JP2604903B2

JP2604903B2 - インスタントカメラ

Info

Publication number: JP2604903B2
Application number: JP2319227A
Authority: JP
Inventors: 正治金井; 文人帯川
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1990-11-22
Filing date: 1990-11-22
Publication date: 1997-04-30
Anticipated expiration: 2012-04-30
Also published as: US5218391A; JPH04194829A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はインスタントカメラに関し、詳しくは展開ロ
ーラを清掃するために工夫を施したインスタントカメラ
に関するものである。

〔従来の技術〕

自己現像処理型のフィルムユニットを使用するインス
タントカメラは、撮影したその場でプリント写真が得ら
れるという大きな特長をもっており、種々の用途に利用
されている。中でもモノシートタイプのフィルムユニッ
トを利用するインスタントカメラでは、レリーズボタン
を押圧し、露光が完了すると、これに連動して周知の掻
出しクローがフィルムパックの露光枠に形成された切欠
き内を移動して、フイルムパック内に積層された最上部
のフイルムユニットを掻き出す。この掻き出されたフイ
ルムユニットは一対の展開ローラにより現像液ポットが
裂開され、この現像液ポッドに内蔵された現像処理液が
拡布されてからカメラ外に排出される。この時点でフイ
ルムユニットは必要な処理が完了しており、所定時間の
経過後にプリント写真が得られるようになっている。

ところで、上記のようなインスタントカメラにおいて
は、展開ローラに現像処理液が付着した場合、展開ロー
ラを清掃しなくてはならない。というのは現像処理液が
展開ローラに付着した状態のままにしておくと、現像処
理液が展開ローラの表面で固まってしまい展開ムラの原
因となる。

従来のインスタントカメラは、展開ローラの清掃のメ
ンテナンス性を考慮して、カメラ本体から展開ローラを
取り外し可能なようにした構造やカメラ本体に展開ロー
ラを露呈可能なようにした構造としていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、カメラ本体から展開ローラを取り外し可能
なようにした構造では、部品点数が増えてコストアップ
につながるとともに、展開ローラを取り外すことによる
２次的故障が発生する恐れがある。また、カメラ本体に
展開ローラを露呈可能なようにした構造も部品点数が増
えてコストアップにつながるとともに、一対の展開ロー
ラの全周面をすべて清掃することができなかった。とい
うのは、一対の展開ローラがこれを駆動させるモータと
ギヤを介して直結されており、一対の展開ローラを回動
させることができないからである。

〔発明の目的〕

本発明は以上のような従来技術の欠点を解決するため
になされたもので、展開ローラの清掃作業のメンテナン
ス性を向上させたインスタントカメラを提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を解決するために、フイルムパック
から露光済のフイルムユニットを排出するクロー部材
と、このクロー部材で排出されたフイルムユニットを加
圧しながら送り出して現像処理液の展開を行う一対の展
開ローラと、前記モータと展開ローラとの両方を駆動さ
せるモータと、このモータの駆動力を前記展開ローラに
伝達するローラ駆動機構と、前記モータの正転方向への
駆動力をクラッチ機構を介してクロー部材に伝達させる
クロー駆動機構と、前記モータを逆転させるための逆転
操作部材とを備え、モータの逆転方向への駆動力は前記
クラッチ機構によりクロー部材に伝達させないようにし
たものである。

〔作用〕

上記構成によれば、逆転操作部材を操作するとモータ
の逆転方向への駆動力がクラッチ機構によってクロー部
材に伝達されないとともに、展開ローラがフイルムユニ
ットを排出する方向に対して逆方向に排出させるように
回転する。

以下、図面にしたがって本発明の実施例について説明
する。

〔実施例〕

本発明を用いたインスタントカメラの使用状態を示す
第２図、このカメラの不使用状態を示す第３図、及びこ
のカメラの背面側を示す第４図において、このカメラは
薄型の箱状の輪郭を持った本体部10と、この本体部10に
対し起伏自在なレンズボード11と、このレンズボード11
を下方から保持するレンズステー12と、さらに前記本体
部10とレンズボード11との間で撮影光路を覆う蛇腹13と
から構成されている。

前記レンズボード11は前面に撮影レンズ40,前面内部
にシャッタ及び絞り機構等が設けられており、カメラの
不使用状態時には固定部材26を中心として本体部10の前
面に倒伏される。

前記レンズステー12は前記レンズボード11の起伏に連
動するようにこのレンズボード11と本体部10とに係合し
ており、カメラの不使用状態時にはガイドピン28が溝47
を摺動して詳しくは後述する裏蓋21の背面側に収納され
るようになっている。

前記蛇腹13はレンズボード11の倒伏に応動して折り畳
まれ、本体部10とレンズボード11との間に収納される。

前記本体部10には、前面にシャッタボタン16,ファイ
ンダー17,及びストロボ装置18、上面には撮影済のフイ
ルムユニットが取り出される取出口19がそれぞれ設けら
れている。

また、第４図に示すように、本体部10の背面にはヒン
ジ20を介して裏蓋21が設けられいる。この裏蓋21を開く
とフイルムパック収納室22が露呈され、このフイルムパ
ック収納室22にモノシートタイプのフイルムパックを装
填する。このフイルムパック収納室22内には、受け面22
aよりも一段低くした面に詳しくは後述するモータを逆
転させるための逆転操作ボタン23を設けられている。ま
た、前記フイルムパック収納室22の上方には露光済のフ
イルムユニットを排出しながら現像液ポットを押し潰し
て現像処理液を展開する一対の展開ローラ24が内蔵され
ている。

前記フイルムパックは現像液ポットが設けられたフイ
ルムユニットを積層して収納している。このようなフイ
ルムパックには上方に露光済のフイルムユニットを展開
ローラ24方向に排出するためのスリットが設けられ、ま
た前方に撮影画面範囲が規定される開口枠を備えてい
る。この開口枠には後述するクロー部材32の入り込む切
欠きが併設されている。

前記本体部10内部には、第４図に示すように前記展開
ローラ24を駆動させるモータ30と、このモータ30の駆動
力を前記展開ローラ24に伝達するローラ駆動機構31と、
前記モータ30の正転方向への駆動力をクラッチ機構を介
してクロー部材32に伝達させるクロー駆動機構33とが配
置されており、これらの機構の要部を第１図に示す。な
お、符号25はカメラ全体の電気的統制を行う制御回路で
ある。

モータ30はシャッタボタン16の操作に伴って制御回路
25からの制御信号に対応し正転方向へ駆動する。また、
モータ30は前記逆転操作ボタン23の操作が行われると、
制御回路25からの制御信号に対応し逆転方向に駆動する
ようになっている。

前記モータ30の駆動は遊星ギヤ装置34とギヤ35とを介
して前記展開ローラ24を駆動するためのギヤ35a,36とに
伝達される。なお、前記遊星ギヤ装置34は、狭いスペー
ス内でモータ30の駆動を一定な回転に減速し、さらに高
トルクとして展開ローラ24等へ伝達させるための装置で
ある。

さらに、モータ30の駆動は前記ギヤ35からギヤ37に伝
達される。このギヤ37は１回の撮影に対して約3.7回転
するギヤであり、これの後端側にクラッチカム38が一体
に固着されている。このギヤ37の後方にはこれの回動軸
39に前記クラッチカム38を挟み込むように軸着される回
動自在なクロー駆動カム41が設けられている。このクロ
ー駆動カム41が回動するとクロー部材32の折り曲げ部32
a,32bのそれぞれに当接し、クロー部材32を支軸52,53に
対して上下方向にスライド駆動させる。

前記クロー駆動カム41には前記モータ30が正転方向へ
駆動すると前記クラッチカム38に係合し、前記モータ30
の正転方向への駆動力をクロー部材32に伝達させるクラ
ッチレバー41がバネ43を介して設けられている。このク
ラッチレバー41は前記モータ30が逆転方向へ駆動すると
前記クラッチカム38との係合が解除され、前記モータ30
の逆転方向への駆動力が前記クロー部材32に伝達させな
いようになっている。

前記モータ30の駆動はギヤ37からさらにギヤ37a,45,4
5aを介し、一回の撮影ごとに１回転される１サイクルギ
ヤ46に伝達される。この１サイクルギヤ46の後面には、
両端に電気的短絡部を有したスイッチ用接片46aが固着
されいる。また１サイクルギヤ46の後端側にはスイッチ
用接片46aを挟み込むように１回転検出用基板48が本体
部10に固定されている。

この１回転検出用基板48には前記スイッチ用接片46a
の短絡部それぞれが摺動する接点部48a,48bが設けられ
ており、前記１サイクルギヤ46が１回転すると、前記ス
イッチ用接片46aの短絡部と接点部48a,48bとの電気的接
続が１回OFFするようなスイッチ機構となっている。そ
して、前記１回転検出用基板48は制御回路25と電気的に
接続されており、前記スイッチ用接片46aの短絡部と接
点部48a,48bとの電気的接続がOFFされると前記制御部25
が前記モータ30の駆動を停止させる。

なお、前記１サイクルギヤ46の周面には、一部に突起
46bが設けられており、この突起46bがレバー49のピン49
aと当接したときには、レバー49が支軸50を中心として
右旋回し、解除レバー51をクラッチレバー42の回転面か
ら退避し、クラッチレバー42とクラッチカム38との係合
を可能にする。

以下、上述のように構成されたインスタントカメラの
作用について簡単に説明する。

撮影を行わないときには、突起46bとピン49aとが当接
しておらず、したがって解除レバー51がクラッチレバー
42とクラッチカム38との係合を解除させている。またク
ロー駆動カム41はクロー部材32の折り曲げ部32bを押下
しており、クロー部材32は初期位置の状態となってい
る。さらにスイッチ用接片46aの短絡部と接点部48a,48b
との電気的接続がOFFされた状態となっている。

このような状態から第２図に示すようにカメラの使用
状態にして撮影を行う。撮影は周知のようにシャッタボ
タン16を押圧する。これにより、シャッタ及び絞り機構
が動作して撮影レンズ40から入射された被写体光がフイ
ルムユニットに露光される。

露光が終了した後には、モータ30の正転方向への駆動
が開始される。このモータ30の駆動によって遊星ギヤ装
置34,ギヤ35,35a,36を介して展開ローラ24が露光済フイ
ルムユニットを排出口19に送り出す方向に向けて回転す
る。

さらに、モータ30の駆動はギヤ35からギヤ37,37a,45,
45aを介して１サイクルギヤ46に伝達される。この１サ
イクルギヤ46が回転すると突起46bがピン49aと当接し、
解除レバー51がクラッチレバー42の回転面から退避す
る。また、スイッチ用接片46aの短絡部と接点部48a,48b
との電気的接続がONする。

解除レバー51がクラッチレバー42の回転面から退避す
ると、バネ43の付勢によりクラッチレバー42とクラッチ
カム38とが係合し、前述したようにギヤ37が回転してい
るからクロー駆動カム41が回転し、クロー部材32がスラ
イド駆動する。

したがって、クロー部材32はフイルムパックに設けら
れた切欠きを介して露光済フイルムユニットを展開ロー
ラ24の方向に向けて送り出す。その後送り出されたフイ
ルムユニットは展開ローラ24により現像液ポッドが裂開
され、この現像液ポッドに内蔵された現像処理液が拡布
されてから排出口19より排出される。この時点でフイル
ムユニットは必要な処理が完了しており、所定時間の経
過後にプリント写真が得られるようになっている。

なお、１サイクルギヤ46の回転が進行して突起46bが
ピン49aを乗り越えると、解除レバー51がクラッチレバ
ー42の回転面内に戻り、クラッチレバー42とクラッチカ
ム38との係合が解除される。したがって、クロー部材32
の駆動は、１回の撮影に対して１往復だけスライド駆動
するようになっており、１回の撮影に対して約3.7回転
するクラッチカム38には応動しない。

その後、１サイクルギヤ46が１回転し、制御回路25が
スイッチ用接片46aの短絡部と接点部48a,48bとの電気的
接続をOFFと検知したときにモータ30の駆動を停止す
る。

次に、展開ローラ24の清掃を行う時の作用を簡単に説
明する。

先ず、展開ローラ24の清掃を行う場合には、フイルム
パック収納室にフイルムパックを装填していないときに
行う。第２図に示すようにカメラを使用状態にして裏蓋
21を開く。その後、逆転操作ボタン23を押圧すると、制
御回路25により、モータ30の逆転方向への駆動が開始さ
れる。このモータ30の駆動によって遊星ギヤ装置34,ギ
ヤ35,35a,36を介して展開ローラ24がフイルムユニット
を排出口19に送り出す方向とは逆の方向に向けて回転す
る。

これによって、展開ローラ24の清掃は、フイルムパッ
ク収納室22内から展開ローラ24を自動的に回転させなが
ら行うことが可能となっている。また、このとき、展開
ローラ24に清掃用部材を直接接触させて拭き取る方法で
行う場合、展開ローラ24の回転が前述したフイルムユニ
ットを排出口19に送り出す方向とは逆方向に向けて回転
しているため、拭き取り作業中に清掃用部材を巻き込む
恐れがない。

さらに、モータ30の逆転方向への駆動はギヤ35,37を
介してクラッチカム38に伝達されているが、クラッチカ
ム38が右旋回してクラッチレバー41との係合が解除され
るため、クロー部材32に伝達されない。

さらに、モータ30の駆動はギヤ37からギヤ37a,45,45
a,を介して１サイクルギヤ46に伝達さている。そして１
サイクルギヤ46の回転によりスイッチ用接片46aの短絡
部と接点部48a,48bとの電気的接続がONとなると、１サ
イクルギヤ46が１回転しスイッチ用接片46aの短絡部と
接点部48a,48bとの電気的接続がOFFとなったときに制御
回路25がモータ30の駆動を停止する。

〔発明の効果〕

以上説明してきたように、本発明のインスタントカメ
ラによると、逆転操作部材を操作するとモータの逆転方
向への駆動が開始されて展開ローラが回転するため、展
開ローラ清掃作業のメンテナンス性を向上させる効果が
ある。また、このモータの逆転方向への駆動はクラッチ
機構によってクロー部材に伝達させないようにしている
ため、展開ローラ清掃作業が安全に行え、またクロー部
材を破損させることなく行える効果がある。さらに、本
実施例で説明したように展開ローラの清掃作業はフイル
ムパック収納室内から行うようになっており、展開ロー
ラの回転が、フイルムユニットを送り出す方向とは逆方
向に向けて回転するため、清掃作業中に清掃用部材を展
開ローラに巻き込む恐れもなく、安全に清掃作業が行え
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を用いたインスタントカメラの要部を
示す分解斜視図である。第２図は、インスタントカメラの使用状態における斜視
図である。第３図は、インスタントカメラの不使用状態における斜
視図である。。第４図は、インスタントカメラの使用状態における背面
図である。 10……本体部 11……レンズボード 12……レンズステー 22……フイルムパック収納室 23……逆転操作ボタン 24……展開ローラ 30……モータ 32……クロー部材 34……遊星ギヤ装置 38……クラッチカム 42……クラッチレバー 41……クロー駆動カム。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】フイルムパックから露光済のフイルムユニ
ットを排出するクロー部材32と、このクロー部材32で排
出されたフイルムユニットを加圧しながら送り出して現
像処理液の展開を行う一対の展開ローラとを共通のモー
タで駆動するようにしたインスタントカメラにおいて、前記モータの駆動力を前記展開ローラに伝達するローラ
駆動機構と、前記モータの正転方向への駆動力をクラッ
チ機構を介して前記クロー部材に伝達させるクロー駆動
機構と、前記モータを逆転させるための逆転操作部材と
を備え、モータの逆転方向への駆動力は前記クラッチ機
構により前記クロー部材に伝達させないようにしたこと
を特徴とするインスタントカメラ。