JP2004013098A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビーズ等を混合しないスペーサにより基板どうしを強固に接着した、外圧に対する強度と表示特性の向上した液晶表示装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明である一対の基板1、2であって、片面に電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板1、2と、対向するこれらの基板1、2間に配置されたスペーサ3と、該基板間に封入された液晶5とを含み、且つ、対向する該基板1、2の周辺部を封止してなる液晶表示装置10であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサ3が光熱変換能を有し、該スペーサ3が該熱可塑性の配向膜に接着している液晶表示装置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも一方が透明である一対の基板1、2であって、片面に電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板1、2と、対向するこれらの基板1、2間に配置されたスペーサ3と、該基板間に封入された液晶5とを含み、且つ、対向する該基板1、2の周辺部を封止してなる液晶表示装置10であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサ3が光熱変換能を有し、該スペーサ3が該熱可塑性の配向膜に接着している液晶表示装置とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、少なくとも一方が透明である一対の基板の間に、一般に液晶として知られる光スイッチ機能を有する媒体を挟持した液晶表示装置であって、有効表示領域における基板間のギャップが均一且つ一定に保たれることにより、コントラストや応答速度等の均一性が向上し良好な表示品質を示す液晶表示装置と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一方が透明である一対の基板間に、光スイッチ機能を有する媒体である液晶を充填した液晶表示装置は、一般に薄くて軽量で低消費電力である等の点から、電卓、家庭電化製品あるいはOA機器等の表示装置、空間光変調装置(Spacial Light Modulator)等として広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置では、基板間のギャップが均一且つ一定であることが、良好な表示を行うのに不可欠である。ギャップの維持のためには、基板間に配置される、一般にスペーサと呼ばれる部材が使用されている。スペーサには、大別して粒子(ビーズ)状のものと柱状のものがあり、それらの配置・固定化方法が種々開発されてきた。
【0004】
一つの方法として、球状の粒子(ビーズ)を基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御する方法が提案されている。ところが、この方法では、ビーズの配置を制御することが困難であり、ビーズは表示に不可欠な画素部分にも散布されることになって、それにより液晶分子の配向欠陥を招来し、表示品位を低下させる問題があった。
【0005】
これを防止するため、ビーズの散布に代えて、フォトリソグラフィー法により画素部分以外に柱状のスペーサを選択的に形成する技術が提案されている。この場合、画素部分にスペーサがないため、配向欠陥、表示品位低下を防止することができる。ところが、スペーサは通常、一方の基板とは接着しているものの他方の基板とは接着性がないため、外圧を受ける(例えば指先で押される等)と基板間隔が変動し、それに従い基板上の電極間隔が変動して、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等の問題が発生していた。
【0006】
スペーサに両基板との接着性を持たせる検討が行われているが、基板を重ね合わせる前の樹脂スペーサの熱硬化が進行していない条件で基板を重ね合わせ、加熱し、樹脂スペーサを硬化させた場合、基板との接着性は保持できるものの、基板を重ね合わせた時の圧力により、硬化前のスペーサが変形し、精密なギャップ制御ができない問題があった。
【0007】
そこで、特開2000−155321号公報では、スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立するようにしている。ところが、この手法では、ビーズをスペーサ形成用の樹脂に分散させているため、下記に示す問題が発生する。
(1)確率的にビーズを含有しないスペーサが存在するため、ギャップ均一性が劣る。
(2)この問題を避けるため、ビーズ含有量を増やすと、ビーズがフィラーとして作用して悪影響を及ぼし、スペーサの製造時にスペーサ材料を均一にスピンコートできず、塗布厚さにムラができ、その結果スペーサ高さが不均一になる。
(3)均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分はパターニングにより除去するため、ほとんどのビーズは捨てることになり、製造コストを上昇させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、液晶表示装置用スペーサのこれまでの配置・固定化技術は、外圧に対し強く(耐衝撃性が高い)、表示特性の良好な液晶表示装置を実現するのに十分ではなかった。
【0009】
また、これまでのスペーサは、基板上にスペーサを均一且つ高密度に配置させた状態で配向膜材料溶液を塗布することが困難であったり、配向膜のラビング処理の際にスペーサが剥がれ落ちてしまったりといったように、液晶表示装置の表示品質を維持したままスペーサを基板上に固定するのにも十分でなかった。
【0010】
更に、フォトリソグラフィー法により一方の基板の画素部分以外に形成した完全に硬化したスペーサによりギャップ制御した場合、対向する他方の基板との十分な接着性が得られないため、基板中央部の電極間のギャップが外圧によって狭くなり、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等が生じ、また極端な場合は、外力によって上下基板どうしが接触し、配向膜が損傷を受けて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下する等の問題が発生していた。
【0011】
本発明は、前記の問題の解決し、ビーズ等を混合していないスペーサにより基板どうしを強固に接着して、外圧に対する強度と表示特性の向上を実現可能な液晶表示装置とその製造方法の提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサが光熱変換能を有し、該スペーサが該熱可塑性の配向膜に接着していることを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】
本発明の液晶表示装置は、前記一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することを特徴とする液晶表示装置の製造方法により製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示装置は、スペーサにより間隔をあけて保持された、少なくとも一方が透明である一対の基板を有し、これらの基板間には液晶が封入されている。双方の基板の対向面には、電極が形成され、各電極の上に液晶分子の配向を規制する配向膜が設けられている。電極は、透明基板上のものが透明であればよいが、両方の基板上の電極を透明電極として形成してもよい。以下の説明では、両方の基板上に透明電極が位置するものとする。
【0015】
本発明の液晶表示装置における特徴は、光熱変換能を備えたスペーサが、一対の基板のうちの少なくとも一方の、熱可塑性配向膜を備えた基板にその熱可塑性配向膜を介して接着していることことにある。これにより、双方の基板はスペーサにより強固に結合され、基板間のギャップが均一且つ一定に保持される。
【0016】
本発明で使用する光熱変換能を有するスペーサは、スペーサを構成する基剤に光熱変換能を付与する物質を添加した材料から形成される。スペーサを構成する基剤材料としては、フォトリソグラフィー法によるパターニングが可能であり、スペーサを所定パターンに従って、例えば円柱、角柱等の、一般に柱状のスペーサとして形成するのが容易な感光性樹脂を用いるのが好適である。感光性樹脂を用いれば、液晶表示装置の画素部分を除いて基板間の一定のギャップの保持に有効な位置にスペーサを配置することができ、また、パターニングに先立ち形成する感光性樹脂層の膜厚を調整することにより対向基板間の距離を制御するのが容易である。
【0017】
スペーサを形成する感光性樹脂としては、ポジ型又はネガ型の各種の感光性樹脂が使用できる。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂等、あるいはゼラチンを感光性樹脂化したものから選択される少なくとも1種の樹脂を使用することができ、ここに挙げた樹脂は一般的なレジスト材料として商業的に入手可能である。
【0018】
本発明におけるスペーサに光熱変換能を付与する物質としては、カーボンブラック、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、バナジルナフタロシアニン等の、赤外光を吸収して熱に変換する物質を使用することができる。2種以上の光熱変換剤を併用することも可能である。アミニウム化合物、ジイモニウム化合物及びバナジルナフタロシアニンは、それぞれ下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される。
【0019】
【化4】
【0020】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
【0021】
【化5】
【0022】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
【0023】
【化6】
【0024】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
【0025】
スペーサ中の光熱変換能付与物質の濃度は、感光性樹脂等の基剤の20wt%以下であるのが好ましい。20%を超える光熱変換能付与物質濃度では、この物質の発熱効率が飽和しているため、これ以上の光熱変換能付与物質を添加しても光熱変換効率が向上せず、また、樹脂に対する光熱変換能付与物質の溶解性も低下する。一方、光熱変換能付与物質濃度の下限は、使用する光熱変換能付与物質と基剤の種類に応じ、スペーサを基板に接着させるのに最低限必要とされる量として、適宜求めることができる。
【0026】
本発明の液晶表示装置で使用する少なくとも一方の基板上の配向膜は、熱可塑性材料で形成される。本発明においては、両方の基板上の配向膜を熱可塑性材料で形成してもよい。一方の基板上の配向膜のみを熱可塑性材料により形成する場合、その基板は、一対の基板を重ね合わせる前にスペーサを形成しない方の基板(重ね合わせた後にもう一方の基板に形成されたスペーサの先端と接触する方の基板)であることが必要である。これは、光熱変換能を備えた本発明におけるスペーサは、対向基板を重ね合わせた後の光照射により発熱してその先端が接触する熱可塑性配向膜を軟化させ、それにより接着性を発現する該配向膜を介して該基板に接着するからである。
【0027】
熱可塑性配光膜の材料としては、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の各種樹脂が使用可能である。2種以上の材料の混合物の使用も可能である。
【0028】
本発明では、対向基板を重ね合わせた後の光照射によりスペーサが発熱して、その先端が接触する部分のみの熱可塑性配向膜を軟化させるので、それ以外の領域、すなわち液晶表示装置における有効表示領域の配向膜は、ほとんどあるいは全くスペーサの熱の影響を受けない。従って、熱可塑性配向膜の軟化温度は、配向膜が通常熱により損傷を被る温度より高くてもよい。とは言え、熱可塑性配向膜の軟化温度が極端に高くなると、スペーサとの接触部の周囲の配向膜に熱による影響が及びかねないので、熱可塑性配向膜の軟化温度は一般に200℃以下であるのが好ましい。
【0029】
本発明の液晶表示装置は、一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することにより製造することができる。
【0030】
熱可塑性の配向膜を軟化させるためには、その配向膜の側から光を照射して光熱変換能を有するスペーサを発熱させるのが好ましい。従って、光の照射によるスペーサの発熱によりスペーサに接着させる熱可塑性配向膜は、透明な基板上に形成するのが好ましい。
【0031】
本発明で用いるスペーサは、一対の基板を重ね合わせる前に硬化させておくことができる。このようなスペーサを用いることにより、重ね合わせた基板間のギャッを一定に保つことができる。一方の基板上に形成された硬化スペーサは、光の照射により熱変換能付与物質が発生する熱により熱可塑性配向膜を軟化させ、それによりスペーサと基板との接着がなされる。こうして、基板間ギャップを一定に保ちつつ、双方の基板を強固に結合することができる。
【0032】
基板間ギャップへの液晶の充填方法としては、予め対向させた基板間に真空を利用して液晶を充填封入する真空法、あるいは一方の基板上に液晶を滴下してから他方の基板を重ねる滴下法が代表的であり、本発明の液晶表示装置はそのどちらにより製造することも可能である。例えば、滴下法による場合、一対の基板の一方に前記スペーサを形成し、一対の基板のいずれか一方の基板上に液晶を滴下した後、2枚の基板を重ね合わせ、光照射によりスペーサを片方の基板の配向膜に接着することができる。その後、対向基板の周辺部を封止することで、液晶表示装置を得ることができる。
【0033】
本発明の液晶表示装置において使用する液晶は特に限定されず、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶等の公知の液晶を使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
図1に、下記の例で製造した液晶表示装置を模式的に示す。この液晶表示装置10には、対向したガラス基板1、2と、これらの基板間に位置し、基板間のギャップを保持しているスペーサ3と、基板1、2の周辺部を封止している接着シール材4と、基板間のギャップに封入された液晶5が含まれている。基板1、2の対向面にはそれぞれ、透明電極が形成されており(一方は個別電極として、他方は共通電極として形成される)、その上にラビング処理を施した配向膜が位置しているが、簡単にするため図1にそれらは図示していない。
【0036】
また、ここでは、液晶表示装置の電極間のギャップを均一かつ一定に保って封止する工程にしぼって説明し、使用する材料等については後の例で具体的に説明する。
【0037】
透明電極と熱可塑性配向膜を形成したガラス基板1の上に、光熱変換能を有する物質を添加したフォトレジスト材料をスピンコートした。このレジスト膜を100℃で1分間プリベーキングをしてから、フォトマスクを用いて紫外線露光装置により露光を行い、続いて現像を行って、基板上に直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサを形成した。こうして形成したスペーサを、純水で洗浄後、乾燥させ、そして180℃、60分のポストベークを行って硬化したスペーサ3を作製した。
【0038】
スペーサ3を設けたガラス基板1の周辺部に、液晶注入口となる部分を残して接着シール材4を配置し、このガラス基板1の上に、やはり熱可塑性の配向膜を備えたもう一方のガラス基板2を載置した組立体を作った。ガラス基板2側から光を照射して、光熱変換能付与物質の発熱によりスペーサ3の温度だけを上昇させ、ガラス基板2のスペーサ3が接触する部分の熱可塑性配向膜を軟化させることにより、スペーサ3を介し双方のガラス基板1、2を結合した。続いて、この組立体を熱処理装置(図示せず)内に装填し、接着シール材4の熱硬化性樹脂の硬化温度(110℃〜150℃)で加熱加圧して、接着シール材4によりガラス基板1、2の周辺をシールした。
【0039】
その後、液晶注入口を通してガラス基板1とガラス基板2の間に液晶を注入し、液晶注入口を最終的に封止した。
(実施例1)
上述の液晶表示装置の製造方法に従って、実施例1の液晶表示装置を次のように製造した。
【0040】
ITOの透明電極を設けた200×100×1.1mmの一対のガラス基板上に、3wt%のポリカーボネート溶液(このポリカーボネートの軟化温度は146℃)をスピンコータにより2000rpmの回転数で塗布し、100℃で30分乾燥して配向膜を形成した。続いて、これらの配向膜をラビング処理した。
【0041】
一方のガラス基板の配向膜上に、ネガ型フォトレジスト材料(TLOR−N、東京応化工業社製)にこのレジスト材料の5wt%のカーボンブラック(Printex150T、キャボット社製)を均一に混合したスペーサ材を、膜厚が2μmになるようにスピンコートした。形成したレジスト膜のプリベーキングをホットプレート上にて100℃で1分間行い、そして紫外線露光装置により50mJ/cm2のエネルギでレジスト膜の露光を行った。次に、レジスト膜を現像して、直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサを形成し、純水で洗浄後、乾燥させ、更に180℃、1時間のポストベークを行い、スペーサを硬化させた。
【0042】
続いて、このガラス基板の周辺部に150℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を液晶注入口を除いて印刷法によって付着させた。一対のガラス基板を透明電極が向かい合うように重ね合わせ、スペーサを形成しなかった方の基板側から、キセノンフラッシュランプ(FW502、ウシオ電機社製)を用いて3Hzの発光周波数で3秒間照射し、スペーサ先端と接触している軟化した熱可塑性配向膜によりスペーサとガラス基板を接着させた。こうして結合した一対の基板を真空袋に入れ、150℃、1時間で周辺部のシール部材であるエポキシ樹脂を硬化させた。
【0043】
次に、液晶注入口を通して強誘電性液晶を注入し(真空法)、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示装置を得た。
【0044】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられなかった。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して、耐ストレス性を備えることが認められた。
【0045】
液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0046】
(比較例1)
ここでは、実施例1の液晶表示装置と比較するために、ガラス基板の寸法形状、配向膜、スペーサ及び液晶材料等の条件は実施例1と同一にし、光熱変換能付与物質を添加していないスペーサ材によりスペーサを形成した液晶表示装置の例を説明する。
【0047】
より具体的に言えば、光熱変換能付与物質を添加していないスペーサ材によりスペーサを形成し、一対の基板を重ね合わせてからキセノンフラッシュランプによる照射を行わなかったことを除き、実施例1と同じ手順に従って液晶表示装置を作製した。
【0048】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察された。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0049】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、基板を重ね合わせる前に既に硬化が進んでいたスペーサが一方の基板と接着していないため、荷重により基板間ギャップが変動したためである。
【0050】
(実施例2)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(1)で表されるアミニウム化合物(式中のR1〜R8はメチル基、Xは塩素)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0051】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0052】
(実施例3)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(2)で表されるジイモニウム化合物(式中のR1〜R8はメチル基、Xは塩素)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0053】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0054】
(実施例4)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(3)で表されるバナジルナフタロシアニン化合物(式中のMはバナジウム、R1〜R3はメチル基)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0055】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0056】
(実施例5)
光源をレーザー光源(波長905nm、2W、HPD社)に換え、レーザー光を30秒間照射した以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0057】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0058】
(実施例6)
スペーサ基剤であるレジスト材料への光熱変換能付与物質であるカーボンブラックの添加量をレジスト材料の20wt%にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0059】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0060】
(比較例2)
スペーサ基剤のレジスト材料へのカーボンブラックの添加量をレジスト材料の25wt%にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この例では、スペーサをフォトリソグラフィー法により所定パターンで形成することができなかった。
【0061】
(比較例3)
配向膜材料として軟化温度が350℃のポリイミドを用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0062】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察された。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0063】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、スペーサが一方の基板と接着していないため、荷重により基板間ギャップが変動したためである。
【0064】
(実施例7)
強誘電性液晶をツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0065】
(実施例8)
強誘電性液晶をスーパーツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0066】
(実施例9)
強誘電性液晶をネマティックコレステリック相転移型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0067】
(実施例10)
強誘電性液晶を反強誘電性液晶に換えた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0068】
(実施例11)
強誘電性液晶をツイストグレインバウンダリ液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0069】
(実施例12)
強誘電性液晶をスメクティックA相液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0070】
(実施例13)
液晶注入方法として、真空注入法に代えて滴下法を採用し、スペーサを形成した一方の基板の周辺部に封止部材を配置し、この基板上に強誘電性液晶を滴下した後、この基板にもう一方の基板を重ね合わせ、光照射によりスペーサをもう一方の基板に接着させた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。減圧下での液晶注入時間が不要になるため、実施例1に比べ、製造時間を短縮できた。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0071】
本発明は、以上説明したとおりであるが、その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりである。
(付記1)少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサが光熱変換能を有し、該スペーサが該熱可塑性の配向膜に接着していることを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記配向膜の軟化点が200℃以下であることを特徴とする、付記1記載の液晶表示装置。
(付記3)前記配向膜が、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とする、付記1又は2記載の液晶表示装置。
(付記4)前記スペーサが、光熱変換能付与物質を添加したスペーサ基剤材料から形成されていることを特徴とする、付記1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記5)前記光熱変換能付与物質が、カーボンブラック、下式で表されるアミニウム化合物、
【0072】
【化7】
【0073】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるジイモニウム化合物、
【0074】
【化8】
【0075】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるバナジルナフタロシアニン、
【0076】
【化9】
【0077】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、付記4記載の液晶表示装置。
(付記6)前記スペーサが、前記スペーサ基剤材料の20wt%以下の光熱変化能付与物質を含有していることを特徴とする、付記4又は5記載の液晶表示装置。
(付記7)前記スペーサ基剤材料がポジ型又はネガ型の感光性樹脂であることを特徴とする、付記4から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記8)前記感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記7記載の液晶表示装置。
(付記9)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記1から8までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記10)付記1記載の液晶表示装置を製造する方法であって、前記一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記11)前記配向膜の軟化点が200℃以下であることを特徴とする、付記10記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記12)前記配向膜を、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる熱可塑性樹脂により形成することを特徴とする、付記10又は11記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記13)前記スペーサを、光熱変換能付与物質を添加したスペーサ基剤材料から形成することを特徴とする、付記10から12までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記14)前記光熱変換能付与物質が、カーボンブラック、下式で表されるアミニウム化合物、
【0078】
【化10】
【0079】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるジイモニウム化合物、
【0080】
【化11】
【0081】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるバナジルナフタロシアニン、
【0082】
【化12】
【0083】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、付記13記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記15)前記スペーサを、前記スペーサ基剤材料の20wt%以下の光熱変換能付与物質を含有するように形成することを特徴とする、付記13又は14記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記16)前記スペーサ基剤材料がポジ型又はネガ型の感光性樹脂であることを特徴とする、付記13から15までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記17)前記感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記16記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記18)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記10から17までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置においては、ビーズ等の混合なしに十分な強度を持つ硬化スペーサにより、重ね合わせた一対の基板間のギャップを一定に保つことができ、且つ、このスペーサの光熱変換能と熱可塑性の配向膜とにより、光照射時に発生するスペーサの熱でもって軟化する配向膜を介しスペーサと基板とを強固に接着することができる。しかも、この接着の際に、スペーサと接触する領域以外で温度上昇は起こらず、それゆえ配向膜に熱によるダメージを与えることがない。それにより、本発明の液晶表示装置では、有効表示領域内におけるコントラストや応答速度の均一性が改善され、表示品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製作した液晶表示装置を説明する図である。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板
3…スペーサ
4…接着シール材
5…液晶
10…液晶表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、少なくとも一方が透明である一対の基板の間に、一般に液晶として知られる光スイッチ機能を有する媒体を挟持した液晶表示装置であって、有効表示領域における基板間のギャップが均一且つ一定に保たれることにより、コントラストや応答速度等の均一性が向上し良好な表示品質を示す液晶表示装置と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一方が透明である一対の基板間に、光スイッチ機能を有する媒体である液晶を充填した液晶表示装置は、一般に薄くて軽量で低消費電力である等の点から、電卓、家庭電化製品あるいはOA機器等の表示装置、空間光変調装置(Spacial Light Modulator)等として広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置では、基板間のギャップが均一且つ一定であることが、良好な表示を行うのに不可欠である。ギャップの維持のためには、基板間に配置される、一般にスペーサと呼ばれる部材が使用されている。スペーサには、大別して粒子(ビーズ)状のものと柱状のものがあり、それらの配置・固定化方法が種々開発されてきた。
【0004】
一つの方法として、球状の粒子(ビーズ)を基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御する方法が提案されている。ところが、この方法では、ビーズの配置を制御することが困難であり、ビーズは表示に不可欠な画素部分にも散布されることになって、それにより液晶分子の配向欠陥を招来し、表示品位を低下させる問題があった。
【0005】
これを防止するため、ビーズの散布に代えて、フォトリソグラフィー法により画素部分以外に柱状のスペーサを選択的に形成する技術が提案されている。この場合、画素部分にスペーサがないため、配向欠陥、表示品位低下を防止することができる。ところが、スペーサは通常、一方の基板とは接着しているものの他方の基板とは接着性がないため、外圧を受ける(例えば指先で押される等)と基板間隔が変動し、それに従い基板上の電極間隔が変動して、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等の問題が発生していた。
【0006】
スペーサに両基板との接着性を持たせる検討が行われているが、基板を重ね合わせる前の樹脂スペーサの熱硬化が進行していない条件で基板を重ね合わせ、加熱し、樹脂スペーサを硬化させた場合、基板との接着性は保持できるものの、基板を重ね合わせた時の圧力により、硬化前のスペーサが変形し、精密なギャップ制御ができない問題があった。
【0007】
そこで、特開2000−155321号公報では、スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立するようにしている。ところが、この手法では、ビーズをスペーサ形成用の樹脂に分散させているため、下記に示す問題が発生する。
(1)確率的にビーズを含有しないスペーサが存在するため、ギャップ均一性が劣る。
(2)この問題を避けるため、ビーズ含有量を増やすと、ビーズがフィラーとして作用して悪影響を及ぼし、スペーサの製造時にスペーサ材料を均一にスピンコートできず、塗布厚さにムラができ、その結果スペーサ高さが不均一になる。
(3)均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分はパターニングにより除去するため、ほとんどのビーズは捨てることになり、製造コストを上昇させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、液晶表示装置用スペーサのこれまでの配置・固定化技術は、外圧に対し強く(耐衝撃性が高い)、表示特性の良好な液晶表示装置を実現するのに十分ではなかった。
【0009】
また、これまでのスペーサは、基板上にスペーサを均一且つ高密度に配置させた状態で配向膜材料溶液を塗布することが困難であったり、配向膜のラビング処理の際にスペーサが剥がれ落ちてしまったりといったように、液晶表示装置の表示品質を維持したままスペーサを基板上に固定するのにも十分でなかった。
【0010】
更に、フォトリソグラフィー法により一方の基板の画素部分以外に形成した完全に硬化したスペーサによりギャップ制御した場合、対向する他方の基板との十分な接着性が得られないため、基板中央部の電極間のギャップが外圧によって狭くなり、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等が生じ、また極端な場合は、外力によって上下基板どうしが接触し、配向膜が損傷を受けて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下する等の問題が発生していた。
【0011】
本発明は、前記の問題の解決し、ビーズ等を混合していないスペーサにより基板どうしを強固に接着して、外圧に対する強度と表示特性の向上を実現可能な液晶表示装置とその製造方法の提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサが光熱変換能を有し、該スペーサが該熱可塑性の配向膜に接着していることを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】
本発明の液晶表示装置は、前記一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することを特徴とする液晶表示装置の製造方法により製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示装置は、スペーサにより間隔をあけて保持された、少なくとも一方が透明である一対の基板を有し、これらの基板間には液晶が封入されている。双方の基板の対向面には、電極が形成され、各電極の上に液晶分子の配向を規制する配向膜が設けられている。電極は、透明基板上のものが透明であればよいが、両方の基板上の電極を透明電極として形成してもよい。以下の説明では、両方の基板上に透明電極が位置するものとする。
【0015】
本発明の液晶表示装置における特徴は、光熱変換能を備えたスペーサが、一対の基板のうちの少なくとも一方の、熱可塑性配向膜を備えた基板にその熱可塑性配向膜を介して接着していることことにある。これにより、双方の基板はスペーサにより強固に結合され、基板間のギャップが均一且つ一定に保持される。
【0016】
本発明で使用する光熱変換能を有するスペーサは、スペーサを構成する基剤に光熱変換能を付与する物質を添加した材料から形成される。スペーサを構成する基剤材料としては、フォトリソグラフィー法によるパターニングが可能であり、スペーサを所定パターンに従って、例えば円柱、角柱等の、一般に柱状のスペーサとして形成するのが容易な感光性樹脂を用いるのが好適である。感光性樹脂を用いれば、液晶表示装置の画素部分を除いて基板間の一定のギャップの保持に有効な位置にスペーサを配置することができ、また、パターニングに先立ち形成する感光性樹脂層の膜厚を調整することにより対向基板間の距離を制御するのが容易である。
【0017】
スペーサを形成する感光性樹脂としては、ポジ型又はネガ型の各種の感光性樹脂が使用できる。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂等、あるいはゼラチンを感光性樹脂化したものから選択される少なくとも1種の樹脂を使用することができ、ここに挙げた樹脂は一般的なレジスト材料として商業的に入手可能である。
【0018】
本発明におけるスペーサに光熱変換能を付与する物質としては、カーボンブラック、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、バナジルナフタロシアニン等の、赤外光を吸収して熱に変換する物質を使用することができる。2種以上の光熱変換剤を併用することも可能である。アミニウム化合物、ジイモニウム化合物及びバナジルナフタロシアニンは、それぞれ下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される。
【0019】
【化4】
【0020】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
【0021】
【化5】
【0022】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
【0023】
【化6】
【0024】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
【0025】
スペーサ中の光熱変換能付与物質の濃度は、感光性樹脂等の基剤の20wt%以下であるのが好ましい。20%を超える光熱変換能付与物質濃度では、この物質の発熱効率が飽和しているため、これ以上の光熱変換能付与物質を添加しても光熱変換効率が向上せず、また、樹脂に対する光熱変換能付与物質の溶解性も低下する。一方、光熱変換能付与物質濃度の下限は、使用する光熱変換能付与物質と基剤の種類に応じ、スペーサを基板に接着させるのに最低限必要とされる量として、適宜求めることができる。
【0026】
本発明の液晶表示装置で使用する少なくとも一方の基板上の配向膜は、熱可塑性材料で形成される。本発明においては、両方の基板上の配向膜を熱可塑性材料で形成してもよい。一方の基板上の配向膜のみを熱可塑性材料により形成する場合、その基板は、一対の基板を重ね合わせる前にスペーサを形成しない方の基板(重ね合わせた後にもう一方の基板に形成されたスペーサの先端と接触する方の基板)であることが必要である。これは、光熱変換能を備えた本発明におけるスペーサは、対向基板を重ね合わせた後の光照射により発熱してその先端が接触する熱可塑性配向膜を軟化させ、それにより接着性を発現する該配向膜を介して該基板に接着するからである。
【0027】
熱可塑性配光膜の材料としては、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の各種樹脂が使用可能である。2種以上の材料の混合物の使用も可能である。
【0028】
本発明では、対向基板を重ね合わせた後の光照射によりスペーサが発熱して、その先端が接触する部分のみの熱可塑性配向膜を軟化させるので、それ以外の領域、すなわち液晶表示装置における有効表示領域の配向膜は、ほとんどあるいは全くスペーサの熱の影響を受けない。従って、熱可塑性配向膜の軟化温度は、配向膜が通常熱により損傷を被る温度より高くてもよい。とは言え、熱可塑性配向膜の軟化温度が極端に高くなると、スペーサとの接触部の周囲の配向膜に熱による影響が及びかねないので、熱可塑性配向膜の軟化温度は一般に200℃以下であるのが好ましい。
【0029】
本発明の液晶表示装置は、一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することにより製造することができる。
【0030】
熱可塑性の配向膜を軟化させるためには、その配向膜の側から光を照射して光熱変換能を有するスペーサを発熱させるのが好ましい。従って、光の照射によるスペーサの発熱によりスペーサに接着させる熱可塑性配向膜は、透明な基板上に形成するのが好ましい。
【0031】
本発明で用いるスペーサは、一対の基板を重ね合わせる前に硬化させておくことができる。このようなスペーサを用いることにより、重ね合わせた基板間のギャッを一定に保つことができる。一方の基板上に形成された硬化スペーサは、光の照射により熱変換能付与物質が発生する熱により熱可塑性配向膜を軟化させ、それによりスペーサと基板との接着がなされる。こうして、基板間ギャップを一定に保ちつつ、双方の基板を強固に結合することができる。
【0032】
基板間ギャップへの液晶の充填方法としては、予め対向させた基板間に真空を利用して液晶を充填封入する真空法、あるいは一方の基板上に液晶を滴下してから他方の基板を重ねる滴下法が代表的であり、本発明の液晶表示装置はそのどちらにより製造することも可能である。例えば、滴下法による場合、一対の基板の一方に前記スペーサを形成し、一対の基板のいずれか一方の基板上に液晶を滴下した後、2枚の基板を重ね合わせ、光照射によりスペーサを片方の基板の配向膜に接着することができる。その後、対向基板の周辺部を封止することで、液晶表示装置を得ることができる。
【0033】
本発明の液晶表示装置において使用する液晶は特に限定されず、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶等の公知の液晶を使用することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
図1に、下記の例で製造した液晶表示装置を模式的に示す。この液晶表示装置10には、対向したガラス基板1、2と、これらの基板間に位置し、基板間のギャップを保持しているスペーサ3と、基板1、2の周辺部を封止している接着シール材4と、基板間のギャップに封入された液晶5が含まれている。基板1、2の対向面にはそれぞれ、透明電極が形成されており(一方は個別電極として、他方は共通電極として形成される)、その上にラビング処理を施した配向膜が位置しているが、簡単にするため図1にそれらは図示していない。
【0036】
また、ここでは、液晶表示装置の電極間のギャップを均一かつ一定に保って封止する工程にしぼって説明し、使用する材料等については後の例で具体的に説明する。
【0037】
透明電極と熱可塑性配向膜を形成したガラス基板1の上に、光熱変換能を有する物質を添加したフォトレジスト材料をスピンコートした。このレジスト膜を100℃で1分間プリベーキングをしてから、フォトマスクを用いて紫外線露光装置により露光を行い、続いて現像を行って、基板上に直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサを形成した。こうして形成したスペーサを、純水で洗浄後、乾燥させ、そして180℃、60分のポストベークを行って硬化したスペーサ3を作製した。
【0038】
スペーサ3を設けたガラス基板1の周辺部に、液晶注入口となる部分を残して接着シール材4を配置し、このガラス基板1の上に、やはり熱可塑性の配向膜を備えたもう一方のガラス基板2を載置した組立体を作った。ガラス基板2側から光を照射して、光熱変換能付与物質の発熱によりスペーサ3の温度だけを上昇させ、ガラス基板2のスペーサ3が接触する部分の熱可塑性配向膜を軟化させることにより、スペーサ3を介し双方のガラス基板1、2を結合した。続いて、この組立体を熱処理装置(図示せず)内に装填し、接着シール材4の熱硬化性樹脂の硬化温度(110℃〜150℃)で加熱加圧して、接着シール材4によりガラス基板1、2の周辺をシールした。
【0039】
その後、液晶注入口を通してガラス基板1とガラス基板2の間に液晶を注入し、液晶注入口を最終的に封止した。
(実施例1)
上述の液晶表示装置の製造方法に従って、実施例1の液晶表示装置を次のように製造した。
【0040】
ITOの透明電極を設けた200×100×1.1mmの一対のガラス基板上に、3wt%のポリカーボネート溶液(このポリカーボネートの軟化温度は146℃)をスピンコータにより2000rpmの回転数で塗布し、100℃で30分乾燥して配向膜を形成した。続いて、これらの配向膜をラビング処理した。
【0041】
一方のガラス基板の配向膜上に、ネガ型フォトレジスト材料(TLOR−N、東京応化工業社製)にこのレジスト材料の5wt%のカーボンブラック(Printex150T、キャボット社製)を均一に混合したスペーサ材を、膜厚が2μmになるようにスピンコートした。形成したレジスト膜のプリベーキングをホットプレート上にて100℃で1分間行い、そして紫外線露光装置により50mJ/cm2のエネルギでレジスト膜の露光を行った。次に、レジスト膜を現像して、直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサを形成し、純水で洗浄後、乾燥させ、更に180℃、1時間のポストベークを行い、スペーサを硬化させた。
【0042】
続いて、このガラス基板の周辺部に150℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を液晶注入口を除いて印刷法によって付着させた。一対のガラス基板を透明電極が向かい合うように重ね合わせ、スペーサを形成しなかった方の基板側から、キセノンフラッシュランプ(FW502、ウシオ電機社製)を用いて3Hzの発光周波数で3秒間照射し、スペーサ先端と接触している軟化した熱可塑性配向膜によりスペーサとガラス基板を接着させた。こうして結合した一対の基板を真空袋に入れ、150℃、1時間で周辺部のシール部材であるエポキシ樹脂を硬化させた。
【0043】
次に、液晶注入口を通して強誘電性液晶を注入し(真空法)、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示装置を得た。
【0044】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられなかった。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して、耐ストレス性を備えることが認められた。
【0045】
液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0046】
(比較例1)
ここでは、実施例1の液晶表示装置と比較するために、ガラス基板の寸法形状、配向膜、スペーサ及び液晶材料等の条件は実施例1と同一にし、光熱変換能付与物質を添加していないスペーサ材によりスペーサを形成した液晶表示装置の例を説明する。
【0047】
より具体的に言えば、光熱変換能付与物質を添加していないスペーサ材によりスペーサを形成し、一対の基板を重ね合わせてからキセノンフラッシュランプによる照射を行わなかったことを除き、実施例1と同じ手順に従って液晶表示装置を作製した。
【0048】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察された。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0049】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、基板を重ね合わせる前に既に硬化が進んでいたスペーサが一方の基板と接着していないため、荷重により基板間ギャップが変動したためである。
【0050】
(実施例2)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(1)で表されるアミニウム化合物(式中のR1〜R8はメチル基、Xは塩素)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0051】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0052】
(実施例3)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(2)で表されるジイモニウム化合物(式中のR1〜R8はメチル基、Xは塩素)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0053】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0054】
(実施例4)
スペーサに混入する光熱変換能付与物質として、先に示した式(3)で表されるバナジルナフタロシアニン化合物(式中のMはバナジウム、R1〜R3はメチル基)を用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0055】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0056】
(実施例5)
光源をレーザー光源(波長905nm、2W、HPD社)に換え、レーザー光を30秒間照射した以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0057】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0058】
(実施例6)
スペーサ基剤であるレジスト材料への光熱変換能付与物質であるカーボンブラックの添加量をレジスト材料の20wt%にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0059】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0060】
(比較例2)
スペーサ基剤のレジスト材料へのカーボンブラックの添加量をレジスト材料の25wt%にした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この例では、スペーサをフォトリソグラフィー法により所定パターンで形成することができなかった。
【0061】
(比較例3)
配向膜材料として軟化温度が350℃のポリイミドを用いた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0062】
この液晶表示装置をクロスニコル下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察された。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0063】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、スペーサが一方の基板と接着していないため、荷重により基板間ギャップが変動したためである。
【0064】
(実施例7)
強誘電性液晶をツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
得られた液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0065】
(実施例8)
強誘電性液晶をスーパーツイステッドネマティック型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0066】
(実施例9)
強誘電性液晶をネマティックコレステリック相転移型液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0067】
(実施例10)
強誘電性液晶を反強誘電性液晶に換えた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0068】
(実施例11)
強誘電性液晶をツイストグレインバウンダリ液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0069】
(実施例12)
強誘電性液晶をスメクティックA相液晶に換え、基板ギャップを6μmにした以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0070】
(実施例13)
液晶注入方法として、真空注入法に代えて滴下法を採用し、スペーサを形成した一方の基板の周辺部に封止部材を配置し、この基板上に強誘電性液晶を滴下した後、この基板にもう一方の基板を重ね合わせ、光照射によりスペーサをもう一方の基板に接着させた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。減圧下での液晶注入時間が不要になるため、実施例1に比べ、製造時間を短縮できた。
この液晶表示装置を実施例1と同様に評価した結果、実施例1と同様に良好な特性を示すことが分かった。
【0071】
本発明は、以上説明したとおりであるが、その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりである。
(付記1)少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサが光熱変換能を有し、該スペーサが該熱可塑性の配向膜に接着していることを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記配向膜の軟化点が200℃以下であることを特徴とする、付記1記載の液晶表示装置。
(付記3)前記配向膜が、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とする、付記1又は2記載の液晶表示装置。
(付記4)前記スペーサが、光熱変換能付与物質を添加したスペーサ基剤材料から形成されていることを特徴とする、付記1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記5)前記光熱変換能付与物質が、カーボンブラック、下式で表されるアミニウム化合物、
【0072】
【化7】
【0073】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるジイモニウム化合物、
【0074】
【化8】
【0075】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるバナジルナフタロシアニン、
【0076】
【化9】
【0077】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、付記4記載の液晶表示装置。
(付記6)前記スペーサが、前記スペーサ基剤材料の20wt%以下の光熱変化能付与物質を含有していることを特徴とする、付記4又は5記載の液晶表示装置。
(付記7)前記スペーサ基剤材料がポジ型又はネガ型の感光性樹脂であることを特徴とする、付記4から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記8)前記感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記7記載の液晶表示装置。
(付記9)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記1から8までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記10)付記1記載の液晶表示装置を製造する方法であって、前記一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記11)前記配向膜の軟化点が200℃以下であることを特徴とする、付記10記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記12)前記配向膜を、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる熱可塑性樹脂により形成することを特徴とする、付記10又は11記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記13)前記スペーサを、光熱変換能付与物質を添加したスペーサ基剤材料から形成することを特徴とする、付記10から12までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記14)前記光熱変換能付与物質が、カーボンブラック、下式で表されるアミニウム化合物、
【0078】
【化10】
【0079】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるジイモニウム化合物、
【0080】
【化11】
【0081】
(式中、R1〜R8のそれぞれは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基を表し、X−は陰イオンを表す)
下式で表されるバナジルナフタロシアニン、
【0082】
【化12】
【0083】
(R1〜R8のそれぞれは、水素、ハロゲン原子、炭素数1〜18の飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数1〜13の酸素及び/又は窒素含有炭化水素基を表し、Mは2価の金属、2個の水素原子、又は、3もしくは4価の原子とこれに結合した他の原子とを有する原子団であって全体としての原子価数が2となるものを表す)
及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、付記13記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記15)前記スペーサを、前記スペーサ基剤材料の20wt%以下の光熱変換能付与物質を含有するように形成することを特徴とする、付記13又は14記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記16)前記スペーサ基剤材料がポジ型又はネガ型の感光性樹脂であることを特徴とする、付記13から15までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記17)前記感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記16記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記18)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記10から17までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置においては、ビーズ等の混合なしに十分な強度を持つ硬化スペーサにより、重ね合わせた一対の基板間のギャップを一定に保つことができ、且つ、このスペーサの光熱変換能と熱可塑性の配向膜とにより、光照射時に発生するスペーサの熱でもって軟化する配向膜を介しスペーサと基板とを強固に接着することができる。しかも、この接着の際に、スペーサと接触する領域以外で温度上昇は起こらず、それゆえ配向膜に熱によるダメージを与えることがない。それにより、本発明の液晶表示装置では、有効表示領域内におけるコントラストや応答速度の均一性が改善され、表示品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製作した液晶表示装置を説明する図である。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板
3…スペーサ
4…接着シール材
5…液晶
10…液晶表示装置
Claims (10)
- 少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記配向膜の少なくとも一方が熱可塑性であり、前記スペーサが光熱変換能を有し、該スペーサが該熱可塑性の配向膜に接着していることを特徴とする液晶表示装置。
- 前記配向膜の軟化点が200℃以下であることを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記配向膜が、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルケトン、ポリけい皮酸ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン11、ナイロン12、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、及びそれらの混合物からなる群より選ばれる熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサが、光熱変換能付与物質を添加したスペーサ基剤材料から形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 前記光熱変換能付与物質が、カーボンブラック、下式で表されるアミニウム化合物、
下式で表されるジイモニウム化合物、
下式で表されるバナジルナフタロシアニン、
及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項4記載の液晶表示装置。 - 前記スペーサが、前記スペーサ基剤材料の20wt%以下の光熱変化能付与物質を含有していることを特徴とする、請求項4又は5記載の液晶表示装置。
- 前記スペーサ基剤材料がポジ型又はネガ型の感光性樹脂であることを特徴とする、請求項4から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 前記感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、請求項7記載の液晶表示装置。
- 前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
- 請求項1から9までのいずれか一つに記載の液晶表示装置を製造する方法であって、前記一対の基板上に、少なくとも一方は熱可塑性である配向膜をそれぞれ形成し、一方の基板上に光変換能を有するスペーサを形成し、スペーサを形成した基板と熱可塑性の配向膜を備えた基板とを重ね合わせた後に該スペーサに光を照射して該スペーサに熱を発生させ、その熱を利用して該スペーサを該基板の熱可塑性配向膜に接着することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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