JP4011410B2 - 電磁誘導加熱容器用の複合材、該複合材からなる容器およびその製造方法 - Google Patents

電磁誘導加熱容器用の複合材、該複合材からなる容器およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導加熱容器用の複合材、該複合材からなる容器、およびその製造方法に関し、詳しくは、IH(電磁誘導加熱)ジャー炊飯器の内釜や電磁調理器用鍋等に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジャー炊飯器内釜等に用いられる電磁誘導加熱容器は、発熱層となるステンレス、鉄等の磁性金属板と、伝熱層となるアルミニウム等の非磁性金属板との複合材を深絞りプレス加工して形成し、外面側を上記磁性金属板として誘導コイルと対向させ電磁誘導加熱するものとしている。
上記複合材は、アルミニウム等の非磁性金属板とステンレス等の磁性金属板を全面に亙って張り合わせて接合したクラッド材としている場合が多く、容器内面となる非磁性金属層の表面にはこびりつき防止のフッ素被覆層が設けられている。
【0003】
また、近時、炊飯器の多機能化に伴って、内釜の内面には通常の量的な目盛りの他、赤飯用、おじや用、もち米用等の多種の目盛りや文字の表示を付すことが要求されている。
この目盛りや文字の表示は、プレス等により凹凸を設け刻印により付する場合と、印刷や塗装により表示を付す場合とがある。
【0004】
上記した非磁性金属板と磁性金属板とを全面に接合したクラッド材は、板厚のバラツキが大きく、プレス成形加工時に割れやしわが発生し易いと共に、所定形状に打抜加工する際に大量に発生する打抜屑が複合材であるためリサイクル性に問題がある。
さらに、ステンレス等の磁性金属板とアルミニウム等の非磁性金属板との板目方向を調整して夫々の方向性を合致させなければ、深絞りプレス加工時に均一に延びない問題がある。
そのため、深絞りプレス加工前の板状のクラッド材の時点で、加工による延びを予測して予め目盛りや文字等の刻印や印刷・塗装による表示を施しておくことは困難であった。一方、上記磁性金属板と上記非磁性金属板との方向性を合わせる作業は、作業性が非常に悪くなる問題がある。
【0005】
このように、絞り加工前に表示を施すことには問題があり、絞りプレス加工で容器とした後に、その周壁に目盛り等の刻印や印刷を行う場合もあるが、表示面が曲面となるため容易に行うことができず、かつ、印刷や塗装の場合はこびりつき防止のフッ素コーティングを加工後に行わねばならない問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、目盛り等を印刷する必要のない部分は上記非磁性金属板と磁性金属板とを接合したクラッド部とし、目盛り等を予め印刷する必要のある部分は上記非磁性金属板のみの非クラッド部とした部分クラッド材を用いれば、絞りプレス加工を行っても上記非磁性金属板のみの箇所は均一に延びて、プレ印刷が可能になることに着眼した。
【0007】
しかしながら、ステンレス等の磁性金属板とアルミニウム等の非磁性金属板とのクラッド材は、一般的にロール圧延により製造されているが、ロール圧延は圧縮して接合を行うため、非磁性金属板の一部に非磁性金属板を所要の形状で部分クラッドすることは困難である。
【0008】
あるいは、ステンレス等の磁性金属板とアルミニウム等の非磁性金属板とを張り合わせてクラッド材とするのではなく、アルミニウム等の非磁性金属板の所要部位にステンレスやニッケル等の磁性金属材を部分的にメッキしてマスキングすることも考えられるが、この場合にはメッキにより磁性金属からなる発熱層を設けるため、発熱層が薄肉となり高出力化が困難となる。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、電磁誘導加熱容器用の複合材の発熱出力を低下させることなく、絞りプレス加工前にプレ印刷可能となるようにすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、非磁性金属板の一部に磁性金属板が接合された部分クラッド材からなり、該部分クラッド材は、絞りプレス加工で底壁と周壁とを備えた電磁誘導加熱用の容器とされ、該容器の底壁に配置される上記磁性金属板が誘導コイルと対向して発熱され、上記非磁性金属板に導熱されるものとなる電磁誘導加熱容器用の複合材であって、
上記容器の周壁となる部分は非クラッド部とする一方、該容器の底壁となる部分はクラッド部とし、この非磁性金属板と磁性金属板のクラッド部には接着用金属層を介在させ、ホットプレスで接着用金属層を溶融して接合し、
上記非磁性金属板は上記磁性金属板との接合側と反対面に微細な凹凸を備え、該凹凸表面にフッ素樹脂層のベースコートを設け、さらに、上記容器の周壁なる非クラッド部の内面の上記ベースコートの表面に目盛り、模様、文字等の上記表示を印刷あるいは塗装により予め表示を付していることを特徴とする電磁誘導加熱容器用の複合材を提供している。 上記磁性金属板は、上記容器の底壁となる位置で、上記非磁性金属板と接合されている一方、予め表示が付される周壁となる上記非磁性金属板の部分には上記磁性金属板が接合されていない。
【0011】
上記複合材によると、絞りプレス加工により容器とされた際の周壁であって、目盛りや模様や文字等の表示が付される部分は、磁性金属板が接合されていない非クラッド部となり加工による延び率が均一であるので、この延びを考慮して予め所要の表示を付しておくことが可能となる。
また、絞りプレス加工により容器とされた際の底壁であって、誘導コイルと対向する部分は、磁性金属板と非磁性金属板とを接合したクラッド部となるので、電磁誘導により磁性金属板で発熱し、伝熱層となる非磁性金属板によりムラ無く伝熱することができる。
【0012】
しかも、上記部分クラッド材は、ホットプレスにより非磁性金属板の一部に磁性金属板を接合しているので、各金属板の板厚を自由に設定することが可能となり、磁性金属板での発熱を高出力化することも容易となる。
さらに、磁性金属板と非磁性金属板とを全面張り合わせしたクラッド材に比べて、磁性金属板の使用量が少なくなるので材料コストを削減できると共に、所要形状の打抜加工は磁性金属板、非磁性金属板の単体で行うためリサイクル性もよい。
【0013】
上記磁性金属板との接合面と反対面の上記非磁性金属板の表面には微細な凹凸を備え、該凹凸表面にフッ素樹脂層のベースコートを設け、該ベースコートの表面に所要位置の目盛り、模様、文字等の上記表示を印刷あるいは塗装により予め付している。
【0014】
上記のように、非磁性金属板の表面に微細な凹凸面を設けることで、フッ素樹脂が表面の凹凸に入り込み、非粘着性のフッ素樹脂によるベースコートを強固に行うことができる。
また、上記ベースコート上に付された上記表示層の表面に更にトップコートのフッ素樹脂層を設けることで、目盛り、模様、文字等の表示部の表面にこびりつきの発生を確実に防止することができる。
【0015】
さらに、上記非磁性金属板には、磁性金属板と接合する部分に凹部を設ける一方、上記磁性金属板は凹部と嵌合する形状とし、非磁性金属板の凹部に磁性金属板を嵌合した状態で非磁性金属板の他の部位と同一肉厚の平板状とすることが好ましい。
このように、非磁性金属板の一部に磁性金属板をはめ込んで一定厚さの部分クラッド材とすると、磁性金属板を接合した部分が段差として突出せず、絞りプレス加工時における加工性を向上させることができる。
【0016】
上記複合材を構成する各金属板の具体例としては、上記非磁性金属板はアルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、非磁性ステンレス等からなり、上記磁性金属板は磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等からなることが好ましい。
【0017】
また、上記非磁性金属板と磁性金属板との間には、銅、アルミニウム、ニッケル、銀等からなる接合用金属層を介在させている。
つまり、上記非磁性金属板と磁性金属板との間に、メッキ等により上記接合用金属層を介在させてホットプレスすることで、該接合用金属層が接着層を形成するので、上記非磁性金属板と磁性金属板とが確実に接合して上記複合材を好適に製造することができる。
なお、上記接合用金属層は、メッキ処理にて設ける代わりに、接合用金属箔を介在させることにより設けてもよい。
【0018】
本発明は、第2に、上記した部分クラッド材の複合材を、絞りプレス加工して成形された電磁誘導加熱容器を提供している。
【0019】
該電磁誘導加熱容器は、上記非磁性金属板の一部である誘導コイルと対向する部分に上記磁性金属板が接合されているので、上記非磁性金属板と磁性金属板とが全面に亙って張り合わせられている容器に比べて軽量化を図ることできる。
【0020】
本発明は、第3に、絞りプレス加工で底壁と周壁とを備えた電磁誘導加熱容器とされる複合材の製造方法であって、
非磁性金属板の一部に磁性金属板がホットプレスで接合して部分クラッド材としている電磁誘導加熱容器用の複合材の製造方法を提供している。
【0021】
詳しくは、上記非磁性金属板は大径の円形に打ち抜き、その一面側にエッチングにより微細な凹凸を設け、該凹凸表面にフッ素樹脂でベースコートを設け、該ベースコート上の磁性金属板と接合されない外周部分に目盛り、文字を印刷あるいは塗装して表示部を設け、その上にフッ素樹脂でトープコートを設けている。そして、小径の円形に打ち抜いた磁性金属板を、上記非磁性金属板の他面側に同心状に積層した状態で、ホットプレスして部分クラッドを形成する。
【0022】
このように、非磁性金属板の表面に表示部を設けた後に、非磁性金属板と磁性金属板との部分クラッド材からなる電磁誘導加熱容器用の複合材を製造した後、該複合材を、磁性金属板が底面となり、非磁性金属板が周壁となるように深絞りプレス加工で容器を成形している。
この絞りプレス加工時には、表示部を設けた部分はクラッド部ではないため延びは均一となる。よって、予め表示を付しておいても、表示部は均一に延びるため、所定の位置に所定の目盛りや文字を位置させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は第1実施形態を示す。
IHジャー炊飯器の内釜等の電磁誘導加熱容器の素材となる複合材10は、図1に示すように、非磁性金属板としてアルミニウム板1を用い、磁性金属板としてステンレス板2を用い、アルミニウム板1は大径円板形状とし、ステンレス板2は小径円板形状とし、図2に示すように、アルミニウム板1の下面にステンレス板2を同心に接合した部分クラッド材からなる。
【0024】
非磁性金属板は、熱伝導性が良好で伝熱層となるものであれば特に限定されず、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、非磁性ステンレス等の材料が用いられるが、本実施形態では熱伝導性や加工性が良い点からアルミニウム板1を用いている。
上記アルミニウム板1は、熱伝導性および強度の観点から0.5〜5.0mmの厚みのものを使用し、下面側に接着層となる銅メッキ3を施し、該銅メッキ3の厚さは1〜20μmとしている。この銅メッキ・アルミニウム板を図1および図2に示す円板形状に打ち抜いている。
【0025】
磁性金属板は、高周波磁界により渦電流が流れて発熱層となるものであれば特に限定されず、磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等が用いられるが、本実施形態では、磁性のステンレス板2を用いている。
ステンレス板2は、0.1〜3.0mmの厚みのものを使用し、上面側に接着層となる銅メッキ3を施し、銅メッキ3の厚さは1〜20μmとしている。
上記アルミニウム板1およびステンレス板2に接着用としてメッキを施す金属は、銅の他にニッケル、銀等でもよい。
【0026】
上記アルミニウム板1の上面側には、図3に示すように、予めエッチング処理により表面に微細な凹凸1aを形成している。
なお、上記エッチングには、電気エッチング、化学エッチング、広義にはブラスト法等も含まれる。
アルミニウム板1のエッチング処理した上面に、着色されたフッ素樹脂をベースコート4として10〜40μmの厚さでコーティングしている。
コーティングされたフッ素樹脂はアルミニウム板1の表面に凹凸1aを設けることで、表面の凹凸に入り込み、非粘着性のフッ素樹脂によるベースコートを強固に行うことができる。
【0027】
上記ベースコート4の表面には、ステンレス板2が接合されていない非クラッド部の領域、即ち、複合材10を深絞りプレス加工で内釜とした時に周壁となる領域に、フッ素樹脂塗料で目盛・文字M等の表示部Mを厚さ1〜35μmで予め印刷している。
この印刷後、表示部Mの上面を含めてベースコートと4の表面に更に無色のフッ素樹脂をトップコート5として5〜40μmの厚さでコーティングしている。
【0028】
なお、ベースコート4およびトップコート5に用いるフッ素樹脂としては、耐熱性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いることが好ましい。
【0029】
その後、図2に示すように、銅メッキ3が互いに対向するようにアルミニウム板1の下面に小径のステンレス板2を同心円状に配置して積層し、ホットプレスすることによって、銅メッキ3を溶融させて接着剤として機能させ、部分クラッドされた複合材10を形成している。
上記ホットプレスとしては、熱間等方向加圧法や熱間一軸加圧法などが挙げられるが、本実施形態では、熱間一軸加圧法によりホットプレスしている。
【0030】
詳しくは、臼と杵からなる型内に、アルミニウム板1とステンレス板2とを積層して充填し、加熱炉と油圧プレスを備えた装置で熱と圧力を同時に加えることにより、銅メッキ3を接着層としてアルミニウム板1とステンレス板2を接合している。
上記熱間一軸加圧法によるホットプレスは、温度180〜600℃、圧力200〜1000kg/cm、加圧時間5min〜30hの条件下で行っており、接合界面へのガス分子の介在を低減し、接合される金属同士の拡散を促進するべく減圧下または真空下で行うことが好ましい。
【0031】
なお、上記ホットプレスにより部分クラッド材からなる複合材を形成する場合、1枚の複合材を構成する1組のアルミニウム板1とステンレス板2を、分離材を介して複数組を型内に積層することで、複合材の大量生産が可能となる。
【0032】
また、アルミニウム板1とステンレス板2に銅メッキ3を施す代わりに、別体からなる銅箔を接合用金属箔としてアルミニウム板とステンレス板の間に介在させて積層し、ホットプレスで接合する構成としてもよい。
【0033】
上記した複合材10を、深絞り加工で図5に示す、底壁6aと周壁6bとを備えた炊飯器の内釜6を形成している。
上記複合材は、大径のアルミニウム板1に対して同心円状に小径のステンレス板2を接合しているので、絞りプレス加工により形成される容器6の底壁6aがクラッド部(アルミニウム板1にステンレス板2が接合された部位)となる一方、周壁6bが非クラッド部(アルミニウム板1にステンレス板2が接合されていない部位)となる。
【0034】
上記深絞りプレス加工される容器6では、目盛・文字等の表示部Mを予め印刷していた周壁6bは、ステンレス板2が接合されていない非クラッド部であるため、絞りプレス加工による延び率(10%程度)が均一となる。よって、この延びを考慮して予め所要の表示を印刷しておくと、目盛りや文字を設計通りの高さに位置させることができる。
また、アルミニウム板1とステンレス板2とを接合したクラッド部は、誘導コイルと対向する底壁のみとしているので、電磁誘導加熱容器6の軽量化が図られると共に、電磁誘導によりステンレス板2で発熱し、伝熱層となるアルミニウム板2によりムラ無く伝熱することができる。
【0035】
しかも、上記複合材は、アルミニウム板1の一部にホットプレスによりステンレス板2を接合しているので、メッキにより複合材としている場合に比べて、各金属板の板厚を容易に大きくすることができ、発熱層となるステンレス板2での発熱を高出力化することができる。
さらに、ステンレス板2はアルミニウム板1に部分的に接合しているので、全面張り合わせしたクラッド材に比べて、ステンレス板2の使用量が少なくなり材料コストの削減が図れる。
【0036】
図6および図7は第2実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、非磁性金属板となるアルミニウム板1’に凹部1b’を設けて、磁性金属板となるステンレス板2を凹部1b’に嵌合して、複合材10’の板厚を一定としている点である。
【0037】
円形のアルミニウム板1’の下面中央にステンレス板2の外径と略同一の内径を有する円形の凹部1b’を設けている。
ステンレス板2は凹部1b’に丁度嵌合する厚みとし、凹部1b’の底面に接着用の円形状の銅箔3’を配置した後にステンレス板2を嵌め込んでいる。
ステンレス板2の厚さを有る程度確保すると共に凹部1b’を設けて薄肉となったアルミニウム板の強度を確保するため、アルミニウム板1’は第1実施形態よりも厚くしている。
【0038】
図7に示すように、アルミニウム板1’の凹部1b’に銅箔3’を挟んでステンレス板2を嵌合し、ホットプレスすることによって、銅箔3’を接着材として部分クラッドされ、かつ、クラッド部と非クラッド部との境界に段差の無い同一肉厚の複合材10’が形成される。
【0039】
上記構成の複合材によれば、全体が同一肉厚の平板状となり段差が無くなるので、上記ホットプレスや絞りプレス加工の際に、金型に工夫をする必要もなくなり加工性を向上させることができる。
アルミニウム板1’にエッチング処理を施していること、フッ素樹脂のベースコート、目盛り、文字等のプレ表示部、フッ素樹脂のトープコートを設けていること等の他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0040】
なお、上記複合材を同一肉厚の平板状とする他の製造方法として、第1実施形態と同様な凹部を設けないアルミニウム板1に小径のステンレス板2を部分的に積層した状態で、高圧でホットプレスすることにより、部分クラッド部を強く圧縮してステンレス板2を埋め込み同一肉厚とする方法を用いることもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、IHジャー炊飯器の内釜等の電磁誘導加熱用容器の素材となる複合材は、アルミニウム板等からなる非磁性金属板に対して磁性金属板を誘導コイルと対向する部位に部分接合している一方、目盛りや模様や文字等の表示を予め付される部分は磁性金属板を接合せず、絞りプレス加工時の延び率を均一としている。よって、この絞り加工時における延び率を考慮して予め所要の位置に表示を付しておくと、絞り加工後において周壁の所期の位置に表示を位置させることができる。
【0042】
また、複合材をホットプレスにより部分クラッド化を実現しているため、各金属板の板厚を自由に設定できるので、磁性金属板をメッキで形成して部分クラッドとする場合と比較して厚くでき、発熱を高出力化することも容易となる。
さらに、磁性金属板と非磁性金属板とを全面張り合わせしたクラッド材に比べて、磁性金属板の使用量が少なくなるので、材料コストが削減されると共に軽量化を図ることもできる。
【0043】
さらに、非磁性金属板に予め凹部を設け、該凹部に磁性金属板を嵌合して接合した場合は、部分クラッド材の全体を同一肉厚として段差を無くすことができ、ホットプレスおよび絞りプレス加工の際に金型を工夫する必要がなくなり、かつ、安定した状態でプレス加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1実施形態の複合材の接合前の断面模式図、(B)は斜視図である。
【図2】 (A)は複合材の断面模式図、(B)は斜視図である。
【図3】 フッ素樹脂層のベースコートを示す要部断面模式図である。
【図4】 目盛・文字等を印刷後のフッ素樹脂層のトップコートを示す要部断面模式図である。
【図5】 電磁誘導加熱容器の断面模式図である。
【図6】 第2実施形態の複合材の接合前の断面模式図である。
【図7】 複合材の断面模式図である。
【符号の説明】
1、 1’ アルミニウム板(非磁性金属板)
1a 凹凸
1b’ 凹部
2 ステンレス板(磁性金属板)
3 銅メッキ
3’ 銅箔
4 ベースコート(フッ素樹脂層)
5 トップコート(フッ素樹脂層)
6 電磁誘導加熱容器
M 目盛・文字の表示部

Claims (8)

  1. 非磁性金属板の一部に磁性金属板が接合された部分クラッド材からなり、該部分クラッド材は、絞りプレス加工で底壁と周壁とを備えた電磁誘導加熱用の容器とされ、該容器の底壁に配置される上記磁性金属板が誘導コイルと対向して発熱され、上記非磁性金属板に導熱されるものとなる電磁誘導加熱容器用の複合材であって、
    上記容器の周壁となる部分は非クラッド部とする一方、該容器の底壁となる部分はクラッド部とし、この非磁性金属板と磁性金属板のクラッド部には接着用金属層を介在させ、ホットプレスで接着用金属層を溶融して接合し、
    上記非磁性金属板は上記磁性金属板との接合側と反対面に微細な凹凸を備え、該凹凸表面にフッ素樹脂層のベースコートを設け、さらに、上記容器の周壁なる非クラッド部の内面の上記ベースコートの表面に目盛り、模様、文字等の上記表示を印刷あるいは塗装により予め表示を付していることを特徴とする電磁誘導加熱容器用の複合材。
  2. 上記容器の底壁となる部分の上記非磁性金属板に凹部を設け、該凹部に上記磁性金属板を嵌合し、この嵌合する非磁性金属板と磁性金属板の間に接合用金属層を設け、ホットプレスで上記接合用金属層を溶融させて接合し、該接合状態で上記非磁性金属板の他の部位と同一肉厚の平板状とされている請求項1に記載の電磁誘導加熱容器用の複合材。
  3. 上記非磁性金属板には、少なくとも上記表示の表面に、更にフッ素樹脂層を備えている請求項1または請求項2に記載の電磁誘導加熱用の複合材。
  4. 上記非磁性金属板はアルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、非磁性ステンレス等からなり、上記磁性金属板は磁性ステンレス、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、コバルト、コバルト合金等からなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱容器用の複合材。
  5. 上記ホットプレスで接合される上記非磁性金属板と磁性金属板の表面に施す金属メッキは銅、ニッケル、銀等からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱容器用の複合材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複合材を絞りプレス加工して成形している電磁誘導加熱容器
  7. 非磁性金属板の一部に磁性金属板が接合された部分クラッド材からなり、該部分クラッド材は、絞りプレス加工で底壁と周壁とを備えた電磁誘導加熱用の容器とされ、該容器の底壁に配置させる上記磁性金属板が誘導コイルと対向して発熱され、上記非磁性金属板に導熱されるものとなる電磁誘導加熱容器用の複合材の製造方法であって、
    上記非磁性金属板は大径の円形に打ち抜くと共に、該非磁性金属板の一面に微細な凹凸を形成した後に、該凹凸表面にフッ素樹脂層のベースコートを設け、さらに、中央部を除く外周部の上記ベースコートの表面に目盛り、模様、文字等の上記表示を印刷あるいは塗装により予め表示を付しておく一方、
    上記磁性金属板を上記非磁性金属板より小径な円形に打ち抜き、
    上記磁性金属板の一面又は上記非磁性金属板の表示を付した表面と反対面の中央部に接着用金属層を形成する金属メッキを施しておき、該接着用金属層を挟んで上記非磁性金属板の中央部に上記磁性金属板を重ね合わせた後、あるいは、上記非磁性金属板の表示側と反対面に中央部に上記非磁性金属板を接着用金属層を形成する金属箔を挟んで重ね合わせた後、
    ホットプレスして、上記接着用金属層を溶融して非磁性金属板と磁性金属板とを接合していることを特徴とする電磁誘導加熱容器用の複合材の製造方法
  8. 上記非磁性金属板は円形に打ち抜くと共に、該円形の中央に同心状の凹部を設け、該凹部に上記磁性金属板を嵌合した状態で、ホットプレスで接合している請求項7に記載の電磁誘導加熱容器用の複合材の製造方法
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