JP2004010565A - 光線力学的療法剤、抗癌剤、新規なキノキサリン誘導体および医薬組成物 - Google Patents

光線力学的療法剤、抗癌剤、新規なキノキサリン誘導体および医薬組成物 Download PDF

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JP2002168531A
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Kazuatsu Toshima
戸嶋 一敦
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Keio University
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Keio University
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Abstract

【課題】光線力学的療法剤、抗癌剤、新規なキノキサリン誘導体および医薬組成物の提供。
【解決手段】下記の一般式(IIa)で表される化合物またはその薬理上許容される塩など。前記化合物を含有する医薬組成物。キノキサリン誘導体を含有する光線力学的療法剤および抗癌剤。
【化1】
Figure 2004010565

(式中、R21 およびR21 は、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−などであり、R22 およびR 2bは、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHなどであり、Zは単結合などであり、nおよびnは、0〜3の整数である。)
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光線力学的療法剤、抗癌剤、新規なキノキサリン誘導体および医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポストゲノム解析時代の中心課題の一つに、遺伝子や遺伝子産物に働きかけ、その機能を制御する技術(新物質)の獲得があげられ、その医療をはじめとする社会的波及効果は計り知れない。一方、臨床上有効な抗生物質で、DNAとの相互作用を介して優れた生理活性を発現するものの中には、糖−芳香環複合型構造を有するものが多く存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、DNAとの相互作用を介して優れた生理活性を発現する、新規な化合物を提供することを目的とする。
【0004】
また、本発明は、光線力学的療法剤を提供することも目的とする。
【0005】
さらに、本発明は、抗癌剤を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、糖−芳香環複合型分子が、DNAとの高い親和性と高い細胞膜透過性を合わせ持つ基本構造に成り得るという独自のアイディアに基づき、さまざまな糖−インターカレーター複合型構造を有する人工DNA相互作用分子の分子デザイン、化学合成と、それらの生物学的機能に関する化学生物学的研究を行ったところ、糖−インターカレーター複合型人工DNA相互作用分子として、キノキサリンと糖の複合型構造を有する糖−キノキサリン複合型人工分子がDNAと相互作用することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)下記の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する光線力学的療法剤。
【0008】
【化31】
Figure 2004010565
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0009】
【化32】
Figure 2004010565
からなる群より選択される。)
【0010】
【化33】
Figure 2004010565
(式中、R11およびR12は、上記の通りである。)
【0011】
【化34】
Figure 2004010565
(式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
【0012】
【化35】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0013】
【化36】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、Zは単結合または
【0014】
【化37】
Figure 2004010565
であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
【0015】
【化38】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0016】
【化39】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0017】
(2)下記の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する抗癌剤。
【0018】
【化40】
Figure 2004010565
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0019】
【化41】
Figure 2004010565
からなる群より選択される。)
【0020】
【化42】
Figure 2004010565
(式中、R11およびR12は、上記の通りである。)
【0021】
【化43】
Figure 2004010565
(式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
【0022】
【化44】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0023】
【化45】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、Zは単結合または
【0024】
【化46】
Figure 2004010565
であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
【0025】
【化47】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0026】
【化48】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0027】
(3)下記の一般式(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩。
【0028】
【化49】
Figure 2004010565
(式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
【0029】
【化50】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0030】
【化51】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、Zは単結合または
【0031】
【化52】
Figure 2004010565
であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
【0032】
【化53】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0033】
【化54】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0034】
(4)下記の一般式(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物。
【0035】
【化55】
Figure 2004010565
(式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
【0036】
【化56】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0037】
【化57】
Figure 2004010565
からなる群より選択され、Zは単結合または
【0038】
【化58】
Figure 2004010565
であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
【0039】
【化59】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0040】
【化60】
Figure 2004010565
(式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0042】
本発明は、下記の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する光線力学的療法剤および抗癌剤を提供する。
【0043】
本明細書において、「光線力学的療法剤」とは、紫外線、可視光、赤外光などの光に反応する物質を体内に取り入れ、光を照射することによって標的箇所を治療する方法に用いられる薬剤をいうものとする。
【0044】
「抗癌剤」とは、癌や腫瘍の治療に用いられる薬剤をいうものとする。
【0045】
【化61】
Figure 2004010565
【0046】
【化62】
Figure 2004010565
【0047】
【化63】
Figure 2004010565
【0048】
【化64】
Figure 2004010565
【0049】
【化65】
Figure 2004010565
【0050】
一般式(Ia)および(Ib)において、R11およびR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等)で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0051】
【化66】
Figure 2004010565
からなる群より選択される。低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基としては、−N(CH、−NHCH、−NH、−N(CHCH、−NHCHCH、−N(CH)CHCHなどを例示することができる。
【0052】
11とR12の好ましい組合せを表1にまとめる。
【0053】
【表1】
Figure 2004010565
【0054】
一般式(IIa)、(IIb)および(IIc)において、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等)で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
【0055】
【化67】
Figure 2004010565
からなる群より選択される。低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基としては、−NH−、−N(CH)−、−N(CHCH)−などを例示することができる。
【0056】
21aとR21bは、同じでも異なっていてもよいが、同じである方が合成上有利である。
【0057】
22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等)で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
【0058】
【化68】
Figure 2004010565
からなる群より選択される。低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基としては、−N(CH、−NHCH、−NH、−N(CHCH、−NHCHCH、−N(CH)CHCHなどを例示することができる。
【0059】
22aとR22bは、同じでも異なっていてもよいが、同じである方が合成上有利である。
【0060】
21a、R21b、R22aおよびR22bの好ましい組合せを表2にまとめる。
【0061】
【表2】
Figure 2004010565
Zは単結合または
【0062】
【化69】
Figure 2004010565
である。Zは、p−フェニレン基であることが好ましい。
【0063】
およびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。nおよびnは、1〜2の整数であることが好ましい。
【0064】
とnは、同じでも異なっていてもよいが、同じである方が合成上有利である。
【0065】
一般式(Ia)で表される化合物のうち、R11が−N(CHであり、R12が−OHである化合物(5)は、以下に示す反応式に従って、製造することができる。
【0066】
【化70】
Figure 2004010565
【0067】
出発物質30は、東京化成工業(株)から市販されているD−グルコースから、既知文献[Bartner, Peter; Boxler, Dena L.; Brambilla, Raymond; Mallams, Alan K.; Morton, James B.; Reichert, Paul; Sancilio, Frederick D.; Surprenant, Henry; Tomalesky, Gregory; et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (1979), (6), 1600−24.] の方法に従って得られる。また、11と20は、それぞれ東京化成工業(株)およびアルドリッチ社より市販されている。
【0068】
上記のスキームに記載した方法は、R11が、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されたアミノ基(−N(CH以外のもの)、−NH、=O、−OHまたは
【0069】
【化71】
Figure 2004010565
である化合物にも適用できる。その場合には、出発物質として、メチル α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)、2−デオキシグルコース(東京化成工業(株)社製)、3,4,6−トリ−O−アセチルグルカール(東京化成工業(株)社製)または3,4,6−トリ−O−ベンジルグルカール(東京化成工業(株)社製)を用いればよい。
【0070】
また、上記のスキームに記載した方法は、R12が、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=Oまたは
【0071】
【化72】
Figure 2004010565
である化合物にも適用できる。その場合には、出発物質として、D−グルコース(東京化成工業(株)社製)、メチル α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)、2−デオキシグルコース(東京化成工業(株)社製)、またはメチル4,6−O−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)を用いればよい。
【0072】
一般式(Ib)で表される化合物は、上記の合成スキームの32と11の反応によって生成する化合物33の立体異性体を用いることにより合成することができる。化合物33の立体異性体は以下の構造式で表される。
【0073】
【化73】
Figure 2004010565
【0074】
一般式(IIa)で表される化合物のうち、R21aおよびR21bが−NH−であり、R22aおよびR22bが−OHであり、Zが
【0075】
【化74】
Figure 2004010565
であり、nおよびnが1である化合物(7)は、以下に示す反応式に従って、製造することができる。
【0076】
【化75】
Figure 2004010565
出発物質11は、東京化成工業(株)から市販されている。
【0077】
出発物質10(先のスキームの化合物31)は、先のスキーム記載の方法で製造することができる。化合物17は、アルドリッチ社から市販されている。
【0078】
上記のスキームに記載した方法は、R21aが、低級アルキル基で置換されたイミノ基、−O−または
【0079】
【化76】
Figure 2004010565
である化合物にも適用できる。その場合には、出発物質として、メチル α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)、2−デオキシグルコース(東京化成工業(株)社製)、または3,4,6−トリ−O−ベンジルグルカール(東京化成工業(株)社製)を用いればよい。
【0080】
また、上記のスキームに記載した方法は、R22bが、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=Oまたは
【0081】
【化77】
Figure 2004010565
の化合物にも適用できる。その場合には、出発物質として、D−グルコース(東京化成工業(株)社製)、メチル α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)、2−デオキシグルコース(東京化成工業(株)社製)、またはメチル4,6−O−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド(東京化成工業(株)社製)を用いればよい。
【0082】
上記のスキームに記載した方法は、nおよびnが1以外の化合物、Zが単結合である化合物にも適用できる。その場合には、出発物質として、ジエチレングリコール(アルドリッチ社製)、トリエチレングリコール(アルドリッチ社製)、トリエチレンテトラミン(アルドリッチ社製)またはオクタンジオール(アルドリッチ社製)を用いればよい。
【0083】
一般式(IIb)で表される化合物は、上記の合成スキームの16と17の反応において、17および16と16の立体異性体を用いることにより合成することができる。16の立体異性体は下記の構造式で表される。
【0084】
【化78】
Figure 2004010565
【0085】
一般式(IIc)で表される化合物は、上記の合成スキームの16と17の反応において、17と16の立体異性体を用いることにより合成することができる。
【0086】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物の薬理上許容される塩、例えば、リン酸塩は、塩化メチレン中、トリエチルアミン存在下、POClと室温で反応させることにより得られる。また、塩酸塩は、塩酸メタノール溶液で処理することにより得られる。
【0087】
本発明の光線力学的療法剤および抗癌剤は、一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物または薬理上許容されるその塩を含有する。
【0088】
また、本発明の医薬組成物は、一般式(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物または薬理上許容されるその塩を含有する。本発明の医薬組成物は、光線力学的療法剤、抗癌剤などとして利用できる。
【0089】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物の薬理上許容される塩としては、リン酸塩と塩酸塩を例示することができるが、これに限定されることはない。
【0090】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物および薬理上許容されるその塩は、単独で使用してもよいし、あるいは他の薬剤(例えば、他の抗癌剤)と組み合わせて使用してもよい。
【0091】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物および薬理上許容されるその塩をヒトに投与する場合には、例えば、1日あたり約5〜25 mg/kg(体重)、好ましくは1日あたり約20〜25 mg/kg(体重)の投与量で、1回または数回に分けて経口投与するとよいが、その投与量や投与回数は、疾患の種類、症状、年齢、投与方法などにより適宜変更しうる。
【0092】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物および薬理上許容されるその塩は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などの製剤にして、経口投与してもよいし、注射剤などの製剤にして、腹腔内や静脈内へ注射する、あるいは坐剤などの製剤にして直腸内投与するような態様で非経口投与することもできる。製剤中の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物または薬理上許容されるその塩(有効成分)の含有率は、1〜90重量%の間で変動させることができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの形態をとる場合には、有効成分を5〜80重量%含有させるのが好ましい。シロップ剤などの液剤の場合には、有効成分を1〜30重量%含有させるのが好ましい。さらに、非経口投与する注射剤の場合には、有効成分を1〜10重量%含有させるのが好ましい。
【0093】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物および薬理上許容される塩の製剤化は、賦形剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトールなどの糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシなどのデンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機物、結晶セルロースなど)、結合剤(デンプンのり液、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油)、崩壊剤(デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、CMC・Na、CMC・Ca、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど)、矯味矯臭剤(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、芳香性精油類など)、溶剤(注射用水、滅菌精製水、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油など)、安定剤(窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、EDTA、チオグリコール酸などのキレート剤、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元物質など)、保存剤(パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、塩化ベンザルコニウムなど)、界面活性剤(水素添加ヒマシ油、ポリソルベート80、20など)、緩衝剤(クエン酸、酢酸、リン酸のナトリウム塩、ホウ酸など)、希釈剤などの製剤添加物を用いて、公知の方法で行われる。
【0094】
一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれかで表される化合物およびその薬理上許容される塩は、365 nmの光照射下において、DNAを効果的に切断することができる。さらに、これらの化合物は、そのもの自身では、抗細胞活性を示さないが、DNA切断を引き起こす光照射下において、高い抗細胞活性を示すことが、子宮頸部癌HeLa S3細胞を用いたin vitroの系で確認された。したがって、これらの化合物を全身に投与した後、癌組織だけに光照射を行うことで、癌組織を選択的に死滅させ、癌を副作用なく治療することができる。従って、これらの化合物は、光線力学的療法剤として、表存型の癌(例えば、皮膚癌、食道癌))のみならず、深部型の癌(例えば、胃癌、肺癌)の治療に用いることができる。この際、深部型の癌においては、多光子励起法(特表2001−527446を参照のこと)を用いて目的波長の光を癌組織まで到達されることで、その治療が可能になる。
【0095】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0096】
〔実施例1〕 キノキサリン誘導体の製造
下記の糖−キノキサリン複合型人工分子(化合物5、6、7、8および9)を製造した。
【0097】
【化79】
Figure 2004010565
【0098】
1.化合物5の合成
化合物5は、以下に示す反応式に従って製造した。
【0099】
【化80】
Figure 2004010565
【0100】
出発物質30は、東京化成工業(株)から市販されているD−グルコースから、既知文献[Bartner, Peter; Boxler, Dena L.; Brambilla, Raymond; Mallams, Alan K.; Morton, James B.; Reichert, Paul; Sancilio, Frederick D.; Surprenant, Henry; Tomalesky, Gregory; et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (1979), (6), 1600−24.] の方法に従って得た。また、11と20は、それぞれ東京化成工業(株)およびアルドリッチ社より市販されているものを用いた。
【0101】
化合物30(0.12g)を、無水チオフェノール(0.36ml)に溶解し、0°C攪拌下、ボラントリフロリドジエチルエーテルコンプレックス(0.12ml)を加え、50分間攪拌した。その後、トリエチルアミン(1.15ml)で中和し、反応混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(58g、ヘキサン:酢酸エチル=5:2)で精製し、化合物31(0.165g)を淡黄色シロップとして得た。化合物31(1.12g)を、無水ジクロロメタン(22.4ml)に溶解し、0°C攪拌下、イミダゾール(1.73g)、t−ブチルジメチシリルクロリド(2.11g)を加え、40°Cで65時間攪拌した。その後、反応液を氷令攪拌下、飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)に注下し、酢酸エチル(30mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(30ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(64g、ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、化合物32(1.50g)を淡黄色シロップとして得た。化合物32(0.480g)を、無水アセトニトリル(12.6ml)に溶解し、0°C攪拌下、モレキュラーシーブス4A(0.480g)、化合物11(0.352ml)、N−ブロモコハク酸イミド(0.336g)を加え、1時間攪拌した。その後、反応液を氷令攪拌下、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(30ml)に注下し、酢酸エチル(30mlx3)で抽出し、有機層を食塩水(30ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物33とその立体異性体(β−グリコシド)の混合物(0.325g)を無色シロップとして得た。化合物33とその立体異性体(β−グリコシド)の混合物(0.303g)をメタノール(30.3ml)に溶解し、室温攪拌下、35%ホルムアルデヒド(1.57ml)、10%Pd−C(0,152g)を加え、水素雰囲気下、12時間攪拌した。その後、反応液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物34(0.145g)と化合物34の立体異性体(β−グリコシド)(0.103g)を、それぞれ無色シロップとして得た。化合物34(0.193g)を、無水ジクロロメタン(7.72ml)に溶解し、0°C攪拌下、化合物20(0.334g)、トリエチルアミン(0.323ml)を加え、室温で15時間攪拌した。その後、反応液を、飽和重曹水(30ml)に注下し、エーテル(30mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(30ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物35(0.27g)を無色シロップとして得た。化合物35(0.270g)を、無水ピリジン(13.5ml)に溶解し、0°C攪拌下、70%フッ化水素ピリジン(0.243ml)を加え、室温で12時間攪拌した。その後、反応液を飽和重曹水(60ml)に注下し、酢酸エチル(30mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(30ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20g、クロロホルム:メタノール=5:1)で精製し、化合物5(0.162g)を無色シロップとして得た。
【0102】
化合物5. H NMRδ1.28 (3H, d, J=6.0 Hz), 1.63 (1H, ddd, J=12.4, 12.4 and 4.0 Hz), 1.91 (1H, ddd, J=12,4, 4.0 and 1.0 Hz), 2.28 (6H, s), 2.94 (1H, ddd, J=12.4, 9.6 and 4.0 Hz), 3.12 (1H, dd, J=9.6 and 9.6 Hz), 3.76 (1H, dq, J=9.6 and 6.0 Hz), 3.81−3.93 (1H, m), 4.00−4.12 (1H, m), 4.61−4.82 (2H, m), 5.05 (1H, dd, J=4.0 and 1.0 Hz), 7.83−7.97 (2H, m), 8.16−8.25 (1H, m), 8.28−8.37 (1H, m), 9.56 (1H, s)
【0103】
2.化合物6の合成
化合物6は、上記の合成スキームの32と11の反応によって生成する33の立体異性体を、33の代わりに用いることにより合成した。
【0104】
33の立体異性体は、下記の構造式で表される。
【0105】
【化81】
Figure 2004010565
【0106】
33の立体異性体は、32と11の反応生成物の混合物から、以下のようにして単離した。
【0107】
33と33の立体異性体を、上記合成スキームに従って、34と34の立体異性体へと変換後、34と34の立体異性体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製、単離した。
【0108】
化合物6. H NMRδ1.36 (3H, d, J=6.4 Hz), 1.52 (1H, ddd, J=12.4, 10.0 and 9.4 Hz), 2.00 (1H, ddd, J=12.4, 4.0 and 2.0 Hz), 2.27 (6H, s), 2.48 (1H, ddd, J=10.0, 9.6 and 4.0 Hz), 3.08 (1H, dd, J=9.6 and 9.6 Hz), 3.32 (1H, dq, J=9.6 and 6.4 Hz), 3.92−4.08 (1H, m), 4.21−4.32 (1H, m), 4.62 (1H, dd, J=9.4 and 2.0 Hz), 4.68−4.81 (2H, m), 7.85−7.97 (2H, m), 8.17−8.23 (1H, m), 8.27−8.37 (1H, m), 9.55 (1H, s).
【0109】
3.化合物7の合成
化合物7は、以下に示す反応式に従って製造した。
【0110】
【化82】
Figure 2004010565
【0111】
出発物質11は東京化成工業(株)から購入した。出発物質10(化合物5の合成スキームにおける化合物31)は、化合物30から先に記載した方法により製造した。化合物17と20は、アルドリッチ社から購入した。
【0112】
化合物10(0.445g)を、無水THF(16.8ml)に溶解し、0°C攪拌下、モレキュラーシーブス4A(0.445g)、化合物11(0.468ml)、N−ブロモコハク酸イミド(0.448g)を加え、5分間攪拌した。その後、反応液を氷令攪拌下、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(10ml)に注下し、酢酸エチル(10mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(40g、クロロホルム:アセトン=3:1)で精製し、化合物12と化合物12の異性体(β−グリコシド)の混合物(0.292g)を無色シロップとして得た。化合物12と化合物12の異性体(β−グリコシド)の混合物(0.292g)を、無水ジクロロメタン(5.8ml)に溶解し、0°C攪拌下、イミダゾール(0.137g)、t−ブチルジメチシリルクロリド(0.243g)を加え、室温で5分間攪拌した。その後、反応液を氷令攪拌下、冷水(10ml)に注下し、クロロホルム(10mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30g、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、化合物13(0.176g)と化合物13の立体異性体(β−グリコシド)(0.194g)を、それぞれ淡黄色シロップとして得た。化合物13(0.922g)を、エタノール(92ml)に溶解し、Pd/CaCO(0.461g)を加え、水素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。その後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10g、クロロホルム:メタノール=3:1)で精製し、化合物14(0.849g)を無色シロップとして得た。化合物14(0.416g)を無水ジクロロメタンに溶解し、0°C攪拌下、炭酸カリウム(0.576g)、 P−ニトロベンゼンスルフォニルクロリド(0.646g)を加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応液を冷水(10ml)に注下し、クロロホルム(10mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(25g、クロロホルム:アセトン=3:1)で精製し、化合物15(0.479g)を無色シロップとして得た。化合物15(0.479g)を、無水ジクロロメタン(9.6ml)に溶解し、0°C攪拌下、2,6−ルチジン(0.454ml)、t−ブチルジメチシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.672ml)を加え、40°Cで16時間攪拌した。その後、反応液を冷水(10ml)に注下し、クロロホルム(10mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物16(0.590g)を無色シロップとして得た。化合物16(0.376g)を、無水ジメチルホルムアミド(7.5ml)に溶解し、0°C攪拌下、炭酸カリウム(0.343g)、p−ジブロモキシレン(0.082g)を加え、室温で3時間攪拌した。その後、反応液を冷水(10ml)に注下し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1の混合溶媒(10mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g、クロロホルム:酢酸エチル:50:1)で精製し、化合物18(0.165g)を白色結晶として得た。化合物18(0.0875g)を無水ピリジン(4.4ml)に溶解し、0°C攪拌下、70%フッ化水素ピリジン(0.788ml)を加え、室温で2時間攪拌した。その後、反応液を飽和重曹水(6ml)に注下し、クロロホルム(6mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(6ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、ヘキサン:アセトン=1:1)で精製し、化合物19(0.0686g)を白色結晶として得た。化合物19(0.0236g)を、無水ジクロロメタン(0.472ml)に溶解し、0°C攪拌下、化合物20(0.0168g)、トリエチルアミン(0.0152ml)を加え、室温で20分間攪拌した。その後、反応液を、冷水(3ml)に注下し、クロロホルム(3mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(3ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2g、クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物21(0.0283g)を白色結晶として得た。化合物21(0.0118g)を無水ピリジン(0.590ml)に溶解し、0°C攪拌下、70%フッ化水素ピリジン(0.106ml)を加え、室温で16時間攪拌した。その後、反応液を飽和重曹水(3ml)に注下し、クロロホルム(3mlx3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(3ml)で洗浄、芒硝乾燥後、減圧濃縮した。その残査を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5g、クロロホルム:メタノール=3:1)で精製し、化合物7(0.0079g)を白色結晶として得た。
【0113】
化合物7. H NMRδ1.28 (6H, d, J=6.0 Hz), 1.48 (2H, ddd, J=12.0 and 12.0 and 4.0 Hz), 2.29 (2H, ddd, J=12,0, 4.0 and 1.0 Hz), 2.86−3.05 (4H, m), 3.61 and 3.82 (each 2H, ABq, J=12.2 Hz), 3.68−3.95 (4H, m), 4.00−4.12 (2H, m), 4.59−4.80 (4H, m), 5.00 (2H, dd, J=4.0 and 1.0 Hz), 7.20 (4H, s), 7.83−7.97 (4H, m), 8.16−8.25 (2H, m), 8.28−8.37 (2H, m), 9.56 (2H, s).
【0114】
4.化合物8の合成
化合物は8、上記の合成スキームの16と17の反応において、17および16と16の立体異性体を用いることにより合成した。
【0115】
ここで用いた16の立体異性体は、下記の構造式で表される。
【0116】
【化83】
Figure 2004010565
【0117】
16の立体異性体は、化合物10と化合物11との反応によって生成する化合物12の立体異性体から上記合成スキームに従って得られ、化合物13と化合物13の立体異性体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製、単離した。
【0118】
化合物8. H NMRδ1.28 (3H, d, J=6.0 Hz), 1.30 (3H, d, J=6.2 Hz), 1.37(1H, ddd, J=12.4, 10.0 and 9.4 Hz), 1.48 (1H, ddd, J=12.0 and 12.0 and 4.0 Hz), 2.29 (1H, ddd, J=12,0, 4.0 and 1.0 Hz), 2.36 (1H, ddd, J=12.4, 4.0 and 2.0 Hz), 2.53(1H, ddd, J= J=10.0, 9.6 and 4.0 Hz), 2.86−3.05 (2H,m), 2.95 (1H, dd, J= 9.6 and 9.6 Hz), 3.31 (1H, dq, J=9.6 and 6.2 Hz), 3.61 and 3.82 (each 1H, ABq, J=12.2 Hz), 3.62 and 3.88 (each 1H, ABq, J=12.2 Hz), 3.68−4.12 (3H, m), 4.19−4.30 (1H, m), 4.59−4.80 (4H, m), 4.60 (1H, dd, J=9.4 and 2.0 Hz), 5.00 (1H, dd, J=4.0 and 1.0 Hz), 7.20 (4H, s), 7.83−7.97 (4H, m), 8.16−8.25 (2H, m), 8.27−8.37 (2H, m), 9.53 (1H, s), 9.56 (1H, s).
【0119】
5.化合物9の合成
化合物は9、上記の合成スキームの16と17の反応において、17と16の立体異性体を用いることにより合成した。
【0120】
ここで用いた16の立体異性体は、下記の構造式で表される。
【0121】
【化84】
Figure 2004010565
【0122】
16の立体異性体は、化合物10と化合物11との反応によって生成する化合物12の立体異性体から上記合成スキームに従って得られ、化合物13と化合物13の立体異性体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、単離した。
【0123】
化合物9. H NMRδ1.30 (6H, d, J=6.2 Hz), 1.37 (2H, ddd, J=12.4, 10.0 and 9.4 Hz), 2.36 (2H, ddd, J=12.4, 4.0 and 2.0 Hz), 2.53(2H, ddd, J= J=10.0, 9.6 and 4.0 Hz), 2.95 (2H, dd, J= 9.6 and 9.6 Hz), 3.31 (2H, dq, J=9.6 and 6.2 Hz), 3.62 and 3.88 (each 2H, ABq, J=12.2 Hz), 3.85−4.03 (2H,m), 4.19−4.30 (2H, m), 4.60 (2H, dd, J=9.4 and 2.0 Hz), 4.65−4.80 (4H, m), 7.20 (4H, s), 7.80−7.97(4H, m), 8.17−8.23 (2H, m), 8.27−8.37 (2H, m), 9.53 (2H, s).
【0124】
〔実施例2〕 キノキサリン誘導体のDNA切断活性の評価
20%アセトニトリルを添加したTris−HClバッファー(pH 7.5, 50 mM)中、25℃で、1時間、UVランプ(365 nm, 15W)を10 cm離して照射しながら、ΦX174 DNA(ニッポンジーン社から入手)(塩基対当り50μM)を化合物1、5、6、7、8または9とともにインキュベートし、ゲル電気泳動(0.9%アガロースゲル、エチジウムブロミド染色)で分析した。化合物1は、化合物20と無水メタノールを無水ジクロロメタン中、トリエチルアミンで処理することにより得られた。化合物5〜9は、実施例1で製造したものである。
【0125】
結果を図1に示す。図1のa),b),c),d),e)およびf)は、それぞれ、化合物1,5,6,7,8および9についての結果である。Form IとIIは、それぞれ、スーパーコイル状の二本鎖DNAおよび切れ目が入ったオープンサーキュラー状の二本鎖DNAである。レーン1は、DNA単独、レーン2は、DNA(UV照射あり)、レーン3は、DNA+化合物(500μM)(UV照射なし)、レーン4〜9は、それぞれ、DNA+化合物(500μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(300μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(100μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(30μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(10μM)(UV照射あり)およびDNA+化合物(3μM)(UV照射あり)である。
【0126】
これらの結果から、糖−キノキサリン複合型人工分子(化合物5および6)は、糖を持たないもの(化合物1)より高いDNA切断活性を有し、さらに、ビス(糖−キノキサリン)複合型人工分子(化合物7〜9)が、より効果的にDNAを切断することを見出した。すなわち、DNA切断において、キノキサリンと糖の複合型構造が極めて有効であることを見出した。これらの結果は、キノキサリン−糖複合型人工分子のデオキシアミノ糖が、DNAグルーブバインダーとして効果的に機能し、キノキサリンのDNAインターカレーターとしての能力を著しく向上させていることを示す。
【0127】
また、糖のグリコシド結合の立体化学も影響することを見出した。α−グリコシド結合の化合物の方が、β−グリコシド結合の化合物よりDNA光切断活性が高い。すなわち、6より5のDNA光切断活性が高く、ビス(糖−キノキサリン)複合型人工分子では、7>8>9の順にDNA光切断活性が高い。
【0128】
さらに、適当なリンカーを介して二量化することにより、DNA光切断活性の向上が見られた。
【0129】
〔比較例1〕 エキノマイシンのDNA光切断活性の評価
【0130】
【化85】
Figure 2004010565
【0131】
エキノマイシン(シグマから購入)について、実施例2に記載の方法と同様の方法で、DNA光切断活性を評価した。
【0132】
結果を図2に示す。図2のレーン1は、DNA単独、レーン2は、DNA(UV照射あり)、レーン3は、DNA+化合物(500μM)(UV照射なし)、レーン4〜9は、それぞれ、DNA+化合物(500μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(300μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(100μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(30μM)(UV照射あり)、DNA+化合物(10μM)(UV照射あり)およびDNA+化合物(3μM)(UV照射あり)である。
【0133】
実施例2と3の結果と比較したところ、ビス(糖−キノキサリン)複合型人工分子(化合物7〜9)のDNA光切断活性は、天然物であるエキノマイシンのDNA光切断活性より高いことが分かった。本発明のビス(糖−キノキサリン)複合型人工分子は、DNA光切断分子として、天然物を凌駕する人工分子であることが見出された。
【0134】
〔実施例3〕 DNA光切断部位感受性の評価
pH 7.5、25℃で、1時間、UVランプ(365 nm, 15W)を10 cm離して照射しながら、5’末端標識M13mp18 DNA(タカラ酒造(株))(その50番目〜77番目の塩基(配列番号1)を図3に示す)を化合物1,5,7および9のそれぞれで切断し、配列分析のために12%ポリアクリルアミド−8M尿素スラブゲル電気泳動を行った。
【0135】
その結果を図3に示す。図3のレーンA,G,CおよびTは、それぞれ、サンガーA,G,CおよびT反応のレーンである。レーン1,2,3および4は、ぞれぞれ、化合物7,9,5および1(500μM)のレーンである。レーン1〜4のDNAは、ゲル電気泳動の前に熱ピペリジンで処理した。
【0136】
この結果から、糖−キノキサリン複合型人工分子(化合物5〜9)は、光照射後、ピペリジンで処理することで、DNAを、5’−GG−3’配列の5’側のグアニン(G)の位置で塩基配列特異的に切断することが明らかになった。
【0137】
〔実施例4〕 DNA光切断細胞毒性の評価
次に、これら糖−キノキサリン複合型人工分子の細胞レベルでの作用を、HeLaS3細胞(大日本製薬)を用いて評価した。その手順は以下の通りである。
25℃で、1時間、UVランプ(365 nm, 30W)を25 cm離して照射しながら、HeLa S3細胞を化合物5〜9で処理し、細胞を72時間37℃で培養した後、XTT法(ロシュ・ダイアグノスティック(株)から入手)によりIC50値を求めた。
【0138】
結果を表3にまとめた。
【0139】
【表3】
Figure 2004010565
【0140】
この結果から、糖−キノキサリン複合型人工分子(化合物5〜9)は、光非照射下において無毒であるのに対し、光照射下においては、高い抗細胞活性を示すことが分かった。
【0141】
〔実施例5〕 HeLa S3細胞におけるDNA切断の評価
25℃で、1時間、UVランプ(365 nm, 30W)を25 cm離して照射しながら、HeLaS3細胞を化合物5(10μM)または化合物6(10μM)で処理した。細胞を72時間37℃で培養した後、DNAを細胞から抽出し、1.5%アガロ−スゲル中でゲル電気泳動を行った。ゲルをエチジウムブロミドで染色し、写真をとって、蛍光を観察した。
【0142】
HeLa S3細胞におけるDNAラダーを図4に示す。レーン1は、HeLa S3細胞のDNA(UV照射なし)、レーン2は、HeLa S3細胞DNA(UV照射あり)、レーン3は、化合物5(10μM)で処理したHeLa S3細胞DNA(UV照射なし)、レーン4は、化合物6(10μM)で処理したHeLa S3細胞DNA(UV照射なし)、レーン5は、化合物5(10μM)で処理したHeLa S3細胞DNA(UV照射あり)、レーン6は、化合物6(10μM)で処理したHeLa S3細胞DNA(UV照射あり)である。
【0143】
この結果から、HeLa S3細胞中のDNAが、光照射下、糖−キノキサリン複合型人工分子(化合物5〜9)により効果的に切断されていることが確認された。
【0144】
以上のことから、本発明の糖−キノキサリン複合型人工分子は、光照射というスイッチのオン・オフによるDNA切断を介して、高選択的に抗細胞活性を発現する光駆動型の人工DNA相互作用分子であることがわかった。
【0145】
【発明の効果】
本発明により、DNAとの相互作用を介して優れた生理活性を発現する、新規な化合物が提供された。
【0146】
また、本発明により、光線力学的療法剤および抗癌剤が提供された。
【0147】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> KEIO UNIVERSITY
<120> Agents for photo dynamic therapy, anti−cancer agents,novel quinoxaline derivatives and pharmaceuticalcompositions
<130> P02−019
<140>
<141>
<160> 1
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 28
<212> DNA
<213> M13mp18 phage
<400> 1
gcatgcctgc aggtcgactc tagaggat                                    28
【0148】
【配列表フリーテキスト】
【配列番号1】
配列番号1は、M13mp18 DNAの50番目から77番目までの塩基配列を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、化合物1,5〜9によるスーパーコイルΦX174DNAの光切断を示す。
【図2】図2は、エキノマイシンによるスーパーコイルΦX174DNAの光切断を示す。
【図3】図3は、配列分析のための12%ポリアクリルアミド−8M尿素スラブゲル電気泳動のオートラジオグラムを示す。
【図4】図4は、HeLa S3細胞におけるDNAラダーを示す。

Claims (4)

  1. 下記の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する光線力学的療法剤。
    Figure 2004010565
    (式中、R11およびR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択される。)
    Figure 2004010565
    (式中、R11およびR12は、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、Zは単結合または
    Figure 2004010565
    であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
  2. 下記の一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する抗癌剤。
    Figure 2004010565
    (式中、R11およびR12は、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択される。)
    Figure 2004010565
    (式中、R11およびR12は、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、Zは単結合または
    Figure 2004010565
    であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
  3. 下記の一般式(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩。
    Figure 2004010565
    (式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、Zは単結合または
    Figure 2004010565
    であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
  4. 下記の一般式(IIa)、(IIb)若しくは(IIc)のいずれかで表される化合物またはその薬理上許容される塩を含有する医薬組成物。
    Figure 2004010565
    (式中、R21 およびR21 は、それぞれ独立に、低級アルキル基で置換されていてもよいイミノ基、−O−および
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、R22 およびR 2bは、それぞれ独立に、低級アルキル基で一置換若しくは二置換されていてもよいアミノ基、=O、−OHおよび
    Figure 2004010565
    からなる群より選択され、Zは単結合または
    Figure 2004010565
    であり、nおよびnは、それぞれ独立に、0〜3の整数である。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
    Figure 2004010565
    (式中、R21 、R 1b、R 2a、R22 、Z、nおよびnは、上記の通りである。)
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