JP2004010694A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】非ハロゲン系難燃剤を使用し、従来の難燃ポリエステル樹脂組成物に比べ、難燃性、機械的特性、耐加水分解性等の諸特性をバランス良く高度に発現し、且つ腐食性・毒性ガスの発生を著しく抑制された、難燃ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリエステル樹脂90〜55重量%及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜45重量%からなる組成物100重量部に対して、下記成分(C)〜(H)を配合してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物。
(C)相溶化剤0.5〜5重量部
(D)ホスホニトリル化合物5〜25重量部、
(E)燐酸エステル1〜15重量部、
(F)トリアジン系化合物1〜20重量部
(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部
(H)樹脂組成物全体に対して5〜50重量%の強化充填材
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ポリエステル樹脂90〜55重量%及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜45重量%からなる組成物100重量部に対して、下記成分(C)〜(H)を配合してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物。
(C)相溶化剤0.5〜5重量部
(D)ホスホニトリル化合物5〜25重量部、
(E)燐酸エステル1〜15重量部、
(F)トリアジン系化合物1〜20重量部
(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部
(H)樹脂組成物全体に対して5〜50重量%の強化充填材
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。更に詳しくは、コネクター、リレー、トランス部材、ケース部材、コイルボビン、ディストリビュータキャップ、イグニッションコイル部品等の薄肉・小型な電気電子機器部品、自動車部品、機械部品に好適な難燃性ポリエステル樹脂組成物及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂の中でもその優れた電気特性を用いて電気電子部品や自動車部品等に好適に使用されている。この分野においては、多くの場合、UL規格に規定される難燃性が求められており、従来は、一般に各種ハロゲン/アンチモン系難燃剤等を使用して難燃性を付与することより、一応要求される難燃性基準を達成している。しかしながら、ハロゲン/アンチモン系難燃剤は、燃焼時に毒性かつ腐食性の臭化水素または塩化水素ガスを発生し、あるいは黒煙を多量に発生して環境に悪影響を与えるという欠点が長年指摘されている。
【0003】
非ハロゲン系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物が一般に知られている。しかしながら、これらの含水無機化合物はハロゲン系難燃剤に対し難燃化効果が乏しく、相対的に多量に添加する必要があり、そのために機械的強度や成形性を著しく損なうという欠点を有している。
【0004】
また、非ハロゲン系難燃剤としてトリアジン環を有する窒素化合物を使用する方法が特公昭58−5939号公報、特公昭60−33850号公報により知られている。しかしながらこれらの窒素化合物は、難燃効果が低いのみならず、成形品の機械的強度を著しく低下させたり、金型汚染や樹脂表面へのブリードアウトなどの問題を有している。
更にトリアジン系化合物に燐酸エステルなどの燐化合物を併用する方法が特開平03−281652号公報、特開平05−70671号公報等により知られている。しかしながら燐酸エステルを併用する方法においてもハロゲン系難燃剤に比較し難燃効果が小さいため、相対的に多量のリン酸エステル添加量を必要とし、その結果、機械的強度の低下や耐加水分解性の低下を招くという欠点を有している。
【0005】
一方、赤燐化合物を石綿等の不活性充填材と共に添加する方法が特開昭49−74240号公報、特開昭50−55655号公報により知られている。赤燐化合物は燐酸エステルに比較し難燃効果が比較的大きく、適切な表面処理を施すことにより耐加水分解性の低下もほとんど見られなくなるものの、易燃性であるポリブチレンテレフタレートに高度な難燃性を付与するには、尚多量の赤燐の添加を必要とする。赤燐の添加により生じる問題を解決するために、赤燐化合物を含むポリエステル組成物に対しポリフェニレンエーテル樹脂を加える方法が特開平5−339493号公報により知られている。しかしながら、単にポリフェニレンエーテル樹脂を加えただけでは難燃性や流動性、機械的強度の諸特性のバランスが悪く、実用性に乏しい組成物のため実用化には至っていない。また、赤燐化合物は、現状では、適切な表面処理を施したとしても依然、若干量の有毒なホスフィンを加熱乾燥時等に発生することが避けられず、実用化には問題を抱えている。
【0006】
上記以外の燐化合物としてホスホニトリル化合物を使用する方法が特開平01−131395号公報により知られている。ホスホニトリル化合物は燐酸エステルに比較しポリエステル樹脂に対する可塑効果が小さいため機械的強度の低下が見られ難いものの、易燃性であるポリブチレンテレフタレートに高度の難燃性を与えるには助剤となるフェノール樹脂を併用する必要があり、滞留時の熱変色性に劣ること、また多量のホスホニトリル添加時には加熱乾燥時にホスホニトリルのブリードアウトが見られる等、実用化には支障がある。
【0007】
特開平10−77396号公報は、ポリエステル樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂及び/またはポリフェニレンスルフィド樹脂を配合した樹脂組成物に、難燃剤として、リン酸エステル又はホスホニトリルを配合した組成物を提案している。この組成物は、燃焼時に炭化被膜を形成し易いポリフェニレンエーテル樹脂及び/またはポリフェニレンスルフィド樹脂を併用することにより、目的とする難燃性を得るに要するリン酸エステルの添加量を抑えることが出来るため、より実用性に富んだ樹脂組成物が得られるものの、未だ十分とはいえない。特に、高い水準の耐湿熱性並びに耐電圧性が要求されるフライバックトランスやフォーカスブロックといった用途に対しては、未だ十分な特性が得られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において本発明は、前記した従来技術の欠点を解消すべくなされたものである。本発明は、臭素原子や塩素原子を含有しない難燃剤を使用することで成形加工時の腐食性ガスの発生を抑制し、また燃焼時の刺激性ガス・腐食性ガス・黒煙の発生を飛躍的に抑制し、且つ熱可塑性ポリエステル本来の優れた機械的特性や耐湿熱性、及び耐電圧性をバランス良く高度に発現しうる難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、樹脂成分としてポリエステル樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂を用い、これに特定の難燃剤を3種組み合わせて、特定量用い、更に相溶化剤等を配合したポリエステル樹脂組成物が優れた難燃性、機械的特性、流動性、耐加水分解性を有することを見出し、本発明に至った。すなわち本発明の要旨は、(A)ポリエステル樹脂90〜55重量%及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜45重量%を含有する組成物100重量部に対して、下記成分(C)〜(H)を配合してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物に存する。
(C)相溶化剤0.5〜5重量部、
(D)ホスホニトリル化合物5〜25重量部、
(E)燐酸エステル1〜15重量部、
(F)トリアジン系化合物1〜20重量部、
(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部、及び
(H)強化充填材を樹脂組成物全体に対して5〜50重量%。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を製造するために使用される成分(A)ポリエステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコール成分またはオキシカルボン酸成分の重縮合により得られる熱可塑性ポリエステルであり、固有粘度が、テトラクロロエタン/フェノールの1/1(重量比)混合溶媒中、30℃において0.5dl/g以上であることが好ましい。固有粘度は0.5〜1.5dl/gがより好ましく、更に好ましくは0.6〜1.3dl/gである。
原料の2官能性カルボン酸成分の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p,p−ジフェニルジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。エステル形成性誘導体としては、メチルエステルなどの低級エステルが挙げられる。2官能性カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレフタル酸ジエステルが好ましい。
【0011】
グリコール成分の具体例としては一般式HO(CH2)sOH(sは2〜20の整数)で表されるα,ω−アルキレングリコール類、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、またはこれらのエステル形成性誘導体等を挙げることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキレングリコールが好ましく、特に好ましくは、1,4−ブタンジオールである。
またオキシカルボン酸成分の具体例としては、オキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。本発明の(A)としては、このようなポリエステルを形成する全酸成分または全ジオール成分の70mol%以上が単一成分であれば任意の共重合体であっても良い。好ましい(A)ポリエステル樹脂としてはポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリオキシテトラメチレングリコールを主成分とするポリエステルエラストマーが挙げられる。
【0012】
本発明で使用される成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂(以下PPEと略記する)は、下記一般式(4)で示される構造を有する単独重合体または共重合体である。
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、R14は水素原子、第一級もしくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基を表し、R15は第一級あるいは第二級アルキル基、アリール基、アルキルアミノ基を表わす、rは10以上の整数を表す。)。
R14或いはR15で表される第一級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2,3−もしくは4−メチルペンチルまたはヘプチル基である。第二級アルキル基の好適な例としては、イソプロピル、sec−ブチルまたは1−エチルプロピルである。好適なPPEの単独重合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位からなる単独重合体が挙げられる。好適な共重合体としては、上記単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位との組み合わせからなるランダム共重合体である。
【0015】
本発明に使用される成分(B)PPEは、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が、0.2〜0.8dl/gであるのが好ましく、より好ましくは0.25〜0.7dl/gのものであり、特に好ましくは0.3〜0.6dl/gのものが好適に使用される。固有粘度が0.2dl/g未満のものは、工業的に生産が難しい上に本発明組成物の耐衝撃性が不充分となるため好ましくなく、0.8dl/gを超えるとゲル成分が多く、本発明組成物から形成される成形品外観が悪化する。尚PPEの見かけ粘度を下げるため、PPEと相溶性のスチレン系樹脂を最大35重量%迄含有させることが出来る。ここでいうスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーブタジエン共重合体等が挙げられる。スチレン系樹脂量が25重量部以上では、PPEに比較し格段と高い可燃性が発現し、燃焼時間の上昇並びに垂れ落ち着火が起こり易くなり、難燃化性能が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明で使用する成分(A)及び成分(B)の比率(重量)は、(A)/(B)=90/10〜55/45である。成分(B)の比率が10より少ないと難燃性が著しく低下し、その結果多量の難燃剤の添加を必要とし機械的特性等の低下を招くため好ましくない。また成分(B)の比率が45より多いと耐薬品性が著しく低下するため好ましくない。
【0017】
本発明に用いられる成分(C)相溶化剤とは、(A)ポリエステル樹脂中における(B)PPEの分散性を向上させる化合物であり、ポリカーボネート樹脂、或いは、官能基、例えばカルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸アミド基、イミド基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基、アミノ基、水酸基を一つ以上有する化合物、亜リン酸エステル化合物等が使用できる。具体例としては、ポリカーボネート樹脂、エポキシ基付加PPE樹脂、ヒドロキシアルキル化PPE樹脂、末端オキサゾリン化PPE樹脂、ポリスチレンによりカルボキシル基末端が変性されたポリエステル、ポリエチレンによりOH基末端が変性されたポリエステル、亜リン酸エステル等が挙げられる。中でも組成物の耐加水分解性、機械的物性、難燃性の観点からポリカーボネート及び亜リン酸エステルが好ましく、更に好ましくはポリカーボネートである。相溶化剤としてのポリカーボネートの分子量は、ポリスチレンを基準としたゲル透過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が30,000以下が好ましく、特に好ましくは20,000以下である。
【0018】
亜リン酸エステルの例としてはペンタエリスリチル構造のテトライル基等を有するものが好ましい。その中でも、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等がより好ましく、特にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が好適に使用される。尚、本発明の組成物は、これら亜リン酸エステルの分解(加水分解や熱分解等)により生じた化合物を含んでいても良い。
【0019】
成分(C)相溶化剤の配合量は成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは0.5〜3重量部、特には0.5〜2重量部が好ましい。成分(C)相溶化剤の量が0.5重量部より少ないと物性特に機械的強度や難燃性が低下し、5重量部より多いと製品の表面外観が低下し好ましくない。
【0020】
本発明に使用される(D)ホスホニトリル化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表される構造を有する化合物である。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、X1及びX2は、それぞれ、O、SまたはN−Hを表し、R1〜R4は、それぞれ、炭素数20以下のアリール基又はアラルキル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数20以下のシクロアルキル基を表し、mおよびnは、それぞれ、1以上12以下の整数を表す。)
一般式(1)において、X1及びX2として好ましくは、O(酸素原子)またはN−H(水素原子が1個結合した窒素原子)であり、より好ましくはOである。好ましいR1〜R4の具体例としては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル等のアルキル基、シクロヘキシル、シクロオクチルなどのシクロアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基が挙げられる。m,nとしては好ましくは、3〜10の整数であり、より好ましくは3または4である。
【0024】
(D)ホスホニトリル化合物の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100重量部に対し、5〜25重量部である。ホスホニトリル化合物の含有量が5重量部未満であると補完する難燃剤である(E)リン酸エステルの必要量が多量となり、樹脂組成物の機械的物性並びに熱水処理後の耐電圧保持が不十分となり好ましくない。一方25重量部を越えると機械的物性や成形性が低下する。ホスホニトリル化合物の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100重量部に対し、好ましくは10〜20重量部である。
【0025】
本発明に使用される成分(E)リン酸エステル化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等が挙げられるが、中でも下記一般式(3)で表されるリン酸エステル又はオリゴマーが好ましい。
【0026】
【化8】
【0027】
(式中、R5〜R12は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、pは0または1以上4以下の整数を表す。R13は、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び下記構造式で示される基から選ばれる2価の基である。)。
【0028】
【化9】
【0029】
一般式(3)中、R5〜R12は、耐加水分解性を向上させるためには炭素数6以下のアルキル基が好ましく、中でも炭素数2以下のアルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。pは0または1以上4以下の整数であり、好ましくは1〜3、中でも1が好ましい。なお、一般式(3)のリン酸エステルオリゴマーは、pが異なるオリゴマーの混合物であっても良い。R13は好ましくはp−又はm−フェニレン基であり、特に好ましくはp−フェニレン基である。
【0030】
成分(E)の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して1〜15重量部である。好ましくは2〜10重量部、更に好ましくは2〜8重量部である。添加量が15重量部より多い場合、難燃性及び流動性は向上するものの、機械的特性並びに耐加水分解性の低下が顕著となり好ましくない。
【0031】
本発明で用いられる(F)トリアジン系化合物としては、メラミン、シアヌル酸、イソシアヌル酸等のトリアジン系化合物やその塩等が挙げられる。具体的にはメラミンとシアヌル酸との塩であるシアヌル酸メラミン、あるいはメラミンの縮合物であるメラム、メレム等が好ましい。シアヌル酸メラミンは、シアヌル酸とメラミンとのほぼ等モル反応物であって、例えば、シアヌル酸の水溶液とメラミンの水溶液を混合し、90〜100℃の温度で攪拌下反応させ、生成した沈殿を濾過することにより得られる。(F)トリアジン系化合物の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部である。配合量が0では難燃性が低下するので好ましくなく、一方、添加量が20重量部より多い場合、難燃性は向上するものの機械的特性の低下が顕著となり好ましくない。
【0032】
本発明で用いられる(G)フッ素樹脂は、本発明組成物の滴下防止剤として機能するものであって、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン等のフッ素化ポリオレフィン等が挙げられ、好ましくはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。
【0033】
また(G)フッ素樹脂は、350℃における溶融粘度が、1.0×102〜1.0×1015(Pa・s)のものが好ましく、中でも1.0×103〜1.0×1014(Pa・s)、特には1.0×1010〜1.0×1012(Pa・s)のものが好ましい。溶融粘度が1.0×102(Pa・s)未満であると燃焼時の滴下防止能が低下する傾向にあり、1.0×1015(Pa・s)より大きくなると組成物の流動性が著しく低下する傾向にあるため好ましくない。(G)フッ素樹脂の配合量は、(A)+(B)の合計100重量部に対して0.1〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.5重量部である。フッ素樹脂の配合量が0.1重量部以下では燃焼時の滴下防止能が不十分であり、2重量部以上では生産時の安定性並びに機械的性質の著しい低下が見られるため好ましくない。
【0034】
本発明に用いる(H)強化充填材は、樹脂の強化充填材として使用されるものであれば、有機充填材でも無機充填材でも良く、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ミルドファイバー、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化硼素、チタン酸カリウィスカー等が挙げられるが、特に無アルカリガラスのガラス繊維が好ましい。
【0035】
また(H)強化充填材は、熱可塑性ポリエステル樹脂との界面密着性を向上させるためシラン系またはチタン系のカップリング剤等で予備処理したものを用いるのが好ましい。これら(H)成分の配合量は、樹脂組成物全体に対して5〜50重量%が好ましく、更に好ましくは5〜45重量%である。配合量が50重量%を超えると流動性が著しく低下するため好ましくない。
【0036】
上記(A)〜(H)を配合した本発明組成物には、更に、加水分解抑制剤として(I)エポキシ樹脂を配合しても良い。使用される(I)エポキシ樹脂としては、特にビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。そのエポキシ当量は1000以下、望ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。また、(I)エポキシ樹脂の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して0.1〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.5重量部である。0.1以下では加水分解抑制効果が十分でなく、一方、2重量部以上では難燃性の低下並びに溶融時の熱安定性が低下するので好ましくない。
【0037】
本発明の樹脂組成物には、以上の成分の他、必要に応じ公知の樹脂添加剤等を配合することもできる。添加剤としては、例えば、染顔料、酸化防止剤、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、触媒失活剤、滑剤、帯電防止剤、色調改良剤、発泡剤、可塑剤、核剤等が挙げられる。
【0038】
本発明の組成物の製造法は特に限定されるものではなく、公知の方法により各成分を配合することにより得ることができる。例えば、ブレンダーやミキサー等を用いてドライブレンドする方法、押出機を用いて溶融混合する方法等が挙げられるが、通常、スクリュー押出機を用いて各成分を配合し、溶融混合してストランドに押し出し、ペレット化するのがよい。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、難燃性、機械的物性、耐加水分解性などに優れ、流動性にも優れることから、薄肉或いは複雑な形状の成形品用途に好適に使用される。本発明組成物は電気特性が良好であり、特に、加水分解による電圧低化が少ないので、フライバックトランス、フォーカスバックに代表されるテレビトランス用部品、或いはディストリビュータキャップ、イグニッションコイル部品等の自動車用部品の他、電気・電子機器部品の材料として好適である。本発明組成物を成形加工する方法は特に限定されるものではなく、射出成形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形法を採用することが出来るが、ハロゲンを含有しないので腐食性ガス発生による金型腐食がないので、射出成形に好適である。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例により制限されるものではない。
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
以下に示す成分を、表−1記載の割合で配合し、30mmのベント式2軸押出機(TEX−30C)を用いて設定シリンダー温度260℃にて溶融混練した後、ストランドに押し出してペレット化した。
【0040】
このペレットについて、射出成形機とASTM成形用金型、UL−94燃焼試験片用金型(厚み1/32インチ)を用い、成形温度255℃、金型温度80℃で射出成形を行った。得られた成形物(試験片)につき、その特性を下記方法により評価し、結果を表−1に示した。
【0041】
原料成分:
(A)ポリブチレンテレフタレート:(三菱化学(株)製、固有粘度0.85、PBTと略記する。)。
(B)ポリフェニレンエーテル:(三菱瓦斯化学(株)製、、固有粘度0.36、PPEと略記する。)。
(C)相溶化剤A:ノバレックス7022PJ−4LV(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ポリカーボネート)。
(C)相溶化剤B:マークPEP36(商品名、旭電化(株)製、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスルトールジホスファイト)。
(D)ホスホニトリル化合物:下記化学式で表され、qが3および4である化合物の混合物。
【0042】
【化10】
【0043】
(E)燐酸エステル:PX200(商品名、大八化学(株)製、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート))。
(F)シアヌル酸メラミン:(三菱化学(株)製、窒素含量=49%)。
(G)フッ素樹脂:ポリフロンFA500(商品名、ダイキン工業(株)製、ポリテトラフルオロエチレン、PTFEと略記する。)。
(G’)滴下防止剤:エポキシシラン処理ME100(コープケミカル(株)製、膨潤性合成雲母にエポキシ基付与処理したもの)。
(H)ガラス繊維:T−123/PL(日本電気硝子(株)製、GFと略記する。)。
(I)エポキシ化合物:マークEP−17(商品名、アデカ・アーガス(株)製)。
【0044】
又、成形物の特性評価は以下の方法に従った。
(1)難燃性
射出成形により得た難燃性試験用試験片(厚み1/32インチ)について、アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験により実施した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0045】
(2)機械特性
射出成形により得たダンベル試験片についてASTM D−790に従い曲げ強度を測定した。
【0046】
(3)耐加水分解性
射出成形により得た厚み1mmの100試験片を、121℃×2気圧の条件下のプレッシャークッカー試験機で100時間処理した後、70℃雰囲気下、周波数100Hz、14kV負荷の条件下でコロナ寿命試験を行い、ブレークまでの寿命(min.)を求めた。
【0047】
【表1】
表−1
【0048】
表−1から明らかな様に、実施例1〜4の組成物から得られた成形体は、いずれも難燃性に優れ、且つ高いレベルでバランスの取れた難燃性、機械的強度、耐加水分解性を示す。一方、ホスホニトリル化合物を配合しない比較例1及び2では、十分な熱水処理後の耐電圧性(耐加水分解性)及び機械的強度(曲げ強度)が得られない。燐酸エステルを使用しない比較例3では、熱水処理後の耐電圧性には優れるが十分な機械的強度が得られない。シアヌル酸メラミンを使用しない比較例4では、難燃性の低下が見られる。これらの比較例は、いずれもバランスのとれた特性が得られず、好ましくない。
【0049】
【発明の効果】
実施例から明らかなように、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、特定の成分を特定量比で配合することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂が本来持つ優れた難燃性、機械的特性、耐加水分解性をバランス良く高度に発現し得る。また、ハロゲン系難燃剤を使用しないので、成形時並びに燃焼時に毒性及び腐食性ガス発生を抑制することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系難燃剤を使用した難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。更に詳しくは、コネクター、リレー、トランス部材、ケース部材、コイルボビン、ディストリビュータキャップ、イグニッションコイル部品等の薄肉・小型な電気電子機器部品、自動車部品、機械部品に好適な難燃性ポリエステル樹脂組成物及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂の中でもその優れた電気特性を用いて電気電子部品や自動車部品等に好適に使用されている。この分野においては、多くの場合、UL規格に規定される難燃性が求められており、従来は、一般に各種ハロゲン/アンチモン系難燃剤等を使用して難燃性を付与することより、一応要求される難燃性基準を達成している。しかしながら、ハロゲン/アンチモン系難燃剤は、燃焼時に毒性かつ腐食性の臭化水素または塩化水素ガスを発生し、あるいは黒煙を多量に発生して環境に悪影響を与えるという欠点が長年指摘されている。
【0003】
非ハロゲン系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物が一般に知られている。しかしながら、これらの含水無機化合物はハロゲン系難燃剤に対し難燃化効果が乏しく、相対的に多量に添加する必要があり、そのために機械的強度や成形性を著しく損なうという欠点を有している。
【0004】
また、非ハロゲン系難燃剤としてトリアジン環を有する窒素化合物を使用する方法が特公昭58−5939号公報、特公昭60−33850号公報により知られている。しかしながらこれらの窒素化合物は、難燃効果が低いのみならず、成形品の機械的強度を著しく低下させたり、金型汚染や樹脂表面へのブリードアウトなどの問題を有している。
更にトリアジン系化合物に燐酸エステルなどの燐化合物を併用する方法が特開平03−281652号公報、特開平05−70671号公報等により知られている。しかしながら燐酸エステルを併用する方法においてもハロゲン系難燃剤に比較し難燃効果が小さいため、相対的に多量のリン酸エステル添加量を必要とし、その結果、機械的強度の低下や耐加水分解性の低下を招くという欠点を有している。
【0005】
一方、赤燐化合物を石綿等の不活性充填材と共に添加する方法が特開昭49−74240号公報、特開昭50−55655号公報により知られている。赤燐化合物は燐酸エステルに比較し難燃効果が比較的大きく、適切な表面処理を施すことにより耐加水分解性の低下もほとんど見られなくなるものの、易燃性であるポリブチレンテレフタレートに高度な難燃性を付与するには、尚多量の赤燐の添加を必要とする。赤燐の添加により生じる問題を解決するために、赤燐化合物を含むポリエステル組成物に対しポリフェニレンエーテル樹脂を加える方法が特開平5−339493号公報により知られている。しかしながら、単にポリフェニレンエーテル樹脂を加えただけでは難燃性や流動性、機械的強度の諸特性のバランスが悪く、実用性に乏しい組成物のため実用化には至っていない。また、赤燐化合物は、現状では、適切な表面処理を施したとしても依然、若干量の有毒なホスフィンを加熱乾燥時等に発生することが避けられず、実用化には問題を抱えている。
【0006】
上記以外の燐化合物としてホスホニトリル化合物を使用する方法が特開平01−131395号公報により知られている。ホスホニトリル化合物は燐酸エステルに比較しポリエステル樹脂に対する可塑効果が小さいため機械的強度の低下が見られ難いものの、易燃性であるポリブチレンテレフタレートに高度の難燃性を与えるには助剤となるフェノール樹脂を併用する必要があり、滞留時の熱変色性に劣ること、また多量のホスホニトリル添加時には加熱乾燥時にホスホニトリルのブリードアウトが見られる等、実用化には支障がある。
【0007】
特開平10−77396号公報は、ポリエステル樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂及び/またはポリフェニレンスルフィド樹脂を配合した樹脂組成物に、難燃剤として、リン酸エステル又はホスホニトリルを配合した組成物を提案している。この組成物は、燃焼時に炭化被膜を形成し易いポリフェニレンエーテル樹脂及び/またはポリフェニレンスルフィド樹脂を併用することにより、目的とする難燃性を得るに要するリン酸エステルの添加量を抑えることが出来るため、より実用性に富んだ樹脂組成物が得られるものの、未だ十分とはいえない。特に、高い水準の耐湿熱性並びに耐電圧性が要求されるフライバックトランスやフォーカスブロックといった用途に対しては、未だ十分な特性が得られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において本発明は、前記した従来技術の欠点を解消すべくなされたものである。本発明は、臭素原子や塩素原子を含有しない難燃剤を使用することで成形加工時の腐食性ガスの発生を抑制し、また燃焼時の刺激性ガス・腐食性ガス・黒煙の発生を飛躍的に抑制し、且つ熱可塑性ポリエステル本来の優れた機械的特性や耐湿熱性、及び耐電圧性をバランス良く高度に発現しうる難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、樹脂成分としてポリエステル樹脂及びポリフェニレンエーテル樹脂を用い、これに特定の難燃剤を3種組み合わせて、特定量用い、更に相溶化剤等を配合したポリエステル樹脂組成物が優れた難燃性、機械的特性、流動性、耐加水分解性を有することを見出し、本発明に至った。すなわち本発明の要旨は、(A)ポリエステル樹脂90〜55重量%及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜45重量%を含有する組成物100重量部に対して、下記成分(C)〜(H)を配合してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物に存する。
(C)相溶化剤0.5〜5重量部、
(D)ホスホニトリル化合物5〜25重量部、
(E)燐酸エステル1〜15重量部、
(F)トリアジン系化合物1〜20重量部、
(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部、及び
(H)強化充填材を樹脂組成物全体に対して5〜50重量%。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を製造するために使用される成分(A)ポリエステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコール成分またはオキシカルボン酸成分の重縮合により得られる熱可塑性ポリエステルであり、固有粘度が、テトラクロロエタン/フェノールの1/1(重量比)混合溶媒中、30℃において0.5dl/g以上であることが好ましい。固有粘度は0.5〜1.5dl/gがより好ましく、更に好ましくは0.6〜1.3dl/gである。
原料の2官能性カルボン酸成分の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p,p−ジフェニルジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。エステル形成性誘導体としては、メチルエステルなどの低級エステルが挙げられる。2官能性カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレフタル酸ジエステルが好ましい。
【0011】
グリコール成分の具体例としては一般式HO(CH2)sOH(sは2〜20の整数)で表されるα,ω−アルキレングリコール類、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、またはこれらのエステル形成性誘導体等を挙げることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキレングリコールが好ましく、特に好ましくは、1,4−ブタンジオールである。
またオキシカルボン酸成分の具体例としては、オキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。本発明の(A)としては、このようなポリエステルを形成する全酸成分または全ジオール成分の70mol%以上が単一成分であれば任意の共重合体であっても良い。好ましい(A)ポリエステル樹脂としてはポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリオキシテトラメチレングリコールを主成分とするポリエステルエラストマーが挙げられる。
【0012】
本発明で使用される成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂(以下PPEと略記する)は、下記一般式(4)で示される構造を有する単独重合体または共重合体である。
【0013】
【化5】
【0014】
(式中、R14は水素原子、第一級もしくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基を表し、R15は第一級あるいは第二級アルキル基、アリール基、アルキルアミノ基を表わす、rは10以上の整数を表す。)。
R14或いはR15で表される第一級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2,3−もしくは4−メチルペンチルまたはヘプチル基である。第二級アルキル基の好適な例としては、イソプロピル、sec−ブチルまたは1−エチルプロピルである。好適なPPEの単独重合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位からなる単独重合体が挙げられる。好適な共重合体としては、上記単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位との組み合わせからなるランダム共重合体である。
【0015】
本発明に使用される成分(B)PPEは、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が、0.2〜0.8dl/gであるのが好ましく、より好ましくは0.25〜0.7dl/gのものであり、特に好ましくは0.3〜0.6dl/gのものが好適に使用される。固有粘度が0.2dl/g未満のものは、工業的に生産が難しい上に本発明組成物の耐衝撃性が不充分となるため好ましくなく、0.8dl/gを超えるとゲル成分が多く、本発明組成物から形成される成形品外観が悪化する。尚PPEの見かけ粘度を下げるため、PPEと相溶性のスチレン系樹脂を最大35重量%迄含有させることが出来る。ここでいうスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーブタジエン共重合体等が挙げられる。スチレン系樹脂量が25重量部以上では、PPEに比較し格段と高い可燃性が発現し、燃焼時間の上昇並びに垂れ落ち着火が起こり易くなり、難燃化性能が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明で使用する成分(A)及び成分(B)の比率(重量)は、(A)/(B)=90/10〜55/45である。成分(B)の比率が10より少ないと難燃性が著しく低下し、その結果多量の難燃剤の添加を必要とし機械的特性等の低下を招くため好ましくない。また成分(B)の比率が45より多いと耐薬品性が著しく低下するため好ましくない。
【0017】
本発明に用いられる成分(C)相溶化剤とは、(A)ポリエステル樹脂中における(B)PPEの分散性を向上させる化合物であり、ポリカーボネート樹脂、或いは、官能基、例えばカルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸アミド基、イミド基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基、アミノ基、水酸基を一つ以上有する化合物、亜リン酸エステル化合物等が使用できる。具体例としては、ポリカーボネート樹脂、エポキシ基付加PPE樹脂、ヒドロキシアルキル化PPE樹脂、末端オキサゾリン化PPE樹脂、ポリスチレンによりカルボキシル基末端が変性されたポリエステル、ポリエチレンによりOH基末端が変性されたポリエステル、亜リン酸エステル等が挙げられる。中でも組成物の耐加水分解性、機械的物性、難燃性の観点からポリカーボネート及び亜リン酸エステルが好ましく、更に好ましくはポリカーボネートである。相溶化剤としてのポリカーボネートの分子量は、ポリスチレンを基準としたゲル透過クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が30,000以下が好ましく、特に好ましくは20,000以下である。
【0018】
亜リン酸エステルの例としてはペンタエリスリチル構造のテトライル基等を有するものが好ましい。その中でも、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等がより好ましく、特にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が好適に使用される。尚、本発明の組成物は、これら亜リン酸エステルの分解(加水分解や熱分解等)により生じた化合物を含んでいても良い。
【0019】
成分(C)相溶化剤の配合量は成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは0.5〜3重量部、特には0.5〜2重量部が好ましい。成分(C)相溶化剤の量が0.5重量部より少ないと物性特に機械的強度や難燃性が低下し、5重量部より多いと製品の表面外観が低下し好ましくない。
【0020】
本発明に使用される(D)ホスホニトリル化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表される構造を有する化合物である。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、X1及びX2は、それぞれ、O、SまたはN−Hを表し、R1〜R4は、それぞれ、炭素数20以下のアリール基又はアラルキル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数20以下のシクロアルキル基を表し、mおよびnは、それぞれ、1以上12以下の整数を表す。)
一般式(1)において、X1及びX2として好ましくは、O(酸素原子)またはN−H(水素原子が1個結合した窒素原子)であり、より好ましくはOである。好ましいR1〜R4の具体例としては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル等のアルキル基、シクロヘキシル、シクロオクチルなどのシクロアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基が挙げられる。m,nとしては好ましくは、3〜10の整数であり、より好ましくは3または4である。
【0024】
(D)ホスホニトリル化合物の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100重量部に対し、5〜25重量部である。ホスホニトリル化合物の含有量が5重量部未満であると補完する難燃剤である(E)リン酸エステルの必要量が多量となり、樹脂組成物の機械的物性並びに熱水処理後の耐電圧保持が不十分となり好ましくない。一方25重量部を越えると機械的物性や成形性が低下する。ホスホニトリル化合物の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂の合計100重量部に対し、好ましくは10〜20重量部である。
【0025】
本発明に使用される成分(E)リン酸エステル化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等が挙げられるが、中でも下記一般式(3)で表されるリン酸エステル又はオリゴマーが好ましい。
【0026】
【化8】
【0027】
(式中、R5〜R12は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、pは0または1以上4以下の整数を表す。R13は、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び下記構造式で示される基から選ばれる2価の基である。)。
【0028】
【化9】
【0029】
一般式(3)中、R5〜R12は、耐加水分解性を向上させるためには炭素数6以下のアルキル基が好ましく、中でも炭素数2以下のアルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。pは0または1以上4以下の整数であり、好ましくは1〜3、中でも1が好ましい。なお、一般式(3)のリン酸エステルオリゴマーは、pが異なるオリゴマーの混合物であっても良い。R13は好ましくはp−又はm−フェニレン基であり、特に好ましくはp−フェニレン基である。
【0030】
成分(E)の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して1〜15重量部である。好ましくは2〜10重量部、更に好ましくは2〜8重量部である。添加量が15重量部より多い場合、難燃性及び流動性は向上するものの、機械的特性並びに耐加水分解性の低下が顕著となり好ましくない。
【0031】
本発明で用いられる(F)トリアジン系化合物としては、メラミン、シアヌル酸、イソシアヌル酸等のトリアジン系化合物やその塩等が挙げられる。具体的にはメラミンとシアヌル酸との塩であるシアヌル酸メラミン、あるいはメラミンの縮合物であるメラム、メレム等が好ましい。シアヌル酸メラミンは、シアヌル酸とメラミンとのほぼ等モル反応物であって、例えば、シアヌル酸の水溶液とメラミンの水溶液を混合し、90〜100℃の温度で攪拌下反応させ、生成した沈殿を濾過することにより得られる。(F)トリアジン系化合物の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部である。配合量が0では難燃性が低下するので好ましくなく、一方、添加量が20重量部より多い場合、難燃性は向上するものの機械的特性の低下が顕著となり好ましくない。
【0032】
本発明で用いられる(G)フッ素樹脂は、本発明組成物の滴下防止剤として機能するものであって、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン等のフッ素化ポリオレフィン等が挙げられ、好ましくはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。
【0033】
また(G)フッ素樹脂は、350℃における溶融粘度が、1.0×102〜1.0×1015(Pa・s)のものが好ましく、中でも1.0×103〜1.0×1014(Pa・s)、特には1.0×1010〜1.0×1012(Pa・s)のものが好ましい。溶融粘度が1.0×102(Pa・s)未満であると燃焼時の滴下防止能が低下する傾向にあり、1.0×1015(Pa・s)より大きくなると組成物の流動性が著しく低下する傾向にあるため好ましくない。(G)フッ素樹脂の配合量は、(A)+(B)の合計100重量部に対して0.1〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.5重量部である。フッ素樹脂の配合量が0.1重量部以下では燃焼時の滴下防止能が不十分であり、2重量部以上では生産時の安定性並びに機械的性質の著しい低下が見られるため好ましくない。
【0034】
本発明に用いる(H)強化充填材は、樹脂の強化充填材として使用されるものであれば、有機充填材でも無機充填材でも良く、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ミルドファイバー、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化硼素、チタン酸カリウィスカー等が挙げられるが、特に無アルカリガラスのガラス繊維が好ましい。
【0035】
また(H)強化充填材は、熱可塑性ポリエステル樹脂との界面密着性を向上させるためシラン系またはチタン系のカップリング剤等で予備処理したものを用いるのが好ましい。これら(H)成分の配合量は、樹脂組成物全体に対して5〜50重量%が好ましく、更に好ましくは5〜45重量%である。配合量が50重量%を超えると流動性が著しく低下するため好ましくない。
【0036】
上記(A)〜(H)を配合した本発明組成物には、更に、加水分解抑制剤として(I)エポキシ樹脂を配合しても良い。使用される(I)エポキシ樹脂としては、特にビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。そのエポキシ当量は1000以下、望ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。また、(I)エポキシ樹脂の配合量は(A)+(B)の合計100重量部に対して0.1〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1.5重量部である。0.1以下では加水分解抑制効果が十分でなく、一方、2重量部以上では難燃性の低下並びに溶融時の熱安定性が低下するので好ましくない。
【0037】
本発明の樹脂組成物には、以上の成分の他、必要に応じ公知の樹脂添加剤等を配合することもできる。添加剤としては、例えば、染顔料、酸化防止剤、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、触媒失活剤、滑剤、帯電防止剤、色調改良剤、発泡剤、可塑剤、核剤等が挙げられる。
【0038】
本発明の組成物の製造法は特に限定されるものではなく、公知の方法により各成分を配合することにより得ることができる。例えば、ブレンダーやミキサー等を用いてドライブレンドする方法、押出機を用いて溶融混合する方法等が挙げられるが、通常、スクリュー押出機を用いて各成分を配合し、溶融混合してストランドに押し出し、ペレット化するのがよい。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、難燃性、機械的物性、耐加水分解性などに優れ、流動性にも優れることから、薄肉或いは複雑な形状の成形品用途に好適に使用される。本発明組成物は電気特性が良好であり、特に、加水分解による電圧低化が少ないので、フライバックトランス、フォーカスバックに代表されるテレビトランス用部品、或いはディストリビュータキャップ、イグニッションコイル部品等の自動車用部品の他、電気・電子機器部品の材料として好適である。本発明組成物を成形加工する方法は特に限定されるものではなく、射出成形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形法を採用することが出来るが、ハロゲンを含有しないので腐食性ガス発生による金型腐食がないので、射出成形に好適である。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例により制限されるものではない。
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
以下に示す成分を、表−1記載の割合で配合し、30mmのベント式2軸押出機(TEX−30C)を用いて設定シリンダー温度260℃にて溶融混練した後、ストランドに押し出してペレット化した。
【0040】
このペレットについて、射出成形機とASTM成形用金型、UL−94燃焼試験片用金型(厚み1/32インチ)を用い、成形温度255℃、金型温度80℃で射出成形を行った。得られた成形物(試験片)につき、その特性を下記方法により評価し、結果を表−1に示した。
【0041】
原料成分:
(A)ポリブチレンテレフタレート:(三菱化学(株)製、固有粘度0.85、PBTと略記する。)。
(B)ポリフェニレンエーテル:(三菱瓦斯化学(株)製、、固有粘度0.36、PPEと略記する。)。
(C)相溶化剤A:ノバレックス7022PJ−4LV(商品名、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ポリカーボネート)。
(C)相溶化剤B:マークPEP36(商品名、旭電化(株)製、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスルトールジホスファイト)。
(D)ホスホニトリル化合物:下記化学式で表され、qが3および4である化合物の混合物。
【0042】
【化10】
【0043】
(E)燐酸エステル:PX200(商品名、大八化学(株)製、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート))。
(F)シアヌル酸メラミン:(三菱化学(株)製、窒素含量=49%)。
(G)フッ素樹脂:ポリフロンFA500(商品名、ダイキン工業(株)製、ポリテトラフルオロエチレン、PTFEと略記する。)。
(G’)滴下防止剤:エポキシシラン処理ME100(コープケミカル(株)製、膨潤性合成雲母にエポキシ基付与処理したもの)。
(H)ガラス繊維:T−123/PL(日本電気硝子(株)製、GFと略記する。)。
(I)エポキシ化合物:マークEP−17(商品名、アデカ・アーガス(株)製)。
【0044】
又、成形物の特性評価は以下の方法に従った。
(1)難燃性
射出成形により得た難燃性試験用試験片(厚み1/32インチ)について、アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験により実施した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0045】
(2)機械特性
射出成形により得たダンベル試験片についてASTM D−790に従い曲げ強度を測定した。
【0046】
(3)耐加水分解性
射出成形により得た厚み1mmの100試験片を、121℃×2気圧の条件下のプレッシャークッカー試験機で100時間処理した後、70℃雰囲気下、周波数100Hz、14kV負荷の条件下でコロナ寿命試験を行い、ブレークまでの寿命(min.)を求めた。
【0047】
【表1】
表−1
【0048】
表−1から明らかな様に、実施例1〜4の組成物から得られた成形体は、いずれも難燃性に優れ、且つ高いレベルでバランスの取れた難燃性、機械的強度、耐加水分解性を示す。一方、ホスホニトリル化合物を配合しない比較例1及び2では、十分な熱水処理後の耐電圧性(耐加水分解性)及び機械的強度(曲げ強度)が得られない。燐酸エステルを使用しない比較例3では、熱水処理後の耐電圧性には優れるが十分な機械的強度が得られない。シアヌル酸メラミンを使用しない比較例4では、難燃性の低下が見られる。これらの比較例は、いずれもバランスのとれた特性が得られず、好ましくない。
【0049】
【発明の効果】
実施例から明らかなように、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、特定の成分を特定量比で配合することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂が本来持つ優れた難燃性、機械的特性、耐加水分解性をバランス良く高度に発現し得る。また、ハロゲン系難燃剤を使用しないので、成形時並びに燃焼時に毒性及び腐食性ガス発生を抑制することができる。
Claims (12)
- (A)ポリエステル樹脂90〜55重量%及び(B)ポリフェニレンエーテル樹脂10〜45重量%からなる組成物100重量部に対して、下記成分(C)〜(H)を配合してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物。
(C)相溶化剤0.5〜5重量部、
(D)ホスホニトリル化合物5〜25重量部、
(E)燐酸エステル1〜15重量部、
(F)トリアジン系化合物1〜20重量部、
(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部、及び
(H)強化充填材を樹脂組成物全体に対して5〜50重量%。 - 前記(A)ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、またはポリブチレンテレフタレートとポリオキシテトラメチレングリコールを主成分とするポリエステルエラストマーである請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(B)ポリフェニレンエーテル樹脂が、0〜35重量%のポリスチレン樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(C)相溶化剤がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(F)トリアジン系化合物がメラミンとシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(H)強化充填材がガラス繊維であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 前記(A)+(B)の合計100重量部に対して、加水分解抑制剤として(I)エポキシ樹脂0.1〜2重量部を更に配合してなることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
- 成形品がテレビトランス部品、ディストリビュータキャップ、又はイグニッションコイル部品であることを特徴とする請求項10又は11記載の成形品。
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- 2002-06-05 JP JP2002163899A patent/JP2004010694A/ja active Pending
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