JP2004009097A - 複合材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非磁性金属板1の表面には非メッキ部Xと予めメッキされた接合用金属層3とからなり、磁性金属板2の表面全面には接合用金属層3が施されている。これら非磁性金属板1と磁性金属板2が接合されたクラッド材よりなり、上記接合面の間には接合用金属層3が介在されると共に、接合用金属層3が介在されずに未接合の非磁性金属板1と磁性金属板2の間に非メッキ部Xが残存した真空部8が設けられている。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合材およびその製造方法に関し、詳しくは、電磁誘導加熱が可能である上に断熱性能にも優れた金属製の複合材として好適に用いられると共に、真空部を有する金属製の複合材の形成に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IHジャー炊飯器の内釜等に用いられる電磁誘導加熱容器等は、金属製の複合材により形成されている。例えば、発熱層となるステンレス、鉄等の磁性金属板と、伝熱層となるアルミニウム等の非磁性金属板とのクラッド材を絞りプレス加工して形成し、外面側を上記磁性金属板として誘導コイルと対向させ電磁誘導加熱するものとしている。
上記クラッド材は、上記非磁性金属板と上記磁性金属板を重ね合わせてロール圧延によりクラッド材としている場合が多い。
【0003】
また、近時、上記のような電磁誘導加熱容器に用いられる複合材としては、電磁誘導加熱が可能であることと、加熱状態を保持できる断熱性能を併せ持つことが要求されている。このため、非磁性材料よりなる真空二重容器の外面に、磁性を有する金属被覆層を形成し、真空とした断熱空間により断熱性を備えた電磁誘導過熱調理用真空二重容器等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記真空二重容器は、非磁性材料である内容器と外容器との間を真空とし、その真空容器の外面に磁性材料を被覆している。このため、調理器から発生した磁力線が内と外の非磁性材料と空所内を貫通する必要があり、磁性材料に誘導電流を生じさせ発熱させるのには、効率が悪くなり、優れた加熱性と断熱性の両立の点で問題がある。
【0005】
また、上記のような電磁誘導加熱が可能であることと、加熱状態を保持できる断熱性能を併せ持つ複合材は、用途に応じて要求性能が異なっているため、各要求性能に対応可能な汎用性に優れた材料が望まれている。
【0006】
さらに、真空部により断熱性を付与する場合には、複合材中に真空部を設けることが必要となるが、要求性能に応じて複合材中に真空部を形成するには、溶接等の非常に煩雑な工程が必要となると共に、溶接等によれば均一な材質の材料を形成しにくいという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、電磁誘導加熱が可能である上に断熱性能にも優れ、要求性能に応じた設計変更が容易であり、汎用性に優れた金属製の複合材を提供すること、及び、金属板を接合したクラッド材からなる複合材において、容易に真空部を形成できる製造方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、非磁性金属板と磁性金属板が接合されたクラッド材よりなり、上記接合面の間には接合用金属層が介在されると共に、該接合用金属層が介在されずに未接合の上記非磁性金属板と磁性金属板の間に真空部が設けられていることを特徴とする複合材を提供している。
【0009】
上記のように、非磁性金属板と磁性金属板の間に介在させる接合用金属層の介在状態を適宜変更することで両金属板の間に未接合の真空部分を設けることができる。この真空部の存在により断熱性能を得ることができると共に、真空部は非磁性金属と磁性金属の間に設けられているため、電磁誘導加熱性をも得ることができる。また、接合用金属層の配置位置や形状・大きさ、あるいは各金属板の厚みや材質等の組み合わせを適宜変更するだけで、真空部を含めた複合材の構成を容易かつ自由に設計可能であり、種々の性能の複合材を得ることができる。
従って、本発明の複合材は、電磁誘導加熱が可能である上に断熱性能にも優れ、要求性能に応じた設計変更が容易であり、汎用性に優れ、種々の用途に用いることができる。
【0010】
上記クラッド材は円形状のブランクとされ、プレス加工で底部と側壁とを備えた電磁誘導加熱容器として成形されるものであり、上記真空部は側壁となる位置に設けられている。
このように、電磁誘導により発熱する磁性金属板と、伝熱層となる非磁性金属板との間の真空部が側壁となる位置に設けられることにより、電磁誘導加熱容器の加熱性を維持しながら、断熱性を効率良く高めることができる。また、絞り加工等のプレス加工を行うことにより、底部と側壁とを備えた所望形状の容器を形成できる上に、プレス加工時の引っ張り力により、真空部の真空度を向上させることができる。なお、真空部を底部に設けることもでき、クラッド材は、楕円形状、多角形状等の形状としても良い。
【0011】
上記真空部は上記ブランクの中心に対して円環形状に設けられ、上記側壁となる部分の全周に沿って連続した真空部を形成する構成としている。このように、真空部を側壁の全周に沿って連続させることにより、電磁誘導加熱容器の断熱性能をさらに高めることができる。
【0012】
また、上記真空部は、上記側壁となる部分に並列した垂直方向、クロス方向あるいは点在するように設けることができ、その他、要求性能に応じて所望の位置及び構成に適宜設定可能である。
【0013】
上記真空部と対応する上記非極性金属板あるいは/及び磁性金属板には浅い凹部を設けて、真空部の容積を増大させることができる。
このように、真空部の容積を増大させることにより、断熱性能をさらに向上させることができる。上記金属板の凹部の形状や大きさを適宜設定することにより、所望の断熱性能を得ることができる。
【0014】
上記非磁性金属の表面に微細な凹凸部が設けられ、該凹凸部の表面にフッ素樹脂層が設けられている
このように、非磁性金属板の表面にエッチング等により、微細な凹凸加工面を設けることで、フッ素樹脂が表面の凹凸に入り込み、非粘着性のフッ素樹脂によるベースコートを強固に行うことができる。よって、複合材に容易に離型性を付与することができる。
【0015】
上記非磁性金属板はアルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス等からなり、
上記磁性金属板は磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等からなり、
上記接合用金属層は上記非磁性金属板あるいは/及び磁性金属板の接合側表面に予めメッキされた銅、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属層からなることが好ましい。
【0016】
上記接合用金属層は、上記のように予めメッキされていることが好ましいが、蒸着、イオン蒸着、溶融金属浸漬法あるいは溶融金属溶射法等により設けられても良い。また、上記接合用金属をパンチングメタルとし、該パンチングメタルの空孔部を未接合とすることにより、複数の微小な真空部を設けることもできる。
【0017】
また、本発明は、複数の金属板を接合したクラッド材からなる複合材を製造する方法であって、
上記金属板の接合面に予め接合用金属となるメッキ層を設け、該メッキ層の形成時にマスキングを施して非メッキ部を設けておき、
上記金属板をホットプレスで接合する時に、非メッキ部を未接合の真空部として残存させていることを特徴とする複合材の製造方法を提供している。
【0018】
上記のように非メッキ部を未接合として金属板間に残存させて金属板を接合することで、金属板間に容易に真空部を形成することができる。また、金属板の接合面において、非メッキ部の配置位置を変更するだけで、所望の位置に真空部を形成することができる。従って、溶接等の煩雑な工程を要することなく、従来に比べて非常に容易かつ安価に真空部を有する複合材を得ることができる。
【0019】
また、上記金属板の枚数は複数枚であれば良く、金属板の枚数を増加させ、未接合部を複層に渡って設けることにより、真空部を複層有する構成とすることもできる。なお、上記複数の金属板の材質は、同一であっても良いし、各々異なっていても良い。金属板、非メッキ部の材質、及び構成を適宜設定することで、種々の要求性能を実現させると共に、真空部を有する複合材を得ることができる。
【0020】
さらに、金属板をホットプレスにより接合しているため、板厚や接合強度等を均一とすることができ、絞り加工を行った際に、割れやしわ等の発生を防止することができる。
【0021】
上記接合される一方の金属の接合面全体に上記メッキ層を設けていると共に、他方の金属の接合面には部分的に非メッキ部を設けることができる。
また、上記接合される両方の金属板の接合面に非メッキ部を設け、これら非メッキ部を対向位置あるいはずれた位置に設けることができる。
このように、真空部の厚みの調整や真空部の配置位置を要求性能に応じて、種々のパターンに容易に設定することができ、所望性能の複合材を容易に得ることができる。なお、メッキ層と金属層とを直接接合することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の複合材であるクラッド材10を示す。IHジャー炊飯器の内釜等の電磁誘導加熱容器の素材となり、本発明の複合材であり、非磁性金属板と磁性金属板が接合されたクラッド材10は、図1に示すように、非磁性金属板としてアルミニウム板1を用いて円板形状とし、磁性金属板としてはステンレス板2を用いて円板形状としている。なお、図1中では、図示されていないが、アルミニウム板1の上面にはフッ素コートが施されている。
【0023】
以下、クラッド材10の製造方法について詳述する。
まず、アルミニウム板1の上面にフッ素コートが施される。アルミニウム板1の上面側には、図2に示すように、予めエッチング処理により表面に微細な凹凸1aを形成している。
アルミニウム板1の微細な凹凸加工した上面に、着色されたフッ素樹脂をベースコート4として5〜60μm(本実施形態では25μm)の厚さでコーティングしている。
この際、アルミニウム板1の表面に微細な凹凸1aを設けることで、フッ素樹脂が表面の凹凸に入り込み、非粘着性のフッ素樹脂によるベースコート4を強固に行うことができる。
【0024】
更にベースコート4の表面に無色のフッ素樹脂をトップコート5として5〜50μm(本実施形態では25μm)の厚さでコーティングしている。なお、ベースコート4およびトップコート5に用いるフッ素樹脂としては、耐熱性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いることが好ましい。
【0025】
図3(A)(B)に示すように、上面にベースコート4及びトップコート5からなるフッ素コートが施されたアルミニウム板1の下面に接合用金属層となる銅メッキ層3を部分的に設け、ステンレス板2の上面に接合用金属層となる銅メッキ層3を全面に設けており、銅メッキ層3を介在させてアルミニウム板1とステンレス板2とを同心に接合したクラッド材10としている。アルミニウム板1の下面は、銅メッキ層形成時にマスキングを施すことにより、中心位置に円形状の銅メッキ層3、外周縁側に円環状の銅メッキ層3、これら2つの銅メッキ層3の中間に非メッキ部Xが設けられている。
【0026】
クラッド材10は、アルミニウム板1とステンレス板2の間に、銅メッキ層3が介在されずに未接合である真空部8が設けられている。クラッド材10は、円形状のブランクとされ、プレス加工で底部と側壁とを備えた電磁誘導加熱容器として成形されるものであり、真空部8はブランクの中心に対して円環形状に設けられ、側壁となる部分の全周に沿って連続して形成されている。
【0027】
具体的には、銅メッキ層3が互いに対向するようにアルミニウム板1とステンレス板2を積層配置し、熱間一軸加圧法によりホットプレスすることによって、銅メッキ層3を部分的に介在させて、未接合部を真空部8としたクラッド材10を形成している。
上記ホットプレスとしては、熱間等方向加圧法や熱間一軸加圧法などが挙げられるが、本実施形態では、熱間一軸加圧法によりホットプレスしている。
【0028】
詳しくは、上面側にフッ素樹脂コート及び下面側に銅メッキ層3が部分的に施されたアルミニウム板1と、上面側に銅メッキ層3が全面に施されたステンレス板2とを上下積層し、加熱炉と油圧プレスを備えた装置で熱と圧力を同時に加えることにより、銅メッキ層3を接着層としてアルミニウム板1とステンレス板2を円環上の真空部8が設けられるように接合している。即ち、非メッキ部Xを未接合の真空部8として残存させている。
【0029】
上記熱間一軸加圧法によるホットプレスは、温度180〜600℃、圧力200〜1000kg/cm2、加圧時間10min〜30hの条件下で行っており、減圧下または真空下で行っている。これにより、未接合部を真空部8とすることができると共に、接合界面へのガス分子の介在を低減し、接合される金属同士の拡散を促進することもできる。
【0030】
非磁性金属板は、熱伝導性が良好で伝熱層となるものであれば特に限定されなず、アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス等の材料が好適に用いられ、本実施形態では熱伝導性や加工性が良好となる点からアルミニウム板1を用いている。
アルミニウム板1は、強度や熱伝導性等の観点から0.5〜5.0mm(本実施形態では1.7mm)の厚みのものを使用し、後述する電磁誘導加熱容器6の略展開形状の大きさの円形に打ち抜いている。また、アルミニウム板1の下面側には、接合用金属層となる銅メッキ層3を施し、この銅メッキ層3の厚さは1〜50μm(本実施形態では10μm)としている。
【0031】
磁性金属板は、高周波磁界により渦電流が流れて発熱層となるものであれば特に限定されず、磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等の材料が用いられるが、本実施形態では、磁性のステンレス板2を用いている。
ステンレス板2は、0.1〜3.0mm(本実施形態では0.5mm)の厚みのものを使用して、上記アルミニウム板1と同径となるように円形に打ち抜いており、その上面側には、接合用金属層となる銅メッキ層3を施し、この銅メッキ層3の厚さは1〜50μm(本実施形態では10μm)としている。
【0032】
なお、アルミニウム板1の下面およびステンレス板2の上面に施された銅メッキ層3は、メッキ材料としてアルミニウム、ニッケルあるいは/および銀等で代替しても良い。
【0033】
上記した本発明の複合材であるクラッド材10を、図4に示すように、深絞り加工で、底壁6aと側壁6bとを備えた炊飯器(電磁誘導加熱容器)の内釜6を形成している。真空部8は、側壁6bの全周に沿って連続して配置されている。
【0034】
このように、電磁誘導により発熱する磁性金属板であるステンレス板2と、伝熱層となる非磁性金属板であるアルミニウム板1との間の真空部8が側壁6bとなる位置に設けられることにより、加熱性を維持しながら、断熱性を効率良く高められた電磁誘導加熱容器の内釜6を得ることができる。
【0035】
また、非メッキ部Xを未接合として金属板間に残存させて金属板を接合することで、金属板間に容易に真空部8を形成することができ、溶接等の煩雑な工程を要することなく、従来に比べて非常に容易かつ安価に真空部8を有する複合材からなる電磁誘導加熱容器を得ることができる。
【0036】
図5は第2実施形態を示し、円形状のブランクとなるクラッド材10’において、真空部8’を側壁となる部分に2つに分割して点在させて設けている。
【0037】
図6は第3実施形態を示し、複合材20は、銅メッキ層23を介してステンレス板22と接合されるアルミニウム板21には浅い凹部21aが設けられており、真空部28の容積を増大させている。
【0038】
図7(A)(B)は第4実施形態を示し、アルミニウム板31とステンレス板32の両方の金属板に非メッキ部31A、32Aとがそれぞれ設けられており、非メッキ部を対向位置に設けた状態で、銅メッキ層33を介在させて接合することにより真空部38を形成している。
【0039】
図8(A)(B)は第5実施形態を示し、アルミニウム板31’とステンレス板32’の両方の金属板に非メッキ部31A’、32A’とがそれぞれ設けられており、非メッキ部を各々ずれた位置に設けた状態で、銅メッキ層33’を介在させて接合することにより真空部38’を形成している。このように、銅メッキ層どうしではなく、銅メッキ層33’と対向する金属板とを直接接合することもできる。
【0040】
図9は第6実施形態を示し、接合用金属層をメッキ処理で設ける代わりに、パンチングメタル43を接合用金属として用いて非磁性金属板41と磁性金属板42の間に介在させ、パンチングメタル43の空孔43aにより真空部を設けることもできる。なお、蒸着、イオン蒸着、溶融金属浸漬法あるいは溶融金属溶射法により接合用金属層を設けてもよい。
【0041】
図10は第7実施形態を示し、下面側に銅メッキ層53が部分的に施されたアルミニウム板51Aと、上面側に銅メッキ層53が全面に施され、かつ下面側に銅メッキ層53が部分的に施されたアルミニウム板51Bと、上面側に銅メッキ層53が全面に施されたステンレス板52とを順次積層し、真空部58が複層に存在する構造とした複合材50を得ている。本実施形態では3枚の金属板を用いているが、4枚以上の複層構造とすることもできる。
【0042】
また、真空部の形状や大きさ等は適宜設定可能であり、複合材の形状や大きさ等も用途に応じて適宜設定することができる。なお、上記実施形態では、アルミニウム板1にフッ素コートを施した後に、ホットプレスによりクラッド材10を形成しているが、アルミニウム板とステンレス板とを用いてホットプレスによりクラッド材を形成した後に、アルミニウム板の上面にフッ素コートを施すこともできる。
【0043】
なお、1枚のクラッド材10を構成する1組のアルミニウム板1とステンレス板2を、分離材を介して複数組を型内に積層することで、複合材の大量生産が可能となる。
また、アルミニウム板1とステンレス板2に銅メッキ層3を施す代わりに、別体からなる銅箔を接合用金属箔としてアルミニウム板とステンレス板の間に介在させて積層し、ホットプレスで接合する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、非磁性金属板と磁性金属板の間に介在させる接合用金属層の介在状態を適宜変更することで未接合の真空部分を設けることができる。このため、真空部により断熱性能を得ることができると共に、真空部が非磁性金属と磁性金属の間に設けられているため、電磁誘導加熱性をも得ることができる。
【0045】
また、接合用金属層の配置位置や形状・大きさ、あるいは各金属板の厚みや材質等の組み合わせを適宜変更するだけで、真空部を含めた複合材の構成を自由に設計可能であり、種々の性能の複合材を得ることができる。さらには加工も容易であるため、プレス加工等により所望の形状に容易に形成することができる。
【0046】
従って、電磁誘導加熱が可能である上に断熱性能にも優れ、要求性能に応じた設計変更が容易であり、汎用性に優れ、種々の用途に用いることができる。例えば、IHジャー炊飯器の内釜や電磁調理器用鍋等の電磁誘導加熱容器等に好適に用いることができる。
【0047】
さらに、溶接等の煩雑な工程を有することなく、非常に容易かつ安価に、真空部を有し、電磁誘導加熱性と断熱性を併せ持つ複合材を得ることができ、生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の複合材からなるクラッド材の概略斜視図である。
【図2】微細な凹凸加工表面、及びフッ素樹脂のベースコート、トップコートを示す要部拡大断面図である。
【図3】(A)は複合材の接合前の断面模式図、(B)は接合後の複合材の断面模式図である。
【図4】電磁誘導加熱容器の断面模式図である。
【図5】第2実施形態の複合材からなる円形状ブランクの概略斜視図である。
【図6】第3実施形態の複合材の断面模式図である。
【図7】第4実施形態を示し、(A)は接合前、(B)は接合後の断面模式図である。
【図8】第5実施形態を示し、(A)は接合前、(B)は接合後の断面模式図である。
【図9】第6実施形態の複合材の構成を示す図である。
【図10】第7実施形態を示し、(A)は接合前、(B)は接合後の断面模式図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板(非磁性金属板)
1a 微細な凹凸
2 ステンレス板(磁性金属板)
3 銅メッキ層(接合用金属層)
4 ベースコート(フッ素樹脂層)
5 トップコート(フッ素樹脂層)
6 電磁誘導加熱容器の内釜
6a 底壁
6b 側壁
8 真空部
10 クラッド材
X 非メッキ部
Claims (10)
- 非磁性金属板と磁性金属板が接合されたクラッド材よりなり、上記接合面の間には接合用金属層が介在されると共に、該接合用金属層が介在されずに未接合の上記非磁性金属板と磁性金属板の間に真空部が設けられていることを特徴とする複合材。
- 上記クラッド材は円形状のブランクとされ、プレス加工で底部と周壁とを備えた電磁誘導加熱容器として成形されるものであり、
上記真空部は側壁となる位置に設けられている請求項1に記載の複合材。 - 上記真空部は上記ブランクの中心に対して円環形状に設けられ、上記側壁となる部分の全周に沿って連続した真空部を形成する構成としている請求項2に記載の複合材。
- 上記真空部は、上記側壁となる部分に並列した垂直方向、クロス方向あるいは点在するように設けられている請求項2に記載の複合材。
- 上記真空部と対応する上記非極性金属板あるいは/及び磁性金属板には浅い凹部を設けて、真空部の容積を増大している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複合材。
- 上記非磁性金属の表面に微細な凹凸部が設けられ、該凹凸部の表面にフッ素樹脂層が設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複合材。
- 上記非磁性金属板はアルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス等からなり、
上記磁性金属板は磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等からなり、
上記接合用金属層は上記非磁性金属板あるいは/及び磁性金属板の接合側表面に予めメッキされた銅、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属層からなる請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の複合材。 - 複数の金属板を接合したクラッド材からなる複合材を製造する方法であって、
上記金属板の接合面に予め接合用金属となるメッキ層を設け、該メッキ層の形成時にマスキングを施して非メッキ部を設けておき、
上記金属板をホットプレスで接合する時に、非メッキ部を未接合の真空部として残存させていることを特徴とする複合材の製造方法。 - 上記接合される一方の金属の接合面全体に上記メッキ層を設けていると共に、他方の金属の接合面には部分的に非メッキ部を設けている請求項8に記載の複合材の製造方法。
- 上記接合される両方の金属板の接合面に非メッキ部を設け、これら非メッキ部を対向位置あるいはずれた位置に設けている請求項8に記載の複合材の製造方法。
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