JP2004009528A - 光書き込みヘッドの接合組立方法及び光書き込みヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とからなる光書き込みヘッドの接合組立時に、上記第1部材と第2部材とをXYZの3次元方向での位置調整、及び第1部材と第2部材間の相対的な角度調整を行った上でこれをしっかりと固定するについて、接合過程において上記位置関係が正確に保持され、かつ、当該整合作業を簡便に、かつ迅速に行えるように、その接合構造、接合方法を工夫すること。
【解決手段】光書き込みヘッドの組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、XYZの3次元方向、及び相対的な角度方向の全方向の位置調整を行い、調整した位置関係のままで、前記第1部材の円錐穴から接着剤又ははんだを充填して、第1部材と第2部材との間に介在させて、当該接着剤又ははんだで第1部材と第2部材を接合すること。
【選択図】 図5
【解決手段】光書き込みヘッドの組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、XYZの3次元方向、及び相対的な角度方向の全方向の位置調整を行い、調整した位置関係のままで、前記第1部材の円錐穴から接着剤又ははんだを充填して、第1部材と第2部材との間に介在させて、当該接着剤又ははんだで第1部材と第2部材を接合すること。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドの接合組立方法、殊に、レーザビームプリンタ、普通紙複写機、普通紙FAXなどの画像形成装置の光書き込みヘッドの接合方法に関するものであって、発光素子とレンズミラーとの3次元方向及び角度方向の相対位置を高い精度で調整した状態のままで、光書き込みヘッドを精密に組み立てることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドについて、位置決めした第1光学ベース(第1部材)と第2光学ベース(第2部材)を紫外線透過性の第3部材を介してUV接着することが特開平6−195720号公報に記載されている。このものは、調整した位置関係において両部材間に接着剤を介在させて、調整した位置関係で接着固定するのであるから、固定操作に伴って、調整された2部材間の相対位置関係がずれることはなく、したがって、第1部材と第2部材とが正確な位置関係で組み立てられることは間違いない。
しかし、このものは、部材の外側からこれを透過させてその接着面に介在する接着剤層に紫外線を照射しなければならない。また、このものは、XY方向の二次元的な位置調整を行ってからこれを接着固定するものに限られ、XYZ方向の3次元的な位置調整を行ってからこれを接着固定することはできない。
【0003】
ところで、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドについては、印刷品質の向上に伴って、ドット位置の精度を向上させることが求められるようになっている。このために、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドの接合組み立て時に、LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材との位置関係を3次元方向で調整し、さらに第1部材と第2部材間の相対角度の調整を行うことが必要であり、このように調整された位置関係のままで両部材をしっかりと固定することが必要である。しかし、調整した位置関係においては第1部材と第2部材間には隙間が残り、またこの隙間を保ったままで、この状態が狂わないようにして両部材を強固に固定することは容易でない。そのためには例えば上記隙間に接着剤を充填して、これを硬化させて接着固定することが考えられる。しかし、上記の隙間へ不足なくしかも均一に接着剤を充填することは容易でないから、調整した位置関係ままで両部材をしっかりと接合固定することは容易でない。また、接着剤としてUV接着剤を使用するとなれば、第1部材、第2部材のいずれかが透明でなければ、両部材が重ねあわされた接着面に介在する接着剤層に紫外線を確実にかつ十分に照射することはできない。
【0004】
【解決しようとする課題】
この発明の課題1は、LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とからなる光書き込みヘッドの接合組立て時に、上記第1部材と第2部材とをXYZの3次元方向での位置調整、及び第1部材と第2部材間の相対的な角度調整を行った上でこれをしっかりと固定するについて、接合過程において上記位置関係が正確に保持され、かつ、当該整合作業を簡便に、かつ迅速に行えるように、その接合構造、接合方法を工夫することである。
また、課題2は、上記両部材の接合を迅速に行えるように、その接合構造、接合方法を工夫することである。
また、課題3は、上記接合方法の工夫によって、ドット位置ずれ、縦スジ、ゴースト画像のない光書き込みヘッドを接合して組み立てられる、光書き込みヘッドの接合組立方法を工夫することである。
さらに、課題4は、上記接合方法の工夫によって、温度変化に対する接合部の安定性が優れている光書き込みヘッドを接合して組み立てられる、光書き込みヘッドの接合組立方法を工夫することである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項2に対応)
上記課題解決のために講じた手段1は、光書き込みヘッドの組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、XYZの3次元方向、及び相対的な角度方向の全方向の位置調整を行い、調整した位置関係のままで、前記第1部材の円錐穴から接着剤を充填して、第1部材と第2部材との間に介在させて、当該接着剤で第1部材と第2部材を接合することである。
【0006】
【作用】
XYZの3次元方向、及び角度方向(傾斜角度)などの全方向の位置調整がなされたとき、第1部材は保持部材によって第2部材に対してその位置にしっかりと保持されており、第1部材と第2部材との間には隙間が介在している。この状態において、第1部材の円錐穴から接着剤を注入すると当該接着剤が上記隙間に流入して、上記穴の近傍において上記隙間を埋め、また、同接着剤が上記円錐穴にも充填される。この状態で接着剤が硬化すると、第1部材と第2部材とはその位置関係のままで接着固定される。硬化過程における堆積変化が少ない接着剤を用い、また、そのような硬化方法を採用することによって、第1部材と第2部材とは調整された位置関係を正確に保ったままで接着固定され、また、経時的安定性、熱的安定性に優れた接着剤を用いることによって、供用中における両部材の位置関係は安定する。
【0007】
なお、この解決手段1は、LEDアレイ基板を搭載した部材を第1部材、レンズミラーアレイを搭載した部材を第2部材とし、第1部材に接着剤の注入穴を設けるものであるが、LEDアレイ基板を搭載した部材に上記穴を設けなければならないことは必ずしもなく、レンズミラーアレイを搭載した部材に接着剤注入穴を設けて、ここから接着剤を注入することもできないではないから(ただし余り実際的ではない)、レンズミラーアレイを搭載した部材(上記第2部材)に接着剤注入穴を設けることは、この解決手段1の単純な変形である。
【0008】
また、第1部材、第2部材が光書き込み装置のLEDアレイ基板を搭載した第1部材、レンズミラーアレイを搭載した第2部材である場合にのみ上記作用を奏するものではなく、要するに、LEDアレイ基板を搭載した部材とレンズミラーアレイを搭載した部材とを、3次元方向及び傾斜方向の位置調整を行った後、そのままの位置関係で固着することが求められる他の光学機器についても単純に適用することができるから、これらも解決手段1の単純な適用範囲の拡大である。
【0009】
【実施態様1】(請求項3に対応)
実施態様1は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、前記第1部材の円錐穴と第2部材に固定されていて前記円錐穴に向かって凸の円錐状中間部材とを上下に方向に一致させた状態で、第1部材、第2部材間に中間部材を介在させ、上記円錐穴から接着剤を充填することによって、第2部材に固定した上記中間部材と第1部材とを接着剤で接着して接合してこれを組み立てることである。
【0010】
【作用】
第1部材の穴が円錐穴であるから、上記の接着剤の注入が容易であるとともに、第1部材と第2部材との微小な隙間への接着剤の流入が促進される。
また、上記円錐穴から流れ落ちて上記隙間に達した接着剤は、円錐状中間部材の頂点に落下し、その円錐面に沿って半径方向外方に案内されて延展するので、第1部材の裏側まで回り込むことになる。したがって、上記円錐状中間部材の円錐面と第1部材の裏面との間、すなわち、上記円錐穴下端の周囲裏面と第3部材の円錐面との間に介在してこの隙間を埋めることになる。それゆえ、接着剤を第1部材と第2部材との微小な隙間に安定的に確実に充填することができる。
【0011】
【実施態様2】(請求項4に対応)
実施態様2は、解決手段1又は実施態様1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、その接着剤がエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの光硬化系接着剤であり、第1部材の上記穴から紫外線を照射して上記接着剤を硬化させて、第1部材と第2部材とを接合することである。
【0012】
【作用】
第1部材の円錐穴から照射された紫外線は、当該円錐穴の円錐面と円錐状中間部材の円錐面とで反射を繰り返して、上記円錐穴下端周囲の裏面まで回り込んで、当該円錐穴下端周囲の隙間に充填された光硬化系接着剤にも十分照射される。したがって、第1部材、第2部材が共に不透明材料であっても、円錐穴下端周囲の隙間に充填された光硬化系接着剤が、紫外線照射によって確実に硬化される。
【0013】
【実施態様3】(請求項5に対応)
実施態様3は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第1部材、第2部材の接着剤との接合面をコロナ処理、UV処理又はオゾン(O3)処理していることである。
【0014】
【作用】
第1部材、第2部材の接着剤が接着される面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理すると、当該面が官能基を付与され、又は酸化膜が付与されるので、接着剤との接合強度が向上する。したがって、接着剤による第1部材と第2部材の接合がより強固、確実になる。
【0015】
【実施態様4】(請求項6に対応)
実施態様4は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第2部材の第1部材との合わせ面をフイルム層、または印刷層で被覆し、上記合わせ面の接着剤との接合箇所を露出させてあることである。
【0016】
【作用】
第1部材の円錐穴から注入されてその下方の上記接合箇所に落下した接着剤は、フイルム積層、または印刷層が堰として機能して、当該接着剤の拡散が規制されて露出部内に保持される。したがって、第1部材の裏面と上記露出部との間の上記穴下端周囲において、その隙間が確実に接着剤で埋められる。
【0017】
【実施態様5】(請求項7に対応)
実施態様5は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、第2部材の接合部に窪み又はリング状溝で接着面を区画し、当該区画部を第1部材の円錐穴に一致させていることである。
【0018】
【作用】
第1部材の円錐穴から注入されてその下方の窪み又はリング状溝で画成された接着部に落下した接着剤は、上記窪み又はリング状溝が堰として機能し、当該接着剤の延展が規制されて上記接着部内に保持される。したがって、第1部材の裏面と上記接着部との間の上記円錐穴下端周囲において、その隙間が確実に接着剤で埋められる。
【0019】
【解決手段2】(請求項8に対応)
上記課題解決のために講じた手段2は、光書き込みヘッドの接合組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、第1部材の穴に第2部材から突出させた軸を挿入してあって、XYZの3次元方向、及び、傾斜性などの全方向に位置調整した後、上記穴と上記軸との間の環状隙間にはんだを注入し、このはんだを加熱溶融させて上記軸を第1部材にはんだ接合することによって、第1部材と第2部材とを接合することである。
【0020】
【作用】
XYZの3次元方向及び相対的な角度方向などの全方方向に位置調整されたとき、第1部材は保持部材によって第2部材に対してその位置に保持されている。この状態では第1部材と第2部材との間に隙間が介在しており、このとき、第1部材の穴に第2部材から突出させた軸が隙間を介して挿入されている。この第1部材の穴と上記軸との間の隙間にはんだを注入し、これを加熱溶融させると第1部材の穴と上記軸をはんだによって接合される。上記軸は第2部材から突出されたものであるから、第1部材と第2部材とは上記軸を介して一体的に接合される。
はんだの加熱溶融、冷却硬化過程において第1部材と第2部材とが相対移動することはないので、第1部材と第2部材とは調整された位置関係を正確に保ったままで接着固定される。
【0021】
また、はんだは、経時的安定性、熱的安定性に優れているので、供用中における両部材の位置関係は安定する。
なお、この解決手段2は、LEDアレイ基板を搭載した部材を第1部材、レンズミラーアレイを搭載した部材を第2部材とし、第1部材に穴を設けるものであるが、LEDアレイ基板を搭載した部材に上記穴を設けなければならないことは必ずしもなく、レンズミラーアレイを搭載した部材に上記穴を設けて、これにLEDアレイ基板を搭載した第1部材から突出した軸を挿入する場合も同じことであるから、レンズミラーアレイを搭載した部材(上記第2部材)に穴を設けることは、この解決手段2の単純な変形である。
【0022】
また、第1部材、第2部材が光書き込み装置のLEDアレイ基板を搭載した第1部材、レンズミラーアレイを搭載した第2部材である場合にのみ上記作用を奏するものではなく、要するに、LEDアレイ基板を搭載した部材とレンズミラーアレイを搭載した部材とを、3次元方向及び傾斜方向の位置調整を行った後、そのままで固着することが求められる、他の光学機器についても単純に適用することができるから、これは解決手段2の単純な適用範囲の拡大である。
【0023】
【実施態様1】(請求項9に対応)
この実施態様1は、解決手段2の光書き込みヘッドの接合組立方法について、第1部材の上記穴の外周に環状溝を形成して上記穴の外周に環状溝との間に薄肉の環状部を設け、当該環状部と上記軸とをはんだ接合することである。
【0024】
【作用】
上記環状部と上記軸との間に装填されたはんだの熱が上記穴内面から第1部材に伝熱されるが、この伝熱は上記環状溝によって遮断され、また、上記環状部は肉薄であるから、熱容量が小さくしたがって迅速に加熱、冷却される。したがって、はんだ接合工程の所要時間は短い。
さらに、上記はんだ加熱が第1部材の本体部分にほとんど伝熱されないので、第1部材への熱影響が確実に回避される。
【0025】
【実施態様2】(請求項10に対応)
実施態様2は、上記解決手段2の光学ヘッドの接合組立方法について、上記第1部材の穴にはんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを圧入し、当該リングと上記軸とをはんだ接合することである。
【0026】
【作用】
その穴にはんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを圧入して固定することによって、このリングがはんだを介して上記軸にはんだ付けされるから、第1部材がはんだ付けに不適当な材料であっても、解決手段2を適用することができる。
なお、軸についても、はんだ付けに不適当な材料を用いるときは、その接合面にはんだ付けが容易な金属メッキをすればよい。
【0027】
【実施態様3】(請求項11)
実施態様3は、上記実施態様2の光学ヘッドの接合組立方法について、そのメッキが無電界ニッケルメッキ又は錫メッキであることである。
【0028】
【作用】
上記メッキを無電解ニッケルメッキ又は錫メッキにすることで、はんだ付けが迅速になされかつ接合強度が高い。
【0029】
【実施態様4】(請求項12)
実施態様4は、上記解決手段2又は上記実施態様2の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第2部材から突出した上記軸を中空軸とし、当該中空軸の中心穴にヒートチップを挿入して、当該ヒートチップで上記はんだを加熱溶融させることである。
【0030】
【作用】
第2部材から突出した軸を中空軸とすることによって、これにヒートチップを挿入してヒートチップで軸を加熱することができる。また軸が中空軸であるから、その熱容量が小さく、その加熱、冷却が速やかになされる。したがって、当該軸にヒートチップを挿入して当該ヒートチップで上記中空軸を加熱して、中空軸を介して上記はんだを加熱することによって、上記軸の上部外周囲に詰められたはんだの加熱が容易、迅速であり、またはんだの冷却も速やかである。
【0031】
【実施態様5】
以上の解決手段1、解決手段2における接着剤やはんだによる接合は、第1、第2両部材を調整された位置関係に位置決めし、かつその位置で両者を固着する機能を奏するものであり、この両機能によって、全方向に位置調整し、その位置関係で両部材を固着することが可能になるのであるが、上記の全方向に調整された位置関係での位置決め機能と、固着機能とを異なる手段に分担させることもできる。
この実施態様5は、上記のように、全方向に調整された位置関係での位置決め機能と、固着機能とを異なる手段に分担させる他の解決手段の実施態様である。その一例は、第2部材上面に突出させたリベットピンを第2部材の穴に挿入しておいて位置調整を行い、その後、上記リベットピンを加熱しながら据え込んで第1、第2両部材を全方向に対して位置決めし、さらに、第1部材の穴に接着剤を少量注入して、上記リベットと第1部材とを接着するものである。
【0032】
また、この実施態様5の他の例は、第1部材の穴を円錐穴にし、上記のリベットピンを外面が粗面の連結ピンに代え、第1部材の穴から溶融した充填剤を充填し、当該充填座が冷却した後に第1部材の穴に接着剤を少量注入するものである。加熱溶融された充填剤は第1、第2両部材間の隙間まで流入し、また、連結ピンとは表面の凹凸で機械的に結合されるから、第1、第2部材が全方向に調整した位置に位置決めされる。そして、充填剤と第1部材とが接着剤で固着されるから、第1、第2両部材が位置決めされた状態で固着される。
【0033】
【実施の形態】
次いで、図面を参照して実施例を説明する。
1.実施例の前提
LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とからなる光書き込みヘッドの全体構造は、例えば、図3に示すとおりであり、またその断面構造は図1に示すとおりである。LEDアレイ1がLED実装基板2に実装されていて、このLED実装基板2が第1部材3に固着されている。また、レンズミラーアレイ4が第2部材5に固着されている。この第1部材3と第2部材5を図1のようにその一部を重ね合わせ、相互位置が調整された状態で、互いに固着されて光書き込みヘッドが組み立てられる。LEDアレイ1の各素子からの光は、レンズミラーアレイ4の各レンズを通して内部の二つのミラーで反射し、もう一方のレンズで感光体6上に焦点を結(フォーカスする)んで像を形成する。
LED発光素子部とレンズミラー部との位置を調整して、調整された位置で一体的に接合して組み合わされるのであるが、この場合のLEDアレイ1とレンズミラーアレイ4の間、レンズミラーアレイ4と感光体6の間の光軸距離は、μm単位の精度で管理されることが必要である。
【0034】
LEDアレイを搭載した第1部材3とレンズミラーアレイを搭載した第2部材5の形状構造は様々であるが、図1に示すものが最も一般的である。
図1に図示の状態は、第1部材3と第2部材5とがその一部の水平平面で密着状態で重ね合わされているから、このままで組み付けるとすれば、その間の位置調整は合わせ面の平面内でのXY方向の2次元的な位置調整に限られる。他方、上記水平面内での2次元的な位置調整に上下方向(Z方向)の位置調整を加えれば3次元方向の位置調整となり、その調整後の第1部材3と第2部材5との位置関係は合わせ面間に隙間が介在するものになる。さらに、両部材間の傾きを調整する場合はこの隙間が一様な高さの隙間ではないものになる。この発明の実施例は、上記のように第1部材3と第2部材5とを3次元的に位置調整し、さらに、両部材間の傾きを調整して、調整した位置関係のままで両部材3,5を互いに接合する光書き込みヘッドの接合組立方法であるから、両部材3,5間に厚さが一様でない微小な隙間が介在することになる。
また、この発明でいう第1部材3、第2部材5は必ずしも非光透過部材に限られるものではないが、実施例における第1部材3、第2部材5は、この発明が最も効果を発揮する光非透過部材であり、具体的にはアルミ材である。
【0035】
【実施例1】
図2乃至図5に示す実施例1は、解決手段1の実施例であり、具体的には接合手段としてUV硬化接着剤を用いる実施態様の一例であって、かつ、第1部材3と第2部材5との接合に、光非透過性の中間部材10を介在させたものである。
第1部材には、図3に示すように、第1部材の第2部材との重ね合せ部に沿って多数の円錐穴11が設けられている。この円錐穴は大径部の径:7mm、小径部の径:3.5mmの鏡面仕上げされた円錐穴であり、X軸方向で概略50mm、Y軸方向で概略15mm間隔で配置されている。
他方、第2部材5の合せ面(上面)に、上記円錐穴と同様の配置で丸い窪みが多数設けられていて、この窪みにアルミ製の中間部材10が圧入嵌合して固着されている。この中間部材10の上面は円錐角度が10度、高さが1mmの鏡面仕上げされた円錐面であり、この円錐面の頂点が第2部材の合せ面から2mm突出している。
【0036】
第2部材5に第1部材3を重ねたとき、図4に示すように、中間部材10と円錐穴11とが上下に概略整列する。第1部材と第2部材間の3次元方向の位置、傾斜方向への位置が調整された状態でも、この中間部材10と円錐穴11との整列関係は保たれているので、位置調整後に上記円錐穴11から光透過性のUV硬化接着剤(具体的には変成アクリレート系接着剤)Bを注入すると、これが中間部材10の中心に落下してその円錐上面に沿って半径方向外方に延展して、第1部材の円錐穴11の下端及びその周囲と中間部材10の円錐上面との間に介在し、この間の隙間を埋めることになる。その後、上記円錐穴から紫外線を照射してUV硬化接着剤Bを硬化させる。上記円錐穴11から照射された紫外線は、鏡面仕上げされた第1部材の円錐穴11の円錐面、中間部材10の円錐面で繰り返し反射して、円錐穴10下端の周囲の裏面隙間にも回り込んで、当該隙間に満たされた接着剤B1(図5参照)にも十分照射される。この接着剤注入工程、紫外線照射工程においても、第1部材、第2部材はそれぞれ位置調整装置の保持部材によってしっかりとその位置に保持されているので、調整位置関係が狂うことはなく、そのままで両部材は接着剤Bによって互いに接合される。
【0037】
この実施例では、位置調整後における第1部材3と中間部材10との間の隙間が最大で1mm未満であることが望ましいので、第1部材と第2部材間の隙間が大きくなる場合は、中間部材10の厚さを加減して第1部材3と中間部材10との間の隙間がそれ以下になるようにすることが必要である。
【0038】
【実施例2】
図6乃至図10に示す実施例2は、接合手段としてUV硬化接着剤を用いる実施態様の一例であり、第1部材、第2部材、及び両部材の配置関係は実施例1と違いはないが、第1部材3と第2部材5とを中間部材を介在させることなしに接着剤Bで直接接合させるものである。
図6に示すものは、第2部材5の第1部材3との合せ面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理して、合せ面を接着面とするものである。
第1部材の円錐穴11に注入された接着剤Bは、第2部材の上面に落下して円錐穴11の周囲の裏面と第2部材の上面間の隙間へ延展し、当該隙間に満たされる。
第2部材5の上面をコロナ処理すると当該上面に官能基が付与され、他方、UV処理又はオゾン(O3)処理すると酸化膜が付与されるので、接着剤による第2部材5の第1部材3との接合強度が強化される。
【0039】
また、図7に示すように、第2部材上面の接合部を露出させた状態で、シリコン樹脂、四フッ化樹脂のフイルム層、紫外線硬化樹脂による印刷層によって被覆し、第2部材上面に落下した接着剤Bの過度の延展を被覆層15で防止して、接合面積を安定させこれによって接合強度を安定させることができる。
なお、上記被覆層の厚さは0.1mm〜0.2mm程度、印刷層の厚さは0.05mm〜0.1mm程度が望ましく、上記の接着部の露出面の直径については、第1部材の円錐穴11下端の内径の1.2〜1.5倍程度が望ましい。
【0040】
また、図8に示すように、第2部材上面の接合部に窪み(接着剤溜まり)16を設け、この窪み16によって第2部材上面に落下した接着剤Bの延展範囲を規定して過度の延展を被覆層15で防止して、接合面積を安定させ、これによって接合強度を安定させることができる。
なお、上記窪み16の深さについては0.1mm〜1mm、直径については、第1部材の円錐穴11下端の内径の1.2〜1.5倍程度が望ましい。
【0041】
さらに、図9に示すように、第2部材5の接合部の周囲にリング状の溝部17を設け、当該溝部17によって第2部材上面に落下した接着剤の延展範囲を規定して角の延展を防止し、これによって接合面積を安定させ、接合強度を安定させることができる。
【0042】
さらに、前記第1部材と第2部材をXYZの3次元方向で位置調整すると同部材間に隙間を生じ、LEDからの熱は、輻射熱のほか、接合点からの伝導熱により熱分布がばらつき、その結果、第1部材、第2部材に不均一な熱変形を生じ、この熱変形によりLEDアレイの各素子とレンズアレイの各素子との間の光軸間距離に狂いを生じ、バラツキを生じることになるが、図10に示すように、第1部材3と第2部材5の間に熱伝導部材18を挟んで接合することによって、上記の熱変形を抑制、低減することができる。
【0043】
【実施例3】
実施例3は、解決手段2の実施例であり、具体的には実施態様1の実施例である。この実施例3でも第1部材、第2部材は実施例1の場合と同様にアルミ製である。図11に示すように、第1部材3に設けた穴31の半径方向外側にリング状の溝32を設けて、これによって薄肉の接合端33を形成している。第2部材に設けた穴にアルミ製の小径中空部材34を圧入嵌合させ、その上半分を第1部材3の穴31に挿入している。小径中空部材34の下半分の外径は8mmであり、上半分の外径は6mmであるので、穴31に小径中空部材34の上半分を挿入したとき、当該上半分と穴31とによって有底の幅1mmの環状溝35が形成される。第1部材3、中空部材34にはんだ付けが容易な無電解ニッケルメッキを施している。
【0044】
第1部材3と第2部材5との位置を調整し、調整された位置に保持した状態で、上記環状溝35にはんだ36の粒体を装填する。その後、中空部材34の中心穴にその下方からヒートチップ40を挿入して、これで内側からはんだ36を加熱溶融させる。第1部材3、中空部材34にはんだ付けが容易な無電解ニッケルメッキを施しているので、はんだが第1部材3、中空部材34が迅速、確実にはんだ接合されるから、中空部材34を介して、第1部材3、第2部材が短時間で確実に接合される。
中間部材である中空部材34は第1部材、第2部材と同様にアルミ製であるから、これらの部材間の熱膨張差による熱歪みの問題は低減される。
【0045】
中空部材34の上半分は薄肉であるから熱容量が小さく、伝熱性が良好であるから、ヒートチップ40による加熱時の加熱は速やかであり、また第1部材の穴の周囲は環状の接合端33は薄肉であって、熱容量が小さく、その外周溝32によって第1部材への伝熱が断たれている。したがって、ヒートチップ40による加熱時の接合端33の加熱は速やかである。したがって、はんだ接合は迅速になされる。中空部材の上半分、上記接合端33の熱容量は小さいから、はんだ付け工程における冷却は速やかである。
それゆえ、はんだ付けは短時間で完了する。
【0046】
なお、はんだ材としては、フイルム状、線状、ペースト状など他の種々の形態のものと用いることもできる。また、加熱源は、この実施例3ではヒートチップを用いたが、誘導加熱、レーザー加熱など、一般に知られているはんだ付けのための他の加熱手段を用いることもできる。
はんだの熱膨張係数は、アルミのそれに近いので、接合部の熱的安定性が高く、したがって、光書き込みヘッドの温度環境の変化による性能変動は小さい。
【0047】
図12に実施例3の変形例を示している。この変形例は、第1部材の穴にはんだ付けが容易な銅又はその合金製の中間リング36を圧入固定し、中空中間部材34aを同様にはんだ付けが容易な銅又はその合金製にしたものである。この中間リング36は、その上半分が小径であり、これによって中間リング36の接合部の肉厚を薄くするとともにその外周に断熱用の環状溝を形成している。中間リング36、中空中間部材34aははんだ付けが容易な銅又はその合金製であるから、第1部材、中空中間部材にメッキ(はんだ付けが容易な金属メッキ)を施す必要がない。
【0048】
図13にさらに他の変形例を示している。このものは、第1部材の穴を大径穴にし、この穴にストレートな円筒形状の中間リング39aを圧入嵌合させ、また、第2部材5の穴にストレートな円筒形状の中空中間部材34bを圧入嵌合させたものである。この例では中間リング39aと中空中間部材34bとの間の環状溝31aは第1、第2両部材間の隙間まで抜けているので、この環状溝31aに装填されたはんだが第2部材5の上面に落下するが、このことが特に支障を生じることはない。このように中間リング39a、中空中間部材34bをともにストレートな円筒形状にしても、特に問題はない。
【0049】
図14に図13の例の変形例を示しており、これは図13の例における中空中間部材34bを小径の中実中間部材34cに変更したものである。この例では、ヒートチップを挿入することはできないので、加熱手段としては、レーザー加熱などの他の加熱手段を用いる他はない。
【0050】
以上の実施例3は接合手段がはんだであるが、これを他のホットメルト剤に置き換えて、同様の構造のままで実施することができる。
【0051】
【実施例4】
図15に示す実施例4は、この発明の基本的な技術思想の一つの具体例を示すものであり、第1部材、第2部材は共にアルミ材であり、第2部材5から上方にリベットピン51を突出させている。この例におけるリベットピン51の素材は軟化温度が低いはんだであり、その径は、第1部材と第2部材とのXY方向の二次元調整に支障がない程度に、第1部材3の円錐穴11の下端小径よりも若干小さい。位置調整されたままで第1部材を保持しておいて、リベットピンの上端にヒートポンチ(加熱加圧用ポンチ)を当て、所定の力で加圧しながらリベットピン51の上端を、ほぼ1kgの力で加圧する。リベットピン51が軟化温度(190℃)まで加熱されると、これが据え込まれて、円錐穴11内でつぶれるとともに、根元が半径方向外方に膨らんで第1部材の円錐穴11の下端周縁の裏面に圧着される。これによって、第1、第2両部材は、リベットピン51によって、XYZの3次元方向に位置決めされる。
その後、第1部材の円錐穴11に接着剤Bを少量充填して、リベットピン51の上端面と円錐穴11の内面とを接着固定する。これによって、第1、第2両部材は全方向に対して位置決めされ、かつその位置で接合される。
なお、リベットピン51は第2部材と一体である必要はなく、別体のものを第2部材に固着したものでも支障はない。
なお実施例4は実施例1乃至実施例3に比して工数が多いのでコスト高になることは避けられない。
【0052】
【発明の効果】
この発明の効果を請求項毎に整理すれば次のとおりである。
1.請求項1に係る発明の効果
請求項1に係る発明は、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材に対して全方向に位置調整したままで、両部材の固着手段によって、位置決めしかつ固着するものであり、これによって光書き込みヘッドを極めて高い精度で位置調整し、調整した位置関係を保持したままで組み立てることができ、また、そのための組立工程を簡便に、しかも短時間で行うことができる。
【0053】
2.請求項2に係る発明の効果
請求項2に係る発明は、第1部材の円錐穴から接着剤を充填して、第1、第2両部材間の隙間に延展させて接着剤を当該隙間に介在させ、これを第1、第2両部材に接着させることによって、両部材を位置決めし、固着するものであるから、全方向の位置調整後の両部材の固定作業が極めて簡単である。
また、第1部材の上記穴が円錐穴であるから、当該穴の底部への接着剤の充填が容易である。
【0054】
3.請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材上面に上方に凸の円錐面を備えた円錐状中間部材を固定し、第1部材の円錐穴から上記円錐状中間部材の円錐面上に滴下させるものであるから、接着剤が円錐状中間部材の円錐面によって速やかにかつ確実に半径方向外方に延展され、上記円錐穴下端周囲における、第1、第2部材間の隙間を確実に埋めることができる。
【0055】
4.請求項4に係る発明の効果
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明について、その接着剤が光硬化系接着剤であり、第1部材の円錐穴から紫外線を照射して、充填された接着剤を迅速に硬化させるものであるが、照射された紫外線が上記円錐穴及び上記中間部材の円錐面によって繰り返し反射して、上記穴下端外周における隙間まで回り込む。したがって上記隙間に充填された接着剤についても紫外線が十分に照射され、迅速にかつ確実にこれを光硬化させることができる。
それゆえ、第1部材、第2部材が光透過性のないものである場合に、接着剤として光硬化系接着剤を用いるとき、穴内面及び圧入部材表面での光反射により光硬化系接着剤の深部硬化性が増し、その結果、光硬化未反応部分が残存することによる接着固定部の経時特性が改善される。したがって、第1部材と第2部材の接着固定部間の間隔(隙間)が、その後の接着剤の硬化が進むにつれて変化することはないので、第1部材と第2部材間の間隔の経時的安定性が向上し、紫外線硬化系接着における接合の信頼性を向上する。
【0056】
5.請求項5に係る発明の硬化
請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明について、接着剤による接合面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理したものであり、このコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理によって接合面と接着剤との結合強度が高められ、したがって接合強度の信頼性を向上させることができる。
【0057】
6.請求項6に係る発明の効果
請求項6に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材の第1部材との合せ面を、接合部を残してフィルム層または印刷層によって被覆したものであり、これによって、第2部材の接着面に落下した接着剤の延展範囲を規制し、第1部材の円錐穴下端周囲の隙間に接着剤を集中的に充填して、当該隙間を確実に接着剤で埋めることができる。したがって、接着剤の充填量を低減し、所要充填時間を短縮することができるとともに、接着剤の充填の安定性、接着強度の信頼性を向上させることができる。
【0058】
7.請求項7に係る発明の効果
請求項7に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材の接合部に窪み、またはリング状溝を設けて接着面を区画し、当該区画部を第1部材の円錐穴に一致させたものであり、これによって、第2部材の接着面に落下した接着剤の延展範囲を規制し、第1部材の円錐穴下端周囲の隙間に接着剤を集中的に充填して、当該隙間を確実に接着剤で埋めることができる。したがって、接着剤の充填量を低減し、充填時間を短縮することができ、さらに、接着剤の充填の安定性、接着強度の信頼性を向上させることができる。
【0059】
8.請求項8に係る発明の効果
請求項8に係る発明は、位置決め、接合手段としてはんだ接合を採用したものである。はんだ接合を採用したので有機接着剤による場合に比して、接合部の熱的安定性が高く、温度変化による第1、第2部材間の位置関係の変化が極力抑制される。
【0060】
9.請求項9に係る発明の効果
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明について、第1部材の穴の周囲に環状溝を設け、これによって薄肉の環状部を形成したものである。はんだ接合によって加熱される領域が上記薄肉の環状部であるから、はんだ接合のための加熱、冷却時間が短縮される。それゆえ、はんだ接合工程の所要時間を短縮することができる。
【0061】
10.請求項10に係る発明の効果
請求項10に係る発明は、請求項8に係る発明について、第1部材の穴にはんだ付けが容易な金属製のリング、またははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを嵌着したものであり、これによって、第1部材がはんだになじまない材質のものであっても容易にはんだ接合することができ、またはんだ接合を迅速に行うことができる。
【0062】
11.請求項11に係る発明の効果
請求項11に係る発明は請求項10の発明について、上記リング、当該リングに挿入されてこれとはんだ接合される軸に無電解ニッケルメッキ又は錫メッキを施したものであり、これによって、上記リングと軸とのはんだ接合を迅速、確実にすることができる。
【0063】
12.請求項12に係る発明の効果
請求項12に係る発明は、請求項9乃至請求項11に係る発明について、上記軸を中空軸にし、これにヒートチップを挿入してはんだの加熱溶融を行うものであり、最も簡便な方法で、第1部材の穴に挿入された上記軸(第2部材から突出している軸)間の隙間に装填されたはんだを加熱溶融させることができ、また、熱伝導性がよく、はんだ加熱溶融時間が短く、したがって、はんだ接合による接合組立工程の時間を短縮することができる。
さらに、ヒートチップの発熱量は正確に制御しやすいので、はんだの加熱制御を容易、正確に行うことができ、したがって、はんだ接合の信頼性は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、この発明の前提となる、第1部材と第2部材との組み合わせ状態を示す光書き込みヘッドの側面図である。
【図2】は、実施例1の光書き込みヘッドの側面図である。
【図3】は、実施例1の光書き込みヘッドの斜視図である。
【図4】は、実施例の接合手順を示す要部断面図である。
【図5】は、実施例1における紫外線照射工程を示す要部拡大断面図である。
【図6】は、実施例2の基本実施形態の要部断面図である。
【図7】は、実施例2の基本実施形態の変形例の要部断面図である。
【図8】は、実施例2の基本実施形態の他の変形例の要部断面図である。
【図9】は、実施例2の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図10】は、実施例2の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図11】は、実施例3の基本実施形態の要部断面図である。
【図12】は、実施例3の基本実施形態の変形例の要部断面図である。
【図13】は、実施例3の基本実施形態の他の変形例の要部断面図である。
【図14】は、実施例3の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図15】は、実施例4の基本実施形態の要部断面図である。
【符号の説明】
1:LEDアレイ
2:LED実装基板
3:第1部材
4:レンズミラーアレイ
5:第2部材
6:感光ドラム
10:中間部材
11:円錐穴
34:中空部材
36:はんだ
43:ヒートチップ
B:接着剤
【産業上の利用分野】
この発明は、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドの接合組立方法、殊に、レーザビームプリンタ、普通紙複写機、普通紙FAXなどの画像形成装置の光書き込みヘッドの接合方法に関するものであって、発光素子とレンズミラーとの3次元方向及び角度方向の相対位置を高い精度で調整した状態のままで、光書き込みヘッドを精密に組み立てることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドについて、位置決めした第1光学ベース(第1部材)と第2光学ベース(第2部材)を紫外線透過性の第3部材を介してUV接着することが特開平6−195720号公報に記載されている。このものは、調整した位置関係において両部材間に接着剤を介在させて、調整した位置関係で接着固定するのであるから、固定操作に伴って、調整された2部材間の相対位置関係がずれることはなく、したがって、第1部材と第2部材とが正確な位置関係で組み立てられることは間違いない。
しかし、このものは、部材の外側からこれを透過させてその接着面に介在する接着剤層に紫外線を照射しなければならない。また、このものは、XY方向の二次元的な位置調整を行ってからこれを接着固定するものに限られ、XYZ方向の3次元的な位置調整を行ってからこれを接着固定することはできない。
【0003】
ところで、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドについては、印刷品質の向上に伴って、ドット位置の精度を向上させることが求められるようになっている。このために、LEDなどの発光素子とレンズミラー一体型の等倍結像素子からなる光書き込みヘッドの接合組み立て時に、LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材との位置関係を3次元方向で調整し、さらに第1部材と第2部材間の相対角度の調整を行うことが必要であり、このように調整された位置関係のままで両部材をしっかりと固定することが必要である。しかし、調整した位置関係においては第1部材と第2部材間には隙間が残り、またこの隙間を保ったままで、この状態が狂わないようにして両部材を強固に固定することは容易でない。そのためには例えば上記隙間に接着剤を充填して、これを硬化させて接着固定することが考えられる。しかし、上記の隙間へ不足なくしかも均一に接着剤を充填することは容易でないから、調整した位置関係ままで両部材をしっかりと接合固定することは容易でない。また、接着剤としてUV接着剤を使用するとなれば、第1部材、第2部材のいずれかが透明でなければ、両部材が重ねあわされた接着面に介在する接着剤層に紫外線を確実にかつ十分に照射することはできない。
【0004】
【解決しようとする課題】
この発明の課題1は、LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とからなる光書き込みヘッドの接合組立て時に、上記第1部材と第2部材とをXYZの3次元方向での位置調整、及び第1部材と第2部材間の相対的な角度調整を行った上でこれをしっかりと固定するについて、接合過程において上記位置関係が正確に保持され、かつ、当該整合作業を簡便に、かつ迅速に行えるように、その接合構造、接合方法を工夫することである。
また、課題2は、上記両部材の接合を迅速に行えるように、その接合構造、接合方法を工夫することである。
また、課題3は、上記接合方法の工夫によって、ドット位置ずれ、縦スジ、ゴースト画像のない光書き込みヘッドを接合して組み立てられる、光書き込みヘッドの接合組立方法を工夫することである。
さらに、課題4は、上記接合方法の工夫によって、温度変化に対する接合部の安定性が優れている光書き込みヘッドを接合して組み立てられる、光書き込みヘッドの接合組立方法を工夫することである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項2に対応)
上記課題解決のために講じた手段1は、光書き込みヘッドの組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、XYZの3次元方向、及び相対的な角度方向の全方向の位置調整を行い、調整した位置関係のままで、前記第1部材の円錐穴から接着剤を充填して、第1部材と第2部材との間に介在させて、当該接着剤で第1部材と第2部材を接合することである。
【0006】
【作用】
XYZの3次元方向、及び角度方向(傾斜角度)などの全方向の位置調整がなされたとき、第1部材は保持部材によって第2部材に対してその位置にしっかりと保持されており、第1部材と第2部材との間には隙間が介在している。この状態において、第1部材の円錐穴から接着剤を注入すると当該接着剤が上記隙間に流入して、上記穴の近傍において上記隙間を埋め、また、同接着剤が上記円錐穴にも充填される。この状態で接着剤が硬化すると、第1部材と第2部材とはその位置関係のままで接着固定される。硬化過程における堆積変化が少ない接着剤を用い、また、そのような硬化方法を採用することによって、第1部材と第2部材とは調整された位置関係を正確に保ったままで接着固定され、また、経時的安定性、熱的安定性に優れた接着剤を用いることによって、供用中における両部材の位置関係は安定する。
【0007】
なお、この解決手段1は、LEDアレイ基板を搭載した部材を第1部材、レンズミラーアレイを搭載した部材を第2部材とし、第1部材に接着剤の注入穴を設けるものであるが、LEDアレイ基板を搭載した部材に上記穴を設けなければならないことは必ずしもなく、レンズミラーアレイを搭載した部材に接着剤注入穴を設けて、ここから接着剤を注入することもできないではないから(ただし余り実際的ではない)、レンズミラーアレイを搭載した部材(上記第2部材)に接着剤注入穴を設けることは、この解決手段1の単純な変形である。
【0008】
また、第1部材、第2部材が光書き込み装置のLEDアレイ基板を搭載した第1部材、レンズミラーアレイを搭載した第2部材である場合にのみ上記作用を奏するものではなく、要するに、LEDアレイ基板を搭載した部材とレンズミラーアレイを搭載した部材とを、3次元方向及び傾斜方向の位置調整を行った後、そのままの位置関係で固着することが求められる他の光学機器についても単純に適用することができるから、これらも解決手段1の単純な適用範囲の拡大である。
【0009】
【実施態様1】(請求項3に対応)
実施態様1は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、前記第1部材の円錐穴と第2部材に固定されていて前記円錐穴に向かって凸の円錐状中間部材とを上下に方向に一致させた状態で、第1部材、第2部材間に中間部材を介在させ、上記円錐穴から接着剤を充填することによって、第2部材に固定した上記中間部材と第1部材とを接着剤で接着して接合してこれを組み立てることである。
【0010】
【作用】
第1部材の穴が円錐穴であるから、上記の接着剤の注入が容易であるとともに、第1部材と第2部材との微小な隙間への接着剤の流入が促進される。
また、上記円錐穴から流れ落ちて上記隙間に達した接着剤は、円錐状中間部材の頂点に落下し、その円錐面に沿って半径方向外方に案内されて延展するので、第1部材の裏側まで回り込むことになる。したがって、上記円錐状中間部材の円錐面と第1部材の裏面との間、すなわち、上記円錐穴下端の周囲裏面と第3部材の円錐面との間に介在してこの隙間を埋めることになる。それゆえ、接着剤を第1部材と第2部材との微小な隙間に安定的に確実に充填することができる。
【0011】
【実施態様2】(請求項4に対応)
実施態様2は、解決手段1又は実施態様1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、その接着剤がエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの光硬化系接着剤であり、第1部材の上記穴から紫外線を照射して上記接着剤を硬化させて、第1部材と第2部材とを接合することである。
【0012】
【作用】
第1部材の円錐穴から照射された紫外線は、当該円錐穴の円錐面と円錐状中間部材の円錐面とで反射を繰り返して、上記円錐穴下端周囲の裏面まで回り込んで、当該円錐穴下端周囲の隙間に充填された光硬化系接着剤にも十分照射される。したがって、第1部材、第2部材が共に不透明材料であっても、円錐穴下端周囲の隙間に充填された光硬化系接着剤が、紫外線照射によって確実に硬化される。
【0013】
【実施態様3】(請求項5に対応)
実施態様3は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第1部材、第2部材の接着剤との接合面をコロナ処理、UV処理又はオゾン(O3)処理していることである。
【0014】
【作用】
第1部材、第2部材の接着剤が接着される面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理すると、当該面が官能基を付与され、又は酸化膜が付与されるので、接着剤との接合強度が向上する。したがって、接着剤による第1部材と第2部材の接合がより強固、確実になる。
【0015】
【実施態様4】(請求項6に対応)
実施態様4は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第2部材の第1部材との合わせ面をフイルム層、または印刷層で被覆し、上記合わせ面の接着剤との接合箇所を露出させてあることである。
【0016】
【作用】
第1部材の円錐穴から注入されてその下方の上記接合箇所に落下した接着剤は、フイルム積層、または印刷層が堰として機能して、当該接着剤の拡散が規制されて露出部内に保持される。したがって、第1部材の裏面と上記露出部との間の上記穴下端周囲において、その隙間が確実に接着剤で埋められる。
【0017】
【実施態様5】(請求項7に対応)
実施態様5は、解決手段1の光書き込みヘッドの接合組立方法について、第2部材の接合部に窪み又はリング状溝で接着面を区画し、当該区画部を第1部材の円錐穴に一致させていることである。
【0018】
【作用】
第1部材の円錐穴から注入されてその下方の窪み又はリング状溝で画成された接着部に落下した接着剤は、上記窪み又はリング状溝が堰として機能し、当該接着剤の延展が規制されて上記接着部内に保持される。したがって、第1部材の裏面と上記接着部との間の上記円錐穴下端周囲において、その隙間が確実に接着剤で埋められる。
【0019】
【解決手段2】(請求項8に対応)
上記課題解決のために講じた手段2は、光書き込みヘッドの接合組立方法について、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とについて、第1部材の穴に第2部材から突出させた軸を挿入してあって、XYZの3次元方向、及び、傾斜性などの全方向に位置調整した後、上記穴と上記軸との間の環状隙間にはんだを注入し、このはんだを加熱溶融させて上記軸を第1部材にはんだ接合することによって、第1部材と第2部材とを接合することである。
【0020】
【作用】
XYZの3次元方向及び相対的な角度方向などの全方方向に位置調整されたとき、第1部材は保持部材によって第2部材に対してその位置に保持されている。この状態では第1部材と第2部材との間に隙間が介在しており、このとき、第1部材の穴に第2部材から突出させた軸が隙間を介して挿入されている。この第1部材の穴と上記軸との間の隙間にはんだを注入し、これを加熱溶融させると第1部材の穴と上記軸をはんだによって接合される。上記軸は第2部材から突出されたものであるから、第1部材と第2部材とは上記軸を介して一体的に接合される。
はんだの加熱溶融、冷却硬化過程において第1部材と第2部材とが相対移動することはないので、第1部材と第2部材とは調整された位置関係を正確に保ったままで接着固定される。
【0021】
また、はんだは、経時的安定性、熱的安定性に優れているので、供用中における両部材の位置関係は安定する。
なお、この解決手段2は、LEDアレイ基板を搭載した部材を第1部材、レンズミラーアレイを搭載した部材を第2部材とし、第1部材に穴を設けるものであるが、LEDアレイ基板を搭載した部材に上記穴を設けなければならないことは必ずしもなく、レンズミラーアレイを搭載した部材に上記穴を設けて、これにLEDアレイ基板を搭載した第1部材から突出した軸を挿入する場合も同じことであるから、レンズミラーアレイを搭載した部材(上記第2部材)に穴を設けることは、この解決手段2の単純な変形である。
【0022】
また、第1部材、第2部材が光書き込み装置のLEDアレイ基板を搭載した第1部材、レンズミラーアレイを搭載した第2部材である場合にのみ上記作用を奏するものではなく、要するに、LEDアレイ基板を搭載した部材とレンズミラーアレイを搭載した部材とを、3次元方向及び傾斜方向の位置調整を行った後、そのままで固着することが求められる、他の光学機器についても単純に適用することができるから、これは解決手段2の単純な適用範囲の拡大である。
【0023】
【実施態様1】(請求項9に対応)
この実施態様1は、解決手段2の光書き込みヘッドの接合組立方法について、第1部材の上記穴の外周に環状溝を形成して上記穴の外周に環状溝との間に薄肉の環状部を設け、当該環状部と上記軸とをはんだ接合することである。
【0024】
【作用】
上記環状部と上記軸との間に装填されたはんだの熱が上記穴内面から第1部材に伝熱されるが、この伝熱は上記環状溝によって遮断され、また、上記環状部は肉薄であるから、熱容量が小さくしたがって迅速に加熱、冷却される。したがって、はんだ接合工程の所要時間は短い。
さらに、上記はんだ加熱が第1部材の本体部分にほとんど伝熱されないので、第1部材への熱影響が確実に回避される。
【0025】
【実施態様2】(請求項10に対応)
実施態様2は、上記解決手段2の光学ヘッドの接合組立方法について、上記第1部材の穴にはんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを圧入し、当該リングと上記軸とをはんだ接合することである。
【0026】
【作用】
その穴にはんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを圧入して固定することによって、このリングがはんだを介して上記軸にはんだ付けされるから、第1部材がはんだ付けに不適当な材料であっても、解決手段2を適用することができる。
なお、軸についても、はんだ付けに不適当な材料を用いるときは、その接合面にはんだ付けが容易な金属メッキをすればよい。
【0027】
【実施態様3】(請求項11)
実施態様3は、上記実施態様2の光学ヘッドの接合組立方法について、そのメッキが無電界ニッケルメッキ又は錫メッキであることである。
【0028】
【作用】
上記メッキを無電解ニッケルメッキ又は錫メッキにすることで、はんだ付けが迅速になされかつ接合強度が高い。
【0029】
【実施態様4】(請求項12)
実施態様4は、上記解決手段2又は上記実施態様2の光書き込みヘッドの接合組立方法について、上記第2部材から突出した上記軸を中空軸とし、当該中空軸の中心穴にヒートチップを挿入して、当該ヒートチップで上記はんだを加熱溶融させることである。
【0030】
【作用】
第2部材から突出した軸を中空軸とすることによって、これにヒートチップを挿入してヒートチップで軸を加熱することができる。また軸が中空軸であるから、その熱容量が小さく、その加熱、冷却が速やかになされる。したがって、当該軸にヒートチップを挿入して当該ヒートチップで上記中空軸を加熱して、中空軸を介して上記はんだを加熱することによって、上記軸の上部外周囲に詰められたはんだの加熱が容易、迅速であり、またはんだの冷却も速やかである。
【0031】
【実施態様5】
以上の解決手段1、解決手段2における接着剤やはんだによる接合は、第1、第2両部材を調整された位置関係に位置決めし、かつその位置で両者を固着する機能を奏するものであり、この両機能によって、全方向に位置調整し、その位置関係で両部材を固着することが可能になるのであるが、上記の全方向に調整された位置関係での位置決め機能と、固着機能とを異なる手段に分担させることもできる。
この実施態様5は、上記のように、全方向に調整された位置関係での位置決め機能と、固着機能とを異なる手段に分担させる他の解決手段の実施態様である。その一例は、第2部材上面に突出させたリベットピンを第2部材の穴に挿入しておいて位置調整を行い、その後、上記リベットピンを加熱しながら据え込んで第1、第2両部材を全方向に対して位置決めし、さらに、第1部材の穴に接着剤を少量注入して、上記リベットと第1部材とを接着するものである。
【0032】
また、この実施態様5の他の例は、第1部材の穴を円錐穴にし、上記のリベットピンを外面が粗面の連結ピンに代え、第1部材の穴から溶融した充填剤を充填し、当該充填座が冷却した後に第1部材の穴に接着剤を少量注入するものである。加熱溶融された充填剤は第1、第2両部材間の隙間まで流入し、また、連結ピンとは表面の凹凸で機械的に結合されるから、第1、第2部材が全方向に調整した位置に位置決めされる。そして、充填剤と第1部材とが接着剤で固着されるから、第1、第2両部材が位置決めされた状態で固着される。
【0033】
【実施の形態】
次いで、図面を参照して実施例を説明する。
1.実施例の前提
LEDなどの発光素子を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材とからなる光書き込みヘッドの全体構造は、例えば、図3に示すとおりであり、またその断面構造は図1に示すとおりである。LEDアレイ1がLED実装基板2に実装されていて、このLED実装基板2が第1部材3に固着されている。また、レンズミラーアレイ4が第2部材5に固着されている。この第1部材3と第2部材5を図1のようにその一部を重ね合わせ、相互位置が調整された状態で、互いに固着されて光書き込みヘッドが組み立てられる。LEDアレイ1の各素子からの光は、レンズミラーアレイ4の各レンズを通して内部の二つのミラーで反射し、もう一方のレンズで感光体6上に焦点を結(フォーカスする)んで像を形成する。
LED発光素子部とレンズミラー部との位置を調整して、調整された位置で一体的に接合して組み合わされるのであるが、この場合のLEDアレイ1とレンズミラーアレイ4の間、レンズミラーアレイ4と感光体6の間の光軸距離は、μm単位の精度で管理されることが必要である。
【0034】
LEDアレイを搭載した第1部材3とレンズミラーアレイを搭載した第2部材5の形状構造は様々であるが、図1に示すものが最も一般的である。
図1に図示の状態は、第1部材3と第2部材5とがその一部の水平平面で密着状態で重ね合わされているから、このままで組み付けるとすれば、その間の位置調整は合わせ面の平面内でのXY方向の2次元的な位置調整に限られる。他方、上記水平面内での2次元的な位置調整に上下方向(Z方向)の位置調整を加えれば3次元方向の位置調整となり、その調整後の第1部材3と第2部材5との位置関係は合わせ面間に隙間が介在するものになる。さらに、両部材間の傾きを調整する場合はこの隙間が一様な高さの隙間ではないものになる。この発明の実施例は、上記のように第1部材3と第2部材5とを3次元的に位置調整し、さらに、両部材間の傾きを調整して、調整した位置関係のままで両部材3,5を互いに接合する光書き込みヘッドの接合組立方法であるから、両部材3,5間に厚さが一様でない微小な隙間が介在することになる。
また、この発明でいう第1部材3、第2部材5は必ずしも非光透過部材に限られるものではないが、実施例における第1部材3、第2部材5は、この発明が最も効果を発揮する光非透過部材であり、具体的にはアルミ材である。
【0035】
【実施例1】
図2乃至図5に示す実施例1は、解決手段1の実施例であり、具体的には接合手段としてUV硬化接着剤を用いる実施態様の一例であって、かつ、第1部材3と第2部材5との接合に、光非透過性の中間部材10を介在させたものである。
第1部材には、図3に示すように、第1部材の第2部材との重ね合せ部に沿って多数の円錐穴11が設けられている。この円錐穴は大径部の径:7mm、小径部の径:3.5mmの鏡面仕上げされた円錐穴であり、X軸方向で概略50mm、Y軸方向で概略15mm間隔で配置されている。
他方、第2部材5の合せ面(上面)に、上記円錐穴と同様の配置で丸い窪みが多数設けられていて、この窪みにアルミ製の中間部材10が圧入嵌合して固着されている。この中間部材10の上面は円錐角度が10度、高さが1mmの鏡面仕上げされた円錐面であり、この円錐面の頂点が第2部材の合せ面から2mm突出している。
【0036】
第2部材5に第1部材3を重ねたとき、図4に示すように、中間部材10と円錐穴11とが上下に概略整列する。第1部材と第2部材間の3次元方向の位置、傾斜方向への位置が調整された状態でも、この中間部材10と円錐穴11との整列関係は保たれているので、位置調整後に上記円錐穴11から光透過性のUV硬化接着剤(具体的には変成アクリレート系接着剤)Bを注入すると、これが中間部材10の中心に落下してその円錐上面に沿って半径方向外方に延展して、第1部材の円錐穴11の下端及びその周囲と中間部材10の円錐上面との間に介在し、この間の隙間を埋めることになる。その後、上記円錐穴から紫外線を照射してUV硬化接着剤Bを硬化させる。上記円錐穴11から照射された紫外線は、鏡面仕上げされた第1部材の円錐穴11の円錐面、中間部材10の円錐面で繰り返し反射して、円錐穴10下端の周囲の裏面隙間にも回り込んで、当該隙間に満たされた接着剤B1(図5参照)にも十分照射される。この接着剤注入工程、紫外線照射工程においても、第1部材、第2部材はそれぞれ位置調整装置の保持部材によってしっかりとその位置に保持されているので、調整位置関係が狂うことはなく、そのままで両部材は接着剤Bによって互いに接合される。
【0037】
この実施例では、位置調整後における第1部材3と中間部材10との間の隙間が最大で1mm未満であることが望ましいので、第1部材と第2部材間の隙間が大きくなる場合は、中間部材10の厚さを加減して第1部材3と中間部材10との間の隙間がそれ以下になるようにすることが必要である。
【0038】
【実施例2】
図6乃至図10に示す実施例2は、接合手段としてUV硬化接着剤を用いる実施態様の一例であり、第1部材、第2部材、及び両部材の配置関係は実施例1と違いはないが、第1部材3と第2部材5とを中間部材を介在させることなしに接着剤Bで直接接合させるものである。
図6に示すものは、第2部材5の第1部材3との合せ面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理して、合せ面を接着面とするものである。
第1部材の円錐穴11に注入された接着剤Bは、第2部材の上面に落下して円錐穴11の周囲の裏面と第2部材の上面間の隙間へ延展し、当該隙間に満たされる。
第2部材5の上面をコロナ処理すると当該上面に官能基が付与され、他方、UV処理又はオゾン(O3)処理すると酸化膜が付与されるので、接着剤による第2部材5の第1部材3との接合強度が強化される。
【0039】
また、図7に示すように、第2部材上面の接合部を露出させた状態で、シリコン樹脂、四フッ化樹脂のフイルム層、紫外線硬化樹脂による印刷層によって被覆し、第2部材上面に落下した接着剤Bの過度の延展を被覆層15で防止して、接合面積を安定させこれによって接合強度を安定させることができる。
なお、上記被覆層の厚さは0.1mm〜0.2mm程度、印刷層の厚さは0.05mm〜0.1mm程度が望ましく、上記の接着部の露出面の直径については、第1部材の円錐穴11下端の内径の1.2〜1.5倍程度が望ましい。
【0040】
また、図8に示すように、第2部材上面の接合部に窪み(接着剤溜まり)16を設け、この窪み16によって第2部材上面に落下した接着剤Bの延展範囲を規定して過度の延展を被覆層15で防止して、接合面積を安定させ、これによって接合強度を安定させることができる。
なお、上記窪み16の深さについては0.1mm〜1mm、直径については、第1部材の円錐穴11下端の内径の1.2〜1.5倍程度が望ましい。
【0041】
さらに、図9に示すように、第2部材5の接合部の周囲にリング状の溝部17を設け、当該溝部17によって第2部材上面に落下した接着剤の延展範囲を規定して角の延展を防止し、これによって接合面積を安定させ、接合強度を安定させることができる。
【0042】
さらに、前記第1部材と第2部材をXYZの3次元方向で位置調整すると同部材間に隙間を生じ、LEDからの熱は、輻射熱のほか、接合点からの伝導熱により熱分布がばらつき、その結果、第1部材、第2部材に不均一な熱変形を生じ、この熱変形によりLEDアレイの各素子とレンズアレイの各素子との間の光軸間距離に狂いを生じ、バラツキを生じることになるが、図10に示すように、第1部材3と第2部材5の間に熱伝導部材18を挟んで接合することによって、上記の熱変形を抑制、低減することができる。
【0043】
【実施例3】
実施例3は、解決手段2の実施例であり、具体的には実施態様1の実施例である。この実施例3でも第1部材、第2部材は実施例1の場合と同様にアルミ製である。図11に示すように、第1部材3に設けた穴31の半径方向外側にリング状の溝32を設けて、これによって薄肉の接合端33を形成している。第2部材に設けた穴にアルミ製の小径中空部材34を圧入嵌合させ、その上半分を第1部材3の穴31に挿入している。小径中空部材34の下半分の外径は8mmであり、上半分の外径は6mmであるので、穴31に小径中空部材34の上半分を挿入したとき、当該上半分と穴31とによって有底の幅1mmの環状溝35が形成される。第1部材3、中空部材34にはんだ付けが容易な無電解ニッケルメッキを施している。
【0044】
第1部材3と第2部材5との位置を調整し、調整された位置に保持した状態で、上記環状溝35にはんだ36の粒体を装填する。その後、中空部材34の中心穴にその下方からヒートチップ40を挿入して、これで内側からはんだ36を加熱溶融させる。第1部材3、中空部材34にはんだ付けが容易な無電解ニッケルメッキを施しているので、はんだが第1部材3、中空部材34が迅速、確実にはんだ接合されるから、中空部材34を介して、第1部材3、第2部材が短時間で確実に接合される。
中間部材である中空部材34は第1部材、第2部材と同様にアルミ製であるから、これらの部材間の熱膨張差による熱歪みの問題は低減される。
【0045】
中空部材34の上半分は薄肉であるから熱容量が小さく、伝熱性が良好であるから、ヒートチップ40による加熱時の加熱は速やかであり、また第1部材の穴の周囲は環状の接合端33は薄肉であって、熱容量が小さく、その外周溝32によって第1部材への伝熱が断たれている。したがって、ヒートチップ40による加熱時の接合端33の加熱は速やかである。したがって、はんだ接合は迅速になされる。中空部材の上半分、上記接合端33の熱容量は小さいから、はんだ付け工程における冷却は速やかである。
それゆえ、はんだ付けは短時間で完了する。
【0046】
なお、はんだ材としては、フイルム状、線状、ペースト状など他の種々の形態のものと用いることもできる。また、加熱源は、この実施例3ではヒートチップを用いたが、誘導加熱、レーザー加熱など、一般に知られているはんだ付けのための他の加熱手段を用いることもできる。
はんだの熱膨張係数は、アルミのそれに近いので、接合部の熱的安定性が高く、したがって、光書き込みヘッドの温度環境の変化による性能変動は小さい。
【0047】
図12に実施例3の変形例を示している。この変形例は、第1部材の穴にはんだ付けが容易な銅又はその合金製の中間リング36を圧入固定し、中空中間部材34aを同様にはんだ付けが容易な銅又はその合金製にしたものである。この中間リング36は、その上半分が小径であり、これによって中間リング36の接合部の肉厚を薄くするとともにその外周に断熱用の環状溝を形成している。中間リング36、中空中間部材34aははんだ付けが容易な銅又はその合金製であるから、第1部材、中空中間部材にメッキ(はんだ付けが容易な金属メッキ)を施す必要がない。
【0048】
図13にさらに他の変形例を示している。このものは、第1部材の穴を大径穴にし、この穴にストレートな円筒形状の中間リング39aを圧入嵌合させ、また、第2部材5の穴にストレートな円筒形状の中空中間部材34bを圧入嵌合させたものである。この例では中間リング39aと中空中間部材34bとの間の環状溝31aは第1、第2両部材間の隙間まで抜けているので、この環状溝31aに装填されたはんだが第2部材5の上面に落下するが、このことが特に支障を生じることはない。このように中間リング39a、中空中間部材34bをともにストレートな円筒形状にしても、特に問題はない。
【0049】
図14に図13の例の変形例を示しており、これは図13の例における中空中間部材34bを小径の中実中間部材34cに変更したものである。この例では、ヒートチップを挿入することはできないので、加熱手段としては、レーザー加熱などの他の加熱手段を用いる他はない。
【0050】
以上の実施例3は接合手段がはんだであるが、これを他のホットメルト剤に置き換えて、同様の構造のままで実施することができる。
【0051】
【実施例4】
図15に示す実施例4は、この発明の基本的な技術思想の一つの具体例を示すものであり、第1部材、第2部材は共にアルミ材であり、第2部材5から上方にリベットピン51を突出させている。この例におけるリベットピン51の素材は軟化温度が低いはんだであり、その径は、第1部材と第2部材とのXY方向の二次元調整に支障がない程度に、第1部材3の円錐穴11の下端小径よりも若干小さい。位置調整されたままで第1部材を保持しておいて、リベットピンの上端にヒートポンチ(加熱加圧用ポンチ)を当て、所定の力で加圧しながらリベットピン51の上端を、ほぼ1kgの力で加圧する。リベットピン51が軟化温度(190℃)まで加熱されると、これが据え込まれて、円錐穴11内でつぶれるとともに、根元が半径方向外方に膨らんで第1部材の円錐穴11の下端周縁の裏面に圧着される。これによって、第1、第2両部材は、リベットピン51によって、XYZの3次元方向に位置決めされる。
その後、第1部材の円錐穴11に接着剤Bを少量充填して、リベットピン51の上端面と円錐穴11の内面とを接着固定する。これによって、第1、第2両部材は全方向に対して位置決めされ、かつその位置で接合される。
なお、リベットピン51は第2部材と一体である必要はなく、別体のものを第2部材に固着したものでも支障はない。
なお実施例4は実施例1乃至実施例3に比して工数が多いのでコスト高になることは避けられない。
【0052】
【発明の効果】
この発明の効果を請求項毎に整理すれば次のとおりである。
1.請求項1に係る発明の効果
請求項1に係る発明は、LEDアレイ基板を搭載した第1部材とレンズミラーアレイを搭載した第2部材に対して全方向に位置調整したままで、両部材の固着手段によって、位置決めしかつ固着するものであり、これによって光書き込みヘッドを極めて高い精度で位置調整し、調整した位置関係を保持したままで組み立てることができ、また、そのための組立工程を簡便に、しかも短時間で行うことができる。
【0053】
2.請求項2に係る発明の効果
請求項2に係る発明は、第1部材の円錐穴から接着剤を充填して、第1、第2両部材間の隙間に延展させて接着剤を当該隙間に介在させ、これを第1、第2両部材に接着させることによって、両部材を位置決めし、固着するものであるから、全方向の位置調整後の両部材の固定作業が極めて簡単である。
また、第1部材の上記穴が円錐穴であるから、当該穴の底部への接着剤の充填が容易である。
【0054】
3.請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材上面に上方に凸の円錐面を備えた円錐状中間部材を固定し、第1部材の円錐穴から上記円錐状中間部材の円錐面上に滴下させるものであるから、接着剤が円錐状中間部材の円錐面によって速やかにかつ確実に半径方向外方に延展され、上記円錐穴下端周囲における、第1、第2部材間の隙間を確実に埋めることができる。
【0055】
4.請求項4に係る発明の効果
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明について、その接着剤が光硬化系接着剤であり、第1部材の円錐穴から紫外線を照射して、充填された接着剤を迅速に硬化させるものであるが、照射された紫外線が上記円錐穴及び上記中間部材の円錐面によって繰り返し反射して、上記穴下端外周における隙間まで回り込む。したがって上記隙間に充填された接着剤についても紫外線が十分に照射され、迅速にかつ確実にこれを光硬化させることができる。
それゆえ、第1部材、第2部材が光透過性のないものである場合に、接着剤として光硬化系接着剤を用いるとき、穴内面及び圧入部材表面での光反射により光硬化系接着剤の深部硬化性が増し、その結果、光硬化未反応部分が残存することによる接着固定部の経時特性が改善される。したがって、第1部材と第2部材の接着固定部間の間隔(隙間)が、その後の接着剤の硬化が進むにつれて変化することはないので、第1部材と第2部材間の間隔の経時的安定性が向上し、紫外線硬化系接着における接合の信頼性を向上する。
【0056】
5.請求項5に係る発明の硬化
請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明について、接着剤による接合面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理したものであり、このコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理によって接合面と接着剤との結合強度が高められ、したがって接合強度の信頼性を向上させることができる。
【0057】
6.請求項6に係る発明の効果
請求項6に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材の第1部材との合せ面を、接合部を残してフィルム層または印刷層によって被覆したものであり、これによって、第2部材の接着面に落下した接着剤の延展範囲を規制し、第1部材の円錐穴下端周囲の隙間に接着剤を集中的に充填して、当該隙間を確実に接着剤で埋めることができる。したがって、接着剤の充填量を低減し、所要充填時間を短縮することができるとともに、接着剤の充填の安定性、接着強度の信頼性を向上させることができる。
【0058】
7.請求項7に係る発明の効果
請求項7に係る発明は、請求項2に係る発明について、第2部材の接合部に窪み、またはリング状溝を設けて接着面を区画し、当該区画部を第1部材の円錐穴に一致させたものであり、これによって、第2部材の接着面に落下した接着剤の延展範囲を規制し、第1部材の円錐穴下端周囲の隙間に接着剤を集中的に充填して、当該隙間を確実に接着剤で埋めることができる。したがって、接着剤の充填量を低減し、充填時間を短縮することができ、さらに、接着剤の充填の安定性、接着強度の信頼性を向上させることができる。
【0059】
8.請求項8に係る発明の効果
請求項8に係る発明は、位置決め、接合手段としてはんだ接合を採用したものである。はんだ接合を採用したので有機接着剤による場合に比して、接合部の熱的安定性が高く、温度変化による第1、第2部材間の位置関係の変化が極力抑制される。
【0060】
9.請求項9に係る発明の効果
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明について、第1部材の穴の周囲に環状溝を設け、これによって薄肉の環状部を形成したものである。はんだ接合によって加熱される領域が上記薄肉の環状部であるから、はんだ接合のための加熱、冷却時間が短縮される。それゆえ、はんだ接合工程の所要時間を短縮することができる。
【0061】
10.請求項10に係る発明の効果
請求項10に係る発明は、請求項8に係る発明について、第1部材の穴にはんだ付けが容易な金属製のリング、またははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを嵌着したものであり、これによって、第1部材がはんだになじまない材質のものであっても容易にはんだ接合することができ、またはんだ接合を迅速に行うことができる。
【0062】
11.請求項11に係る発明の効果
請求項11に係る発明は請求項10の発明について、上記リング、当該リングに挿入されてこれとはんだ接合される軸に無電解ニッケルメッキ又は錫メッキを施したものであり、これによって、上記リングと軸とのはんだ接合を迅速、確実にすることができる。
【0063】
12.請求項12に係る発明の効果
請求項12に係る発明は、請求項9乃至請求項11に係る発明について、上記軸を中空軸にし、これにヒートチップを挿入してはんだの加熱溶融を行うものであり、最も簡便な方法で、第1部材の穴に挿入された上記軸(第2部材から突出している軸)間の隙間に装填されたはんだを加熱溶融させることができ、また、熱伝導性がよく、はんだ加熱溶融時間が短く、したがって、はんだ接合による接合組立工程の時間を短縮することができる。
さらに、ヒートチップの発熱量は正確に制御しやすいので、はんだの加熱制御を容易、正確に行うことができ、したがって、はんだ接合の信頼性は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、この発明の前提となる、第1部材と第2部材との組み合わせ状態を示す光書き込みヘッドの側面図である。
【図2】は、実施例1の光書き込みヘッドの側面図である。
【図3】は、実施例1の光書き込みヘッドの斜視図である。
【図4】は、実施例の接合手順を示す要部断面図である。
【図5】は、実施例1における紫外線照射工程を示す要部拡大断面図である。
【図6】は、実施例2の基本実施形態の要部断面図である。
【図7】は、実施例2の基本実施形態の変形例の要部断面図である。
【図8】は、実施例2の基本実施形態の他の変形例の要部断面図である。
【図9】は、実施例2の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図10】は、実施例2の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図11】は、実施例3の基本実施形態の要部断面図である。
【図12】は、実施例3の基本実施形態の変形例の要部断面図である。
【図13】は、実施例3の基本実施形態の他の変形例の要部断面図である。
【図14】は、実施例3の基本実施形態のさらに他の変形例の要部断面図である。
【図15】は、実施例4の基本実施形態の要部断面図である。
【符号の説明】
1:LEDアレイ
2:LED実装基板
3:第1部材
4:レンズミラーアレイ
5:第2部材
6:感光ドラム
10:中間部材
11:円錐穴
34:中空部材
36:はんだ
43:ヒートチップ
B:接着剤
Claims (19)
- LEDアレイ基板を搭載した第1部材をレンズミラーアレイを搭載した第2部材に重ね合わせ、当該第2部材に対してXYZの3次元方向及び傾斜性などの全方向に位置調整し、調整した位置関係のままで、上記第1部材と第2部材を直接又は間接に接着固定する光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 前記第1部材の円錐穴から接着剤を充填して、第1部材と第2部材との間に接着剤を介在させて、当該接着剤で第1部材と第2部材を接合する請求項1の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 前記第1部材の円錐穴と、第2部材に固定した前記円錐穴に向かって凸の円錐状中間部材とを一致させた状態で、第1部材と第2部材間に中間部材を介在させ、上記円錐穴から接着剤を充填して、第2部材に固定した上記中間部材と第1部材とを接着剤で接着して前記第1部材と第2部材とを接合して組み立てることを特徴とする請求項1の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 上記接着剤がエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの光硬化系接着剤であり、第1部材の上記穴から紫外線を照射して上記接着剤を硬化させて、第1部材と第2部材とを接合する請求項3の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 上記第1部材、第2部材の接着剤との接合面をコロナ処理、又はUV処理又はオゾン(O3)処理している請求項2の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 上記第2部材の第1部材との合わせ面をフイルム層または印刷層で被覆し、上記合わせ面の接着剤との接合箇所を露出させてある請求項2の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 第2部材の接合部に窪み又はリング状溝を設けて接着面を区画し、当該区画部を第1部材の円錐穴に一致させた請求項2の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 第1部材の穴に第2部材から突出させた軸を挿入し、第1部材と第2部材との位置調整後に、上記穴と上記軸との間の環状空隙にはんだを注入し、このはんだを加熱溶融させて上記軸を第1部材にはんだ接合することによって、第1部材と第2部材とを接合することを特徴とする請求項1の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 第1部材の上記穴の外周に環状溝を設けて、当該穴の外周に薄肉の環状部を形成し、当該環状部と上記軸とをはんだ接合することを特徴とする請求項8の光書き込み光学ヘッドの接合組立方法。
- 上記第1部材の穴にはんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキをしたリングを圧入し、当該リングと上記軸とをはんだ接合することを特徴とする請求項8の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 上記リング及び軸の接合部にはんだ付けが容易な無電解ニッケルメッキ又は錫メッキを施している請求項10の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 上記第2部材から突出した上記軸を中空軸とし、当該中空軸の中心穴にヒートチップを挿入し、当該ヒートチップで上記はんだを加熱溶融させることを特徴とする請求項8乃至請求項11の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- 第1部材の穴に第2部材から突出させた軸を挿入し、第1部材と第2部材との位置を調整した後、上記穴と上記軸との間の環状空隙にホットメルト接着材を注入し、このホットメルト接着剤を加熱溶融させて上記軸を第1部材に接着させることによって、第1部材と第2部材とを接合することを特徴とする請求項1の光書き込みヘッドの接合組立方法。
- LEDアレイ基板を搭載した第1部材をレンズミラーアレイを搭載した第2部材に重ね合わせて、当該重ね合せ部を接合した光書き込みヘッドであって、前記第1部材の円錐穴から接着剤を充填した接着剤を第1部材と第2部材との間に介在させて、当該接着剤で第1部材と第2部材を接合している光書き込みヘッド。
- 前記第1部材の円錐穴と、第2部材に固定した前記円錐穴に向かって凸の円錐状中間部材とが一致していて、上記円錐穴から充填した接着剤で上記第2部材に固定した上記中間部材と第1部材とを接合している請求項14の光書き込みヘッド。
- 上記接着剤がエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤などの光硬化系接着剤である請求項15の光書き込みヘッド。
- LEDアレイ基板を搭載した第1部材をレンズミラーアレイを搭載した第2部材に重ね合わせて、当該重ね合せ部を接合した光書き込みヘッドであって、上記第1部材の穴に第2部材から突出させた軸を挿入してあり、上記穴と上記軸との間の環状空隙に注入したはんだで上記第1部材と第2部材とを接合している光書き込みヘッド。
- 上記第1部材の穴に、はんだ付けが容易な金属リングまたははんだ付けが容易な金属メッキしたリングを圧入嵌合させてあって、当該リングと上記軸とをはんだ接合している請求項17の光書き込みヘッド。
- 上記第2部材から突出した上記軸が中空軸である請求項17の光書き込みヘッド。
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JP2008155479A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-10 | Fujifilm Corp | 液体吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置 |
JP2010154245A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Kyocera Corp | 光学素子ヘッドの製造方法 |
JP2015013395A (ja) * | 2013-07-03 | 2015-01-22 | 株式会社リコー | 光プリントヘッド及び画像形成装置 |
CN112997313A (zh) * | 2018-11-22 | 2021-06-18 | 三菱电机株式会社 | 传感器模块 |
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2002
- 2002-06-06 JP JP2002166033A patent/JP2004009528A/ja active Pending
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