JP2004012895A - 収差補正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収差補正装置100は、変形可能ミラー101と、平行平板状の透明体102と、変形可能ミラー101と透明体102を支持する支持体104と、支持体104を保持する基板103とを備えている。変形可能ミラー101は、光を反射するための変形可能な反射面を有している。透明体102は変形可能ミラー101の反射面の側に配置されている。変形可能ミラー101と透明体102は、変形可能ミラー101の未変形状態において、光の波長以下の間隔を置いて配置されている。収差補正装置100は更に、変形可能ミラー101の反射面の反対側の面に設けられた電極106と、基板103の変形可能ミラー101に対向した面に設けられた電極107とを有している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学系の収差を補正するための収差補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような収差補正装置は、天体望遠鏡等において使用されており、光ピックアップやレーザ干渉計等のレーザ光を利用する光学系一般において使用が検討されている。
【0003】
ここでは、本発明の収差補正装置の用途の一つである光ピックアップを例にあげて説明する。しかし、本発明の収差補正装置は、その用途が光ピックアップに限定されるものではなく、他の光学系一般に対して広く適用可能である。
【0004】
特開平9−152505号公報は、記録層の前面に厚さ0.6mmのカバーガラスを備えた光ディスクと、記録層の前面に厚さ1.2mmのカバーガラスを備えた通常の光ディスク(コンパクトディスク)とに対応した、球面収差を補正する変形可能ミラーを備えた光ピックアップを開示している。
【0005】
コンパクトディスクは厚さ1.2mmのカバーガラスを有しており、コンパクトディスク用の光ピックアップはコンパクトディスクのカバーガラスの厚さに合わせて設計されている。従って、コンパクトディスク用の光ピックアップは、厚さ0.6mmのカバーガラスを有する光ディスクにそのまま用いることはできない。なぜなら、カバーガラスの厚さの違いにより、光ディスクの記録層において球面収差が発生するからである。
【0006】
このため、厚さ1.2mmのカバーガラスを備えた光ディスクと、厚さ0.6mmのカバーガラスを備えた光ディスクとに共通に使える光ピックアップは、球面収差を補正する機能を有している必要がある。このような球面収差の補正には、しばしば、反射面が変形可能な変形可能ミラーが利用されている。変形可能ミラーの反射面は、例えば、静電引力や磁気力を利用して変形される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクの記録密度の更なる向上のため、光ピックアップの光源の更なる短波長化(400nm程度)と対物レンズの更なる高NA化(0.7以上)が検討されている。
【0008】
短波長化と高NA化が進むと、光ディスクのカバーガラスの厚さの違いに起因して発生する球面収差は大きくなる。このため、収差を補正するには、ミラーをより大きく変形させる必要が生じる。
【0009】
前述の光ピックアップの変形可能ミラーは、それを支持する基板に予め形成された凹凸に沿うように変形される。この構成において、変形可能ミラーを大きく変形させるためには、基板の凹凸を深くしなければならない。これは、変形可能ミラーと基板の凹凸の底面との間隔を広げることを意味する。
【0010】
しかし、静電引力や磁気力は距離の二乗に反比例して小さくなるため、十分な力で変形可能ミラーを変形させるには高電圧・大電流が必要になる。高電圧・大電流をもってしても、変形可能ミラーが十分に変形しないことも十分に予想される。
【0011】
このため、変形可能ミラーの小さい変形で大きな収差を補正し得る収差補正装置が望まれている。
【0012】
本発明の目的は、変形可能ミラーの小さい変形で大きな収差を補正し得る収差補正装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の収差補正装置は、光学系で使用される光を反射するための変形可能な反射面を有する変形可能ミラーと、変形可能ミラーの反射面の側に配置された平行平板状の透明体と、変形可能ミラーを変形させるための駆動部とを備えており、変形可能ミラーと透明体は、変形可能ミラーの未変形状態において、光の波長以下の間隔を置いて配置されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
第一実施形態
第一実施形態の収差補正装置について図1を参照しながら説明する。
【0016】
図1に示されるように、本実施形態の収差補正装置100は、変形可能ミラー101と、平行平板状の透明体102と、変形可能ミラー101と透明体102を支持する支持体104と、支持体104を保持する基板103とを備えている。
【0017】
変形可能ミラー101は、収差補正装置100が組み込まれる光学系で使用される光を反射するための変形可能な反射面を有している。透明体102は、例えばガラス平行平板で構成され、変形可能ミラー101の反射面の側に配置されている。
【0018】
変形可能ミラー101と透明体102は、変形可能ミラー101の未変形状態において、光の波長以下の間隔を置いて配置されている。言い換えれば、透明体102と未変形状態の変形可能ミラー101の間の空隙108は、変形可能ミラー101で反射される光の波長以下の厚さを有している。
【0019】
収差補正装置100は更に、変形可能ミラー101の反射面の反対側の面に設けられた電極106と、基板103の変形可能ミラー101に対向した面に設けられた電極107とを有している。電極107は、変形可能ミラー101の反射面の反対側に位置し、電極106に対向している。これらの電極106と電極107は、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部の一部を構成している。
【0020】
電極106と電極107の間に電圧を印加すると、両者間に静電引力が発生する。その結果、変形可能ミラー101は基板103の側に引き付けられ、変形する。つまり、変形可能ミラー101は電極106と電極107の間に印加される電圧に依存して変形する。
【0021】
収差補正装置100への入射光は、ガラス平行平板102を透過し、変形可能ミラー101の反射面で反射され、ガラス平行平板102を透過して、収差補正装置100の外部に射出される。
【0022】
ガラス平行平板102と空隙108の境界面で屈折率が不連続に変わるため、ガラス平行平板102の表面(ガラス平行平板102と空隙108の境界面)で一定の反射が起こる。その結果、変形可能ミラー101の反射面とガラス平行平板102の表面の間で繰り返し反射が起こる。勿論、ガラス平行平板102の表面では反射と透過が同時に起こる。
【0023】
ガラス平行平板102と変形可能ミラー101の間隔、すなわち空隙108の厚さが光の波長以下であるため、繰り返し反射する光は効率良く干渉し合う。その結果、ガラス平行平板102を透過して射出される光は、干渉の影響を受けて、位相が変化する。位相の変化量は、変形可能ミラー101の屈折率、ガラス平行平板102の屈折率、空隙108の屈折率、空隙108の厚さに依存する。従って、変形可能ミラー101を変形させて、空隙108の厚さを反射面の有効範囲内において変えることにより、入射光の位相の変化量を制御することができる。つまり、異なる位置に入射する光線aと光線bに位相差を与えることができる。
【0024】
さらに、光線aと光線bは、装置100から射出される前に、ガラス平行平板102と変形可能ミラー101の間で繰り返し反射されるため、繰り返し反射の起きない系と比較して、それらの間に大きい位相差を与えることができる。つまり、光線aと光線bの位相を大きく異ならせることができる。結局、変形可能ミラー101の小さい変形に対しても、反射面内に大きな位相分布をもたせることができる。入射光の位相分布を制御できるということは、入射光の波面の制御ができるということであり、変形可能ミラー101の小さい変形によって、光学系の収差を補正できる。
【0025】
以下、本実施形態の収差補正装置100が組み込まれた光学系の一例である光ピックアップについて図7を参照しながら説明する。
【0026】
図7に示されるように、光ピックアップは、光源である半導体レーザ1100と、半導体レーザ1100からの発散光を平行光に変えるためのコリメータレンズ1102と、光ディスク1108に対向して配置される対物レンズ1106と、先に詳述した収差補正装置100と、コリメータレンズ1102からの光を収差補正装置100を経由させて対物レンズ1106に導くと共に対物レンズ1106からの光を収差補正装置100を経由させてコリメータレンズ1102に導くための偏光ビームスプリッタ1103と1/4波長板1104と、半導体レーザ1100とコリメータレンズ1102の間に配置された、光ディスク1108からの光を一部反射するためのビームスプリッタ1101と、ビームスプリッタ1101で反射された光ディスク1108からの光を検出するための光検出器1107とを備えている。
【0027】
この光ピックアップでは、光ディスク1108の記録密度を高めるために、半導体レーザ1100から射出される光は400nmと短い波長を有し、対物レンズ1106は0.85と大きいNAを有している。
【0028】
半導体レーザ1100から射出された発散光は、ビームスプリッタ1101を透過し、コリメータレンズ1102により平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ1103にS偏光で入射する。S偏光の光は偏光ビームスプリッタ1103で反射され、1/4波長板1104を透過して円偏光になり、収差補正装置100に入射する。収差補正装置100から射出された光は再び1/4波長板1104を透過してP偏光になり、偏光ビームスプリッタ1103を透過して、対物レンズ1106により光ディスク1108の記録層1108aに収束される。
【0029】
光ディスク1108で反射された光は、対物レンズ1106、偏光ビームスプリッタ1103、1/4波長板1104を透過し、収差補正装置100に入射する。収差補正装置100から射出された光は、1/4波長板1104を透過してS偏光になり、偏光ビームスプリッタ1103で反射され、コリメータレンズ1102を透過し、ビームスプリッタ1101で反射され、光検出器1107で検出される。
【0030】
光の波長が400nmと短く、対物レンズ1106のNAが0.85と大きいため、光ディスク1108のカバーガラス1108bの数μmの厚みの誤差であっても、記録層1108aに収束される光には大きな球面収差が発生する。
【0031】
収差補正装置100は、発生する球面収差を打ち消すように、変形可能ミラー101を変形させ、反射光に位相分布を与える。これにより、光ディスク1108への入射光は記録層1108aに良好に収束される。
【0032】
このように、収差補正装置100は、記録密度の向上を狙った光ピックアップに安定した動作を提供する。従って、記録密度の高いシステムに対応した信頼性の高い光ピックアップが提供される。
【0033】
第二実施形態
第二実施形態の収差補正装置について図2を参照しながら説明する。図2において、第一実施形態の収差補正装置の部材と同一の参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、以下では、それらに関連した詳しい説明は省略し、第一実施形態の収差補正装置との相違部分に重点をおいて述べる。
【0034】
図2に示されるように、収差補正装置200において、透明体202は、光学的に透明なガラス平行平板205と、ガラス平行平板205の変形可能ミラー101に近い方の面に積層された二つの誘電体薄膜209と210とを備えている。二つの誘電体薄膜209と210は互いに異なる屈折率を有している。
【0035】
本実施形態では、透明体202は、二層の誘電体薄膜を有しているが、誘電体薄膜の層数はこれに限定されるものではなく、一層であってもよく、あるいは三層以上であってもよい。
【0036】
誘電体薄膜の境界面では反射と透過が発生する。従って、空隙108内の繰り返し反射だけでなく、誘電体薄膜内でも繰り返し反射が起こる。その結果、反射光の位相変化を大きくすることが可能であり、第一実施形態と比較して、変形可能ミラー101のより小さい変形で収差を補正できる。
【0037】
第三実施形態
第三実施形態の収差補正装置について図3を参照しながら説明する。図3において、第一実施形態の収差補正装置の部材と同一の参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、以下では、それらに関連した詳しい説明は省略し、第一実施形態の収差補正装置との相違部分に重点をおいて述べる。
【0038】
収差補正装置300は、変形可能ミラー101の反射面の反対側の面に設けられた電極106と、ガラス平行平板102の変形可能ミラー101に対向した面に設けられた透明電極311とを有している。透明電極311は、変形可能ミラー101の反射面の側に位置している。電極106と透明電極311は、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部の一部を構成している。
【0039】
電極106と透明電極311の間に電圧を印加すると、両者間に静電引力が発生する。その結果、変形可能ミラー101はガラス平行平板102の側に引き付けられ、変形する。つまり、変形可能ミラー101は、第一実施形態とは反対に変形される。変形可能ミラー101の変形は電極106と透明電極311の間に印加される電圧に依存する。
【0040】
変形可能ミラー101の変形による収差補正は、第一実施形態と全く同様である。
【0041】
本実施形態の収差補正装置300の透明体は、図示されるように、ここではガラス平行平板で構成されているが、第二実施形態と同様、ガラス平行平板とそれに設けられた一層以上の誘電体膜とで構成されてもよい。
【0042】
第四実施形態
第四実施形態の収差補正装置について図4を参照しながら説明する。図4において、第一実施形態の収差補正装置の部材と同一の参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、以下では、それらに関連した詳しい説明は省略し、第一実施形態の収差補正装置との相違部分に重点をおいて述べる。
【0043】
収差補正装置400は、変形可能ミラー101の反射面の反対側の面の中央部分に設けられた円形の電極406aと、電極406aを取り囲んでいる輪帯状の電極406bと、基板103の変形可能ミラー101に対向した面の中央部分に設けられた円形の電極407aと、電極407aを取り囲んでいる輪帯状の電極407bと、ガラス平行平板102の変形可能ミラー101に対向した面の中央部分に設けられた円形の透明電極411aと、透明電極411aを取り囲んでいる輪帯状の透明電極411bとを有している。
【0044】
電極407aと電極407bは、共に変形可能ミラー101の反射面の反対側に位置し、それぞれ電極406aと電極406bに対向している。透明電極411aと透明電極411bは、共に変形可能ミラー101の反射面の側に位置し、変形可能ミラー101を間に置いてそれぞれ電極406aと電極406bに対向している。
【0045】
電極406aと電極406bと電極407aと電極407bと透明電極411aと透明電極411bは、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部の一部を構成している。
【0046】
本実施形態の収差補正装置400では、電極406aと電極406bと電極407aと電極407bと透明電極411aと透明電極411bの電位を制御することにより、変形可能ミラー101を様々な形状に変形させることができる。
【0047】
例えば、電極406aと電極407aを等電位とし、電極406aと透明電極411aの間に電圧を印加し、電極406bと電極411bを等電位とし、電極406bと電極407bの間に電圧を印加する。これにより、変形可能ミラー101は、中央部分がガラス平行平板102の側に引き寄せられる一方で、周囲部分は基板103の側に引き寄せられる。その結果、変形可能ミラー101は、中央部分と周囲部分が逆方向に変形する。つまり、変形可能ミラー101を部分的に逆方向に変形させることができる。
【0048】
あるいは、電極406aと電極406b、電極407aと電極407b、透明電極411aと透明電極411bをそれぞれ等電位とし、電極406aと電極407aの間、あるいは、電極406aと透明電極411aの間に電圧を印加する。これにより、変形可能ミラー101を全体的に凸面にも凹面にも大きく変形させることができる。。
【0049】
このように、本実施形態の収差補正装置400は、変形可能ミラー101を様々な形状に変形させることができるため、より正確な収差補正を行なうことができる。
【0050】
本実施形態では、変形可能ミラー101に設けられた電極は、中央部に配置された円形の電極406aと、それを取り囲む輪帯状の電極406bとを有しているが、それに限定されるものではなく、それらに代えて、適当に配列された複数の電極を有していてもよい。同様のことは、基板103に設けられた電極や透明体102に設けられた透明電極についても言える。
【0051】
第五実施形態
第五実施形態の収差補正装置について図5を参照しながら説明する。図5において、第一実施形態や第二実施形態の収差補正装置の部材と同一の参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、以下では、それらに関連した詳しい説明は省略し、第一実施形態の収差補正装置との相違部分に重点をおいて述べる。
【0052】
図5において、収差補正装置500は、変形可能ミラー101の反射面の反対側の面に設けられたコイル512と、基板103の変形可能ミラー101に対向した面に設けられた永久磁石513とを有している。例えば、コイル512は変形可能ミラー101の中心から螺旋状に周回しながら延びている。コイル512は好ましくはフォトリソグラフィーの手法を利用して作成される。永久磁石513はコイル512を横切る磁場を与えている。コイル512と永久磁石513は、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部の一部を構成している。
【0053】
コイル512に電流を流すと、永久磁石513が作り出す磁場との相互作用により、コイル512が電磁力を受ける。その結果、変形可能ミラー101が変形される。コイル512が受ける電磁力の方向と大きさは、それぞれ、コイル512を流れる電流の方向と大きさに依存する。従って、コイル512を流す電流の方向を制御することにより、変形可能ミラー101を凸形状にも凹形状に変形させることができる。
【0054】
変形可能ミラー101の変形による収差補正は、第一実施形態と全く同様である。
【0055】
第六実施形態
第六実施形態の収差補正装置について図6を参照しながら説明する。図6において、第一実施形態の収差補正装置の部材と同一の参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、以下では、それらに関連した詳しい説明は省略し、第一実施形態の収差補正装置との相違部分に重点をおいて述べる。
【0056】
図6に示されるように、収差補正装置600は、基板103の変形可能ミラー101に対向した面の中央部分に設けられた圧電素子614aと、圧電素子614aを取り囲んでいる円筒状の圧電素子614bとを有している。圧電素子614aと圧電素子614bは、一方の端が基板103の変形可能ミラー101に対向した面に固定され、残りの一方の端が変形可能ミラー101の基板103に対向した面に固定されている。圧電素子614aと圧電素子614bは、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部の一部を構成している。
【0057】
圧電素子614aと圧電素子614bは電圧の印加に応じて伸長する。あるいは、圧電素子614aと圧電素子614bに予め所定の電圧を印加させておき、電圧を増減させると、圧電素子614aと圧電素子614bは電圧の増減に応じて伸縮する。これにより、変形可能ミラー101が変形される。圧電素子614aと圧電素子614bの伸縮量を適当に制御することにより、変形可能ミラー101を複雑な形状に変形させることができる。これにより、より正確な収差補正を行なうことが可能である。
【0058】
本実施形態では、変形可能ミラー101を変形させるための駆動部は、中央部に配置された圧電素子614aと、それを取り囲む円筒状の圧電素子614bとを有しているが、それに限定されるものではなく、それらに代えて、適当に配列された複数の圧電素子を有していてもよい。
【0059】
これまでに述べたいずれの実施形態においても、変形可能ミラー101への入射光は、未変形状態でその反射面にほぼ垂直に入射するものとしている。入射光が反射面に対して傾いている場合は、P偏光とS偏光の違いが出てくる。一般には、P偏光とS偏光で位相の変化は異なるので、P偏光とS偏光に対して異なる収差補正を行なうことが可能である。もちろん、透明体に積層させた多層の誘電体薄膜を含ませることにより、言い換えれば、透明体に含まれる透明な平行平板に誘電体薄膜を多層積層することにより、P偏光とS偏光の位相の変化を同じにすることもできるので、P偏光とS偏光に対して同じ収差補正を行なうも可能である。
【0060】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、変形可能ミラーの小さい変形で大きな収差を補正し得る収差補正装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図2】本発明の第二実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図3】本発明の第三実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図4】本発明の第四実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図5】本発明の第五実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図6】本発明の第六実施形態による収差補正装置の縦断面を示している。
【図7】図1に示された収差補正装置が組み込まれた光ピックアップを示している。
【符号の説明】
100 収差補正装置
101 変形可能ミラー
102 透明体
103 基板
104 支持体
106 電極
107 電極
108 空隙
Claims (8)
- 光学系の収差を補正するための収差補正装置であり、
光学系で使用される光を反射するための変形可能な反射面を有する変形可能ミラーと、
変形可能ミラーの反射面の側に配置された平行平板状の透明体と、
変形可能ミラーを変形させるための駆動部とを備えており、
変形可能ミラーと透明体は、変形可能ミラーの未変形状態において、光の波長以下の間隔を置いて配置されている、収差補正装置。 - 透明体がガラスである、請求項1に記載の収差補正装置。
- 透明体は、透明な平行平板と、平行平板の変形可能ミラーに近い方の面に設けられた誘電体の薄膜とを備えている、請求項1に記載の収差補正装置。
- 駆動部は、変形可能ミラーの反射面の反対側の面に設けられた第一の電極と、変形可能ミラーの反射面の反対側に配置された第二の電極であって、第一の電極に対向している第二の電極とを含んでいる、請求項1に記載の収差補正装置。
- 駆動部は、変形可能ミラーの反射面の反対側の面に設けられた第一の電極と、透明体の変形可能ミラーに近い方の面に設けられた透明電極とを含んでいる、請求項1に記載の収差補正装置。
- 駆動部は、変形可能ミラーの反射面の反対側の面に設けられた第一の電極と、変形可能ミラーの反射面の反対側に配置された第二の電極であって、第一の電極に対向している第二の電極と、透明体の変形可能ミラーに近い方の平面に設けられた透明電極とを含んでいる、請求項1に記載の収差補正装置。
- 駆動部は、前記変形可能ミラーの裏面に設けられたコイルと、コイルの近くに配置された永久磁石とを含んでいる、請求項1に記載の収差補正装置。
- 駆動部は、前記変形可能ミラーの裏面側に配置された圧電素子を含んでいる、請求項1に記載の収差補正装置。
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Cited By (7)
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