JP2004007137A - デジタルスチルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像素子の撮像面をクリーニングし易くしたデジタルスチルカメラを提供すること。
【解決手段】カメラ本体1は、レンズやミラーボックスの取付部1aを有し、蝶番4を介して裏蓋3を開蓋可能に取り付けている。シャッタ地板11と補助地板12の間にシャッタ羽根を配置しているフォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板11が、裏蓋3側からビスによってカメラ本体1に固定されている。裏蓋3の内面側には、板ばね部材8を介して基板9が取り付けられ、そのカメラ本体1側の面には、撮像素子10が取り付けられていて、裏蓋3がビスによってカメラ本体1に固定された状態では、撮像素子10の撮像面が、フォーカルプレンシャッタの露光開口に面するようになっている。従って、撮像素子10の撮像面のクリーニングは、ビスを外し、裏蓋3を開蓋状態にしておいて、簡単に行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】カメラ本体1は、レンズやミラーボックスの取付部1aを有し、蝶番4を介して裏蓋3を開蓋可能に取り付けている。シャッタ地板11と補助地板12の間にシャッタ羽根を配置しているフォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板11が、裏蓋3側からビスによってカメラ本体1に固定されている。裏蓋3の内面側には、板ばね部材8を介して基板9が取り付けられ、そのカメラ本体1側の面には、撮像素子10が取り付けられていて、裏蓋3がビスによってカメラ本体1に固定された状態では、撮像素子10の撮像面が、フォーカルプレンシャッタの露光開口に面するようになっている。従って、撮像素子10の撮像面のクリーニングは、ビスを外し、裏蓋3を開蓋状態にしておいて、簡単に行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッタを備えたデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラに用いられているCCD等の撮像素子は、その撮像面(通常、撮像面に透明なカバー板やフィルタを取り付けているが、その場合には、それらの入射面)を常にクリーンに保っておくことが要求されている。何故なら、撮像素子の場合には、フィルムの場合のように撮影ごとに新しい撮像面と入れ替わることがないため、どんなに微細な塵埃であっても、長期間の間に塵埃が蓄積されてゆき、やがて、鮮明な画像が得られなくなったり、部分的に不具合な画像が得られてしまうからである。
【0003】
そして、撮像素子に向けて飛来し、撮像面に付着する塵埃には、大きく分けて二種類あり、カメラの外部から進入してくるものと、カメラ内で発生するものとがある。通常、カメラの内部は気密性が保たれていないので、塵埃がカメラ内へ進入するのを完全に防ぐのは難しいし、まして、交換レンズ式のカメラの場合には、特に屋外での交換の都度かなりの大きさの塵埃も進入してくる。他方、カメラ内で発生する塵埃は、構成部材の作動時に発生する磨耗紛であるが、その代表的な発生源は、シャッタ機構や絞り機構である。従って、このような磨耗紛は、レンズシャッタ付きカメラの場合にも、フォーカルプレンシャッタ付きカメラの場合にも、多かれ少なかれ発生する。
【0004】
このように、撮像面に付着する塵埃対策は、レンズシャッタ付きカメラの場合でも、フォーカルプレンシャッタ付きカメラの場合でも必要であるが、その必要性はフォーカルプレンシャッタ付きカメラの方が大きい。それは、フォーカルプレンシャッタが撮像素子の直前に配置されているため、そこで発生した磨耗紛が直接、撮像面に付着し易いからである。また、一般のフォーカルプレンシャッタ付きカメラは、その殆どが、レンズ交換式であって且つ可動ミラーを備えた一眼レフカメラであるため、レンズ交換のときに外部から塵埃が舞い込み易いうえに、撮影ごとの可動ミラーの作動によっても磨耗粉を発生させるからである。
【0005】
そのため、これまでにも、カメラ内に進入した塵埃や、カメラ内で発生した磨耗紛が、撮像面に達し難いようにするために、種々の構成上の提案がなされている。しかしながら、上記のような磨耗紛を完全に発生しないようにしない限り、いずれは問題となり、撮像面をクリーニングしなければならない時機がやってくる。そして、そのようなクリーニングは、レンズシャッタ付きカメラであってレンズ交換式でないものは、専門家に依頼して、カメラをオーバーホールして行わざるを得なかった。また、フォーカルプレンシャッタと可動ミラーを備えている一眼レフカメラの場合には、バルブモードかタイムモードに設定しておいてからレリーズし、可動ミラーとシャッタ羽根を作動させて撮像素子の前面を完全なオープン状態にしておいて交換レンズの取付部側から、エアーブラシやクリーニング液を付けた綿棒等の清掃具によって、撮像面にキズを付けないよう細心の注意を払ってクリーニングしていた。しかし、そのようにしても、カメラ内で塵埃を飛散させるだけであったり、また、静電気によって付着している小さなものまで確実に取り除くには、専門家に依頼する場合は別として、かなりの手間を要していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラをオーバーホールまでして使用し続けるのは、カメラが非常に高価である場合か、ユーザーがそのカメラに相当愛着を持っている場合である。その点、これまでのレンズシャッタ付き銀塩カメラは、比較的購入し易い価格であったため、故障の修理はすることがあったとしても、性能維持のためにオーバーホールをしてまで使用し続けることは殆どなく、そのような必要性を感じた場合には、新しいカメラに買い換えてしまうのが普通であった。しかしながら、デジタルスチルカメラの場合には、レンズシャッタ付きであっても、その性能仕様によっては価格差が非常に大きく、一眼レフの銀塩カメラに匹敵するような価格のものもある。更に、デジタルスチルカメラの場合には、撮影済み画像情報の書き込み消去が自由であることから、銀塩カメラの場合よりも撮影頻度が圧倒的に多く、それだけ短期間に多量の磨耗紛を発生させる。そのため、撮像面をユーザー自身によって簡単にクリーニングできるようにした構成のカメラの出現が要求されている。
【0007】
他方、フォーカルプレンシャッタ付きのデジタルスチルカメラの場合は、上記のようにしてクリーニングすることが可能であるから、慣れてしまえば、ユーザーでも行うことができたが、そのようなクリーニング方法には、シャッタの機能上から問題がないわけではなかった。即ち、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタには、シャッタ羽根を二つ備えているものと、一つだけしか備えていないものとがある。そのうち、先羽根と後羽根という二つのシャッタ羽根を備えているものは、それらのシャッタ羽根が、撮影時に先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材によって作動させられ、その露光作動の開始時機は、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石を介して制御される。そして、それらの電磁石に対する通電は、カメラのレリーズボタンが押された瞬間に行われる。従って、撮像面のクリーニングに際し、バルブモードかタイムモードにしてレリーズし、撮像面を完全なオープン状態にして行うときは、そのクリーニング中、後羽根用電磁石に対して電流を供給し続けていなければならない。そのため、作業中に電池が無駄に消耗してしまうという問題点があった。また、シャッタ羽根を一つだけしか備えていないフォーカルプレンシャッタは、通常、ノーマルクローズ方式で作動させることが普通であるため、バルブモードでの撮影中は、上記の後羽根と同様な制御状態となっている。そのため、やはり、電池が無駄に消耗してしまうという問題点があった。
【0008】
また、フォーカルプレンシャッタの中には、係止タイプと称されているものとダイレクトタイプと称されているものとがあるが、現在、多くのカメラに採用されているのは後者のタイプのものである。そして、そのダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタは、レリーズボタンが押されたときから、駆動部材が電磁石に直接保持されるように構成されていて、係止タイプのように機械的には保持されていない。そのため、クリーニングを行っている最中に誤ってカメラにショックを与えたりすると、その保持が解け、シャッタ羽根を作動させ且つその直後に可動ミラーをダウンをさせてしまうことがある。その結果、シャッタ羽根やミラーが清掃具に衝突し、相互に不具合を生じさせてしまうという問題点があった。そのため、フォーカルプレンシャッタ付きのデジタルスチルカメラの場合にも、撮像面をユーザー自身によって、安心して且つ簡単にクリーニングできるようにした構成のカメラの出現が要求されている。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、撮像面のクリーニングを、必要時に簡単に行えるようにしたデジタルスチルカメラを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のデジタルスチルカメラは、レンズやシャッタなどを取り付けるカメラ本体に対して開蓋可能な裏蓋が設けられており、その裏蓋の内面側に撮像素子が取り付けられているようにする。その場合、前記撮像素子が、板ばね部材を介して前記裏蓋に取り付けられた基板上に取り付けられていて、前記裏蓋を開蓋することにより前記撮像素子の撮像面を露呈させるようにすると、カメラ本体内での撮像素子の姿勢を常に一定に保つことができる。
【0011】
また、前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタである場合は、そのフォーカルプレンシャッタが、前記裏蓋の閉蓋状態において、前記二つの地板のうち撮像素子側に配置されている地板に対し、前記撮像素子又は前記基板が圧接し得るようにして前記カメラ本体に取り付けられているようにすると、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを常に一定の関係に保つことができ、且つシャッタ効率も良好になる。
【0012】
更に、前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタである場合、前記二つの地板のうち前記レンズ側に配置された地板が、前記カメラ本体に取り付けられていて、前記撮像素子側に配置された地板は、前記裏蓋の開蓋状態において、前記レンズ側に配置された地板から取り外し可能となっているようにすると、シャッタ羽根の交換が極めて簡単に行えるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、本実施例は、二つのシャッタ羽根を有するフォーカルプレンシャッタと可動ミラーを備えた一眼レフカメラであり、図1は、そのカメラを上部から見て、要部の配置構成のみが分かるようにして示した断面図であり、図2は、撮影者側から見た平面図である。また、図3は、図1において裏蓋を半開きにした状態を示した断面図である。更に、図4は、図2において裏蓋を180°展開した状態にして示した平面図であり、図5は、図4と同様にして示した平面図であって、フォーカルプレンシャッタの地板のうち裏蓋側に配置されていた地板を取外した状態を示したものである。
【0014】
図1に示されているように、カメラ本体1の被写体側には、撮影レンズやミラーボックスを取り付けるための筒状の取付部1aが形成されているが、それらの撮影レンズ,ミラーボックス,並びにミラーボックス内にある可動ミラーなどの構成部材は、図示を省略されている。また、図2に示されているように、カメラ本体1の上方位置には、ペンタプリズムを含むファインダ光学系2が取り付けられている。このほかにも、カメラの上方位置には、レリーズボタンなどが配置されているが、それらの図示は省略されている。更に、カメラ本体1の撮影者側には、裏蓋3が配置されている。この裏蓋3は、蝶番4によってカメラ本体1に対し、開蓋可能に取り付けられているが、通常は、ビス5,6によって、図1及び図2に示すように、カメラ本体1に対して固定されている。そして、後述する撮像素子の撮像面をクリーニングするときだけ、ビス5,6を外して開蓋される。図3は、その裏蓋3を半開きにした状態を示したものである。
【0015】
裏蓋3には、撮影者側の面にモニター7が取り付けられているが、本実施例の場合には、光学式ファインダを採用しているので、このモニター7は、撮影済みの画像を観察するだけのものである。また、図4及び図5に明示されているように、裏蓋3の内面には、二つの板ばね部材8,8を介して基板9が取り付けられ、その基板9に撮像素子10が取り付けられている。そして、基板9には、撮像素子10の上方位置と下方位置に二つの長い突面9a,9aが形成されている。また、明示されていないが、本実施例においては、撮像素子10の入射面に、ローパスフィルタ等の光学フィルタが取り付けられている。そのほかにも、撮像素子10の入射面には、透明なカバー板を取り付けることがあるが、それらは、いずれも薄い材料であって、撮像素子10の製造工程の一貫として取り付けられることが多いため、本実施例では、それらも撮像素子10の一部であって、それらを含めた撮像素子10への入射面を撮像面ということにする。
【0016】
カメラ本体1には、フォーカルプレンシャッタが取り付けられている。本実施例のフォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板11と補助地板12の間を中間板13で仕切り、二つの羽根室を構成しているが、中間板13については、補助地板12を取り外した状態を示した図5に示されている。また、これらの三つの板部材11,12,13には、その略中央部に開口部が形成されていて、それらを重ね合わせて配置することにより、長方形を横長にした露光開口を形成しているが、それらの開口部のうち、補助地板12に形成された開口部12aのみを図4に示してある。また、補助地板12には、開口部12aの上方位置と下方位置に二つの細長い突面12bが形成されている。
【0017】
そこで、これらの三つの板部材11,12,13の取付構成を説明する。先ず、シャッタ地板11は、図4及び図5に示されているように、二つのビス14,15によって、カメラ本体1に取り付けられている。そして、シャッタ地板11の被写体側の面には、後述する二つのシャッタ羽根を作動させるための開閉作動機構16が取り付けられているが、その開閉作動機構16は複雑な構成をしていて且つ本発明とは直接関係がないので、図1及び図3には、一点鎖線でブロックとして示してある。また、シャッタ地板11には、図5に示されているように、裏蓋3側に四つの軸11a,11b,11c,11dが立設されているが、それらの先端には、いずれも、ねじ孔が形成されている。中間板13は、三隅に夫々取付孔が形成されていて、それらを、上記の四つの軸11a〜11dのうち、軸11a,11b,11cに対して、軸方向へ移動可能に嵌合させている。また、補助地板12は、四隅に夫々取付孔が形成されていて、図4に示されているように、ビス17,18,19,20によって、軸11a〜11dの先端に取り付けられている。
【0018】
本実施例においては、中間板13と補助地板12との間の羽根室に先羽根が配置され、シャッタ地板11と中間板13との間の羽根室に後羽根が配置されている。そこで、周知の構成ではあるが、それらの先羽根と後羽根の構成を簡単に説明する。先ず、先羽根は、図5に明示されているように、シャッタ地板11に立設された二つの軸11e,11fに枢着されている二つのアーム21,22と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根23,24,25,26とで構成されている。また、後羽根は、先羽根と同じ構成をしていて、先羽根を裏返したようにして配置されているが、図5においては、シャッタ地板11に立設されている二つの軸11g,11hに枢着された二つのアーム27,28の一部と、最も軸11g,11h側に枢支された羽根29の一部だけが示されている。
【0019】
尚、本発明とは直接関係がなく且つ周知のことではあるが、フォーカルプレンシャッタの作動を簡単に説明しておく。図5に示された状態は、シャッタのセット状態を示したものであって、撮影に際しては、先ず、先羽根の4枚の羽根23〜26が、下方へ作動して露光開口を開放してゆき、所定時間後には、後羽根の4枚の羽根が下方へ作動して露光開口を閉鎖していくようになっている。そして、撮影が終了すると、直ちに図5の状態に復帰させられる。また、一つだけのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの場合には、本実施例における先羽根と中間板13が設けられていない構成をしていて、ノーマルオープン方式とノーマルクローズ方式とでは異なった作動を行う。しかし、一般には、ノーマルクローズ方式が多いので、その場合の作動を説明すると、カメラがレリーズされるまでは、シャッタ羽根の4枚の羽根は露光開口を閉鎖した状態にある。そして、レリーズが行われると、先ず、シャッタ羽根の4枚の羽根は上方へ作動して、露光開口を全開にしてから撮影が開始され、所定時間後、4枚の羽根が下方へ作動して露光開口を閉鎖し、撮影が終了する。そして、次のレリーズが行われるまで、その閉鎖状態は維持される。
【0020】
このような、構成の本実施例においては、撮像素子10の撮像面に付着した塵埃は、次のようにしてクリーニングされる。先ず、図1及び図2の状態において、ビス5,6を取り外し、裏蓋3を開蓋する。そして、裏蓋3を約45°回転させた状態が、図3に示された状態である。このとき、板ばね部材8,8の付勢力によって、撮像素子10は裏蓋3の内面から若干突き出ている。そして、本実施例の場合には、裏蓋3が90°まで回転できるので、その状態にしておいてから、撮像素子10の撮像面をクリーニングすることになる。但し、開蓋角度は自由に選択すればよく、180°まで回転させるようにした場合には、図4に示した状態でクリーニングすることになる。尚、必要がある場合には、裏蓋3を開蓋した後、ついでに、バルブモードにして露光開口を全開にしておき、ミラーボックス内をクリーニングするようにしても差し支えない。しかし、そのようにする場合には、ミラーボックス内を先にクリーニングして、露光開口を閉鎖状態にしておいてから、撮像素子10のクリーニングを行うようにしないと、撮像素子10のクリーニングを2回行わなくてはならなくなる。
【0021】
このようにして、撮像素子10のクリーニングが行われた後、裏蓋3を戻して、ビス5,6によってカメラ本体1に固定することになるが、その途中において、基板9の突面9a,9aが、補助地板12の突面12b,12bに接触する。そして、それ以後は、板ばね部材8,8を撓ませていくことになる。従って、裏蓋3がカメラ本体1に固定されたときには、両者の突面は、密着させられるため、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを、クリーニング前の状態と同じ位置関係に復帰させることができるようになっている。また、本実施例の場合には、補助地板12と撮像素子10との間に、別部材を配置しておらず、近接して配置しているので、シャッタ効率も良好になる。尚、本実施例の場合には、基板9の突面9a,9aを、補助地板12の突面12b,12bに接触させているが、撮像素子10の撮像面と光軸方向で同一な面、例えば突面9aを取り除いた面を、補助地板12の突面12b,12bに接触させるようにしてもよい。従って、その接触させる面が撮像素子10の一部の面であっても差し支えない。また、その面を、補助地板12の突面12b,12bに接触させず、直接、補助地板12の基準面に接触させるようにしても差し支えない。それらのようにして、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを近接させればさせる程、シャッタ効率はよくなる。
【0022】
また、フォーカルプレンシャッタは、通常、ユニットとして組み立てられ、シャッタ地板11を被写体側からカメラ本体1に取り付けている。しかしながら、本実施例の場合には、裏蓋3を開けた状態にして、被写体側に配置されているシャッタ地板11を撮影者側からカメラ本体1に取り付けている。そのため、予めユニットして構成しておかなくても、シャッタ地板11,後羽根,中間板13,先羽根,補助地板12の順に組み付けていくことが可能になっている。言い換えれば、ユニットとして構成し、カメラ本体1に取り付けた場合であっても、ビス17〜20を取り外すことによって、先羽根や後羽根の交換が簡単に行えるように構成されている。
【0023】
このことは、デジタルスチルカメラにとって、極めて好適な構成といえる。即ち、既に説明したように、デジタルスチルカメラの場合には、銀塩カメラに比較して撮影頻度が格段に多い。そのため、フォーカルプレンシャッタについては、銀塩カメラの約10倍の耐久性が要求されることもある。しかし、本実施例の場合には、そのような過酷な使用によって、万が一シャッタ羽根が破損したとしても、ミラーボックス等を外したり、シャッタ地板11までも外すことなく、シャッタ羽根の交換を簡単に行うことができる。しかも、交換後も、従来のように、ユニットとしての検査と、カメラ本体に組み付けてからの検査の両方を行う必要はなく、カメラ本体1への取付状態でだけ検査すればよいことになる。しかし、仮に、ユニットとしての調整が必要となった場合でも、ユニットを好適に取り外せることには変わりはない。尚、このことから分かるように、本実施例は、撮像素子10のクリーニングと、シャッタ羽根の交換に好適な構成であるばかりか、撮像素子10を修理・交換する場合にも好適な構成である。
【0024】
尚、上記の実施例においては、裏蓋3をビス5,6でカメラ本体1に固定しているが、銀塩カメラの裏蓋に使用されているようなスライド式の施錠機構を採用しても差し支えない。また、本実施例の場合には、裏蓋3が蝶番4を介して取り付けられているため、ビス5,6を外して開蓋しても、裏蓋3をカメラ本体1から分離できない構成になっているが、本発明は、蝶番4を用いず、例えばビスのみによって取り付け、撮像素子10をクリーニングするときには、カメラ本体1から裏蓋3を完全に分離させておいて、行えるようにしても差し支えない。ただし、本実施例の場合には、フレキシブルプリント配線板を用いてカメラ本体1側と裏蓋3側を電気的に接続するだけでよいが、裏蓋3を完全に分離するように構成した場合は、コネクタ等の分離可能な接続手段を設ける必要がある。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、撮像素子を、開蓋可能な裏蓋の内面に取り付けているため、撮像素子の撮像面をクリーニングするに際し、これまでのようにレンズやシャッタを取り外しておいてから行ったり、交換レンズを取り外し、可動ミラーやフォーカルプレンシャッタを一定の作動状態に維持し続けておいて行ったりしなくて済むため、作業が極めて簡便であり且つ安心して行える。そのため、専門家はもとよりユーザーでも的確に且つ容易に行えるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のカメラを上部から見て、要部の配置構成のみが分かるようにして示した断面図である。
【図2】実施例のカメラを撮影者側から見た平面図である。
【図3】図1において裏蓋を半開きにした状態を示した断面図である。
【図4】図2において裏蓋を180°展開した状態にして示した平面図である。
【図5】図4と同様にして示した平面図であって、フォーカルプレンシャッタの地板のうち裏蓋側に配置されていた地板を取外した状態を示したものである。
【符号の説明】
1 カメラ本体
1a 取付部
2 ファインダ光学系
3 裏蓋
4 蝶番
5,6,14,15,17〜20 ビス
7 モニター
8 板ばね部材
9 基板
9a,12b 突面
10 撮像素子
11 シャッタ地板
11a〜11h 軸
12 補助地板
12a 開口部
13 中間板
14 ビス
16 開閉作動機構
21,22,27,28 アーム
23,24,25,26,29 羽根
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッタを備えたデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラに用いられているCCD等の撮像素子は、その撮像面(通常、撮像面に透明なカバー板やフィルタを取り付けているが、その場合には、それらの入射面)を常にクリーンに保っておくことが要求されている。何故なら、撮像素子の場合には、フィルムの場合のように撮影ごとに新しい撮像面と入れ替わることがないため、どんなに微細な塵埃であっても、長期間の間に塵埃が蓄積されてゆき、やがて、鮮明な画像が得られなくなったり、部分的に不具合な画像が得られてしまうからである。
【0003】
そして、撮像素子に向けて飛来し、撮像面に付着する塵埃には、大きく分けて二種類あり、カメラの外部から進入してくるものと、カメラ内で発生するものとがある。通常、カメラの内部は気密性が保たれていないので、塵埃がカメラ内へ進入するのを完全に防ぐのは難しいし、まして、交換レンズ式のカメラの場合には、特に屋外での交換の都度かなりの大きさの塵埃も進入してくる。他方、カメラ内で発生する塵埃は、構成部材の作動時に発生する磨耗紛であるが、その代表的な発生源は、シャッタ機構や絞り機構である。従って、このような磨耗紛は、レンズシャッタ付きカメラの場合にも、フォーカルプレンシャッタ付きカメラの場合にも、多かれ少なかれ発生する。
【0004】
このように、撮像面に付着する塵埃対策は、レンズシャッタ付きカメラの場合でも、フォーカルプレンシャッタ付きカメラの場合でも必要であるが、その必要性はフォーカルプレンシャッタ付きカメラの方が大きい。それは、フォーカルプレンシャッタが撮像素子の直前に配置されているため、そこで発生した磨耗紛が直接、撮像面に付着し易いからである。また、一般のフォーカルプレンシャッタ付きカメラは、その殆どが、レンズ交換式であって且つ可動ミラーを備えた一眼レフカメラであるため、レンズ交換のときに外部から塵埃が舞い込み易いうえに、撮影ごとの可動ミラーの作動によっても磨耗粉を発生させるからである。
【0005】
そのため、これまでにも、カメラ内に進入した塵埃や、カメラ内で発生した磨耗紛が、撮像面に達し難いようにするために、種々の構成上の提案がなされている。しかしながら、上記のような磨耗紛を完全に発生しないようにしない限り、いずれは問題となり、撮像面をクリーニングしなければならない時機がやってくる。そして、そのようなクリーニングは、レンズシャッタ付きカメラであってレンズ交換式でないものは、専門家に依頼して、カメラをオーバーホールして行わざるを得なかった。また、フォーカルプレンシャッタと可動ミラーを備えている一眼レフカメラの場合には、バルブモードかタイムモードに設定しておいてからレリーズし、可動ミラーとシャッタ羽根を作動させて撮像素子の前面を完全なオープン状態にしておいて交換レンズの取付部側から、エアーブラシやクリーニング液を付けた綿棒等の清掃具によって、撮像面にキズを付けないよう細心の注意を払ってクリーニングしていた。しかし、そのようにしても、カメラ内で塵埃を飛散させるだけであったり、また、静電気によって付着している小さなものまで確実に取り除くには、専門家に依頼する場合は別として、かなりの手間を要していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラをオーバーホールまでして使用し続けるのは、カメラが非常に高価である場合か、ユーザーがそのカメラに相当愛着を持っている場合である。その点、これまでのレンズシャッタ付き銀塩カメラは、比較的購入し易い価格であったため、故障の修理はすることがあったとしても、性能維持のためにオーバーホールをしてまで使用し続けることは殆どなく、そのような必要性を感じた場合には、新しいカメラに買い換えてしまうのが普通であった。しかしながら、デジタルスチルカメラの場合には、レンズシャッタ付きであっても、その性能仕様によっては価格差が非常に大きく、一眼レフの銀塩カメラに匹敵するような価格のものもある。更に、デジタルスチルカメラの場合には、撮影済み画像情報の書き込み消去が自由であることから、銀塩カメラの場合よりも撮影頻度が圧倒的に多く、それだけ短期間に多量の磨耗紛を発生させる。そのため、撮像面をユーザー自身によって簡単にクリーニングできるようにした構成のカメラの出現が要求されている。
【0007】
他方、フォーカルプレンシャッタ付きのデジタルスチルカメラの場合は、上記のようにしてクリーニングすることが可能であるから、慣れてしまえば、ユーザーでも行うことができたが、そのようなクリーニング方法には、シャッタの機能上から問題がないわけではなかった。即ち、デジタルスチルカメラ用のフォーカルプレンシャッタには、シャッタ羽根を二つ備えているものと、一つだけしか備えていないものとがある。そのうち、先羽根と後羽根という二つのシャッタ羽根を備えているものは、それらのシャッタ羽根が、撮影時に先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材によって作動させられ、その露光作動の開始時機は、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石を介して制御される。そして、それらの電磁石に対する通電は、カメラのレリーズボタンが押された瞬間に行われる。従って、撮像面のクリーニングに際し、バルブモードかタイムモードにしてレリーズし、撮像面を完全なオープン状態にして行うときは、そのクリーニング中、後羽根用電磁石に対して電流を供給し続けていなければならない。そのため、作業中に電池が無駄に消耗してしまうという問題点があった。また、シャッタ羽根を一つだけしか備えていないフォーカルプレンシャッタは、通常、ノーマルクローズ方式で作動させることが普通であるため、バルブモードでの撮影中は、上記の後羽根と同様な制御状態となっている。そのため、やはり、電池が無駄に消耗してしまうという問題点があった。
【0008】
また、フォーカルプレンシャッタの中には、係止タイプと称されているものとダイレクトタイプと称されているものとがあるが、現在、多くのカメラに採用されているのは後者のタイプのものである。そして、そのダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタは、レリーズボタンが押されたときから、駆動部材が電磁石に直接保持されるように構成されていて、係止タイプのように機械的には保持されていない。そのため、クリーニングを行っている最中に誤ってカメラにショックを与えたりすると、その保持が解け、シャッタ羽根を作動させ且つその直後に可動ミラーをダウンをさせてしまうことがある。その結果、シャッタ羽根やミラーが清掃具に衝突し、相互に不具合を生じさせてしまうという問題点があった。そのため、フォーカルプレンシャッタ付きのデジタルスチルカメラの場合にも、撮像面をユーザー自身によって、安心して且つ簡単にクリーニングできるようにした構成のカメラの出現が要求されている。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、撮像面のクリーニングを、必要時に簡単に行えるようにしたデジタルスチルカメラを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のデジタルスチルカメラは、レンズやシャッタなどを取り付けるカメラ本体に対して開蓋可能な裏蓋が設けられており、その裏蓋の内面側に撮像素子が取り付けられているようにする。その場合、前記撮像素子が、板ばね部材を介して前記裏蓋に取り付けられた基板上に取り付けられていて、前記裏蓋を開蓋することにより前記撮像素子の撮像面を露呈させるようにすると、カメラ本体内での撮像素子の姿勢を常に一定に保つことができる。
【0011】
また、前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタである場合は、そのフォーカルプレンシャッタが、前記裏蓋の閉蓋状態において、前記二つの地板のうち撮像素子側に配置されている地板に対し、前記撮像素子又は前記基板が圧接し得るようにして前記カメラ本体に取り付けられているようにすると、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを常に一定の関係に保つことができ、且つシャッタ効率も良好になる。
【0012】
更に、前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタである場合、前記二つの地板のうち前記レンズ側に配置された地板が、前記カメラ本体に取り付けられていて、前記撮像素子側に配置された地板は、前記裏蓋の開蓋状態において、前記レンズ側に配置された地板から取り外し可能となっているようにすると、シャッタ羽根の交換が極めて簡単に行えるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、本実施例は、二つのシャッタ羽根を有するフォーカルプレンシャッタと可動ミラーを備えた一眼レフカメラであり、図1は、そのカメラを上部から見て、要部の配置構成のみが分かるようにして示した断面図であり、図2は、撮影者側から見た平面図である。また、図3は、図1において裏蓋を半開きにした状態を示した断面図である。更に、図4は、図2において裏蓋を180°展開した状態にして示した平面図であり、図5は、図4と同様にして示した平面図であって、フォーカルプレンシャッタの地板のうち裏蓋側に配置されていた地板を取外した状態を示したものである。
【0014】
図1に示されているように、カメラ本体1の被写体側には、撮影レンズやミラーボックスを取り付けるための筒状の取付部1aが形成されているが、それらの撮影レンズ,ミラーボックス,並びにミラーボックス内にある可動ミラーなどの構成部材は、図示を省略されている。また、図2に示されているように、カメラ本体1の上方位置には、ペンタプリズムを含むファインダ光学系2が取り付けられている。このほかにも、カメラの上方位置には、レリーズボタンなどが配置されているが、それらの図示は省略されている。更に、カメラ本体1の撮影者側には、裏蓋3が配置されている。この裏蓋3は、蝶番4によってカメラ本体1に対し、開蓋可能に取り付けられているが、通常は、ビス5,6によって、図1及び図2に示すように、カメラ本体1に対して固定されている。そして、後述する撮像素子の撮像面をクリーニングするときだけ、ビス5,6を外して開蓋される。図3は、その裏蓋3を半開きにした状態を示したものである。
【0015】
裏蓋3には、撮影者側の面にモニター7が取り付けられているが、本実施例の場合には、光学式ファインダを採用しているので、このモニター7は、撮影済みの画像を観察するだけのものである。また、図4及び図5に明示されているように、裏蓋3の内面には、二つの板ばね部材8,8を介して基板9が取り付けられ、その基板9に撮像素子10が取り付けられている。そして、基板9には、撮像素子10の上方位置と下方位置に二つの長い突面9a,9aが形成されている。また、明示されていないが、本実施例においては、撮像素子10の入射面に、ローパスフィルタ等の光学フィルタが取り付けられている。そのほかにも、撮像素子10の入射面には、透明なカバー板を取り付けることがあるが、それらは、いずれも薄い材料であって、撮像素子10の製造工程の一貫として取り付けられることが多いため、本実施例では、それらも撮像素子10の一部であって、それらを含めた撮像素子10への入射面を撮像面ということにする。
【0016】
カメラ本体1には、フォーカルプレンシャッタが取り付けられている。本実施例のフォーカルプレンシャッタは、シャッタ地板11と補助地板12の間を中間板13で仕切り、二つの羽根室を構成しているが、中間板13については、補助地板12を取り外した状態を示した図5に示されている。また、これらの三つの板部材11,12,13には、その略中央部に開口部が形成されていて、それらを重ね合わせて配置することにより、長方形を横長にした露光開口を形成しているが、それらの開口部のうち、補助地板12に形成された開口部12aのみを図4に示してある。また、補助地板12には、開口部12aの上方位置と下方位置に二つの細長い突面12bが形成されている。
【0017】
そこで、これらの三つの板部材11,12,13の取付構成を説明する。先ず、シャッタ地板11は、図4及び図5に示されているように、二つのビス14,15によって、カメラ本体1に取り付けられている。そして、シャッタ地板11の被写体側の面には、後述する二つのシャッタ羽根を作動させるための開閉作動機構16が取り付けられているが、その開閉作動機構16は複雑な構成をしていて且つ本発明とは直接関係がないので、図1及び図3には、一点鎖線でブロックとして示してある。また、シャッタ地板11には、図5に示されているように、裏蓋3側に四つの軸11a,11b,11c,11dが立設されているが、それらの先端には、いずれも、ねじ孔が形成されている。中間板13は、三隅に夫々取付孔が形成されていて、それらを、上記の四つの軸11a〜11dのうち、軸11a,11b,11cに対して、軸方向へ移動可能に嵌合させている。また、補助地板12は、四隅に夫々取付孔が形成されていて、図4に示されているように、ビス17,18,19,20によって、軸11a〜11dの先端に取り付けられている。
【0018】
本実施例においては、中間板13と補助地板12との間の羽根室に先羽根が配置され、シャッタ地板11と中間板13との間の羽根室に後羽根が配置されている。そこで、周知の構成ではあるが、それらの先羽根と後羽根の構成を簡単に説明する。先ず、先羽根は、図5に明示されているように、シャッタ地板11に立設された二つの軸11e,11fに枢着されている二つのアーム21,22と、それらの先端に向けて順に枢支された4枚の羽根23,24,25,26とで構成されている。また、後羽根は、先羽根と同じ構成をしていて、先羽根を裏返したようにして配置されているが、図5においては、シャッタ地板11に立設されている二つの軸11g,11hに枢着された二つのアーム27,28の一部と、最も軸11g,11h側に枢支された羽根29の一部だけが示されている。
【0019】
尚、本発明とは直接関係がなく且つ周知のことではあるが、フォーカルプレンシャッタの作動を簡単に説明しておく。図5に示された状態は、シャッタのセット状態を示したものであって、撮影に際しては、先ず、先羽根の4枚の羽根23〜26が、下方へ作動して露光開口を開放してゆき、所定時間後には、後羽根の4枚の羽根が下方へ作動して露光開口を閉鎖していくようになっている。そして、撮影が終了すると、直ちに図5の状態に復帰させられる。また、一つだけのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの場合には、本実施例における先羽根と中間板13が設けられていない構成をしていて、ノーマルオープン方式とノーマルクローズ方式とでは異なった作動を行う。しかし、一般には、ノーマルクローズ方式が多いので、その場合の作動を説明すると、カメラがレリーズされるまでは、シャッタ羽根の4枚の羽根は露光開口を閉鎖した状態にある。そして、レリーズが行われると、先ず、シャッタ羽根の4枚の羽根は上方へ作動して、露光開口を全開にしてから撮影が開始され、所定時間後、4枚の羽根が下方へ作動して露光開口を閉鎖し、撮影が終了する。そして、次のレリーズが行われるまで、その閉鎖状態は維持される。
【0020】
このような、構成の本実施例においては、撮像素子10の撮像面に付着した塵埃は、次のようにしてクリーニングされる。先ず、図1及び図2の状態において、ビス5,6を取り外し、裏蓋3を開蓋する。そして、裏蓋3を約45°回転させた状態が、図3に示された状態である。このとき、板ばね部材8,8の付勢力によって、撮像素子10は裏蓋3の内面から若干突き出ている。そして、本実施例の場合には、裏蓋3が90°まで回転できるので、その状態にしておいてから、撮像素子10の撮像面をクリーニングすることになる。但し、開蓋角度は自由に選択すればよく、180°まで回転させるようにした場合には、図4に示した状態でクリーニングすることになる。尚、必要がある場合には、裏蓋3を開蓋した後、ついでに、バルブモードにして露光開口を全開にしておき、ミラーボックス内をクリーニングするようにしても差し支えない。しかし、そのようにする場合には、ミラーボックス内を先にクリーニングして、露光開口を閉鎖状態にしておいてから、撮像素子10のクリーニングを行うようにしないと、撮像素子10のクリーニングを2回行わなくてはならなくなる。
【0021】
このようにして、撮像素子10のクリーニングが行われた後、裏蓋3を戻して、ビス5,6によってカメラ本体1に固定することになるが、その途中において、基板9の突面9a,9aが、補助地板12の突面12b,12bに接触する。そして、それ以後は、板ばね部材8,8を撓ませていくことになる。従って、裏蓋3がカメラ本体1に固定されたときには、両者の突面は、密着させられるため、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを、クリーニング前の状態と同じ位置関係に復帰させることができるようになっている。また、本実施例の場合には、補助地板12と撮像素子10との間に、別部材を配置しておらず、近接して配置しているので、シャッタ効率も良好になる。尚、本実施例の場合には、基板9の突面9a,9aを、補助地板12の突面12b,12bに接触させているが、撮像素子10の撮像面と光軸方向で同一な面、例えば突面9aを取り除いた面を、補助地板12の突面12b,12bに接触させるようにしてもよい。従って、その接触させる面が撮像素子10の一部の面であっても差し支えない。また、その面を、補助地板12の突面12b,12bに接触させず、直接、補助地板12の基準面に接触させるようにしても差し支えない。それらのようにして、シャッタ羽根の作動面と撮像面とを近接させればさせる程、シャッタ効率はよくなる。
【0022】
また、フォーカルプレンシャッタは、通常、ユニットとして組み立てられ、シャッタ地板11を被写体側からカメラ本体1に取り付けている。しかしながら、本実施例の場合には、裏蓋3を開けた状態にして、被写体側に配置されているシャッタ地板11を撮影者側からカメラ本体1に取り付けている。そのため、予めユニットして構成しておかなくても、シャッタ地板11,後羽根,中間板13,先羽根,補助地板12の順に組み付けていくことが可能になっている。言い換えれば、ユニットとして構成し、カメラ本体1に取り付けた場合であっても、ビス17〜20を取り外すことによって、先羽根や後羽根の交換が簡単に行えるように構成されている。
【0023】
このことは、デジタルスチルカメラにとって、極めて好適な構成といえる。即ち、既に説明したように、デジタルスチルカメラの場合には、銀塩カメラに比較して撮影頻度が格段に多い。そのため、フォーカルプレンシャッタについては、銀塩カメラの約10倍の耐久性が要求されることもある。しかし、本実施例の場合には、そのような過酷な使用によって、万が一シャッタ羽根が破損したとしても、ミラーボックス等を外したり、シャッタ地板11までも外すことなく、シャッタ羽根の交換を簡単に行うことができる。しかも、交換後も、従来のように、ユニットとしての検査と、カメラ本体に組み付けてからの検査の両方を行う必要はなく、カメラ本体1への取付状態でだけ検査すればよいことになる。しかし、仮に、ユニットとしての調整が必要となった場合でも、ユニットを好適に取り外せることには変わりはない。尚、このことから分かるように、本実施例は、撮像素子10のクリーニングと、シャッタ羽根の交換に好適な構成であるばかりか、撮像素子10を修理・交換する場合にも好適な構成である。
【0024】
尚、上記の実施例においては、裏蓋3をビス5,6でカメラ本体1に固定しているが、銀塩カメラの裏蓋に使用されているようなスライド式の施錠機構を採用しても差し支えない。また、本実施例の場合には、裏蓋3が蝶番4を介して取り付けられているため、ビス5,6を外して開蓋しても、裏蓋3をカメラ本体1から分離できない構成になっているが、本発明は、蝶番4を用いず、例えばビスのみによって取り付け、撮像素子10をクリーニングするときには、カメラ本体1から裏蓋3を完全に分離させておいて、行えるようにしても差し支えない。ただし、本実施例の場合には、フレキシブルプリント配線板を用いてカメラ本体1側と裏蓋3側を電気的に接続するだけでよいが、裏蓋3を完全に分離するように構成した場合は、コネクタ等の分離可能な接続手段を設ける必要がある。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、撮像素子を、開蓋可能な裏蓋の内面に取り付けているため、撮像素子の撮像面をクリーニングするに際し、これまでのようにレンズやシャッタを取り外しておいてから行ったり、交換レンズを取り外し、可動ミラーやフォーカルプレンシャッタを一定の作動状態に維持し続けておいて行ったりしなくて済むため、作業が極めて簡便であり且つ安心して行える。そのため、専門家はもとよりユーザーでも的確に且つ容易に行えるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のカメラを上部から見て、要部の配置構成のみが分かるようにして示した断面図である。
【図2】実施例のカメラを撮影者側から見た平面図である。
【図3】図1において裏蓋を半開きにした状態を示した断面図である。
【図4】図2において裏蓋を180°展開した状態にして示した平面図である。
【図5】図4と同様にして示した平面図であって、フォーカルプレンシャッタの地板のうち裏蓋側に配置されていた地板を取外した状態を示したものである。
【符号の説明】
1 カメラ本体
1a 取付部
2 ファインダ光学系
3 裏蓋
4 蝶番
5,6,14,15,17〜20 ビス
7 モニター
8 板ばね部材
9 基板
9a,12b 突面
10 撮像素子
11 シャッタ地板
11a〜11h 軸
12 補助地板
12a 開口部
13 中間板
14 ビス
16 開閉作動機構
21,22,27,28 アーム
23,24,25,26,29 羽根
Claims (4)
- レンズやシャッタなどを取り付けるカメラ本体に対して開蓋可能な裏蓋が設けられており、その裏蓋の内面側に撮像素子が取り付けられていて、前記裏蓋を開蓋することにより前記撮像素子の撮像面を露呈させるようにしたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
- 前記撮像素子が、板ばね部材を介して前記裏蓋に取り付けられた基板上に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルスチルカメラ。
- 前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタであって、前記裏蓋の閉蓋状態において、前記二つの地板のうち撮像素子側に配置されている地板に対し、前記撮像素子又は前記基板が圧接し得るようにして前記カメラ本体に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のデジタルスチルカメラ。
- 前記シャッタが、略中央部に被写体光路用の開口部を形成した二つの地板の間に少なくとも一つのシャッタ羽根を配置したフォーカルプレンシャッタであって、前記二つの地板のうち前記レンズ側に配置された地板が、前記カメラ本体に取り付けられていて、前記撮像素子側に配置された地板は、前記裏蓋の開蓋状態において、前記レンズ側に配置された地板から取り外し可能となっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のデジタルスチルカメラ。
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