JP2004006237A - ポリマー電解質およびポリマーリチウム電池 - Google Patents

ポリマー電解質およびポリマーリチウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイオン導電性を持つポリマー電解質と、電池の集電体を構成するアルミニウム等の金属箔との反応を抑制したポリマーリチウム電池とを提供する。また、ポリマーリチウム電池の各種電池特性をさらに向上させるポリマー電解質と、各種電池特性がさらに向上したポリマーリチウム電池を提供する。
【解決手段】基材ポリマーと、主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、リチウム塩とを有することを特徴とするポリマー電解質。また、さらに、ボロキシン化合物が添加されているポリマー電解質、及びポリマーリチウム電池。また、ポリマーリチウム電池の正極は結合剤として前記ポリマー電解質を有し、前記正極の前記ポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物が添加されているポリマーリチウム電池。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の固体電解質として利用できるポリマー電解質と、ポリマー電解質を用いたポリマーリチウム電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ金属塩などの電解質を高濃度に溶解し、かつ固体状態で高いイオン導電性を示す高分子材料が見いだされ、これらは高分子固体電解質あるいはポリマー電解質と呼ばれている。この高分子固体電解質は軽量で成形性に富み固体膜として得られるため、弾性、柔軟性を有する新しい固体電解質としてエネルギー分野、エレクトロニックス分野への応用が期待されている。
【0003】
今までに研究されているイオン導電性高分子の基本構造としてはポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリスルフィド系の直鎖状ポリマーが知られている。これらの化学構造を有するイオン導電性高分子は多相系の結晶性高分子であるため、そのイオン導電性が相変化の影響を受けやすく室温でのイオン導電率が低い。この不具合を解消するため、▲1▼比較的高いイオン導電性を示すエーテルセグメントを含むポリマー▲2▼ポリエーテル架橋したポリマー▲3▼高分子電解質型イオン導電体▲4▼可塑化した高分子などが種々報告されている。
【0004】
しかし、上記の▲1▼のポリマーは分子量が低いと液状高分子となり、高分子量でも機械的強度が十分でないという不具合がある。▲2▼のポリマーは高い力学的強度を示すが、加工性が低く成形が困難である。▲3▼のポリマーはカチオンが強く対アニオンサイトに束縛されるため、イオン導電率が低い。▲4▼のポリマーは有機溶媒を使用しており、安全性の問題がある。
【0005】
これらの問題を解決するためのポリマーとして、近年種々のものが報告されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0006】
例えば、特許文献1には、有機ポリマーが主鎖となるポリエチレンオキシドにエステル結合を介して導入された側鎖としてエチレンオキシド付加物を有する分岐ポリエチレンオキシドからなるリチウムイオン導電性ポリマーが開示されている。また、特許文献2には、ポリホスファセンの主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖の側鎖を導入した有機ポリマーを用いた全固体リチウム二次電池が開示されている。
【0007】
これらの有機ポリマーはオリゴエチレンオキシド鎖が側鎖となって結合している。そのため主鎖を構成する繰り返し単位が十分な機械的強度を持ったものでないと電解質を溶解したイオン導電性固体電解質では、その機械的物性を保持することが困難である。これらの有機ポリマーは、いずれも主鎖が軟質系の重合体であり機械的強度が不足し成形性などの点で問題を有している。
【0008】
また、高分子電解質のイオン導電性を高める手段として特許文献3には、Liが主な荷電体となる固体高分子電解質中に、体積分率で5〜60%の絶縁性粉末を分散させた電解質複合体の開示がある。そして絶縁性無機粉体としてはAl、SiO、Fe、ZrO、CeO、BaTiO、PbTiO、Pb(Zr,Ti)Oが挙げられている。固体高分子としてはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドが用いられている。
【0009】
さらに、特許文献4には、複合酸化物を含有する高分子溶液をフィルム化し、フィルムから溶媒を揮発させた後、電解液を含浸させて含浸後の高分子電解質の膨潤度が2.2以上の高分子電解質およびその製造方法の開示がある。
【0010】
これらの固体高分子電解質をポリマー電池に使用するには、さらに固体高分子電解質の導電率を高めることが課題である。しかしそのために使用する電解質塩の種類によっては、電極の集電体に使用するアルミニウム箔と反応して、アルミニウム箔の腐食および高抵抗膜を形成するものがあり室温での電池の作動が難しくなるという不具合がある。
【0011】
他方、本願出願人らは特許文献5において、ポリマー電解質中にボロキシン化合物を添加することでイオン伝導度を向上させることを開示した。通常、エーテル系高分子とアルカリ金属塩とのコンプレックスをポリマー電解質として用いる場合には、カチオンのみならずアニオンの移動もよく起こる。ポリマー電解質中にボロキシン化合物を添加することで、このボロキシン化合物のうちボロキシンリングの部分がアニオンの受け皿(アニオントラップ)となり、かつ、カチオンはイオン導電分子によって伝導されてカチオンのみのシングル伝導が行われる。さらに、このボロキシンリングはカチオンのシングル伝導を阻害しないことから、カチオン導電性は高まり従来困難とされていた室温でのイオン伝導度が向上する。
【0012】
しかし、近年では、これらの導電性ポリマーを用いたポリマーリチウム電池における各種電池特性のさらなる向上が要求されている。
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−193954号公報
【特許文献2】
特開平2−207454号公報
【特許文献3】
特開平5−314995号公報
【特許文献4】
特開平10−275521号公報
【特許文献5】
特開平11−54151号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、低温域での高いイオン導電性を持つポリマー電解質と、電池の集電体を構成するアルミニウム等の金属箔との反応を抑制したポリマーリチウム電池とを提供することを課題とする。また、ポリマーリチウム電池の各種電池特性をさらに向上させるポリマー電解質と、各種電池特性がさらに向上したポリマーリチウム電池を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリマー電解質は、基材ポリマーと、主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、リチウム塩とを有する。
【0016】
基材ポリマーと、オリゴエチレンオキシド鎖を含む高分岐ポリマーとを併用することで、ポリマー中でのイオン導電性が向上すると共に複合酸化物の添加によりリチウム塩のイオンの移動性が向上して電解質特性、機械的特性を向上させることができる。特に低温域でのイオン導電率を向上させることができる。
【0017】
前記リチウム塩は、Li(CFSON、Li(CSONの1種から選ばれることが好ましい。
【0018】
前記基材ポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドの共重合体、から選ばれる一種であることが好ましい。
【0019】
前記連結分子は、ジオキシベンゾエートが利用できる。
【0020】
前記複合酸化物は、BaTiO、α−LiAlO、γ−LiAlOの1種を含むことが好ましい。
【0021】
前記ポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物が添加されていることが好ましい。
【0022】
本発明のポリマーリチウム電池は、正極と、ポリマー電解質と、負極とからなるポリマーリチウム電池において、前記ポリマー電解質は基材ポリマーと主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、複合リチウム塩とを有する。
【0023】
前記複合リチウム塩は、Li(CFSON−LiPF複合塩、Li(CSON−LiPF複合の1種から選ばれることが好ましい。
【0024】
前記リチウム複合塩に含まれるLiPFの量は、リチウム塩中に5〜20重量%であることが好ましい。
【0025】
前記正極は結合剤として前記ポリマー電解質を有し、前記正極の前記ポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物が添加されていることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のポリマー電解質は、基材ポリマーと、主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、リチウム塩とを有する。
【0027】
基材ポリマーはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシド共重合体等のポリアルキレンオキシドが用いられる。 基材ポリマーと高分岐ポリマーと併用することで、イオン導電性が向上すると共に電解質特性、機械的特性を向上させることができる。
【0028】
基材ポリマーと併用される高分岐ポリマーは、オリゴエチレンオキシド鎖が連結分子と結合し、連結分子を介して分岐して延びているものを用いることができる。このオリゴエチレンオキシド鎖は、電解質の陽イオン、例えばリチウムイオンを高密度で配位したり移動させることができ、基材ポリマーのポリアルキレンオキシド鎖のイオン導電性を高めることができると考えられる。
【0029】
その結果、基材ポリマーと高分岐ポリマーとが配合されることにより両者の相乗効果によりイオン導電性を高めることができる。
【0030】
基材ポリマーはその分子量が10万〜500万程度のものが好ましい。基材ポリマーの分子量が小さい場合は、基材ポリマーと高分岐ポリマーとの複合物のフイルム成形が困難となり好ましくない。また、基材ポリマーと高分岐ポリマーとの複合物は、通常溶液からのフイルム化を行うため、溶媒に可溶とするため基材ポリマーの分子量が高すぎても好ましくない。また、架橋等で溶解不可のものも好ましくない。
【0031】
高分岐ポリマーは、架橋でなく連結分子で分岐したオリゴエチレンオキシド鎖で形成されているのでエチレンオキシド鎖が非晶性となりイオン導電性を示し、イオン導電性の基材ポリマーと複合体を形成すると両者の相乗効果によりイオン導電性を高めることができる。
【0032】
高分岐ポリマーは、具体的には、主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖と該オリゴエチレンオキシド鎖に結合した連結分子とからなる繰り返し単位を有し、前記連結分子は官能基を3個有し分岐状のオリゴエチレンオキシド側鎖を有する高分子とすることができる。その一般式を化1式に示す。
【0033】
【化1】
Figure 2004006237
化1式でRはH、CH、COCH基などの炭素数3以下のアルキル基または炭素数3以下のアシル基を示す。また、式中n、n’はオリゴエチレンオキシドの重合度を示し、1〜20の整数である。mは繰り返し単位を表す任意の整数である。
【0034】
なお、末端基がOHである場合は金属イオンがOH基に捕捉され、金属イオン移動が阻害される。このため、末端基はOH基以外のものが好ましく、例えばエステル化されていることが好ましい。
【0035】
高分岐ポリマーに含まれる連結分子は、オリゴエチレンオキシド鎖の末端とエーテル結合を、オリゴエチレンオキシド鎖の他の末端とエステル結合をすることによりオリゴエチレンオキシド鎖の繰り返し単位を形成することができる。
【0036】
前記連結分子としては、オキシ基を複数個有する芳香族カルボン酸およびそのエステルが利用できる。例えばジオキシ芳香族カルボン酸エステルでは、ジオキシ基のそれぞれがオリゴエチレンオキシド鎖の1末端とエーテル結合し、オリゴエチレンオキシド鎖の他端がカルボキシル基とエステル結合した繰り返し単位で分岐して枝状に伸びて高分子化する。この場合ジオキシ芳香族カルボン酸のベンゼン核に結合したオキシ基の位置は、オリゴエチレンオキシド鎖と容易にエーテル結合が可能であればカルボキシル基に対してo−位、m−位、p−位のいずれでもよく、例えば3,5位あるいは、3,4位のジオキシ安息香酸などが利用できる。特にオキシ基が対称位置に結合した3,5オキシ安息香酸が枝状の高分子を形成するには好ましい。
【0037】
また、前記連結分子に結合したオリゴエチレンオキシド鎖の一部は、第2のオリゴエチレンオキシド鎖として化2式に示す分岐側鎖を形成していてもよい。第2のオリゴエチレンオキシド鎖の末端は、水素、炭素数が3以下のアルキル基(メチル、エチル、プロピルなど)、アシル基(アセチル、プロピオニルなど)から選ばれる有機基が結合していてもよい。リチウム塩などを電解質として使用する場合はオリゴエチレンオキシドの末端が水酸基となる水素は、塩類と結合を形成し易いのでアルキル基、アシル基であることが望ましい。これらは、イオンの配位を妨げない程度の嵩高さであることが望ましい。
【0038】
【化2】
Figure 2004006237
前記高分岐ポリマーは、化2式に示したように、連結分子に結合した第2のオリゴエチレンオキシド鎖が分岐側鎖を形成した繰り返し単位がランダムに混在したものを用いることができる。この第2のオリゴエチレンオキシド鎖は、分岐側鎖を形成しているので分子内での自由度が高く電解質イオンとの親和性とイオンの移動しやすさとが付与できイオン導電性をより高めることができる。
【0039】
前記のように高分岐ポリマーは、連結分子を介してオリゴエチレンオキシド鎖が2方向に枝状に伸びる分岐型ポリマーであるので、架橋ポリマーの場合とは異なり前記した複合体の成形性を保持して機械的特性を高めることができる。また、この有機ポリマーは分岐型ポリマーであり非結晶性の高分子であるのでポリマーの相変化によるイオン導電性の影響を除くことができる。
【0040】
前記高分岐ポリマーの合成は、例えば、ジオキシベンゾエートのフェノール性水酸基へのエチレンオキシドの付加や、ハロゲン化オリゴエチレンオキシド、一方の末端を保護したオリゴエチレンオキシドのハロゲン化物とフェノール性水酸基とのエーテル化反応により得られるモノマーのジオリゴエチレンオキシベンゾエートのエステルを触媒(例えば錫触媒)の存在下に加熱する縮重合反応によって合成することができる。
【0041】
高分岐ポリマーの繰り返し単位を構成するオリゴエチレンオキシド鎖の重合度として1〜20が好ましい。オリゴエチレンオキシド鎖の重合度が低いとイオン導電性能が十分でなく、逆に重合度が高くなりすぎるとオリゴエチレンオキシド鎖内で導電性を阻害する結晶化が起こりやすくなるためである。オリゴエチレンオキシド鎖の原料としては、重合度1のジエチレングリコール、重合度2のトリエチレングリコール、オリゴポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノクロルヒドリン(HOCHCHOCHCHOCHCHCl)、ジエチレングリコールモノクロルヒドリン(HOCHCHOCHCHCl)、オリゴエチレングリコールモノクロルヒドリン(HOCHCH(OCHCH16OCHCHCl)、トリエチレングリコールモノブロムヒドリン(HOCHCHOCHCHOCHCHBr)、ジエチレングリコールモノブロムヒドリン(HOCHCHOCHCHBr)、オリゴエチレングリコールモノブロムヒドリン(HOCHCH(OCHCH16OCHCHBr)等が使用できる。
【0042】
前記基材ポリマーと前記高分岐ポリマーとの配合割合は、高分岐ポリマーが5〜40重量%、より好ましくは5〜20重量%の範囲とすることが、イオン導電率と高分子電解質の機械的特性の点から好ましい。
【0043】
高分岐ポリマーは、主鎖のオリゴエチレンオキシド鎖と、メタジヒロドキシ安息香酸が連結分子として主鎖に結合し、エステル結合およびエーテル結合を形成した高度に分岐したものとすることができる。例えばポリビストリエチレングリコールベンゾエート(以下、poly−AcIbと略称する)が挙げられる。
【0044】
本発明のポリマー電解質は、複合酸化物としてBaTiO、α−LiAlO、γ−LiAlOの1種の無機酸化物を含むことができる。この複合酸化物を添加することで、ポリマー電解質の室温付近での導電性が向上する。その結果、室温で作動するポリマーリチウム電池とすることが可能である。複合酸化物の添加量は、1〜20重量%の範囲が好ましく、また、複合酸化物の粒子径は10nm〜1000nmの範囲が基材ポリマー中への分散性の点から好ましい。
【0045】
本発明のポリマー電解質に含まれるリチウム塩には、Li(CFSON、Li(CSONの1種を用いることができる。
【0046】
基材ポリマーに高分岐ポリマーを配合し、上記の複合酸化物と、上記のリチウム塩を配合して作製したポリマー電解質は、イオン導電性が向上し、特に低温域でのイオン導電率を向上させることができる。
【0047】
このリチウム塩の使用量は、基材ポリマーおよび高分岐ポリマーに含まれるエーテル結合の酸素との比で決められ、Li/O=1/8〜1/32の範囲がイオン導電性の点から好ましい。
【0048】
ポリマー電解質の製造は、基材ポリマー、高分岐ポリマー、複合酸化物、リチウム塩を溶媒に混合分散させ、溶媒として例えばアセトニトリルを用いた湿式法(キャステング)により電解質膜を形成することができる。場合によっては非水溶媒のエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類を添加してキャステング成膜しても良い。
【0049】
また、本発明のポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物を添加することが好ましい。ボロキシン化合物は、化3式に示すボロキシンリングを有する化合物であり、このボロキシンリングにイオン伝導に携わるイオン伝導分子が結合しているものを使用することができる。ポリマー電解質にボロキシン化合物を添加することで、得られたポリマー電解質はボロキシンリングに由来するアニオン捕捉効果およびイオン伝導分子に由来するカチオン伝導効果が付与されたものとなり、電解質の導電特性を向上させることが可能となる。また、このボロキシン化合物が添加されたポリマー電解質を、例えば後述するポリマーリチウム電池の正極用の結合材として用いる場合、上述する効果に加えて正極容量やサイクル特性等の電池特性を向上させることが可能となる。
【0050】
このボロキシン化合物としては、エーテル鎖を持つ分子を選択することが好ましく、エーテル鎖としては、例えば化4式に示すものを選択することができる。ボロキシン化合物としては化5式に示すものや、化6式に示すポリマーを用いるのが好ましい。また、化7式に示すトリアルコキシボロキシンを用いることもできる。特に、化5式、化6式の混合物を用いると、粘性の関係からより良好なものとなる。
【0051】
【化3】
Figure 2004006237
【0052】
【化4】
Figure 2004006237
【0053】
【化5】
Figure 2004006237
【0054】
【化6】
Figure 2004006237
【0055】
【化7】
Figure 2004006237
【0056】
ポリマー電解質へのボロキシン化合物の添加割合は、ポリマー電解質中のカチオンのリチウムイオンとの数の比がリチウム1に対してボロキシンリングが1〜20の範囲となることが好ましく、特にリチウムとボロキシンリングが1:2近傍となることが望ましい。
【0057】
本発明のポリマーリチウム電池は、上記したポリマー電解質を用いて構成される。ポリマー電解質に含まれるリチウム塩は、イオン導電性の点から例えばLi(CFSONの使用が好ましいが、Li(CFSONは、電池の正極の集電体として用いるアルミニウム箔と反応して高抵抗膜を生成する傾向を示す。そこで前記の高抵抗膜の生成を避けるためには、例えば、Li(CFSONにLiPFを添加して複合塩とすることでアルミニウムとの反応の抑制が可能となる。
【0058】
本発明のポリマーリチウム電池に含まれる複合リチウム塩には、Li(CFSON−LiPF複合塩、Li(CSON−LiPFの複合塩の1種を用いることができる。リチウム塩をLiPFを加えて複合化したことにより高温域での高抵抗膜の生成を避けることができる。
【0059】
複合リチウム塩の一部を形成するLiPFの添加量は、例えばLi(CFSONなどのリチウム塩に対して5〜20重量%の範囲であることが好ましい。LiPFの添加量が5重量%未満であると添加効果が認められず、20重量%を超えて添加すると、イオン導電率が低下するので好ましくない。
【0060】
この複合リチウム塩の使用量は、基材ポリマーおよび高分岐ポリマーに含まれるエーテル結合の酸素との比で決められ、Li/O=1/8〜1/32の範囲がイオン導電率を向上させるのに好ましい。
【0061】
本願発明のポリマー電解質を使用したポリマーリチウム電池の構造は、特に限定されないが、通常、正極および負極とポリマー電解質とから構成され、積層型電池や円筒型電池等に適用できる。また、ポリマー電解質と組み合わせられる電極は、公知のリチウム2次電池の電極として知られるものから適宜選択して使用することができる。
【0062】
例えば、正極には、活物質として遷移金属酸化物のLiMn、LiNiO、LiCoOから選ばれる1種が用いられ、集電材のアルミニウム箔に結合剤の本発明のポリマー電解質と共に塗布形成されたものが利用できる。
【0063】
負極には、活物質としてリチウム金属、リチウム合金、炭素質材のグラファイトあるいは酸化物、窒化物材料が用いられ、粉末の場合は結合剤と共に集電材の銅箔に塗布して形成されたものを用いることができる。
【0064】
電解質は上記で述べたポリマー電解質がそのまま利用できる。また、ポリマー電解質中には、非水溶媒のエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボーネート、エチルメチルカーボネートなどの非水系カーボネートを含浸させて 利用することもできる。
【0065】
さらに、本発明のポリマーリチウム電池においては、正極用の結合剤としてポリマー電解質を用いる場合、このポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物を添加することが好ましい。ここで添加されるボロキシン化合物としては、上述したポリマー電解質に添加することのできるものと同じものを用いることができる。
【0066】
正極用の結合剤としてボロキシン化合物を添加したポリマー電解質を用いる場合、ボロキシン化合物に由来する導電効果、すなわち、ボロキシンリングに由来するアニオン捕捉効果およびイオン伝導分子に由来するカチオン伝導効果に加えて、正極容量の増加およびサイクル特性の向上効果を得ることができる。その理由は明かではないが、恐らく、後述するような、電極と正極界面での抵抗の減少によるものと考えられる。この正極容量の増加およびサイクル特性の向上効果をより良好に発揮するためには、ボロキシン化合物の添加量は正極合剤の3〜10重量%となることが好ましい。
【0067】
本発明のポリマー電解質を適用することで得られるポリマー電池はリチウム二次電池として、高温域、低温域でのサイクル特性等に優れた電池となる。また、ポリマー電解質にさらにボロキシン化合物を添加する場合には、室温域でのイオン伝導度が向上され、正極容量が増大し、サイクル特性がより向上する。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により具体的に説明する。
【0069】
(実施例1)
基材ポリマーとして分子量が200×10のポリエチレンオキシド(PEO)と、高分岐ポリマーとして化3式に示すポリマー(以下poly−Ac1bと称する)をPEOに対して10重量%、20重量%、30重量%の3水準、複合酸化物としてBaTiOを10重量%、リチウム塩としてLi(CFSONを基材ポリマーおよび高分岐ポリマーに含まれるエーテル結合の酸素原子数との比Li/Oが1/8、1/12、1/16、1/32となる添加量での組成構成とし、各混合組成物を溶媒のアセトニトリルに溶解分散させてキャステング法によりポリマー電解質膜を調整した。
【0070】
【化8】
Figure 2004006237
【0071】
(キャステング法)
予め重さを秤量したアセチル化したポリ[ビス(トリエチレングリコール)ベンゾエート](化8式)とポリエチレンオキシドを所定の重量比で混合し、グローブボックス(アルゴン下)中で少量のアセトニトリルに溶解し、これにBaTiOを10重量%と(CFSONLiをLi/Oが上記の比率になるように添加して均一の溶液とした。そしてキャステング法によりテフロンシート上にキャステングしグローブボックス内で1時間放置した後、40℃に設定した乾燥炉で4時間減圧乾燥し、さらに60℃で20時間減圧乾燥することによりポリマー電解質膜を形成した。
(イオン伝導性の評価)
作製した各フィルムを、測定中一定の厚さを保つためにフッ素樹脂製リングと共にステンレス電極で挟み込み、それを複素交流インピーダンス測定装置に導線を用いて接続し、その抵抗値を測定した。測定は20℃から80℃まで10℃毎に行い、測定した抵抗値より30℃と80℃のイオン伝導率を求めた。
【0072】
伝導率σ(S/cm)は次のように定義される。
【0073】
σ=C/R (C=I/S)
ここでIは試料の厚さ、Sはその面積、Rは抵抗を示す。IとSの値は常にそれぞれ0.04cm、0.795cmになるようにフィルムを作成している、Cの値は常に0.0510である。抵抗値Rは複素交流インビータンス測定を行い決定した。この方法を用いれば、周波数変化に対応するインビータンス変化並びに位相の変化を解析することにより、バルク、粒界あるいは電極の挙動を明らかにすることができる。
【0074】
得られた各ポリマー電解質膜について、30〜80℃範囲のイオン導電率を測定した。poly−Ac1b/PEO=20/80の基材ポリマーと高分岐ポリマーとの組成で、リチウムイオンの添加量を変化させた時のポリマー電解質膜のイオン電導率を縦軸に温度の逆数を横軸としてイオン電導率の温度依存性を図1のグラフに示した。
【0075】
リチウムイオン濃度を増させるとイオン導電率は増加し、Li/O比が1/12で最大値となり、Li/O比が1/8では少し低下する傾向を示した。
【0076】
基材ポリマーに対して高分岐ポリマーを10、30重量%添加したポリマー電解質膜も図示しないが上記と同様に、リチウムイオン濃度の増加に伴いイオン導電率が増加する傾向を示した。
【0077】
図2は、リチウムイオンの量がLi/O=1/12における30℃(×印)と、80℃(○印)のイオン電導率を横軸に高分岐ポリマーの添加量0%、10重量%、20重量%、30重量%の時のイオン電導率をプロットして示した。30℃では高分岐ポリマー量の増加によりイオン導電率が増加したが、80℃では、ほぼ一定の値であった。なお、高分岐ポリマー無添加時の(△印)は温度が25℃の時のものである。
【0078】
この結果、複合酸化物を添加したポリマー電解質膜では基材ポリマーに高分岐ポリマーを添加すると、低温でイオン導電率を向上させる効果があることを示している。
【0079】
高分岐ポリマーと基材ポリマーとの比率がpoly−Ac1b/PEO=20/80の時のポリマー電解質膜のイオン導電率は、80℃で5×10−3S/cm、30℃で3×10−4S/cmの値であった。
【0080】
(実施例2)
実施例1において基材ポリマーに分子量が60×10のPEOポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の高分岐ポリマーの配合割合でポリマー電解質膜を作製してイオン導電率を実施例1同様に評価した。
【0081】
基材ポリマーの分子量が実施例1に比べて低い場合でも、高分岐ポリマー含量の増加に伴い30℃でのイオン導電率の増加が認められた。poly−Ac1b/PEO=20/80でのイオン導電率の温度依存性を図3に示す。図3に示したように複合酸化物を添加した系ではイオン導電率はLi/O=1/12で最大値を示した。
【0082】
図4には、ポリマー電解質膜のLi/O=1/12において高分岐ポリマー含量の増加に伴う30℃と80℃のイオン導電率の変化を示した。図4中、各プロットはリチウムイオンの量がLi/O=1/12における30℃(×印)と、80℃(○印)のイオン導電率を横軸に高分岐ポリマーの添加量0%、10重量%、20重量%、30重量%の時のイオン導電率を示す。また、△印は高分岐ポリマー無添加,温度25℃の時のものである。高分岐ポリマーのpoly−Ac1b含量が20重量%の時にイオン導電率が最大値を示し、80℃で7×10−3S/cm、30℃で4×10−4S/cmの値であった。
【0083】
以上の結果、イオン導電率は複合酸化物を添加したポリマー電解質では高分岐ポリマーを添加することにより増加する。特に低温域でのイオン導電率の向上に高分岐ポリマーの添加は非常に有効である。
【0084】
イオン導電率は、使用する基材ポリマーPEOの分子量、リチウムイオン量のLi/O比により変化するが、低温(30℃)、高温(80℃)共に高いイオン導電率は分子量60×10のPEO(実施例2)を使用した場合、高分岐ポリマーのpoly−Ac1bが20重量%、リチウム塩の量Li/O=1/12であり、分子量200×10のPEO(実施例1)を使用した場合、高分岐ポリマーのpoly−Ac1bが20〜30重量%、リチウムイオンの量がLi/O=1/12の場合であった。しかし、一定のLi/O比の条件では、PEOの分子量の増加に伴いイオン導電率は低下する傾向が認められた。
(実施例3)
実施例1において、リチウム塩をLi(CSONに変えた以外は実施例1同様の高分岐ポリマー配合割合でポリマー電解質膜を作製してイオン導電率を評価した。
【0085】
基材ポリマーPEOの分子量200×10で高分岐ポリマーpoly−Ac1bを10、20重量%添加し複合酸化物を含むポリマー電解質膜においては、イオン導電率がLi/O=1/16で最大となり、Li/O=1/12、1/6では低下する傾向を示した。高分岐ポリマーを30重量%添加したポリマー電解質膜ではLi/O=1/12でイオン導電率は最大値を示した。図5に、本実施例3のポリマー電解質膜の高分岐ポリマー含量の増加に伴う30℃と80℃のイオン導電率の変化を示した。図5中、各プロットはリチウムイオンの量がLi/O=1/12における30℃(×印)と、80℃(○印)のイオン導電率を横軸に高分岐ポリマーの添加量0%、10重量%、20重量%、30重量%の時のイオン導電率を示す。
【0086】
高温(80℃)、低温(30℃)でのイオン導電率は、図5に示したようにポリマー電解質膜中の高分岐ポリマーに関係なくほぼ一定の値であった。この結果、リチウム塩にLiN(CFSOを使用した場合(実施例1)と同様にイオン導電率は高分岐ポリマーの添加により増加する。低温でのイオン導電率の向上に高分岐ポリマーの添加は有効であることがわかる。
【0087】
高分岐ポリマーのPoly−Ac1bを30重量%含みLi/O=1/12のポリマー電解質膜のイオン導電率は80℃で9.5×10−4S/cm、30℃で9×10−5S/cmであった。
(実施例4)
実施例2においてリチウム塩をLi(CSONに変えた以外は実施例2と同様の高分岐ポリマー配合でポリマー電解質膜を作製してイオン導電率を評価した。
【0088】
基材ポリマー中の高分岐ポリマー含有を10、20、30重量%添加量を増した複合酸化物を含むポリマー電解質膜は、リチウムイオン濃度の増加に伴いイオン導電率は徐々に増加し、Li/Oで最大値に達した後Li/O=1/8では少し低下する傾向を示した。ポリマー電解質膜中の高分岐ポリマー含量が10、20重量%と増加するのに伴い高温(80℃)でも低温(30℃)でもイオン導電率の増加が認められた。
【0089】
しかし、高分岐ポリマー含量が30重量%では高温低温共にイオン導電率は低下した。Li/O=1/12における高分岐ポリマー含有量増加に伴う30℃と80℃のイオン導電率の変化を図6に示した。図6中、各プロットはリチウムイオンの量がLi/O=1/12における30℃(×印)と、80℃(○印)のイオン導電率を横軸に高分岐ポリマーの添加量0%、10重量%、20重量%、30重量%の時のイオン導電率を示す。
【0090】
高分岐ポリマーのpoly−Ac1bを20重量%含むポリマー電解質膜のイオン導電率は、80℃で7×10−3S/cm、30℃で1×10−4S/cmであった。
【0091】
Li(CSONを使用した電解質膜ではLi(CFSONを使用した電解質膜に比較してイオン導電率は低下した。よって、リチウム塩の種類の違いの影響が認められた。一定のLi/O比ではLi(CFSONの場合と同様に、PEOの分子量の増加に伴いイオン導電率は低下する傾向が認められた。
(実施例5)
基材ポリマーとして分子量60×10のPEOを用いリチウム塩としてLi(CFSONをLi/O=1/12の量使用し、複合酸化物としてBaTiOを10重量%用い、高分岐ポリマーの割合をPEO/poly−Ac1b=100/0、90/10、80/20、70/30に変化させてポリマー電解質膜を作製した。得られたポリマー電解質膜のイオン導電率の温度依存性を図7に示した。図7に示したように高分岐ポリマーの添加量を増すことによりイオン導電率は増加する傾向が認められた。なかでも高分岐ポリマーの配合量が80/20が高いイオン導電率を示した。
【0092】
(実施例6)
基材ポリマーとして分子量500×10のPEOと高分岐ポリマー(PEO/poly−Ac1b=80/20重量%)に複合酸化物として無機塩(α−LiAlO(粒径10〜20nm)10重量%、γ−LiAlO(粒径100〜200nm)10重量%および20重量%)を、リチウム塩としてLi(CFSONをLi/O=1/12の量添加してポリマー電解質膜を作製した。作製した各ポリマー電解質膜のイオン導電率を80℃で測定した。複合酸化物の種類の比較を表1に示した。
【0093】
表1に示したように80℃によるイオン伝導率ではα−LiAlOを添加したものが無添加のものより向上し複合酸化物の添加が有効である。しかし、γ−LiAlOでは向上が認められず複合酸化物の種類の影響が認められる。また、γ−LiAlOを20重量%添加したものはイオン導電率の低下を示した。
【0094】
【表1】
Figure 2004006237
【0095】
図8は上記のポリマー電解質のイオン導電率の温度依存性のグラフを示した。図9は無機塩(α−LiAlO)の有無の影響を示した。
【0096】
図8では無機塩の種類が異なっても同じ配合量の場合はほぼ同じイオン導電率の温度依存性の関係を示した。しかし、多量のγ−LiAlOの添加によりイオン導電率が低下することを示している。
【0097】
図9は無機塩としてα−LiAlOを添加した場合と無添加の場合のイオン導電率の温度依存性を示している。無機塩添加により、イオン導電の活性化エネルギーが変化する温度が低温側にシフトする傾向がみられた。
【0098】
(実施例7)
リチウム塩(Li(SOCFN)の量をLi/O=1/15とし、複合酸化物にBaTiOを10重量%(粒径0.5μm)、基材ポリマーにEO/PO共重合体(n/m=90/10モル%:分子量=83×10)を用い、高分岐ポリマー(poly−Ac1b;Mn=25000)の無添加の場合と、20重量%添加した場合のポリマー電解質膜を、アセトニトリルによりキャステング法で調製した。
【0099】
得られたポリマー電解質膜の0〜80℃の範囲で実施例1と同様にイオン導電率の温度依存性を調べた。結果を図10に示した。図10に示したように、基材ポリマーが共重合体の場合であっても高分岐ポリマーの添加により、低温領域(0〜20℃)ではイオン導電率の温度依存性の関係を示すグラフが高分岐ポリマー無添加の場合より上方側にありイオン導電率の向上が認められる。
【0100】
(実施例8)
リチウム塩(Li(SOCFN)の量をLi/O=1/12とし、3−2−1−10−PEO(分子量=60×10)を80wt%と高分岐ポリマー(poly−Ac1b)20wt%とのブレンドポリマーに無機フィラーとして0.5μmのBaTiOを配合し、表2に示す組成の4種類の溶液を調製し、BaTiOの量を変化させて得た4種類のポリマー電解質膜を調製した。そして得られたポリマー電解質膜の温度に対するイオン伝導率を測定し、その結果を図11に示した。
【0101】
【表2】
Figure 2004006237
【0102】
すべてのBaTiOの配合量においてイオン伝導率曲線は直線的であった。また、活性化エネルギーはBaTiOの1wt%配合のもので23.7kJ/Kmol、15wt%で30.8kJ/Kmol、20wt%で23.6kJ/Kmolとなった。
【0103】
図12に80℃と30℃におけるBaTiOの配合量に対するイオン伝導度の関係を示す。BaTiOの配合量に対するイオン伝導率の変化は明らかで、10wt%まではイオン伝導率は上昇し、それ以上の配合ではイオンの動きの妨げになることがわかる。BaTiOは10wt%の配合量が一番良いイオン伝導率となることがわかった。
【0104】
(ポリマー電池)
PEO系電解質膜の電解質塩としては、熱的安定性、導電性、界面抵抗等を勘案してLi(CFSONが最適と考えられる。しかし、高温(80℃以上)では電池に用いるステンレス、アルミニウムが電解質塩と反応し、高抵抗膜層を形成する傾向が認められたので、さらにLi(CSONについてリチウムポリマー電解質膜への適応性を検討した。Li(CSONは、Li(CFSONに比べてアルミニウムとの界面抵抗は幾分低下した。しかし、Li金属と電解質膜および、正極材と電解質膜との界面抵抗は両者の間で大きな差は認められなかった。イオン導電率は、Li(CSONはLi(CFSONに比べて低い値であった。
【0105】
さらに正極の集電体として用いるアルミ箔と正極合剤と反応して界面抵抗が高くなるのを抑制する目的で、アルミ表面にフッ化物が形成し易い、LiPFを電解質塩に少量添加した場合の効果を調べた。表3に正極合剤とアルミニウム、Ptとを23日間接触させた際の界面抵抗を示した。
【0106】
【表3】
Figure 2004006237
【0107】
表3に示したようにリチウム塩に対してLiPFを10重量%添加すると、アルミニウム界面抵抗が無添加のものに比べて抑制が認められた。
【0108】
表4には、ポリマー電解質膜にLiPFの添加量を変えた場合の80℃と25℃のイオン導電率を示した。
【0109】
PEO−Li(CSONにLiPFを添加した場合はPEO−Li(CFSONに比べ導電率は低いが、表4に示したようにいずれもLiPFの添加でイオン導電率の低下が認められた。この結果リチウム塩にLiPFを添加した複合リチウム塩の使用が有効であることが分かる。
【0110】
【表4】
Figure 2004006237
【0111】
図13は、表4の上欄の電解質で10%LiPFを添加した系と無添加の系のボタン電池を80℃、I=0.2mA/cmで行ったサイクル特性を示した。10%のLiPFを添加することによる、サイクル特性の向上が伺える。これは、正極活物質とアルミニウムとの界面抵抗の増大の抑制によるものと考えられる。100回のサイクルで、容量が110mAh/gから90mAh/gに低下したのみで、固体電池としてはかなり優れた特性であると考えられる。
【0112】
図14はリチウム塩をLi(CSONにしてLiPFを添加した系と無添加の系のボタン電池を80℃、I=0.2mA/cmで行ったサイクル特性を示した。この複合リチウム塩の場合も同様な傾向を示した。
【0113】
(低温での電池特性)
(実施例9)
電池構成が[Li/(PEO−10重量%poly−Ac1b)10−(90重量%Li(CFSON−10重量%LiPF)−10重量%BaTiO/LiNi0.8Co0.2]である電池の正極容量の50℃、I=0.1mA/cmで行ったサイクル特性を図15に示した。
【0114】
充放電流0.1mA/cm(約0.1C)ではcut−off電圧が4.4〜2.5Vで初期容量が140mA/gと高い値(●印)が得られた。充電終止電圧が4.4Vと高いのは、電解質のバルク抵抗と電解質/電極界面抵抗との和が1000Ω以上と高いためである。50℃では、高容量で安定に充放電が可能である。
【0115】
図16に同様なセル構成での40℃I=0.02mA/cmで行った充放電サイクル特性を示した。この温度では、Li電極との界面抵抗が大きく、高電流密度での充放電は困難であったが、図16に示したようにI=0.02mA/cmでは安定な充放電が可能であった。
【0116】
表5に各種電解質の低温での電解質バルク抵抗、正極/電解質,Li/電解質界面抵抗を示した。界面抵抗は数時間接触後の値である。高分岐ポリマーを含まないポリマー電解質では、Li金属との界面抵抗は低いが、電解質のバルク抵抗が高いので、総合的には、高分岐ポリマー添加の効果と考えられる。
【0117】
【表5】
Figure 2004006237
【0118】
(長期サイクル特性)
正極活物質の量を少なくし、長期のサイクル特性を検討した。図17に[Li/(PEO−10重量%poly−Ac1b)10−(90重量%Li(CFSON−10重量%LiPF)−10重量%BaTiO/LiNi0.8Co0.2]の電池構成で60℃でI=0.2mA/cmの条件で電池容量の充放電サイクルによる変化を示した。初期の数10回は容量がむしろ増大する傾向が見られた。充放電前後の電池抵抗の測定によると、初期の充放電サイクルにより、電池抵抗が低下することが認められたので、その影響と考えられる。この電池抵抗の低下は充放電による接触抵抗の低下に起因していると思われる。
【0119】
(ポリマー電解質膜の機械的特性)
一般にリチウムイオン導電性ポリマーは、導電性と機械的強度とはトレードオフの関係にある。実験室製の引張強度試験機で、各温度における機械的強度を測定した。表6に測定結果の一例を示した。
【0120】
PEOはリチウム塩を添加することにより弱くなることが伺える。本発明のポリマー電解質膜は、ダイソーが報告(第10回リチウム電池に関する国際会議のポスター発表2000、5、28〜6、2イタリア コモ市)している架橋型高分子量ポリマー電解質膜とほぼ同等の機械的強度を示した。
【0121】
【表6】
Figure 2004006237
【0122】
(アルミニウム腐食電位へのLiPF添加効果)
本発明の電池の電圧は4V以上であり、表7に示したようにLi(CFSON塩単独では3.8Vで腐食が始まるので、アルミニウムを集電体に使うと腐食がおこる。Li(CSONでは4.1Vとなりいくぶん向上するが、10%LiPFを添加することでアルミニウムの腐食電圧が高くなることを示している。また、Li(CFSON塩単独で基材ポリマーを共重合体に変えても腐食の始まる電圧は変わらない。よって、LiPFの添加が有効であることを示している。
【0123】
【表7】
Figure 2004006237
【0124】
図18にステンレス容器内で構成したポリマー電池におけるリチウム塩(Li−imide)にLiPF添加した時の電気化学的安定性に関する特性を示す。ここで符号1は Li−imideのみ、符号2は Li−imide+LiPFのチャートである。
【0125】
リチウム塩にLiPFを添加して複合リチウム塩とすることにより図18に示したように6Vの高電圧まで安定であり、このポリマー電解質膜の電気化学的安定性(電位窓)が優れていることを示している。
(実施例10)
負極として金属リチウムを、電解質として[(PEO−10重量%HBP)10(Li(CFSON−10重量%LiPF)]−10重量%BaTiOを用い、正極としてLiNi0.8Co0.2−ポリマー電解質−アセチレンブラック(65:20:15重量%)にトリアルコキシボロキシンを0〜10重量%添加したものを用いてポリマーリチウム電池を作成した。ここで添加したトリアルコキシボロキシン(B(n))は、n=7.2(n=8,n=7等の混合物)であった。
【0126】
(正極にボロキシン化合物を添加したポリマーリチウム電池のサイクル特性試験)
得られたポリマーリチウム電池の正極容量の充放電サイクルによる変化を温度条件50℃,充放電密度0.1mA/cmの試験条件で測定した。この正極容量の充放電サイクルによる変化を図19に示す。B(7.2)無添加のポリマーリチウム電池では、正極の初期容量が113mAh/gであり、この正極容量はサイクルとともに徐々に低下して20サイクル経過後には102mAh/gにまで低減した。B(7.2)無添加のポリマーリチウム電池における1サイクルあたりの低減率[(初期容量−20サイクル後の容量)/初期容量×100]は0.49%であった。
【0127】
一方、B(7.2)を3重量%添加したポリマーリチウム電池では、初期容量が135mAh/gとなり、B(7.2)を添加していないポリマーリチウム電池と比較して20%程度増大した。また、このB(7.2)を3重量%添加したポリマーリチウム電池では、25サイクル経過後にも129mAh/gに低下したのみであり、1サイクルあたりの低減率は0.18%/cycleと、B(7.2)を添加していないポリマーリチウム電池と比較して1サイクルあたりの容量低下は半減した。
【0128】
また、別に、本実施例10のB(7.2)を10重量%添加したポリマーリチウム電池について、温度条件35℃,充放電密度0.02mA/cmの条件で正極容量を測定し、低温条件下でのポリマーリチウム電池の作動確認試験を行った。その結果、正極の初期容量は128mAであり、10サイクル後もほぼ同じ容量を示した。これは、B(7.2)無添加のものと比較して非常に高い値であった。なお、無添加では数分以内で電池電圧が0Vとなった。
【0129】
さらに、B(7.2)をポリマーリチウム電池の電解質に用いるポリマー電解質に添加した場合のサイクル特性を測定したが、この場合サイクル特性の向上はみられなかった。
【0130】
B(7.2)を含んだポリマー電解質を正極用の結合剤として添加することによって正極容量の増大およびサイクル特性の向上が生じる原因は定かではないが、後述する界面抵抗の低下と関連付けることができる。
【0131】
(電解質と正極との界面抵抗試験)
本実施例10で作成した各ポリマーリチウム電池における電解質と正極との界面抵抗を測定した。被試験体としては、実施例10と同様の各添加率でB(n)を添加した正極と、実施例10で用いたものと同じ電解質とをもちいて、正極/電解質/正極セルを作成したものを用いた。界面抵抗の測定は、作成した各セルを50℃および40℃の温度条件下で10日間放置した後にインピーダンスの周波数依存性を測定することで界面抵抗を選択的に求めた。得られた界面抵抗の測定結果を表8に示す
【0132】
【表8】
Figure 2004006237
【0133】
表8に示すように、B(7.2)を添加したセルは、B(7.2)の添加割合が3〜10重量%の範囲内を最適の添加率としつつ、無添加のセルと比較して界面抵抗の低下特性を示した。そして、B(7.2)を添加したセルは、低温条件において無添加のセルと比較してより顕著な界面抵抗の低下特性を発揮した。このことから、上述した正極容量の増大およびサイクル特性の向上は、電解質と正極との界面抵抗の低下に起因するものと思われる。また、B(7.2)の添加効果が低温でより顕著になることから、正極用の結合剤としてB(n)を添加したポリマー電解質を用いたポリマーリチウム電池は、低温作動が可能であることがわかる。
【0134】
【発明の効果】
本発明のポリマー電解質は、基材ポリマーに高分岐ポリマーを混合し、複合酸化物とリチウム塩を配合したことで室温付近のイオン導電性を向上させることができる。
【0135】
さらにこのポリマー電解質を用いた電池において、リチウム塩にLiPFを混合し複合塩としたことにより、正極の集電体であるアルミニウムとリチウム塩との反応による高抵抗膜の生成を抑制でき、高温から低温域まで安定なポリマーリチウム電池が得られた。
【0136】
また、本発明のポリマー電解質にさらにボロキシン化合物を添加すると、イオン輸率の向上効果に加えて、このポリマー電解質を正極合剤中に用いたポリマーリチウム電池の正極容量の増加やサイクル特性の向上等の電池特性を向上させるとともに低温作動を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリマー電解質膜のイオン導電率の温度依存性を示すグラフである。
【図2】実施例1のポリマー電解質膜のイオン導電率の高分岐ポリマーの添加量依存性を示すグラフである。
【図3】実施例2のポリマー電解質膜のイオン導電率の温度依存性を示すグラフである。
【図4】実施例2のポリマー電解質膜のイオン導電率の高分岐ポリマーの添加量依存性を示すグラフである。
【図5】実施例3のポリマー電解質膜のイオン導電率の高分岐ポリマーの添加量依存性を示すグラフである。
【図6】実施例4のポリマー電解質膜のイオン導電率の高分岐ポリマーの添加量依存性を示すグラフである。
【図7】実施例5のポリマー電解質膜中の基材ポリマーと高分岐ポリマーとの配合割合を変えた時のイオン導電率の温度依存性を示すグラフである。
【図8】実施例6の複合酸化物および高分岐ポリマーを含むポリマー電解質膜のイオン導電率と温度依存性の関係を示すグラフである。
【図9】実施例6の高分岐ポリマーの添加量および複合酸化物の添加の有無に関するイオン導電率と温度依存性の関係を示すグラフである。
【図10】実施例7の基材ポリマーに共重合体を用いた場合のイオン導電率と温度依存性の関係を示すグラフである。
【図11】実施例8のBaTiOの量を変化させて得たポリマー電解質膜の温度依存性を示すグラフである。
【図12】実施例8の電解質膜の80℃と30℃におけるBaTiOの配合量に対するイオン導電率の関係を示すグラフである。
【図13】リチウム塩(Li−imide)にLiPFの添加の有無による電池の80℃でのサイクル特性を示すグラフである。
【図14】リチウム塩(Li−Beti)にLiPFを添加した電池の80℃でのサイクル特性を示すグラフである。
【図15】実施例9のリチウム塩(Li−imide)にLiPFを添加した電池の50℃(I=0.1mA/cm)における正極容量のサイクル特性を示すグラフである。
【図16】リチウム塩(Li−imide)にLiPFを添加した電池の40℃(I=0.02mA/cm)における正極容量の充放電サイクル特性を示すグラフである。
【図17】リチウム塩(Li−imide)にLiPFを添加した電池の60℃(I=0.2mA/cm)における電池容量の充放電サイクル特性を示すグラフである。
【図18】ステンレス容器内構成したポリマー電池におけるリチウム塩(Li−imide)にLiPF添加した時の電気化学的安定性を示すサイクル特性のグラフである。
【図19】正極の結合剤としてボロキシン化合物添加ポリマー電解質を用いた電池における正極容量の充放電サイクルによる変化を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 基材ポリマーと、主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、リチウム塩とを有することを特徴とするポリマー電解質。
  2. 前記複合酸化物は、BaTiO、α−LiAlO、γ−LiAlOの1種を含む請求項1に記載のポリマー電解質。
  3. 前記リチウム塩は、Li(CFSON、Li(CSONの1種から選ばれる請求項1に記載のポリマー電解質。
  4. 前記基材ポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドの共重合体、から選ばれる一種である請求項1に記載のポリマー電解質。
  5. 前記連結分子は、ジオキシベンゾエートである請求項1に記載のポリマー電解質。
  6. 前記ポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物が添加されている請求項1に記載のポリマー電解質。
  7. 正極と、ポリマー電解質と、負極とからなるポリマーリチウム電池において、前記ポリマー電解質は基材ポリマーと主鎖にオリゴエチレンオキシド鎖とそれに結合した連結分子とを繰り返し単位とする高分岐ポリマーと、複合酸化物と、複合リチウム塩とを有することを特徴とするポリマーリチウム電池。
  8. 前記複合リチウム塩は、Li(CFSON−LiPF複合塩、Li(CSON−LiPF複合の1種から選ばれる請求項6に記載のポリマーリチウム電池。
  9. 前記リチウム複合塩に含まれるLiPFの量は、リチウム塩中に5〜20重量%である請求項7に記載のポリマーリチウム電池。
  10. 前記正極は結合剤として前記ポリマー電解質を有し、前記正極の前記ポリマー電解質には、さらに、ボロキシン化合物が添加されている請求項8に記載のポリマーリチウム電池。
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