JP2004007854A - 充電装置および充電方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の2つの入力端子と、二次電池E1との間にそれぞれ、PNP型トランジスタQ1,Q2を設ける。そして、制御IC13が、どちらか一方の入力電源電圧を検出した場合には、検出した方のトランジスタをオンとする。また、制御IC13が、両方の入力電源電圧を検出した場合には、所定の条件で優先度を付け、優先度の高い方の電源により二次電池E1を充電する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、充電装置および充電方法に関し、特に、充電のための入力端子を2つ以上備えた携帯電話機などの二次電池の充電装置および充電方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯型電子機器の電源として、乾電池などの一次電池やニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム・イオン電池などの二次電池などが用いられている。二次電池は、電池切れになっても充電することにより繰り返し使用可能である。しかしながら、電池切れのたびに使用者が携帯型電子機器から二次電池を取り外して充電器で充電することは非常に面倒である。したがって、携帯電話機などは、二次電池を搭載したままの状態で充電できる構造を備えている。
【0003】
この二次電池を搭載したままの状態での充電として、例えば家庭用商用AC電源を外部電源とし、ACアダプタを用いて充電を行ったり、自動車のバッテリを外部電源とし、シガーソケット、車載用アダプタなどを介して充電を行ったりすることが考えられる。また最近の携帯型電子機器は、これら外部電源用のアダプタの端子を直接挿入して充電を行う差込口を備えていることに加え、携帯電話機やMD(ミニディスク)プレーヤなどのように、外部電源用のアダプタに接続された置き台に置くだけで充電が可能な携帯型電子機器が存在する。
【0004】
通常の携帯電話機では、自宅などの利用拠点では充電作業の容易さを重視して、外部電源用のアダプタに接続された置き台による充電が行えるように、また外出先や自動車内などの移動場所では持ち運びの容易さを重視して、外部電源用のアダプタのみによる充電が行えるように、置き台用の充電端子とアダプタ用の充電端子との2つの充電用端子を備えている。このように複数の充電方法に対応させるため、携帯型電子機器に充電用の入力端子を複数備えることで、使用者は快適に充電を行うことができる。
【0005】
ここで、このような充電用端子を複数備える従来の携帯型電子機器の充電装置について説明する。図10は、従来からの携帯電話機の充電用回路の一例である。この充電用回路は、外部電源アダプタ用端子101、置き台用端子102、ダイオードD101,D102、PNP型トランジスタQ101、抵抗R101,R102、制御IC103および二次電池E101により構成される。
【0006】
外部電源アダプタ用端子101は、外部電源用アダプタの接続端子を直接接続し、外部電源用アダプタにより変換された直流電源を入力する入力端子であり、プラス電極の端子101aおよびマイナス電極の端子101bにより構成される。置き台用端子102は、外部電源用アダプタが接続された置き台の端子と接続し、置き台を介して外部電源用アダプタにより変換された直流電源を入力する入力端子であり、プラス電極の端子102aおよびマイナス電極の端子102bにより構成される。二次電池E101は、リチウム・イオン電池やニッケル水素電池などの、所謂携帯電話機のバッテリである。
【0007】
端子101aはダイオードD101を介して、また端子102aはダイオード102を介してPNP型トランジスタQ101の入力電極、すなわちエミッタおよび制御IC103に接続されている。PNP型トランジスタQ101の出力電力、すなわちコレクタは、抵抗R101を介して二次電池E101のプラス側に接続されている。また、抵抗R101の両端が制御IC103に接続されている。さらに、PNP型トランジスタQ101の制御電極、すなわちベースは、抵抗R102を介して制御IC103に接続されている。二次電池のマイナス側および制御IC103の一部は、端子101b、端子102bと接続されている。
【0008】
この充電用回路において、外部電源電圧の電流が端子101aから入力された場合には、順方向バイアスによりダイオードD101がオンとなり、PNP型トランジスタQ101および制御IC103に電源電圧の電流が流れる。このように制御IC103が電圧を検出した場合には、制御IC103の制御のもと、抵抗R102を介してPNP型トランジスタQ101のベースに電流が流れる。これにより、PNP型トランジスタQ101がオンとなり、PNP型トランジスタQ101のエミッタ−コレクタ間が導通し、抵抗R101を介して二次電池E101が充電される。
【0009】
また、外部電源電圧の電流が端子102aから入力された場合には、順方向バイアスによりダイオードD102がオンとなり、PNP型トランジスタQ101および制御IC103に電源電圧の電流が流れる。このように制御IC103が電圧を検出した場合には、制御IC103の制御のもと、抵抗R102を介してPNP型トランジスタQ101のベースに電流が流れる。これにより、PNP型トランジスタQ101がオンとなり、PNP型トランジスタQ101のエミッタ−コレクタ間が導通し、抵抗R101を介して二次電池E101が充電される。
【0010】
なお、この充電用回路にて充電する場合には、二次電池E101への定電圧および定電流などが測定され、制御IC103により所望の電圧、電流で充電が行われるように制御される。例えば満充電を検出した場合には、制御IC103は、PNP型トランジスタQ101のベースに電流を流すのをやめて充電を停止する。
【0011】
このように、図10に示す充電用回路では、端子101aから外部電源電圧の電流が入力された場合には、順方向バイアスによりダイオードD101がオンとなり、PNP型トランジスタQ101および制御IC103に電源電圧の電流が流れる。このとき、ダイオードD102では逆方向バイアスとなるため、ダイオードD102はオフとなり、端子102aにはほとんど電流が流れない。同様に、端子102aから外部電源電圧の電流が入力された場合には、順方向バイアスによりダイオードD102がオンとなり、PNP型トランジスタQ101および制御IC103に電源電圧の電流が流れる。このとき、ダイオードD101では逆方向バイアスとなるため、ダイオードD101はオフとなり、端子101aにはほとんど電流が流れない。
【0012】
すなわち、ダイオードの単方向性を利用することで、一方の充電用の入力端子から外部電源が入力された場合に、他方の充電用の入力端子から出力されるのを防いでいた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の充電装置および充電方法には次のような問題があった。図11は、ダイオード−トランジスタ間の電圧、電流を説明するための一例の図である。図11Aは電圧、図11Bは電流についての図である。図11Aに示すように、ダイオード出力後の電圧をVqとし、ダイオードD101に入力される電圧をVd1とすると、所定の電圧Vqを得るためには、Vd1はVqよりも高くする必要がある。同様に、ダイオードD102に入力される電圧をVd2とすると、所定の電圧Vqを得るためには、Vd2はVqよりも高くする必要がある。これは、ダイオードによる電圧降下(ドロップ電圧)が生じるためである。
【0014】
したがって、充電用回路に入力した電源電圧を他の充電用の入力端子から出力されないようにダイオードを使用し、所定の電圧を得るためには、ダイオードへの入力電圧をドロップ電圧分だけ高くする必要があるため、充電用回路の効率が落ちるという問題がある。
【0015】
また、図11Bに示すように、ダイオードD101とダイオードD102との両方に電源電圧が入力された場合、ダイオードD101に流れる電流をId1、ダイオードD101に流れる電流をId2とすると、合流後の電流Iqは、Iq=Id1+Id2となる(動作電流であるトランジスタQ101のベース電流は考慮しない)。
【0016】
したがって、複数の充電用端子から同時に電源電圧を充電用回路に入力した場合、電源電流も複数の充電端子から流れるため、二次電池や充電用回路に過電流が流れ悪影響を与えてしまい、充電装置の安全性が悪くなる可能性があるという問題がある。
【0017】
したがって、この発明の目的は、充電に用いる入力端子を複数備える充電装置において、安全性を確保し、効率が良い充電装置および方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の請求項1の発明は、
電源電圧源が接続される第1および第2の入力端子と、
第1および第2の入力端子がそれぞれ入力電極に接続される第1および第2の電源制御用半導体素子と、
第1および第2の電源制御用半導体素子の出力電極が共通接続され、共通接続電位点と基準電位点との間に接続された二次電池と、
二次電池の端子電圧および充電電流を所望のものに制御する制御回路と、
第1および第2の電源制御用半導体素子の入力電極に発生する電圧を検出し、電圧が検出された電源制御用半導体素子の入出力電極間をオンとするための切り換え信号を生成する切り換え信号発生手段とを有する
ことを特徴とする充電装置である。
【0019】
この発明では、第1および第2の入力端子と二次電池との間に、それぞれ電源制御用半導体素子を設け、電源制御用半導体素子の入力電極に発生する電圧を検出し、検出結果により電源制御用半導体素子の入出力電極間をオン/オフを切り換えていることにより、電源入力のない入力端子から電流が流れることを防止しつつ、安全性が高く効率の良い電源の切り換えが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、この発明を適用する携帯型電子機器について図面を参照しながら説明する。図1は、充電用の外部電源の入力端子を2つ備えた携帯電話機の一例を示す。図1Aに示す携帯電話機1は、所謂折りたたみ式の携帯電話機であり、ACアダプタなどの外部電源アダプタの接続端子を直に接続して充電が可能なコネクタ2および置き台を介して外部電源アダプタから充電が可能な端子部3を備えている。図1Bはコネクタ2の拡大図を示し、図1Cは端子部3の拡大図を示す。
【0021】
図1Bに示すコネクタ2は、携帯電話機1の外部インターフェース用のコネクタであり、電源端子であるプラス電極の端子11aおよびマイナス電極の端子11bを備えている。以下、この実施形態では、この端子11aと端子11bとを外部電源アダプタ用端子11とする。このコネクタ2に外部電源アダプタの接続端子、例えばACアダプタを接続することで、携帯電話機1の備える二次電池を充電することが可能である。
【0022】
図1Cに示す端子部3は、置き台を介して外部電源から二次電池の充電が可能なプラス電極の端子12aおよびマイナス電極の端子12bを備えている。この端子12aと端子12bとを置き台用端子12とする。置き台の備える端子にこの置き台用端子12が接するように携帯電話機1を置くことで、携帯電話機1の備える二次電池を充電することが可能である。
【0023】
図2は、携帯電話機の充電状態を示す一例の図である。図2AはACアダプタを携帯電話機に接続して充電している図であり、図2Bは、置き台を利用して充電している図である。
【0024】
すなわち、図2Aに示す充電では、携帯電話機1のコネクタ2にACアダプタ4を接続し、ACアダプタ4の電気プラグをコンセント6に差し込むことで、外部電源アダプタ用端子11から携帯電話機1の内部の充電用回路に所定の直流電源が入力される。図2Bに示す充電では、携帯電話機1の置き台用端子12が置き台5に設けられた端子と接触するようはめ込み、置き台5に接続されたACアダプタ4の電気プラグをコンセント6に差し込むことで、置き台用端子12を介して携帯電話機1の内部の充電用回路に所定の直流電源が入力される。なお、ここでは外部電源として家庭用商用電源を用いて説明しているが、自動車のバッテリなどを適用することも可能である。
【0025】
以上説明したような複数の充電用外部電源入力端子を備えた電子機器に、この発明による充電装置を適用することができる。以下、この発明の実施形態について説明する。まず、この発明の第1の実施形態による充電装置について説明する。
【0026】
図3はこの発明の第1の実施形態による充電用回路の一例の図である。この第1の実施形態による充電用回路は、外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12、PNP型トランジスタQ1,Q2、抵抗R1,R2,R3、制御IC13および二次電池E1により構成される。
【0027】
図1を用いて上述説明したように、外部電源アダプタ用端子11は、ACアダプタ4などの外部電源用アダプタの接続端子を直接接続し、外部電源用アダプタにより変換された所定の直流電源を入力する入力端子であり、プラス電極の端子11aおよびマイナス電極の端子11bにより構成される。また置き台用端子12は、外部電源用アダプタが接続された置き台5が備える端子と接触させ、置き台を介して外部電源用アダプタにより変換された所定の直流電源を入力する入力端子であり、プラス電極の端子12aおよびマイナス電極の端子12bにより構成される。
【0028】
二次電池E1は、リチウム・イオン電池やニッケル水素電池などの、所謂携帯電話機のバッテリに使用される二次電池である。PNP型トランジスタQ1,Q2は、この充電用回路において、入力される外部電源のスイッチングおよび電圧、電流の制御を行う。制御IC13は、充電電圧、電流などの検出、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御、その他この充電用回路の制御を行う。
【0029】
この充電用回路では、端子11aがPNP型トランジスタQ1の入力電極、すなわちエミッタおよび制御IC13に接続されている。また、端子12aがPNP型トランジスタQ2の入力電極、すなわちエミッタおよび制御IC13に接続されている。PNP型トランジスタQ1,Q2の出力電極、すなわちコレクタは、抵抗R1を介して二次電池E1のプラス側に接続されている。また、抵抗R1の両端は、制御IC13に接続されている。PNP型トランジスタQ1の制御電極、すなわちベースは、抵抗R2を介して制御IC13に接続されていて、PNP型トランジスタQ2の制御電極、すなわちベースは、抵抗R3を介して制御IC13に接続されている。二次電池のマイナス側および制御IC13の一部は、端子11b、端子12bと接続されている。
【0030】
次に、以上のように構成されたこの第1の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12のうちの一方の入力端子から充電した場合の動作について説明する。
【0031】
この第1の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aから入力される。そして入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1のエミッタおよび制御IC13に入力される。これにより、制御IC13は、PNP型トランジスタQ1のエミッタ、すなわち入力電極部の電源電圧を検出する。制御IC13は、この電源電圧を検出した場合、抵抗R2を介してPNP型トランジスタQ1のベースに電流を流す。これにより、PNP型トランジスタQ1はオンとなり、PNP型トランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間が導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0032】
また、置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子12aから入力される。そして入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2のエミッタおよび制御IC13に入力される。これにより、制御IC13は、PNP型トランジスタQ2のエミッタ、すなわち入力電極部の電源電圧を検出する。制御IC13は、この電源電圧を検出した場合、抵抗R3を介してPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流す。これにより、PNP型トランジスタQ2はオンとなり、PNP型トランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間が導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0033】
なお、この第1の実施形態による充電用回路にて充電する場合には、二次電池E1への定電圧および定電流などが測定され、制御IC13により所望の電圧、電流で充電が行われるように制御される。また満充電を検出した場合には、制御IC13は、PNP型トランジスタQ1,Q2のベースに電流を流すのを中止し、充電を完了する。充電を行う場合には、外部電源アダプタ用端子11や置き台用端子12から入力する電源電圧は、充電する二次電池の電圧よりも高くする。
【0034】
この第1の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12のうちの一方の入力端子から充電した場合は、外部電源が入力される入力端子に接続されたトランジスタがオンとされ、他の入力端子に接続されたトランジスタがオフとされる。しかしながら、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12とを両方接続することも考えられる。この場合には、制御IC13が所定の条件に基づき入力電源を制御する。このように両方の充電用の入力端子から電源を入力する場合については、以降の第3〜第7の実施形態において説明する。
【0035】
以上説明したように、この第1の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11を用いて充電した場合、PNP型トランジスタQ1がオンとなり、PNP型トランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1およびPNP型トランジスタQ2のコレクタに入力される。このときPNP型トランジスタQ2にはベース電流が流れていないため、PNP型トランジスタQ2はオフとなっており、またPNP型トランジスタQ2へ入力される電圧も逆方向電圧であるため、端子12aには電流が流れないようにすることができる。
【0036】
同様に、置き台用端子12を用いて充電した場合、PNP型トランジスタQ2がオンとなり、PNP型トランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1およびPNP型トランジスタQ1のコレクタに入力される。このときPNP型トランジスタQ1には、ベース電流が流れていないためPNP型トランジスタQ1はオフとなっており、またPNP型トランジスタQ1へ入力される電圧も逆方向電圧であるため、端子11aには電流が流れないようにすることができる。
【0037】
また、充電用の入力端子からの電流を他の充電用の入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0038】
また、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、制御IC13などにより、所定の条件に基づき選択的に一方の外部電源のみから充電を行うなどの制御が可能であるため、充電時の過電流による発熱などを防ぐことができ、充電用回路、およびこの充電用回路を備えた電子機器の安全性を向上することができる。
【0039】
次に、この発明の第2の実施形態による充電装置について説明する。この第2の実施形態は、切り換え信号により入力電源を選択する充電用回路である。なお、この第2の実施形態においては、2つある充電用の入力端子の一方から外部電源の入力があるものとする。両方の入力端子から電源の入力があった場合については、第3の実施形態以降で説明する。
【0040】
図4は、この発明の第2の実施形態による充電用回路の一例の図である。この充電用回路の基本的な構成は、第1の実施形態で説明した図3に示したものと同じである。すなわち、端子11aがPNP型トランジスタQ1のエミッタに接続されている。また、端子12aがPNP型トランジスタQ2のエミッタに接続されている。PNP型トランジスタQ1,Q2のコレクタは、抵抗R1を介して二次電池E1のプラス側に接続されている。また、二次電池のマイナス側は、端子11b、端子12bと接続されている。以後説明する第3〜第7の実施形態においても、これらの構成は同様であるため、以後の実施形態において、これらの構成の説明は省略する。
【0041】
また他の部分、すなわちPNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。Q1電圧検出回路21は、PNP型トランジスタQ1のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ1に入力される電源の電圧を検出可能な回路である。Q2電圧検出回路22は、PNP型トランジスタQ2のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ2に入力される電源の電圧を検出可能な回路である。
【0042】
また、Q1電圧検出回路21およびQ2電圧検出回路22は、切り換え信号生成回路24に接続されている。切り換え信号生成回路24は、Q1電圧検出回路21およびQ2電圧検出回路22の電圧の検出結果に基づき、切り換え信号を生成する回路である。また、切り換え信号生成回路24は、切り換え回路25と接続されている。
【0043】
切り換え回路25は、PNP型トランジスタQ1,Q2のベースに接続されていて、切り換え信号生成回路24から送られる切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1,Q2にベース電流を流し、PNP型トランジスタQ1,Q2のオン/オフを切り換える回路である。
【0044】
電流検出回路26、充電停止検出回路27、定電流検出回路28および定電圧検出回路29は、所謂この充電用回路の充電電源安定用の回路である。この充電電源安定用の回路は、充電動作中には、常に動作し、充電電源の監視を行う。電流検出回路26は、抵抗R1の両端に接続されていて、この両端の電流を検出する回路である。また電流検出回路26は、定電流検出回路28および充電停止検出回路27に接続されている。
【0045】
定電流検出回路28は、電流検出回路26で検出された電流から定電流を検出する回路である。また、充電停止検出回路27は、電流検出回路26で検出された電流から、二次電池E1の満充電などによる充電停止を検出する回路である。定電圧検出回路29は、二次電池E1の両端から定電圧を検出する回路である。また、これら定電流検出回路28、充電停止検出回路27および定電圧検出回路29は、制御回路23に接続されている。
【0046】
制御回路23は、定電流検出回路28、充電停止検出回路27および定電圧検出回路29などから送られる検出結果を基に、二次電池を充電するのに最適となるよう入力される電源を制御し、充電電圧または電流が規定値以外であったり、二次電池E1が満充電であったりした場合には、制御信号を生成する回路である。また、制御回路23は、上述した切り換え回路25と接続されている。切り換え回路25は、制御回路23から制御信号を受け取った場合には、その制御信号に対応したPNP型トランジスタQ1,Q2のオン/オフの切り換えも行う回路である。
【0047】
次に、この第2の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12のうちの一方から充電した場合の動作について説明する。
【0048】
この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aから入力される。そして入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1のエミッタおよびQ1電圧検出回路21に流れる。よってQ1電圧検出回路21は、PNP型トランジスタQ1の入力電極部の電源電圧を検出する。そして、その検出結果が切り換え信号生成回路24へ送られる。
【0049】
切り換え信号生成回路24は、その検出結果に応じた切り換え信号を生成する。生成した切り換え信号は、切り換え回路25へ送られる。切り換え回路25は、切り換え信号生成回路24からの切り換え信号により、PNP型トランジスタQ1のベースへ電流を流す。これにより、PNP型トランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0050】
また、置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子12aから入力される。そして入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2のエミッタおよびQ2電圧検出回路22に流れる。よってQ2電圧検出回路22は、PNP型トランジスタQ2の入力電極部の電源電圧を検出する。そして、その検出結果が切り換え信号生成回路24へ送られる。
【0051】
切り換え信号生成回路24は、その検出結果に応じた切り換え信号を生成する。生成した切り換え信号は、切り換え回路25へ送られる。切り換え回路25は、切り換え信号生成回路24からの切り換え信号によりPNP型トランジスタQ2のベースへ電流を流す。これにより、PNP型トランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0052】
なお、二次電池E1の充電中は、充電電源安定用の回路および制御回路23により安全に動作するよう制御される。すなわち、電流検出回路26により、抵抗R1の両端電流が計測され、この計測結果が定電流検出回路28に送られる。定電流検出回路28は、この計測結果から定電流を検出した場合、定電流検出信号を生成する。また、電流検出回路26での計測結果は、充電停止検出回路27にも送られる。充電停止検出回路27は、この計測結果から二次電池の満充電などを検出した場合、充電停止信号を生成する。
【0053】
これら定電流検出信号および充電停止信号は、制御回路23へ送られる。また、定電圧検出回路29は、二次電池E1の両端から定電圧を検出する。定電圧が検出された場合、定電圧検出回路29は定電圧検出信号を生成する。そしてこの定電圧検出信号は、制御回路23に送られる。制御回路23は、これらの信号を基に、入力される外部電源の電圧、電流を、充電するのに最適な状態となるよう制御する。
【0054】
また、充電する電源の電圧、電流が規定値外である場合や、充電停止検出回路27から充電停止信号が送られてきた場合には、制御回路23は、切り換え回路25に制御信号を送る。制御信号を受け取った切り換え回路25は、PNP型トランジスタQ1,Q2にベース電流を送るのをやめ、二次電池E1への充電を停止する。
【0055】
以上説明したように、この第2の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11を用いて充電した場合、PNP型トランジスタQ1がオンとなり、PNP型トランジスタQ1のエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1およびPNP型トランジスタQ2のコレクタに入力される。このときPNP型トランジスタQ2にはベース電流が流れていないため、PNP型トランジスタQ2はオフとなっており、またPNP型トランジスタQ2へ入力される電圧も逆方向電圧であるため、端子12aには電流が流れないようにすることができる。
【0056】
同様に、置き台用端子12を用いて充電した場合、PNP型トランジスタQ2がオンとなり、PNP型トランジスタQ2のエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1およびPNP型トランジスタQ1のコレクタに入力される。このときPNP型トランジスタQ1には、ベース電流が流れていないためPNP型トランジスタQ1はオフとなっており、またPNP型トランジスタQ1へ入力される電圧も逆方向電圧であるため、端子11aには電流が流れないようにすることができる。
【0057】
また、充電用の入力端子からの電流を他の充電用の入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、この充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0058】
また、この第2の実施形態では、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12のうち、一方の充電用の入力端子から充電した場合の動作について説明したが、実際には両方の充電用の入力端子から充電する場合も考えられる。その場合には、上述した切り換え信号の生成を、以下の実施形態で説明するような優先順位をつけて、それに従い一方のみを使用することで、過電流による発熱などを防止し、充電装置の安全性を保つことができる。
【0059】
ここで、この発明の第3の実施形態による充電装置について説明する。以下、第3〜第6の実施形態による充電装置は、2つの充電用の入力端子から電源の入力があった場合に、充電電源を所定の優先順位により選択的に制御するものである。なお、一方の充電用の入力端子から電源の入力があった場合については、上述した第2の実施形態において説明したので、以後の実施形態での説明は省略する。
【0060】
図5は、この発明の第3の実施形態による充電用回路の一例の図である。この第3の実施形態による充電用回路において、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。Q1電圧検出回路31は、PNP型トランジスタQ1のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ1に入力される電源の電圧を検出可能な回路である。Q2電圧検出回路32は、PNP型トランジスタQ2のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ2に入力される電源の電圧を検出可能な回路である。
【0061】
また、Q1電圧検出回路31およびQ2電圧検出回路32は、優先順位回路34に接続されている。優先順位回路34は、外部電源コネクタ用端子11および置き台用端子12の両方を用いて充電作業が行われた際に、どちらを優先するかという所定の優先順位データを有する回路であり、Q1電圧検出回路31およびQ2電圧検出回路32の両方から電源電圧を検出した場合には、その優先順位に対応した制御信号を生成する回路である。なお、優先順位回路34は、Q1電圧検出回路31、Q2電圧検出回路32のうち一方だけしか電源電圧が検出されていない場合には、検出された方を優先とする。また、優先順位回路34は、制御回路33および制御回路35と接続されている。
【0062】
制御回路33は、PNP型トランジスタQ1のベースに接続されていて、優先順位回路24から受け取る制御信号に基づき、PNP型トランジスタQ1にベース電流を流し、PNP型トランジスタQ1のオン/オフを切り換える回路である。また、制御回路35は、PNP型トランジスタQ2のベースに接続されていて、優先順位回路24から受け取る制御信号に基づき、PNP型トランジスタQ2にベース電流を流し、PNP型トランジスタQ2のオン/オフを切り換える回路である。言い換えれば、制御回路33は、優先順位回路34からの制御信号により、PNP型トランジスタQ1の方がPNP型トランジスタQ2よりも優先であると判断した場合は、PNP型トランジスタQ1にベース電流を流し、PNP型トランジスタQ1をオンとする回路である。また、PNP型トランジスタQ2の方がPNP型トランジスタQ1よりも優先であると判断した場合は、PNP型トランジスタQ2にベース電流を流し、PNP型トランジスタQ2をオンとする回路である。
【0063】
過電流検出回路36、充電停止回路37および定電圧検出回路38は、所謂この充電用回路の充電電源安定用の回路である。過電流検出回路36は、抵抗R1の両端に接続されていてこの両端から過電流を検出する回路である。また過電流検出回路36は、充電停止回路37に接続されている。
【0064】
充電停止回路37は、過電流検出回路36で過電流が検出された場合に、充電停止信号を生成する回路である。また、定電圧検出回路38は、二次電池E1の両端の定電圧を検出する回路である。これら充電停止回路37および定電圧検出回路38は、ともに制御回路33および制御回路35に接続されている。なお、この実施形態では、充電電源の安定用の回路である電流検出回路、充電停止検出回路、定電流検出回路、定電圧検出回路38およびこれら回路の動作についての説明は省略する。
【0065】
次に、この第3の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方の入力端子から外部電源を入力した場合の動作について説明する。
【0066】
この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aおよび端子12aから入力される。端子11aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1およびQ1電圧検出回路31に流れる。よってQ1電圧検出回路31は、PNP型トランジスタQ1の入力電極部の電源電圧を検出する。
【0067】
また、端子12aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2およびQ2電圧検出回路32に流れる。よってQ2電圧検出回路32は、PNP型トランジスタQ2の入力電極部の電源電圧を検出する。そして、これらQ1電圧検出回路31およびQ2電圧検出回路32の検出結果は、優先順位回路34へ送られる。
【0068】
優先順位回路34は、電圧検出の信号をQ1電圧検出回路31、Q2電圧検出回路32の両方から受け取った場合、予め設定されていた優先順位に基づきオン信号を生成する。そして、生成したオン信号を制御回路33または制御回路35に送る。例えば、PNP型トランジスタQ1の方を優先すると設定されていた場合に制御回路33にオン信号を送る。
【0069】
制御回路33、制御回路35は、優先順位回路34からオン信号を受け取った場合に、それぞれPNP型トランジスタQ1、PNP型トランジスタQ2のベースに電流を流す。これにより、優先順位の高い方のトランジスタのエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。また、制御回路33、制御回路35は、充電中に充電停止信号などを受け取った場合は、直ちにベース電流を流すのをやめ、二次電池E1の充電を停止する。
【0070】
以上説明したように、この第3の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12の両方から外部電源を入力して充電した場合、PNP型トランジスタQ1、PNP型トランジスタQ2のうち、予め設定されていた優先順位の高い方のトランジスタがオンとなり、そのトランジスタのエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1および他方のトランジスタのコレクタに入力される。このとき他方のトランジスタにはベース電流が流れていないため、他方のトランジスタはオフとなっており、入力される電圧も逆方向電圧であるため、他方のトランジスタからは電流が流れないようにすることができる。
【0071】
また、充電用の入力端子からの電流を他の充電用の入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0072】
また、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方から外部電源が入力されても、予め設定しておいた一方の外部電源のみを選択的に使用するよう制御できるため、過電流による発熱などを防止し、充電装置の安全性を保つことができる。
【0073】
次に、この発明の第4の実施形態による充電装置について説明する。この第4の実施形態による充電装置は、2つの充電用の入力端子から電源の入力があった場合に、先に所定の電圧値が検出された方の外部電源を選択的に使用するものである。
【0074】
図6は、この発明の第4の実施形態による充電用回路の一例の図である。この第4の実施形態による充電用回路において、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。Q1電圧検出回路41は、PNP型トランジスタQ1のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ1に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。Q2電圧検出回路42は、PNP型トランジスタQ2のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ2に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。
【0075】
また、Q1電圧検出回路41およびQ2電圧検出回路42は、先信号優先回路44に接続されている。先信号優先回路44は、最初に所定の電圧を検出した方の外部電源の優先度を高くし、その優先度に対応した切り換え信号を生成する回路である。携帯電話機の充電の場合には、例えば先に200mV以上を検出した方の優先度を高くするなどのように設定しておく。なお、Q1電圧検出回路41、Q2電圧検出回路42のうち一方からしか電圧が検出されていない場合には、検出されている方を優先とする。また、先信号優先回路44は、切り換え回路45と接続されている。
【0076】
切り換え回路45は、PNP型トランジスタQ1のベースおよびPNP型トランジスタQ2のベースに接続されていて、先信号優先回路44からの切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流し、PNP型トランジスタQ1,Q2のオン/オフを切り換える回路である。
【0077】
また切り換え回路45は、制御回路43と接続されている。この制御回路43および過電流検出回路46、充電停止回路47、定電圧検出回路48などの充電電源安定用の回路については、上述の第2および第3の実施形態において説明したのでここでは省略する。
【0078】
次に、この第4の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方の入力端子に外部電源を入力した場合の動作について説明する。
【0079】
この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aおよび端子12aから入力される。端子11aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1およびQ1電圧検出回路41に流れる。よってQ1電圧検出回路41は、PNP型トランジスタQ1の入力電極部の電源電圧を検出する。
【0080】
また、端子12aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2およびQ2電圧検出回路42に流れる。よってQ2電圧検出回路42は、PNP型トランジスタQ2の入力電極部の電源電圧を検出する。そして、これらQ1電圧検出回路41およびQ2電圧検出回路42の検出結果は、先信号優先回路44へ送られる。
【0081】
先信号優先回路44は、電圧検出の信号をQ1電圧検出回路41、Q2電圧検出回路42の両方から受け取った場合、先に所定の電圧値以上の電圧を検出している方の外部電源を優先とし、その優先順位に基づき切り換え信号を生成する。生成した切り換え信号は、切り換え回路45に送られる。
【0082】
切り換え回路45は、先信号優先回路44からの切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流す。これにより、優先順位の高い方のトランジスタのエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0083】
以上説明したように、この第4の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12の両方から外部電源を入力して充電した場合、PNP型トランジスタQ1、PNP型トランジスタQ2のうち、先に所定の電圧値が検出された方のトランジスタがオンとなり、そのトランジスタのエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1および他方のトランジスタのコレクタに入力される。このとき他方のトランジスタにはベース電流が流れていないため、他方のトランジスタはオフとなっており、入力される電圧も逆方向電圧であるため、他方のトランジスタからは電流が流れないようにすることができる。
【0084】
また、充電用入力端子からの電流を他の充電用入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0085】
また、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方から外部電源が入力されても、先に電源電圧が検出された方の外部電源のみを選択的に使用するよう制御できるため、過電流による発熱などを防止し、充電装置の安全性を保つことができる。
【0086】
次に、この発明の第5の実施形態による充電装置について説明する。この第5の実施形態による充電装置は、2つの充電用の入力端子から電源の入力があった場合に、より安全性の高い方の外部入力電源を選択的に使用するものである。
【0087】
図7は、この発明の第5の実施形態による充電用回路の一例の図である。この第5の実施形態による充電用回路において、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。Q1電圧検出回路51は、PNP型トランジスタQ1のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ1に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。Q2電圧検出回路52は、PNP型トランジスタQ2のエミッタ側、コレクタ側の両端と接続されており、この両端からPNP型トランジスタQ2に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。
【0088】
また、Q1電圧検出回路51およびQ2電圧検出回路52は、低電圧優先回路54に接続されている。低電圧優先回路54は、電源電圧が規定の最小入力電圧値以上であることを満たし、より電圧が低い方の外部電源の優先度を高くし、その優先度に対応した切り換え信号を生成する回路である。例えば、低電圧優先回路54は、規定の入力電圧値が280mVであった場合に、500mVと300mVの2つの外部電源の入力があった場合には、300mVの方を優先する。なお、Q1電圧検出回路51、Q2電圧検出回路52のうち一方からしか電圧が検出されていない場合には、検出された方の外部電源を優先とする。また、低電圧優先回路54は、切り換え回路55と接続されている。
【0089】
切り換え回路55は、PNP型トランジスタQ1のベースおよびPNP型トランジスタQ2のベースに接続されていて、低電圧優先回路54からの切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流し、PNP型トランジスタQ1,Q2のオン/オフを切り換える回路である。
【0090】
また切り換え回路55は、制御回路53と接続されている。この制御回路53および電流検出回路56、充電停止回路57、定電流検出回路58、定電圧検出回路59などの充電電源安定用の回路については、第2および第3の実施形態において説明したのでここでは省略する。
【0091】
次に、この第5の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方の入力端子から外部電源を入力した場合の動作について説明する。
【0092】
この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aおよび端子12aから入力される。端子11aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1のエミッタおよびQ1電圧検出回路51に流れる。よってQ1電圧検出回路51は、PNP型トランジスタQ1の入力電極部の電源電圧を検出する。
【0093】
また、端子12aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2のエミッタおよびQ2電圧検出回路52に流れる。よってQ2電圧検出回路52は、PNP型トランジスタQ2の入力電極部の電源電圧を検出する。そして、これらQ1電圧検出回路51およびQ2電圧検出回路52の検出結果は、低電圧優先回路54へ送られる。
【0094】
低電圧優先回路54は、電圧検出の信号をQ1電圧検出回路51、Q2電圧検出回路52の両方から受け取った場合、検出した電圧の値が規定の最小入力電圧値以上であり、より低い電圧である方の外部電源を優先する。そして、その優先順位に基づき切り換え信号を生成する。生成した切り換え信号は、切り換え回路55に送られる。
【0095】
切り換え回路55は、低電圧優先回路54からの切り換え信号を基に、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流す。これにより、規定の最小入力電圧値以上の電圧であり、より低い電圧である方の電源が入力されるトランジスタのエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、抵抗R1を介して二次電池E1が充電される。
【0096】
なお、この実施形態では、定電圧検出回路54により、入力される電源電圧が規定の最小入力電圧値以上であることを満たし、より電圧が低い方の外部電源の優先度を高くして、PNP型トランジスタQ1,Q2の発熱などを抑え、充電用回路の安全性を向上しているが、電力の小さい方の優先度を高くすることで充電用回路の安全性を向上してもよい。
【0097】
その場合、図7の破線に示すQ1電圧検出回路51、Q2電圧検出回路52および電流検出回路56と接続された電力検出回路60を用いる。電力検出回路60は、Q1電圧検出回路51、Q2電圧検出回路52それぞれの検出結果と電流検出回路56からの電流により、それぞれの電力を検出する回路である。また、電力検出回路60は、検出した電力の小さい方の外部電源を優先とし、その優先度に基づく切り換え信号を生成しする回路である。低電圧優先回路54の代わりにこの電力検出回路を用いれば、電力が低い方の外部電源を選択的に使用可能となる。
【0098】
以上説明したように、この第5の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12の両方から外部電源を入力して充電した場合、PNP型トランジスタQ1、PNP型トランジスタQ2のうち、電源電圧が規定の最小入力電圧値以上であり、より低い電圧である方の電源のトランジスタがオンとなり、そのトランジスタのエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が抵抗R1および他方のトランジスタのコレクタに入力される。このとき他方のトランジスタにはベース電流が流れていないため、他方のトランジスタはオフとなっており、入力される電圧も逆方向電圧であるため、他方のトランジスタからは電流が流れないようにすることができる。
【0099】
また、充電用の入力端子からの電流を他の充電用の入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0100】
また、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方から外部電源が入力されても、より安全性の高い方の外部電源のみを選択的に使用するよう制御できるため、過電流による発熱などを防止し、充電装置の安全性を保つことができる。
【0101】
次に、この発明の第6の実施形態による充電装置について説明する。この第6の実施形態による充電装置は、2つの充電用の入力端子から電源の入力があった場合に、入力される外部電源の電圧が、より入力基準電圧に近い方の外部電源を選択的に使用するものである。
【0102】
図8は、この発明の第6の実施形態による充電用回路の一例の図である。なお、充電電源安定用の回路、二次電池などについては、上述した第2および第3の実施形態において説明したので、ここでは省略する。この第6の実施形態による充電用回路において、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。
【0103】
入力電圧検出回路61は、外部電源コネクタ用端子11のプラス電極である端子11aとマイナス電極である端子11bとの間に接続されており、外部電源コネクタ用端子11に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。入力電圧検出回路62は、置き台用用端子12のプラス電極である端子12aとマイナス電極である端子12bとの間に接続されており、置き台用端子12に入力される外部電源の電圧を検出可能な回路である。
【0104】
また、入力電圧検出回路61は、差検出回路63および充電停止回路66に接続されていて、入力電圧検出回路62は、差検出回路64および充電停止回路66に接続されている。充電停止回路66は、制御回路69と接続されており、入力電圧検出回路61、入力電圧検出回路62の検出結果に基づき充電停止のための制御信号を生成する回路である。
【0105】
差検出回路63および差検出回路64は、基準電圧回路65と接続されている。基準電圧回路65は、予め設定された外部入力電源の理想的な電圧である基準電圧(以下、基準入力電圧値と称する)が格納されている回路であり、差検出回路63は、この基準電圧回路65の基準入力電圧値と入力電圧検出回路61で検出された入力電圧との差を検出する回路である。差検出回路64は、基準電圧回路65の基準入力電圧値と入力電圧検出回路62で検出された入力電圧との差を検出する回路である。
【0106】
また、差検出回路63および差検出回路64は、差小検出回路67と接続されている。差小検出回路67は、差検出回路63で計算された差と、差検出回路64で計算された差とを比較し、差が小さい方の外部電源の優先度を高くし、その優先度に対応した切り換え信号を生成する回路である。また、差小検出回路67は、切り換え回路68と接続されている。
【0107】
切り換え回路68は、PNP型トランジスタQ1のベースおよびPNP型トランジスタQ2のベースに接続されていて、差小検出回路67からの切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流し、PNP型トランジスタQ1,Q2のオン/オフを切り換える回路である。
【0108】
また制御回路69は、充電停止信号生成回路70および切り換え回路68に接続されている。充電停止信号生成回路70は、制御回路69からの制御信号を基に、充電停止信号を生成する回路である。この充電停止信号は、充電停止中であることを表す信号である。また、充電停止信号生成回路70は、動作信号生成回路71と接続されている。動作信号生成回路71は、充電停止信号生成回路70から充電停止信号が送られた場合、動作信号を生成する回路である。また動作信号生成回路71は、差小検出回路67と接続されている。
【0109】
次に、この第6の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方の入力端子から外部電源を入力した場合の動作について説明する。
【0110】
この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aおよび端子12aから入力される。端子11aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1のエミッタおよび入力電圧検出回路61に流れる。よって入力電圧検出回路61は、外部電源アダプタ用端子11に入力される外部電源電圧を検出する。
【0111】
また、端子12aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2および入力電圧検出回路62に流れる。よって入力電圧検出回路62は、置き台用端子12から入力される外部電源電圧を検出する。入力電圧検出回路61の検出結果は、差検出回路63および充電停止回路66に送られ、入力電圧検出回路62の検出結果は、差検出回路64および充電停止回路66に送られる。
【0112】
差検出回路63および差検出回路64では、基準電圧回路65からの基準電圧との差が検出され、それぞれの結果が、差小検出回路67に送られる。
【0113】
この差小検出回路67は、動作信号生成回路71からの動作信号により動作する。すなわち充電停止回路66に入力電圧検出回路61および入力電圧検出回路62の両方から検出信号が送られた場合、充電停止回路66は、制御回路69に充電停止のための信号を送る。制御回路69は、この充電停止のための信号を受け取った場合、切り換え回路68に充電を停止させるための切り換え信号を送り二次電池E1への充電を停止させる。
【0114】
また、制御回路69は、充電を停止する際、充電停止信号生成回路70に充電停止状態であることを示す信号を送る。充電停止信号生成回路70は、この信号を受け取った場合、充電停止信号を生成し、動作信号生成回路71に送る。充電停止信号が送られたら動作信号生成回路71は、動作信号を生成し、差小検出回路67へ送る。これにより、差小検出回路67が動作する。
【0115】
差小検出回路67では、差が小さい方を優先、すなわち基準電圧に近い方の電源を優先とし、その優先順位に基づき切り換え信号が生成される。そして、その切り換え信号は、切り換え回路68に送られる。
【0116】
切り換え回路68は、差小検出回路67からの切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1またはPNP型トランジスタQ2のベースに電流を流す。これにより、基準電圧に近い方の外部電源が入力されるトランジスタのエミッタ−コレクタ間がオン、すなわち導通し、二次電池が充電される。
【0117】
以上説明したように、この第6の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12の両方から外部電源を入力して充電した場合、PNP型トランジスタQ1、PNP型トランジスタQ2のうち、より基準入力電圧に近い方の外部電圧が入力されるトランジスタがオンとなり、そのトランジスタのエミッタ−コレクタ間が導通し、電源電圧の電流が他方のトランジスタのコレクタおよび図示しない二次電池に入力される。このとき他方のトランジスタにはベース電流が流れていないため、他方のトランジスタはオフとなっており、入力される電圧も逆方向電圧であるため、他方のトランジスタからは電流が流れないようにすることができる。
【0118】
また、充電用の入力端子からの電流を他の充電用の入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0119】
また、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方から外部電源が入力されても、基準入力電圧に近い方の外部電源のみを選択的に使用するよう制御できるため、過電流による発熱などを防止し、充電装置の安全性を保つことができる。
【0120】
次に、この発明の第7の実施形態による充電装置について説明する。この第7の実施形態による充電装置は、2つの充電用の入力端子から外部電源の入力があった場合に、2つの合計入力電流が基準値以内であるときには、両方の外部電源から充電を行い、入力される合計電流が基準値外であるときには、一方の外部電源のみから充電を行うものである。
【0121】
図9は、この発明の第7の実施形態による充電用回路の一例の図である。この第7の実施形態による充電用回路において、PNP型トランジスタQ1,Q2の制御用回路は、以下のように構成される。
【0122】
抵抗R1の両端には、電流検出回路77および過電流検出回路76が接続されている。この電流検出回路77は、二次電池E1への充電電流を検出する回路である。また、抵抗R1の両端には、過電流検出回路76も接続されている。この過電流検出回路76は、二次電池への過電流を検出する回路である。
【0123】
電流検出回路77は、動作切り換え回路74と接続されている。この動作切り換え回路74は、電流検出回路77の検出結果により、一方のみの動作に切り換えるか否かを判別する回路である。また、動作切り換え回路74は、一方停止回路75と接続されている。一方停止回路75は、動作切り換え回路74からの一方を停止するか否かの判定結果に基づき、制御信号を生成する回路である。また、一方停止回路75は、動作検出回路78と接続されていて、一方停止回路75の動作中に、動作信号を動作検出回路78に送る回路である。動作検出回路78は、過電流検出回路76と接続されていて、動作検出信号の検出結果に基づき過電流検出回路76の動作の制御を行う回路である。
【0124】
また過電流検出回路76は、動作検出回路79と接続されていて、過電流検出回路76の動作中に、動作信号を動作検出回路79に送る回路である。また、動作停止回路79は、制御回路72,73と接続されていて、過電流検出回路76からの動作信号を検出し、動作停止の制御信号を制御回路72および73へ送る回路である。
【0125】
また、一方停止回路75は、制御回路72,73と接続されていて、PNP型トランジスタQ1,Q2の一方をオフとする制御信号を制御回路72または73へ送る回路である。制御回路72は、PNPトランジスタQ1のベースと接続されており、制御信号に基づきPNP型トランジスタQ1へのベース電流を制御し、PNP型トランジスタQ1のオン/オフを切り換える回路である。また、制御回路73は、PNPトランジスタQ2のベースと接続されており、制御信号に基づきPNP型トランジスタQ2へのベース電流を制御し、PNP型トランジスタQ2のオン/オフを切り換える回路である。
【0126】
また、定電圧検出回路80が二次電池E1の両端に接続されている。定電圧検出回路80は、制御回路72,73と接続されていて、充電する電圧から定電圧を検出し、検出結果を制御回路72,73に送る回路である。なお、図示しない充電電源安定用の回路については、上述の第2および3の実施形態で説明したので、ここでは省略する。
【0127】
次に、この第7の実施形態による充電用回路において、充電の際に外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の両方の入力端子から外部電源を入力した場合の動作について説明する。
【0128】
上述した第1〜第6の実施形態では、外部電源の接続前は、PNP型トランジスタQ1,Q2の両方を常にオフの状態としておき、所定の条件により、どちらか一方をオンとした。この第7の実施形態においては、外部電源の接続前は、PNP型トランジスタQ1,Q2の両方を常にオンの状態としておき、過電流を検出した場合に、どちらか一方をオフとする。
【0129】
すなわち、この充電用回路において、外部電源アダプタ用端子11および置き台用端子12を用いて充電した場合、外部電源電圧の電流が端子11aおよび端子12aから入力される。端子11aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ1を介して二次電池E1に流れる。また、端子12aから入力された外部電源電圧の電流は、PNP型トランジスタQ2を介して二次電池E1に流れる。
【0130】
充電中には、電流検出回路77により充電電流が検出される。検出された電流は、動作切り換え回路74に送られ、電流値が、基準電流以上であるか否かが判定される。基準電流以上である場合には、一方停止回路75に、動作切り換え信号を送り、一方停止回路75は、その動作切り換え信号に基づき、PNP型トランジスタQ1,Q2のうち一方のみをオンとするための制御信号を生成する。
【0131】
一方停止回路75で生成された制御信号は、制御回路72,73へ送られる。この制御信号により、制御回路72,73は、充電する外部電源をどちらか一方となるように、PNP型トランジスタQ1,Q2の一方のみにベース電流を流す。この際、どちらを優先するかは、上述した第1〜第6の実施形態を適用して決定することも可能である。
【0132】
このように、一方停止回路75が動作切り換え回路74からの動作信号を検出し、電源の切り換え動作中には、一方停止回路75は、動作検出回路78へ動作信号を送る。動作検出回路78は、この動作信号を検出した場合、過電流検出回路76へ一時停止信号を送る。この動作検出回路78からの一時停止信号により、過電流検出回路76は、一方の電源のみの入力に切り換えるときには一時停止状態となる。電源の切り換え停止後、すなわち一方停止回路75が動作切り換え回路74からの動作信号を検出しない場合には、一方停止回路75は、動作検出回路78へ動作信号を送るのをやめ、過電流検出回路76が動作する。
【0133】
また、過電流検出回路76が動作中には、過電流検出回路76は、動作検出回路79に動作信号を送り、制御回路72,73に動作停止信号を送る。この動作停止信号により、過電流検出中には、電源切り換え動作を行わないようにする。これにより、PNP型トランジスタQ1,Q2などを保護しつつ、電源の切り換えを行える。また、定電圧検出回路80で検出される二次電池E1の両端の定電圧が制御回路72,73に送られ、充電に適した電圧の外部電源により二次電池E1の充電が行われる。
【0134】
以上説明したように、この第7の実施形態による充電用回路では、外部電源アダプタ用端子11と置き台用端子12の両方から外部電源を入力して充電するため、充電の入力端子から外部へ電流が流れることを防止でき、また2つの外部電源の合計電流が、基準電流以内であれば、両方の外部電源を使用して充電を行うため、効率よく充電を行うことができる。
【0135】
また、充電用入力端子からの電流を他の充電用入力端子から出力しないための半導体素子として、トランジスタを使用しているため、ダイオードを使用した場合に比べて電圧降下が少ない。したがって、充電用回路での電圧の損失を少なくすることができ、充電効率が向上する。
【0136】
この発明は、上述したこの発明の実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述のPNP型トランジスタQ1,Q2は、PNP型トランジスタに限らず、FET(field effect transistor)など、入力電極、出力電極および出力電極を制御する制御電極を有する他の半導体素子であってもよい。
【0137】
また例えば、充電用の入力端子として、外部電源アダプタ用端子11、置き台用端子12の2つを用いているが、これに限らず、3つ以上の充電用の入力端子から充電するようにしてもよい。
【0138】
また例えば、上述した実施形態では、この発明の充電装置を備えた携帯型電子機器として、携帯電話機を用いて説明したが、これに限らず、MDプレーヤ、PDA(personal digital assistants)、ビデオカメラなどに適用してもよい。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、充電に用いる入力端子を2つ以上備える充電装置において、トランジスタなどの入力電極、出力電極および出力電極を制御する制御電極を有する半導体素子を用いて外部電源の入力のオン/オフを切り換えることにより、安全性を保ち、効率良く二次電池の充電を行うことができる。
【0140】
また、複数の充電用の入力端子から外部電源の入力があった場合に、充電動作の安全性や充電効率を考慮して、優先順位を付け、その優先順位の高い方の外部電源を選択的に使用して充電することにより、安全性を保ち、効率良く二次電池の充電を行うことができる。
【0141】
また、複数の充電用の入力端子から外部電源の入力があった場合に、入力される外部電源の合計電流値が、入力基準電源より小さい場合、複数の充電用の入力端子から外部電源の入力を行い、入力基準電源以上である場合、外部電源を選択的に使用することで、安全性を保ち、効率良く二次電池の充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充電用の外部電源の入力端子を2つ備えた携帯電話機の一例を示す略線図である。
【図2】携帯電話機の充電状態を示す一例の略線図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図4】この発明の第2の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図5】この発明の第3の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図6】この発明の第4の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図7】この発明の第5の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図8】この発明の第6の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図9】この発明の第7の実施形態による充電用回路の一例を示すブロック図である。
【図10】従来からの携帯電話機の充電回路の一例を示すブロック図である。
【図11】従来からの携帯電話機の充電回路におけるダイオード−トランジスタ間の電圧、電流を説明するための一例の図である。
【符号の説明】
4・・・ACアダプタ、5・・・置き台、11・・・外部電源アダプタ用端子、12・・・置き台用端子、Q1,Q2・・・PNP型トランジスタ、E1・・・二次電池、21,31,41,51・・・Q1電圧検出回路、22,32,42,52・・・Q2電圧検出回路、23,33,34,43,69・・・制御回路、24・・・切り換え信号生成回路、25,45,68・・・切り換え回路、34・・・優先順位回路、44・・・先信号優先回路、54・・・低電圧優先回路、60・・・電力検出回路、61,62・・・入力電圧検出回路、67・・・差小検出回路
Claims (9)
- 電源電圧源が接続される第1および第2の入力端子と、
上記第1および第2の入力端子がそれぞれ入力電極に接続される第1および第2の電源制御用半導体素子と、
上記第1および第2の電源制御用半導体素子の出力電極が共通接続され、上記共通接続電位点と基準電位点との間に接続された二次電池と、
上記二次電池の端子電圧および充電電流を所望のものに制御する制御回路と、
上記第1および第2の電源制御用半導体素子の入力電極に発生する電圧を検出し、電圧が検出された電源制御用半導体素子の入出力電極間をオンとするための切り換え信号を生成する切り換え信号発生手段とを有する
ことを特徴とする充電装置。 - 上記第1および第2の電源制御用半導体素子の両方の入力電極から電圧が検出された場合には、予め設定した優先順位に従って、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオンとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の電源制御用半導体素子の両方の入力電極から電圧が検出された場合には、所定電圧値以上の電圧が先に検出された方を優先とする優先順位に従って、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオンとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の電源制御用半導体素子の両方の入力電極から電圧が検出された場合には、所定の電圧値以上であって、より低い電圧の方を優先とする優先順位に従って、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオンとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の電源制御用半導体素子の両方の入力電極から電圧が検出された場合には、電力の低い方を優先とする優先順位に従って、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオンとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の入力端子の両方から電源電圧が検出された場合には、電源電圧が入力基準電圧に最も近いものを優先とする優先順位に従って、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオンとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の入力端子の両方から電源電圧を入力し、上記二次電池に流れる電流が基準値以内ならば、上記第1および第2の電源制御用半導体素子の両方の入出力電極間をオンとし、上記二次電池に流れる電流が基準値より大きければ、上記第1および第2の電源制御用半導体素子のうち、一方の入出力電極間をオフとすることで、上記第1および第2の入力端子から入力される入力電源を制御することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 上記第1および第2の入力端子は、ACアダプタ接続用の端子と置き台用端子である請求項1に記載の充電装置。
- 電源電圧源が接続される第1および第2の入力端子と、
上記第1および第2の入力端子がそれぞれ入力電極に接続される第1および第2の電源制御用半導体素子と、
上記第1および第2の電源制御用半導体素子の出力電極が共通接続され、上記共通接続電位点と基準電位点との間に接続された二次電池と、
上記二次電池の端子電圧および充電電流を所望のものに制御する制御回路と、
上記第1および第2の電源制御用半導体素子の入力電極に発生する電圧を検出する検出ステップとを用いて、
上記検出ステップで電圧が検出された電源制御用半導体素子の入出力電極間をオンとする
ことを特徴とする充電方法。
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