JP2004008856A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低VOCで環境に配慮した、仕上がり性が良好な複層塗膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】被塗物上に、水性第1着色塗料(A)、水性第2着色塗料(B)、クリヤ塗料(C)を用い塗装して得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベークにおいて、水性第1着色塗料(A)が以下の特性を有する複層塗膜形成方法、
水性第1着色塗料(A):固形分が20〜60重量%の水性第1着色塗料(A)を塗装した塗膜に、予備加熱/又はセッティングを施した後の、塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上、塗膜の吸水率が30〜120重量%である。
【選択図】              なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗物に水性第1着色塗料、水性第2着色塗料、及びクリヤ塗料を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベークにより、低VOCで仕上がり性が良好な複層塗膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
自動車ボディにおける塗膜形成方法として、被塗物に電着塗料を施した後、「水性中塗り塗料の塗装→焼き付け硬化→水性着色塗料の塗装→プレヒート→クリヤ塗料の塗装→セッティング→焼き付け硬化」の3コート2ベーク方式(3C2B)、或いは、「水性第1着色塗料の塗装→プレヒート→水性第2着色塗料の塗装−プレヒート→クリヤ塗料の塗装→セッティング→焼き付け硬化」の3コート1ベーク方式(3C1B)」により複層塗膜を形成する方法が広く採用されている(例えば、特開平11−10081号公報参照)。
また有機溶剤型または非水分散型熱硬化性塗料を被塗物に塗装し、塗着した該塗料の粘度を1.0Pa・秒(10ポイズ)以上に調整し、その上に熱硬化性型水性メタリック塗料を塗装し、さらに3層からなる塗膜を加熱して同時に硬化せしめることを特徴とするメタリック仕上げ方法(特開平4−25076号公報参照)があるが、有機溶剤型または非水分散型熱硬化性塗料であるため低VOCを達成できるものではない。
【0003】
このような3C1Bにおける「水性第1着色塗装→プレヒート→水性第2着色塗装」の工程において、水性第1着色塗料の上に、固形分15〜50重量%の水性第2着色塗料を塗り重ねると、塗膜界面付近において水性第1着色塗料の固形分が45〜50重量%程度まで低下し、ボンネットやルーフやトランクなどの水平面では水性第1着色塗料と水性第2着色塗料混層が生じたり、またドアやフェンダーなどの垂直面ではタレが生ずるなどの複層塗膜に仕上がり不良が見られる。
【0004】
それを防ぐため、従来、プレヒート温度を上げるか、又はプレヒート時間を長くすることによって水性第1着色塗料の塗膜粘度を上げるという対策がとられている。
【0005】
しかし水性第1着色塗料と水性第2着色塗料の混層や、第2水性着色塗料のタレなどを発生させない水性第1着色塗料の塗膜粘度や塗膜固形分、塗膜の吸水率がどの程度であるかについて把握されておらず、新たに開発した塗装ラインでは、被塗物の部位やラインの環境条件によって、依然として仕上がり不良が起こることがあった。
【0006】
本発明の目的は、被塗物の部位や塗装環境条件にかかわらず、3C1Bで仕上がり性が良好な複層塗膜形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目標を達成するために鋭意検討を重ねた結果、3C1Bの塗装工程において、固形分が20〜60重量%の水性第1着色塗料を塗装し、その塗膜を予備乾燥又はセッティングし、水性第1着色塗料の塗膜粘度を1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上で、かつ塗膜の吸水率が30〜120重量%を有する水性第1着色塗料であれば、次に固形分が15〜50重量%の水性第2着色塗料を塗装したとしても、水性第1着色塗料の塗膜粘度を0.8Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上とすることができ、被塗物の部位や塗装環境条件にかかわらず、低VOC塗料で、塗膜の混層やタレなどが生ずることがなく仕上がり性に優れ、付着性などの塗膜性能が良好な複層塗膜が得られることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
1. 被塗物上に、水性第1着色塗料(A)、水性第2着色塗料(B)、クリヤ塗料(C)を用い塗装して得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベークにおいて、水性第1着色塗料(A)が以下の特性を有する複層塗膜形成方法、
水性第1着色塗料(A):固形分が20〜60重量%の水性第1着色塗料(A)を塗装した塗膜に、予備加熱/又はセッティングを施した後の、塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上、塗膜の吸水率が30〜120重量%である、
2.水性第1着色塗料(A)を塗装した塗膜に予備加熱/又はセッティングを施した塗膜の上に、さらに固形分が15〜50重量%の水性第2着色塗料(B)を塗り重ねた時の、水性第1着色塗料(A)塗膜粘度が0.8Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上である1項に記載の複層塗膜形成方法、
3.水性第1着色塗料(A)が、酸価が25〜60mgKOH/g、及び水酸基価が1〜200mgKOH/gの基体樹脂、及び硬化剤を含有する1項又は2項に記載の複層塗膜形成方法、
4.水性第1着色塗料(A)の基体樹脂が、炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又は炭素数がC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)を必須成分とし、及びその他の不飽和モノマー(c)を、成分(a)、成分(b)、成分(c)の固形分総合計量に対して、成分(a)、及び/又は成分(b)が25〜60重量%、成分(c)が40〜75重量%のモノマーをラジカル共重合反応を行って得られる水分散性のビニル系共重合体樹脂を含有する1項乃至3項のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
に関する。
以下、本発明の複層塗膜形成方法を、各工程毎にさらに詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
水性第1着色塗料(A)の塗装:
本発明の3C1Bによる複層塗膜形成方法によれば、まず、被塗物上に水性第1着色塗料が塗装される。
【0010】
被塗物としては、特に制限はないが、本発明においては特に自動車車体が好適であり、自動車車体の鋼板には、通常行われているように、必要に応じて、りん酸亜鉛処理を行うことができ、また、あらかじめ電着塗装を施しておくこともできる。
【0011】
基体樹脂としては、樹脂を水溶性化もしくは水分散化するのに十分な量の親水性基、(例えば、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン結合など)、及び硬化剤と架橋反応しうる官能基(例えば、水酸基)を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂が挙げられるが、中でも酸価25〜60mgKOH/g、好ましくは30〜45mgKOH/g、水酸基価は1〜200mgKOH/g、好ましくは5〜150mgKOH/gの範囲内のカルボキシル基を有するビニル系共重合体樹脂が好適である。
【0012】
ビニル系共重合体樹脂は、存在する親水基の種類に依存して、例えば塩基性物質又は酸で中和することにより水溶化又は水分散化することができる。またビニル系共重合体樹脂の重合による製造に際して、モノマー成分を界面活性剤や水溶性高分子物質の存在下に乳化重合することによってもビニル系共重合体樹脂の水分散化を行うことができる。
【0013】
本発明のビニル系共重合体樹脂は、炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又はC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)を必須成分とし、さらにその他の不飽和モノマー(c)をラジカル共重合反応を行って得られる。
【0014】
炭化水素環含有不飽和モノマー(a):
炭化水素環含有不飽和モノマー(a)は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、p−tert−ブチル−安息香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとのエステル化物、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0015】
炭素数がC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b):
炭素数がC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)は、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0016】
その他の不飽和モノマー(c)には、水酸基含有不飽和モノマ−として、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)エチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)プロピレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチルビニルエ−テル、アリルアルコール、4ヒドロキシエチルブチルアクリレート、及び上記した水酸基含有不飽和モノマ−類とβ−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等のラクトン類化合物との反応物等、商品名としては、プラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)等。
【0017】
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、プラクセルFM1A(以下、ダイセル化学社製、カプロラクトン変性カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマ−、商品名)、プラクセルFM4A、プラクセルFM10A等が挙げられる。
【0018】
他には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類等;ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テルモノメタクリレ−トなどのようなポリエ−テル変性アクリル系不飽和モノマー類;
アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼンなどの多ビニルモノマー類;などを挙げることができる。
【0019】
本発明の塗膜特性は、水性第一着色塗料(A)を塗装した塗膜を、予備加熱/又はセッテイングにより、塗膜粘度が1.0Pa・秒以上、かつ塗膜の吸水率が30〜120重量%であることによって、固形分が15〜50重量%の水性第2着色塗料(B)を塗り重ねても、水性第一着色塗料(A)の塗膜粘度が0.8Pa・秒以上を保持し、仕上がり性や付着性の向上する効果が見出せた。
【0020】
上記のような塗膜特性を得るためには、水性第一着色塗料(A)の基体樹脂のモノマー配合に特徴があることを見出した。
【0021】
モノマ−の配合割合としては、炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又はC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)、その他の不飽和モノマー(c)の固形分総合計量に対して、炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又はC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)が25〜60重量%、好ましくは30〜50重量%、その他の不飽和モノマー(c)が40〜75重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲のモノマーの混合物をラジカル共重合反応を行って得られる。
【0022】
炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、C以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)以外のモノマーの配合割合は、水性第1着色塗料に要求される水分散性や塗膜性能に応じて適宜に調整することができる。
【0023】
また炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又はC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)の含有量が25重量%未満であると、水性第1着色塗料(A)の上に、水性第2着色塗料(B)を塗り重ねた時の塗膜粘度が0.8Pa・秒未満となり、また60重量%を越えると吸水率が30重量%未満となり複層塗膜の仕上がり性が低下する。
【0024】
このような基体樹脂の中和に用いる塩基性物質としては水溶性が好ましく、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、ピリジン、モノイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどがあげられ、これらは1種または2種以上が使用できる。これらの中和剤の使用量はビニル共重合体樹脂中のカルボキシル基に対して0.1〜2.0当量、特に0.3〜1.2当量が適している。
【0025】
硬化剤としては、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物などを使用することができる。メラミン樹脂としては、特に、トリアジン核1個あたり平均3個以上のメチロール基を有するメチロール化メラミン樹脂、又はそのメトキシ基の一部を炭素数2個以上のアルコキシ基に置きかわったメラミン樹脂であって、さらにイミノ基を有し且つ平均縮合度約2以下で1核体の割合が約50重量%以上である親水性メラミンが好適である。
【0026】
また、ブロック化ポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をオキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、メルカプタンなどのブロック剤でブロックしたものを使用することができる。
【0027】
これらの硬化剤は、通常、基体樹脂100重量部あたり0〜60重量部、好ましくは20〜50重量部の割合で使用することができる。
【0028】
顔料には、通常塗料の分野で用いられる着色顔料及び/又はメタリック顔料が包含され、着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられ、またメタリック顔料としては、例えば、アルミニウム粉、フレーク状酸化アルミウム、パールマイカ、フレーク状マイカなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種以上組み合せて使用することができる。
【0029】
水性第1着色塗料(A)には、さらに必要に応じて、酸触媒、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、ウレタン化反応促進用触媒(例えば有機スズ化合物など)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤などを適宜に配合してもよい。
【0030】
水性第1着色塗料(A)は、以上に述べた各成分をそれ自体既知の方法で水性媒体中に溶解ないし分散させ塗料化することにより調整することができ、フォードカップNo.4、20℃で約40秒間の粘度が得られる固形分濃度を20〜60重量%、好ましくは35〜60重量%の範囲内となるように調整して塗装に供する。
【0031】
水性第1着色塗料(A)は、それ自体既知の方法、例えば、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより塗装することができ、塗装膜厚は、通常、硬化塗膜で10〜100μm、好ましくは10〜35μmの範囲内とすることができる。
【0032】
塗装された水性第1着色塗料(A)の塗膜は、予備乾燥、例えば、プレヒート、エアブローなどの手段、または室温のセッテイングによって、塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上、好ましくは2.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上で、かつ塗膜の吸水率が30〜120重量%、好ましくは40〜60重量%となるように調整できる。
【0033】
上記、プレヒートは、通常、塗装された被塗物を乾燥炉内で約60〜約120℃、好ましくは約70〜約110℃の温度で1〜60分間程度直接的又は間接的に加熱することにより行うことができ、またエアブローは、通常、被塗物の塗装面に常温又は約25℃〜約80℃の温度に加熱された空気を吹き付けることにより行うことができる。
【0034】
本明細書において、水性第1着色塗料(A)の「塗膜粘度」は、被塗物上に水性第1着色塗料を塗装し形成された塗膜の粘度を、市販の粘度計(HAAKE RheoStress RS150、ドイツ HAAKE社製、商品名)を用いて、シェアを0.0001秒−1 〜10000秒−1の間で変化させて測定した値である。
【0035】
さらに加えて、水性第1着色塗料の塗膜の吸水率(注1)が30〜120重量%、好ましくは45〜55重量%の範囲内となるようにすることが望ましい。
【0036】
(注1)塗膜の吸水率:吸水率の測定は、図1−1、及び図1−2のような方法により測定した。
試料0.5gを薬包紙で挟み込み、押し付けて薬包紙間で4cm四方に延ばす(図1−1参照)、このとき別の試料(例えば、0.5g)で塗料固形分と塗料固形分量を求める。(例えば、塗料固形分50重量%、塗料固形分量は0.25g)−▲1▼
次に、薬包紙で挟み込み試料0.5gを20℃の脱イオン水に没水し(図1−2参照)、5分後に引き上げて、試料をかきとって重量を計測する。(例えば、0.7gとする)−▲2▼
上記、0.7g−0.5g=0.2gが、0.5gの試料が含水した水の量で、この水の量を、塗料固形分量の0.25で割った値が、塗料固形分量あたりの含水率(%)となる。この場合は、(0.2/0.25)×100=80重量%が塗膜の吸水率となる。
【0037】
ここで従来、例えば、自動車の塗装ラインでは、水性塗料が塗装された被塗物は、通常、コンベア等で移動させながら乾燥炉によるプレーヒト又はエアブローにより予備加熱が行われるが、乾燥炉内に滞留する被塗物の台数の一時的な変化による湿度の変化や、被塗物の部位(例えば、フードやルーフ、ドアやフェンダー)によって乾燥の程度が異なってくるという現象がみられ、乾燥された塗膜上に第2の水性塗料を塗装した場合に、部位によっては混層やタレなどが発生し仕上がり外観の部分的不良を生ずることがあったが、本発明の方法に従い、水性第1着色塗料を塗装し、予備乾燥/又はセッテイングをした後に、塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上で、塗膜の吸水率が30〜120重量%の水性第1着色塗料の塗膜の上に、水性第2着色塗料を塗装するようにすれば、水性第1着色塗料の塗膜粘度を0.8Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上に保持することができ、仕上がり性や付着性の不良を生ずることなく、低VOC性の環境を考慮した複層塗膜を形成することができる。
【0038】
水性第2着色塗料(B)の塗装
上記の如く被塗物上に塗装され且つ予備乾燥された水性第1着色塗料の塗膜上には、次いで、固形分20〜50重量%の水性第2着色塗料を塗装する。
【0039】
水性第2着色塗料としては、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤からなる樹脂成分を、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用できる。
【0040】
顔料成分としては、水性第1着色塗料に配合しうる顔料成分として前記で例示した着色顔料及び/又はメタリック顔料が同様に使用可能であり、顔料成分の少なくとも一部としてメタリック顔料を用いれば、緻密感を有するメタリック調又はシルキーなパール調の塗膜を形成せしめることができる。
【0041】
水性第2着色塗料における顔料の配合量は、形成される水性第2着色塗料の塗膜が透明性を有し、その塗膜を通して下地の水性第1着色塗料の塗膜の色彩を目視で認識することができる程度の比較的少量とすることが望ましい。
【0042】
水性第2着色塗料は、フォードカップNo.4、20℃、45秒間の粘度が得られる固形分濃度を15〜50重量%、好ましくは25〜45重量%の範囲に調整して、水性第1着色塗料の予備加熱乾燥塗膜に塗装することができる。
【0043】
水性第2着色塗料の塗装は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装機などで行うことができ、塗装塗膜は、通常、硬化膜厚で5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。
塗装された水性第2着色塗料の塗膜は、予備加熱として、例えば、プレヒート、エアブロー等、約60〜約120℃、好ましくは約70〜約110℃の温度で1〜60分間程度加熱すること、又はセッテイングにより乾燥することができる。
【0044】
クリヤ塗料(C)の塗装
上記のように形成される水性第2着色塗料の塗膜上には、さらにクリヤ塗料が塗装される。
【0045】
クリア塗料(C)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されているそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂などの架橋剤を樹脂成分として含有する有機溶剤系熱硬化型塗料が好適である。
【0046】
クリヤ塗料(C)には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度にソリッドカラー顔料及び/又はメタリック顔料を含有させることができ、さらに体質顔料、紫外線吸収剤などを適宜含有せしめることができる。
【0047】
クリヤ塗料(C)は、水性第2着色塗料の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレーなどにより、乾燥膜厚で10〜60μm、好ましくは25〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
【0048】
塗膜の焼付け
以上に述べた如くして形成される水性第1着色塗膜、水性第2着色塗膜及びクリヤ塗膜の3層の塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱等により、約80〜約170℃、好ましくは約120〜約160℃の温度で20〜約40分間程度加熱して同時に硬化させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の複層塗膜形成方法は、水性第1着色塗料、水性第2着色塗料及びクリヤ塗料を3C1Bにより塗装して複層塗膜を形成するに際して、水性第1着色塗料の樹脂の組成を調整し、塗装後の塗膜を予備乾燥/又はセッティングで、以下のような塗膜特性(*)によって、環境を配慮した低VOCで仕上がり性、及び付着性などの塗膜性能が良好な複層塗膜を形成することできる。
(*)塗膜特性:塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上、塗膜の吸水率が30〜120重量%である水性第1着色塗料(A)を塗装すれば、その上に固形分が15〜50重量%の水性第2着色塗料(B)を塗り重ねても、下層の水性第1着色塗料(A)塗膜粘度が0.8Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上に保持できる。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0051】
製造例1            ビニル系樹脂水溶液No.1の製造例
温度系、温度調節器、攪拌器、還流冷却器、および滴下装置、反応容器内に脱イオン水300部、25%リアソープSE−1025(界面活性剤、旭電化(株)製、商品名)4.8部を窒素気流中で攪拌混合し、82℃に昇温した。次いで下記組成のモノマー乳化物▲1▼の3%分および1%過硫酸ナトリウム水溶液を60部反応容器内に導入し、20分間82℃で保持した。
次に、以下の「モノマー乳化物 ▲1▼」の残りに1%過硫酸ナトリウム水溶液を120部加え、これを4時間かけて定量ポンプで反応容器内に滴下した。滴下終了2時間熟成を行った後、1%ジメチルエタノールアミン水溶液282部を加え30分間82℃で保持した。30℃に冷却、200メッシュのナイロンクロスでろ過、排出し、固形分40.0%、pH6.5の平均粒子径0.15μmのビニル系樹脂水溶液No.1を得た。
「 モノマー乳化物 ▲1▼」
脱イオン水          300部
25%SE−1025      43.2部
スチレン            180部
n−ブチルアクリレート      336部
2−ヒドロキシエチルアクリレート   60部
アクリル酸          24部
【0052】
製造例2〜9         ビニル系樹脂水溶液No.2〜9の製造例
使用するモノマー乳化物を下記の表1の モノマー乳化物 ▲2▼〜▲9▼の組成とする以外は、ビニル系樹脂水溶液No.1と同様にして、ビニル系樹脂水溶液No.2〜9を得た。
【0053】
【表1】
Figure 2004008856
【0054】
製造例10              ポリエステル樹脂水溶液の製造
加熱装置、攪拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、16ヘキサンジオール182部、トリメチロールプロパン144部、カージュラ−E10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、バーサティク酸グリシジルエステル)104部、アジピン酸132部、フタル酸246部を反応容器に入れ、230℃で縮合させる。酸価が2以下となったところで冷却し、無水トリメリット酸46部を添加して170℃で30分反応させ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え(10PHR)さらに冷却する。80℃以下になった時点で、攪拌しながらジメチルエタノールアミンによる酸中和を行い、脱イオン水を加えて分散を行い、固形分45%のポリエステル樹脂水溶液を得た。得られたポリエステルは酸価35mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、pH7.2であった。
【0055】
製造例11           水性第1着色塗料No.1の製造
製造例1で得られた固形分40%の水酸基含有樹脂137.5部(固形分55)、 製造例10で得られた固形分45%のポリエステル樹脂水溶液44.4部(固形分20)、80%サイメル325(注2)31.3部(固形分25)、チタン白JR806(注3)120部、カーボンMA−100(注4)0.1部、及び脱イオン水155.8部を加えて十分に攪拌し、固形分45%の水性第1着色塗料No.1を得た。
【0056】
製造例12〜20 水性第1着色塗料No.12〜20の製造
下記の表2に示す配合で、水性第1着色塗料No.1の製造例と同様の操作を行うことにより水性第1着色塗料No.2〜9を得た。
【0057】
【表2】
Figure 2004008856
(注2)サイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基含有メラミン樹脂)
(注3)チタン白JR−806(テイカ社製、商品名、チタン白)
(注4)カーボンMA−100(三菱化学社製、商品名、カーボンブラック)。
【0058】
製造例21
115℃に保ったブチルセロソルブ35部に、アクリル酸nブチル16.7部、メタクリル酸メチル15部、スチレン30部、アクリル酸2−エチルヘキシル20部、メタクリル酸ヒドロキシルエチル12部、アクリル酸6.3部及びアゾイソブチロニトリル1部を加え、通常の条件で重合反応を行った。得られたアクリル樹脂は酸価が50mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/g、数平均分子量が45000であった。ついでこのアクリル樹脂のカルボキシル基をジメチルアミノエタノールで当量中和し、固形分含有率が55%のアクリル樹脂を得た。
【0059】
製造例22              メラミン樹脂水分散液の製造
温度計、撹拌機および還流冷却器を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メラミン126部、80%パラホルムアルデヒド(三井東圧化学製)225部、n−ブタノール592部を入れ、10%カセイソーダ水溶液にてpH9.5〜10.0に調整したのち、80℃で1時間反応させた。その後、n−ブタノールを888部加え、5%硫酸溶液にてpH5.5〜6.0に調整し、80℃で3時間反応させた。
反応終了後、20%カセイソーダ水溶液にてpH7.0〜7.5まで中和し、60〜70℃でn−ブタノールの減圧濃縮を行ない、濾過して固形分27重量%の疎水性メラミン樹脂を得た。不揮発分80%、水/メタノール混合溶剤(重量比35/65)の溶剤希釈率3.6%、重量平均分子量800であった。
このメラミン樹脂を固形分が25部になるように撹拌容器内にとり、アクリル樹脂水溶液(アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、スチレン、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びアクリル酸からなる50%樹脂水溶液)を20部加え、回転数1000〜1500回転のディスパーで撹拌しながら脱イオン水80部を徐々に加えた後、さらに30分間撹拌して水分散化された固形分27%のメラミン樹脂水分散液を得た。
【0060】
製造例23             水性第2着色塗料の製造
製造例21のアクリル樹脂               163部(固形分89.65)
製造例21のメラミン樹脂水分散液       131部(固形分35.37)
顔料成分(注5)                           3部
脱イオン水                             171部
アクワゾールASE−60 (注6)          3部
ジメチルアミノエタノール               0.3部
上記各成分を混合し脱イオン水で粘度40秒(フォードカップ#4/20℃)に調整して水性第2着色塗料を得た。
【0061】
(注5)顔料成分:商品名「アルペースト891K」、東洋アルミニウム社製、アルミニウム含有量72%
(注6)アクワゾールASE−60:ロームアンドハース社製の商品名、増粘剤。
【0062】
実施例及び比較例
実施例1
パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、りん酸亜鉛処理)を施した亜鉛メッキ鋼板に、エレクロンGT−10LFグレー(関西ペイント株式会社製、商品名、カチオン電着塗料)を電着塗装することにより得られる塗膜の厚さが乾燥膜厚で20μmの電着塗板を用いて、以下の工程にて複層塗膜を形成した。
【0063】
工程1:上記、製造例1にて得た固形分52重量%の水性第1着色塗料No.1を30μm塗装した。
工程2:形成された水性第1着色塗料の塗膜を室温にてセッティングした。
その時の水性第1着色塗料No.1の塗膜粘度は、3.5Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)で、塗膜の吸水率を測定したところ55重量%であった。
工程3:製造例22で得た固形分22重量%の水性第2着色塗料を20μm塗装した。その時の水性第1着色塗料No.1の塗膜粘度は、2.5Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)で、塗膜粘度の低下は、1.0Pa・秒であった。
工程4:形成された水性第2着色塗料の塗膜を80℃にて10分間加熱乾燥した。
工程5:クリヤ塗料HK−4(関西ペイント株式会社製、商品名、クリヤ塗料)を乾燥膜厚で膜厚が40μmになるように塗装し、140℃で20分間焼き付けて、3層の複層塗膜を同時に硬化させた。
【0064】
実施例2〜6、比較例1〜3
下記の表3に示す工程で、実施例2〜6及び比較例1〜3の塗板を作成した。塗膜の特性と仕上がり性の結果を併せて表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 2004008856
【0066】
(注7)塗装時の固形分:フォードカップNo.4を用い、20℃のとき40秒に調整した時の塗料の固形分。
【0067】
(注8)仕上がり性:複層塗膜を垂直塗装にて作成し、表面を目視観察し次の基準で評価した。
○:タレ、ムラの発生がなく仕上がり性が良好。
△:タレ、ムラの発生が認められた。
×:タレ、ムラの発生が著しく認められた。
【0068】
(注9)60°グロス:JIS K−54007.6(1990)の60°鏡面光沢度に従い、塗膜の光沢の程度を測定した。
【0069】
(注10)付着性:工程1〜工程5によって得られた塗膜を40℃の温水に浸漬し、2mm角のゴバン目試験治具を用いてカットを入れ、粘着テープを用いて剥離試験を行った。その残存個数を示す。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】吸水性の測定方法である。
【符号の説明】
1.薬包紙である。
2.水性第一着色塗料を塗装し、予備加熱又はセッテイングを施し、かきとった塗膜である。
3.水の中に、試料を浸漬する。

Claims (4)

  1. 被塗物上に、水性第1着色塗料(A)、水性第2着色塗料(B)、クリヤ塗料(C)を用い塗装して得られる3層の複層塗膜を同時に加熱硬化する3コート1ベークにおいて、水性第1着色塗料(A)が以下の特性を有する複層塗膜形成方法、
    水性第1着色塗料(A):固形分が20〜60重量%の水性第1着色塗料(A)を塗装した塗膜に、予備加熱/又はセッティングを施した後の、塗膜粘度が1.0Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上、塗膜の吸水率が30〜120重量%である。
  2. 水性第1着色塗料(A)を塗装した塗膜に予備加熱/又はセッティングを施した塗膜の上に、さらに固形分が15〜50重量%の水性第2着色塗料(B)を塗り重ねた時の、水性第1着色塗料(A)塗膜粘度が0.8Pa・秒(20℃、シェアレート0.1秒−1)以上である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 水性第1着色塗料(A)が、酸価が25〜60mgKOH/g、及び水酸基価が1〜200mgKOH/gの基体樹脂、及び硬化剤を含有する請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 水性第1着色塗料(A)の基体樹脂が、炭化水素環含有不飽和モノマー(a)、及び/又は炭素数がC以上の側鎖を持つ(メタ)アクリレート(b)を必須成分とし、及びその他の不飽和モノマー(c)を、成分(a)、成分(b)、成分(c)の固形分総合計量に対して、成分(a)、及び/又は成分(b)が25〜60重量%、成分(c)が40〜75重量%のモノマーをラジカル共重合反応を行って得られる水分散性のビニル系共重合体樹脂を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
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