JP2004008999A - 吸着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質体に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着された吸着剤であって、上記塩が塩が添着された吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g以上、且つ上記塩が塩が添着された吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上であることを特徴とする吸着剤。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中のガス状汚染物質を除去する吸着剤に関し、さらに詳しくは、アセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドに対して、高い除去性能を持つ吸着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内や車内などの生活空間においては、悪臭や有害ガスなどの様々なガス状汚染物質が発生するが、生活環境の向上に伴い、これらガス状汚染物質を除去し、快適な生活環境を維持することに多くの関心が持たれている。生活空間で発生する主なガス状汚染物質としては、アンモニアを代表とする塩基性ガス、酢酸を代表とする酸性ガスやアセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドがあげられる。これらのうち、アンモニアなどの塩基性ガスは鉱酸や有機酸を添着した吸着剤で中和反応により、また、酢酸などの多くのガス状汚染物質は活性炭などの多孔質吸着剤への物理吸着により除去されるが、アセトアルデヒドなどの低級脂肪族アルデヒドは他のガス状汚染物質に比べ除去が難しい物質である。
【0003】
この課題に対して、低級脂肪族アルデヒドの除去性能を向上した吸着剤の検討がすすめられてきた。低級脂肪族アルデヒドは、アンモニア誘導体などの求核試薬の攻撃を受けて求核付加反応を起こすことが知られており、アミンが低級脂肪族アルデヒドの化学吸着に有効であることが推定でき、アミンやアミン塩を多孔質体に添着した吸着剤が種々提案されている。
【0004】
特開昭56−53744号公報には活性炭にアニリンを添着した吸着剤、特開昭56−53744には活性炭に塩酸ヒドロキシルアミンや硫酸ヒドロキシルアミンを添着した吸着剤、特開昭59−186641号公報には活性炭にポリエチレンイミンを添着した吸着剤、特開昭60−132645号公報には粘土鉱物にアニリン、トルイジン、メタニル酸(m−アミノベンゼンスルホン酸)、スルファニル酸(p−アミノベンゼンスルホン酸)やベンジルアミン及びその塩を担持した吸着剤、特開平7−136502号公報には活性炭素繊維にアミノベンゼンスルホン酸を添着した吸着剤が開示されている。
【0005】
しかしながら、従来の吸着剤のうち、アニリン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、ポリエチレンイミン、トルイジンやベンジルアミンを添着した吸着剤では、これらアミンが空気中の酸素により酸化され易く、これにより低級脂肪族アルデヒドの化学吸着作用の有効性が失われていくため、低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が大きく、長期間の保存や使用に耐えないという問題がある。
【0006】
また、アミノベンゼンスルホン酸を添着した吸着剤では、酸化による低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化こそ他のアミンを添着した吸着剤に比べて小さいものの、アミノベンゼンスルホン酸は水やアルコールなどの溶媒に対して難溶性であるため、極低濃度のアミノベンゼンスルホン酸添着溶液しか調整できず、その結果、多孔質体を添着溶液に浸漬したり、多孔質体に添着溶液を噴霧などしてもアミノベンゼンスルホン酸の添着量が多い吸着剤を得ることは難しい。従って、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、酸化による低級脂肪族アルデヒドの除去性能の経時劣化が小さい吸着剤及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る吸着剤の特徴構成は、多孔質体に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着された吸着剤であって、吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g以上であり、且つ吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上であることにある。
【0009】
一般に、多孔質体に薬剤を添着した吸着剤は、薬剤を水やアルコールなどの適当な溶媒に溶解して添着溶液を調整し、多孔質体を添着溶液に浸漬した後、取り出して乾燥する浸漬法や、多孔質体に添着溶液を噴霧した後乾燥するスプレー法により得られる。
【0010】
ところが、前述したように、酸化による低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さいアミノベンゼンスルホン酸は水に対して難溶性であり、また、アルコール、エーテル、ベンゼンなどに対しても難溶性であり、アミノベンゼンスルホン酸の添着溶液として十分な濃度が得られる適当な溶媒が見当たらず、アミノベンゼンスルホン酸のみを溶媒に加えて添着溶液を調整し、前記した方法で多孔質体に添着しても、短時間の処理ではアミノベンゼンスルホン酸の添着量が少なく、低級脂肪族アルデヒド除去性能の高い実用的な吸着剤は得られない。
【0011】
そこで、本発明者は低級脂肪族アルデヒドとの反応性が高く、酸化による低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい薬剤を求めて鋭意検討した結果、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を見出した。アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は水溶性であるので、高濃度で溶解した添着溶液を調整することができ、この添着溶液を用いて前記したような浸漬法やスプレー法で多孔質体に添着すれば、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が多い吸着剤が得られる。
【0012】
しかし、多孔質体へのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が多すぎる吸着剤では、かえって低級脂肪族アルデヒド除去性能が低いものになってしまうことがわかった。これは、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が多くなって限界値を超えると、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩分子が多孔質体の表面に多層に重なった状態で添着されてしまい、低級脂肪族アルデヒドとの反応に利用されなくなるためであると考えられる。
【0013】
そこで、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を添着した吸着剤の細孔特性と低級脂肪族アルデヒド除去性能との関係を詳しく調べた結果、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量を、吸着剤1g当たり0.07g以上とし、なおかつ吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上とすれば、添着されたアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が低級脂肪族アルデヒドとの反応に有効に利用されて、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能を有する吸着剤が得られることを見出した。
【0014】
この構成によれば、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、かつ低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい吸着剤を提供することができる。
【0015】
【本発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に詳しく説明する。本実施形態に係る吸着剤は、多孔質体に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着された吸着剤であって、吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g以上、吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上で構成されている。
【0016】
本発明において、吸着剤の比表面積とは、窒素吸着法でBET理論から求めた比表面積であり、マイクロメリティック社製の高速比表面積細孔分布測定装置アサップ2010で測定したものである。
【0017】
本発明の吸着剤は、吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g以上、吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上であることが必要である。
【0018】
吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g未満では、低級脂肪族アルデヒドと反応するアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が少なく、充分な低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られない。吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量は、0.07g以上が望ましく、さらに望ましくは0.09〜1gの範囲である。
【0019】
また、吸着剤1g当たりの比表面積が200m2未満では、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩と低級脂肪族アルデヒドとの反応面積が小さく、充分な低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られない。吸着剤1g当たりの比表面積は200m2以上が望ましく、さらに望ましくは250〜1500m2の範囲である。
【0020】
アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量を、吸着剤1g当たり0.07g以上とし、なおかつ吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上とすれば、添着されたアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が低級脂肪族アルデヒドとの反応に有効に利用されて、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能を有する吸着剤が得られる。
【0021】
本発明で使用する多孔質体は、比表面積500m2/g以上の固体物質が有効に使用でき、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、セパオライト等の無機物の他、スチレン−ジビニルベンゼン架橋体に代表される有機系の多孔質体が使用可能である。
【0022】
これら比表面積が大きな物質に、低級脂肪族アルデヒドと反応するアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を添着することにより、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の低級脂肪族アルデヒドとの反応面積を大きくすることができ、高い低級脂肪族アルデヒド除去性能が得られる。
【0023】
低級脂肪族アルデヒドとの反応を有効に行わせるためには、比表面積が大きな多孔質体を使用した方が有利であるので、吸着剤に使用する多孔質体としては、多孔質体の中でも極めて大きな比表面積を持っている活性炭を使用することが特に好ましい。
【0024】
本発明の吸着剤は、多孔質体をアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩添着溶液に浸漬した後に取り出して乾燥する含浸法や、多孔質体にアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩溶液を噴霧した後乾燥するスプレー法などにより得ることができる。
【0025】
アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩は、アミノベンゼンスルホン酸とアンモニアとの反応生成物として得ることができ、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着溶液は、あらかじめアミノベンゼンスルホン酸とアンモニアとの反応生成物として得たものを水に溶解したり、アンモニア水にアミノベンゼンスルホン酸を加えたり、水にアミノベンゼンスルホン酸と炭酸アンモニウムあるいは炭酸水素アンモニウムを加えたりして調整できる。
【0026】
アミノベンゼンスルホン酸にはo−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸の3つの異性体があり、これらのいずれのアンモニウム塩も使用できるが、p−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が低級脂肪族アルデヒドとの反応性が強く特に好ましい。
【0027】
本発明の吸着剤には、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩以外に、リンゴ酸、クエン酸などの低級脂肪族アルデヒド以外のガス成分と反応する薬剤や抗菌性を持たせるための抗菌剤などの薬剤をさらに添着することができる。しかし、この場合には、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の低級脂肪族アルデヒドとの反応性を著しく低下させないように、薬剤と添加量を選択する必要がある。また、本発明の吸着剤は、単独で充填層などとして使用するだけでなく、他の吸着剤と混合したり、併用したりして使用することができる。
【0028】
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
(実施例)
まず、本実施例で用いた吸着剤の試験方法を以下に示す。
【0030】
(1)アルデヒド除去性能
吸着剤を3g計量して内径12.5mmのガラス製カラムに充填した。温度25℃、相対湿度50%に調整した30ppmのアセトアルデヒドを含む空気を風量5L/minでカラムに供給した。カラムの出口のアセトアルデヒド濃度を7分ごとに測定し、除去率(η[−])を次式にアセトアルデヒド入口濃度(Ci[ppm])、アセトアルデヒド出口濃度(Co[ppm])を代入して算出した。なお、アセトアルデヒド濃度はFID(水素炎イオン化検出器)付きガスクロマトグラフで測定した。
【0031】
【数式1】
【0032】
この除去率が10%に低下するまで試験を継続し、この試験中に7分毎に測定したカラム出口のアセトアルデヒド濃度から算出した除去率と、カラムの入口のアセトアルデヒド濃度および風量から7分毎のアセトアルデヒド吸着量を求め、それらを積算してカラムに充填した吸着剤重量で除して、吸着容量とした。この吸着容量により、吸着剤のアルデヒド除去性能を評価した。
【0033】
(2)劣化処理後のアルデヒド除去性能
吸着剤のアルデヒド除去性能の経時劣化をみるため、劣化処理による加速試験を行った。ここで、劣化処理とは吸着剤を80℃の雰囲気下で150時間放置することであり、この劣化処理は、20℃の雰囲気下で約1年の保管期間に相当する。劣化処理を行った吸着剤について、(1)のアルデヒド除去性能試験を行い、吸着容量を求めてアルデヒド除去性能を評価した。
【0034】
(実施例1)
濃度2.8重量%のアンモニア水100重量部にp−アミノベンゼンスルホン酸25重量部を加えた後、水分を蒸発乾燥させて反応生成物であるp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を得た。水95gにこのp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、粒径8〜32メッシュで比表面積が1050m2/gのヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.0903g、吸着剤1g当たりの比表面積は850m2であった。
【0035】
(実施例2)
水90gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で使用したヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.141g、吸着剤1g当たりの比表面積は629m2であった。
【0036】
(実施例3)
水85gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩15gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で使用したヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は、吸着剤1g当たり0.181g、吸着剤1g当たりの比表面積は437m2であった。
【0037】
(実施例4)
水80gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩20gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で使用したヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.224g、吸着剤1g当たりの比表面積は329m2であった。
【0038】
(比較例1)
水99.95gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩0.05gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で使用したヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.000625gで、吸着剤1g当たりの比表面積は1030m2であった。
【0039】
(比較例2)
水65gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩35gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例1で使用したヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.322g、吸着剤1g当たりの比表面積は81m2であった。
【0040】
(比較例3)
水95gにp−アミノベンゼンスルホン酸5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、粒径8〜32メッシュで比表面積が1050m2/gのヤシガラ活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.0638gで、吸着剤1g当たりの比表面積は840m2であった。
【0041】
(実施例5)
水95gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、平均粒径300μmで比表面積が1350m2/g−多孔質体の石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.135gで、吸着剤1g当たりの比表面積は835m2であった。
【0042】
(実施例6)
水90gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩10gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例6で使用した石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.217gで、吸着剤1g当たりの比表面積は480m2であった。
【0043】
(実施例7)
水80gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩20gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例6で使用した石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は吸着剤1g当たり0.321gで、吸着剤1g当たりの比表面積は324m2であった。
【0044】
(比較例4)
水99.95gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩0.05gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例6で使用した石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は、吸着剤1g当たり0.000994gで、吸着剤1g当たりの比表面積は1335m2であった。
【0045】
(比較例5)
水70gに実施例1で得たp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩30gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、実施例6で使用した石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は、吸着剤1g当たり0.397gで、吸着剤1g当たりの比表面積は11m2であった。
【0046】
(比較例6)
水95gにp−アミノベンゼンスルホン酸5gを加えて添着溶液を調整した。この添着溶液に、平均粒径300μmで比表面積が1350m2/g−多孔質体の石炭系活性炭20gを1分間浸漬して取り出した後、80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥して吸着剤を作製した。得られた吸着剤の薬剤添着量は、吸着剤1g当たり0.0697gで、吸着剤1g当たりの比表面積は1065m2であった。
【0047】
上記吸着剤について、先に説明した方法により劣化処理前のアルデヒド除去性能と劣化処理後のアルデヒド除去性能を測定した。結果を表1および表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
表1から、多孔質体としてヤシガラ活性炭を使用してp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を添着した吸着剤において、吸着剤1g当たりの添着量が0.07g未満である比較例1および吸着剤1g当たりの比表面積が200m2未満である比較例2では、アルデヒド吸着容量が低いのに対し、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が吸着剤1g当たり0.07g以上、吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上である実施例1〜4では、高いアルデヒド吸着容量が得られるとともに、劣化処理後にもアルデヒド吸着容量はあまり低下しないことがわかる。また、比較例3からアミノベンゼンスルホン酸は、短時間の添着では十分な添着量が得られないため、アルデヒド吸着容量が低いことがわかる。
【0051】
表2から、多孔質体として石炭系活性炭を使用してp−アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩を添着した吸着剤においても、吸着剤1g当たりの添着量が0.07g未満である比較例4および比表面積が200m2未満である比較例5では、アルデヒド吸着容量が低いのに対し、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が吸着剤1g当たり0.07g以上、吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上である実施例5〜7では、高いアルデヒド吸着容量が得られるとともに、劣化処理後にもアルデヒド吸着容量はあまり低下しないことがわかる。また、比較例6からアミノベンゼンスルホン酸は、短時間の添着では十分な添着量が得られないため、アルデヒド吸着容量が低いことがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低級脂肪族アルデヒドの除去性能が高く、かつ低級脂肪族アルデヒド除去性能の経時劣化が小さい吸着剤を提供することができる。
Claims (2)
- 多孔質体に、アミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩が添着された吸着剤であって、吸着剤1g当たりのアミノベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩の添着量が0.07g以上であり、且つ吸着剤1g当たりの比表面積が200m2以上であることを特徴とする吸着剤。
- 多孔質体が活性炭であることを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
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