JP2004011563A - 燃費向上用イオン化体 - Google Patents

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木我 富雄
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Abstract

【課題】自動車等の内燃機関に簡単に取付けることができ、しかも、燃費効率向上効果の高い燃費向上用イオン化体を提供する。
【解決手段】取付け時における吸気の流れに沿った方向に直線的又は曲線的に肉厚が増加する基体5bの表面に、空気をイオン化させる機能を有する板体5aを一体化する。板体5aは、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂を表面にコーティングしたものが適している。基体5bの肉厚は、取付け時における吸気の流れに沿った方向の終端近くで直線的又は曲線的に減少するようにすると、更によい。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関、特に、その吸気系に取付けることによって、燃費を向上させる燃費向上用イオン化体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂を表面にコーティングしたアルミニウム性薄シートよりなる燃費向上用イオン化体を既に提案している(特願2000−230116)。
【0003】
燃費向上用イオン化体10の使用に際しては、機能を充分に果たすために、図4に示すように、二通りの取付け方を採用している。その一つは、背面に一体化した粘着シートによって、内燃機関の外気ダクト1の出口内周、即ち、フィルターボックス2の接続部内周に、外気ダクト内径の大きさにより2〜4枚貼り付けるものである。二つ目は、背面に一体化した取付用針金11を適宜に折り曲げ、外気ダクト1のフィルターボックス2に粘着シート12により固定するものである。
【0004】
このようにして、燃費向上用イオン化体5を内燃機関の吸気系に設けると、取込まれる空気がイオン化されて酸素分子が細かく分散し、燃料分子と細かく均一に混合されるので、燃焼効率が著しく向上し、燃費が大幅に向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の燃費向上用イオン化体は、単に、外気ダクト1の出口内周に貼るだけでは効果が充分でないこともあって、その取付けに当たっては、2通りの態様を用意しなければならない。また、その針金付きイオン化体の取付けは非常に手間のかかる作業である。
【0006】
本発明は、このような技術的な背景のもとに、上記問題点の解決を意図してなされたものであり、自動車等の内燃機関に簡単に取付けることができ、しかも、燃費効率向上効果の高い燃費向上用イオン化体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するするための手段】
本発明の燃費向上用イオン化体は、取付け時における吸気の流れに沿った方向に直線的又は曲線的に肉厚が増加する基体5bの表面に、空気をイオン化させる機能を有する板体5aが一体化されたものである。
【0008】
板体5aは、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂を表面にコーティングしたものが適している。
【0009】
基体5bの肉厚は、取付け時における吸気の流れに沿った方向の終端近くで直線的又は曲線的に減少するようにすると、更によい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3を参照し、本発明の燃費向上用イオン化体の実施形態について説明する。
【0011】
本発明の燃費向上用イオン化体は、自動車等の内燃機関(シリンダー内で空気と混合した燃料を爆発的に燃焼させてピストンに往復運動を与える熱機関)に取込む外気(吸気)をイオン化することにより、霧化燃料との混合性を向上させ、高い燃焼効率を達成するものである。先ず、本発明の燃費向上用イオン化体が取付けられる吸気系の概略を説明し、次いで、本発明の燃費向上用イオン化体、イオン化された外気が内燃機関で燃焼効率を高める理由について順に説明する。
【0012】
吸気系は、ピストンの負圧により内燃機関へ吸気する外気を浄化するための、内燃機関に至る一連の構造体群あり、図2(1)に示すように、外気ダクト1と、フィルターボックス2と、内燃機関側ダクト3とよりなっている。
【0013】
フィルターボックス2は有底の本体2aと、その上部の開口を閉じる蓋体2とよりなっている。そして、外気ダクト1は本体2aの底部に連結され、内燃機関側ダクト3は蓋体2bの側部に連結されている。また、内燃機関側ダクト3には、上部に空間を空けた状態でエアーフィルター4が交換可能に装着される。
【0014】
本発明の燃費向上用イオン化体5は、例えば、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂がコーティングされたアルミニウム性薄シート(板体)5aと、裏面に接着剤が施された基体5bとよりなり、板体5aは、樹脂コーティング面を表側にして基体5bの表面に貼り合わせ、一体化される。
【0015】
上記のように、アルミニウム性薄シートには樹脂と共にセラミックがコーティングされるが、セラミックには様々な機能を備えたものが知られている。ここでは、その内からイオン化機能を有するものを選択して用いる。
【0016】
本発明で重要なことは、基体5bの、取付け時における吸気の流れ方向の厚さを、図1の(1)、(2)、(3)に示すように変化させる点である。
【0017】
図1(1)に示す燃費向上用イオン化体5の基体5bは、肉厚が、取付け時における吸気の流れに沿った方向に10°〜30°の角度で直線的に増加するものである。このような肉厚変化をもたせることにより、吸気が板体5aの面に当たりやすくなって吸気のイオン化が盛んになり、且つ、流路の内径が直線的に小さくなることにより、吸気の流速が高まり、イオン化が一層効果的に行われるようになる。
【0018】
図1(2)に示す燃費向上用イオン化体5の基体5bは、肉厚が、取付け時における吸気の流れに沿った方向に直線的に増加し、終端近くで逆に直線的に減少するものである。この場合も、図1(1)に示すものと同様な効果を得ることができると共に、イオン化体貼り付け位置を過ぎた吸気の流れをスムーズにすることができる。
【0019】
図1(3)に示す燃費向上用イオン化体5の基体5bは、肉厚が、取付け時における吸気の流れに沿った方向に曲線的に増加し、曲線的に減少するものである。この場合も、図1(2)に示すものと同様な効果を得ることができると共に、吸気の流れが一層スムーズになる。
【0020】
イオン化体5の貼り付け場所は、吸気系を構成する構造体の内部の何れの部分でもよいが、取付け作業のしやすさから、図2(2)に示す外気ダクト1の出口、即ち、フィルターボックス本体2aとの接続位置付近が最も適している。同様に、外気ダクト1の入口も適している。それらの場合は、イオン化体5が万が一脱落したとしても、エアーフィルター4にせき止められるので、内燃機関に達する事故を未然に防ぐことができる。
【0021】
空気は、管体の内壁面に沿って流れる傾向にあるので、イオン化体5を外気ダクト1の内壁面に貼り付けることは、イオン化効率の点で合理的である。その意味で、燃費向上用イオン化体5は、外気ダクト1の入口又は出口の内壁面全周に設けるのがよい。
【0022】
イオン化した外気が内燃機関での燃焼効率を高める理由は、次のとおりであ。即ち、空気を構成する窒素や酸素の分子は集団状態となっているが、空気をイオン化することにより、それらの分子は細かく分散し、内燃機関のシリンダーに吸入されるときに、細かく分散された酸素分子と、霧化された燃料分子とが細かく均一に混合する。そのため、燃料分子と酸素分子との出会いの機会が著しく向上し、効率よく結合(燃焼)することが可能となる。
【0023】
外気のイオン化による燃焼効率の向上は、いわゆる燃費の向上をもたらす。それは、某大手の自動車研究所のシャーシダイナモによるテストの結果をみれば明らかである。即ち、27000km走行の2400ccガソリン車でのテストでは、本発明の燃費向上用イオン化体を取付けたものは、取付けていないものに比べて、エンジン出力が平均13.8%、駆動力が平均13.5%、燃費が23.8%それぞれ向上している。また、260000km走行の2トン車でテストでは、エンジン出力が平均48.7%、駆動力が平均48.0%、燃費が平均53.8%それぞれ向上している。これは、針金付きイオン化体を有する従来の燃費向上用イオン化体を取付けた、各社の様々な車種のガソリン車22台を用いた路上走行実験(走行距離は4.3万〜21.5万km)の結果得られた平均燃費向上率20%を大きく上回るものである。この燃費の向上に伴って、加速性もよりよくなり、エンジンの発する振動、騒音も減じ(各シリンダーでの燃焼の均一化による、爆発のバランス化)、排気音もより乾いた、きれいな音に変化し、ノッキングを起こすこともなくなり、有害排気ガス(CO、HC、NO)もより減少した。また、ディーゼル車の場合は、黒煙もほとんど発しなくなり、煤煙の排出もみられなくなった。フィーリングの面でも、加速感(アクセル踏込みに敏感に反応)、パワー感、トルク感の何れもが更によくなった。それに加えて、従来のような、空気の流れを乱す針金付きイオン化体が不要となったので、吸気の空気抵抗が減少し、エンジンレスポンス(感度)を損ねることもなくなった。また、針金付きイオン化体が不要となったことにより、取付け作業が著しく簡単になった。
【0024】
なお、本発明の燃費向上用イオン化体を構成する板体として、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂を表面にコーティングしたもの例示して説明してきたが、同機能を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、板状電極を採用し、対向配置される先尖針金電極との間で放電させるようにしてもよい。その他、本発明の本質から逸脱しない範囲で他の変形態様をとることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の燃費向上用イオン化体は、従来のもののような針金付きイオン化体が不要であるので、取付け作業が単に貼り付けるだけですみ、著しく簡単になった。しかも、従来の燃費向上用イオン化体に比べて、燃費、振動、騒音、排気音、ノッキング、有害排気ガス、加速性、黒煙、煤煙、加速感、パワー感、トルク感の全ての面でより優れた効果を発揮することができる。そればかりでなく、空気の流れを乱す針金付きイオン化体が不要となったことにより、空気抵抗が減少し、エンジンレスポンスを損なうこともなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃費向上用イオン化体の様々な形態を示す斜視図である。
【図2】(1)は内燃機関の吸気系の縦断面図であり、(2)は吸気系を構成する外気ダクトの出口部の斜視図である。
【図3】本発明の燃費向上用イオン化体の体取付け態様を説明する外気ダクト出口周辺の縦断面図である。
【図4】従来の燃費向上用イオン化体の体取付け態様を説明する外気ダクト出口周辺の縦断面図である。
【符号の説明】
1  外気ダクト
2  フィルターボックス
5  イオン化体
5a 板体(セラミック粉体混合樹脂コーティング薄シート)
5b 基材

Claims (3)

  1. 取付け時における吸気の流れに沿った方向に直線的又は曲線的に肉厚が増加する基体の表面に、空気をイオン化させる機能を有する板体が一体化された燃費向上用イオン化体。
  2. 板体が、空気をイオン化させる機能を有するセラミック粉体混合樹脂を表面にコーティングしたものである請求項1に記載の燃費向上用イオン化体。
  3. 基体の肉厚が、取付け時における吸気の流れに沿った方向の終端近くで直線的又は曲線的に減少する請求項1又は請求項2に記載の燃費向上用イオン化体。
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