JP4710671B2 - 電気泳動表示媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電気泳動表示媒体およびその製造方法に関し、詳細には、荷電粒子を包含する分散媒を隔壁で仕切られた複数のセルに封入してなる電気泳動表示媒体およびその製造方法に関するものである。
従来から画像を表示するための媒体として、電気泳動表示媒体が知られている。この電気泳動表示媒体は、透明又は半透明の表示面となる第一基板と当該第一基板と対になる第二基板からなる一対の基板間に、荷電粒子を含む分散媒を充填した構成を有している。この荷電粒子が分散媒と異なる色を有している場合には、電圧印加によって、荷電粒子が第一基板側に移動したときには荷電粒子の色が観察され、荷電粒子が第二基板側に移動したときには分散媒の色が観察される。
この電気泳動表示媒体全体を1つのセルとして荷電粒子を泳動させる場合には、荷電粒子の凝集や横方向の移動により荷電粒子を均一に移動させることができず、表示ムラが生じてしまう。そこで一般には、基板上に隔壁を形成して基板間の空間を複数のセルに分割し、それらのセルに荷電粒子を封入することによって粒子の凝集や横方向の移動を制限している。
この隔壁は、表示ムラを低減させるように設けられるものであるので、表示性能に影響を与えないように幅の狭い形状とすることが好ましい。隔壁の高さを低くすれば隔壁の幅を容易に狭くすることができるが、隔壁を低くした場合には、分散媒を透かして第二基板に移動した荷電粒子が視認され、表示コントラストが低下するという新たな問題が起きてしまう。このため隔壁は、表示コントラストを担保するような十分な高さを有し、かつ、表示性能に影響を与えないような狭い幅を有するものが好ましいとされている。そこで例えば、第二基板の表面に、第一基板に向かって幅が狭くなるような隔壁を設けるものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−20640号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電気泳動表示媒体では、隔壁により区画された各セルに薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)等の駆動電極を設ける電気泳動表示媒体においては、駆動電極が設置された第二基板の表面は平坦ではないため、第二基板の表面に微細な隔壁を精度よく設けることが困難であった。また、薄膜トランジスタ等の駆動電極は熱処理に弱く、隔壁を形成するための製造方法が駆動電極の耐熱性により制限されてしまうという問題があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、表示に及ぼす隔壁の悪影響を低減した電気泳動表示媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の電気泳動表示媒体は、画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第一基板と、少なくとも画素に対応する部分を有する駆動電極を複数備え、前記第一基板に対向して設けられた第二基板と、前記第一基板の前記第二基板と対向する面である対向面に立設され、前記第一基板と前記第二基板とにより挟まれた空間を複数のセルに区画する隔壁と、前記セルに内包され、電界の作用により移動する荷電粒子とを備えた電気泳動表示媒体において、前記隔壁は、架橋反応により硬化するベース樹脂と、光を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、前記架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤とを少なくとも含むネガ型のレジスト材料からなり、前記第一基板の前記対向面と前記隔壁とが接触する接触面の面積よりも、前記隔壁の前記第二基板と対向する側の面の面積の方が大きいことを特徴とする。尚、本発明に係る第一基板は、第一基板を構成する基板のみならず、当該基板が共通電極及び共通電極を保護するための保護膜等の各種膜を備えている場合には、これらの共通電極及び保護膜等の各種膜も含む趣旨である。また、本発明における光とは、波長約1nmから1mmの範囲にある電磁波のみならず、電子線も含む趣旨である。
また、請求項2に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記架橋開始剤は紫外線を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させ、前記光吸収剤は紫外線吸収剤からなることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記光吸収剤が、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物からなることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記ベース樹脂がエポキシ系樹脂であり、前記光吸収剤が4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の電気泳動表示媒体は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第一基板の前記対向面は、前記第一基板の前記対向面の疎水性を向上させ、前記第一基板と前記隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜を備えている。
また、請求項6に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第一基板と、少なくとも画素に対応する部分を有する駆動電極を複数備え、前記第一基板に対向して設けられた第二基板と、前記第一基板の前記第二基板と対向する面である対向面に立設され、前記第一基板と前記第二基板とにより挟まれた空間を複数のセルに区画する隔壁と、前記セルに内包され、電界の作用により移動する荷電粒子とを備えた電気泳動表示媒体の製造方法において、架橋反応により硬化するベース樹脂と、光を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、前記架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤とを少なくとも含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成するレジスト成膜工程と、前記レジスト成膜工程にて形成されたレジストに前記隔壁を形成すべき位置に光を照射する露光工程と、前記露光工程にて光を照射したレジストを現像する現像工程とを少なくとも有することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記レジスト成膜工程において、紫外線を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、紫外線吸収剤からなる前記光吸収剤とを含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記レジスト成膜工程において、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物からなる前記光吸収剤を含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記レジスト成膜工程において、エポキシ系樹脂からなる前記ベース樹脂と、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物からなる前記光吸収剤を含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記レジスト成膜工程の前に、前記第一基板の前記対向面の疎水性を向上させ、前記第一基板と前記隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜を前記第一基板の前記対向面に形成する密着性向上剤膜形成工程を有することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項6乃至10のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記露光工程と前記現像工程との間に、前記露光工程にて光を照射したレジストを熱処理する露光後加熱工程を有することを特徴とする。
請求項1に係る発明の電気泳動表示媒体によれば、第一基板の対向面と隔壁とが接触する接触面の面積よりも、隔壁の第二基板と対向する側の面の面積の方が大きくなるように構成しているので、表示コントラストを担保するような十分な高さを有する隔壁を安定して形成するのに必要な隔壁の幅を第二基板側の部分で確保しつつ、表示に及ぼす隔壁の悪影響を低減させることができる。
請求項2に係る発明の電気泳動表示媒体によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、第一基板の対向面と隔壁とが接触する接触面の面積よりも、隔壁の第二基板と対向する側の面の面積の方が大きくなるように構成しているので、表示コントラストを担保するような十分な高さを有する隔壁を安定して形成するのに必要な隔壁の幅を第二基板側の部分で確保しつつ、隔壁が表示に及ぼす悪影響を低減させることができる。
また、請求項3に係る発明の電気泳動表示媒体によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、白色、微黄白色、黄色等の比較的色つきの少ないアゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種からなる光吸収剤を用いているので、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響が抑えられている。
また、請求項4に係る発明の電気泳動表示媒体によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、光吸収剤として、色つきの少ない4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物を用いているので、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響が抑えられている。
また、請求項5に係る発明の電気泳動表示媒体によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、第一基板の対向面には、第一基板と隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜が形成されているため、隔壁が第一基板から剥離しにくい。このため、隔壁が第一基板から剥離することによる表示性能の低下を防止することができる。
また、請求項6に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、隔壁を構成するネガ型レジストとして、架橋反応により硬化するベース樹脂と、光を照射されることによりベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、架橋開始剤によるベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤とを少なくとも含むネガ型レジストを用いている。このうち、架橋開始剤によるベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤は、光源からの光を吸収し、ネガ型レジスト膜内における光透過量を制御している。即ち、露光工程にて、光源から照射される光は光吸収剤により随時吸収されるため、ネガ型レジスト膜内には、光源に近いほど光透過量が多く、ネガ型レジスト膜の第一基板側では光透過量が少なくなるという光透過量の勾配が形成される。このため、第一基板側に存在する架橋開始剤は光源側に存在する架橋開始剤に比べ照射される光の量が少なくなるとともに架橋反応を開始させる活性が小さくなり、ネガ型レジスト膜の第一基板側の部分はネガ型レジスト膜の光源側の部分に比べ硬化しにくくなっている。したがって、本発明の電気泳動表示媒体の製造方法を用いれば、ネガ型レジスト膜を用いた隔壁は第一基板側に向かうに従って幅が狭くなるように形成されるので、表示に及ぼす隔壁の悪影響を低減することができる。また、隔壁の幅の調整に際しては、所望の光吸収量を有する光吸収剤を選定したり、添加量を調整したりすればよく、隔壁の幅を容易に制御可能である。
また、請求項7に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、紫外線を照射されることによりベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤の活性を紫外線吸収剤により効率的に制御することができる。
また、請求項8に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、紫外線吸収量が比較的多い、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物からなる光吸収剤を用いている。従って、紫外線吸収量が少ない光吸収剤を用いる場合に比べ、隔壁の幅を制御するのに必要な光吸収剤の添加量を抑えることができる。
また、請求項9に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、ベース樹脂としてエポキシ系樹脂を用いる場合に、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンはエポキシ系樹脂とよく混ざりやすい。このため、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンはネガ型レジスト膜内に均一に分布しやすく、ネガ型レジスト膜内には光透過量の勾配を均一に形成することができる。したがって、第二基板側から第一基板側に向かって幅が狭くなる隔壁を安定して製造することができる。また、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールは、波長約365nmの紫外線の吸収量が多い。このため、露光工程における光源の波長を約365nmとする場合には、光吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを用いることにより、隔壁の幅を制御するのに必要な光吸収剤の添加量を抑えることができる。
また、請求項10に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明の効果に加え、第一基板の対向面には、第一基板と隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜が形成されているため、隔壁が第一基板から剥離しにくい電気泳動表示媒体を製造することができる。
また、請求項11に係る発明の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項6乃至10のいずれかに記載の発明の効果に加え、露光後加熱工程により、第一基板と隔壁との密着性がさらに向上する。また、露光後加熱工程により露光によって硬化したネガ型レジスト膜の側面が滑らかにされるため、側面形状が滑らかな隔壁を有する電気泳動表示媒体を製造することができる。
以下、本発明に係る電気泳動表示媒体を具体化した電気泳動表示媒体1の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態として例示する電気泳動表示媒体1は携帯用の電子機器に具備可能な小型の表示パネルである。
まず、本発明の第一の実施形態の電気泳動表示媒体1の構成について図1乃至図3を参照して説明する。図1は電気泳動表示媒体1の外観を示す斜視図である。図2は電気泳動表示媒体1の主要部分を示した分解斜視図であり、図3は電気泳動表示媒体1の主要部分の内部構成を説明する説明図である。
図1乃至図3に示すように、電気泳動表示媒体1は、第一基板18と第二基板12とが、スペーサ14を介して対向するように保持されており、第一基板18の第二基板12と対向する面である対向面には、第一基板18と第二基板12とにより挟まれた空間を複数のセルに区画する隔壁13が設けられている。また、第一基板18と第二基板12との間には、分散媒16及び複数の荷電粒子15からなる分散液が封入されている。
表示面を有する第一基板18は、基板11、基板11の第二基板12に対向する面に設けられた共通電極20及び、共通電極20の第二基板12に対向する面に設けられ密着性向上剤膜25(図10参照)から構成されている。
基板11は、画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する基板であり、例えば、透明なガラスやポリイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の材料で形成されている。一方、第二基板12は、表示面側の基板ではないので、必ずしも透明でなくてよく、基板11を形成する透明な材料の他、例えば、表面に絶縁層を設けたステンレスやアルミ等の透明でない材料を用いて形成されていてもよい。尚、図3に示す電気泳動表示媒体1の内部構成を説明する説明図では、基板11及び第二基板12はポリイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂材料で形成されている場合を示しているが、これに限定されるものではない。
スペーサ14は、格子状の隔壁13を囲むように矩形に形成され、第一基板18と第二基板12とを所定の間隔で保持するとともに、後述する分散媒16及び荷電粒子15が外部に漏れ出さないように封止する役割を担っている。このスペーサ14には、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。尚、図3では、スペーサ14は樹脂材料で形成されている場合を示しているが、これに限定されるものではなく、種々の材料を採用可能である。
共通電極20及び駆動電極21は、電気泳動表示媒体1に電界を与えるための極性を担うものであり、好ましくは、フッ素化合物を有するコーティング剤等を用いた保護膜(図示せず)により覆われている。第一基板18に備えられている共通電極20は、インジウム・スズ酸化物(ITO)等の光透過性導電性の薄膜から構成されている。一方、第二基板の第一基板と対向する面にマトリックス状に配列された駆動電極21は、インジウム・スズ酸化物(ITO)等の光透過性導電性の薄膜の他、光透過性有しない導電材料の薄膜によって構成されていてもよい。尚、駆動電極21の周縁には、スイッチ素子として機能する薄膜トランジスタ22(図2参照)が設けられ、各駆動電極21を制御する駆動回路(図示せず)からマトリックスの行ごとに選択信号が印加され、更にマトリックスの列ごとに制御信号と薄膜トランジスタ22からの出力が印加されて、個々のセル内の荷電粒子15及び分散媒16に対して所望の電界を印加することができる。尚、1画素に対応する駆動電極21の数は特に限定されるものではない。また、駆動電極21の平面形状に特に限定はなく、正方形、長方形、円形等、任意の形状が適用可能である。
分散媒16は、荷電粒子15を分散させるための溶媒であり、電気抵抗が高く、透明性の高い液体が用いられる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、ポリシロキサン、高純度石油等の絶縁性有機溶媒が用いられる。尚、電気泳動表示媒体1は、上記のような各分散媒を単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。さらに、分散媒16には、必要に応じて他の成分を含有させることができる。他の成分としては、例えば、荷電粒子の分散を補助するために用いられる界面活性剤等の分散剤、分散媒中における荷電粒子の電気泳動性を調整するために用いられるアルコール等の電荷制御剤、分散媒中における荷電粒子の沈降を防止するために用いられる高分子樹脂等の粘度調整剤等が挙げられる。
荷電粒子15は、画素ごとに印加された電界に応じて第一基板又は第二基板側に泳動し、表示面に表示画像を形成する粒子である。荷電粒子15は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料、カーボンブラックやアゾ系顔料やフタロシアニン系顔料等の有機顔料、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法等の公知の方法から得られる高分子材料からなる高分子粒子、あるいは無機材料と高分子材料とを複合させた複合粒子等が用いられる。もちろん、顔料や染料で高分子粒子や複合粒子等を任意の色彩に着色しても良い。尚、荷電粒子15は、上記のような各荷電粒子を単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
ここで、本発明の重要な構成要素である隔壁13の構造について、図2及び図3を参照して説明する。図2に示すように、隔壁13は平面視格子状の形状を有し、第一基板18と第二基板12とに挟まれた空間を複数のセルに区画している。また、図3に示すように、隔壁13は正面視台形の形状を有し、隔壁13の第一基板18に対向する側の面の面積よりも、隔壁13の第二基板12と対向する側の面の面積の方が大きくなっている。このような構成にすることで、表示コントラストを担保するような十分な高さを確保した上で、隔壁13が表示面の表示性能に与える影響を低減させることができる。尚、図3に示す電気泳動表示媒体1の隔壁13は第一基板18に立設されるとともに、第二基板12とは当接するように構成されているが、隔壁13と第二基板12とは当接していなくてもよい。
この隔壁13は、少なくともベース樹脂と、架橋開始剤と、光吸収剤とが含まれるネガ型レジストにより形成されている。
隔壁13を構成するベース樹脂は、架橋反応により硬化し、隔壁を形成する材料であり、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリビニルフェノール系の樹脂が用いられる。
隔壁13を構成する架橋開始剤は、光を照射されることによりベース樹脂の架橋を開始させるものである。架橋開始剤として、市販されている種々の架橋開始剤を使用することができ、例えば、メラミン系、尿素系、グアナミン系、オニウム塩系、アルキルスルホニル系の架橋開始剤が用いられる。
隔壁13を構成する光吸収剤は、架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収するものであり、表示性能に影響を与えない色のものを用いるのが好ましい。例えば、架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光が、紫外線である場合には、光吸収剤として、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物が用いられる。また、これらの化合物は光吸収剤として単独でも、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾメチル系化合物としては、例えば、3−ヒドロキシ−N−(4−ジエチルアミノベンジリデン)アニリン、2−ヒドロキシ−N−(4−ジエチルアミノベンジリデン)アニリン等が用いられる。
ジフェニルスルホキシド系化合物としては、例えば、ビス(2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、等が用いられる。
ジフェニルスルホン系化合物としては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン等が用いられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル) −5−クロロベンゾトリアゾール等が用いられ、好ましくは波長365nm付近の紫外線吸収量の多い、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが用いられ、さらに好ましくは色つきの少ない、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが用いられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸・3水和物、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が用いられ、好ましくは波長365nm付近の紫外線吸収量の多い、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸・3水和物、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンが用いられ、さらに好ましくはエポキシ系樹脂と混ざりやすい、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンが用いられる。
その他、紫外線吸収剤として、例えば、ペリレン、フェノチアジン、2−アミノ−5−アゾトルエン、ジメチルアミノアゾベンゼン、メチルバイオレット2B、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルーB、フェニルサリチレート、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等も用いられる。これらの光吸収剤は単独でも、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記、光吸収剤は、ベース樹脂との混ざりやすさや、架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光の吸収量、着色の有無等を勘案して選定される。例えば、ベース樹脂とエポキシ系樹脂を用い、紫外線を照射することにより反応を開始させる架橋開始剤を用いる場合には、光吸収剤として上記の化合物のうち4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン又は、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを選定することができる。
隔壁13と第一基板18の対向面には、第一基板18の対向面の疎水性を向上させることにより、隔壁13を構成するネガ型レジストとの密着性を向上させる密着性向上剤膜25(図10参照)が形成されているのが好ましい。この密着性向上剤膜25(図10参照)は、隔壁13が第一基板18から剥離するのを防ぐ役割を担う。密着性向上剤は、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が用いられる。尚、第一の実施形態においては、基板11、共通電極20及び密着性向上剤膜25(図10参照)が、本発明における第一基板18を構成し、隔壁13は本発明の第一基板18の対向面に設けられた密着性向上剤膜25(図10参照)上に立設されている。
次に、電気泳動表示媒体1における表示の切換え動作について図4及び図5を参照して説明する。図4は、第一基板18の表示面の表示領域全域に黒色が表示された状態を説明する説明図であり、図5は、第一基板18の表示面の表示領域全域に白色が表示された状態を説明する説明図である。説明を簡単にするために、荷電粒子15として負に帯電した黒色粒子が用いられ、分散媒16は白色に着色されたものが用いられると共に、第二基板12には画素ごとに駆動電極21が配置されている場合について説明する。
図4では、第一基板18が備える共通電極20に0Vの電圧が印加され、第二基板12に設けられた全ての駆動電極21に−50Vが印加され、負の電荷を有する荷電粒子15が第一基板18側に移動している。そして、黒色の荷電粒子15が第一基板18に付着している。このように、第一基板18の表示面には黒色が表示される。
尚、荷電粒子15を移動させるために共通電極20及び駆動電極21に電圧を印加したが、仮にこの電圧が落とされて両方の電圧が0Vになっても、荷電粒子15の第一基板18に付着した状態が維持される。
図5では、共通電極20に0Vの電圧が印加され、駆動電極21に50Vの電圧が印加され、負の電荷を有する荷電粒子15が第二基板12側に移動している。そして、黒色の荷電粒子15が第二基板12に付着している。このように、第一基板18側には、白色の分散媒16のみが残されるので、第一基板18の表示面全域に白色が表示される。尚、各電極に印加する電圧は電極間の距離や、荷電粒子の帯電性等に応じて種々変更可能である。
以上の説明した本発明の電気泳動表示媒体1は、隔壁により第一基板と第二基板を複数のセルに区画したので、荷電粒子が泳動可能な領域が当該セル内部に制限されることになる。したがって、分散系に粒子の分散が偏ることを防ぎ、表示ムラが発生するのを防ぐことができる。また、本発明の電気泳動表示媒体の隔壁は、第一基板の対向面と隔壁とが接触する接触面の面積よりも、隔壁の第二基板と対向する側の面の面積の方が大きくなっている。このような構成にすることで、十分な高さを確保した上で、隔壁が表示面の表示性能に与える影響を低減させることができる。
また、光吸収剤として、白色、微黄白色、黄色等の比較的色つきの少ないアゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を用いた場合には、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響を抑えることができる。同様に、光吸収剤として、色つきの少ない4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物を用いた場合には、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響をさらに抑えることができる。
また、隔壁と第一基板との間に、密着性向上剤膜が設けられている場合には、隔壁が第一基板から剥離しにくい。このため、隔壁が第一基板から剥離することによる表示性能の低下を防止することができる。
尚、本発明は、以上詳述した第一の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第一の実施形態は、携帯用の電子機器に具備可能な小型のパネルとして説明したが、電気泳動表示媒体の大きさや用途等は、種々選択可能であり、これに限定されない。
また、第一の実施形態においては、第一基板18の対向面に共通電極20が設けられていたが、共通電極20は基板11の表示面側に設けられていてもよいし、外部から電極が供給される場合には、第一基板18に共通電極20を設けなくてもよい。これらの場合においても、隔壁13は基板11の第二基板12と対向する面に立設される。
また、第一の実施形態において隔壁13は格子状の形状を有していたが、これらに限定されることなく、第一基板と第二基板とにより挟まれた空間を区画する種々の形状を採用可能である。例えば、隔壁の形状を平面視長方形、円状又は楕円状に区画してもよい。また、第一の実施形態においては、隔壁13は各駆動電極21に対応するセルを形成するように設けられていたが、複数の駆動電極21に対応するセルを形成するように隔壁を設けてもよい。
次に、第一の実施形態として、本発明における電気泳動表示媒体1の製造方法の概略について、図6乃至図9を参照して説明する。図6は、第一基板18上に格子状の凸部からなる隔壁13を形成する隔壁形成工程の概略を表す説明図であり、図7は、第一基板18の周縁部にスペーサ14を形成するスペーサ形成工程の概略を表す説明図であり、図8は、格子状の隔壁13により形成された複数の凹部からなるセル内に、分散液を注入する分散液注入工程の概略を表す説明図であり、図9は、駆動電極21を有する第二基板12を、前記第一基板18と張り合わせる第二基板貼り合わせ工程の概略を表す説明図である。
まず、図6に示す隔壁形成工程において、第一基板18上に格子状の凸部からなる隔壁13が形成される。本発明の重要な製造工程である隔壁形成工程の詳細については後述する。尚、図6に示す第一の実施形態においては、第一基板18の対向面には、例えば、ITO等の導電性材料の薄膜から構成される共通電極20が設けられている。この薄膜は、例えば、インクジェット法、スプレー法、コーティング法等の公知の技術を用いて形成される。第一基板18の対向面に共通電極20が設けられている場合には、隔壁13は、共通電極20の第二基板と対向する面に設けられる。この共通電極20は、第一基板18の対向面に設けられなくてもよく、その場合は、隔壁13は基板11の対向面に設けられる。尚、図6は基板11として樹脂材料を用いた場合を示しているが、前述のように、樹脂材料の他、例えば、ガラス等のように、透明な材料を用いることができる。
次に、図7に示すスペーサ形成工程において、第一基板18の周縁部にスペーサ14が形成される。スペーサ14は、例えば、フォトリソグラフィ法等の公知の方法を用いて形成される。図7では、隔壁13と同じ高さのスペーサ14が形成される場合について示しているが、これに限らずスペーサ14の高さを隔壁13の高さよりも高くしてもよい。この場合、後述する第二基板貼り合わせ工程において、隔壁13と第二基板12とは当接しない。尚、図7はスペーサ14として樹脂材料を用いた場合を示しているが、前述のように、樹脂材料以外の材料を用いてもよい。
次に、図8に示す分散液注入工程において、格子状の隔壁により形成された複数の凹部からなるセル内に、荷電粒子15と荷電粒子15を分散させる分散媒16からなる分散液を注入する。
その後、図9に示す第二基板貼り合わせ工程において、第二基板12を、前記第一基板18と張り合わせる。この第二基板12の第一基板18に対向する側の面には、予め、駆動電極21、薄膜トランジスタ22(図2参照)及び、各駆動電極21を制御する駆動回路(図示せず)が備えられている。これらの駆動電極21、薄膜トランジスタ22(図2参照)及び、各駆動電極21を制御する駆動回路(図示せず)は、例えば、フォトリソグラフィ法等、公知の技術により形成される。尚、図9は第二基板12の材料として、樹脂材料を用いた場合を示しているが、前述のように、樹脂材料の他、例えば、ガラス等のように透明な材料の他、不透明な材料を用いてもよく、例えば、表面に絶縁層を設けたステンレスやアルミ等の透明でない材料を用いて形成されていてもよい。
次に、図6に示す本発明の特徴部分である隔壁13を第一基板18上に形成する隔壁形成工程について図10乃至図14を参照して説明する。図10は本発明の密着性向上剤膜形成工程の概略を表す第一基板18を拡大した説明図であり、図11は本発明のレジスト成膜工程の概略を表す説明図であり、図12は本発明の露光工程の概略を表す説明図であり、図13は本発明の露光後加熱工程の概略を表す説明図であり、図14は本発明の現像工程の概略を表す説明図である。
第一の実施形態では、隔壁13を構成するネガ型レジストの材料として、ベース樹脂としてエポキシ系樹脂であるSU−8(化薬マイクロケム株式会社製)、波長約365nmの光を照射することによりベース樹脂の架橋反応を開始させる架橋開始剤、光吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール及び、溶剤としてシクロペンタノンを用いる場合について説明する。尚、第一の実施形態に用いる材料はこれらに限定されるものではなく、上述した種々の電気泳動表示媒体1の構成材料を採用可能である。
まず、図10に示す密着性向上剤膜形成工程において、第一基板18の対向面に密着性向上剤膜25を形成させる。この密着性向上剤は、第一基板18の表面の疎水性を向上させることで、第一基板18と隔壁13との密着性を向上させるものであり、例えば、常温で無色透明な液体であるヘキサメチルジシラザン(HMDS)が用いられる。第一基板18は電気泳動表示媒体1の表示面を形成する基板であるため、この密着性向上剤は表示性能に影響を与えない無色透明なものが好ましい。この密着性向上剤膜を形成する方法としては、例えば、第一基板18の対向面に直接塗布する方法の他、密着性向上剤をガス状にして第一基板18の対向面上に吹きつけて密着性向上剤膜25を形成するベーパー・デポジション法等が用いられる。尚、密着性向上剤膜形成工程は、第一基板18と隔壁13との密着性を向上させるために、レジスト成膜工程前に行うのが好ましいが、省略してもよい。
続いて、図11に示すレジスト成膜工程において、ベース樹脂と、架橋開始剤と、光吸収剤と、それらを溶解させる溶剤とからなるネガ型のレジストの膜であるネガ型レジスト膜26が第一基板18上に塗布される。前述のように、第一の実施形態では、ネガ型レジスト膜26は、ベース樹脂としてエポキシ系樹脂であるSU−8(化薬マイクロケム株式会社製)、波長約365nmの光を照射することによりベース樹脂の架橋反応を開始させる架橋開始剤、光吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、溶剤としてシクロペンタノンを用いた。この光吸収剤の添加量は、所望の隔壁の幅や、光吸収剤の光吸収量、レジストの性能等を考慮して決定され、好ましくは、1〜10重量%添加される。
第一の実施形態においては、上記材料からなるネガ型レジスト膜26を回転塗布により厚みが20μmになるようにして第一基板18上に塗布した。ネガ型レジスト膜26の厚さは、基本的に所望の隔壁の高さに塗布する。レジストの種類によっては、露光工程、現像工程、現像工程後の加熱処理時のいずれか、あるいはそれぞれの工程において膜減りする場合がある。そのような場合は、予めレジスト成膜工程において形成するネガ型レジスト膜の膜厚と最終プロセス完了後の膜厚を測定し、その差を見越して予め厚めにネガ型レジスト膜を形成するようにする。第一の実施形態に用いたSU−8(化薬マイクロケム株式会社製)は、膜減りはほぼないので、そのような調整は不要であった。尚、レジスト成膜工程後好ましくは、ネガ型レジスト膜26を加熱処理するソフトベーク処理を行い、残存溶媒量を調整する。第一の実施形態においては、95℃、10分間のソフトベーク処理を行った。
次に、図12に示す露光工程において、ネガ型レジスト膜26の隔壁を形成する部分に光が照射する。まず、透明なガラス基板上に遮光材が印刷されたマスク27がネガ型レジスト膜26から所定距離離した状態で、第一基板18上に配置した。このマスク27には、ネガ型レジスト膜26の隔壁13が形成される部分には光が透過するように、ネガ型レジスト膜26の隔壁13が形成されない部分には光が遮断されるようにガラス基板上に遮光材が印刷されている。図中、線で示したマスク27は、ガラス基板上に遮光材が印刷されている部分を示している。このようなマスク27を介してネガ型レジスト膜26を露光した。第一の実施形態においては、露光に用いる光源には水銀灯を用い、波長365nmの光を取り出すために旭テクノグラス株式会社製のUV−D35及びV42の2種類のフィルターを用いた。
第一の実施形態において、光吸収剤として用いる2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールは、露光工程において、前述の2種類のフィルターにより光源から取り出された波長365nmの光を吸収し、ネガ型レジスト膜26内に、光源に近いほど光透過量が多く、ネガ型レジスト膜の第一基板側では光透過量が少なくなるという光透過量の勾配を形成する。このため、第一基板側に存在する架橋開始剤は光源側に存在する架橋開始剤に比べ、照射される波長365nmの光の量が少なくなるとともに架橋反応を開始させる活性が小さくなり、ネガ型レジスト膜26の第一基板側の部分はネガ型レジスト膜の光源側の部分に比べ硬化しにくくなっている。したがって、図12に示すように、ネガ型レジスト膜26内のベース樹脂が架橋により硬化して形成される潜像17は第一基板18に向かうに従って幅が狭くなるように形成された。このときの露光量は1000mJ/cm2であった。ただし、露光量はランプ照度の変動に従い変化する。尚、露光工程における露光量は、所望のパターン寸法・形状が得られる露光量を予め検討して決定することが好ましい。
次に、図13に示す露光後加熱工程において、露光によって固められた部分の側面を滑らかなものにするため、ネガ型レジスト膜26について露光後加熱処理PEB(Post Exposure Bake)を行う。この工程により、溶剤が蒸発され、潜像17が滑らかになり、現像後に得られる隔壁の側面を平状にする効果がある。第一の実施形態においては、95℃で4分間加熱する処理を行った。
次に、図14に示す現像工程において、露光工程の露光された部分を除くネガ型レジスト膜を現像液で溶かす。第一の実施形態においては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を現像液として6分間ディップ現像を行い、5分間イソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄を行った。最後に、隔壁13を硬化させ、第一基板18との密着性をさらに向上させるために、ハードベークを行う。第一の実施形態においては、150℃で30分間加熱する処理を行った。
以上が第一の実施形態における、隔壁13の形成プロセスである。以上の隔壁形成工程により、第一基板18の対向面と隔壁とが接触する接触面における隔壁の幅が10μm、第二基板12と対向する面の隔壁13の幅が20μm、隔壁13の高さが20μmの隔壁が形成された。尚、第一基板の対向面と隔壁とが接触する接触面における隔壁の幅、第二基板と対向する面の隔壁の幅及び、隔壁の高さは、レジスト成膜工程における形成するネガ型レジスト膜の厚さ、ネガ型レジスト膜に用いる材料や露光工程に用いるマスク、露光工程における露光量等により、調整可能である。
以上説明した、第一の実施形態によれば、塗布するタイプのネガ型レジスト膜を用いて隔壁を構成する場合に、光吸収剤により形成されるネガ型レジスト膜内の光透過性の勾配により、第一基板側に向かうに従って幅が狭くなるように形成されるので、表示に及ぼす隔壁の悪影響を低減した電気泳動表示媒体を製造することができる。また、隔壁の幅の調整に際しては、所望の光吸収量を有する光吸収剤を選定したり、添加量を調整したりすればよく、隔壁の幅を容易に制御可能である。
また、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物は、紫外線吸収量が多い為、これらの化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を光吸収剤として、紫外線を照射することによりベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と共に用いることにより、隔壁の幅を制御するのに必要な光吸収剤の添加量を抑えることができる。また、これらの化合物は、白色、淡黄色、黄色等の表示性能に与える影響が比較的少ない色を有しているため、これらを光吸収剤として用いた場合には、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響を抑えつつ、隔壁の幅を狭くした電気泳動表示媒体を製造することができる。
また、ベース樹脂としてエポキシ系樹脂を用いる場合には、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンはエポキシ系樹脂と混ざりやすい。このため、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンを光吸収剤として用いた場合には、光吸収剤がネガ型レジスト膜内に均一に分布しやすいので、ネガ型レジスト膜内に均一な光透過量の勾配が形成できる。したがって、第二基板側から第一基板側に向かうに従って幅が狭くなる形状の隔壁を安定的に製造することが可能である。
また、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールは、波長365nm付近の紫外線の吸収量が多い。このため、露光工程にて波長365nm付近の紫外線する場合に、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを光吸収剤として用いれば、波長365nm付近の紫外線の吸収量が少ない化合物を同量用いた場合に比べ、ネガ型レジスト膜内の光透過量の勾配を大きくすることができる。したがって、波長365nm付近の紫外線を照射することによりベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤を用いる場合には、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを光吸収剤として用いることにより、光吸収剤の添加量を少なくすることができる。また、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物を用いた場合には、光吸収剤の添加が表示性能に与える影響を極力抑えつつ、隔壁の幅を狭くした電気泳動表示媒体を製造することができる。
露光工程と現像工程前との間に、露光後加熱工程を行う場合には、第一基板と隔壁との密着性がさらに向上する。また、露光後加熱工程により露光によって硬化したネガ型レジスト膜の側面が滑らかにされるため、平状の側面を有する隔壁を有する電気泳動表示媒体を製造することができる。
また、隔壁と第一基板との間に、密着性向上剤膜が設けられている場合には、隔壁が第一基板から剥離しにくい。このため、隔壁が第一基板から剥離することによる表示性能の低下を防いだ電気泳動表示媒体を製造することができる。
尚、本発明の隔壁を第一基板上に形成した電気泳動表示媒体の製造方法は、上述した第一の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
第一の実施形態では、隔壁13の高さを20μmとしたが、特にこの高さに限定するもので無く、電気泳動表示媒体の大きさ、用途、表示性能等に併せて種々の高さを採用可能である。
また、第一の実施形態では、露光工程における光源の波長を365nmとしていたが、これに限定されず、架橋開始剤がベース樹脂の架橋反応を開始させる波長の光を照射すればよい。また、光吸収剤は、架橋開始剤がベース樹脂の架橋反応を開始させる光の波長を吸収するものを選定すればよい。
また、第一の実施形態では、ネガ型レジスト膜の材料のベース樹脂としてエポキシ系樹脂を用い、架橋開始剤として波長約365nmの光を照射することによりベース樹脂の架橋反応を開始させる架橋開始剤を用いたが、これらに限定されるものではなく、上述した種々の電気泳動表示媒体1の構成材料を採用可能である。例えば、露光工程の光として電子線を用いる場合には、ベース樹脂として、ポリビニルフェノール系、アクリル系の樹脂等を用いることができ、架橋開始剤として、オニウム塩系やアルキルスルホニル系の架橋開始剤等を用いることができる。
また、上述の第一の実施形態では、電気泳動表示媒体1の第一基板18及び第二基板12が荷電粒子15に電界を加えるための電極をとして、第一基板18は共通電極20を備え、第二基板12には駆動電極21が備えられているものを説明したが、外部から電極が供給される場合には、第一基板18は共通電極20を備えなくてもよく、その場合には当該共通電極20を第一基板18に形成する工程を省略することができる。
また、第一の実施形態では、第一基板18及び第二基板12の外周のみにスペーサ14が形成されているものとして説明したが、隔壁13の一部が第二基板12と接するように形成され、第一基板18と第二基板12との距離を決めるスペーサとして兼用されるようにしても良い。その場合は、隔壁形成工程においてスペーサが形成されるので、スペーサ形成工程を省略できる。
また、第一の実施形態では、露光工程と現像工程前との間に露光後加熱工程を行うようにしていたが、露光後加熱工程は省略することができる。
次に、フィルムタイプのネガ型レジストを用いた場合の第二の実施形態について説明する。フィルムタイプのネガ型レジストを用いた隔壁の形成方法は、第一の実施形態の製造方法と図10に示す密着性向上剤膜形成工程及び図11に示すレジスト成膜工程において異なる。共通する工程については説明を省略し、以下、第一の実施形態の製造方法と異なる工程について図10及び図11を参照して説明する。
まず、図10に示す密着性向上剤膜形成工程について、フィルムタイプのネガ型レジストは液状のネガ型レジストをフィルム状に加工されたものであり、市販のネガ型レジストには、通常、接着剤が貼り付け面に添付されている。したがって、接着剤が貼り付け面に添付されている場合には、図10に示す密着性向上剤膜形成工程を敢えて行わなくても、第一基板18とネガ型レジスト膜26とは当該接着剤により密着するようになっている。
次に、図11に示すレジスト成膜工程において、フィルムタイプのネガ型レジストはラミネーターを用い、第一基板18の対向面に貼り付けられ、ネガ型レジスト膜26が形成される。このとき、貼り付け圧力、ローラー温度、ローラー回転速度を調整することにより、所望のネガ型レジスト膜が得られる。フィルム状のネガ型レジスト膜の場合には、ソフトベークは特に必要ない。他の製造工程は第一の実施形態の製造方法と同様であるので説明を省略する。
以上説明した第二の実施形態によれば、フィルムタイプのネガ型レジストを用いた場合においても、第一の実施形態と同様の効果が得られる。
1 電気泳動表示媒体
11 基板
12 第二基板
13 隔壁
15 荷電粒子
18 第一基板
20 共通電極
21 駆動電極
25 密着性向上剤膜
26 ネガ型レジスト膜
11 基板
12 第二基板
13 隔壁
15 荷電粒子
18 第一基板
20 共通電極
21 駆動電極
25 密着性向上剤膜
26 ネガ型レジスト膜
Claims (11)
- 画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第一基板と、少なくとも画素に対応する部分を有する駆動電極を複数備え、前記第一基板に対向して設けられた第二基板と、前記第一基板の前記第二基板と対向する面である対向面に立設され、前記第一基板と前記第二基板とにより挟まれた空間を複数のセルに区画する隔壁と、前記セルに内包され、電界の作用により移動する荷電粒子とを備えた電気泳動表示媒体において、
前記隔壁は、架橋反応により硬化するベース樹脂と、光を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、前記架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤とを少なくとも含むネガ型のレジスト材料からなり、
前記第一基板の前記対向面と前記隔壁とが接触する接触面の面積よりも、前記隔壁の前記第二基板と対向する側の面の面積の方が大きいことを特徴とする電気泳動表示媒体。 - 前記架橋開始剤は紫外線を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させ、前記光吸収剤は紫外線吸収剤からなることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示媒体。
- 前記光吸収剤が、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物からなることを特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示媒体。
- 前記ベース樹脂がエポキシ系樹脂であり、前記光吸収剤が4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示媒体。
- 前記第一基板の前記対向面は、前記第一基板の前記対向面の疎水性を向上させ、前記第一基板と前記隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動表示媒体。
- 画素単位で形成される画像を表示する表示面を有する第一基板と、少なくとも画素に対応する部分を有する駆動電極を複数備え、前記第一基板に対向して設けられた第二基板と、前記第一基板の前記第二基板と対向する面である対向面に立設され、前記第一基板と前記第二基板とにより挟まれた空間を複数のセルに区画する隔壁と、前記セルに内包され、電界の作用により移動する荷電粒子とを備えた電気泳動表示媒体の製造方法において、
架橋反応により硬化するベース樹脂と、光を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、前記架橋開始剤による前記ベース樹脂の架橋を開始させる波長の光を吸収する光吸収剤とを少なくとも含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成するレジスト成膜工程と、
前記レジスト成膜工程にて形成されたレジストに前記隔壁を形成すべき位置に光を照射する露光工程と、
前記露光工程にて光を照射したレジストを現像する現像工程と
を少なくとも有することを特徴とする電気泳動表示媒体の製造方法。 - 前記レジスト成膜工程において、紫外線を照射されることにより前記ベース樹脂の架橋を開始させる架橋開始剤と、紫外線吸収剤からなる前記光吸収剤とを含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする請求項6に記載の電気泳動表示媒体の製造方法。
- 前記レジスト成膜工程において、アゾメチル系化合物、ジフェニルスルホキシド系化合物、ジフェニルスルホン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び、ベンゾフェノン系化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物からなる前記光吸収剤を含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする請求項7に記載の電気泳動表示媒体の製造方法。
- 前記レジスト成膜工程において、エポキシ系樹脂からなる前記ベース樹脂と、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン及び2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから選ばれた少なくとも1種の化合物からなる前記光吸収剤を含むネガ型レジストの膜を前記第一基板の前記対向面に形成することを特徴とする請求項7に記載の電気泳動表示媒体の製造方法。
- 前記レジスト成膜工程の前に、前記第一基板の前記対向面の疎水性を向上させ、前記第一基板と前記隔壁との密着性を向上させる密着性向上剤膜を前記第一基板の前記対向面に形成する密着性向上剤膜形成工程を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法。
- 前記露光工程と前記現像工程との間に、前記露光工程にて光を照射したレジストを熱処理する露光後加熱工程を有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法。
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