペーサが剥がれ落ちてしまったりといったように、液晶表示装置の表示品質を維持したままスペーサを基板上に固定するのにも十分でなかった。
【0010】
本発明は、前記の問題の解決し、スペーサ材料へのビーズ等の混合なしに樹脂だけでスペーサを形成し、スペーサの強度を保ったままそのスペーサにより基板どうしを強固に接着して、外圧に対する強度と表示特性の向上を実現可能な液晶表示装置とその製造方法の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記スペーサが、前記基板を重ね合わせる前の段階で、前記基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有し、そして前記基板のおのおのが、少なくとも、それらを重ね合わせた後の前記スペーサの半硬化部分の硬化により該スペーサに接着していることを特徴とする液晶表示装置である。
【0012】
本発明の液晶表示装置は、一方の基板上に、基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサの半硬化部分を硬化させて基板に接着させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法により製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明である一対の基板を有し、これらの基板間には液晶が封入されている。双方の基板の対向面には、電極が形成され、各電極の上に液晶分子の配向を規制する配向膜が設けられている。電極は、透明基板上のものが透明であればよいが、両方の基板上の電極を透明電極として形成してもよい。以下の説明では、両方の基板上に透明電極が位置するものとする。
【0014】
本発明の液晶表示装置においては、基板は、それらを重ね合わせる前の段階では基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有し、この半硬化部分を基板を重ね合わせた後に硬化させたスペーサを介して接合されている。スペーサは、基板を重ね合わせる前に一方の基板上に配置され、この状態において硬化部分と半硬化部分を有するように形成され、そして基板を重ね合わせた後に、半硬化部分を硬化させる。最初に一方の基板(スペーサ形成基板)上に形成したスペーサは、硬化部分において既にこのスペーサ形成基板に接着しており、半硬化部分の後の硬化によりその部分でもスペーサ形成基板に接着する。もう一方の基板に対しては、スペーサは、基板どうしを重ね合わせてから硬化した部分(重ね合わせる前は半硬化であった部分)で接着する。ここでの説明において単に「硬化部分」あるいは「半硬化部分」という場合、それは基板を重ね合わせる前の状態でのスペーサの硬化部分あるいは半硬化部分を指す。
【0015】
本発明においては、基板を重ね合わせる前の状態でスペーサが基板に接触する面内において半硬化の部分と既に硬化した部分を合わせ持っていることから、次の利点が得られる。すなわち、基板を重ね合わせ、加圧・加熱によりスペーサ及び基板周辺部のシール材を硬化する際、スペーサの硬化部分で圧力により変形しない強度を保持することができ、更に、半硬化部分は、加熱により硬化して基板との接着性を発現することができる。
【0016】
スペーサは、感光性樹脂を用いることで、フォトリソグラフィー法により所定パターンに従って容易に形成することができ、液晶表示装置の画素部分を除いて基板間の一定のギャップの保持に有効な位置にスペーサを配置することができる。また、パターニングに先立ち形成する感光性樹脂層の膜厚を調整することにより、対向基板間の距離を制御するのが容易である。
【0017】
感光性樹脂としては、ネガ型の感光性樹脂を使用するのが特に有効である。これは、ネガ型の感光性樹脂は露光量を制御することにより、所定のパターンを硬化部分と半硬化部分が混在する状態で形成するのが容易にできるためである。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂等、あるいはゼラチンを感光性樹脂化したものから選択される少なくとも1種の樹脂を使用することができ、ここに挙げた樹脂は一般的なレジスト材料として商業的に入手可能である。
【0018】
本発明の液晶表示装置では、スペーサの基板と接触する面内における半硬化部分の割合が硬化部分と半硬化部分を合わせた全体の10〜90%であるときに、良好な表示特性が得られる。半硬化部分が10%未満であると、加熱によりその部分を硬化させた際、基板との接着性が弱くなり、そのため外圧により基板ギャップが変動し、干渉縞の発生等の問題が発生する。半硬化部分が90%より多くなると、硬化部分が相対的に少ないため、基板を重ね合わせて加圧・加熱した際、スペーサ強度が不足し、そのためスペーサが潰れ、適正な基板ギャップを保持できず、表示品位が低くなる。
【0019】
本発明では、スペーサが、基板との接触面を底面にした、円柱あるいは多角柱の形状であるときに、良好な表示特性を実現できる。これは、そのような形状の構造体は基板と平行な断面形状が同一であるため、基板の上下からの圧力に対し偏ったひずみを受けることがなく、それゆえギャップ制御が容易になり、且つギャップのばらつきが少なくなるためである。
【0020】
また、スペーサは、基板との接触面において外周部が硬化状態、中央部が半硬化状態であるときに、良好な表示特性を実現することができる。これは、スペーサの外壁を硬化させることにより、半硬化部分のダレを防止でき、重ね合わせた上部基板との所定の接触面積を保つことができ、それにより所定の接着性を確保できるからである。
【0021】
更に、スペーサは、硬化部分と半硬化部分が同心状に交互に配置された断面形状(基板と平行な断面形状)を有する場合に、特に良好な表示特性を実現することができる。スペーサで接合された部分の基板ギャップを微視的に見ると、基板ギャップはスペーサの硬化部分で広く(この部分は、基板を重ね合わせる前にスペーサが形成されていた方の基板にのみ接着しているので)、半硬化部分で狭く(この部分は、基板を重ね合わせてからのスペーサ材料の樹脂の硬化により両方の基板に接着しているので)なっている。硬化部分と半硬化部分を同心状に配置することにより、それらを互いにより近接して交互に配置することで、基板ギャップの均一性を向上させることができるようになる。好ましくは、硬化部分と半硬化部分は環状(一番内側の部分は円形)に形成され、同心円状に配置される。この態様の最も単純な例は、実施例3で説明する3重円断面のスペーサであり、この場合、外側の環状部分と中央部分が硬化部分、中間部分が半硬化部分となる。
【0022】
基板を重ね合わせる前に硬化部分と半硬化部分の両方を有するスペーサは、ネガ型感光性樹脂の2段階の露光により形成することができる。より具体的には、一方の基板上にネガ型感光性樹脂層を形成し、次いで、形成しようとするスペーサの断面形状に対応するパターンを備えたフォトマスクを使用し、感光性樹脂が硬化する全光量の10〜80%の光量で樹脂層の露光(1次露光)を行う。続いて、フォトマスクをスペーサの硬化部分(一般にスペーサ断面形状の外側部分)に対応したパターンを持つものに換え、感光性樹脂が硬化する全光量の残り(20〜90%)で樹脂層の露光(2次露光)を行い、その部分を硬化させる。2次露光により硬化させる部分に照射される光量(2次露光量)は、1次露光時に照射された光量(1次露光量)との合計が、樹脂の硬化に必要な全光量以上になるようにすればよい。1次露光時の露光量を樹脂の完全硬化に必要な全光量の10〜80%にするのは、10%未満の光量では、実質上硬化が進まず、80%を超えると半硬化部分の硬化が進みすぎて、後の工程で加熱した際、基板との十分な接着性が得られないためである。
【0023】
このように、本発明におけるスペーサの半硬化部分は、2段階の露光を行う場合における露光量が少ない方の部分に相当し、この部分は硬化が途中まで進んだ状態にある。
【0024】
更に、光を透過する部分が外側から内側にかけて光透過率を異にするフォトマスクを使用することもできる。このようなマスクを使用することにより、外側から内側にかけて硬化状態が連続的又は段階的に変化するスペーサを、1段階の露光により形成することが可能になり、それにより形成されたスペーサも、硬化部分と半硬化部分を有する本発明におけるスペーサに包含される。
【0025】
スペーサを間に挟んで対向させた2枚の基板は、そこに充填された液晶が存在する状態で、周辺部を封止される。この封止には、通常樹脂材料が使用され、それは加熱により硬化することで封止機能を果たす。スペーサを形成する感光性樹脂を熱硬化性とし、その硬化温度が周辺封止樹脂の硬化温度と等しいか、あるいはそれより低い樹脂を用いることにより、スペーサの感光性樹脂の半硬化部分の硬化による基板どうしの結合と、液晶表示装置の周辺部の封止を一つの工程で行うことができる。
【0026】
本発明の液晶表示装置で使用する一対の基板には、液晶表示装置の表示動作に必要な透明電極が設けられ、その上に樹脂で形成された配向膜が存在していて、この配向膜表面には液晶分子を所定の方向に配向させるためのラビング処理が施されている。基板を重ね合わせた後の加熱によりスペーサの半硬化部分を硬化させる際には、配向膜のラビング効果を損なわない温度で加熱することが重要である。また、スペーサの硬化温度は、上述のように液晶表示装置の周辺封止樹脂の硬化温度以下であるのが好ましい。一般に、基板間に液晶を封入後、液晶を再配向させるアニール処理の温度が110℃程度であるので、スペーサの熱硬化性樹脂及び基板の周辺部封止用の熱硬化性樹脂の硬化温度を110℃以上にすることが望ましい。また、150℃を超える温度になると配向膜のラビング効果が失われるため、150℃より高い温度での加熱は避けるべきである。従って、スペーサ及び基板周辺部封止用の熱硬化性樹脂の硬化温度は、110〜150℃の範囲にあるのが好ましい。
【0027】
本発明の液晶表示装置において使用する液晶は特に限定されず、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶等の公知の液晶を使用することができる。
【0028】
本発明の液晶表示装置は、一方の基板上に、基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、スペーサの半硬化部分を硬化させて基板に接着させることで製造することができる。
【0029】
基板間ギャップへの液晶の充填方法としては、予め対向させた基板間に真空を利用して液晶を充填封入する真空法、あるいは一方の基板上に液晶を滴下してから他方の基板を重ねる滴下法が代表的であり、本発明の液晶表示装置はそのどちらにより製造することも可能である。例えば、滴下法による場合、一方の基板にスペーサを形成し、一対の基板のいずれか一方の基板上に液晶を滴下した後、2枚の基板を重ね合わせ、基板周辺封止部材とともに加熱することにより、スペーサを両方の基板に接着することができる。
【0030】
本発明の液晶表示装置は、基板間を封止するための周辺封止を全く施さずに、あるいは実質的に施さずに(限られた一部にだけ施して)、該全くあるいは実質的に周辺封止を施していない部分全域または一部に液晶を付着させた後、液晶を該基板の間に充填し、次いで封止していない周辺全域を封止部材で封止することにより製造することが可能である。この方法によれば、基板間に液晶を効率よく注入することができ、それによりスループットを向上させ、製造コストを低減し、製品歩留まりを向上させることができる。
【0031】
より具体的には、本発明の液晶表示装置は、例えば、基板間を封止するための周辺封止を全くあるいは実質的に施さずに、該全くあるいは実質的に周辺封止を施していない部分全域または一部に液晶を付着させた後、液晶を該基板の間に充填し、次いで封止していない周辺全域を封止部材で封止する工程を実施することにより、製造することができる。この場合、基板に液晶を付着させる前後の圧力差又は温度差、あるいはその両者を利用して、液晶を基板の間に充填することができ、そして基板間のギャップに液晶をより短時間で充填することができる。また、液晶を付着させる部分に、ディスペンサを使用して液晶を滴下して付着させることができる。ディスペンサの使用は、液晶の定量的且つ容易な付着を可能にする。
【0032】
本発明では、基板の周辺部を封止する材料として、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂のいずれを使用することもできる。熱硬化性樹脂を使用する場合には、その硬化温度を、加熱によって硬化して両基板に対し接着力を呈するスペーサの硬化温度と等しいか、あるいはそれより高くすることによって、加熱工程において、スペーサを硬化させて、液晶表示装置の表示部の電極間のギャップを設定し、その電極間のギャップを保ったままで基板の周辺部を封止することができる。光硬化性樹脂を使用する場合には、より低温で基板間を封止することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
図1に、下記の例で製造した液晶表示装置を模式的に示す。この液晶表示装置10には、対向したガラス基板1、2と、これらの基板間に位置し、基板間のギャップを保持しているスペーサ3と、基板1、2の周辺部を封止している接着シール材4と、基板間のギャップに封入された液晶5が含まれている。基板1、2の対向面にはそれぞれ、透明電極が形成されており(一方は個別電極として、他方は共通電極として形成される)、その上にラビング処理を施した配向膜が位置しているが、簡単にするため図1にそれらは図示していない。
【0035】
また、ここでは、液晶表示装置の電極間のギャップを均一かつ一定に保って封止する工程を概説し、使用する材料等については後の例で具体的に説明する。
【0036】
透明電極と配向膜を形成したガラス基板1の上に、フォトレジスト材料をスピンコートした。このレジスト膜を100℃で1分間プリベーキングをしてから、2種類のフォトマスクを用いて紫外線露光装置により2段階の露光を行い、続いて現像を行って、基板上に直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサ3(基板に平行な断面において外側に硬化部分、内側に半硬化部分を有する)を作製した。こうして形成したスペーサを、純水で洗浄後、乾燥させた。
【0037】
スペーサ3を設けたガラス基板1の周辺部に、液晶注入口となる部分を残して接着シール材4を配置し、ガラス基板1の上にもう一方のガラス基板2を載置した組立体を作った。この組立体を熱処理装置(図示せず)内に装填し、スペーサ3及び接着シール材4の熱硬化性樹脂の硬化温度(110℃〜150℃)で加熱加圧した。この処理によって、スペーサ3の半硬化部分が圧力を受けたまま硬化して、ガラス基板1とガラス基板2とを強固に接着させた。同時に、接着シール材4によってガラス基板1とガラス基板2の周辺がシールされた。
【0038】
その後、液晶注入口を通してガラス基板1とガラス基板2の間に液晶を注入し、液晶注入口を最終的に封止した。
【0039】
(実施例1)
上述の液晶表示装置の製造方法に従って、実施例1の液晶表示装置を次のように製造した。
【0040】
ITOの透明電極を全面に設けた200×100×1.1mmの一対のガラス基板上に、3wt%のポリイミド溶液をスピンコータにより2000rpmの回転数で塗布し、200℃で30分焼成して配向膜を形成した。
【0041】
一方のガラス基板の配向膜上に、ネガ型フォトレジスト材料(TLOR−N、東京応化工業社製)を膜厚が1.8μmになるようにスピンコートした。形成したレジスト膜のプリベーキングをホットプレート上にて100℃で1分間行った。次いで、紫外線露光装置を用い、基板上に直径が10μmで基板と平行断面が2重円形状のスペーサが100μm間隔で縦横に並んで形成されるように、レジスト膜の露光を行った。具体的には、まず、スペーサを形成する円全体(直径10μm)を30mJ/cm2のエネルギで露光し、次に、外壁となる環状部分(内径6μm、幅2μm)のみを40mJ/cm2のエネルギで再露光して、基板に平行な面内において硬化状態の異なる部分が混在(直径6μmの円内が半硬化部分、幅2μmの外壁部分が硬化部分)するようにした。次に、現像によりスペーサを形成し、純水で洗浄後、乾燥させた。
【0042】
図2に、形成した二重円形状の断面を持つスペーサを模式的に示す。このスペーサ3は、一方の基板1上に円柱状に形成されていて、外側に硬化部分12、内側に半硬化部分14を有する。硬化部分12の底面は基板1に接着しており、一方、半硬化部分14は、もう一方の基板2(図1)を重ね合わせてからの加熱により硬化して、基板1に接着するとともにもう一方の基板2にも接着する。
【0043】
続いて、両方のガラス基板上の配向膜をラビング処理した。
【0044】
次に、一方のガラス基板の周辺部に150℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を液晶注入口を除いて印刷法によって付着させた。一対のガラス基板を、透明電極が向かい合うように重ね合わせ、真空袋に入れて、150℃、1時間で周辺部のシール材であるエポキシ樹脂を硬化させるとともに、スペーサの内側の半硬化部分も硬化させて、ガラス基板どうしを接合させた。次に、液晶注入口を通して強誘電性液晶を注入し(真空法)、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示装置を得た。
【0045】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられなかった。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して、耐ストレス性を備えることが認められた。
【0046】
また、液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0047】
(実施例2)
スペーサを断面が10×10μmの四角柱にし、外側の硬化部分の断面積をスペーサ全断面積の50%にし、中央部を実施例1におけるように半硬化部分にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0048】
(実施例3)
スペーサの断面形状を3重円にし、一番内側の円形部分(直径2μm)が硬化部分、それに隣接する内側の環状部分(外径4μm、幅2μm)が半硬化部分、そして一番外側の環状部分(外径6μm、幅2μm)が硬化部分となるように露光した以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0049】
(実施例4)
スペーサを円柱状にし、外側の硬化部分の断面積をスペーサ全断面積の10%にし、中央部を半硬化部分にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0050】
(実施例5)
スペーサを円柱状にし、外側の硬化部分の断面積をスペーサ全断面積の90%にし、中央部を半硬化部分にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0051】
(実施例6)
スペーサを断面が10×10μmの四角柱にし、外側の硬化部分の断面積をスペーサ全断面積の10%にし、中央部を半硬化部分にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0052】
(実施例7)
スペーサを断面が10×10μmの四角柱にし、外側の硬化部分の断面積をスペーサ全断面積の90%にし、中央部を半硬化部分にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0053】
(実施例8)
露光の際、まず、スペーサを形成する円全体(直径10μm)をレジストが硬化する光量の10%で露光し、次に、外側の環状部分(内径6μm、幅2μm)のみを残りの光量で露光して硬化部分とした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0054】
(実施例9)
露光の際、まず、スペーサを形成する円全体(直径10μm)をレジストが硬化する光量の80%で露光し、次に、外側の環状部分(内径6μm、幅2μm)のみを残りの光量で露光して硬化部分とした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0055】
(実施例10)
外縁部から中心部にかけて光透過性が異なるフォトマスクを用い、外側の幅約3μmの環状部分が完全に硬化し、その内側の部分にレジストの硬化に必要な光量の60%が照射されるように露光を行った以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0056】
(実施例11)
強誘電性液晶をツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった
【0057】
(実施例12)
強誘電性液晶をスーパーツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0058】
(実施例13)
強誘電性液晶をネマティックコレステリック相転移型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0059】
(実施例14)
強誘電性液晶を反強誘電性液晶に換えた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0060】
(実施例15)
強誘電性液晶をツイストグレインバウンダリ液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0061】
(実施例16)
強誘電性液晶をスメクティックA相液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0062】
(実施例17)
液晶注入方法として、真空注入法に代えて滴下法を採用し、硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成しそして周辺部に封止部材を配置した基板上に強誘電性液晶を滴下した後、この基板にもう一方の基板を重ね合わせて加熱することにより、周辺封止部材とスペーサを介して両基板を接着させた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。減圧下での液晶注入時間が不要になるため、実施例1に比べ、製造時間を短縮できた。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0063】
(比較例1−半硬化部分なし)
スペーサを形成する直径10μmの円全体を一度に100mJ/cm2のエネルギで露光した以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した。スペーサと片方の基板との接着性がないため、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0064】
(比較例2−硬化部分なし)
スペーサを形成する直径10μmの円全体を一度に30mJ/cm2のエネルギで露光した以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価したところ、スペーサに硬化部分がないためスペーサの強度が低く、液晶パネル形成時にスペーサが潰れ、1.8μmのギャップ形成ができなかった。このため、この装置では良好な液晶表示が実現できなかった。
【0065】
(比較例3−半硬化部分が10%未満)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの半硬化部分がスペーサ全断面積の8%になるようにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した。スペーサと片方の基板との接着性が不足のため、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0066】
(比較例4−半硬化部分が90%超)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの半硬化部分がスペーサ全断面積の95%になるようにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価したところ、半硬化部分が多いため、基板を重ね合わせた時点でスペーサの強度が不足し、液晶パネル形成時にスペーサが潰れ、1.8μmのギャップ形成ができなかった。このため、この装置では良好な液晶表示が実現できなかった。
【0067】
(比較例5−外側硬化部分が10%未満の円柱スペーサ)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの硬化部分である外側部分の断面積をスペーサ全断面積の8%にした以外は、実施例4と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価したところ、硬化部分が少ないためスペーサの強度が不足し、液晶パネル形成時にスペーサが潰れ、1.8μmのギャップ形成ができなかった。このため、この装置では良好な液晶表示が実現できなかった。
【0068】
(比較例6−外側硬化部分が90%超の円柱スペーサ)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの硬化部分である外側部分の断面積をスペーサ全断面積の95%にした以外は、実施例4と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した。スペーサと片方の基板との接着性がないため、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0069】
(比較例7−外側硬化部分が10%未満の四角柱スペーサ)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの硬化部分である外側部分の断面積をスペーサ全断面積をの8%にした以外は、実施例6と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価したところ、硬化部分が少ないためスペーサの強度が不足し、パネル形成時にスペーサが潰れ、1.8μmのギャップ形成ができなかった。このため、良好な液晶表示が実現できなかった。
【0070】
(比較例8−外側硬化部分が90%超の四角柱スペーサ)
フォトマスクと露光条件を制御して、スペーサの硬化部分である外側部分の断面積をスペーサ全断面積の95%にした以外は、実施例6と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した。スペーサと片方の基板との接着性がないため、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0071】
(比較例9−1次露光の光量が10%未満)
スペーサを形成する円全体の露光量をレジストが硬化する光量の5%とした以外は、実施例8と同一条件で液晶表示装置を作製した。
1次露光時の光量が不十分のため、2次露光後の現像時にスペーサの内側の半硬化部分の樹脂が除去されたため、スペーサと基板との接着性が得られなかった。このため、この液晶表示装置を実施例1と同様に評価を行い、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0072】
(比較例10−1次露光の光量が80%超)
スペーサを形成する円全体の露光量をレジストが硬化する光量の85%とした以外は、実施例8と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した。基板を重ね合わせる前にスペーサの内側部分まで硬化が進んでいて、スペーサと片方の基板との十分な接着性が得られないため、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が見られ、表示不良が認められた。
【0073】
(比較例11−2次露光の光量が20%未満)
外側部分(直径6μm、幅2μm)のみレジストが硬化する光量の10%で露光した以外は、実施例8と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価したところ、スペーサに完全に硬化した部分がなく、スペーサの強度が不足するため、パネル形成時にスペーサが潰れ、1.8μmのギャップ形成ができなかった。このため、良好な液晶表示が実現できなかった。
【0074】
(比較例12−スペーサ硬化温度190℃)
スペーサ材として、190℃、1時間で硬化するネガレジストを用い、190℃、1時間で硬化させた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を試作した。
このスペーサ硬化温度は、配向膜のラビング硬化を喪失させる温度(150℃)より高かったため、配向膜に熱によるダメージが見られ、液晶表示装置の表示品位が低下した。
【0075】
本発明は、以上説明したとおりであるが、その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりである。
(付記1)少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記スペーサが、前記基板を重ね合わせる前の段階で、前記基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有し、そして前記基板のおのおのが、少なくとも、それらを重ね合わせた後の前記スペーサの半硬化部分の硬化により該スペーサに接着していることを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記スペーサがネガ型感光性樹脂で形成されていることを特徴とする、付記1記載の液晶表示装置。
(付記3)前記半硬化部分の割合が、硬化部分と半硬化部分を合わせた全体の10〜90%であることを特徴とする、付記1又は2記載の液晶表示装置。
(付記4)前記スペーサは、基板との接触面において外周部が硬化部分を構成し、中央部が半硬化部分を構成していることを特徴とする、付記1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記5)前記スペーサが2ヶ所以上の硬化部分を含み、基板との接触面において、硬化部分と半硬化部分とが同心状に交互に配置されていることを特徴とする、付記1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記6)前記スペーサが、一番内側の円形部分と、これを同心状に囲む環状部分で構成されていることを特徴とする、付記5記載の液晶表示装置。
(付記7)前記スペーサの硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記1から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記8)前記スペーサの硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記1から7までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記9)前記スペーサの感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記1から8までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記10)前記基板の周辺部が熱硬化性樹脂で封止されており、該樹脂の硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記1から9までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記11)前記スペーサの硬化温度が前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度に等しいか、あるいはそれより低いことを特徴とする、付記10記載の液晶表示装置。
(付記12)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記10又は11記載の液晶表示装置。
(付記13)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記1から12までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記14)付記1記載の液晶表示装置を製造する方法であって、一方の基板上に、基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサの半硬化部分を硬化させて基板に接着させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記15)前記スペーサの材料としてネガ型感光性樹脂を使用し、該スペーサの形成を、フォトリソグラフィー法による該ネガ型感光性樹脂のパターニングにより行うことを特徴とする、付記14記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記16)一方の基板上にネガ型感光性樹脂層を形成し、形成しようとするスペーサの断面形状に対応するパターンを備えたフォトマスクを使用して該感光性樹脂が硬化する全光量の10〜80%の光量で該感光性樹脂層の露光を行い、次にフォトマスクをスペーサの硬化部分に対応したパターンを持つものに換えて該感光性樹脂層の露光を行い、その後該感光性樹脂層を現像処理することにより、前記硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成することを特徴とする、付記15記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記17)一方の基板上にネガ型感光性樹脂層を形成し、光を透過する部分が外側から内側にかけて光透過率を異にするフォトマスクを使用して該感光性樹脂層の露光を行い、その後該感光性樹脂層を現像処理することにより、硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを外側から内側にかけて硬化状態が連続的又は段階的に変化するものとして形成することを特徴とする、付記15記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記18)前記スペーサを、半硬化部分の割合が硬化部分と半硬化部分を合わせた全体の10〜90%となるように形成することを特徴とする、付記14から17までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記19)前記スペーサを、基板との接触面において外周部が硬化部分を構成し、中央部が半硬化部分を構成するように形成することを特徴とする、付記14から18までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記20)前記スペーサを、基板との接触面において同心状に配置された硬化部分と半硬化部分を有するように形成することを特徴とする、付記14か18までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記21)前記硬化部分と半硬化部分を、一番内側の円形部分と、これを同心状に囲む環状部分として形成することを特徴とする、付記20記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記22)前記スペーサの硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記14から21までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記23)前記スペーサの硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記14から22までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記24)前記スペーサの感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記14から23までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記25)前記基板の周辺部を、硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低い熱硬化性樹脂で封止することを特徴とする、付記17から24までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記26)前記スペーサの硬化温度が前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度に等しいか、あるいはそれより低いことを特徴とする、付記25記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記27)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記25又は26記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記28)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記14から27までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置においては、ビーズ等の混合なしに十分な強度を持つとともに、基板への接着性を併せ持つスペーサを用いることによって、液晶表示装置の有効表示領域のギャップを均一且つ一定に保つことができる。それにより、本発明の液晶表示装置は、有効表示領域内におけるコントラストや応答速度の均一性が改善され、表示品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製作した液晶表示装置を説明する図である。
【図2】本発明の液晶表示装置で使用するスペーサを説明する図である。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板
3…スペーサ
4…接着シール材
5…液晶
10…液晶表示装置
12…硬化部分
14…半硬化部分
Claims (10)
- 少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記スペーサが、前記基板を重ね合わせる前の段階で、前記基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有し、そして前記基板のおのおのが、少なくとも、それらを重ね合わせた後の前記スペーサの半硬化部分の硬化により該スペーサに接着していることを特徴とする液晶表示装置。
- 前記半硬化部分の割合が、硬化部分と半硬化部分を合わせた全体の10〜90%であることを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサが、基板との接触面を底面とする円柱あるいは多角柱であることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサは、基板との接触面において外周部が硬化部分を構成し、中央部が半硬化部分を構成していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサが2ヶ所以上の硬化部分を含み、基板との接触面において、硬化部分と半硬化部分とが同心状に交互に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサが感光性樹脂で形成されており、該感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 請求項1から7までのいずれか一つに記載の液晶表示装置を製造する方法であって、一方の基板上に、基板と接触する面内に硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサの半硬化部分を硬化させて基板に接着させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
- 一方の基板上にネガ型感光性樹脂層を形成し、形成しようとするスペーサの断面形状に対応するパターンを備えたフォトマスクを使用して該感光性樹脂が硬化する全光量の10〜80%の光量で該感光性樹脂層の露光を行い、次にフォトマスクをスペーサの硬化部分に対応したパターンを持つものに換えて該感光性樹脂層の露光を行い、その後該感光性樹脂層を現像処理することにより、前記硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを形成することを特徴とする、請求項8記載の液晶表示装置の製造方法。
- 一方の基板上にネガ型感光性樹脂層を形成し、光を透過する部分が外側から内側にかけて光透過率を異にするフォトマスクを使用して該感光性樹脂層の露光を行い、その後該感光性樹脂層を現像処理することにより、硬化部分と半硬化部分とを有するスペーサを外側から内側にかけて硬化状態が連続的又は段階的に変化するものとして形成することを特徴とする、請求項8記載の液晶表示装置の製造方法。
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