JP2004011691A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬球体の位置決めが確実に行え、地震時の長周期化を確保しつつ、地震時に応答する加速度を効果的に減じることができる制振装置の提供
【解決手段】制振装置1は、ゴム製の筒状弾性体2と、筒状弾性体2の内周面に内接した状態で筒状弾性体2の内部に収容した硬球体3と、前記筒状弾性体2の上下端面にそれぞれ取り付けた上下の硬質板4、5からなる。上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面には、それぞれ筒状弾性体2内の中央部に硬球体3が位置決めするべく、硬球体3が嵌まる位置決め部6、7を設けている。位置決め部6、7は、硬球体3がその半径rの1/400〜1/50の高さhまで嵌まる程度の所定径の浅い窪みである。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の上部構造と下部構造との間に装着される制振装置に関し、特に、住宅の基礎部の通気用の基礎パッキン材およびアンカー部材を兼ね、嵩張らず、高性能の振動吸収機能を有するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅の基礎部の通気用の基礎パッキン材100は、図4に示すように、弾性材料からなる略矩形の部材であり、基礎コンクリート101に植設したアンカーボルト102に嵌め込んで、基礎コンクリート101と住宅の土台103との間に所定の間隔を開けて複数配設したものが一般に知られている。基礎コンクリート101の内部は、基礎パッキン材100によって設けた隙間で換気が行え、基礎コンクリート101内の空気の流れが良くなる。また基礎パッキン材100には、基礎コンクリート101と住宅の土台103との縁を切ることにより、基礎コンクリート101が吸った水分を土台に伝えないという作用がある。
【0003】
上記の基礎パッキン材と、地震やダンプカーなどの大型の自動車による振動や鉄道車両の通行に伴う振動を吸収する制振装置(免震装置)の機能を備えたものとして、特開2000−73616号公報、特開2000−110403号公報、特開2001−182366号公報、特開平9−242381号公報に記載されたものがある。これらはともに、構造物の荷重を硬球体で受け基礎に伝えるものであり、地震の揺れに対しては、硬球体が転動して基礎の揺れの数分の1しか土台に伝えず(転がり免震)、地震が収まるにつれて、地震発生前の元の位置に復元するようになっている。
【0004】
特開2000−73616号公報には、土台用金具と基礎用金具の間に硬球体が転動可能な空間を有する筒状弾性体を固着し、この筒状弾性体に硬球体を収容した制振装置が記載されている。この制振装置は、筒状弾性体の内径を硬球体の直径よりも大きくして、筒状弾性体の内部に硬球体が転動可能な転動空間を形成したものである。このような空間を設けたのは、硬球体の転がりを許容し、建物の揺れを長周期化させ、免震作用を機能させるためである。
【0005】
特開2000−110403号公報には、さらに、硬球体が上部基板と下部基板のそれぞれに内設するように、筒状弾性体の高さを硬球体の直径と同寸法にした制振装置が記載されている。
【0006】
特開2001−182366号公報には、上下に対象な凹面を有する皿状の上下の鋼板部材間に、硬球体を設けた制振装置が記載されている。
【0007】
特開平9−242381号公報には、下側支持板の上面に形成した擂鉢状の凹部の中心に硬球体を配設したものが記載されている。
【0008】
このような制振装置は、構造物の基礎部に所定の間隔を空けて複数個設置することにより、制振装置間に通気用の隙間を形成することができ、床下空間の通気性を確保するための基礎パッキン材としての機能も兼ねている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−73616号公報、特開2000−110403号公報に記載された制振装置のように、硬球体が転動可能な空間を設けると、硬球体は自在に可動し得るので、設置工事時において特別な構造を付加しない限りは、施工前の鉛直荷重が掛からない状態において、運搬時や組み立て後に、硬球体が、筒状弾性体の内部空間の中央位置からずれて、筒状弾性体の内周面に接した状態になる。このような状態では、地震時の変形により、硬球体が筒状弾性体の内周面に乗り上げ、さらには支持能力を失う可能性がある。このようになると十分な転がり免震機能を得ることができないばかりか、地震が収まったあとも硬球体が筒状弾性体の内周面に乗り上げたまま、筒状弾性体の内周面と上部基板の間に挟まれてしまい、筒状弾性体が元の状態に復元し得ない可能性がある。
【0010】
さらに、制振装置を実用化するためには、制振性能を予測することができなければならないが、制振性能を予測するためには、装置のせん断方向への変形量とせん断方向の反力の関係が明らかでなければならない。特開2000−73616号公報、特開2000−110403号公報に記載された制振装置は、筒状弾性体内での硬球体の位置が不定であるため、可動範囲が小さく又は不定であり、その効果も不定である。このため、個々の装置について、水平変形量−水平反力の関係が異なるために、制振性能を正確に予測することができないものであった。
【0011】
これに対し、特開2001−182366号公報、特開平9−242381号公報に記載された制振装置は、少なくとも下側の支持板が擂鉢状の凹部になっており、硬球体が擂鉢状凹部の中心に位置するようになっている。このため、上記のような問題は生じない。しかし、この構造は、実際の地震などで揺れる時に、硬球体が擂鉢状の凹部上を転動するので、これに伴って、構造物の上部構造に上下動が生じ、構造物やその中の家具などに損傷を与える恐れもある。また、下部支持板に擂鉢状の凹部を加工することは、コストが高くつく。
【0012】
そこで、本発明は、硬球体の位置決めが確実に行え、地震時の長周期化を確保しつつ、地震時に応答する加速度を効果的に減じることができる制振装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の制振装置は、筒状弾性体と、前記筒状弾性体に収容した硬球体と、前記筒状弾性体の上下端面にそれぞれ取り付けた上下の硬質板とを備え、構造物の上部構造と下部構造との間に挟んで装着する制振装置において、前記上側の硬質板の下面と下側の硬質板の上面の何れか一方又はその両方に、硬球体を所定位置に位置決めし、かつ、硬球体がその半径の1/400〜1/50の高さまで嵌まる位置決め部を設けたことを特徴としている。位置決め部は、所定径の窪みや穴で構成することができる。
【0014】
この制振装置は、常時は上側の硬質板の下面と下側の硬質板の上面に設けた位置決め部に硬球体がその半径の1/400〜1/50の高さまで嵌まっているので、上下の硬質板に対して硬球体の位置を位置決めする機能を備えている。また、風や交通振動などの軽微な揺れに対しては制振機能を制限し、地震などの比較的大きな揺れに対しては制振機能を発揮させるトリガー機能を兼ね備えている。このトリガー機能は、風や交通振動などの軽微な振動に対して変位が生じるのを制限し、これらの軽微な振動により構造物の上部構造が揺れるのを防止することにより、中の人に心理的不安を生じさせないようにするものである。
【0015】
請求項2に記載の制振装置は、前記位置決め部が、硬球体がその半径の1/200〜1/100の高さまで嵌まるものであることを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の制振装置は、前記上側の硬質板と下側の硬質板を1kN以上の力で挟んで設置することを特徴としている。これにより、上側の硬質板と下側の硬質板の間に挟まれた硬球体は滑りなく転動することができ、筒状弾性体の弾性復元力により、確実に元の位置に戻ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る制振装置を図面に基づいて説明する。
【0018】
制振装置1は、図1(a)に示すように、ゴム製の筒状弾性体2と、筒状弾性体2の内周面に内接した状態で筒状弾性体2の内部に収容した硬球体3と、前記筒状弾性体2の上下端面にそれぞれ取り付けた上下の硬質板4、5からなる。
【0019】
筒状弾性体2は、弾性材料からなる略円筒形状の部材である。筒状弾性体2の内径φd1は、硬球体3の直径φdよりも大きい。
【0020】
硬球体3は、所要の剛性を備えた球状体であり、例えば、鋼鉄製の鋼球を採用することができる。
【0021】
上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面には、それぞれ筒状弾性体2内の中央部に硬球体3が位置決めするべく、硬球体3が嵌まる位置決め部6、7を設けている。位置決め部6、7は、図1(c)(d)に示すように、硬球体3がその半径rの1/100の高さhまで嵌まる程度の所定径の浅い窪みであり、かつ、硬球体3の球面に沿った球面で形成している。例えば、硬球体3の直径が40mmであれば、硬球体3が0.2mm嵌まるようになっている。このような位置決め部6、7は、例えば、プレス加工や切削加工で形成することができる。
【0022】
また、硬球体3の滑らかな転動を確保するため、硬球体3と硬質板4、5は載荷時にそれぞれが変形しないように同程度の硬度を有する材料(例えば、ロックウェル硬度で±5以内、望ましくは同一材料)で形成することが望ましい。なお、同程度の硬度であれば、一方を金属、他方をプラスチックにしてもよい。ただし、硬質板4、5側に大きな凹状変形が生じると、水平せん断変位−水平反力の履歴曲線に負勾配を生じ、不安定な応答性能を示すため、硬質板の硬度は硬球体の硬度よりも高いことが望ましい。また、両者の材質をS45Cに焼入れ・焼鈍しの熱処理を加えてロックウェル硬度を30以上にすることにより、載荷時においてほとんど変形が生じないものとなる。
【0023】
この制振装置1は、上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面に設けた位置決め部6、7に硬球体3が嵌まり、硬球体3が、常時は筒状弾性体2の中央位置に確実に収まるようになっている。これにより、常時は硬球体3が確実に筒状弾性体2の中央で荷重を受けることができるようになっている。
【0024】
また、制振装置1は1kN以上の力で、構造物の上部構造と下部構造の間に挟んで設置する。これにより、硬球体3と上下の硬質板4、5との摩擦力が大きくなるので、硬球体3が上下の硬質板4、5の間で滑ることなく転動するようになる。なお、1kN以上の力で制振装置1を構造物の上部構造と下部構造の間に挟んで設置することにより、硬球体3と上下の硬質板4、5との間に滑りがなくなることは本発明者らが実験により見出した知見によるものである。このため、例えば、構造物の上部構造の重さに対し、一つの制振装置1が支持する荷重が1kN以上になるように、制振装置1の設置個数とその配置を定めるのがよい。
【0025】
この制振装置1は、常時は、上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面に設けた位置決め部6、7に硬球体3が嵌まっており、風や交通振動などの軽微な揺れに対しては、硬球体3が位置決め部6、7を脱しないので制振装置1に水平変形が生じない。これに対して、地震などの比較的大きな揺れに対しては、図1(b)に示すように、揺れの力を受けて、上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面に設けた位置決め部6、7から硬球体3が抜け出る。このとき、装置のせん断方向への変形量とせん断方向の反力の関係が明らかであるので、制振性能を正確に予測することができる。また、硬球体3が硬質板4、5の位置決め部6、7に嵌まる高さhが、硬球体4、5の半径rの1/100と小さいので、硬球体3が位置決め部から抜け出たときの上下動は体感できるものではない。
【0026】
そして、硬球体3は、地震時の慣性力による構造物の上部構造と下部構造の水平方向の相対的な変位に伴う、上下の硬質板4、5の水平方向の相対的な変位を受けて、上下の硬質板4、5の間で転動する。このとき、1kN以上の力で制振装置1を構造物の上部構造と下部構造の間に挟んで設置しているので、硬球体3と上下の硬質板4、5の接触部分に十分に大きな摩擦力が作用し、硬球体3は上下の硬質板4、5の間で滑ることなく転動する。そして、硬球体3は、上下の硬質板4、5の間で滑ることなく転動するので、上下の硬質板4、5間の相対変位yは、硬球体3の転動距離xの略2倍になる。
【0027】
地震が収まると、筒状弾性体2の弾性復元力を受けて、上下の硬質板4、5が相対的に元の位置に戻る。このとき、硬球体3は、上下の硬質板4、5の間で滑ることなく転動するので、上下の硬質板4、5が相対的に元の位置に戻ったときに、再び上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面に設けた位置決め部6、7に嵌まる。
【0028】
また、この制振装置1は、筒状弾性体2の内径を硬球体3の直径よりも大きくすることができ、硬球体3の転動範囲を広く確保することができるので、筒状弾性体2の水平せん断ばね定数を低く設定しておけば、地震時の揺れに対する構造物の振動を長周期化させることができ、これにより高性能な振動吸収機能を備えたものになる。
【0029】
なお、上記の筒状弾性体2に用いられる弾性材料のせん断弾性率は、高さに対して25%以下の片振幅において80N/cm以上、望ましくは100N/cm以上、さらには200N/cm以上であることが好ましい。また、筒状弾性体2に用いられる弾性材料の損失係数tanδは、0.3以上にするのが好ましく、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.7以上にするのが良い。
【0030】
ここで、ゴム材料の動的特性を複素弾性率で表現した場合、実数部分を貯蔵弾性率G1、虚数部分を損失弾性率G2といい、貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2の比を損失係数tanδという。
損失係数tanδ=貯蔵弾性率G1/損失弾性率G2
【0031】
損失係数tanδは、制振材料の制振特性の評価指標の一つである。すなわち、制振材料は、振動応答系に減衰があると、その応力・歪み線図(あるいは荷重・変位線図)は履歴曲線を描くのであるが、損失係数tanδは、1サイクルで消費されるエネルギと貯蔵される最大エネルギの比に比例する量で、等価減衰定数の約2倍の値に対応する。損失係数tanδは大きいほど減衰性の高い材料となる。
【0032】
筒状弾性体2の材質について、筒状弾性体2はNR高減衰配合ゴムで、耐候性材料で被覆することが好ましい。耐候性材料には、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などがある。硬球体3を収容する筒状弾性体2の内周面は、地震時に硬球体3を滑らかに転動させるために潤滑材を塗布し、又は、硬球体3を収容した筒状弾性体2の内部に潤滑材を充填し、筒状弾性体2の内周面を耐油性材料で被覆するとよい。
【0033】
表1に、筒状弾性体2のゴム材料の好適な配合例を示す。また、筒状弾性体2は、耐候性を向上させるため、耐候性材料、例えばブチルゴムを主成分とするゴム組成物で(例えば、厚さ1mm程度)被覆するとよい。なお、表1中、phrは、配合剤の質量をゴム100部に対する部数で示すときに用いる記号をいう。
【0034】
【表1】
Figure 2004011691
【0035】
以下、本発明の他の実施形態に係る制振装置を説明する。
【0036】
この制振装置1’は、図2(a)に示すように、上側の硬質板4’と下側の硬質板5’のそれぞれの筒状弾性体2’内の中央部に、位置決め部6’、7’として、上下に貫通した小径孔8’、9’を形成したものである。図2(b)(c)に拡大して示すように、上側の硬質板4’の下面に開口した小径孔8’の開口縁10’、および、下側の硬質板5’の上面に開口した小径孔9’の開口縁11’には、R面取り加工を施している。上側の硬質板4’の下面に開口した小径孔8’の開口縁10’と、下側の硬質板5’の上面に開口した小径孔9’の開口縁11’には、硬球体3’がその半径rの1/100の高さhまで嵌まっている。この制振装置1’は、上述した制振装置1と同様の作用を奏する。
【0037】
以上、本発明の制振装置の実施形態を説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
【0038】
硬球体3が嵌まる高さhを硬球体の半径rの1/100にしたものを例示したが、本発明者らは、実験により、硬球体3が嵌まる高さhを硬球体3の半径rの1/400〜1/50にすることにより、位置決め機能、トリガー機能について良好な結果を得ている。さらに、硬球体3が嵌まる高さhを硬球体3の半径rの1/200〜1/100にすると良いとの知見を得ている。
【0039】
また、上述した実施形態では、上側の硬質板4の下面と下側の硬質板5の上面の両方に硬球体3が嵌まる位置決め部6,7を設けたものを例示したが、係る位置決め部は、上側の硬質板4の下面又は下側の硬質板5の上面の何れか一方に設けてもよい。
【0040】
また、特に住宅用の制振装置1については、図3に示すように、制振装置1の高さHは、20〜60mmにすると良い。高さHが20mmよりも低いと、通気性能が不十分で基礎パッキン材としての機能が不十分になる。また、高さHが60mmよりも高いと、せん断ばね定数が低く成り過ぎて不安定になるし、制振装置1が大型化してコスト高になる。また、筒状弾性体の外径d2は80〜130mm、筒状弾性体2の内径d1は硬球体3の直径dの1.1倍以上で3.5倍以下にするのが良い。これより大きいと制振装置1が大型化してコスト高になるからである。また、筒状弾性体2の厚さd3は、硬球体3の直径dの0.5倍より大きいのが良い。ゴムの厚さd3が小さいとせん断変形しにくくなるからである。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の制振装置は、上側の硬質板の下面と下側の硬質板の上面の何れか一方又はその両方に、硬球体を所定位置に位置決めし、かつ、硬球体がその半径の1/400〜1/50の高さまで嵌まる位置決め部を設けたので、常時は上側の硬質板の下面と下側の硬質板の上面に設けた位置決め部に硬球体がその半径の1/400〜1/50の高さまで嵌まっている。これにより、上下の硬質板に対する硬球体の位置を位置決めする機能を備え、かつ、風や交通振動などの軽微な揺れに対しては制振機能を制限し、地震などの比較的大きな揺れに対しては制振機能を発揮させるトリガー機能を兼ね備えている。
【0042】
請求項2に記載の制振装置は、位置決め部が、硬球体がその半径の1/200〜1/100の高さまで嵌まるので、より好適な位置決め機能とトリガー機能を備えている。
【0043】
請求項3に記載の制振装置は、上側の硬質板と下側の硬質板を1kN以上の力で挟んで設置したので、上側の硬質板と下側の硬質板の間に挟まれた硬球体は滑りなく転動することができ、筒状弾性体の弾性復元力により、確実に元の位置に戻ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る制振装置を示す縦断面図であり、(b)はその地震時の状態を示す。(c)は上側の硬質板の位置決め部を示す拡大断面図であり、(d)は下側の硬質板の位置決め部を示す拡大断面図である。
【図2】(a)は、本発明の他の実施形態に係る制振装置を示す縦断面図、 (c)はその上側の硬質板の位置決め部を示す拡大断面図、(d)は下側の硬質板の位置決め部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る制振装置の寸法例を説明する縦断面図である。
【図4】従来の基礎パッキン材を示す図。
【符号の説明】
1 制振装置
2 筒状弾性体
3 硬球体
4,5 硬質板
6,7 位置決め部

Claims (3)

  1. 筒状弾性体と、前記筒状弾性体に収容した硬球体と、前記筒状弾性体の上下端面にそれぞれ取り付けた上下の硬質板とを備え、構造物の上部構造と下部構造との間に挟んで装着する制振装置において、
    前記上側の硬質板の下面と下側の硬質板の上面の何れか一方又はその両方に、硬球体を所定位置に位置決めし、かつ、硬球体がその半径の1/400〜1/50の高さまで嵌まる位置決め部を設けたことを特徴とする制振装置。
  2. 前記位置決め部が、硬球体がその半径の1/200〜1/100の高さまで嵌まるものであることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記上側の硬質板と下側の硬質板を1kN以上の力で挟んで設置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振装置。
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