JP2004009117A - 複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、4個以上10個以下の穴が形成された厚肉圧力容器の穴を1個ずつ、又は、1個飛びで自緊することで、局所的な応力集中を避けることを目的とする。
【解決手段】本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、4個以上10個以下の穴(2)が同心円状に形成された厚肉圧力容器(1)に対し、各穴(2)を1個ずつ又は1個飛びに自緊することにより、応力分布を均一化するようにした方法である。
【選択図】 図7
【解決手段】本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、4個以上10個以下の穴(2)が同心円状に形成された厚肉圧力容器(1)に対し、各穴(2)を1個ずつ又は1個飛びに自緊することにより、応力分布を均一化するようにした方法である。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の厚肉圧力容器の自緊方法としては、例えば、図26及び図27で示される特開平4−167944号公報に開示された構成を挙げることができる。
すなわち、図26において符号1で示されるものは、軸心に穴2が形成された円筒状の金属よりなり厚肉圧力容器としての厚肉円筒体であり、この厚肉円筒体1は図27に示されるようなプレス装置3の基台4上に設置され、このプレス装置3に設けられた硬質金属製のマンドレル5が厚肉円筒体1の穴2内に圧入される。
【0003】
前記マンドレル5のテーパ部5aは、プレス装置3によりマンドレルを押込み、もしくは引抜くことにより、前記厚肉円筒体1の穴2がこのテーパ部5aによって押し広げ(拡開)されて自緊が施され、その内表面近傍に高い圧縮応力を付与することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の厚肉圧力容器の自緊方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の従来方法では、単一の穴を有する厚肉円筒体の自緊は可能であるが、多くの穴が形成された場合の厚肉円筒体に対する自緊のニーズには対応が不可能であった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、4個以上10個以下の穴が同心円状に並ぶ厚肉圧力容器に対して自緊を行うことにより、発生する最大応力が低くなり、また、高い圧縮応力を穴内径部に付与することができ、全ての穴を同時自緊する場合よりも自緊治具やプレス装置の規模も小さくできコスト削減を可能とするようにした複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、4個以上10個以下の穴が同心円状に形成された厚肉圧力容器に対し、前記各穴を1個ずつ自緊するか、又は、前記厚肉圧力容器の円周方向に沿って少なくとも1個飛ばした配置の複数の前記穴を同時に自緊した後に残りの前記穴が隣り合わないように自緊する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法の好適な実施の形態について説明する。尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において符号1で示されるものは軸心に対して同心円状の位置に穴2が4個形成された円筒状の金属よりなる厚肉圧力容器であり、この厚肉圧力容器1は図2に示されるようなプレス装置3の基台4上に設置され、このプレス装置3に設けられた複数の硬質金属製のマンドレル5が厚肉圧力容器1の穴2内に圧入できるように構成されている。
【0008】
前記マンドレル5のテーパ部5aは、プレス装置3によりマンドレルを押込み、もしくは引抜くことにより、前記厚肉圧力容器1の穴2がこのテーパ部5aによって押し広げ(拡開)されて自緊が施され、その内表面近傍に高い圧縮応力を付与することができる。
【0009】
図3は、図1の厚肉圧力容器1の平面構成を示しており、図4から図8は各穴2にマンドレル5を圧入して自緊する場合の順序について示している。
すなわち、図4は全ての穴2を同時に圧入(ハッチング状に示す、以下同様)、図5は互いに隣接する2個の穴2毎に圧入、図6は互いに対角位置の2個の穴2に圧入、図7は隣接する1個の穴2毎に順次圧入、図8は対角する位置の1個の穴2毎に順次圧入している。
尚、自緊手段としては、前述のマンドレル又は周知の水圧手段を用いるが、図4の同時方法及び図5のように隣接する穴2を同時に圧入することは避け、図6のように互いに離れた位置、図7及び図8のように1個の穴2毎に圧入を行うと全ての穴2に対して高い自緊の効果が得られる。
【0010】
次に、前述の図4から図8で行った5ケースの各圧入による自緊(水圧法による圧入方法)は、次の表1の第1表の通りである。
【0011】
【表1】
【0012】
すなわち、前述の5ケースについてその自緊の解析を行った。尚、図9及び図10に示す厚肉圧力容器断面の平面モデルを用いて有限要素法による解析を行った。ただし、全穴同時に加圧する自緊手順に対しては、モデルの対称性を考慮し断面全体の1/8領域のみをモデル化した。自緊時の水圧は1穴当り90kgf/mm2とし、この圧力が厚肉圧力容器の内表面に均等に作用するものとして解析を行った。なお、厚肉圧力容器の材料定数は次の表2の第2表及び図11に示される値を用いた。
【0013】
【表2】
【0014】
図12、図13にケース1(全穴同時加圧)の解析結果を示す。このモデルに対する解析では、内圧が90kgf/mm2に達する前に厚肉圧力容器1が限界耐荷力に達したため、内圧が76kgf/mm2の時点で加圧を中止した。同図の相当応力分布に示すように、隣接する穴と穴で塑性領域が連結したためと考えられる。また、自緊終了後における穴周方向圧縮応力の残留領域も小さい。
【0015】
図14、図15にケース2(2穴毎隣接穴順)の解析から得られた相当応力と周方向応力の分布を示す。このモデルに対する解析では、ケース1(全穴同時加圧)の場合と同様に内圧が90kgf/mm2に達する前に厚肉圧力容器が限界耐荷力に達した。加圧時(内圧76kgf/mm2)の相当応力の分布より、隣接する穴と穴で塑性領域が連結していることがわかる。
【0016】
図16、図17にケース3(2穴対角穴順)に対する解析結果を示す。加圧時(内圧90kgf/mm2)の相当応力の分布を見ると、塑性域が外表面まで広がっていることがわかる。また、自緊終了時には、全ての穴においてほぼ均等かつ同心円状に圧縮応力が残留している。
【0017】
従って、1個の穴2毎加圧のケース4及び5はほぼ同様な結果が得られたためケース5のみの結果を図18及び図19に示す。自緊終了時には、全ての穴2においてほぼ均等かつ同心円状に穴周方向圧縮応力が残留している。
以上まとめると、ケース3、4そして5は均等かつ高い自緊効果が得られたのに対し、ケース1と2は自緊手順として不適と判断される。
【0018】
次に、図20は6個の穴2を有する厚肉圧力容器を示しており、図22は円周方向に沿って少なくとも1個飛ばした配置で2個ずつの穴2を同時に自緊し、穴2が6個以上の場合には残りの穴2があった場合には、穴2が隣り合わないように自緊する。
【0019】
図21は、6個の穴2の場合において、各穴2を1個毎に自緊を行う方法を示している。
図22、図23は、6個の穴2の他の自緊方法を示している。
図24は、6個の穴2の場合において、3個の穴2毎に自緊を行う方法を示している。
図25は、6個の穴2の場合において、3個、2個、1個の順で自緊を行う方法であり、何れも隣り合う穴2がない状態で自緊を行う形態である。尚、穴2の数としては、厚肉圧力容器1の形状からみて4個以上10個以下が好適である。
【0020】
従って、本発明においては、4個以上10個以下の穴2が同心円状の位置に並ぶ厚肉圧力容器1を水圧もしくはスエージングにより1つ穴毎もしくは、円周方向に1つ以上飛ばした配置の穴2を同時に自緊した後、さらに残りの穴2が隣り合わないよう順次自緊して行くことにより、穴2が押し広げられた際に発生する構造物全体の最大応力値が、すべての穴2を同時に、もしくは隣り合う穴2を同時に順次自緊する場合と比較して小さくなる。このため、厚肉圧力容器1の局所的な応力集中や塑性変形が防ぐことが可能で、それぞれの穴内径部に作用する残留圧縮応力も均等になる。また、より高い圧力を穴2内径部に付与することができるため、自緊の効果も高くなる。さらに、すべての穴2を同時自緊する場合と比較すると、水圧もしくはスエージングによる自緊治具やプレス装置の規模も小さくなりコストが削減される。
【0021】
【発明の効果】
本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、4個以上10個以下の穴が同心円状に並ぶ厚肉圧力容器を水圧もしくはスエージングにより1つ穴毎もしくは、円周方向に1つ以上飛ばした配置の穴を同時に自緊した後、さらに残りの穴が隣り合わないよう順次自緊するため、穴が押し広げられた際に発生する構造物全体の最大応力値が低くなり、また、より高い圧縮応力を穴内径部に付与することができる。さらにすべての穴を同時自緊する場合と比較すると、自緊治具やプレス装置の規模も小さくなりコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法に適用する厚肉圧力容器を示す斜視図である。
【図2】図1の厚肉圧力容器を自緊する状態を示す構成図である。
【図3】図1の各穴に対して自緊を行う場合の平面説明図である。
【図4】図3において全穴同時自緊を示す説明図である。
【図5】図3において2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図6】図3において2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図7】図3において1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図8】図3において1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図9】第1表のケース1の解析用モデルである。
【図10】第1表のケース2〜5の有限要素法解析用モデルである。
【図11】図1の厚肉圧力容器の応力/ひずみ曲線特性図である。
【図12】第1表のケース1の加圧時の解析結果図である。
【図13】図12の自緊終了時の応力分布図である。
【図14】第1表のケース2の加圧時の解析結果図である。
【図15】図14の自緊終了時の応力分布図である。
【図16】図10のNo.1と3及びNo.2と4加圧時の応力分布図である。
【図17】第1表のケース3の自緊終了時の応力分布図である。
【図18】図10の各穴の負荷時の分布図である。
【図19】第1表のケース5の自緊終了時の応力分布図である。
【図20】6個の穴を有する厚肉圧力容器の平面図である。
【図21】本発明の1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図22】図20の2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図23】図22の他の形態を示す説明図である。
【図24】図20の3穴毎の自緊を示す説明図である。
【図25】図20の他の自緊を示す説明図である。
【図26】従来の厚肉円筒体を示す斜視図である。
【図27】従来の自緊方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 厚肉圧力容器
2 穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の厚肉圧力容器の自緊方法としては、例えば、図26及び図27で示される特開平4−167944号公報に開示された構成を挙げることができる。
すなわち、図26において符号1で示されるものは、軸心に穴2が形成された円筒状の金属よりなり厚肉圧力容器としての厚肉円筒体であり、この厚肉円筒体1は図27に示されるようなプレス装置3の基台4上に設置され、このプレス装置3に設けられた硬質金属製のマンドレル5が厚肉円筒体1の穴2内に圧入される。
【0003】
前記マンドレル5のテーパ部5aは、プレス装置3によりマンドレルを押込み、もしくは引抜くことにより、前記厚肉円筒体1の穴2がこのテーパ部5aによって押し広げ(拡開)されて自緊が施され、その内表面近傍に高い圧縮応力を付与することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の厚肉圧力容器の自緊方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の従来方法では、単一の穴を有する厚肉円筒体の自緊は可能であるが、多くの穴が形成された場合の厚肉円筒体に対する自緊のニーズには対応が不可能であった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、4個以上10個以下の穴が同心円状に並ぶ厚肉圧力容器に対して自緊を行うことにより、発生する最大応力が低くなり、また、高い圧縮応力を穴内径部に付与することができ、全ての穴を同時自緊する場合よりも自緊治具やプレス装置の規模も小さくできコスト削減を可能とするようにした複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、4個以上10個以下の穴が同心円状に形成された厚肉圧力容器に対し、前記各穴を1個ずつ自緊するか、又は、前記厚肉圧力容器の円周方向に沿って少なくとも1個飛ばした配置の複数の前記穴を同時に自緊した後に残りの前記穴が隣り合わないように自緊する方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法の好適な実施の形態について説明する。尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において符号1で示されるものは軸心に対して同心円状の位置に穴2が4個形成された円筒状の金属よりなる厚肉圧力容器であり、この厚肉圧力容器1は図2に示されるようなプレス装置3の基台4上に設置され、このプレス装置3に設けられた複数の硬質金属製のマンドレル5が厚肉圧力容器1の穴2内に圧入できるように構成されている。
【0008】
前記マンドレル5のテーパ部5aは、プレス装置3によりマンドレルを押込み、もしくは引抜くことにより、前記厚肉圧力容器1の穴2がこのテーパ部5aによって押し広げ(拡開)されて自緊が施され、その内表面近傍に高い圧縮応力を付与することができる。
【0009】
図3は、図1の厚肉圧力容器1の平面構成を示しており、図4から図8は各穴2にマンドレル5を圧入して自緊する場合の順序について示している。
すなわち、図4は全ての穴2を同時に圧入(ハッチング状に示す、以下同様)、図5は互いに隣接する2個の穴2毎に圧入、図6は互いに対角位置の2個の穴2に圧入、図7は隣接する1個の穴2毎に順次圧入、図8は対角する位置の1個の穴2毎に順次圧入している。
尚、自緊手段としては、前述のマンドレル又は周知の水圧手段を用いるが、図4の同時方法及び図5のように隣接する穴2を同時に圧入することは避け、図6のように互いに離れた位置、図7及び図8のように1個の穴2毎に圧入を行うと全ての穴2に対して高い自緊の効果が得られる。
【0010】
次に、前述の図4から図8で行った5ケースの各圧入による自緊(水圧法による圧入方法)は、次の表1の第1表の通りである。
【0011】
【表1】
【0012】
すなわち、前述の5ケースについてその自緊の解析を行った。尚、図9及び図10に示す厚肉圧力容器断面の平面モデルを用いて有限要素法による解析を行った。ただし、全穴同時に加圧する自緊手順に対しては、モデルの対称性を考慮し断面全体の1/8領域のみをモデル化した。自緊時の水圧は1穴当り90kgf/mm2とし、この圧力が厚肉圧力容器の内表面に均等に作用するものとして解析を行った。なお、厚肉圧力容器の材料定数は次の表2の第2表及び図11に示される値を用いた。
【0013】
【表2】
【0014】
図12、図13にケース1(全穴同時加圧)の解析結果を示す。このモデルに対する解析では、内圧が90kgf/mm2に達する前に厚肉圧力容器1が限界耐荷力に達したため、内圧が76kgf/mm2の時点で加圧を中止した。同図の相当応力分布に示すように、隣接する穴と穴で塑性領域が連結したためと考えられる。また、自緊終了後における穴周方向圧縮応力の残留領域も小さい。
【0015】
図14、図15にケース2(2穴毎隣接穴順)の解析から得られた相当応力と周方向応力の分布を示す。このモデルに対する解析では、ケース1(全穴同時加圧)の場合と同様に内圧が90kgf/mm2に達する前に厚肉圧力容器が限界耐荷力に達した。加圧時(内圧76kgf/mm2)の相当応力の分布より、隣接する穴と穴で塑性領域が連結していることがわかる。
【0016】
図16、図17にケース3(2穴対角穴順)に対する解析結果を示す。加圧時(内圧90kgf/mm2)の相当応力の分布を見ると、塑性域が外表面まで広がっていることがわかる。また、自緊終了時には、全ての穴においてほぼ均等かつ同心円状に圧縮応力が残留している。
【0017】
従って、1個の穴2毎加圧のケース4及び5はほぼ同様な結果が得られたためケース5のみの結果を図18及び図19に示す。自緊終了時には、全ての穴2においてほぼ均等かつ同心円状に穴周方向圧縮応力が残留している。
以上まとめると、ケース3、4そして5は均等かつ高い自緊効果が得られたのに対し、ケース1と2は自緊手順として不適と判断される。
【0018】
次に、図20は6個の穴2を有する厚肉圧力容器を示しており、図22は円周方向に沿って少なくとも1個飛ばした配置で2個ずつの穴2を同時に自緊し、穴2が6個以上の場合には残りの穴2があった場合には、穴2が隣り合わないように自緊する。
【0019】
図21は、6個の穴2の場合において、各穴2を1個毎に自緊を行う方法を示している。
図22、図23は、6個の穴2の他の自緊方法を示している。
図24は、6個の穴2の場合において、3個の穴2毎に自緊を行う方法を示している。
図25は、6個の穴2の場合において、3個、2個、1個の順で自緊を行う方法であり、何れも隣り合う穴2がない状態で自緊を行う形態である。尚、穴2の数としては、厚肉圧力容器1の形状からみて4個以上10個以下が好適である。
【0020】
従って、本発明においては、4個以上10個以下の穴2が同心円状の位置に並ぶ厚肉圧力容器1を水圧もしくはスエージングにより1つ穴毎もしくは、円周方向に1つ以上飛ばした配置の穴2を同時に自緊した後、さらに残りの穴2が隣り合わないよう順次自緊して行くことにより、穴2が押し広げられた際に発生する構造物全体の最大応力値が、すべての穴2を同時に、もしくは隣り合う穴2を同時に順次自緊する場合と比較して小さくなる。このため、厚肉圧力容器1の局所的な応力集中や塑性変形が防ぐことが可能で、それぞれの穴内径部に作用する残留圧縮応力も均等になる。また、より高い圧力を穴2内径部に付与することができるため、自緊の効果も高くなる。さらに、すべての穴2を同時自緊する場合と比較すると、水圧もしくはスエージングによる自緊治具やプレス装置の規模も小さくなりコストが削減される。
【0021】
【発明の効果】
本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、4個以上10個以下の穴が同心円状に並ぶ厚肉圧力容器を水圧もしくはスエージングにより1つ穴毎もしくは、円周方向に1つ以上飛ばした配置の穴を同時に自緊した後、さらに残りの穴が隣り合わないよう順次自緊するため、穴が押し広げられた際に発生する構造物全体の最大応力値が低くなり、また、より高い圧縮応力を穴内径部に付与することができる。さらにすべての穴を同時自緊する場合と比較すると、自緊治具やプレス装置の規模も小さくなりコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法に適用する厚肉圧力容器を示す斜視図である。
【図2】図1の厚肉圧力容器を自緊する状態を示す構成図である。
【図3】図1の各穴に対して自緊を行う場合の平面説明図である。
【図4】図3において全穴同時自緊を示す説明図である。
【図5】図3において2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図6】図3において2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図7】図3において1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図8】図3において1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図9】第1表のケース1の解析用モデルである。
【図10】第1表のケース2〜5の有限要素法解析用モデルである。
【図11】図1の厚肉圧力容器の応力/ひずみ曲線特性図である。
【図12】第1表のケース1の加圧時の解析結果図である。
【図13】図12の自緊終了時の応力分布図である。
【図14】第1表のケース2の加圧時の解析結果図である。
【図15】図14の自緊終了時の応力分布図である。
【図16】図10のNo.1と3及びNo.2と4加圧時の応力分布図である。
【図17】第1表のケース3の自緊終了時の応力分布図である。
【図18】図10の各穴の負荷時の分布図である。
【図19】第1表のケース5の自緊終了時の応力分布図である。
【図20】6個の穴を有する厚肉圧力容器の平面図である。
【図21】本発明の1穴毎の自緊を示す説明図である。
【図22】図20の2穴毎の自緊を示す説明図である。
【図23】図22の他の形態を示す説明図である。
【図24】図20の3穴毎の自緊を示す説明図である。
【図25】図20の他の自緊を示す説明図である。
【図26】従来の厚肉円筒体を示す斜視図である。
【図27】従来の自緊方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 厚肉圧力容器
2 穴
Claims (1)
- 4個以上10個以下の穴(2)が同心円状に形成された厚肉圧力容器(1)に対し、前記各穴(2)を1個ずつ自緊するか、又は、前記厚肉圧力容器(1)の円周方向に沿って少なくとも1個飛ばした配置の複数の前記穴(2)を同時に自緊した後に残りの前記穴(2)が隣り合わないように自緊することを特徴とする複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002168497A JP2004009117A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法 |
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JP2002168497A JP2004009117A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 複数穴を有する厚肉圧力容器の自緊方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004009117A true JP2004009117A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30435389
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004009117A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9249798B2 (en) | 2006-06-23 | 2016-02-02 | Schlumberger Technology Corporation | Autofrettage process for a pump fluid end |
CN107309288A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-11-03 | 中国人民解放军军械工程学院 | 一种枪炮身管外部机械自紧装置及自紧方法 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168497A patent/JP2004009117A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9249798B2 (en) | 2006-06-23 | 2016-02-02 | Schlumberger Technology Corporation | Autofrettage process for a pump fluid end |
CN107309288A (zh) * | 2017-07-19 | 2017-11-03 | 中国人民解放军军械工程学院 | 一种枪炮身管外部机械自紧装置及自紧方法 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070116 |