JP2004009824A - ワイパー装置およびこれを備えた車両 - Google Patents

ワイパー装置およびこれを備えた車両 Download PDF

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Toshiaki Nagao
長尾 敏明
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Abstract

【課題】列車の運転者の前方の視界を広げる。
【解決手段】ワイパー装置40において、互いに長さの異なるメインアーム43およびサブアーム44を用いるとともに、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔を、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くする。これにより、ブレード46は、その傾きを変更しながら移動するようになる。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓面に付着する水滴などを払拭するためのワイパー装置およびこれを備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
列車の先頭部に設けられた運転室の前面の窓ガラス近傍には、それに付着した水滴および埃を払拭するためのワイパー装置が設けられているのが一般的である。そして、かかるワイパー装置としては、それぞれ同じ長さを有し且つ平行に配置されたメインアームおよびサブアームを含む二軸平行式のものが用いられることが多い。また、窓ガラスが比較的大きい場合には、2つのワイパー装置が左右に対をなすように設けられることがある。
【0003】
例えば、図9に示される列車101には、列車101の進行方向に向かってほぼ凸面から構成される3次元形状(R形状)のガラス面を有する窓ガラス120の下方において、窓ガラス120の幅方向中心位置に対して対称となるように配置された一対のワイパー装置140、150が備えられている。ここで、ワイパー装置140は、図10に示すように、支持部140aに設けられた第1回転軸141を支点として回動可能であるメインアーム143と、支持部140aに設けられた第2回転軸142を支点として回動可能であるサブアーム144と、メインアーム143と第1連結部147において互いに回動可能に連結されるとともに、サブアーム144と第2連結部148において互いに回動可能に連結される連結部材145と、窓ガラス120のガラス面を払拭可能なブレード146とを有している。
【0004】
ワイパー装置140では、メインアーム143と第1回転軸141とが互いに回動不可能に連結されており、第1回転軸141が駆動モータ(図示しない)により回動駆動されることによって、メインアーム143が第1回転軸141を支点として所定角度の範囲において往復するようになっている。このとき、メインアーム143の移動に伴って、サブアーム144および連結部材145とともに、ブレード146が窓ガラス120のガラス面に押圧されつつ往復動することによって、窓ガラス120のガラス面上におけるブレード146の窓ガラス120の幅方向中央部近傍の折り返し位置(図9では破線で示されている)と、窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置(図9では実線で示されている)との間の略円弧状の領域(以下、払拭可能領域と称し、図9では二点鎖線で示されている)が払拭される。なお、ワイパー装置140では、ブレード146はその長さ方向と窓ガラス120の縦方向とが常に一致するように維持されるため、払拭可能領域の上端部長さと下端部長さとが同じ長さになる。
【0005】
また、ワイパー装置140においては、メインアーム143およびサブアーム144のそれぞれの長さが同じであるとともに、第1回転軸141と第2回転軸142との間の間隔と、第1連結部147と第2連結部148との間の間隔が同じになっている。従って、第1回転軸141と第2回転軸142とを結ぶ線、第1回転軸141と第1連結部147とを結ぶ線、第2回転軸142と第2連結部148とを結ぶ線および第1連結部147と第2連結部148とを結ぶ線で囲まれる領域は、常に平行四辺形に維持される。なお、ワイパー装置150の構成はワイパー装置140と同様であって、その動作はワイパー装置140と左右対称となる。
【0006】
ここで、ワイパー装置140、150では、ブレード146、156によって3次元形状を有する窓ガラス120のガラス面を払拭するため、ブレード146、156が窓ガラス120の中央部近傍から幅方向端部近傍に移動するにつれて、窓ガラス120のガラス面に沿って、列車101の進行方向後方に向かって傾くようになっている。従って、ブレード146、156が窓ガラス120の幅方向端部近傍に配置された場合でも、窓ガラス120のガラス面に押圧されやすくなる。
【0007】
そして、ワイパー装置140、150が使用されない場合には、運転者の列車101の前方の視界を出来るだけ妨げないように、ブレード146、156がいずれも窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置に配置された状態で停止させられるのが一般的である。なお、列車101の運転者にとっては、窓ガラス120からの視界は出来る限り広い方が好ましく、特に、窓ガラス120の縦方向中央部近傍からの視界(図9の払拭可能領域の上端部近傍からの視界)が広くなる方がより好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレード146、156が窓ガラス120の幅方向端部に隣接する領域に対しては適正に押圧されなくなる。従って、上述のブレード146、156の窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置は、ブレード146、156が窓ガラス120のガラス面を押圧可能であって、窓ガラス120の幅方向端部に出来る限り近接するような位置に設定されるのが一般的である。その結果、ブレード146、156は、窓ガラス120の幅方向中央部近傍の所定範囲しか払拭することができなくなって、ブレード146、156による払拭可能範囲の大きさが規制されてしまう。
【0009】
また、ワイパー装置140、150では、ブレード146、156が常にその長さ方向と窓ガラス120の縦方向とが一致するように維持されつつ移動するので、ワイパー装置140、150が使用されない場合に、ブレード146、156が窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置で停止させられると、ブレード146、156の上端部近傍が、運転者の窓ガラス120の縦方向中央部近傍からの視界の妨げになることがある。特に、列車101の運転者が、運転室からレール脇に設けられた信号などを確認する場合には、窓ガラス120の幅方向端部近傍で停止しているブレード146、156(特にその上端部近傍)が窓ガラス120の縦方向中央部近傍からの視界の妨げとなり易く、信号などの確認を容易に行うことができないという問題が生じる。
【0010】
また、窓ガラス120のガラス面が比較的小さく、その下端部がその上端部よりも短い場合には、ブレード146、156が窓ガラス120の幅方向中心部近傍からその幅方向端部近傍に向かって移動する場合に、ブレード146、156の下端部近傍が車体110(詳しくは車体110の窓ガラス120の外縁部に当接する部分)に接触することによって、ブレード146、156の払拭可能範囲の大きさが規制される。そのため、ブレード146、156の下端部近傍が車体110に接触する位置が、必然的にブレード146、156の窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置となる。従って、この場合には、窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置の外側の領域が払拭されなくなる。
【0011】
さらに、ワイパー装置140、150が使用されない場合に、ブレード146、156が窓ガラス120の幅方向端部近傍の折り返し位置で停止させられると、ブレード146、156の下端部近傍は車体110にほとんど接触しているので運転者の前方の視界の妨げにはならないが、ブレード146、156の上端部近傍は車体110から離れているので運転者の前方の視界の妨げになり易い。また、ブレード146、156が、窓ガラス120の幅方向端部近傍において、その長さ方向と窓ガラス120の縦方向とが一致し且つ車体110から離れた状態で停止させられている場合には、列車101のデザイン的にも好ましくない。
【0012】
そこで、本発明の主な目的は、運転者の前方の視界を広げることができるワイパー装置およびこれを備えた車両を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のワイパー装置は、第1の回転軸を支点として回動可能であるメインアームと、第2の回転軸を支点として回動可能であるサブアームと、前記メインアームと第1の連結部において互いに回動可能に連結されるとともに、前記サブアームと第2の連結部において互いに回動可能に連結される連結部材と、前記連結部材に支持されたブレードとを備えており、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを結ぶ線、前記第1の回転軸と前記第1の連結部とを結ぶ線、前記第2の回転軸と前記第2の連結部とを結ぶ線および前記第1の連結部と前記第2の連結部とを結ぶ線で囲まれる領域が平行四辺形にならないように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1によると、ブレードが、その長さ方向と払拭面の縦方向との間で形成される角度が一定に維持されつつ移動するのではなく、その長さ方向と払拭面の縦方向との間で形成される角度を変更しつつ移動することができる。従って、ブレードの傾きを適正に変更させながら移動させることによって、例えば払拭面上におけるブレードによる払拭可能範囲の形状を適宜変更することができる。その結果、払拭面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって払拭することが可能となる。また、例えば払拭面の形状などに合わせて、ブレードによる払拭可能範囲の形状を適宜変更することによって、さまざまな形状の払拭面において、それらの端部近傍までブレードによって払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置により払拭された払拭面からの前方の視界を広げることができる。
【0015】
なお、請求項1においては、例えば第1の回転軸とメインアームとが互いに回動不可能に連結され且つ第2の回転軸とサブアームとが互いに回動可能に連結されており、第1の回転軸が回動駆動されることによって、メインアームが第1の回転軸を支点として回動するとともに、サブアームが固定された第2の回転軸を支点として回動する場合、第2の回転軸とサブアームとが互いに回動不可能に連結され且つ第1の回転軸とメインアームとが互いに回動可能に連結されており、第2の回転軸が回動駆動されることによって、サブアームが第2の回転軸を支点として回動するとともに、メインアームが固定された第1の回転軸を支点として回動する場合を含んでいる。
【0016】
また、請求項2のワイパー装置は、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸が、払拭面の下端部近傍に配置されており、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間の間隔が、前記第1の連結部と前記第2の連結部との間の間隔よりも狭くなっていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2によると、ブレードによる払拭可能範囲が、ブレードの長さとほぼ同じ幅を有する略円弧状となって、払拭可能範囲の上端部長さ(外周部長さ)が下端部長さ(内周部長さ)よりも長くなる。従って、例えばブレードがその長さ方向と払拭面の縦方向とが常に一致しつつ移動する場合と比較して、ブレードの上端部近傍による払拭可能範囲が広くなる。従って、当該ワイパー装置が設けられた払拭面における払拭可能範囲の上端部近傍からの前方の視界が広くなる。
【0018】
また、請求項3の車両は、請求項1または2に記載のワイパー装置を備えたものである。
【0019】
請求項3によると、車両の窓面近傍に設けられたワイパー装置において、窓面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって払拭することが可能となる。また、さまざまな形状の窓面において、それらの端部近傍までブレードによって払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置が設けられた車両の窓面からの前方の視界を広げることができる。
【0020】
また、ブレードの傾きを変更させながら移動させることによって、ブレード全体が窓面の外縁に当接する車体に沿うように停止させることが可能となる。従って、ワイパー装置が使用されない場合に、窓面の端部近傍に停止させられたブレードによって運転者の前方の視界が妨げられることがほとんどない。これにより、当該ワイパー装置が備えられた車両の運転者が、運転室からレール脇に設けられた信号などを確認する場合に、ブレードが運転者の前方の視界の妨げとなって、信号などの確認が容易に行うことができないという問題がほとんど生じない。また、ブレードが窓面の外縁に当接する車体に沿うように停止させられる場合には、ブレードが窓面の外縁に当接する車体から離れて停止させられる場合よりも、車両のデザインを向上させることができる。
【0021】
また、請求項4の車両は、2つの前記ワイパー装置が、それぞれの前記第1の回転軸および前記第2の回転軸が払拭面の下端部近傍に配置されるとともに、左右に対をなすように設けられており、一対の前記ワイパー装置のそれぞれの前記ブレードは、他方の前記ワイパー装置と近接する側でその長さ方向と払拭面の縦方向とが一致するとともに、他方の前記ワイパー装置と近接しない側で、それらの上端部同士の間の間隔がそれらの下端部同士の間の間隔よりも広くなるように移動させられることを特徴とするものである。
【0022】
請求項4によると、例えば車両の比較的大きな払拭面である窓面に対しても、窓面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって迅速に払拭することができる。また、ブレードの傾きを変更させながら移動させることによって、ブレードによって窓面の端部近傍まで迅速に払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置が設けられた車両の窓面からの前方の視界を効率よく確保することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係るワイパー装置を備えた列車の前面図である。図2は、図1の列車の運転室近傍の側面図である。
【0024】
図1に示される列車1は、車体10と、車体10の先頭部に配置された運転室の前面に設けられた窓ガラス20と、2つのワイパー装置40、50とを備えている。
【0025】
車体10の先頭部は、図2に示すように、流線形状を有しており、その内部には運転室が設けられている。そして、車体10の前面部(運転室の前面部)には、運転者の運転室内からの列車1の前方の視界が確保されるように、窓ガラス20が配置されている。ここで、窓ガラス20は、1枚ガラスであって、列車1の進行方向に向かってほぼ凸面から構成される3次元形状(R形状)であるガラス面を有している。また、窓ガラス20は、その外縁部が車体10に当接することによって保持されており、両者の間は密封されている。
【0026】
2つのワイパー装置40、50は、列車1の幅方向中心位置に対して対称となる対をなすように配置されている。また、ワイパー装置40、50は、いずれも車体10の窓ガラス20の下方に設けられた支持部40a、50aにおいて、回動可能に支持されている。なお、本実施の形態では、ワイパー装置40が、列車1の運転室の右側に配置されており、ワイパー装置50が、列車1の運転室の左側に配置されている。
【0027】
従って、ワイパー装置40は、支持部40aの回りを回動することによって、窓ガラス20のほぼ右半分の領域を払拭することが可能であって、ワイパー装置50は、支持部50aの回りを回動することによって、窓ガラス20のほぼ左半分の領域を払拭することが可能である。つまり、ワイパー装置40は、運転者の列車1の前方の進行方向左側の前方の視界を確保するために利用され、ワイパー装置50は、運転者の列車1の前方の進行方向右側の前方の視界を確保するために利用される。
【0028】
なお、本実施の形態では、窓ガラス20のガラス面において、運転者の運転室内からの列車1の前方の視界が十分に確保できるようになる領域、つまり、窓ガラス20の縦方向中央部近傍の所定幅を有する領域だけが、ワイパー装置40、50によって部分的に払拭されるが、ワイパー装置40、50によって払拭される範囲(以下、払拭可能領域と称し、図1では二点鎖線で示されている)は任意に変更することができる。
【0029】
次に、本実施の形態に係るワイパー装置40、50の詳細な構造について、図3〜図5に基づいて説明する。図3は、図1に示すワイパー装置の概略構成を示す図である。図4は、ワイパー装置の支持部近傍の拡大図である。図5は、メインアーム、サブアームおよび連結部材が連結される様子を描いた図である。図6は、ブレードの概略構成を示す図である。
【0030】
ワイパー装置40は、上述したように支持部40aにおいて車体10に支持されている。ワイパー装置40は、図3に示すように、支持部40aに設けられた第1回転軸41を支点として回動可能であるメインアーム43と、支持部40aに設けられた第2回転軸42を支点として回動可能であるサブアーム44と、メインアーム43と第1連結部47において互いに回動可能に連結されるとともに、サブアーム44と第2連結部48において互いに回動可能に連結される連結部材45と、窓ガラス20のガラス面を払拭可能なブレード46とを有している。
【0031】
従って、その一端部が第1回転軸41に連結されたメインアーム43と、その一端部が第2回転軸42に連結されたサブアーム44とが、それぞれの他端部において連結部材45を介して連結されている。なお、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さは互いに異なっている。また、連結部材45には、ブレード46が連結されている。従って、後述するように、メインアーム43が回動駆動されると、連結部材45を介して連結されたサブアーム44およびブレード46も、メインアーム43に伴って回動するようになっている。
【0032】
なお、支持部40aにおいては、第1回転軸41と第2回転軸42とは所定間隔だけ離隔するとともに、第1回転軸41と第2回転軸42と結ぶ線が窓ガラス20の下端部の線と平行になるように(ほぼ水平になるように)配置されている。
【0033】
メインアーム43は、図4に示すように、回転アーム43aと、可動アーム43bとを有している。そして、回転アーム43aの一端部に形成された貫通孔(図示しない)には、略円柱状の第1回転軸41が嵌設されている。つまり、メインアーム43と第1回転軸41とは互いに回動不可能に連結されている。また、第1回転軸41は、ワイパー装置40の駆動モータ(図示しない)に連結されている。従って、第1回転軸41が駆動モータにより駆動されると、回転アーム43a、つまり、メインアーム43は、第1回転軸41と一体となって回動駆動される。
【0034】
ここで、メインアーム43の回転アーム43aと可動アーム43bとの間には、連結軸43cが配置されている。従って、可動アーム43bは、メインアーム43および第1回転軸41を含む平面上において、連結軸43cを支点として回動可能になっている。
【0035】
そして、メインアーム43の可動アーム43bの裏面側の連結軸43c近傍には、バネなどを含む折り曲げ機構(図示しない)が設けられている。従って、可動アーム43bは、その先端部近傍に連結されたブレード46が窓ガラス20のガラス面に押圧される位置(回転アーム43aの長さ方向と可動アーム43bの長さ方向とがほぼ一致する位置)およびブレード46が窓ガラス20から離隔した位置(回転アーム43aの長さ方向と可動アーム43bの長さ方向とが所定角度で交差する位置)のいずれかを選択的に取り得ることができるようになっている。
【0036】
サブアーム44は、回転アーム44aと、可動アーム44bとを有している。そして、回転アーム44aの一端部に形成された貫通孔(図示しない)には、略円柱状の第2回転軸42が嵌挿されている。つまり、サブアーム44と第2回転軸42とは互いに回動可能に連結されている。また、第2回転軸42は、支持部40aに固定されている。従って、可動アーム44bは、第2回転軸42を支点として回動することができる。
【0037】
ここで、サブアーム44の回転アーム44aと可動アーム44bとの間には、連結軸44cが配置されている。従って、可動アーム44bは、サブアーム44および第2回転軸42を含む平面上において、連結軸44cを支点として回動可能になっている。
【0038】
従って、サブアーム44についても、メインアーム43と同様に、可動アーム44bは、その先端部近傍に連結されたブレード46が窓ガラス20のガラス面に押圧される位置(回転アーム44aの長さ方向と可動アーム44bの長さ方向とがほぼ一致する位置)およびブレード46が窓ガラス20から離隔した位置(回転アーム44aの長さ方向と可動アーム44bの長さ方向とが所定角度で交差する位置)との間で移動可能になっている。なお、メインアーム43の可動アーム43bとサブアーム44の可動アーム44bとは、上述したように、連結部材45によって連結されているため、両者は、ブレード46が窓ガラス20のガラス面に押圧される位置およびブレード46が窓ガラス20から離隔した位置のいずれかの同じ位置に配置されることになる。
【0039】
なお、ワイパー装置40の使用時および不使用時に拘わらず、可動アーム43b、44bは、ブレード46が窓ガラス20のガラス面に押圧される位置に配置されるのが一般的であって、ブレード46が窓ガラス20から離隔した位置に配置されるのは、例えば窓ガラス20或いはワイパー装置40の清掃時などである。
【0040】
また、連結部材45は、板状の部材であって、メインアーム43とサブアーム44とを連結するとともに、ブレード46を支持することができる。ここで、連結部材45の両端部近傍には、突起部47a、48aがそれぞれ設けられている。なお、突起部47aは、連結部材45のメインアーム43側の端部に設けられており、突起部48aは、連結部材45のサブアーム44側の端部に設けられている。一方、メインアーム43およびサブアーム44の先端部(支持部40aと反対側の端部)には、開口を有する開口部47b、48bがそれぞれ設けられている。
【0041】
連結部材45の突起部47a、48aは、メインアーム43の開口部47bおよびサブアーム44の開口部48bの開口よりもそれぞれ若干小さい径の略円柱形状を有している。ここで、連結部材45の突起部47a、48aは、メインアーム43の開口部48bまたはサブアーム44の開口部48bにそれぞれ嵌挿された後、それらの先端部が拡径されている。従って、連結部材45の突起部47a、48aが、メインアーム43の開口部47bまたはサブアーム44の開口部48bから抜け出ることがない。
【0042】
このようにして、連結部材45の突起部47aおよびメインアーム43の開口部47b、若しくは、連結部材45の突起部48aおよびサブアーム44の開口部48bとは、互いに回動可能に連結されている。ここで、本実施の形態では、突起部47aおよび開口部47bによって第1連結部47が構成され、突起部48aおよび開口部48bによって第2連結部48が構成されている。従って、第1連結部47と第2連結部48とは所定間隔だけ離隔するように配置されていることになる。
【0043】
なお、本実施の形態では、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔は、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くなっている(図3参照)。
【0044】
また、連結部材45の第1連結部47と反対側の面には、ブレード46が固設されている。つまり、連結部材45とブレード46とは、両者の間に形成される角度は変化することなく、一体となって移動する。ブレード46は、図6に示すように、例えばゴムなどの弾性体で形成された長尺の払拭部46aと、多数のフレーム46bと、取り付け部46cと、取り付けピン46dとを有している。
【0045】
払拭部46aは、窓ガラス20においてほぼ上下方向に伸延するように配置されるものであって、窓ガラス20のガラス面上に付着した水滴および埃などを払拭することができる。取り付け部46cは、上述したように、連結部材45の裏面に対してブレード46を取り付けるためのものであり、連結部材45に固設される。なお、取り付け部46cは、払拭部46aの長手方向中心位置近傍に対応するように配置されている。
【0046】
多数のフレーム46bは、払拭部46aを支持するためのものであって、取り付けピン46dを介して、取り付け部46cに連結されている。ここで、払拭部46aおよび多数のフレーム46bは、取り付けピン46dを支点として回動することができる。なお、本実施の形態では、多数のフレーム46bには、互いに長さの異なる略弓型形状の複数種類のフレームが含まれているとともに、隣接するフレーム間には適宜バネ(図示しない)が配置されている。従って、ブレード46の払拭部46aが、窓ガラス20のガラス面上に適正に押圧されるようになる。
【0047】
ここで、ワイパー装置40においては、上述したように、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さは互いに異なっているとともに、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔は、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くなっている。従って、第1回転軸41と第2回転軸42とを結ぶ線、第1回転軸41と第1連結部47とを結ぶ線、第2回転軸42と第2連結部48とを結ぶ線および第1連結部47と第2連結部48とを結ぶ線で囲まれる領域は、平行四辺形にはならない。
【0048】
また、ワイパー装置50は、ワイパー装置40と同様に、支持部50aに設けられた第1回転軸51を支点として回動可能であるメインアーム53と、支持部50aに設けられた第2回転軸52を支点として回動可能であるサブアーム54と、メインアーム53と第1連結部57において互いに回動可能に連結されるとともに、サブアーム54と第2連結部58において互いに回動可能に連結される連結部材55と、窓ガラス20のガラス面を払拭可能なブレード56とを有している。なお、ワイパー装置50の構造は、左右対称であることを除いては、ワイパー装置40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
ここで、ワイパー装置50においても、メインアーム53およびサブアーム54のそれぞれの長さは互いに異なっているとともに、第1回転軸51と第2回転軸52との間の間隔は、第1連結部57と第2連結部58との間の間隔よりも狭くなっている。従って、第1回転軸51と第2回転軸52とを結ぶ線、第1回転軸51と第1連結部57とを結ぶ線、第2回転軸52と第2連結部58とを結ぶ線および第1連結部57と第2連結部58とを結ぶ線で囲まれる領域は、平行四辺形にはならない。
【0050】
次に、本実施の形態に係るワイパー装置40、50の動作について説明する。図7は、ワイパー装置の動作を説明するための図である。
【0051】
ワイパー装置40、50では、駆動モータに連結された第1回転軸41、51が回動駆動されることによって、メインアーム43、53が、それぞれ第1回転軸41、51を支点として所定角度の範囲において往復するように回動駆動される。また、メインアーム43、53が回動駆動される所定角度の範囲は、ブレード46、56の窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置(図1では破線で示されている)と、ブレード46、56の窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置(図1で実線で示されている)とによって設定される。
【0052】
ここで、ブレード46、56の窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置は、窓ガラス20の幅方向中央部近傍において、ブレード46、56の長さ方向と窓ガラス20の縦方向とが一致して、互いに平行に配置されるように設定される。なお、ブレード46の窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置と、ブレード56の窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置とは、隙間なく隣接している。従って、ブレード46による払拭可能領域とブレード56による払拭可能領域とは重ならないが、両者の間において払拭されない領域が生じることはない。
【0053】
なお、本実施の形態では、ブレード46、56のそれぞれの窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置が隙間なく隣接しており、ブレード46による払拭可能領域とブレード56による払拭可能領域とが重ならない場合について図示しているが、これに限らず、ブレード46による払拭可能領域とブレード56による払拭可能領域とが窓ガラス20の幅方向中央部近傍において重なるように、ブレード46、56の窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置が設定されてもよい。
【0054】
一方、ブレード46、56の窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置は、ブレード46、56によって3次元形状を有する窓ガラス20のガラス面を払拭する場合に、ブレード46、56が窓ガラス20のガラス面を押圧可能であって、窓ガラス20の幅方向端部に出来る限り近接するような位置に設定される。
【0055】
ここで、ワイパー装置40、50が使用される場合には、図7(a)に示すように、ブレード46、56のいずれもが窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置で停止している状態(図1で実線で示される状態)から、まずワイパー装置40の第1回転軸41だけが反時計回りに回動駆動されることによって、ブレード46が窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置に向かって移動し始める。
【0056】
そして、ブレード46が窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置まで移動すると、図7(b)に示すように、ブレード46、56は、いずれもそれぞれの払拭可能範囲の左端部に配置されることになる。すると、ワイパー装置40の第1回転軸41の駆動方向が時計回りに切り換わるとともに、ワイパー装置50の第1回転軸51も、時計回りに回動駆動されるようになって、ブレード46、56は、いずれもそれぞれの払拭可能範囲の右端部に向かって移動し始める。
【0057】
このとき、図7(c)に示すように、ブレード46は、窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置において、その長さ方向と窓ガラス20の縦方向とが一致する状態から、その長さ方向と窓ガラス20の縦方向との間で形成される角度が大きくなるように、その上端部近傍が次第に窓ガラス20の幅方向外側に傾きつつ移動する。
【0058】
一方、ブレード56は、窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置において、その上端部近傍が窓ガラス20の幅方向外側に傾いた状態から、その長さ方向と窓ガラス20の縦方向との間で形成される角度が小さくなるように、その上端部近傍が次第に窓ガラス20の幅方向内側に傾きつつ移動する。
【0059】
そして、ブレード46、56が、いずれもそれぞれの払拭可能範囲の右端部に到達すると、図7(d)に示すように、ブレード46が、窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置において、その上端部近傍が窓ガラス20の幅方向外側に傾いた状態に配置されるとともに、ブレード56が、窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置において、その長さ方向と窓ガラス20の縦方向とが一致するように配置される。
【0060】
このように、ブレード46、56が、それぞれの払拭可能範囲の左端部から右端部に向かって移動する場合には、その傾きを変更しつつ移動することができる。
【0061】
この後、ワイパー装置40、50の第1回転軸41、51の駆動方向が、反時計回りに切り換えられることによって、ブレード46、56が、それぞれの払拭可能範囲の右端部から左端部に向かって移動するようになる。ここで、ブレード46、56が、それぞれの払拭可能範囲の右端部から左端部に向かって移動する場合にも、それぞれの払拭可能範囲の左端部から右端部に向かって移動する場合と同様に、その傾きを変更しつつ移動することができる。なお、このときのブレード46、56の動作は、図7(d)→図7(c)→図7(b)と同様になる。
【0062】
上述のようにして、この後、ワイパー装置40、50の第1回転軸41、51の駆動方向が、時計回りおよび反時計回りに交互に切り換えられることによって、ブレード46、56は、それぞれの払拭可能範囲において互いに同じ方向に往復移動し、窓ガラス20のガラス面を払拭することができる。
【0063】
なお、ワイパー装置40、50が再度使用されなくなると、ブレード46、56は、図7(a)に示すように、ブレード46、56のいずれもが窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置で停止している状態に配置される。
【0064】
以上のように、本実施の形態に係るワイパー装置40、50を備えた列車1では、窓ガラス20のガラス面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍、窓ガラス20の縦方向中央部近傍をより広範囲にわたって払拭することが可能となる。これにより、当該ワイパー装置が設けられた列車1の窓ガラス20の縦方向中央部近傍からの前方の視界を広げることができる。
【0065】
また、ワイパー装置40では、第1回転軸41および第2回転軸42が、窓ガラス20の下方に配置されており、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔が、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くなっているため、ブレード46による払拭可能範囲が、ブレード46の長さとほぼ同じ幅を有する略円弧状となって、払拭可能範囲の上端部長さがその下端部長さよりも長くなる。従って、例えばブレードがその長さ方向と窓ガラスの縦方向とが常に一致しつつ移動する場合と比較して、ブレード46の上端部近傍によって払拭される範囲が大きくなる。従って、ワイパー装置40が設けられた窓ガラス20の縦方向中央部近傍からの前方の視界が広くなる。これは、ワイパー装置50についても同様である。
【0066】
また、2つのワイパー装置40、50が、それぞれの第1回転軸41、51および第2回転軸42、52が窓ガラス20の下方に配置されるとともに、左右に対をなすように設けられており、それぞれのブレード46、56は、他方と近接する側でその長さ方向と窓ガラス20の縦方向とが一致するとともに、他方と近接しない側で、それらの上端部同士の間の間隔がそれらの下端部同士の間の間隔よりも広くなるように移動させられる。従って、列車1の比較的大きな窓ガラス20のガラス面に対しても、ガラス面上において最も払拭されることが好ましい領域である窓ガラス20の縦方向中央部近傍の領域をより広範囲にわたって迅速に払拭することができる。これにより、列車1の窓面からの前方の視界を効率よく確保することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、ワイパー装置40が、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さが互いに異なっているとともに、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔が、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くなっている場合について説明しているが、これに限らず、ワイパー装置40の構成は、第1回転軸41と第2回転軸42とを結ぶ線、第1回転軸41と第1連結部47とを結ぶ線、第2回転軸42と第2連結部48とを結ぶ線および第1連結部47と第2連結部48とを結ぶ線で囲まれる領域が平行四辺形にならない範囲で、任意に変更することができる。なお、ワイパー装置50についても同様である。
【0068】
従って、例えば、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さが同じであるとともに、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔が、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも狭くなっていてもよい。また、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔が、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔と同じであるとともに、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さが互いに異なっていてもよい。
【0069】
さらに、メインアーム43およびサブアーム44のそれぞれの長さが互いに異なっているとともに、第1回転軸41と第2回転軸42との間の間隔が、第1連結部47と第2連結部48との間の間隔よりも広くなっていてもよい。但し、この場合には、ブレード46による払拭可能範囲が、ブレード46の長さとほぼ同じ幅を有する略円弧状となって、払拭可能範囲の上端部長さが払拭可能範囲の下端部長さよりも短くなる。従って、これは、例えば上端部長さよりも下端部長さの方が短い窓ガラスを払拭する場合に用いて好ましい。
【0070】
また、上述の実施の形態では、3次元形状を有する窓ガラス20のガラス面が比較的大きく、その幅方向中央部近傍の領域だけが払拭される場合について説明しているが、これに限らず、例えば平板状の窓ガラスのガラス面が比較的小さく、その幅方向全体にわたって払拭される場合であっても本発明を適用することができる。従って、図8に示すように、列車1aの車体10aに対して、平板状であって、その下端部がその上端部よりも短い窓ガラス20aが配置されている場合には、ブレード46、56の窓ガラス20aの幅方向端部近傍の折り返し位置を、窓ガラス20aのガラス面の外縁に当接する車体10aに沿うように設定することが可能となる。
【0071】
従って、この場合には、窓ガラス20aのガラス面の形状に合わせて、ブレード46、56による払拭可能範囲の形状を適宜変更することによって、窓ガラス20aのガラス面の端部近傍までブレード46、56によって払拭することができるようになる。これにより、列車1の窓ガラス20からの前方の視界が広くなる。
【0072】
また、ブレード46、56の傾きを変更させながら移動させることによって、ブレード46、56全体が窓ガラス20aのガラス面の外縁に当接する車体10aに沿うように停止させることが可能となるため、ワイパー装置40、50が使用されない場合に、窓ガラス20aの端部近傍に停止させられたブレード46、56によって運転者の前方の視界が妨げられることがほとんどない。これにより、当該ワイパー装置40、50が備えられた列車1aの運転者が、運転室からレール脇に設けられた信号などを確認する場合に、ブレード46、56が運転者の前方の視界の妨げとなって、信号などの確認が容易に行うことができないという問題がほとんど生じない。また、ブレード46、56が窓ガラス20aのガラス面の外縁に当接する車体10aに沿うように停止させられる場合には、ブレードが車体から離れて停止させられる場合よりも、例えば、ブレード46、56の上端部近傍(ブレード46、56の進行方向後方側の端部)が外側に傾斜するため、スピード感のあるデザインになる等、列車1aのデザインを向上させることができる。
【0073】
また、上述の実施の形態では、例えばワイパー装置40においては、第1回転軸41とメインアーム43とが互いに回動不可能に連結され且つ第2回転軸とサブアーム44とが互いに回動可能に連結されており、第1回転軸41が回動駆動されることによって、メインアーム43が第1回転軸41を支点として回動するとともに、サブアーム44が固定された第2回転軸42を支点として回動する場合について説明しているが、これに限らず、第2回転軸42とサブアーム44とが互いに回動不可能に連結され且つ第1回転軸41とメインアーム43とが互いに回動可能に連結されており、第2回転軸42が回動駆動されることによって、サブアーム44が第2回転軸42を支点として回動するとともに、メインアーム43が固定された第1回転軸41を支点として回動してもよい。
【0074】
また、上述の実施の形態では、ブレード46、56のいずれもが窓ガラス20の幅方向端部近傍の折り返し位置で停止している状態から、まずワイパー装置40の第1回転軸41だけが反時計回りに回動駆動されることによって、ブレード46が窓ガラス20の幅方向中央部近傍の折り返し位置に移動し、その後、ブレード46、56が同じ方向に往復移動する場合について説明しているが、これに限らず、ブレード46、56の動作は、任意に変更することができる。
【0075】
また、上述の実施の形態では、第1回転軸41と第2回転軸42と結ぶ線が窓ガラス20の下端部の線と平行になるように配置されている場合について説明されているが、これに限らず、第1回転軸41と第2回転軸42と結ぶ線が窓ガラス20の下端部の線と交差するように配置されていてもよい。
【0076】
また、上述の実施の形態では、2つのワイパー装置40、50が対をなすように設けられている場合について説明しているが、これに限らず、1つのワイパー装置が単独で設けられてもよい。
【0077】
また、上述の実施の形態では、ワイパー装置40が、窓ガラス20の下方にある支持部40aによって支持されている場合について説明しているが、これに限らず、ワイパー装置は、窓ガラスの上方にある支持部によって支持されてもよいし、窓ガラスの左右のいずれかにある支持部によって支持されてもよい。
【0078】
また、上述の実施の形態では、ワイパー装置40、50が、列車1に備えられている場合について説明しているが、これに限らず、列車以外のその他の車両に備えられていてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、ブレードが、その長さ方向と払拭面の縦方向との間で形成される角度が一定に維持されつつ移動するのではなく、その長さ方向と払拭面の縦方向との間で形成される角度を変更しつつ移動することができる。従って、ブレードの傾きを適正に変更させながら移動させることによって、例えば払拭面上におけるブレードによる払拭可能範囲の形状を適宜変更することができる。その結果、払拭面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって払拭することが可能となる。また、例えば払拭面の形状などに合わせて、ブレードによる払拭可能範囲の形状を適宜変更することによって、さまざまな形状の払拭面において、それらの端部近傍までブレードによって払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置により払拭された払拭面からの前方の視界を広げることができる。
【0080】
請求項2によると、ブレードによる払拭可能範囲が、ブレードの長さとほぼ同じ幅を有する略円弧状となって、払拭可能範囲の上端部長さ(外周部長さ)が下端部長さ(内周部長さ)よりも長くなる。従って、例えばブレードがその長さ方向と払拭面の縦方向とが常に一致しつつ移動する場合と比較して、ブレードの上端部近傍による払拭可能範囲が広くなる。従って、当該ワイパー装置が設けられた払拭面における払拭可能範囲の上端部近傍からの前方の視界が広くなる。
【0081】
請求項3によると、車両の窓面近傍に設けられたワイパー装置において、窓面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって払拭することが可能となる。また、さまざまな形状の窓面において、それらの端部近傍までブレードによって払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置が設けられた車両の窓面からの前方の視界を広げることができる。
【0082】
また、ブレードの傾きを変更させながら移動させることによって、ブレード全体が窓面の外縁に当接する車体に沿うように停止させることが可能となる。従って、ワイパー装置が使用されない場合に、窓面の端部近傍に停止させられたブレードによって運転者の前方の視界が妨げられることがほとんどない。これにより、当該ワイパー装置が備えられた車両の運転者が、運転室からレール脇に設けられた信号などを確認する場合に、ブレードが運転者の前方の視界の妨げとなって、信号などの確認が容易に行うことができないという問題がほとんど生じない。また、ブレードが窓面の外縁に当接する車体に沿うように停止させられる場合には、ブレードが窓面の外縁に当接する車体から離れて停止させられる場合よりも、車両のデザインを向上させることができる。
【0083】
請求項4によると、例えば車両の比較的大きな払拭面である窓面に対しても、窓面上において最も払拭されることが好ましい領域近傍をより広範囲にわたって迅速に払拭することができる。また、ブレードの傾きを変更させながら移動させることによって、ブレードによって窓面の端部近傍まで迅速に払拭することができるようになる。これにより、当該ワイパー装置が設けられた車両の窓面からの前方の視界を効率よく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るワイパー装置を備えた列車の前面図である。
【図2】図1の列車の運転室近傍の側面図である。
【図3】図1に示すワイパー装置の概略構成を示す図である。
【図4】ワイパー装置の支持部近傍の拡大図である。
【図5】メインアーム、サブアームおよび連結部材が連結される様子を描いた図である。
【図6】ブレードの概略構成を示す図である。
【図7】ワイパー装置の動作を説明するための図である。
【図8】本実施の形態に係るワイパー装置を備えたその他の列車の前面図である。
【図9】従来のワイパー装置を備えた列車の前面図である。
【図10】図9に示すワイパー装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、1a 列車
10、10a 車体
20、20a 窓ガラス
40、50 ワイパー装置
41、51 第1回転軸(第1の回転軸)
42、52 第2回転軸(第2の回転軸)
43、53 メインアーム
44、54 サブアーム
45、55 連結部材
46、56 ブレード
47、57 第1連結部(第1の連結部)
48、58 第2連結部(第2の連結部)

Claims (4)

  1. 第1の回転軸を支点として回動可能であるメインアームと、
    第2の回転軸を支点として回動可能であるサブアームと、
    前記メインアームと第1の連結部において互いに回動可能に連結されるとともに、前記サブアームと第2の連結部において互いに回動可能に連結される連結部材と、
    前記連結部材に支持されたブレードとを備えており、
    前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを結ぶ線、前記第1の回転軸と前記第1の連結部とを結ぶ線、前記第2の回転軸と前記第2の連結部とを結ぶ線および前記第1の連結部と前記第2の連結部とを結ぶ線で囲まれる領域が平行四辺形にならないように構成されていることを特徴とするワイパー装置。
  2. 前記第1の回転軸および前記第2の回転軸が、払拭面の下端部近傍に配置されており、
    前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間の間隔が、前記第1の連結部と前記第2の連結部との間の間隔よりも狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
  3. 請求項1または2に記載のワイパー装置を備えた車両。
  4. 2つの前記ワイパー装置が、それぞれの前記第1の回転軸および前記第2の回転軸が払拭面の下端部近傍に配置されるとともに、左右に対をなすように設けられており、一対の前記ワイパー装置のそれぞれの前記ブレードは、他方の前記ワイパー装置と近接する側でその長さ方向と払拭面の縦方向とが一致するとともに、他方の前記ワイパー装置と近接しない側で、それらの上端部同士の間の間隔がそれらの下端部同士の間の間隔よりも広くなるように移動させられることを特徴とする請求項3に記載の車両。
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