JP2004010841A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2004010841A
JP2004010841A JP2002169375A JP2002169375A JP2004010841A JP 2004010841 A JP2004010841 A JP 2004010841A JP 2002169375 A JP2002169375 A JP 2002169375A JP 2002169375 A JP2002169375 A JP 2002169375A JP 2004010841 A JP2004010841 A JP 2004010841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
meth
acrylate
group
siloxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002169375A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Tomita
冨田 真司
Toshikazu Okada
岡田 斗士一
Satoru Ito
伊藤 悟
Hajime Sukejima
祐島 肇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2002169375A priority Critical patent/JP2004010841A/ja
Publication of JP2004010841A publication Critical patent/JP2004010841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】ウレタン硬化型の塗料組成物であって、有機錫化合物などの硬化触媒が配合されない場合でも乾燥性に優れ、さらに仕上り性にも優れた塗膜を形成できる、特に自動車補修塗装用のクリヤーとして有用である塗料組成物を提供するに関する。
【解決手段】(A)水酸基もしくはシロキシ基を1分子中に2個以上含有する樹脂、(B)ポリイソシアネート化合物、(C)樹脂微粒子、及び樹脂(A)がシロキシ基を含有する場合には(D)シロキシ基解離触媒を含有する塗料組成物であって、該樹脂微粒子(C)を該(A)及び(B)成分の合計固形分100重量部に対して50〜100重量部となるよう配合することを特徴とする塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン硬化型の塗料組成物であって、有機錫化合物などの硬化触媒が配合されない場合でも乾燥性に優れ、さらに仕上り性にも優れた塗膜を形成できる塗料組成物に関する。本発明の塗料組成物は、特に自動車補修塗装用のクリヤーとして有用である。
【0002】
【従来技術及びその課題】
自動車補修塗装の分野では、クリヤー塗料として、耐候性、耐久性、仕上り性などの点から、ウレタン硬化型の塗料が広く用いられている。このウレタン硬化塗料としては、水酸基含有アクリル樹脂と多官能イソシアネート硬化剤とからなる2液型塗料、あるいは水酸基がブロックされたシロキシ基を有するアクリル樹脂と多官能イソシアネート硬化剤とからなる1液型塗料が挙げられるが、いずれもラッカータイプのクリヤー塗料に比べて速乾性に劣るため、基体樹脂であるアクリルを高分子量化したり、ガラス転移温度を高めるなどの設計を図ってきた。
【0003】
また従来、ウレタン硬化反応を速めるため、有機錫化合物などの硬化触媒を添加してきたが、得られる塗膜の仕上り性(塗り肌)が低下するため、硬化性と仕上り性のバランスをとるのが非常に困難であった。特にシロキシ基を有するアクリル樹脂と多官能イソシアネート硬化剤とからなる塗料では、シロキシ基の解離に時間を要するため、硬化性の向上に限界があった。
【0004】
本発明の目的は、有機錫化合物などの硬化触媒が配合されない場合でも乾燥性に優れ、さらに仕上り性にも優れた塗膜を形成できるウレタン硬化型の塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.(A)水酸基もしくはシロキシ基を1分子中に2個以上含有する樹脂、(B)ポリイソシアネート化合物、(C)樹脂微粒子、及び樹脂(A)がシロキシ基を含有する場合には(D)シロキシ基解離触媒を含有する塗料組成物であって、該樹脂微粒子(C)を該(A)及び(B)成分の合計固形分100重量部に対して50〜100重量部となるよう配合することを特徴とする塗料組成物、
2.樹脂微粒子(C)が、粒子内架橋構造を有し、且つ水酸基を含まないものである1項記載の塗料組成物、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において水酸基もしくはシロキシ基を1分子中に少なくとも2個以上含有する樹脂(A)は、通常、これら各官能基をそれぞれ有するビニル系単量体を適宜選択し、これらと共重合可能なその他のビニル系単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法などの常法によって共重合させることにより得られる。
【0007】
上記水酸基含有ビニル系単量体として代表例を示すと、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等の商品名で表されるもの等を挙げることができる。これらは1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0008】
尚、本発明において「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を表す。
【0009】
一方、上記シロキシ基含有ビニル系単量体として代表例を示すと、例えば、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシブチル(メタ)アクリレート等のトリアルキルシロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられるが、これに限らず水酸基含有ビニル系単量体中の水酸基を公知慣用のシリル化剤でシロキシ基に変換した化合物であればいずれも用いることができる。すなわち、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させたもの、ポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート類をそれぞれトリメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のシリル化剤でシロキシ基に変換した化合物等も用いることができる。
【0010】
上記水酸基もしくはシロキシ基含有ビニル系単量体の使用量は、単量体混合物中5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲内であることが好ましい。10重量%より小さいと塗膜の架橋密度が低くなり塗膜物性が悪くなる傾向にある。一方、60重量%より多くしてもそれ以上性能の向上は望めない。
【0011】
上記いずれかの官能基を有するビニル系単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体として代表例を示すと、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、(n−,i−,t−)ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;CF2=CF2、CHF=CF2、CH2=CF2、CClF=CF2等の一般式CX2=CX2(式中、Xは同一もしくは異なってH、Cl、Br、F、アルキル基またはハロアルキル基を示す。ただし、式中に少なくとも1個のFを含有する。)で表わされるフルオロオレフィン;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの紫外線吸収性もしくは紫外線安定性重合性不飽和単量体;さらに、これらの単量体の1種および/またはそれ以上の単量体の重合体で、片末端に共重合性2重結合を有する、いわゆるマクロモノマーも反応性官能基を有するビニル系単量体と共重合可能な単量体として挙げられる。これらは所望の物性に応じて適宜選択して1種又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0012】
上記単量体混合物の溶液重合時に用いる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン誘導体;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用できる。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物;α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0013】
上記樹脂(A)は、硬化性、耐酸性向上の点から、さらにアルコキシシリル基を含有してもよい。該アルコキシシリル基を含有せしめるには上記共重合成分としてさらにアルコキシシリル基含有ビニル系単量体を使用することによる。
【0014】
上記アルコキシシリル基含有ビニル系単量体としては、代表例を示すと、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトオキシシラン等が挙げられる。
【0015】
上記のビニル系単量体、溶媒、重合開始剤を用いて通常のラジカル溶液重合法により得られる樹脂(A)は、重量平均分子量1,000〜200,000、さらには2,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量が1,000より小さいと満足する乾燥性が得られ難く、また得られる塗膜の耐候性、耐久性が低下する傾向にある。一方、200,000より大きいと仕上がり外観の低下を引き起こすので好ましくない。
【0016】
本発明においてポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個含有するものであり、代表例を示すと、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサンもしくはイソホロンジイソシアネート等の環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類等の有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステルあるいは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体、さらにはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。それらの代表的な市販品の例としては、「バーノックD−750、−800、DN−950、−955、−970、−922もしくは15−455」[以上、大日本インキ化学工業(株)製品]、「デスモジュールL、N、HL、IL、もしくはN3390」[バイエル社製品]、「スミジュールN−3200もしくはN−3500」[住化バイエルウレタン(株)社製品]、「タケネートD−102、−202、−110N、−123Nもしくは−170N」[武田薬品工業(株)製品]、「コロネートL、HL、EHもしくは203」[日本ポリウレタン工業(株)製品]または「デュラネート24A−90CX、TPA−100」[旭化成工業(株)製品]等がある。さらに、該(B)成分としてイソシアネート基含有ビニル系単量体をスチレン、(メタ)アクリル酸エステル類等と共重合して得られる樹脂も使用できる。
【0017】
耐スリキズ性、溶剤に対する溶解性の点からは、該ポリイソシアネ−ト化合物として、ジイソシアネートと長鎖の多価アルコールとの付加物、例えば上述のジイソシアネ−トと、炭素数10〜30のアルキレンジオ−ル、ポリカプロラクトンポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ルなどのポリオ−ルとを反応させてなるポリイソシアネ−ト化合物を用いることができ、中でもジイソシアネ−ト化合物とポリカプロラクトンジオ−ル及び/又はトリオ−ルととを反応させてなるポリイソシアネ−ト化合物が好適である。かかるポリイソシアネ−ト化合物の具体例としては、例えば「デュラネートE−402−90T、E−405−80T」〔旭化成工業(株)製品〕などの市販品が使用できる。
【0018】
上記樹脂(A)中のシロキシ基は、塗装後に空気中の水分によって加水分解され、水酸基を生成する。従って上記ポリイソシアネート化合物(B)の使用量は、イソシアネート基と水酸基(もしくはシロキシ基より生成した水酸基)が、当量比でNCO/OH=0.5〜2.0の範囲となるように選択することが好ましい。
【0019】
本発明において樹脂微粒子(C)としては、従来公知のポリマ−ビ−ズなどの樹脂粒子や前記モノマ−類の重合物を微細に粉砕したもの、さらにゲル化重合体微粒子(例えば、特開昭51−126287号公報、特開昭53−133233号公報、特開昭53−133236号公報、特開昭56−76447号公報、特開昭58−129065号公報参照)などが挙げられ、特に分子内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマー及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを、分子内にアリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で、乳化重合せしめて得られるゲル化重合体微粒子(例えば、特開平3−66770号公報参照)が(A)及び(B)成分に対する分散性に優れるので好適に使用できる。
【0020】
該ゲル化重合体微粒子の製造に用いられる分子内に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマーとしては、例えばエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−トなどが挙げられ、その他のラジカル重合性不飽和モノマ−としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマ−、スチレンなどの従来公知の重合性不飽和モノマ−が挙げられ適宜選択されるものである。また乳化重合時の重合開始剤として水溶性アゾアミド化合物などを用いることができる。
【0021】
上記樹脂微粒子(C)の粒径は、特に制限なく適宜選択できるが、通常30μm以下、、好ましくは0.05〜10μmの範囲内が適当である。粒径の調整は、従来公知の方法で行え、例えば上記ゲル化重合体微粒子であれば反応性乳化剤の種類や量を調整することで可能である。
【0022】
本発明において樹脂微粒子(C)は、上記(A)及び(B)成分の合計固形分100重量部に対して50〜100重量部、好ましくは55〜80重量部の範囲内となるように配合される。該樹脂微粒子(C)の該配合量が50重量部未満では速乾性が不十分であり、一方100重量部を越えると塗膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0023】
本発明において樹脂(A)がシロキシ基を有する場合には、塗装後に空気中の水分によって加水分解され、水酸基を生成する。この加水分解反応を促進するため本発明においてはシロキシ基解離触媒(D)を使用できる。該シロキシ基解離触媒(D)として用いられる化合物の代表例を示すと、例えば、リン酸及びその酸性エステル、亜リン酸エステル;パラトルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸及びそのアミン塩;トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸及びそのアミン塩等の酸性化合物等が挙げられる。
【0024】
上記シロキシ基解離触媒(D)の添加量は、塗料中の樹脂組成物の固形分に対して0.01〜10重量%、さらには0.1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。0.01重量%より少ないと硬化性が低下し、10重量%より多いと塗膜の耐水性が劣る傾向にある。
【0025】
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、水酸基とイソシアネート基との反応を促進するために、ジブチルスズジラウレートの如き有機錫化合物等の公知慣用のウレタン化触媒を予め添加しておいてもよい。得られる塗膜の仕上り性(塗り肌)の点からは無添加、もしくは最小限の添加量とすることが望ましい。
【0026】
また本発明の塗料組成物には、樹脂(A)がシロキシ基を有する場合、シロキシ基の加水分解を防ぎ長期の貯蔵安定性を確保するために、水分を捕捉する水結合剤を添加することが望ましい。水結合剤として、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリブチル等のオルトギ酸トリアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸トリアルキル類、またフェニルイソシアネ−ト、p−クロロフェニルイソシアネ−ト、p−トルエンスルフォニルイソシアネ−ト等のモノイソシアネ−ト化合物、例えば「アディティブTI」(住化バイエルウレタン社製)等の市販品などが使用できる。
【0027】
上記の通り得られる本発明の塗料組成物は、希釈溶剤で適当な粘度に調整して2液型、もしくは1液型の塗料として使用できる。
【0028】
使用される希釈溶剤としては、引火点が0℃以上の有機溶剤であれば特に限定されず、例えばトルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の炭化水素類、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、ジオキサン等のエ−テル類、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ヘキシレングリコ−ル等のメチルエ−テル、エチルエ−テル、プロピルエ−テル、ブチルエ−テル等のグリコ−ルエ−テルアセテ−ト、プロピオネ−ト類が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用でき、組成物中の有機溶剤全体の引火点が好ましくは21℃以上になるように選択することが安全性の面から望ましい。
【0029】
本発明組成物は、また、上記塗料成分に噴射剤を添加し、塗料成分を噴射剤と共にエアゾ−ル容器に充填してエアゾ−ル塗料とすることができる。該噴射剤としては、公知のジメチルエ−テル、LPガス等を単独又は混合して使用することができる。
【0030】
本発明組成物には、さらに、物性の改善のためにニトロセルロ−ス、セルロ−スアセテ−トブチレ−トなどの繊維素系樹脂やエポキシ樹脂等をブレンドして使用してもよい。さらに、必要に応じて、顔料類、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、分散剤等の塗料用添加剤等を含有してもよい。
【0031】
また本発明では、上記の通り得られる塗料組成物をクリヤーコート塗料として、これをベースコート塗面上に塗装して仕上げることができる。
【0032】
ベースコート塗料が塗装される被塗面としては、鉄、亜鉛、アルミなどの金属面やその化学処理面、プラスチック、木等、さらにこれらに塗装された塗膜面が挙げられ、塗膜面としては、例えば、電着塗装や中塗り塗装が施された自動車車体、或いは自動車車体の補修塗装面が挙げられる。
【0033】
ベースコート塗料としては、メタリック顔料及び/又は着色顔料を含有する従来公知のベースコート塗料であれば特に制限なく使用でき、架橋剤を含まないラッカー塗料、あるいはポリイソシアネート化合物などの架橋剤を含む硬化性塗料など有機溶剤系、水系等の塗料が特に制限なく使用できる。上記クリヤーコート塗膜と同時に架橋硬化させる場合には、該ベースコート塗料として、水酸基などの活性水素基を有する樹脂、及びメタリック顔料及び/又は着色顔料を主成分とする組成物が好適である。該水酸基含有樹脂としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリウレタン樹脂、水酸基含有ポリエ−テル樹脂等が挙げられる。またベースコート塗料には、さらに必要に応じて、リン酸基含有アクリル樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒等の塗料用添加剤を適宜配合することができる。
【0034】
ベースコート塗料及び本発明のクリヤーコート塗料の塗装方法としては、スプレー塗り,ハケ塗り、ローラー塗り、グラビア、スクリ−ン等の塗装分野で公知の方法が利用でき、通常、ベースコートが乾燥膜厚5〜60μm程度、好ましくは10〜50μm程度、クリヤーコートが乾燥膜厚10〜80μm程度、好ましくは20〜50μm程度塗装される。形成された塗膜の乾燥は常温乾燥、強制乾燥のいずれであってもよい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。以下、特に断らない限り「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
【0036】
アクリル樹脂の製造
製造例1〜2
反応器に温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプを備え付け、キシレン60重量部を仕込み撹拌しながら110℃まで昇温した後、表1に示す単量体及び重合開始剤の混合物を110℃に保ったまま滴下ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後1時間110℃に保ち、撹拌を続けた。その後、追加の重合開始剤0.5重量部をキシレン5重量部に溶解させたものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに1時間110℃に保ち反応を終了した。得られた各樹脂溶液(a−1)、(a−2)は不揮発分60重量%の均一で透明な溶液であった。得られた各樹脂及び樹脂溶液の性状値を表1に併せて示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004010841
【0038】
樹脂微粒子の製造
攪拌装置、温度計、冷却管及び加熱マントルを備えた1リットルフラスコに、脱イオン水3547.5部と「ラテムルS−120A」(花王社製、スルホコハク酸系アリル基含有アニオン性反応性乳化剤、50%水溶液)40部を加えて攪拌しながら90℃まで昇温した。次いでこの中に「VA−086」(和光純薬工業社製、水溶性アゾアミド重合開始剤)12.5部を脱イオン水500部に溶解した水溶液の20%を加えた。15分後にスチレン300部、メチルメタクリレ−ト400部、n−ブチルアクリレ−ト200部、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト100部からなるモノマ−混合物の5%を加え、30分間攪拌した。その後、さらに残りのモノマ−混合物及び重合開始剤水溶液の滴下を開始し、モノマ−混合物の滴下は3時間で、重合開始剤水溶液の滴下は3.5時間かけてそれぞれ行ない、その間90℃に保持した。重合開始剤水溶液の滴下終了後、さらに30分間90℃に保持してから室温に冷却し、濾布を用いて取り出し、固形分20%の水性ゲル化微粒子重合体水分散液を得た。その粒径は72nmであった。これをステンレスパット上で乾燥させ樹脂微粒子Gを得た。
【0039】
クリヤー塗料の作成
実施例1〜3及び比較例1〜3
上記製造例1で得られた樹脂溶液(a−1)、樹脂微粒子G、ポリイソシアネート化合物(注1)、リン酸ジイソプロピルエステル(シロキシ基解離触媒)、ジブチル錫ジラウレート(ウレタン化触媒)、MOA(水結合剤)(注2)などを表2に示す配合組成にて配合し、さらに有機溶剤(キシレン/酢酸エチル=80/20)を適宜加えて混合撹拌し、約15秒(フォードカップ#4/20℃)程度に粘度調整して、各クリヤー塗料を作成した。
【0040】
実施例4及び比較例4
上記製造例2で得られた樹脂溶液(a−2)、樹脂微粒子G、紫外線吸収剤、光安定剤などを表2に示す配合組成にて配合して主剤を作成した後、ポリイソシアネート化合物(注1)を使用直前に加え、さらに有機溶剤(キシレン/酢酸エチル=80/20)を適宜加えて混合撹拌し、約15秒(フォードカップ#4/20℃)程度に粘度調整して、各クリヤー塗料を作成した。
【0041】
(注1)「TPA−100」:旭化成工業社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート
(注2)「MOA」:日宝化学社製、脱水剤
(注3)「TINUVIN384」:日本チバガイギー社製、紫外線吸収剤
(注4)「サノール440」:三共社製、光安定剤
【0042】
【表2】
Figure 2004010841
【0043】
性能試験
鋼板上に「マジクロンTC−71クリヤー」(関西ペイント社製、アミノアクリル樹脂系クリヤー)を乾燥膜厚で40μmとなるように塗装し、140℃で20分間焼き付けてなる塗板を試験板として、この上に上記の通り粘調して得られた各クリヤー塗料を、乾燥膜厚で約40μmとなるようにスプレー塗装し各試験塗板を得た。得られた試験塗板を下記性能試験に供した。結果を表3に示す。
【0044】
(*1)指触乾燥時間:各試験塗板を20℃で放置し、塗板面の表面に粘着性がなくなる時間を調べた。
【0045】
(*2)鉛筆硬度:塗装後、60℃で10分間加熱乾燥直後の試験塗板表面の鉛筆硬度を調べた。
【0046】
(*3)付着性:塗装後、60℃で30分間加熱乾燥後の試験塗板の塗膜に、ナイフで素地に達するまで切り込み、2mm間隔のゴバン目を100個作成し、その上にッセロハンテープを貼付け急激に剥離した際に塗面に残ったゴバン目の数で評価した(○:100個、×:99個以下)。
【0047】
(*4)仕上り性:塗装後、60℃で30分間加熱乾燥後の試験塗板表面の塗り肌を目視で評価した(◎:非常に良好、○:良好、×:不良)。
【0048】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物によれば、ウレタン硬化型の樹脂成分に対して樹脂微粒子を多量に配合することで、有機錫化合物などの硬化触媒が配合されない場合でも速乾性、さらには仕上り性にも優れた塗膜を形成できる。特に自動車補修塗装用のクリヤーとして使用した場合、60℃の強制乾燥であれば、従来20〜30分間の加熱時間を要していたが、その半分の時間で塗膜性能を得ることが可能である。
【0049】
【表3】
Figure 2004010841

Claims (2)

  1. (A)水酸基もしくはシロキシ基を1分子中に2個以上含有する樹脂、(B)ポリイソシアネート化合物、(C)樹脂微粒子、及び樹脂(A)がシロキシ基を含有する場合には(D)シロキシ基解離触媒を含有する塗料組成物であって、該樹脂微粒子(C)を該(A)及び(B)成分の合計固形分100重量部に対して50〜100重量部となるよう配合することを特徴とする塗料組成物。
  2. 樹脂微粒子(C)が、粒子内架橋構造を有し、且つ水酸基を含まないものである請求項1記載の塗料組成物。
JP2002169375A 2002-06-11 2002-06-11 塗料組成物 Pending JP2004010841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002169375A JP2004010841A (ja) 2002-06-11 2002-06-11 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002169375A JP2004010841A (ja) 2002-06-11 2002-06-11 塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004010841A true JP2004010841A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30435949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002169375A Pending JP2004010841A (ja) 2002-06-11 2002-06-11 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004010841A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2565157A (en) * 2017-08-03 2019-02-06 Abdulkadir Bndean Omer Clasp magnetic eyeglasses
US20220298302A1 (en) * 2021-03-22 2022-09-22 Sunbio, Inc. Siloxy polyethylene glycol and derivatives thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2565157A (en) * 2017-08-03 2019-02-06 Abdulkadir Bndean Omer Clasp magnetic eyeglasses
US20220298302A1 (en) * 2021-03-22 2022-09-22 Sunbio, Inc. Siloxy polyethylene glycol and derivatives thereof
US11952461B2 (en) * 2021-03-22 2024-04-09 Sunbio, Inc. Siloxy polyethylene glycol and derivatives thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5290508B2 (ja) 水性塗料組成物
JP5173422B2 (ja) アクリレートコポリマーに基づく水性塗料組成物
JP4836542B2 (ja) 塗料組成物
JPH08512338A (ja) 水性の二成分系ポリウレタン被覆剤、その製造法および重ね塗り塗装の製造法の際の該被覆剤の使用
EP0666780B1 (en) Method for forming a paint film and coating obtained by the method
JP2007507597A (ja) ウインドシールドシーラント及び再コートの両方への接着力を有するクリアコート組成物
JP2017082197A (ja) 有機溶剤系下塗り塗料組成物
JP3874401B2 (ja) 下塗用塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法
JPH11189744A (ja) 高固形分塗料組成物
JP2004010841A (ja) 塗料組成物
JP2000160097A (ja) 水性塗料及びこれを用いた塗装仕上げ工法
JP3035978B2 (ja) 塗装仕上げ方法
JPH04318014A (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JP3101904B2 (ja) 塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法
JP3110773B2 (ja) 熱硬化被覆組成物
JP3243876B2 (ja) 水性塗料組成物およびそれを用いた塗装方法
JP3232390B2 (ja) エアゾ−ル用塗料組成物
JPH0423593B2 (ja)
JPH05287235A (ja) 着色塗料組成物
JPH11131015A (ja) 塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法
JP3411679B2 (ja) 被覆用樹脂組成物
CA3210152A1 (en) Aqueous coating material composition and method for forming multilayer coating film
JPH10183050A (ja) 塗料組成物および塗膜形成法
JPH05194811A (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた上塗り塗装方法
JP3110772B2 (ja) 熱硬化被覆組成物