JP2004010795A - 親水性架橋キトサン発泡体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キトサンを水に分散させた縣濁液に、希塩酸あるいは臭気のない有機酸を加えpH5.0〜6.0の範囲で溶解し、該溶液を脂肪族系ジエポキシ化合物によって架橋処理した含水ゲル化物を、凍結乾燥により形成されたものであることを特徴とする。好ましくは前記含水ゲル化物を、−50℃以下の条件で急速に凍結させた後、真空乾燥を行い形成されたものであることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は親水性架橋キトサン発泡体に関する。また、本発明は、特に均一で緻密な気泡を有する感触性に優れた架橋キトサン発泡体に関する。
本発明の親水性架橋キトサン発泡体は、スポンジ様のシート状弾性体として、化粧用に適用可能であり、化粧用パック基材、顔や体の洗浄具、化粧用パフ等に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
キトサンを酸水溶液に溶解することで、キトサンのアミノ基を官能基として適当な架橋剤により架橋した後、水分を除去することで水不溶性のキトサン架橋体を得る方法は既に知られている。
水溶媒中でのキトサンの溶解法としては酢酸を用いることが一般に行われるが、酢酸に溶解したキトサンを架橋した後、乾燥して得られたキトサン架橋体は酢酸臭が残っており商品性に劣ったものとなる。
キトサンのアミノ基を官能基とする架橋剤としては、ジイソシアネートやジアルデヒド等もあるが、一般にジイソシアネートは反応性が高く水溶液中では溶媒の水とも反応するので、架橋剤としてジイソシアネートを添加した後に急速に反応が進み速やかに混合しないと架橋物にバラツキが生じるため、操作性に難がある。ジアルデヒドの場合は一般に臭気の強いものが多く、キトサンを架橋した後、乾燥して得られたキトサン架橋体に臭気が残って商品性に劣ったものとなる問題があった。
また、デンプンやゼラチン等の天然高分子化合物を水に溶解状態にし、架橋剤の添加、pH変化、温度変化等でゲル化させ、得られた含水ゲル化物を凍結乾燥を行うことで凍結時の氷結晶部分を気泡とした発泡体を得るという方法は知られている。
一般の凍結乾燥法は、−30〜−40℃の冷凍庫で凍結させた後、真空乾燥が行われる。この凍結温度では含水ゲル化物の表面付近の水分と中心部付近の水分が氷になる時間の差が大きく、表面付近で形成された氷結晶が成長し、中心付近の水分が少ない状態で凍結が完結する。
上記の凍結物を真空乾燥して氷結晶を昇華させると不均一で大きな気泡が形成され、好ましくない外観の発泡体となる問題があった。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来のキトサンゲル化物の発泡体の欠点を改良することであり、即ち、キトサンの溶解のため添加する無機または有機酸及びゲル化のための架橋剤等による臭気が残らなく、生体に対して安全性が高く、更に均一な気泡を有し、好ましい外観を示し、感触性に優れた親水性架橋キトサン発泡体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、−50℃以下の温度で急速に凍結し、真空乾燥を行うことにより、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)キトサンを水に分散させた縣濁液に、希塩酸あるいは臭気のない有機酸を加えpH5.0〜6.0の範囲で溶解し、該溶液を脂肪族系ジエポキシ化合物によって架橋処理した含水ゲル化物を、凍結乾燥により形成されたものであることを特徴とする親水性架橋キトサン発泡体。
以下に、更に、本発明の好ましい態様を挙げる。
(2)前記脂肪族系ジエポキシ化合物が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする前記(1)に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
(3)前記ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが、エチレングリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする前記(2)に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
(4)前記含水ゲル化物を、−50℃以下の条件で急速に凍結させた後、真空乾燥を行い形成されたものであることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
【0005】
本発明の親水性架橋キトサン発泡体は、先ず、キトサン溶解のための酸として、臭気が残らないよう、希塩酸あるいは臭気のない有機酸を使用し、肌と同等のpH5.0〜6.0に調整してキトサン水溶液を調製する。該キトサン溶液を、生体に対して安全性の高い架橋剤である、脂肪族系ジエポキシ化合物を用いて架橋を行い含水ゲル化物を形成する。該含水ゲル化物を、凍結乾燥することにより形成される。好ましくは、−50℃以下の温度で急速に凍結することにより、均一で緻密な氷結晶を形成させた後、真空乾燥を行い、氷結晶を昇華させ気泡を形成させることにより、均一で緻密な気泡構造を有する発泡体が得られる。
キトサン溶解に塩酸を用いた場合、塩酸臭は架橋後の乾燥時に消滅するため、無臭の発泡体を得ることができる。
通常の凍結乾燥法により得られた発泡体に比べて臭気がなく、生体に対して安全性が高く、更に外観、感触性に優れ、肌にやさしいスポンジ様のシート状弾性体が得られ、化粧用としての商品性の高い、均一な気泡を有する親水性架橋キトサン発泡体を得ることができるという効果を奏する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の親水性架橋キトサン発泡体について詳細に説明する。
本発明の親水性架橋キトサン発泡体は、先ず、臭気が残らなく、生体に対して安全性が高いことが特徴である。
本発明の親水性架橋キトサン発泡体の製造において、真空乾燥後に臭気が残らないようにするため、キトサンを水に膨潤・溶解するために加える酸(無機酸または有機酸)として、希塩酸、又は臭気の残らない有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等を用いる。
【0007】
キトサンを水に分散させた懸濁液に、上記の酸水溶液を使用して、キトサン懸濁液のpHをpH5.0〜6.0、好ましくはpH5.0〜5.5に調整する。
キトサン懸濁液のpHが5.0未満では得られた発泡体は肌に対する刺激が強いものとなり、6.0を超えて高くなるとキトサンの溶解が不充分で架橋反応が行えなくなり、共に不適である。なお、上記のpH範囲はキトサンのアミノ基と、架橋剤との反応に適し、また肌と同等の範囲である。塩酸を用いた場合、塩酸臭は架橋後の乾燥時に消滅する。
【0008】
上記キトサン溶液中のキトサンの濃度に格別の限定はないが、好ましい濃度としては、1〜10重量%の範囲である。
1重量%未満では得られた発泡体の強度が弱く、実用には不向きであり、10重量%を超えて高くなると、酸水溶液に溶解時の粘度が高く、架橋反応が均一にできなくなり、共に不適である。
【0009】
本発明の親水性架橋キトサン発泡体の製造において、上記の水に溶解状態のキトサン溶液から含水ゲル化物を得るための架橋方法は、臭気と同時に、生体に対しての安全性を高めるため、生体に対して安全性の高い架橋剤として、脂肪族系ジエポキシ化合物を添加し、架橋剤に応じたpH、温度、時間の条件下で反応させ、ゲル化処理を行う。
脂肪族系ジエポキシ化合物としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。最も好ましいのは、エチレングリコールジグリシジルエーテルである。
架橋剤の添加量は、特に限定はないが、一般にキトサンのアミノ基に対して、ジエポキシ化合物のグリシジル基が1〜20モル%であることが好ましい。
【0010】
次に、本発明の親水性架橋キトサン発泡体は、前記の様に、水に溶解状態のキトサン溶液に、少なくとも架橋剤を含有させ、pHおよび温度の条件の調節により、該溶液をゲル化した含水ゲル化物に対して、凍結乾燥を行うことにより、凍結時の氷結晶部分を気泡とした発泡体を得ることができる。
本発明の親水性架橋キトサン発泡体の好ましい態様である均一で緻密な気泡を有する親水性架橋キトサン発泡体は、上記の凍結乾燥において、−50℃以下の条件で急速に凍結させた後、真空乾燥を行うことが特徴である。
−50℃以下の条件で急速に凍結させる方法としては、例えば、ドライアイスに直接接触させる、ドライアイス・メタノールや液体窒素に浸漬する、−50℃以下の冷気を衝突噴流させる、あるいは動磁場の中で微弱な振動を与え氷結晶化を抑えながら−50℃以下の条件で過冷却状態にし一気に凍結する方法等が挙げられる。
感触性に優れた商品性の高いシート状の均一な気泡を有する親水性架橋キトサン発泡体を得るため、シート状の含水ゲル化物を−50℃以下の条件で急速に凍結させるか、又は、ブロック状の含水ゲル化物を−50℃以下の条件で急速に凍結させた後、所望の厚さにスライスしたシート状物を、真空乾燥を行うことにより、通常の凍結乾燥法により得られた発泡体に比べて外観、感触性に優れ、肌にやさしいスポンジ様のシート状弾性体が得られ、化粧用としての商品性の高い、均一な気泡を有する親水性架橋キトサン発泡体を得ることができる。
【0011】
また、上記過冷却状態にし一気に凍結すると同時に、その凍結時間としては、1時間以内が好ましく、より好ましく30分以内である。
1時間を超えて長くなると、氷結晶が成長し、真空乾燥後、粗い気泡となり、不適である。
真空乾燥を行う際の真空度としては、氷結晶が溶けないよう真空度60Pa 以下の真空下とする必要がある。
【0012】
本発明の親水性架橋キトサン発泡体の製造において、前記キトサン溶液中には、必要に応じて更に可塑剤、シート強度向上剤等の添加剤を含有させることができる。
例えば、発泡体の強度を上げるために繊維状の水不溶性添加剤を混合すること、乾燥時の発泡体に柔軟性を与えるためにグリセリン等の可塑剤を混合することもできる。
【0013】
可塑剤としては、グリセリン、PEG、PPG、PEGあるいはPPGの脂肪酸エステル等を挙げることができる。親水性架橋キトサン発泡体の乾燥時の可塑化ために添加する。
添加量としては、特に限定はないが、一般にキトサン重量に対して、10〜50重量%であることが好ましい。
【0014】
シート強度向上剤としては、セルロース、絹繊維等を挙げることができる。親水性架橋キトサン発泡体の乾燥時のシート強度向上のために添加する。
添加量としては、特に限定はないが、一般にキトサン重量に対して、10〜50重量%であることが好ましい。
【0015】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(シート状キトサン発泡体の調製)
平均粒径100μm、脱アセチル化率85%のカニ由来キトサン15gおよび乾燥時のシート強度を向上させるためのセルロースパウダー(KCフロックW−100:日本製紙(株)製)0.75gを蒸留水1kgによく分散させた後、1Nの塩酸を徐々に加えてpHを5.3に調整し、乾燥時の可塑剤としてグリセリン7.5gを添加してよく撹拌して混合した。上記の混合物を60℃の湯浴中に1時間放置した後、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量=113)を計算値として架橋度が5%となるように加えて素早く撹拌し,よく混合した後、遠心分離器により100G×10分間の脱気を行った。脱気された混合物を80mm×120mm×20mm深さ(0.1mm厚さ)のポリエチレン製トレーに気泡を巻き込まないよう注意深く、2mmの厚さになるように流し込んだ。混合物を流し込んだトレーを60℃の湯浴上で3時間放置した後、室温で放冷してエポキシ架橋されたキトサンの含水ゲル化物を得た。
【0016】
得られた含水ゲル化物トレーをドライアイスの上に敷いた銅板上に置き、トレー上面にも銅板を敷き、その上にドライアイスを載せた状態で急速に凍結させた。含水ゲル凍結物は真空乾燥機を用いて室温で40時間の真空乾燥を行いキトサン発泡体を得た。得られたキトサン発泡体は、厚さ≒1.8mm、見掛け密度=0.06g/cm3で吸水量が自重の19倍をもつ、無臭で表面状態の滑らかな感触のよい保水性に優れた発泡体であった。
【0017】
〔実施例2〕
実施例1で用いたエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量=113)に代えて、エチレングリコールが9分子のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ当量=268)を計算値として架橋度が5%となるように加えた以外は、実施例1と同じ操作を行った。
得られたキトサン発泡体は、厚さ≒1.5mm、見掛け密度=0.08g/cm3で吸水量が自重の15倍をもつ、無臭で表面状態の滑らかな感触のよい保水性に優れた発泡体であった。
【0018】
〔比較例1}
実施例1で用いた1Nの塩酸に代えて試薬特級の酢酸を使用した以外は、実施例1と同じ操作を行った。得られたキトサン発泡体は酢酸臭が強く、商品性に劣るものであった。
【0019】
〔比較例2〕
実施例1で用いたエチレングリコールジグリシジルエーテルに代えて試薬特級の25%グルタールアルデヒド溶液を使用した以外は、実施例1と同じ操作を行った。得られたキトサン発泡体はアルデヒド臭が強く、商品性に劣るものであった。
【0020】
上記の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1の親水性架橋キトサン発泡体は、それぞれ満足すべき結果を得たが、各比較例のキトサン発泡体は、何らかの性質において不満足なものであった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の親水性架橋キトサン発泡体は、先ず、キトサン溶解のための酸として、臭気が残らないよう、希塩酸あるいは臭気のない有機酸を使用し、肌と同等のpH5.0〜6.0に調整してキトサン水溶液を調製する。該キトサン溶液を、脂肪族系ジエポキシ化合物を用いて架橋を行い含水ゲル化物を形成する。該含水ゲル化物を、凍結乾燥することにより形成される。好ましくは、−50℃以下の温度で急速に凍結することにより、均一で緻密な氷結晶を形成させた後、真空乾燥を行うことにより、均一で緻密な気泡構造を有する発泡体が得られる。
通常の凍結乾燥法により得られた発泡体に比べて臭気がなく、生体に対して安全性が高く、更に外観、感触性に優れ、肌にやさしいスポンジ様のシート状弾性体が得られ、化粧用としての商品性の高い、均一な気泡を有する親水性架橋キトサン発泡体を得ることができるという効果を奏する。
Claims (4)
- キトサンを水に分散させた縣濁液に、希塩酸あるいは臭気のない有機酸を加えpH5.0〜6.0の範囲で溶解し、該溶液を脂肪族系ジエポキシ化合物によって架橋処理した含水ゲル化物を、凍結乾燥により形成されたものであることを特徴とする親水性架橋キトサン発泡体。
- 前記脂肪族系ジエポキシ化合物が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
- 前記ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが、エチレングリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項2に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
- 前記含水ゲル化物を、−50℃以下の条件で急速に凍結させた後、真空乾燥を行い形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3に記載の親水性架橋キトサン発泡体。
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