JPH0898772A - 電磁調理用鍋の素材の製造方法及び電磁調理用鍋並びにその製造方法 - Google Patents

電磁調理用鍋の素材の製造方法及び電磁調理用鍋並びにその製造方法

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JPH0898772A
JPH0898772A JP23472694A JP23472694A JPH0898772A JP H0898772 A JPH0898772 A JP H0898772A JP 23472694 A JP23472694 A JP 23472694A JP 23472694 A JP23472694 A JP 23472694A JP H0898772 A JPH0898772 A JP H0898772A
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surface side
cooking pot
electromagnetic cooking
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JP23472694A
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English (en)
Inventor
Yoichi Noborio
洋一 登尾
Kiyoshi Kazamaki
清 風巻
Masao Shimoda
政雄 霜田
Yoichi Hisamori
洋一 久森
Kenji Kawaguchi
憲治 川口
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内面側材料と外面側材料が確実に接合され
て、両者の間に空気層が形成されたり剥離したりするお
それがなく、製造が容易で安価であり、その上伝熱効率
の高い調理用鍋の素材の製造方法、調理用鍋及びその製
造方法を得ること。 【構成】 一方の面にろう材13がクラッドされた電磁
調理用鍋を製造するに必要な形状の内面側材料11に、
その内面側材料11とほぼ同形状の外面側材料12を重
ね合せて治具により固定したのち加熱炉で加熱して内面
側材料11と外面側材料12とを接合し、ついで内面側
材料11の表面に表面処理15を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導加熱を利用し
た電磁調理器により、炊飯、煮物、炒め物、揚げ物など
を加熱調理する調理用鍋の素材の製造方法及び調理用鍋
並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁調理器は、調理用鍋の下方に配設さ
れた電磁誘導コイルに高周波電流を供給して交流磁界を
発生させ、調理用鍋に渦電流を流す。この渦電流は調理
用鍋を構成する材料の固有電気抵抗に応じてジュール熱
に変り、調理用鍋を発熱させる。このため、電磁調理器
によって、炊飯、煮物、炒め物、揚げ物などいろいろな
食材の加熱調理を行うことができ、しかも、炎を出さな
いため安全で清潔である。また、直接調理用鍋を発熱さ
せるため熱効率が高く、昨今の省エネルギーの社会的要
請や便利性を反映して急速に普及しつつある。
【0003】このような調理用鍋の材料としては、アル
ミニウムや銅などの非磁性のものでは電気抵抗が低いた
め発熱量が小さく、また、鉄製の調理用鍋では側面から
の放熱が大きくきわめて限られた範囲の調理しかできな
いうえ、重量が重いという欠点がある。そこで、最近で
は、例えば実公平2−27518号公報に示すように、
調理用鍋の内面側材料をアルミニウム、外面側材料をス
テンレスとしたクラッド材からなる二重構造の調理用鍋
が広く使用されている。
【0004】上記のようなクラッド材は、例えば、厚さ
0.55mmのステンレス板と、厚さ2.35mmのア
ルミニウム板とを加圧して複合化し、厚さ2.1mm
(ステンレス板の厚さ0.55mm、アルミニウム板の
厚さ、1.55mm)のクラッド材を製造する。そし
て、調理用鍋を製造するに必要な形状(例えば円板状)
に切断してアルミニウム板の表面にフッ化樹脂をコーテ
ィングし、絞り加工により調理用鍋を製造する。
【0005】ところで、上記のようなクラット材からな
る調理用鍋は、クラッド材自体の製造が困難で高価であ
り、しかも板厚のバラツキが大きい(例えば、2.1m
m±0.3mm)。このため、絞り加工にあったては、
先ず、クラッド材を厚さごとに選別して数種類のグルー
プ(例えば、6種類)に分け、各グループごとに寸法の
異なる金型を用いて絞り加工を行なっていた。さらに、
絞り加工に際して、アルミニウム板とステンレス板が剥
離したり、両者の間に空気層が形成されることがあるた
め、歩留りが悪く、一層のコストアップを招いていた。
【0006】このような問題を解決するために、実開平
6−52720号公報には、アルミニウム板からなる内
面側材料と、ステンレス板からなる外面側材料とを、耐
熱性高分子材料で接着した素材によって構成した電磁誘
導加熱調理用の調理鍋が開示されている。
【0007】この調理用鍋は、適当な大きさにサイジン
グされたアルミニウム板の一面に、ポリフェニレンスル
フィド(PPS)の如き耐熱性高分子材料を塗布し、そ
の上にステンレス板を重ねて300℃程度の高温下で加
圧し、一体化して調理用鍋の素材を製造し、この素材を
成形加工して調理用鍋を製造するようにしたものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような調理用鍋
の素材は、製造が容易で安価であるが、内面側材料と外
面側材料を接着剤で接着して二重構造にしているため、
絞り加工中に内面側材料と外面側材料が剥離することが
あり、また、両者の間に空気層が形成され易く、外面側
材料から内面側材料への熱伝導の妨げになって伝熱効率
の低下を招いたり、長期の使用により内面側材料と外面
側材料が剥離したりするおそれがある。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、内面側材料と外面側材料が確実に接合さ
れて、両者の間に空気層が形成されたり剥離したりする
おそれがなく、製造が容易で安価であり、その上伝熱効
率の高い電磁調理用鍋の素材の製造方法、電磁調理用鍋
及びその製造方法を得ることを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る電磁調理用鍋の素材の製造方法は、
一方の面にろう材がクラッドされ電磁調理用鍋を製造す
るに必要な形状に形成された内面側材料に、内面側材料
とほぼ同形状の外面側材料を重ね合せて治具により固定
したのち加熱炉で加熱して内面側材料と外面側材料とを
接合し、ついで内面側材料の表面に表面処理を施したも
のである。
【0011】(2)また、一方の面にろう材がクラッド
され電磁調理用鍋を製造するに必要な形状に形成された
内面側材料に、一方の面にフラックスが塗布された内面
側材料とほぼ同形状の外面側材料を重ね合せて治具によ
り固定したのち加熱炉で加熱して内面側材料と外面側材
料を接合し、ついで内面側材料の表面に表面処理を施し
たものである。
【0012】(3)さらに、一方の面にろう材がクラッ
ドされ電磁調理用鍋を製造するに必要な形状に形成され
た内面側材料に、一方の面にろう材がぬれやくすなるよ
うな表面処理が施された内面側材料とほぼ同形状の外面
側材料を重ねて治具により固定したのち加熱炉で加熱し
て内面側材料と外面側材料を接合し、ついで内面側材料
の表面に表面処理を施したものである。
【0013】(4)また、上記(1),(2)又は
(3)の何れかによって製造される素材の内面側材料
を、最内面側にマグネシウムを含むアルミニウム材、中
間部にマグネシウムを含まないアルミニウム材、外面側
材料と接する最外面側にマグネシウムを含まないアルミ
ろう材をクラッド加工した3層構造の板材によって構成
したものである。
【0014】(5)さらに、電磁調理用鍋を製造するに
必要な形状の内面側材料と、ろう材と、一方の面にフラ
ックスが塗布された外面側材料とを重ね合せて常温下で
加圧して仮接合したのち加熱炉で加熱してこれらを一体
に接合し、ついで内面側材料の表面に表面処理を施した
ものである。
【0015】(6)また、上記(1),(2),(4)
又は(5)の何れかによって製造される素材の外面側材
料の一方の面を微細な粗面に形成したものである。
【0016】(7)上記(1),(2),(3),
(5)又は(6)の何れかによって製造される素材の内
面側材料をアルミニウム板、外面側材料をステンレス板
としたものである。
【0017】(8)本発明に係る電磁調理用鍋の製造方
法は、上記(1),(2),(3),(4),(5),
(6)又は(7)の何れかによって製造された素材をプ
レス加工などにより成形するものである。
【0018】(9)また、外面材料の電磁調理用鍋の底
部又は底部と側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフ
ラックスを塗布し、若しくはろう材がぬれやすくなるよ
うな表面処理を施し、又は微細な粗面に形成して上記
(2),(3),(4),(5),(6)又は(7)の
何れかの方法に準じて素材を製造し、この素材をプレス
加工などにより成形するものである。
【0019】(10)さらに、内面側材料と同じか又は
これより小さい外面側材料の電磁調理用鍋の底部に相当
する部分に穴を明け、この穴を除く一方の面又は穴を除
く底部若しくは穴を除く底部と側壁の下部に相当する範
囲の一方の面にフラックスを塗布すると共に、ろう材に
穴と整合する穴を明けて上記(5),(6)又は(7)
の何れかの方法に準じて素材を製造し、この素材をプレ
ス加工などにより成形するものである。
【0020】(11)内面側材料と同じか又はこれより
小さい外面側材料のほぼ中心部に穴を設けると共に、電
磁調理用鍋の下方に設置される電磁誘導コイルに対向し
ない位置に複数の小穴を設け、この穴及び小穴を除く一
方の面又は穴及び小穴を除く底部若しくは穴及び小穴を
除く底部と側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフラ
ックスを塗布し、また、ろう材に穴及び小穴と整合する
穴及び小穴を設けて上記(5),(6)又は(7)の何
れかの方法に準じて素材を製造し、この素材をプレス加
工などにより成形するものである。
【0021】(12)上記(8),(9),(10)又
は(11)の電磁調理用鍋の製造方法において、電磁調
理用鍋の上端部を外方にほぼ水平に折曲げてフランジ部
を形成し、このフランジ部を構成する内面側材料のフラ
ンジを折曲げて外面側材料のフランジを包み込み固定す
るようにしたものである。
【0022】(13)上記(12)の電磁調理用鍋の製
造方法において、フランジ部の内面側材料と外面側材料
との間にシール材を塗布若しくは充填し又はパッキンを
介装したものである。
【0023】(14)外面側材料を内面側材料より小さ
く形成して上記(1),(2),(3),(4),
(5),(6)又は(7)の何れかの方法に準じて素材
を製造し、この素材をプレス加工などにより成形するよ
うにしたものである。
【0024】(15)上記(14)の電磁調理用鍋の製
造方法において、外面側材料の上端部と内面側材料の外
周面とをほぼ同一平面に形成したものである。
【0025】(16)本発明に係る電磁調理用鍋は、上
記(8),(9),(10),(11),(12),
(13),14)又は(15)の何れかの方法によって
製造したものである。
【0026】
【作用】本発明に係る素材は、すべて内面側材料と外面
側材料を熱の伝達効率の高いロー付けにより接合したの
で、内面側材料と外面側材料との間に空気が存在せず、
また、これらが剥離するおそれもなく、高品質で熱伝導
の優れた電磁調理用鍋を得ることができる。
【0027】
【実施例】
実施例1.先ず、本発明に係る電磁調理用鍋(以下調理
鍋という)を製造するための素材の製造方法について説
明する。本実施例に係る素材は、図1(a)に示すよう
に、調理鍋の内面側材料を構成する板状のアルミニウム
材11(例えば、JISH4000の304番)の一方
の面にアルミろう材13を圧着したクラッド材(JIS
Z3263で規定されているアルミブレージングシー
ト、以下アルミブレージング材10という)と、外面側
材料を構成する板状のステンレス材12(例えば、フェ
ライト系のSUS430)とを、図1(c)に示すよう
に、アルミブレージング材10のアルミろう材13の面
と、ステンレス材12を対向させて重ね合せ、治具(図
示せず)により固定したのち加熱炉で加熱し、これらを
一体に接合したものである。
【0028】上記のような素材を製造するには、例え
ば、厚さ1.5mmの板状のアルミのブレージング材1
0を図1(b)に示すように、調理鍋を製造するのに必
要な形状(本実施例では円板状の場合が示してある)に
切断し、次に、厚さ0.5mmの板状のステンレス材1
2を上記アルミブレージング材10とほぼ同一形状に切
断する。
【0029】そして、アルミブレージング材10のアル
ミろう材13面と、ステンレス材12を対向して治具に
より固定したのち加熱炉に装入し、不活性ガス雰囲気中
において約610℃で約20分間加熱してろう付け16
し、両者を一体に接合する。最後に、図1(c)に示す
ように、アルミニウム材11の表面にフッ素樹脂等をコ
ーティングし、あるいはアルマイト処理等の表面処理
(以下これらを一括して表面処理15という)を施せば
素材1が完成する。
【0030】実施例2.図2は素材の製造方法を他の実
施例を示すもので、本実施例に係る素材は、図2(a)
に示すように、調理鍋を製造するのに必要な形状に切断
されて調理鍋の内面側材料を構成する板状のアルミブレ
ージング材10のアルミろう材13面と、アルミブレー
ジング材10とほぼ同一形状の外面側材料を構成するス
テンレス材12を対向させ、アルミろう材13面又はス
テンレス材12の一方の面にフラックス14を塗布して
重ね合せ、治具で固定したのち加熱炉に装入し、不活性
ガス雰囲気中において約610℃で約20分間加熱して
ろう付け16をし、両者を一体に接合する。最後に、図
2(c)に示すように、アルミニウム材11の表面に表
面処理15を施せば素材1が完成する。
【0031】実施例3.図3は本発明に係る素材の製造
方法の他の実施例を示すもので、本実施例においては、
実施例2のようにステンレス材12にフラックス14を
塗布する代りに、ステンレス材12の一方の面に、アル
ミろう材13がぬれやすいニッケルメッキ又は金メッキ
17を施し、アルミブレージング材10のアルミろう材
13面と、ステンレス材12のニッケルメッキ面又は金
メッキ面とを対向させて重ね合せ、治具で固定したのち
加熱炉に装入し、不活性ガス雰囲気中において約610
℃で約20分間加熱してろう付け16し、両者を一体に
接合してアルミニウム材11の表面に表面処理を施す。
【0032】実施例4.図4は本発明に係る素材の製造
方法の他の実施例を示すもので、本実施例において、最
内面側にマグネシウムを含むアルミニウム材11a、中
間部にマグネシウムを含まないアルミニウム材11b、
外面側材料と対向する最外面側にマグネシウムを含まな
いアルミろう材13を配設してクラッド加工により三層
構造の内面側材料10aを形成する。ついで、内面側材
料10aのアルミろう材13面とステンレス材12を対
向させて治具により固定し、加熱炉に装入して約610
℃で約20分間加熱してろう付け16し、両者を一体に
接合する。そして、内面側材料10aの表面に表面処理
を施して素材1を製造する。
【0033】実施例5.図5は素材の製造方法の他の実
施例を示すもので、本実施例においては、上記実施例1
〜4のようなアルミブレージング材10を使用せず、調
理鍋を製造するに必要な形状(例えば円板状)のアルミ
ニウム板11(例えば、JIS H4000の3004
番)、アルミろう材13及び一方の面にフラックス14
をコーティングしたステンレス板12(例えば、フェラ
イト系のSUS430)を重ね合せ、常温下において約
10kg/cm2 で加圧し、これらを仮接合して加熱炉
に装入し、約610℃で約20分間加熱してろう付け1
6して両者を一体に接合する。最後にアルミニウム材1
1の表面に表面処理を施して図5(c)に示すような素
材1を製造する
【0034】実施例6.図6は本発明に係る素材の製造
方法の他の実施例を示すもので、本実施例においては、
外面側材料であるステンレス材12の一方の面を微細な
溝、凹凸等により粗面18とし、この粗面を上記実施例
1又は4で説明した内面側材料のアルミろう材13面と
対向させて仮接合し、又は治具により固定して加熱炉に
装入し、約610℃で約20分間加熱して両者を一体に
接合する。最後にアルミニウム材11の表面に表面処理
15を施して素材を製造する。上記実施例1〜6によっ
て製造した素材1は板厚のバラツキがほとんどなく、試
作結果では、板厚は2mm±0.1mm以内であった。
【0035】実施例7.次に、上述の素材1を用いた調
理鍋及びその製造方法について説明する。図7は上記実
施例1,2,3,4,5又は6の何れかによって製造さ
れた素材1を用い、これをプレス加工あるいは塑性加工
などによって成形した調理鍋の模式図である。この場
合、前述のように、素材1は板厚にバラツキがほとんど
ないので、同じ寸法の金型によりプレス加工などによっ
て調理鍋20を製造することができる。また、内面側材
料であるアルミブレージング材10又はアルミニウム材
11(以下単にアルミニウム材11という)と、外面側
材料であるステンレス材12とは熱伝導の良好なろう付
け16により強固に接合されているので、外面側材料か
ら内面側材料への熱の伝導がよく、また成形加工や長期
の使用により剥離したり、アルミニウム材11とステン
レス材12との間に空気層が形成されることはない。
【0036】また、調理鍋20の上縁部にはフランジ部
21が設けられているが、このフランジ部21は、図7
に示すように、アルミニウム材11のフランジ11aと
ステンレス材12のフランジ12aとをほぼ水平に、か
つ同じ長さに形成してもよいく、あるいは、図8に示す
ように、アルミニウム材11のフランジ11aをステン
レス材12のフランジ12aより長く形成し、これを内
側に折曲げてステンレス材12のフランジ12aを包み
込み、固定してもよい。
【0037】この場合、素材1を製造する際に、図9
(a)に示すように、アルミニウム材11の外径をステ
ンレス材12の外径より大きく形成しておき、プレス加
工等により調理鍋20を成形するときに、図9(b)に
示すように、アルミニウム材11のフランジ11aを折
曲げてステンレス材12のフランジ12aを包み込めば
よい。このように構成することにより、調理鍋20のフ
ランジ部21の機械的強度を高めると共に、長期間使用
してもフランジ部21の端部が剥離するおそれがない。
【0038】また、アルミニウム材11のフランジ11
aを折曲げてステンレス材12のフランジ12aを包み
込む際に、図10(a),(b)に示すように、アルミ
ニウム材11のフランジ11aとステンレス材12のフ
ランジ12aとの間に、シール材22を塗布又は充填し
てもよく、あるいは、図10(c),(d),(e)に
示すように、アルミニウム材11とステンレス材12の
間にパッキン23を介装してシールしてもよい。
【0039】実施例8.図11及び図12は実施例2,
3,4,5又は6の何れかの素材の製造方法に準じて製
造した素材により製造した調理鍋の他の実施例の模式図
である。本実施例は、図13(a)に示すように、アル
ミニウム材11の一方の面にアルミろう材13を圧着
し、又はアルミニウム材11の下方にアルミろう材13
を配設すると共に、ステンレス材12の一方の面の中心
部から一定の範囲(製造される調理鍋の底部又は底部か
ら側壁の下部に相当する範囲)にフラックス14を塗布
し、実施例2,3,4,5又は6に準じた方法で図13
(b)に示すような素材1aを製造する。なお、アルミ
ろう材13もフラックス14の塗布範囲と同じ大きさに
してもよい。
【0040】そして、この素材1aをプレス加工などに
より成形すれば、図11又は図12に示すような調理鍋
20を製造することができる。図11に示す調理鍋20
は、その底部から側壁の下部に対応して電磁誘導コイル
が設けられている場合、図12に示す調理鍋20は、底
部のみに対応して電磁誘電コイルが設けられている場合
に使用して特に有効である。なお、本実施例において
は、調理鍋20の側壁の内面側材料と外面側材料とのの
間には空気層が形成されるが、電磁誘導コイルに対応し
た部分は熱伝導率の高いアルミろう材13でろう付け1
6されているので、外面側材料に発生した熱の内面側材
料への伝達にはなんら支障がなく、また、上記空気層
は、内面側材料からの熱の放散を防止することができ
る。
【0041】実施例9.図14は調理鍋の他の実施例の
模式図である。本実施例は、図16(a)に示すよう
に、ステンレス材12の中心部に穴19を設け、この穴
19を除く一方の面にフラックス14を塗布すると共
に、アルミロー材13にステンレス材12の穴19に整
合した穴を設ける。そして、実施例5,6又は7の何れ
かに準じた方法でアルミニウム材11とステンレス材1
2を接合し、図16(b)に示すような素材1cを製造
する。このような素材1cをプレス加工等により成形す
れば、図14に示すような調理鍋20を製造することが
できる。
【0042】本実施例によれば、外面側材料であるステ
ンレス材12とアルろう材13の底部に穴19があけら
れて内面側材料のアルミニウム材11が露出しているの
で、この露出部に温度センサを当接すれば、調理鍋20
の温度を正確に測定することができる。また、この穴1
9は、素材1cをプレス加工する際の空気抜き穴として
も機能する。なお、この穴19は必ずしも底部の中心部
に設ける必要はなく、温度センサの設置位置に対応して
設ければよい。
【0043】本実施例に係る調理鍋20の底部に設けた
穴19は、図14のように形成してもよいが、図15に
示すように、内面側材料であるアルミニウム材11の底
部に加工の際に内側に突出する凸部25を設け、外面側
材料であるステンレス材12の穴19の周縁部を凸部2
5の下面傾斜部に沿って折曲げ、固定するようにしても
よい。
【0044】実施例10.図17及び図18は調理鍋の
他の実施例の模式図である。本実施例は、図16で説明
したようにステンレス板12の中心部に穴19をあけ
て、その周囲の一定の範囲(製造される調理鍋の底部又
は底部から側壁の下部に対応する範囲)にフラックス1
4を塗布すると共に、アルミろう材13をフラックス1
4の塗布範囲に対応した大きさに形成し、穴19と対応
した位置に穴を設ける。そして、実施例5,6又は7の
何れかに準じてアルミニウム材11とステンレス材12
を接合して図19に示すような素材1dを形成し、この
素材1dをプレス加工などにより成形して図17又は図
18に示すような調理鍋20を製造したものである。な
お、アルミろう材13はアルミニウム材11と同じ大き
さに形成してもよい。本実施例に係る調理鍋20も、図
11、図12及び図14で説明した調理鍋20と同様の
機能及び効果を有する。
【0045】実施例11.図20は調理鍋の他の実施例
の模式図である。本実施例は、図21に示すように、外
面側材料である円板状のステンレス材12の中心部に穴
19をあけると共に、製造される調理鍋の底部に対応す
る範囲内で、かつ電磁誘導コイル24と対向しない部分
に複数の小穴26を設けて、穴19及び小穴26を除く
底部に対応する範囲の一方の面にフラックス14を塗布
する。また、アルミろう材13に、この穴19と小穴2
6に整合する穴及び小穴を設ける。そして、実施例5,
6又は7の何れかに準じた方法で内面側材料であるアル
ミニウム材11とステンレス材12とを接合する。そし
て、この素材をプレス加工などにより成形すれば、図2
0に示すような調理鍋20を製造することができる。
【0046】このように構成した調理鍋20は、中央の
大きな穴19には前述のように温度センサが当接される
と共に、加工の際の空気抜き穴として機能し、また、小
穴26は加工の際の空気抜き穴として機能する。なお、
本実施例において、電磁誘導コイル24が調理鍋20の
側壁の両側にも設けられている場合は、図17の実施例
の場合と同様に、フラックス14をステンレス材12の
側壁の電磁誘導コイル24に対応する範囲まで塗布して
接合すればよく、あるいは、穴19及び小穴26を除く
全面にフラックス14を塗布し、図14の実施例に準じ
で調理鍋20を製造してもよい。
【0047】実施例12.図22は調理鍋の他の実施例
の模式図である。本実施例は図23に示すように、内面
側材料であるアルミブレージング材10又はアルミニウ
ム材11及びアルミろう材13を、製造される調理鍋2
0の内面側材料の形状に対応した大きさの円板状に形成
し、また、外面側材料であるステンレス材12をアルミ
ブレージング材10又はアルミニウム材11より小さ
く、すなわち、上記製造される調理鍋20の底部から側
壁に達する形状に相当する大きさの円板状に形成し、ス
テンレス材12の一方の面の全面にフラックス14を塗
布する。そして、アルミブレージング材10又はアルミ
ニウム材11、アルミろう材13とステンレス材12を
同心的に重ね合せ、実施例1,2,3,4,5,6又は
7の何れかに準じて両者を接合し、アルミニウム材11
の表面に表面処理15を施せば、図24に示すような素
材1eが得られる。
【0048】上記のような素材1eをプレス加工等によ
り成形すれば、図22に示すような調理鍋20を製造す
ることができる。本実施例によれば、外面側材料を構成
するステンレス材12は、内面側材料を構成するアルミ
ニウム材11の底部及び側部の一部のみを覆うようにし
たので、ステンレス材12の使用量を減らすことがで
き、その上調理鍋20の重量を軽減することができる。
【0049】ところで、このような調理鍋20において
は、内面側材料であるアルミニウム材11の外壁と、外
面側材料であるステンレス材12の上端部との間に段部
27が形成されるので、見苦しいばかりでなく、洗浄等
の際不便である。
【0050】そこで、図25(a)に示すように、ステ
ンレス材12の上端部の外周を緩やかな傾斜面28に形
成して段部27をなくし、あるいは、図25(b)に示
すように、アルミニウム材11の側壁をステンレス材1
1の側壁に対応して小径にし、その境界に段部29を形
成してこの段部29にステンレス材12の上端部を当接
させ、外周面を平坦に形成するようにしてもよい。ま
た、図25(c)に示すように、アルミニウム材11の
側壁外周のステンレス材11の上端部に対応する位置に
環状の突条30を設け、その下面にステンレス材11の
上端部を当接させ、あるいは図25(d)に示すよう
に、アルミニウム材11を肉厚に形成してステンレス材
11の上端部に対応する位置から下方を、外周を切除し
た薄肉31に形成し、この薄肉部にステンレス材12を
嵌合するなど、種々の対策を施すことができる。
【0051】実施例13.本実施例は、実施例12(図
22)の外面側材料に、実施例9,10(図14,1
7,18)又は実施例11(図20)に示すように、穴
19又は穴19と小穴26を設けたもので、これにより
上記実施例9,10又は11とほぼ同様の効果を得るこ
とができる。
【0052】上記の説明では主として炊飯用の調理鍋及
びその製造方法について説明したが、他の調理鍋につい
ても同じ素材、同じ方法により製造することができ、そ
の形状も適宜変更することができる。また、内面側材料
としてアルミニウム材を、外面側材料としてステンレス
材を用いた場合を示したが、本発明はその他の材料によ
っても実施することができる。さらに、内面側材料、外
面側材料等を円板状に切断して素材又は調理鍋を製造す
る場合を示したが、これら材料の形状は製造される調理
鍋の形状に応じて適宜変更することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の効果は次の通りである。なお、
以下の説明では、請求項の番号に対応した番号を付し各
請求項の効果を記述する。 (1)本発明に係る調理鍋の素材の製造方法は、一方の
面にろう材がクラッドされ調理鍋を製造するに必要な形
状に形成された内面側材料に、この内面側材料とほぼ同
形状の外面側材料を重ね合せて治具により固定したのち
加熱炉で加熱して内面側材料と外面側材料とを接合し、
ついで内面側材料の表面に表面処理を施したものであ
る。
【0054】(2)また、一方の面にろう材がクラッド
され電磁調理用鍋を製造するに必要な形状に形成された
内面側材料に、一方の面にフラックスが塗布された内面
側材料とほぼ同形状の外面側材料を重ね合せて治具によ
り固定したのち加熱炉で加熱して内面側材料と外面側材
料を接合し、ついで内面側材料の表面に表面処理を施し
たものである。
【0055】(3)さらに、一方の面にろう材がクラッ
ドされ電磁調理用鍋を製造するに必要な形状に形成され
た内面側材料に、一方の面にろう材がぬれやくすなるよ
うな表面処理が施された内面側材料とほぼ同形状の外面
側材料を重ね合せて治具により固定したのち加熱炉で加
熱して内面側材料と外面側材料を接合し、ついで内面側
材料の表面に表面処理を施したものである。
【0056】(4)さらに、上記(1)〜(3)の素材
において、内面側材料を、最内面側にマグネシウムを含
むアルミニウム材、中間部にマグネシウムを含まないア
ルミニウム材、外面側材料と接する最外面にマグネシウ
ムを含まないアルミろう材をクラッド加工した3層構造
の板材によって構成したものである。
【0057】(5)また、電磁調理用鍋を製造するに必
要な形状の内面側材料と、ろう材と、一方の面にフラッ
クスが塗布された外面側材料とを重ね合せて常温下で加
圧して仮接合したのち加熱炉で加熱してこれらを一体に
接合し、ついで内面側材料の表面に表面処理を施したも
のである。
【0058】(6)また、上記(1),(2),(4)
又は(5)の素材の製造方法において、外面側材料の一
方の面を微細な粗面に形成したものである。
【0059】(7)上記(1)〜(3),(5)又は
(6)の素材の製造方法において、内面側材料をアルミ
ニウム板で、外面側材料をステンレス板で構成したもの
である。
【0060】上記(1),(2),(3),(4),
(5),(6)又は(7)の何れかの方法によって製造
した素材は、製造が容易で安価であり、その上板厚のば
らつきがほとんでないので、従来のクラッド材のように
数種類の金型を使用する必要もなく、1種類の金型で確
実に成形できる。このため、作業能率を大幅に向上する
ことができ、コストを低減することができる。
【0061】(8)上記(1),(2),(3),
(4),(5),(6)又は(7)の何れかの方法によ
って製造した素材をプレス加工などによって成形して調
理鍋を製造するようにしたので、製造にあたっては1種
類の金型で高品質の調理鍋を歩留りよく製造することが
でき、コストを低減できる。
【0062】(9)また、外面側材料の調理鍋の底部又
は底部と側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフラッ
クスを塗布して上記(2),(3),(4),(5),
(6)又は(7)の何れかの方法に準じて素材を製造
し、この素材を用いて調理鍋を製造するようにしたの
で、フラックスの使用量を減らしたにもかかわらず、外
面側材料に発生した熱を内面側材料に効率よく伝達する
ことができる。また、側壁の一部には空気層が存在する
が、この空気層により内面側材料からの放熱を防止し、
保温効果を高めることができる。
【0063】(10)内面側材料と同じか又はこれより
小さい外面側材料の調理鍋の底部に相当する部分に穴を
設けて穴を除く一方の面又は穴を除く底部若しくは穴を
除く側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフラックス
を塗布すると共に、ろう材に外面側材料の穴と整合する
穴を設けて上記(5),(6)又は(7)の何れかの方
法に準じて素材を製造し、この素材を用いて調理鍋を製
造するようにしたので、上記の穴にはアルミニウム材の
ごとき内面側材料が露出している。そのため、この穴か
ら内面側材料に温度センサを当接することにより、調理
鍋の温度を正確に測定することができ、またこの穴によ
り、成形加工の際に内面側材料と外面側材料の間に存在
する空気を排出することができる。
【0064】(11)内面側材料と同じか又はこれより
小さい外面側材料のほぼ中心部に穴を設けると共に、調
理鍋の下方に設置される電磁誘導コイルに対向しない位
置に複数の小穴を設け、穴及び小穴を除く一方の面又は
穴及び小穴を除く底部若しくは穴及び小穴を除く底部と
側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフラックスを塗
布し、また、ろう材に外面側材料の穴及び小穴と整合す
る穴及び小穴を設けて上記(5),(6)又は(7)の
何れかの方法に準じて素材を製造し、この素材を用いて
調理鍋を製造するようにしたので、上記(10)の効果
に加えて、成形加工の際に内面側材料と外面側材料との
間に存在する空気をこの小穴からも排出できるため、空
気の排出効果をさらに高めることができる。
【0065】(12)上記(8),(9),(10)又
は(11)の何れかの調理鍋の製造方法において、調理
鍋の上端部を外方にほぼ水平に折曲げてフランジ部を形
成し、フランジ部を構成する内面側材料のフランジを折
曲げて外面側材料のフランジを包み込み固定するように
したので、調理鍋の機械的強度を高めることができ、ま
た、長期間使用してもフランジ部から内面側材料と外面
側材料が剥離することはない。
【0066】(13)上記(12)の調理鍋の製造方法
において、フランジ部の内面側材料と外面側材料との間
にシール剤を塗布若しくは充填し又はパッキンを介装し
たので、フランジ部から内面側材料と外面側材料との間
に空気や水分が侵入するおそれがなく、このため、外面
側材料の熱を長期にわたって効率よく内面側材料に伝達
することができる。
【0067】(14)また、外面側材料を内面側材料よ
り小さく形成して上記(1),(2),(3),
(4),(5),(6)又は(7)の何れかの方法に準
じて素材を製造し、この素材を用いて調理鍋を製造する
ようにしたので、外面側材料の使用量を減らしてコスト
を低減できるばかりでなく、調理鍋の重量を軽減するこ
とができる。
【0068】(15)上記(14)の調理鍋の製造方法
において、外面側材料の上端部と内面側材料の外周面と
をほぼ同一平面に形成したので、見映えがよくなり、洗
浄などもやり易くなる。
【0069】(16)上記それぞれの製造方法によって
調理鍋が得られるので、それぞれ上述の効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図2】 本発明の第2の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図3】 本発明の第3の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図4】 本発明の第4の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図5】 本発明の第5の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図6】 本発明の第6の実施例の素材の製造方法の説
明図である。
【図7】 本発明の第7の実施例である調理鍋の製造方
法の説明図である。
【図8】 図7のフランジ部の製造方法の説明図であ
る。。
【図9】 図7のフランジ部の製造方法の説明図であ
る。
【図10】 図7のフランジ部の製造方法の説明図であ
る。
【図11】 本発明の第8の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図12】 本発明の第8の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図13】 本発明の第8の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図14】 本発明の第9の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図15】 本発明の第9の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図16】 本発明の第9の実施例である調理鍋の製造
方法の説明図である。
【図17】 本発明の第10の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図18】 本発明の第10の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図19】 本発明の第10の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図20】 本発明の第11の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図21】 本発明の第11の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図22】 本発明の第12の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図23】 本発明の第12の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図24】 本発明の第12の実施例である調理鍋の製
造方法の説明図である。
【図25】 図22の外面側材料の上端部の処理例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 素材、10 アルミブレージング材、11 アルミ
ニウム材、12 ステンレス材、13 アルミろう材、
14 フラックス、15 表面処理、16 ろう付け、
19 穴、20 調理鍋、21 フランジ部、26 小
穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 霜田 政雄 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 久森 洋一 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術センター内 (72)発明者 川口 憲治 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術センター内 (72)発明者 森安 雅治 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三 菱電機株式会社生産技術センター内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面にろう材がクラッドされ電磁調
    理用鍋を製造するに必要な形状に形成された内面側材料
    に、該内面側材料とほぼ同形状の外面側材料を重ね合せ
    て治具により固定したのち加熱炉で加熱して前記内面側
    材料と外面側材料とを接合し、ついで前記内面側材料の
    表面に表面処理を施したことを特徴とする電磁調理用鍋
    の素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 一方の面にろう材がクラッドされ電磁調
    理用鍋を製造するに必要な形状に形成された内面側材料
    に、一方の面にフラックスが塗布された前記内面側材料
    とほぼ同形状の外面側材料を重ね合せて治具により固定
    したのち加熱炉で加熱して前記内面側材料と外面側材料
    を接合し、ついで前記内面側材料の表面に表面処理を施
    したことを特徴とする電磁調理用鍋の素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 一方の面にろう材がクラッドされ電磁調
    理用鍋を製造するに必要な形状に形成された内面側材料
    に、一方の面に前記ろう材がぬれやくすなるような表面
    処理が施された前記内面側材料とほぼ同形状の外面側材
    料を重ねて治具により固定したのち加熱炉で加熱して前
    記内面側材料と外面側材料を接合し、ついで前記内面側
    材料の表面に表面処理を施したことを特徴とるす電磁調
    理用鍋の素材の製造方法。
  4. 【請求項4】 内面側材料を、最内面側にマグネシウム
    を含むアルミニウム材、中間部にマグネシウムを含まな
    いアルミニウム材、外面側材料と接する最外面にマグネ
    シウムを含まないアルミろう材をクラッド加工した3層
    構造の板材によって構成したことを特徴とする請求項
    1,2又は3の何れかに記載の電磁調理用鍋の素材の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 電磁調理用鍋を製造するに必要な形状の
    内面側材料と、ろう材と、一方の面にフラックスが塗布
    された外面側材料とを重ね合せて常温下で加圧して仮接
    合したのち加熱炉で加熱してこれらを一体に接合し、つ
    いで前記内面側材料の表面に表面処理を施したことを特
    徴とする電磁調理用鍋の素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 外面側材料の一方の面を微細な粗面に形
    成したことを特徴とする請求項1,2,4又は5の何れ
    かに記載の電磁調理用鍋の素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 内面側材料がアルミニウム板であり、外
    面側材料がステンレス板である請求項1,2,3,5又
    は6の何れかに記載の電磁調理用鍋の素材の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7の
    何れかに記載の素材をプレス加工などにより成形するこ
    とを特徴とする電磁調理用鍋の製造方法。
  9. 【請求項9】 外面側材料の電磁調理用鍋の底部又は底
    部と側壁の下部に相当する範囲の一方の面にフラックス
    を塗布し、若しくはろう材がぬれやすくなるような表面
    処理を施し、又は微細な粗面に形成して請求項2,3,
    4,5,6又は7の何れかの方法に準じて素材を製造
    し、該素材をプレス加工などにより成形することを特徴
    とする電磁調理用鍋の製造方法。
  10. 【請求項10】 内面側材料と同じか又はこれより小さ
    い外面側材料の電磁調理用鍋の底部に相当する部分に穴
    を設け、該穴を除く一方の面又は該穴を除く前記底部若
    しくは該穴を除く前記底部と側壁の下部に相当する範囲
    の一方の面にフラックスを塗布する共に、ろう材に前記
    穴と整合する穴を設けて請求項5,6又は7の何れかの
    方法に準じて素材を製造し、該素材をプレス加工などに
    より成形することを特徴とする電磁調理用鍋の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 内面側材料と同じか又はこれより小さ
    い外面側材料のほぼ中心部に穴を設けると共に、電磁調
    理用鍋の下方に設置される電磁誘導コイルに対向しない
    位置に複数の小穴を設け、前記穴及び小穴を除く一方の
    面又は該穴及び小穴を除く前記底部若しくは該穴及び小
    穴を除く前記底部と側壁の下部に相当する範囲の一方の
    面にフラックスを塗布し、また、ろう材に前記穴及び小
    穴と整合する穴及び小穴を設けて請求項5,6又は7の
    何れかの方法に準じて素材を製造し、該素材をプレス加
    工などにより成形することを特徴とする電磁調理用鍋の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 電磁調理用鍋の上端部を外方にほぼ水
    平に折曲げてフランジ部を形成し、該フランジ部を構成
    する内面側材料のフランジを折曲げて外面側材料のフラ
    ンジを包み込み固定することを特徴とする請求項8,
    9,10又は11の何れかに記載の電磁調理用鍋の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 フランジ部の内面側材料と外面側材料
    との間にシール剤を塗布若しくは充填し又はパッキンを
    介装したことを特徴とする請求項12記載の電磁調理用
    鍋の製造方法。
  14. 【請求項14】 外面側材料を内面側材料より小さく形
    成して請求項1,2,3,4,5,6又は7の何れかの
    方法に準じて素材を製造し、該素材をプレス加工などに
    より成形することを特徴とする電磁調理用鍋の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 外面側材料の上端部と内面側材料の外
    周面とをほぼ同一平面に形成したことを特徴とする請求
    項14記載の電磁調理用鍋の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項8,9,10,11,12,1
    3,14又は15の何れかによって製造された電磁調理
    用鍋。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002001991A1 (fr) * 2000-06-30 2002-01-10 Takehara Can Co., Ltd. Recipient de cuisine
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CN108013739A (zh) * 2016-11-02 2018-05-11 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 椭圆形内锅、电压力锅和内锅锅缘复合方法

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