JP2004009896A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができるとともに、制御器の車両への搭載性を向上することができるようにする。
【解決手段】モータ2と、モータ2を操舵手段の操舵に応じて駆動制御する制御器6と、制御器6で発生する熱を蓄熱する蓄熱体7と、蓄熱体7に接触する接触部を有し、蓄熱体7の熱を外部へ放熱する放熱体8とを備え、モータ2によって操舵補助が実行されるときに制御器6で発生する熱を蓄熱体7で一旦蓄熱し、この蓄熱体7が蓄熱した熱を、操舵補助が実行された後で放熱体8から外部へ放熱するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】モータ2と、モータ2を操舵手段の操舵に応じて駆動制御する制御器6と、制御器6で発生する熱を蓄熱する蓄熱体7と、蓄熱体7に接触する接触部を有し、蓄熱体7の熱を外部へ放熱する放熱体8とを備え、モータ2によって操舵補助が実行されるときに制御器6で発生する熱を蓄熱体7で一旦蓄熱し、この蓄熱体7が蓄熱した熱を、操舵補助が実行された後で放熱体8から外部へ放熱するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は操舵手段の操舵に応じて駆動制御されるモータを備えたステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のステアリング装置としては、例えば操舵輪に繋がる入力軸及び該入力軸にトーションバーを介して同軸的に繋がる出力軸の相対角変位によって前記入力軸に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、該トルクセンサが検出したトルク等に基づいて駆動制御されるモータと、該モータを駆動制御する制御器とを備え、操舵輪の回転に応じた舵取機構の動作を前記モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
【0003】
モータを駆動制御する制御器は、マイクロプロセッサを用いてなる制御部と、該制御部に接続され、トランジスタからなる電力用の半導体素子及び該半導体素子が結合された回路基板を有する駆動回路と、前記半導体素子への通電によって発生する熱を放熱する放熱体と、前記制御部,駆動回路及び放熱体を収容するケースとを備えている。
この制御器における制御部の入力側に前記トルクセンサ、車速センサ、舵角センサ等が接続され、前記駆動回路に前記モータが接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステアリング装置において、モータによる操舵補助は、操舵輪に加わる操舵負荷に応じて変動するのであり、車両の低速走行、中速走行、高速走行時等操舵輪に加わる操舵負荷が比較的小さいときは比較的小さな操舵補助力でよく、前記半導体素子へ供給される電流は比較的小さいため、該半導体素子の消費電力量は少ない。
【0005】
一方、車両の車庫入れ、幅寄せ等において行われる据え切り操舵時には操舵開始時点から大きな操舵補助力を必要とし、前記半導体素子へ供給される電流は急激に増大するため、前記半導体素子の消費電力量は急激に増加し、該半導体素子は急激に発熱することになる。
【0006】
ところで、モータによる操舵補助は、操舵状況によって影響されるだけでなく、車両の大きさ、換言すれば車両重量によって大きく影響され、大型車になる程、大きな操舵補助力を必要とするため、前記モータが大型になる。このモータが大型になることによって前記半導体素子の消費電力量が増加するため、半導体素子の個数を増加したり、半導体素子への通電によって発生する熱を放熱する放熱体を大きくしたりする必要があり、制御器の全体が大型になる。
このように大型になる制御器を前記モータ等とともにエンジンルーム内に搭載する場合、エンジンルーム内に制御器用のスペースを確保することが難しくなる。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができるとともに、制御器の車両への搭載性を向上することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るステアリング装置は、モータと、該モータを操舵手段の操舵に応じて駆動制御する制御器と、前記モータの回転力を舵取機構に伝動する伝動手段とを備えたステアリング装置において、前記制御器で発生する熱を蓄熱する蓄熱体と、該蓄熱体に接触する接触部を有し、前記蓄熱体の熱を外部へ放熱する放熱体とを備えることを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、制御器で発生する熱を蓄熱する蓄熱体を備えるため、操舵に基づいて制御器で急激に発熱した熱を蓄熱体で一旦蓄熱することができ、この蓄熱体が蓄熱した熱を、蓄熱体に接触する放熱体から外部へ放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。
【0010】
即ち、制御器で発生する熱は、大きな操舵補助力を必要とするときに急激に発熱し、操舵補助が実行された後では制御器での消費電力量が急激に減少し、制御器の急激な発熱は短時間で終わることになるが、本発明にあっては、制御器で発生した急激な熱を蓄熱体が一旦蓄熱し、制御器での発熱が終わった後で、蓄熱体が蓄熱した熱を放熱体から放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。
【0011】
しかも、制御器、蓄熱体及び放熱体の位置関係とか、制御器及び蓄熱体と放熱体との位置関係とかを車種に応じて変えることができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、制御器をエンジンルーム内の適宜のスペースに搭載することができ、制御器の車両への搭載性を向上することができる。
【0012】
第2発明に係るステアリング装置は、前記制御器は前記蓄熱体を介して前記モータに保持されていることを特徴とする。
第2発明にあっては、モータ、制御器、蓄熱体及び放熱体をユニットにでき、モータとともに制御器、蓄熱体及び放熱体を搭載することができるため、車両への搭載性を向上できる。
【0013】
第3発明に係るステアリング装置は、前記モータは筒形のハウジングを有しており、前記蓄熱体は前記ハウジングの周面に配置されており、前記放熱体は前記ハウジングの軸長方向一端部に配置されていることを特徴とする。
第3発明にあっては、モータのハウジング周りの空間に制御器及び蓄熱体を配置することができ、しかも、前記ハウジングの軸長方向側の空間に放熱体を配置することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係るステアリング装置の実施の形態1の構成を示す模式的斜視図、図2は要部の拡大斜視図、図3はステアリング装置の一部を省略した拡大断面図である。
【0015】
図1のステアリング装置は操舵手段1の操舵に応じてモータ2を駆動制御するように構成された電動式パワーステアリング装置である。この電動式パワーステアリング装置は、上端が操舵輪Aに繋がる入力軸10と、入力軸10にトーションバー3を介して同軸的に繋がる出力軸4と、入力軸10及び出力軸4の相対角変位によって入力軸10に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ5と、トルクセンサ5が検出したトルク等に基づいて駆動制御されるモータ2と、モータ2を駆動制御する制御器6と、制御器6で発生する熱を蓄熱する蓄熱体7と、蓄熱体7に接触して蓄熱体7の熱を外部へ放熱する放熱体8とを備えている。
【0016】
入力軸10は操舵手段1を構成するものであり、上側の操舵軸11と、上側の操舵軸11の下端にユニバーサルジョイント12を介して繋がる下側の操舵軸13とを有しており、下側の操舵軸13と出力軸4とがトーションバー3を介して連結されている。
【0017】
下側の操舵軸13、出力軸4及びトルクセンサ5は筒形ケース9内に支持されており、筒形ケース9の一方側にモータ2の筒形のハウジング21が取外し可能に取付けられている。このハウジング21は軸長方向一端が閉鎖され、軸長方向他端部に駆動軸を支持している。この駆動軸にウォーム30及びウォーム30に噛合するウォームホイール31からなる減速歯車機構を介して出力軸4の途中が繋がっており、モータ2の回転力を減速歯車機構及び出力軸4を介してラックピニオン式の舵取機構50へ伝動するようにしている。尚、前記減速歯車機構及び出力軸4がモータ2の回転力を舵取機構50に伝動する伝動手段を構成している。
【0018】
ラックピニオン式の舵取機構50は、出力軸4の下端に設けられたピニオン51と、ピニオン51に噛合するラック歯52を有し、車体の前部に左右方向に延設されたラック軸53とを備えている。
【0019】
制御器6は、マイクロプロセッサを用いてなる制御部61と、制御部61に接続され、トランジスタからなる電力用の半導体素子62及び半導体素子62が結合された回路基板63を有する駆動回路64と、制御部61及び回路基板64を収容する合成樹脂又は金属製のケース65とを備えている。このケース65の底の一部又は全部は開放されており、この開放部に蓄熱体7が結合されており、蓄熱体7のケース内となる一面に熱伝導性が良好なグリースからなる伝熱層を介して回路基板64が接合されている。制御部61の入力側にはトルクセンサ5、車速センサ、舵角センサ等が接続されており、駆動回路64にモータ2内のコイルが接続されている。
【0020】
蓄熱体7はアルミニウム等の大きな熱容量を得ることができる矩形の金属板からなり、蓄熱体7がケース65の底の一部又は全部を兼ねており、半導体素子62で発生する熱を回路基板63及びグリースからなる前記伝熱層を介して蓄熱体7へ速やかに伝熱するようにしてある。この蓄熱体7はケース65とモールドされるか、または、ケース65の成形用型内に蓄熱体7を配置した状態で型内に合成樹脂材料を充填するときにケースと一体的に結合するのであるが、その他、おねじ,接着剤等の結合手段で結合してもよい。また、この蓄熱体7はねじ等の取付手段によってハウジング21の周面に着脱可能に取付けられている。
【0021】
放熱体8は、銅等の熱伝導率が大きい金属からなる。この放熱体8は蓄熱体7の一辺7aに面接触する接触部81aを一面に有する矩形の板部81と、板部81の他面に並列に突設された複数のフイン82とを有しており、蓄熱体7の一辺7aから板部81へ熱伝導された熱をフイン82から放熱することができるようにしてある。また、放熱体8は板部81の接触部81aが蓄熱体7の一辺7aと接触する状態でハウジング21の軸長方向一端部に着脱可能に取付けられている。
【0022】
以上のように構成された電動式パワーステアリング装置は、車両の車庫入れ、幅寄せ等において行われる据え切り操舵時等、操舵輪Aに加わる操舵負荷が大きいとき、操舵開始時点から大きな操舵補助力を必要とし、制御器6の半導体素子62に供給される電流は急激に増大するため、半導体素子62の消費電力量は急激に増加し、半導体素子62は急激に発熱することになる。この熱は回路基板63から蓄熱体7に直接的に熱伝導され、蓄熱体7に一旦蓄熱することができるため、制御器6の温度上昇を良好に抑制することができる。
【0023】
蓄熱体7に蓄熱された熱は、据え切り操舵等が実行され、操舵補助の必要がなくなった後で操舵輪Aに加わる操舵負荷が小さくなったとき、蓄熱体7の一辺7aから放熱体8の板部81へ熱伝動され、さらに、板部81に連なるフイン82から外部へ放熱することができる。このように操舵補助時に蓄熱体7で一旦蓄熱した熱を非操舵補助時に放熱体8で放熱するため、モータ2の大型化に伴って制御器6が大型になる場合においても、放熱体8を大型にすることなく、制御器6で発生した熱を放熱することができる。
【0024】
また、モータ2には蓄熱体7を介して制御器6が保持され、さらに、放熱体8がモータ2に取付けられており、モータ2、制御器6、蓄熱体7及び放熱体8がユニットになっているため、モータ2とともに制御器6、蓄熱体7及び放熱体8を搭載することができ、車両への搭載性を向上できる。
【0025】
また、制御器6と別に蓄熱体7及び放熱体8を備えるため、電動式パワーステアリング装置のモータ側部分を車両のエンジンルーム内に搭載するとき、モータ2のハウジング21周りの空間に制御器6及び蓄熱体7を配置することができ、さらに、ハウジング21の軸長方向側の空間に放熱体8を配置することができる。
【0026】
実施の形態2
図4は本発明に係るステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の拡大斜視図である。
実施の形態2のステアリング装置は放熱体8をハウジング21の軸長方向一端部に取付ける代わりに、放熱体8をハウジング21の周面に着脱可能に取付けたものである。
【0027】
この実施の形態2にあっては、蓄熱体7及び放熱体8はハウジング21の周面に着脱可能に取付けてあるため、異なる車両のエンジンルーム内のレイアウトに対応することができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0028】
図5はステアリング装置に用いられる制御器の他の構成を示す模式的断面図である。図5に示す制御器6は、半導体素子62と、その一面に回路導体を介して半導体素子62が接合されたセラミックス製の基板65と、基板65の他面に接するヒートシンク66と、基板65をヒートシンク66に結合する複数本のおねじ67と、おねじ67の頭部と基板65の周縁側一面との間に介された合成樹脂製の押え枠68とを備えている。
【0029】
基板65の周縁部には複数の貫通孔65aが穿設されており、この貫通孔65aに符合するねじ孔66aがヒートシンク66の周縁部に穿設されており、さらに、貫通孔65aに符合する挿通孔68aが押え枠68の周縁部に穿設されている。貫通孔65aはおねじ67の外径寸法よりも僅かに大径に形成されており、この貫通孔65aとおねじ67との間の隙間によって基板65の熱膨張を吸収することができるようにしてある。
【0030】
押え枠68は、基板65との接触面で、挿通孔68aの周りに設けられたシリコーン系の可撓性を有する接着剤層69を介して基板65に結合されている。
ヒートシンク66は熱伝導率が高い銅、アルミニウム等のブロックからなり、ヒートシンク66の基板65と接触する接触面は周縁側に対して中央側が凸になっており、この凸部66bが基板65の他面に面接触し、高い放熱性が得られるようにしてある。また、ヒートシンク66の周縁側と基板65との間に生ずる隙間には、熱伝導性が比較的良好なグリースからなる放熱用の伝熱層70が設けられている。
【0031】
このように構成された制御器6において、基板65をヒートシンク66に結合する場合、基板65の周縁側一面に結合された押え枠68の挿通孔68aから基板65の貫通孔65aへおねじ67を挿入し、おねじ67をヒートシンク66のねじ孔66aに締め込むことにより、基板65をヒートシンク66に結合することができる。この場合、おねじ67は押え枠68及び接着剤層69を介して基板65をヒートシンク66に弾性的に押付けるため、おねじ67による締込み応力を押え枠68及び接着剤層69で緩和することができ、セラミックス製の基板65の冷熱衝撃耐久性を確保することができ、基板65の割れを防ぐことができる。
尚、図5において、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0032】
図6は図5で示す制御器の変形例を示す模式的断面図である。図6に示す制御器6は、前記基板65の前記貫通孔65aをなくし、前記押え枠68を前記ヒートシンク66の周縁部に結合することにより前記基板65を前記ヒートシンク66に押し付けて結合するようにしたものである。
【0033】
押え枠68は外周縁と内周縁との間に基板65の周縁部が嵌め込まれる環状の押付凹部68bを有しており、押付凹部68bと前記外周縁との間に挿通孔68aが穿設されている。
また、基板65の周縁と押付凹部68bとの間には基板65の熱膨張を吸収するための隙間が設けられている。
【0034】
このように構成された制御器6にあっては、押え枠68の外周縁部とヒートシンク66との間、及び押付凹部68bと基板65の周縁部一面との間に可撓性を有する接着剤層69,69を夫々介在させ、挿通孔68aに挿入したおねじ67をねじ孔66aに締め込むことにより、接着剤層69,69の夫々を撓ませ、押え枠68及び基板65をヒートシンク66に弾性的に結合することができる。この場合、おねじ67は接着剤層69を介して押え枠68をヒートシンク66に弾性的に押付けるとともに、押え枠68及び接着剤層69を介して基板65をヒートシンク66に弾性的に押付けるため、おねじ67による締込み応力を押え枠68及び接着剤層69で緩和することができ、セラミックス製の基板65の冷熱衝撃耐久性を確保することができ、基板65の割れを防ぐことができる。
尚、図6において、その他の構成及び作用は図5の形態と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0035】
図7は制御器のさらに他の例を示す模式的断面図である。図7に示す制御器6は、金属又はセラミックス製の基板71a及び基板71aの一面に絶縁層を介して積層された回路71bを有する3層構造の回路基板71の回路に、半導体素子62、及びモータ2が有するコイルのリアクタンスによる高周波電圧を吸収するコンデンサ72を結合したものである。コンデンサ72は回路71bにリフロー半田付けによって結合されている。また、回路基板71における回路71bの配線部に入力電極73及び出力電極74が設けられている。
【0036】
このように構成された制御器6にあっては、1つの回路基板71に半導体素子62及びコンデンサ72が結合されているため、半導体素子62が結合されている回路基板と、コンデンサが結合されている回路基板とを銅板製のバスバーによって接続されている既知の制御器に比べて制御器6の全体を小型にできるとともに、制御器6の組立て作業性を向上できる。
【0037】
また、本発明に係るステアリング装置は、実施の形態1で説明した電動式パワーステアリング装置である他、操舵輪Aに繋がる操舵軸を有する操舵手段が舵取機構に機械的に連結されていないステアバイワイヤ式のステアリング装置であってもよい。このステアバイワイヤ式のステアリング装置は、操舵手段を舵取機構から切り離して配し、舵取機構が有するラック軸等の舵取軸へ動力を伝動、又は、ラック軸のラック歯と噛合するピニオンへ動力を伝動する操舵アクチュエータとしてのモータを設け、操舵手段の操舵に応じて前記制御器がモータを駆動制御する構成となっている。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、操舵に基づいて制御器で急激に発熱した熱を蓄熱体で一旦蓄熱することができ、制御器での発熱が終わった後で、この蓄熱体が蓄熱した熱を、蓄熱体に接触する放熱体から外部へ放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。しかも、蓄熱体及び放熱体の位置関係とか、制御器及び蓄熱体と放熱体との位置関係とかを車種に応じて変えることができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、制御器をエンジンルーム内の適宜のスペースに搭載することができる。
【0039】
第2発明によれば、モータ、制御器、蓄熱体及び放熱体をユニットにでき、モータとともに制御器、蓄熱体及び放熱体を搭載することができ、車両への搭載性を向上できる。
【0040】
第3発明によれば、モータのハウジング周りの空間に制御器及び蓄熱体を配置することができ、しかも、前記ハウジングの軸長方向側の空間に放熱体を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の実施の形態1の構成を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明に係るステアリング装置の要部の拡大斜視図である。
【図3】本発明に係るステアリング装置の一部を省略した拡大断面図である。
【図4】本発明に係るステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の拡大斜視図である。
【図5】本発明に係るステアリング装置に用いられる制御器の他の構成を示す模式的断面図である。
【図6】図5で示す制御器の変形例を示す模式的断面図である。
【図7】本発明に係るステアリング装置に用いられる制御器のさらに他の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 操舵手段
2 モータ
21 ハウジング
4 出力軸(伝動手段)
6 制御器
7 蓄熱体
8 放熱体
81a接触部
【発明の属する技術分野】
本発明は操舵手段の操舵に応じて駆動制御されるモータを備えたステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のステアリング装置としては、例えば操舵輪に繋がる入力軸及び該入力軸にトーションバーを介して同軸的に繋がる出力軸の相対角変位によって前記入力軸に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサと、該トルクセンサが検出したトルク等に基づいて駆動制御されるモータと、該モータを駆動制御する制御器とを備え、操舵輪の回転に応じた舵取機構の動作を前記モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減するように構成されている。
【0003】
モータを駆動制御する制御器は、マイクロプロセッサを用いてなる制御部と、該制御部に接続され、トランジスタからなる電力用の半導体素子及び該半導体素子が結合された回路基板を有する駆動回路と、前記半導体素子への通電によって発生する熱を放熱する放熱体と、前記制御部,駆動回路及び放熱体を収容するケースとを備えている。
この制御器における制御部の入力側に前記トルクセンサ、車速センサ、舵角センサ等が接続され、前記駆動回路に前記モータが接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ステアリング装置において、モータによる操舵補助は、操舵輪に加わる操舵負荷に応じて変動するのであり、車両の低速走行、中速走行、高速走行時等操舵輪に加わる操舵負荷が比較的小さいときは比較的小さな操舵補助力でよく、前記半導体素子へ供給される電流は比較的小さいため、該半導体素子の消費電力量は少ない。
【0005】
一方、車両の車庫入れ、幅寄せ等において行われる据え切り操舵時には操舵開始時点から大きな操舵補助力を必要とし、前記半導体素子へ供給される電流は急激に増大するため、前記半導体素子の消費電力量は急激に増加し、該半導体素子は急激に発熱することになる。
【0006】
ところで、モータによる操舵補助は、操舵状況によって影響されるだけでなく、車両の大きさ、換言すれば車両重量によって大きく影響され、大型車になる程、大きな操舵補助力を必要とするため、前記モータが大型になる。このモータが大型になることによって前記半導体素子の消費電力量が増加するため、半導体素子の個数を増加したり、半導体素子への通電によって発生する熱を放熱する放熱体を大きくしたりする必要があり、制御器の全体が大型になる。
このように大型になる制御器を前記モータ等とともにエンジンルーム内に搭載する場合、エンジンルーム内に制御器用のスペースを確保することが難しくなる。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができるとともに、制御器の車両への搭載性を向上することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るステアリング装置は、モータと、該モータを操舵手段の操舵に応じて駆動制御する制御器と、前記モータの回転力を舵取機構に伝動する伝動手段とを備えたステアリング装置において、前記制御器で発生する熱を蓄熱する蓄熱体と、該蓄熱体に接触する接触部を有し、前記蓄熱体の熱を外部へ放熱する放熱体とを備えることを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、制御器で発生する熱を蓄熱する蓄熱体を備えるため、操舵に基づいて制御器で急激に発熱した熱を蓄熱体で一旦蓄熱することができ、この蓄熱体が蓄熱した熱を、蓄熱体に接触する放熱体から外部へ放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。
【0010】
即ち、制御器で発生する熱は、大きな操舵補助力を必要とするときに急激に発熱し、操舵補助が実行された後では制御器での消費電力量が急激に減少し、制御器の急激な発熱は短時間で終わることになるが、本発明にあっては、制御器で発生した急激な熱を蓄熱体が一旦蓄熱し、制御器での発熱が終わった後で、蓄熱体が蓄熱した熱を放熱体から放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。
【0011】
しかも、制御器、蓄熱体及び放熱体の位置関係とか、制御器及び蓄熱体と放熱体との位置関係とかを車種に応じて変えることができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、制御器をエンジンルーム内の適宜のスペースに搭載することができ、制御器の車両への搭載性を向上することができる。
【0012】
第2発明に係るステアリング装置は、前記制御器は前記蓄熱体を介して前記モータに保持されていることを特徴とする。
第2発明にあっては、モータ、制御器、蓄熱体及び放熱体をユニットにでき、モータとともに制御器、蓄熱体及び放熱体を搭載することができるため、車両への搭載性を向上できる。
【0013】
第3発明に係るステアリング装置は、前記モータは筒形のハウジングを有しており、前記蓄熱体は前記ハウジングの周面に配置されており、前記放熱体は前記ハウジングの軸長方向一端部に配置されていることを特徴とする。
第3発明にあっては、モータのハウジング周りの空間に制御器及び蓄熱体を配置することができ、しかも、前記ハウジングの軸長方向側の空間に放熱体を配置することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係るステアリング装置の実施の形態1の構成を示す模式的斜視図、図2は要部の拡大斜視図、図3はステアリング装置の一部を省略した拡大断面図である。
【0015】
図1のステアリング装置は操舵手段1の操舵に応じてモータ2を駆動制御するように構成された電動式パワーステアリング装置である。この電動式パワーステアリング装置は、上端が操舵輪Aに繋がる入力軸10と、入力軸10にトーションバー3を介して同軸的に繋がる出力軸4と、入力軸10及び出力軸4の相対角変位によって入力軸10に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ5と、トルクセンサ5が検出したトルク等に基づいて駆動制御されるモータ2と、モータ2を駆動制御する制御器6と、制御器6で発生する熱を蓄熱する蓄熱体7と、蓄熱体7に接触して蓄熱体7の熱を外部へ放熱する放熱体8とを備えている。
【0016】
入力軸10は操舵手段1を構成するものであり、上側の操舵軸11と、上側の操舵軸11の下端にユニバーサルジョイント12を介して繋がる下側の操舵軸13とを有しており、下側の操舵軸13と出力軸4とがトーションバー3を介して連結されている。
【0017】
下側の操舵軸13、出力軸4及びトルクセンサ5は筒形ケース9内に支持されており、筒形ケース9の一方側にモータ2の筒形のハウジング21が取外し可能に取付けられている。このハウジング21は軸長方向一端が閉鎖され、軸長方向他端部に駆動軸を支持している。この駆動軸にウォーム30及びウォーム30に噛合するウォームホイール31からなる減速歯車機構を介して出力軸4の途中が繋がっており、モータ2の回転力を減速歯車機構及び出力軸4を介してラックピニオン式の舵取機構50へ伝動するようにしている。尚、前記減速歯車機構及び出力軸4がモータ2の回転力を舵取機構50に伝動する伝動手段を構成している。
【0018】
ラックピニオン式の舵取機構50は、出力軸4の下端に設けられたピニオン51と、ピニオン51に噛合するラック歯52を有し、車体の前部に左右方向に延設されたラック軸53とを備えている。
【0019】
制御器6は、マイクロプロセッサを用いてなる制御部61と、制御部61に接続され、トランジスタからなる電力用の半導体素子62及び半導体素子62が結合された回路基板63を有する駆動回路64と、制御部61及び回路基板64を収容する合成樹脂又は金属製のケース65とを備えている。このケース65の底の一部又は全部は開放されており、この開放部に蓄熱体7が結合されており、蓄熱体7のケース内となる一面に熱伝導性が良好なグリースからなる伝熱層を介して回路基板64が接合されている。制御部61の入力側にはトルクセンサ5、車速センサ、舵角センサ等が接続されており、駆動回路64にモータ2内のコイルが接続されている。
【0020】
蓄熱体7はアルミニウム等の大きな熱容量を得ることができる矩形の金属板からなり、蓄熱体7がケース65の底の一部又は全部を兼ねており、半導体素子62で発生する熱を回路基板63及びグリースからなる前記伝熱層を介して蓄熱体7へ速やかに伝熱するようにしてある。この蓄熱体7はケース65とモールドされるか、または、ケース65の成形用型内に蓄熱体7を配置した状態で型内に合成樹脂材料を充填するときにケースと一体的に結合するのであるが、その他、おねじ,接着剤等の結合手段で結合してもよい。また、この蓄熱体7はねじ等の取付手段によってハウジング21の周面に着脱可能に取付けられている。
【0021】
放熱体8は、銅等の熱伝導率が大きい金属からなる。この放熱体8は蓄熱体7の一辺7aに面接触する接触部81aを一面に有する矩形の板部81と、板部81の他面に並列に突設された複数のフイン82とを有しており、蓄熱体7の一辺7aから板部81へ熱伝導された熱をフイン82から放熱することができるようにしてある。また、放熱体8は板部81の接触部81aが蓄熱体7の一辺7aと接触する状態でハウジング21の軸長方向一端部に着脱可能に取付けられている。
【0022】
以上のように構成された電動式パワーステアリング装置は、車両の車庫入れ、幅寄せ等において行われる据え切り操舵時等、操舵輪Aに加わる操舵負荷が大きいとき、操舵開始時点から大きな操舵補助力を必要とし、制御器6の半導体素子62に供給される電流は急激に増大するため、半導体素子62の消費電力量は急激に増加し、半導体素子62は急激に発熱することになる。この熱は回路基板63から蓄熱体7に直接的に熱伝導され、蓄熱体7に一旦蓄熱することができるため、制御器6の温度上昇を良好に抑制することができる。
【0023】
蓄熱体7に蓄熱された熱は、据え切り操舵等が実行され、操舵補助の必要がなくなった後で操舵輪Aに加わる操舵負荷が小さくなったとき、蓄熱体7の一辺7aから放熱体8の板部81へ熱伝動され、さらに、板部81に連なるフイン82から外部へ放熱することができる。このように操舵補助時に蓄熱体7で一旦蓄熱した熱を非操舵補助時に放熱体8で放熱するため、モータ2の大型化に伴って制御器6が大型になる場合においても、放熱体8を大型にすることなく、制御器6で発生した熱を放熱することができる。
【0024】
また、モータ2には蓄熱体7を介して制御器6が保持され、さらに、放熱体8がモータ2に取付けられており、モータ2、制御器6、蓄熱体7及び放熱体8がユニットになっているため、モータ2とともに制御器6、蓄熱体7及び放熱体8を搭載することができ、車両への搭載性を向上できる。
【0025】
また、制御器6と別に蓄熱体7及び放熱体8を備えるため、電動式パワーステアリング装置のモータ側部分を車両のエンジンルーム内に搭載するとき、モータ2のハウジング21周りの空間に制御器6及び蓄熱体7を配置することができ、さらに、ハウジング21の軸長方向側の空間に放熱体8を配置することができる。
【0026】
実施の形態2
図4は本発明に係るステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の拡大斜視図である。
実施の形態2のステアリング装置は放熱体8をハウジング21の軸長方向一端部に取付ける代わりに、放熱体8をハウジング21の周面に着脱可能に取付けたものである。
【0027】
この実施の形態2にあっては、蓄熱体7及び放熱体8はハウジング21の周面に着脱可能に取付けてあるため、異なる車両のエンジンルーム内のレイアウトに対応することができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0028】
図5はステアリング装置に用いられる制御器の他の構成を示す模式的断面図である。図5に示す制御器6は、半導体素子62と、その一面に回路導体を介して半導体素子62が接合されたセラミックス製の基板65と、基板65の他面に接するヒートシンク66と、基板65をヒートシンク66に結合する複数本のおねじ67と、おねじ67の頭部と基板65の周縁側一面との間に介された合成樹脂製の押え枠68とを備えている。
【0029】
基板65の周縁部には複数の貫通孔65aが穿設されており、この貫通孔65aに符合するねじ孔66aがヒートシンク66の周縁部に穿設されており、さらに、貫通孔65aに符合する挿通孔68aが押え枠68の周縁部に穿設されている。貫通孔65aはおねじ67の外径寸法よりも僅かに大径に形成されており、この貫通孔65aとおねじ67との間の隙間によって基板65の熱膨張を吸収することができるようにしてある。
【0030】
押え枠68は、基板65との接触面で、挿通孔68aの周りに設けられたシリコーン系の可撓性を有する接着剤層69を介して基板65に結合されている。
ヒートシンク66は熱伝導率が高い銅、アルミニウム等のブロックからなり、ヒートシンク66の基板65と接触する接触面は周縁側に対して中央側が凸になっており、この凸部66bが基板65の他面に面接触し、高い放熱性が得られるようにしてある。また、ヒートシンク66の周縁側と基板65との間に生ずる隙間には、熱伝導性が比較的良好なグリースからなる放熱用の伝熱層70が設けられている。
【0031】
このように構成された制御器6において、基板65をヒートシンク66に結合する場合、基板65の周縁側一面に結合された押え枠68の挿通孔68aから基板65の貫通孔65aへおねじ67を挿入し、おねじ67をヒートシンク66のねじ孔66aに締め込むことにより、基板65をヒートシンク66に結合することができる。この場合、おねじ67は押え枠68及び接着剤層69を介して基板65をヒートシンク66に弾性的に押付けるため、おねじ67による締込み応力を押え枠68及び接着剤層69で緩和することができ、セラミックス製の基板65の冷熱衝撃耐久性を確保することができ、基板65の割れを防ぐことができる。
尚、図5において、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0032】
図6は図5で示す制御器の変形例を示す模式的断面図である。図6に示す制御器6は、前記基板65の前記貫通孔65aをなくし、前記押え枠68を前記ヒートシンク66の周縁部に結合することにより前記基板65を前記ヒートシンク66に押し付けて結合するようにしたものである。
【0033】
押え枠68は外周縁と内周縁との間に基板65の周縁部が嵌め込まれる環状の押付凹部68bを有しており、押付凹部68bと前記外周縁との間に挿通孔68aが穿設されている。
また、基板65の周縁と押付凹部68bとの間には基板65の熱膨張を吸収するための隙間が設けられている。
【0034】
このように構成された制御器6にあっては、押え枠68の外周縁部とヒートシンク66との間、及び押付凹部68bと基板65の周縁部一面との間に可撓性を有する接着剤層69,69を夫々介在させ、挿通孔68aに挿入したおねじ67をねじ孔66aに締め込むことにより、接着剤層69,69の夫々を撓ませ、押え枠68及び基板65をヒートシンク66に弾性的に結合することができる。この場合、おねじ67は接着剤層69を介して押え枠68をヒートシンク66に弾性的に押付けるとともに、押え枠68及び接着剤層69を介して基板65をヒートシンク66に弾性的に押付けるため、おねじ67による締込み応力を押え枠68及び接着剤層69で緩和することができ、セラミックス製の基板65の冷熱衝撃耐久性を確保することができ、基板65の割れを防ぐことができる。
尚、図6において、その他の構成及び作用は図5の形態と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0035】
図7は制御器のさらに他の例を示す模式的断面図である。図7に示す制御器6は、金属又はセラミックス製の基板71a及び基板71aの一面に絶縁層を介して積層された回路71bを有する3層構造の回路基板71の回路に、半導体素子62、及びモータ2が有するコイルのリアクタンスによる高周波電圧を吸収するコンデンサ72を結合したものである。コンデンサ72は回路71bにリフロー半田付けによって結合されている。また、回路基板71における回路71bの配線部に入力電極73及び出力電極74が設けられている。
【0036】
このように構成された制御器6にあっては、1つの回路基板71に半導体素子62及びコンデンサ72が結合されているため、半導体素子62が結合されている回路基板と、コンデンサが結合されている回路基板とを銅板製のバスバーによって接続されている既知の制御器に比べて制御器6の全体を小型にできるとともに、制御器6の組立て作業性を向上できる。
【0037】
また、本発明に係るステアリング装置は、実施の形態1で説明した電動式パワーステアリング装置である他、操舵輪Aに繋がる操舵軸を有する操舵手段が舵取機構に機械的に連結されていないステアバイワイヤ式のステアリング装置であってもよい。このステアバイワイヤ式のステアリング装置は、操舵手段を舵取機構から切り離して配し、舵取機構が有するラック軸等の舵取軸へ動力を伝動、又は、ラック軸のラック歯と噛合するピニオンへ動力を伝動する操舵アクチュエータとしてのモータを設け、操舵手段の操舵に応じて前記制御器がモータを駆動制御する構成となっている。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように第1発明によれば、操舵に基づいて制御器で急激に発熱した熱を蓄熱体で一旦蓄熱することができ、制御器での発熱が終わった後で、この蓄熱体が蓄熱した熱を、蓄熱体に接触する放熱体から外部へ放熱することができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、放熱体を大型にすることなく、制御器で発生した熱を放熱することができる。しかも、蓄熱体及び放熱体の位置関係とか、制御器及び蓄熱体と放熱体との位置関係とかを車種に応じて変えることができるため、モータの大型化に伴って制御器が大型になる場合においても、制御器をエンジンルーム内の適宜のスペースに搭載することができる。
【0039】
第2発明によれば、モータ、制御器、蓄熱体及び放熱体をユニットにでき、モータとともに制御器、蓄熱体及び放熱体を搭載することができ、車両への搭載性を向上できる。
【0040】
第3発明によれば、モータのハウジング周りの空間に制御器及び蓄熱体を配置することができ、しかも、前記ハウジングの軸長方向側の空間に放熱体を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の実施の形態1の構成を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明に係るステアリング装置の要部の拡大斜視図である。
【図3】本発明に係るステアリング装置の一部を省略した拡大断面図である。
【図4】本発明に係るステアリング装置の実施の形態2の構成を示す要部の拡大斜視図である。
【図5】本発明に係るステアリング装置に用いられる制御器の他の構成を示す模式的断面図である。
【図6】図5で示す制御器の変形例を示す模式的断面図である。
【図7】本発明に係るステアリング装置に用いられる制御器のさらに他の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 操舵手段
2 モータ
21 ハウジング
4 出力軸(伝動手段)
6 制御器
7 蓄熱体
8 放熱体
81a接触部
Claims (3)
- モータと、該モータを操舵手段の操舵に応じて駆動制御する制御器と、前記モータの回転力を舵取機構に伝動する伝動手段とを備えたステアリング装置において、前記制御器で発生する熱を蓄熱する蓄熱体と、該蓄熱体に接触する接触部を有し、前記蓄熱体の熱を外部へ放熱する放熱体とを備えることを特徴とするステアリング装置。
- 前記制御器は前記蓄熱体を介して前記モータに保持されている請求項1記載のステアリング装置。
- 前記モータは筒形のハウジングを有しており、前記蓄熱体は前記ハウジングの周面に配置されており、前記放熱体は前記ハウジングの軸長方向一端部に配置されている請求項2記載のステアリング装置。
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JP2009190476A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Jtekt Corp | 車両用操舵装置 |
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