JP2004012823A - 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置 - Google Patents
定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ10の軸線方向における所定範囲での定着ローラ10の表面に向けて所定の指向性をもって定着ローラ10の表面温度を非接触で検知する昇電型温度検知素子1を備え、定着ローラ10の表面は、上記所定範囲での周方向における一部に熱反射率が他の部分と異なる部材2が設けられており、昇電型検知素子1によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づく定着ローラ10の回転状態が異常上回転状態であると判断した際に定着ローラ10の回転を停止させると共に定着ローラ10の加点を停止させる。
【選択図】 図3
【解決手段】定着ローラ10の軸線方向における所定範囲での定着ローラ10の表面に向けて所定の指向性をもって定着ローラ10の表面温度を非接触で検知する昇電型温度検知素子1を備え、定着ローラ10の表面は、上記所定範囲での周方向における一部に熱反射率が他の部分と異なる部材2が設けられており、昇電型検知素子1によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づく定着ローラ10の回転状態が異常上回転状態であると判断した際に定着ローラ10の回転を停止させると共に定着ローラ10の加点を停止させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式のプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式或いは静電記録方式のプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置の従来例について図15に基づき説明する。図15は、かかる従来例たる定着ユニット204の斜視図である。
【0003】
定着ユニット204は、図15に示すように、一対の回転体たる定着ローラ210及び加圧ローラ11を備えている。定着ローラ210及び加圧ローラ11の両ローラは、画像の定着性を良くするために、互いに圧接しながら回転自在に配設されている。
【0004】
定着ローラ210、加圧ローラ11は、上記圧接によって撓むことのないようそれぞれ芯金15、芯金17の上にゴム等の弾性層(図示せず)を被覆して構成されている。つまり、定着ローラ210及び加圧ローラ11には、芯金15,17がそれぞれ各ローラを支える形で設けられており、芯金15と芯金17は定着ローラ210と加圧ローラ11との間にかかる圧力に対して、ローラ全体の剛性を保つために用いられている。更に、芯金15の中心には、電力供給により発熱して定着ローラ210を加熱する加熱手段たるハロゲンヒータ5が配置されている。ここで、ハロゲンヒータ5は、定着ローラ210の表面に接触して設けられた温度検知素子であるサーミスタ20の抵抗値が基準に対して一定となるように通電が制御されている。
【0005】
未定着画像を担持する記録材は、定着ローラ210及び加圧ローラ11によって挟持搬送されながら加熱及び加圧されることにより上記未定着像が定着される。
【0006】
ここで、良好な定着性を得るには、上記のように各ローラ間の圧接力を所定値に保つだけでなく、定着ローラ210の温度を適正な値に保つ必要がある。
【0007】
そこで、この従来の定着装置では、図16に示す温度制御回路によって定着ローラ210の温度制御を行っている。
【0008】
つまり、図16に示すように、サーミスタ20と抵抗RTの分圧比によって得られる電圧VT1からデジタル値S11がA/Dコンバータ7によって得られる。この電圧VT1は、温度が高い程、高い電圧値を示す。一方、制御目標電圧Vref1からデジタル値S14がA/Dコンバータ9によって得られる。
【0009】
そして、A/Dコンバータ7、A/Dコンバータ9はそれぞれデジタル値S11,S14を回転検知手段及び制限手段たる制御部31に出力する。制御部31はデジタル値S11,S14の入力に従い通電パターン発生器3に信号S3を送出すると、通電パターン発生器3からハロゲンヒータ5制御のための信号S4がヒータ駆動回路4に出力され、ハロゲンヒータ5が交流駆動されるようになっている。このように、制御部31は、制御目標電圧Vref1と電圧VT1を比較し、Vref1>VT1の場合、上述のハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をONし、そうでない場合信号S3をOFFする。このときの定着ローラ210の温度変化を図17に示す。
【0010】
一方、制御部31は、定着ローラ210及び加圧ローラ11を回転駆動するためにモータ駆動回路28に信号S15を送り、モータ駆動回路28はこの信号S15に基づき、モータ29を回転させる。
【0011】
次に、図18のフローチャートに基づいて、定着ローラ210の回転駆動系の異常検知について説明する。
【0012】
図16に示す制御部31は、先ずS211で定着ローラ210回転駆動のための信号S15がONであるか判定し、ONであるならば、S212を実行し、ONでないならS214を実行する。S212は、図16に示すモータ29からのRDY信号S18を検知し、OFFならば異常とし(S213)、ONならば何もしない。S214は、モータ29からのRDY信号S18を検知し、ONならば異常とし(S215)、OFFならば何もしない。そして、異常とした場合には、モータ29を停止すると同時に、定着ローラ210への加熱も停止する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によれば、上述したように、定着ローラの回転を間接的に検知することしかできない。例えば、定着ローラの回転駆動のためのモータとしてDCモータを使用していた場合、モータの故障は検知できるが、モータから定着ローラへのメカニカルな回転駆動力伝達部品の故障を検知することができなかった。又、定着ローラの回転駆動のためのモータとしてステッピングモータを使用していた場合、モータの故障とモータから定着ローラへのメカニカルな回転駆動力伝達部品の故障との両方の検知をすることができなかった。
【0014】
そこで、本発明は、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本出願によれば、上記目的は、互いに圧接回転する一対の回転体と、該一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体を加熱する加熱手段とを備え、未定着像を担持する記録材を上記一対の回転体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録材に定着させる定着装置であって、上記回転体の回転状態を検知する回転検知手段と、該回転検知手段によって検知された回転状態が所定の異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作に所定の制限を与える制限手段とを備える定着装置において、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲での上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段を備え、上記回転体の表面は、上記所定範囲での周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なるよう構成されており、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知して制限手段による制限がなされるようになっているという第一の発明によって達成される。
【0016】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明において、回転検知手段は回転体の回転の有無を検知するようになっているという第二の発明によっても達成される。
【0017】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明又は第二の発明において、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体はベルト状部材若しくはフィルム状部材であるという第三の発明によっても達成される。
【0018】
又、本出願によれば、上記目的は、第三の発明において、回転検知手段は、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転すべり状態を検知するようになっているという第四の発明によっても達成される。
【0019】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第四の発明のいずれかにおいて、回転体は、一部の熱反射率が他の部分と異なるよう切り欠きが形成されているという第五の発明によっても達成される。
【0020】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第五の発明のいずれかにおいて、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が所定の回転状態であると判断した際に回転体の回転を停止させると共に加熱手段による加熱を停止させるようになっているという第六の発明によっても達成される。
【0021】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第六の発明のいずれかにおいて、加熱手段はハロゲンヒータであるという第七の発明によっても達成される。
【0022】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第六の発明のいずれかにおいて、加熱手段は磁気誘導により回転体を加熱する磁気誘導加熱手段であるという第八の発明によっても達成される。
【0023】
更に、本出願によれば、上記目的は、一連の画像形成プロセスによって画像を記録材に記録する画像形成装置であって、第一の発明乃至第八の発明のいずれかの定着装置を備えるという第九の発明によっても達成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。
【0025】
(第一の実施形態)
先ず、本発明の第一の実施形態について図1乃至図9に基づいて説明する。
【0026】
最初に、本実施形態にかかる画像形成装置の一例たる多色画像形成装置の概略について図1又は図2に基づき説明する。
【0027】
かかる画像形成装置にあっては、像担持体100上に光学ユニット107により各色毎に形成された潜像は各色の現像器Dy,Dc,Dm,Dkにより現像像化され、転写ベルト103の外周上に複数回転写されて、多色画像が形成される。一方、転写後の像担持体100からの廃トナーは、廃トナーユニット113によって保持される。ここで、各色現像器Dy,Dc,Dm,Dkは、その両端に回転支軸(図示せず)を有し、各々が該回転支軸を中心に回転可能に現像器機構部110に保持され、各現像器Dy,Dc,Dm,Dkは択一的に像担持体100に対向するよう回転可能となっている。又、像担持体100と転写ベルト103との間には高圧が印加され、これにより、像担持体100上の多色画像のトナーが転写ベルト103上に転移して転写される。
【0028】
次に、給紙部101又は給紙トレー106から給紙された記録材たる記録紙102は、図1に示す紙パスにより搬送され、転写ベルト103から多色画像を再転写される。
【0029】
その後、記録紙102は、搬送ローラ111により搬送され、定着装置たる定着ユニット104で上記多色画像が定着され、排紙トレー部108又は排紙部109に排出される。一方、転写後の転写ベルト103上のトナーはクリーニングユニット112によって清掃される。
【0030】
又、かかる画像形成装置にあっては、像担持体100と、廃トナーユニット113は、一体カートリッジ化されている。又、定着ユニット104は、保守部品として、図2に示すように定着ユニット単体で取り外し可能となっている。
【0031】
次に、定着ユニット104について図3に基づき説明する。
【0032】
図3は、本実施形態の定着ユニット104の斜視図である。
【0033】
定着ユニット104は、図3に示すように、一対の回転体たる定着ローラ10及び加圧ローラ11を備えている。定着ローラ10及び加圧ローラ11の両ローラは、画像の定着性を良くするために、互いに圧接しながら回転自在に配設されている。
【0034】
定着ローラ10、加圧ローラ11は、上記圧接によって撓むことのないようそれぞれ芯金15、芯金17の上にゴム等の弾性層(図示せず)を被覆して構成されている。つまり、定着ローラ10及び加圧ローラ11には、芯金15,17がそれぞれ各ローラを支える形で設けられており、芯金15と芯金17は定着ローラ10と加圧ローラ11との間にかかる圧力に対して、ローラ全体の剛性を保つために用いられている。更に、芯金15の中心には、電力供給により発熱して定着ローラ10を加熱する加熱手段たるハロゲンヒータ5が配置されている。
【0035】
上述の未定着画像として上記多色画像を担持する記録紙102は、定着ローラ210及び加圧ローラ11によって挟持搬送されながら加熱及び加圧されることにより上記多色画像が定着される。
【0036】
本実施形態では、ハロゲンヒータ5は、温度検知方向に指向性をもち定着ローラ10の表面温度を非接触で検知する温度検知手段たる昇電型温度検知素子1の検知温度が基準に対して一定となるように通電が制御されている。尚、このような非接触で指向性をもつ温度検知素子の例としては、昇電型温度検知素子の他、サーモパイル等が使用可能である。これらの温度検知素子の特徴としては、温度検知方向に指向性をもつだけではなく、熱応答性が非常に良い点が挙げられる。
【0037】
次に、本実施形態における定着ユニット104の温度制御系について図4乃至図8に基づき説明する。
【0038】
本実施形態では、図4に示す温度制御回路によって定着ローラ10の温度制御を行っている。
【0039】
つまり、図4に示すように、上述の昇電型温度検知素子1からの定着ローラ10の温度に対応した電圧値からデジタル値S12がA/Dコンバータ7によって得られる。この上記電圧値は、温度が高い程、高い電圧値を示す。一方、制御目標電圧Vref1からデジタル値S14がA/Dコンバータ9によって得られる。
【0040】
そして、A/Dコンバータ7、A/Dコンバータ9はそれぞれデジタル値S12,S14を回転検知手段及び制限手段たる制御部32に出力する。制御部32はデジタル値S12,S14の入力に従い通電パターン発生器3に信号S3を送出すると、通電パターン発生器3からハロゲンヒータ5制御のための信号S4がヒータ駆動回路4に出力され、ハロゲンヒータ5が交流駆動されるようになっている。
【0041】
一方、制御部32は、定着ローラ10及び加圧ローラ11を回転駆動するためにモータ駆動回路28に信号S15を送り、モータ駆動回路28はこの信号S15に基づきモータ29を回転させる。
【0042】
ここで、図5のフローチャートに基づいて、定着ローラ10の温度制御について説明する。
【0043】
図4に示す制御部32は、先ず制御目標電圧Vref1と電圧VT1を比較し(S201)、Vref1>VT1の場合、上述のハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をONし(S202)、そうでない場合信号S3をOFFする(S203)。
【0044】
図6に従来のサーミスタと、昇電型温度検知素子の応答性を示す。図6は、定着ローラを加熱するヒータへの通電のための信号S3をONしてから実際の定着ローラの温度が上昇するまでの時間と、昇電型温度検知素子で検知した定着ローラの温度と、従来のサーミスタで検知した定着ローラ温度とをそれぞれ示したものである。
【0045】
図6に示すように、サーミスタによる温度検知は実際の温度より1秒程度遅れているのに対し、昇電型温度検知素子の検知温度はほとんど遅れはない。
【0046】
図7に示すように、上述の定着ローラ10には熱反射率の異なる部材2が貼られている。これは、部材2としての薄い金属片等を定着ローラに貼りつければ良く、或いは、薄い金属片等を定着ローラに埋め込んでも良い。この熱反射率の異なる部材2が定着ローラ10に貼り付けられていることにより、昇電型温度検知素子がこの部分の温度と他の部分の温度の違いを検知でき、定着ローラの回転が回転しているか否かの判断が可能となる。
【0047】
図8は、図7に示す熱反射率の異なる部材2が貼り付けられた定着ローラ10の温度を昇電型温度検知素子1によって検知した結果を示す。
【0048】
図8に示すように、熱反射率の異なる部分は、その温度が定着ローラ10の一周毎に昇電型温度検知素子1によって他の部分よりも低く検知される。
【0049】
そこで、本実施形態では、制御部32がこの低い温度を上記一周毎の回転検知タイミングで検知できなかった場合、定着ユニットの異常と判断し、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をOFFし、定着ローラ10回転駆動のための信号S15もOFFする。これにより、定着ローラ10に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ローラ10に対するモータ29による回転駆動が停止されることとなる。
【0050】
ここで、図9のフローチャートに基づいて、定着ローラ10の回転駆動系の異常検知について説明する。
【0051】
先ず、定着ローラ10回転駆動のための信号S15がONであるか否かを判断し(S101)、ONであればS102に進み、ONでなければS107に進む。
【0052】
S102では、上述の回転検知タイミングであるか否かを判断し、回転検知タイミングであればS103に進み、回転検知タイミングでなければS107に進む。
【0053】
S103では、定着ローラ10の温度が所定温度以下か否かを判断し、定着ローラ10の温度が所定温度以下ならばS106に進み正常と判断し、定着ローラ10の温度が所定温度以下でないならばS104に進み定着ローラ10が回転停止していると判断し、S105で、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3と定着ローラ10回転駆動のための駆動信号S15をOFFし、定着ローラ10に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ローラ10に対するモータ29による回転駆動が停止される。S107では、上述の図5に示す通常の温度制御を行なう。
【0054】
よって、上述したように、本実施形態によれば、定着ローラ10の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く定着ローラ10の回転駆動系の故障による定着ローラ10の破損を防止することができる。
【0055】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について図10乃至図14に基づいて説明する。尚、上述の第一の実施形態との共通箇所には同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
図10は、本実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図であり、図11は、図10に示す画像形成装置に備えられた定着装置たる定着ユニット105の概略構成を示す斜視図である。
【0057】
図11に示す本実施形態の定着ユニット105は、第一の実施形態と同様温度検知方向に指向性をもった温度検知手段たる昇電型温度検知素子41と、回転体としてのベルト状部材たる定着ベルト25とを備えている。
【0058】
この定着ベルト25は、2本のローラ25a,25bによって張設され、ローラ25a内に配設された加熱手段たるハロゲンヒータ5によって加熱され、加圧ローラ11と圧接している。未定着像を担持した記録材は、定着ベルト25と加圧ローラ11との間の圧接部で挟持搬送されることにより、上記未定着像が上記記録材上に定着される。
【0059】
図12に示すように、定着ベルト25は、周方向における一部に他の部分と熱反射率の異なるよう切り欠き25cが形成されている。この切り欠き25cを設けることにより、昇電型温度検知素子41がこの部分の温度の違いを検知し、定着ベルト25が回転しているか否かを判断することが可能となる。尚、図12では、昇電型温度検知素子41が定着ベルト25に対して垂直に配置されている。しかし、定着ベルト25上の周方向反対側の切り欠きの影響を避けるため、垂直の位置に対して角度をもたせてもよい。
【0060】
本実施形態では、図13に示す温度制御回路によって定着ベルト25の温度制御を行っている。つまり、温度制御回路としては、温度検知手段として昇電型温度検知素子41、回転検知手段及び制限手段として制御部42を用いている以外、上述の第一の実施形態と同様である。
【0061】
尚、本実施形態で定着ベルトの温度制御は、従来例と同じでもかまわないが、一般にベルト式定着ユニットは、全体の熱容量が小さい場合が多い。そのため、従来の温度制御では、誤差が大きくなる場合がある。このような場合は、PID制御等を行うとよい。又、加熱手段としては、ハロゲンヒータの他に、サーフ定着方式や、磁気誘導加熱方式を使用することが可能である。
【0062】
図14は、上述の熱反射率の異なる部分として切り欠き25cの形成された定着ベルト25の温度を昇電型温度検知素子41によって検知した結果を示す。
【0063】
図14に示すように、定着ベルト25の熱反射率の異なる部分(切り欠き部25c)は、その温度が定着ベルト25の一周毎に昇電型温度検知素子41によって他の部分よりも低く検知される。
【0064】
そこで、本実施形態では、制御部42が、この低い温度を上記一周毎の回転検知タイミングで検知できなかった場合、定着ユニット105の異常と判断し、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をOFFし、定着ベルト25回転駆動のための信号S15もOFFする。これにより、定着ベルト25に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ベルト25に対するモータ29による回転駆動が停止されることとなる。
【0065】
よって、従来では、サーフ定着方式や、磁気誘導加熱方式のように回転体として熱容量が小さい定着ベルトやフィルム等を用いる定着装置で定着ベルトやフィルム等を回転させずに加熱すると、定着ベルトやフィルムが破損する場合があったが、本実施形態では、このような定着ベルトやフィルムの駆動系の故障よって生じる定着ユニットの故障を防止することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願にかかる第一の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0067】
又、本出願にかかる第二の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転の有無を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0068】
更に、本出願にかかる第三の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0069】
又、本出願にかかる第四の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転すべり状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0070】
更に、本出願にかかる第五の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なるよう切り欠きの形成された上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0071】
又、本出願にかかる第六の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に回転体の回転を停止させると共に加熱手段による加熱を停止させるようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0072】
更に、本出願にかかる第七の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0073】
又、本出願にかかる第八の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0074】
更に、本出願にかかる第九の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置における定着装置の着脱を説明するための図である。
【図3】図1の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御系のうち回転体の温度制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第一の実施形態における温度検知手段の応答性を説明するための図である。
【図7】図3の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体の概略構成を示す図である。
【図8】図3の定着装置に備えられた温度検知手段によって検知された温度を示す図である。
【図9】図4の制御系のうち回転体の回転状態検知と定着装置の動作の制限とに関する制御を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第二の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図11】図10の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体であるベルト状部材の概略構成を示す図である。
【図13】図11の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図14】図11の定着装置に備えられた温度検知手段によって検知された温度を示す図である。
【図15】従来の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図16】図15の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図17】図15の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体の温度変化を示す図である。
【図18】図16の制御系のうち回転体の回転状態検知と定着装置の動作の制限とに関する制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 昇電型温度検知素子(温度検知手段)
2 部材(熱反射率が他の部分と異なる部分)
5 ハロゲンヒータ(加熱手段)
10 定着ローラ(回転体)
11 加圧ローラ(回転体)
25 定着ベルト(回転体、ベルト状部材)
25c 切り欠き(熱反射率が他の部分と異なる部分)
32 制御部(回転検知手段、制限手段)
41 昇電型温度検知素子(温度検知手段)
42 制御部(回転検知手段、制限手段)
102 記録紙(記録材)
104 定着ユニット(定着装置)
105 定着ユニット(定着装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式或いは静電記録方式のプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式或いは静電記録方式のプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置の従来例について図15に基づき説明する。図15は、かかる従来例たる定着ユニット204の斜視図である。
【0003】
定着ユニット204は、図15に示すように、一対の回転体たる定着ローラ210及び加圧ローラ11を備えている。定着ローラ210及び加圧ローラ11の両ローラは、画像の定着性を良くするために、互いに圧接しながら回転自在に配設されている。
【0004】
定着ローラ210、加圧ローラ11は、上記圧接によって撓むことのないようそれぞれ芯金15、芯金17の上にゴム等の弾性層(図示せず)を被覆して構成されている。つまり、定着ローラ210及び加圧ローラ11には、芯金15,17がそれぞれ各ローラを支える形で設けられており、芯金15と芯金17は定着ローラ210と加圧ローラ11との間にかかる圧力に対して、ローラ全体の剛性を保つために用いられている。更に、芯金15の中心には、電力供給により発熱して定着ローラ210を加熱する加熱手段たるハロゲンヒータ5が配置されている。ここで、ハロゲンヒータ5は、定着ローラ210の表面に接触して設けられた温度検知素子であるサーミスタ20の抵抗値が基準に対して一定となるように通電が制御されている。
【0005】
未定着画像を担持する記録材は、定着ローラ210及び加圧ローラ11によって挟持搬送されながら加熱及び加圧されることにより上記未定着像が定着される。
【0006】
ここで、良好な定着性を得るには、上記のように各ローラ間の圧接力を所定値に保つだけでなく、定着ローラ210の温度を適正な値に保つ必要がある。
【0007】
そこで、この従来の定着装置では、図16に示す温度制御回路によって定着ローラ210の温度制御を行っている。
【0008】
つまり、図16に示すように、サーミスタ20と抵抗RTの分圧比によって得られる電圧VT1からデジタル値S11がA/Dコンバータ7によって得られる。この電圧VT1は、温度が高い程、高い電圧値を示す。一方、制御目標電圧Vref1からデジタル値S14がA/Dコンバータ9によって得られる。
【0009】
そして、A/Dコンバータ7、A/Dコンバータ9はそれぞれデジタル値S11,S14を回転検知手段及び制限手段たる制御部31に出力する。制御部31はデジタル値S11,S14の入力に従い通電パターン発生器3に信号S3を送出すると、通電パターン発生器3からハロゲンヒータ5制御のための信号S4がヒータ駆動回路4に出力され、ハロゲンヒータ5が交流駆動されるようになっている。このように、制御部31は、制御目標電圧Vref1と電圧VT1を比較し、Vref1>VT1の場合、上述のハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をONし、そうでない場合信号S3をOFFする。このときの定着ローラ210の温度変化を図17に示す。
【0010】
一方、制御部31は、定着ローラ210及び加圧ローラ11を回転駆動するためにモータ駆動回路28に信号S15を送り、モータ駆動回路28はこの信号S15に基づき、モータ29を回転させる。
【0011】
次に、図18のフローチャートに基づいて、定着ローラ210の回転駆動系の異常検知について説明する。
【0012】
図16に示す制御部31は、先ずS211で定着ローラ210回転駆動のための信号S15がONであるか判定し、ONであるならば、S212を実行し、ONでないならS214を実行する。S212は、図16に示すモータ29からのRDY信号S18を検知し、OFFならば異常とし(S213)、ONならば何もしない。S214は、モータ29からのRDY信号S18を検知し、ONならば異常とし(S215)、OFFならば何もしない。そして、異常とした場合には、モータ29を停止すると同時に、定着ローラ210への加熱も停止する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例によれば、上述したように、定着ローラの回転を間接的に検知することしかできない。例えば、定着ローラの回転駆動のためのモータとしてDCモータを使用していた場合、モータの故障は検知できるが、モータから定着ローラへのメカニカルな回転駆動力伝達部品の故障を検知することができなかった。又、定着ローラの回転駆動のためのモータとしてステッピングモータを使用していた場合、モータの故障とモータから定着ローラへのメカニカルな回転駆動力伝達部品の故障との両方の検知をすることができなかった。
【0014】
そこで、本発明は、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本出願によれば、上記目的は、互いに圧接回転する一対の回転体と、該一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体を加熱する加熱手段とを備え、未定着像を担持する記録材を上記一対の回転体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録材に定着させる定着装置であって、上記回転体の回転状態を検知する回転検知手段と、該回転検知手段によって検知された回転状態が所定の異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作に所定の制限を与える制限手段とを備える定着装置において、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲での上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段を備え、上記回転体の表面は、上記所定範囲での周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なるよう構成されており、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知して制限手段による制限がなされるようになっているという第一の発明によって達成される。
【0016】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明において、回転検知手段は回転体の回転の有無を検知するようになっているという第二の発明によっても達成される。
【0017】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明又は第二の発明において、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体はベルト状部材若しくはフィルム状部材であるという第三の発明によっても達成される。
【0018】
又、本出願によれば、上記目的は、第三の発明において、回転検知手段は、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転すべり状態を検知するようになっているという第四の発明によっても達成される。
【0019】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第四の発明のいずれかにおいて、回転体は、一部の熱反射率が他の部分と異なるよう切り欠きが形成されているという第五の発明によっても達成される。
【0020】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第五の発明のいずれかにおいて、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が所定の回転状態であると判断した際に回転体の回転を停止させると共に加熱手段による加熱を停止させるようになっているという第六の発明によっても達成される。
【0021】
更に、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第六の発明のいずれかにおいて、加熱手段はハロゲンヒータであるという第七の発明によっても達成される。
【0022】
又、本出願によれば、上記目的は、第一の発明乃至第六の発明のいずれかにおいて、加熱手段は磁気誘導により回転体を加熱する磁気誘導加熱手段であるという第八の発明によっても達成される。
【0023】
更に、本出願によれば、上記目的は、一連の画像形成プロセスによって画像を記録材に記録する画像形成装置であって、第一の発明乃至第八の発明のいずれかの定着装置を備えるという第九の発明によっても達成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。
【0025】
(第一の実施形態)
先ず、本発明の第一の実施形態について図1乃至図9に基づいて説明する。
【0026】
最初に、本実施形態にかかる画像形成装置の一例たる多色画像形成装置の概略について図1又は図2に基づき説明する。
【0027】
かかる画像形成装置にあっては、像担持体100上に光学ユニット107により各色毎に形成された潜像は各色の現像器Dy,Dc,Dm,Dkにより現像像化され、転写ベルト103の外周上に複数回転写されて、多色画像が形成される。一方、転写後の像担持体100からの廃トナーは、廃トナーユニット113によって保持される。ここで、各色現像器Dy,Dc,Dm,Dkは、その両端に回転支軸(図示せず)を有し、各々が該回転支軸を中心に回転可能に現像器機構部110に保持され、各現像器Dy,Dc,Dm,Dkは択一的に像担持体100に対向するよう回転可能となっている。又、像担持体100と転写ベルト103との間には高圧が印加され、これにより、像担持体100上の多色画像のトナーが転写ベルト103上に転移して転写される。
【0028】
次に、給紙部101又は給紙トレー106から給紙された記録材たる記録紙102は、図1に示す紙パスにより搬送され、転写ベルト103から多色画像を再転写される。
【0029】
その後、記録紙102は、搬送ローラ111により搬送され、定着装置たる定着ユニット104で上記多色画像が定着され、排紙トレー部108又は排紙部109に排出される。一方、転写後の転写ベルト103上のトナーはクリーニングユニット112によって清掃される。
【0030】
又、かかる画像形成装置にあっては、像担持体100と、廃トナーユニット113は、一体カートリッジ化されている。又、定着ユニット104は、保守部品として、図2に示すように定着ユニット単体で取り外し可能となっている。
【0031】
次に、定着ユニット104について図3に基づき説明する。
【0032】
図3は、本実施形態の定着ユニット104の斜視図である。
【0033】
定着ユニット104は、図3に示すように、一対の回転体たる定着ローラ10及び加圧ローラ11を備えている。定着ローラ10及び加圧ローラ11の両ローラは、画像の定着性を良くするために、互いに圧接しながら回転自在に配設されている。
【0034】
定着ローラ10、加圧ローラ11は、上記圧接によって撓むことのないようそれぞれ芯金15、芯金17の上にゴム等の弾性層(図示せず)を被覆して構成されている。つまり、定着ローラ10及び加圧ローラ11には、芯金15,17がそれぞれ各ローラを支える形で設けられており、芯金15と芯金17は定着ローラ10と加圧ローラ11との間にかかる圧力に対して、ローラ全体の剛性を保つために用いられている。更に、芯金15の中心には、電力供給により発熱して定着ローラ10を加熱する加熱手段たるハロゲンヒータ5が配置されている。
【0035】
上述の未定着画像として上記多色画像を担持する記録紙102は、定着ローラ210及び加圧ローラ11によって挟持搬送されながら加熱及び加圧されることにより上記多色画像が定着される。
【0036】
本実施形態では、ハロゲンヒータ5は、温度検知方向に指向性をもち定着ローラ10の表面温度を非接触で検知する温度検知手段たる昇電型温度検知素子1の検知温度が基準に対して一定となるように通電が制御されている。尚、このような非接触で指向性をもつ温度検知素子の例としては、昇電型温度検知素子の他、サーモパイル等が使用可能である。これらの温度検知素子の特徴としては、温度検知方向に指向性をもつだけではなく、熱応答性が非常に良い点が挙げられる。
【0037】
次に、本実施形態における定着ユニット104の温度制御系について図4乃至図8に基づき説明する。
【0038】
本実施形態では、図4に示す温度制御回路によって定着ローラ10の温度制御を行っている。
【0039】
つまり、図4に示すように、上述の昇電型温度検知素子1からの定着ローラ10の温度に対応した電圧値からデジタル値S12がA/Dコンバータ7によって得られる。この上記電圧値は、温度が高い程、高い電圧値を示す。一方、制御目標電圧Vref1からデジタル値S14がA/Dコンバータ9によって得られる。
【0040】
そして、A/Dコンバータ7、A/Dコンバータ9はそれぞれデジタル値S12,S14を回転検知手段及び制限手段たる制御部32に出力する。制御部32はデジタル値S12,S14の入力に従い通電パターン発生器3に信号S3を送出すると、通電パターン発生器3からハロゲンヒータ5制御のための信号S4がヒータ駆動回路4に出力され、ハロゲンヒータ5が交流駆動されるようになっている。
【0041】
一方、制御部32は、定着ローラ10及び加圧ローラ11を回転駆動するためにモータ駆動回路28に信号S15を送り、モータ駆動回路28はこの信号S15に基づきモータ29を回転させる。
【0042】
ここで、図5のフローチャートに基づいて、定着ローラ10の温度制御について説明する。
【0043】
図4に示す制御部32は、先ず制御目標電圧Vref1と電圧VT1を比較し(S201)、Vref1>VT1の場合、上述のハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をONし(S202)、そうでない場合信号S3をOFFする(S203)。
【0044】
図6に従来のサーミスタと、昇電型温度検知素子の応答性を示す。図6は、定着ローラを加熱するヒータへの通電のための信号S3をONしてから実際の定着ローラの温度が上昇するまでの時間と、昇電型温度検知素子で検知した定着ローラの温度と、従来のサーミスタで検知した定着ローラ温度とをそれぞれ示したものである。
【0045】
図6に示すように、サーミスタによる温度検知は実際の温度より1秒程度遅れているのに対し、昇電型温度検知素子の検知温度はほとんど遅れはない。
【0046】
図7に示すように、上述の定着ローラ10には熱反射率の異なる部材2が貼られている。これは、部材2としての薄い金属片等を定着ローラに貼りつければ良く、或いは、薄い金属片等を定着ローラに埋め込んでも良い。この熱反射率の異なる部材2が定着ローラ10に貼り付けられていることにより、昇電型温度検知素子がこの部分の温度と他の部分の温度の違いを検知でき、定着ローラの回転が回転しているか否かの判断が可能となる。
【0047】
図8は、図7に示す熱反射率の異なる部材2が貼り付けられた定着ローラ10の温度を昇電型温度検知素子1によって検知した結果を示す。
【0048】
図8に示すように、熱反射率の異なる部分は、その温度が定着ローラ10の一周毎に昇電型温度検知素子1によって他の部分よりも低く検知される。
【0049】
そこで、本実施形態では、制御部32がこの低い温度を上記一周毎の回転検知タイミングで検知できなかった場合、定着ユニットの異常と判断し、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をOFFし、定着ローラ10回転駆動のための信号S15もOFFする。これにより、定着ローラ10に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ローラ10に対するモータ29による回転駆動が停止されることとなる。
【0050】
ここで、図9のフローチャートに基づいて、定着ローラ10の回転駆動系の異常検知について説明する。
【0051】
先ず、定着ローラ10回転駆動のための信号S15がONであるか否かを判断し(S101)、ONであればS102に進み、ONでなければS107に進む。
【0052】
S102では、上述の回転検知タイミングであるか否かを判断し、回転検知タイミングであればS103に進み、回転検知タイミングでなければS107に進む。
【0053】
S103では、定着ローラ10の温度が所定温度以下か否かを判断し、定着ローラ10の温度が所定温度以下ならばS106に進み正常と判断し、定着ローラ10の温度が所定温度以下でないならばS104に進み定着ローラ10が回転停止していると判断し、S105で、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3と定着ローラ10回転駆動のための駆動信号S15をOFFし、定着ローラ10に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ローラ10に対するモータ29による回転駆動が停止される。S107では、上述の図5に示す通常の温度制御を行なう。
【0054】
よって、上述したように、本実施形態によれば、定着ローラ10の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く定着ローラ10の回転駆動系の故障による定着ローラ10の破損を防止することができる。
【0055】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について図10乃至図14に基づいて説明する。尚、上述の第一の実施形態との共通箇所には同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
図10は、本実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図であり、図11は、図10に示す画像形成装置に備えられた定着装置たる定着ユニット105の概略構成を示す斜視図である。
【0057】
図11に示す本実施形態の定着ユニット105は、第一の実施形態と同様温度検知方向に指向性をもった温度検知手段たる昇電型温度検知素子41と、回転体としてのベルト状部材たる定着ベルト25とを備えている。
【0058】
この定着ベルト25は、2本のローラ25a,25bによって張設され、ローラ25a内に配設された加熱手段たるハロゲンヒータ5によって加熱され、加圧ローラ11と圧接している。未定着像を担持した記録材は、定着ベルト25と加圧ローラ11との間の圧接部で挟持搬送されることにより、上記未定着像が上記記録材上に定着される。
【0059】
図12に示すように、定着ベルト25は、周方向における一部に他の部分と熱反射率の異なるよう切り欠き25cが形成されている。この切り欠き25cを設けることにより、昇電型温度検知素子41がこの部分の温度の違いを検知し、定着ベルト25が回転しているか否かを判断することが可能となる。尚、図12では、昇電型温度検知素子41が定着ベルト25に対して垂直に配置されている。しかし、定着ベルト25上の周方向反対側の切り欠きの影響を避けるため、垂直の位置に対して角度をもたせてもよい。
【0060】
本実施形態では、図13に示す温度制御回路によって定着ベルト25の温度制御を行っている。つまり、温度制御回路としては、温度検知手段として昇電型温度検知素子41、回転検知手段及び制限手段として制御部42を用いている以外、上述の第一の実施形態と同様である。
【0061】
尚、本実施形態で定着ベルトの温度制御は、従来例と同じでもかまわないが、一般にベルト式定着ユニットは、全体の熱容量が小さい場合が多い。そのため、従来の温度制御では、誤差が大きくなる場合がある。このような場合は、PID制御等を行うとよい。又、加熱手段としては、ハロゲンヒータの他に、サーフ定着方式や、磁気誘導加熱方式を使用することが可能である。
【0062】
図14は、上述の熱反射率の異なる部分として切り欠き25cの形成された定着ベルト25の温度を昇電型温度検知素子41によって検知した結果を示す。
【0063】
図14に示すように、定着ベルト25の熱反射率の異なる部分(切り欠き部25c)は、その温度が定着ベルト25の一周毎に昇電型温度検知素子41によって他の部分よりも低く検知される。
【0064】
そこで、本実施形態では、制御部42が、この低い温度を上記一周毎の回転検知タイミングで検知できなかった場合、定着ユニット105の異常と判断し、ハロゲンヒータ5駆動のための信号S3をOFFし、定着ベルト25回転駆動のための信号S15もOFFする。これにより、定着ベルト25に対するハロゲンヒータ5による加熱、定着ベルト25に対するモータ29による回転駆動が停止されることとなる。
【0065】
よって、従来では、サーフ定着方式や、磁気誘導加熱方式のように回転体として熱容量が小さい定着ベルトやフィルム等を用いる定着装置で定着ベルトやフィルム等を回転させずに加熱すると、定着ベルトやフィルムが破損する場合があったが、本実施形態では、このような定着ベルトやフィルムの駆動系の故障よって生じる定着ユニットの故障を防止することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願にかかる第一の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0067】
又、本出願にかかる第二の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転の有無を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0068】
更に、本出願にかかる第三の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0069】
又、本出願にかかる第四の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転すべり状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0070】
更に、本出願にかかる第五の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体であるベルト状部材若しくはフィルム状部材の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なるよう切り欠きの形成された上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面に向けて所定の指向性をもって上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高くベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転駆動系の故障によるベルト状部材若しくはフィルム状部材の破損を防止することができる。
【0071】
又、本出願にかかる第六の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に回転体の回転を停止させると共に加熱手段による加熱を停止させるようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0072】
更に、本出願にかかる第七の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0073】
又、本出願にかかる第八の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【0074】
更に、本出願にかかる第九の発明によれば、温度検知手段は、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲で周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なる上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知し、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知し、制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作を制限するようになっているので、回転体の回転駆動系の故障を応答性よく確実に検知でき、信頼性が高く回転体の回転駆動系の故障による回転体の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1の画像形成装置における定着装置の着脱を説明するための図である。
【図3】図1の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御系のうち回転体の温度制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第一の実施形態における温度検知手段の応答性を説明するための図である。
【図7】図3の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体の概略構成を示す図である。
【図8】図3の定着装置に備えられた温度検知手段によって検知された温度を示す図である。
【図9】図4の制御系のうち回転体の回転状態検知と定着装置の動作の制限とに関する制御を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第二の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図11】図10の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体であるベルト状部材の概略構成を示す図である。
【図13】図11の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図14】図11の定着装置に備えられた温度検知手段によって検知された温度を示す図である。
【図15】従来の画像形成装置に備えられた定着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図16】図15の定着装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図17】図15の定着装置に備えられ加熱手段によって加熱される回転体の温度変化を示す図である。
【図18】図16の制御系のうち回転体の回転状態検知と定着装置の動作の制限とに関する制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 昇電型温度検知素子(温度検知手段)
2 部材(熱反射率が他の部分と異なる部分)
5 ハロゲンヒータ(加熱手段)
10 定着ローラ(回転体)
11 加圧ローラ(回転体)
25 定着ベルト(回転体、ベルト状部材)
25c 切り欠き(熱反射率が他の部分と異なる部分)
32 制御部(回転検知手段、制限手段)
41 昇電型温度検知素子(温度検知手段)
42 制御部(回転検知手段、制限手段)
102 記録紙(記録材)
104 定着ユニット(定着装置)
105 定着ユニット(定着装置)
Claims (9)
- 互いに圧接回転する一対の回転体と、該一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体を加熱する加熱手段とを備え、未定着像を担持する記録材を上記一対の回転体によって挟持搬送しながら加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録材に定着させる定着装置であって、上記回転体の回転状態を検知する回転検知手段と、該回転検知手段によって検知された回転状態が所定の異常回転状態であると判定した際に定着装置の動作に所定の制限を与える制限手段とを備える定着装置において、一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の軸線方向における所定範囲での上記回転体の表面に向けて所定の指向性をもって上記回転体の表面温度を非接触で検知する温度検知手段を備え、上記回転体の表面は、上記所定範囲での周方向における一部の熱反射率が他の部分と異なるよう構成されており、回転検知手段は、上記温度検知手段によって検知された温度における上記一部と上記他の部分とに対応する温度の変化に基づき上記回転体の回転状態を検知して制限手段による制限がなされるようになっていることを特徴とする定着装置。
- 回転検知手段は回転体の回転の有無を検知するようになっていることとする請求項1に記載の定着装置。
- 一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体はベルト状部材若しくはフィルム状部材であることとする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 回転検知手段は、ベルト状部材若しくはフィルム状部材の回転すべり状態を検知するようになっていることとする請求項3に記載の定着装置。
- 回転体は、一部の熱反射率が他の部分と異なるよう切り欠きが形成されていることとする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の定着装置。
- 制限手段は、回転検知手段によって検知された回転状態が所定の回転状態であると判断した際に回転体の回転を停止させると共に加熱手段による加熱を停止させるようになっていることとする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の定着装置。
- 加熱手段はハロゲンヒータであることとする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の定着装置。
- 加熱手段は磁気誘導により回転体を加熱する磁気誘導加熱手段であることとする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の定着装置。
- 一連の画像形成プロセスによって画像を記録材に記録する画像形成装置であって、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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- 2002-06-07 JP JP2002166424A patent/JP2004012823A/ja not_active Withdrawn
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