JP2004005766A - 情報記録担体、再生装置、記録装置、再生方法及び記録方法 - Google Patents

情報記録担体、再生装置、記録装置、再生方法及び記録方法 Download PDF

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近藤 哲也
Kenji Oishi
大石 健司
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

【課題】情報記録担体のクロスイレースを低減する。
【解決手段】グルーブ部とランド部とが交互に形成された溝連続体からなる微細パターンが形成された支持体と、微細パターン上に情報を記録するための記録層とを有し、グルーブ部又はランド部のピッチをP、記録層を再生する再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとするとき、微細パターンがP≦λ/NAの関係で形成されるとともに、ランド部はその両側の側壁が互いに平行になるように蛇行形成されており、支持体のうち側壁に相当する部分には、補助情報と、情報の記録の際に記録速度を制御するための基準クロックとが交互に連続して形成されており、記録層のうちランド部に相当する部分にのみ記録層における反射率差または屈折率差の少なくとも1つの変化によって、信号記録変調振幅が0.4以上になるようにして情報が記録されている。
【選択図】  図32

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を記録するための情報記録担体、情報記録担体に対して相対運動をさせて情報を読み出す再生装置、情報記録担体に対して相対運動をさせて情報を記録する記録装置、情報記録担体を再生する再生方法及び情報記録担体に記録を行う記録方法に関し、特に光学的手段によって記録及び/又は再生を行う情報記録担体、再生装置、記録装置、再生方法及び記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報記録担体を相対運動させて情報を読み出すシステムがあり、システムの再生には光学的手段、磁気的手段、静電容量的手段などが用いられている。このうち光学的手段によって記録及び/又は再生を行うシステムは日常生活に深く浸透している。例えば波長650nmの光を利用した円盤状再生専用型情報記録担体としては、画像情報が予め記録されているDVDビデオ、プログラム等が予め記録されているDVD−ROM、音楽情報が予め記録されているDVDオーディオ、SACD等が知られている。
【0003】
また、記録・再生型情報記録担体としては、相変化を利用したDVD−RAM、DVD+RWが、光磁気を利用したASMO、iD等がある。
【0004】
一方、情報記録担体の記録密度を上げるために、レーザの波長を短くし、青紫色の発光を実現する研究が長年続けられてきた。近年発明された第2高調波発振素子や窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、波長λ=350〜450nm近傍で発光するために、記録密度を大幅に高める重要な発光素子になり得る。また、この近傍の波長に対応した対物レンズの設計も進んでおり、特にNA(開口数)をDVDで使用されるNAである0.6を超えて、0.7以上とした対物レンズが開発中である。
【0005】
このように、波長λを350〜450nmに短縮し、NAを0.7以上とした情報記録担体再生装置の開発が進められており、これらの技術により現在のDVDの記録容量を遙かに超える光ディスクシステムを開発することが期待できる。また、青紫色レーザと高いNAを前提として設計された、飛躍的に高い記録密度を有する情報記録担体の出現が望まれる。
【0006】
一方、近年の記録再生型ディスクではランドグルーブ方式と呼ばれる微細構造を採用している。高NA録再システム用に設計された情報記録担体の一例を図37及び図38を用いて説明する。図37は、ランドグルーブ方式と呼ばれる従来の情報記録担体100を示す断面図である。また図38は、図37の情報記録担体100の平面構造を示すために、情報記録担体100の上方から見た拡大平面図である。
【0007】
図37に示すように、情報記録担体100は、支持体130上に順次形成された記録層120と、透光層110とからなる。支持体130には、微細パターン122が形成されており、その面上に記録層120が直接形成されている。なお、微細パターン122はランド部Lとグルーブ部Gとからなる微細パターンを有している。これはマクロ的にみると、ランド部Lからなる連続した溝と、グルーブ部Gからなる連続した溝とから構成されていることになる。
【0008】
そして、記録の際には、図38に示すように、ランド部Lの溝とグルーブ部Gの溝の両方に記録マークMが形成される。微細パターン131の諸寸法に注目してみると、グルーブ部Gとグルーブ部Gの最短距離をピッチP(ランド部Lとランド部Lの最短距離も同様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対して、P>Sの関係を満たすように微細パターン131が形成されている。
【0009】
なお、この再生スポット径Sは、再生に用いるレーザの波長λと対物レンズの開口数NAから、S=λ/NAで計算されるものであり、言い換えれば、ピッチPは、P>λ/NAの関係を満たすように設計されている
この情報記録担体100は、透光層110側から記録光を入射し、記録層120上のランド部L、グルーブ部Gの両方に記録マークを形成する。また支持体層130または透光層110側から再生光を入射させ、記録層120での反射光を取り出して再生される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本出願人は情報記録担体100を実際に試作し、記録再生実験を行ったところ、クロスイレ−ス現象が顕著であることを見出した。クロスイレースとは、例えばランド部Lに情報記録を行うと、グルーブ部Gにあらかじめ記録した信号にその情報が重ね記録される現象である。言い換えればランド部Lに情報を記録することによって、グルーブ部Gに記録されていた情報が消去される現象である。なおこの現象はランド部Lとグルーブ部Gが逆となった例、すなわちグルーブ部Gに情報記録を行い、ランド部Lの既記録情報を観察したときにも見られる。このようにクロスイレースが生じると、隣接溝の情報が損傷を受ける。従って、大容量の情報システムにあっては損失情報量が非常に大きなものとなり、ユーザへの影響が甚大となってしまう。
【0011】
このため、この情報記録担体100を用いて、ランド部L又はグルーブ部Gのいずれか一方のみに情報を記録することが考えられるが、そのような情報記録を行うと記録容量が減少し、高密度記録のポテンシャルを有する情報記録担体のメリットが半減してしまうという課題があった。
【0012】
そこで、本発明はこのような従来の問題を解消すべく、クロスイレースを低減し、高密度記録された情報記録担体を提供することを目的とする。
【0013】
また、そのような情報記録担体に相応しい、アドレス等補助情報及び基準クロックの埋め込み方式を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した課題を解決するために、グルーブ部とランド部とが交互に形成された溝連続体からなる微細パターンを有する支持体と、前記微細パターン上に形成され、情報を記録するための記録層と、前記記録層上に形成された透光層とを少なくとも有する情報記録担体であって、前記グルーブ部又は前記ランド部のピッチをP、前記記録層を再生する再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとするとき、前記微細パターンがP≦λ/NAの関係を有して形成されるとともに、前記ランド部はその両側の側壁が互いに平行になるように蛇行形成されており、前記側壁には、前記情報の記録の際に補助的に用いるデータに基づいた補助情報と、前記情報の記録の際に記録速度を制御するためのクロックに基づいた基準クロックとが交互に連続して記録されており、前記記録層のうち、前記ランド部に相当する部分にのみ、前記記録層における反射率差または屈折率差の少なくとも1つの変化によって、信号記録変調振幅が0.4以上になるようにして前記情報が記録されていることを特徴とする情報記録担体を提供する。
【0015】
更に、前記補助情報が、振幅変移変調波、周波数変移変調波、位相変移変調波の少なくとも1つの変調波によって記録されていることを特徴とする請求項1または請求項1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0016】
また更に、前記基準クロックが単一周波数波として記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0017】
更にまた、前記補助情報は、一定間隔毎に設けられたデータトリガと、前記データトリガ間の所定位置に割り当てられたデータとから少なくとも構成されており、前記データの有無によって、補助情報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0018】
また、前記補助情報は、一定間隔毎に設けられたデータトリガと、前記データトリガ間の所定位置に割り当てられたデータとから少なくとも構成されており、前記データトリガと、前記データの相対距離によって、補助情報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0019】
更に、前記微細パターンの高さは、λ/10nからλ/18nの間で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0020】
更にまた、前記補助情報は、0.01λ/NA〜0.15λ/NAの振幅範囲で、半径方向に対して、蛇行していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0021】
また更に、前記支持体の、前記微細パターンとは反対側にレーベル印刷が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0022】
また、前記記録層は、相変化材料、光磁気材料、色素材料の少なくとも1つの材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項8記載のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0023】
また更に、前記λが350〜450nmであり、前記NAが0.75〜0.9であり、前記透光層の厚さが0.07〜0.12mmであり、前記支持体と前記記録層と前記透光層の合計厚みが1.2mmであり、直径が120mmのディスク状であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報記録担体を提供する。
【0024】
更に、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体の前記記録層を再生するための再生装置であって、再生光の波長λが350〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた再生手段と、前記再生光を前記ランド部にのみ照射して再生を行わせるように前記再生手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする再生装置を提供する。
【0025】
更にまた、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体の前記記録層に情報を記録するための記録装置であって、記録光の波長λが350〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた記録手段と、前記記録光を前記ランド部にのみ照射して記録を行わせるように前記記録手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置を提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1乃至図36、図39及び図40を用いて説明する。なお本発明に係る情報記録担体の実施例は、後述する参考例1乃至参考例4の構成を有するものである。
【0027】
図1は本発明に係る情報記録担体の参考例1を示す断面図であり、図2は本発明における参考例1の情報記録担体を上方から見た拡大平面図であり、図3は本発明における参考例1の情報記録担体に、記録を行った状態を示す拡大平面図である。
【0028】
また、図4は本発明における参考例1及び参考例2の情報記録担体を再生、または記録を行う様子を示す断面図である。
【0029】
更に、図5は本発明における参考例1の情報記録担体における補助情報領域及び基準クロック領域を説明するための拡大平面図であり、図6は本発明における参考例1の情報記録担体をCLV記録に適応した場合に、その情報記録担体を上方から見た拡大平面図であり、図7は本発明における参考例1の情報記録担体をCAV記録に適応した場合に、その情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【0030】
また、図8は本発明における参考例1の情報記録担体を、ディスク形状のCLV記録に適応した場合の情報記録担体を上方から見た拡大平面図であり、図9は本発明における参考例1の情報記録担体を、ディスク形状のCLV記録に適応し、更にランドに記録を行った場合の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【0031】
更に、図10は本発明における情報記録担体再生装置のフォトディテクタの分割状況を示す拡大平面図であり、図11は補助情報を分散記録した第1の例を示す図である。
【0032】
また、図12は補助情報を分散記録した第2の例を示す図であり、図13は補助情報を分散記録した第3の連を示す図であり、図14は補助情報を分散記録した第4の例を示す図である。
【0033】
更に、図15は本発明なるベースバンド変調を説明するための図であり、。図16は本発明なるベースバンド変調を具体的に説明するための図である。
【0034】
また、図17は本発明なる振幅変移変調波の第1の例を説明するための図であり、図18は本発明なる振幅変移変調波の第2の例を説明するための図であり、図19は本発明なる振幅変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【0035】
更に、図20は本発明なる周波数変移変調波の第1の例を説明するための図であり、図21は本発明なる周波数変移変調波の第2の例を説明するための図であり、図22は本発明なる周波数変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【0036】
また、図23は本発明なる位相変移変調波の第1の例を説明するための図であり、図24は本発明なる位相変移変調波の第2の例を説明するための図であり、図25は本発明なる位相変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【0037】
更に、図26〜図28は本発明なる情報記録担体の形状を説明するための図である。
【0038】
また、図29は本発明における参考例2の情報記録担体を示す断面図であり、図30は本発明における参考例3の情報記録担体を示す断面図であり、図31は本発明における参考例4の情報記録担体を示す断面図であり、図32は本発明における第1実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
【0039】
更に、図33は、本発明における第1の再生装置を示すブロック図であり、図34は、本発明における第2の再生装置を示すブロック図である。
【0040】
また更に、図35は、本発明における記録装置を示すブロック図であり、図36は、変調振幅とエラーレートとの関係を示す図である。
【0041】
また、図39は、本発明に係る再生方法の一例を示すフローチャートであり、図40は、本発明に係る記録方法の一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、本発明の最も基本的な構成を図1及び図2を用いて説明する。本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、記録、再生の少なくとも1つが主に光学的な手段により行われる情報記録担体である。例えば相変化記録型情報記録担体、色素型情報記録担体、光磁気型情報記録担体、光アシスト磁気型情報記録担体などである。
【0043】
本発明の情報記録担体1は、凹凸状の微細パターン20が形成された支持体13上に順次形成された記録層12と、透光層11とから少なくともなる。この微細パターン20における凹凸は、略平行溝連続体を形成している。なお、この情報記録担体1の形状は、後述するようにディスク状、カード状或いはテープ状のいずれの形態であっても構わない。また円形であっても、四角形でも、楕円形でも構わない。更に、穴が開けられていてもよいものである。なお、再生光または記録光は、透光層11側より入射される。
【0044】
まず、支持体13、記録層12及び透光層11について詳細に説明する。支持体13は、この上に形成されている記録層12及び透光層11を機械的に保持する機能を有するベースである。支持体13の材料としては、合成樹脂、セラミック、金属のいずれかが用いられる。合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種エネルギ線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができる。なお、これらは金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂であってもよい。
【0045】
また、セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。また、金属の代表例としてはアルミニウムのような透光性を有しない金属板も用いることもできる。なお機械的に保持する必要性から支持体13の厚みは0.3〜3mm、望ましくは0.5〜2mmが好適に用いられる。また、情報記録担体1が円盤状である場合には、従来の光ディスクとの互換性から、支持体13、記録層12,透光層11等の合計厚みが1.2mmとなるように、支持体13の厚みを設計するのが望ましい。
【0046】
記録層12は、情報を読み出し、或いは情報を記録乃至は書き換える機能を有した薄膜層である。この記録層12には、ランド部L又はグルーブ部Gのいずれか一方に情報が記録される。この記録層12の材料としては、相変化材料に代表される、記録前後において反射率変化や屈折率変化、或いはその両方の変化を起こす材料、光磁気材料に代表される記録前後においてカー回転角変化を起こす材料、色素材料に代表される記録前後において屈折率変化や深さ変化又はその両方の変化を起こす材料が用いられる。
【0047】
相変化材料の具体例としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、アルミニウム、シリコン、パラジウム、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にGeSbTe系、AgInTeSb系、CuAlSbTe系、AgAlSbTe系などの合金が好適である。これらの合金に微量添加元素としてCu、Ba,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,Mn,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Ti、V、Ge、Se、S、As、Tl、In、Pd、Pt、Niの群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を合計で0.01原子%以上10原子%未満含有することもできる。なお、各元素の組成は、例えばGeSbTe系としてGeSbTe、GeSbTe、GeSb69Te23、GeSb74Te18、GeSb71Te24、GeSb76Te19、Ge10Sb68Te22、Ge10Sb72Te18があり、GeSbTe系にSn、In等の金属を添加した系があり、AgInSbTe系として、AgInSb66Te26、AgInSb64Te28、AgInSb64Te28、AgInSb64Te28、AgInSb66Te26、AgInSbTe系にCu、Fe、Ge等の金属や半導体を添加した系がある。また、CuAlSbTe系、AgAlSbTe系などがある。
【0048】
また、光磁気材料の具体例としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層12としてもよい。
【0049】
また、色素材料の具体例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素、ポルフィリン色素などを用いることができる。
【0050】
これら記録層12の形成方法としては、気相成膜法または液層成膜法を用いることができる。気相成膜法の代表例としては抵抗加熱型や電子ビーム型の真空蒸着、直流スパッタリングや高周波スパッタリング、反応性スパッタリング、 イオンビームスパッタリング、イオンプレーティング、CVD法等を用いることができる。また液層成膜法の代表例としては、スピンコート法や浸漬引き上げ法等を用いることができる。
【0051】
透光層11は、収束した再生光を光学的歪みの少ない状態で記録層12に導く機能を有する。例えば、再生波長λにおいて透過率を70%以上、望ましくは80%以上有した材料を好適に用いることができる。この透光層11は、光学的な異方性が少ないことが必要であり、再生光の減少を抑制するために、具体的には複屈折が90度(垂直)入射ダブルパスにて±100nm以下、望ましくは±50nm以下とした材料が用いられる。このような特性を有する材料としてポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの合成樹脂を用いることができる。
【0052】
なお、透光層11は、記録層12を機械的、化学的に保護する機能を有するようにしても良い。このような機能を有する材料として、剛性の高い材料を用いることができ、例えば透明セラミック(例えばソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス)や熱硬化性樹脂、エネルギ線硬化樹脂(例えば紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂)が好適に用いられる。なお透光層11の厚みは、情報記録担体1が傾斜した場合の収差を抑える観点から0.4mm以下が望ましく、また記録層12へのスクラッチ傷を防止する観点から0.05mm以上が望ましい。すなわち0.05〜0.4mmの範囲である。より望ましくは0.06〜0.12mmの範囲である。また、厚みの一面中でのバラツキは、対物レンズのNAが大きいことから、球面収差を考慮して、最大で±0.003mmが望ましい。特に対物レンズNAが0.85以上であるとき厚みの一面中でのバラツキは、望ましくは±0.002mm以下とする。更に、特に対物レンズNAが0.9であるとき厚みの一面中でのバラツキは、望ましくは±0.001mm以下とする。
【0053】
次に、本発明の特徴である微細パターン20について図2を用いて説明する。前述したように、微細パターン20は、微視的に略平行な溝連続体からなり、マクロ的に見ると、ライン状のみならず、同心円状であっても、螺旋状であってもよいものである。図2に示すように、微細パターン20における図1の凸部は、ランド部L、図1の凹部は、グルーブ部Gとなる。また、後述するようにランド部Lやグルーブ部Gは蛇行していてよいが、ランド部Lの中心線とグルーブ部Gの中心線が互いに平行を保って形成されている。
【0054】
そして、この情報記録担体1に対して、ユーザがデータ記録を行う場合、ランド部Lまたはグルーブ部Gのいずれか一方にのみに記録が行われる。正確には記録層12のうち、ランド部Lまたはグルーブ部Gのいずれかに対応する部分に記録が行われる。ランド部Lかグルーブ部Gの選択は任意であるが、少なくとも情報記録担体1の面内いかなる場所であっても同じ選択結果(ランド部Lまたはグルーブ部G)を保つのが望ましい。場所によって異なる部分を記録することになると、連続再生が困難になり、記録容量の実質的な低下を招くからである。なお図2及び後続の図3〜図9では、ランド部Lの幅と、グルーブ部Gの幅は図ごとに様々異なって描写されているが、基本的にそれぞれの溝幅に制限があるものではない。
【0055】
図3は、本発明なる情報記録担体1に対し、ランド部Lにのみ記録を行った例を示しており、マーク記録された微細パターン21を図示している。微細パターン21を構成するランド部Lとグルーブ部Gのうち、ランド部Lにのみ記録マークMが記録されている。記録マークMは、マークポジション記録、またはマークエッジ記録により記録が行われる。記録に用いられる信号は、いわゆる(d、k)符号と呼ばれる最短マーク長をd+1、最長マーク長をk+1とした変調信号である。この時、(d、k)変調信号は、固定長符号であっても可変長符号であっても用いることができる。具体的には最短マークを2Tとした(1.7)変調、17PP変調、DRL変調、(1.8)変調、(1.9)変調などを用いることができる。例えば、固定長符号の(1,7)変調の代表例としては、D1,7変調(特願2001−80205に記載)が挙げられる。これはまた、固定長符号であるD4,6変調(特開2000−332613に記載)を基本とした(1.7)変調や(1,9)変調にも置き換えてもよい。なお、先述した17PP変調は、可変長符号の(1,7)変調の1つであり、特開平11−346154号公報に詳しい。また、最短マークを3Tとした可変長符号の(2.7)変調、(2.8)変調、固定長符号の(2.10)変調としてEFM変調、EFMプラス変調、D8−15変調(特開2000−286709号公報記載)なども用いることができる。同様に最短マークを4Tとした変調方式(例えば(3,17)変調)や、5Tとした変調方式(例えば(4,21)変調)なども用いることができる。
【0056】
なお、ここでグルーブ部Gとは、「これでわかる光ディスク」(特許庁編、社団法人発明協会2000年発行)に記載された表4.4−1の定義に従っている。すなわちグルーブ部Gは、「基板表面に記録トラックを形成するために、あらかじめ螺旋状または同心円状に設けられた凹状溝」である。また、ランド部Lも同様に同書の定義に従う。すなわちランド部Lは、「基板表面に記録トラックを形成するために、あらかじめ螺旋状または同心円状に設けられた凸状部」である。なお、ここで「基板」とは、本発明での支持体11に相当する名称である。
【0057】
そして、グルーブ部Gとグルーブ部Gの間隔をピッチP(ランド部Lとランド部Lの間隔も同様にピッチP)とすると、再生スポット径Sに対して、P≦Sの関係を満たすようになっている。なお、ここで再生スポット径Sは、再生に用いるレーザ光の波長λと対物レンズの開口数NAから、S=λ/NAで計算される。言い換えれば、ピッチPは、P≦λ/NAの関係を満たすようになっている。
【0058】
例えば先述の青紫レーザを使用するとλは350〜450nmの範囲であり、高NAレンズを使用するとNAは0.75〜0.9となるから、ピッチPは250〜600nmに設定される。さらにHDTV(High Definition Television)によるデジタル画像を2時間前後収録することを考慮した場合には記録容量が20GB以上必要であるから、ピッチPは250〜450nmが望ましい。特にNAが0.85〜0.9とした場合には、250〜400nmが特に望ましい。特にNAが0.85〜0.9であるとともに、λを350〜410nmとした場合には、250〜360nmが特に望ましい。
【0059】
なお、グルーブ部Gの深さは、λ/8n〜λ/20nが相応しい。ここでnは透光層11のλにおける屈折率である。特に記録層12の反射率が微細パターン20の存在によって減少することから、グルーブ部Gの深さは浅い方が望ましく、再生信号のジッターを劣化させないための限界としてλ/10n以下が適切である。また、ランド部Lまたはグルーブ部Gにトラッキングを行う際のプッシュプル信号の出力がグルーブ部Gの深さと共に増大するから、トラッキングの可能な限界値として、λ/18n以上が適切である。すなわちλ/10n〜λ/18nが最も好適である。
【0060】
このように、本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、記録層12のグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にのみ記録を行うようにしたので、記録が距離を置いて行われ、クロスイレースが低減される。そしてP≦Sとしたので、記録密度の減少も抑えられる。
【0061】
なお、ここでクロスイレース現象について、従来の情報記録担体100と比較して評価を行った結果を紹介する。記録層12の材料に相変化材料を用いた情報記録担体について、第2トラックに記録、再生してその出力を測定後、第1トラックと第3トラックに10回ずつ第2トラックとは別の周波数で記録を行って、再度第2トラックの出力を測定した。そして再生した出力差をクロスイレース量として定義すると、従来の情報記録担体100では最大で−5dBものクロスイレースが認められたのに対し、本発明の参考例1に係る情報記録担体1では、−2dB程度のクロスイレースに抑えられた。言い換えれば本発明の参考例1に係る情報記録担体1を用いれば、従来の情報記録担体100に比較して、3dBもクロスイレースが改善されることになる。
【0062】
また、記録層12の材料に光磁気材料を用いた場合についても同様な評価を行ったところ、従来の情報記録担体100では、4dBの出力減少があるのに対して、本発明の情報記録担体1では、1dBの出力減少しかなかった。言い換えれば、光磁気材料の場合であっても、情報記録担体1を用いれば、従来の情報記録担体100に比較して、3dBもクロスイレースが改善されることになる。
【0063】
更に、記録層12の材料に色素材料を用いた場合についても同様な評価を行ったところ、従来の情報記録担体100では、12dBもの大幅な出力減少があるのに対して、情報記録担体1では、2dBの出力減少しかなかった。言い換えれば、色素材料の場合であっても、情報記録担体1を用いれば、従来の情報記録担体100に比較して、10dBもクロスイレースが改善されることになる。
【0064】
ところで、本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、記録層12のグルーブ部Gまたはランド部Lのいずれかに情報が記録された情報記録担体であるが、そのどちらに情報を記録する方が再生上相応しいか検討したところ、ランド部Lに記録した方が、エラーレートが少なく、書き換え特性も優れるということが分かった。このことは、ランド部Lがグルーブ部Gよりも透光層11に近い側であり、再生光及び記録光が透光層11側から入射することを考えると、ランド部L領域は記録層12を構成する材料の熱流動がある程度抑えられるためではないかと考えられる。
【0065】
図4は本発明の参考例1に係る情報記録担体1に記録及び再生を行う様子を図示したものであり、情報記録担体1がその断面図で図示されている。また、記録装置・再生装置を対物レンズ50bに代表して図示されている。記録にあたっては、記録装置の対物レンズ50bからレーザ光89が出射される。そして、レーザ光89は、平面方向に関しては情報記録担体1の有する微細パターン20のうち、ランド部Lに選択的に集光される。また鉛直方向に関しては、透光層11を介して、記録層12に選択的に集光される。そして、集光された部分にマークMが記録されることになる。すなわち、ランド部Lに相当する記録層12に選択的に記録が行われる。
【0066】
ここで記録とは、先述したとおり、記録層12が相変化材料の場合には反射率変化や屈折率変化、或いはその両方の変化により記録される。また、光磁気材料の場合には、カー回転角変化により記録される。また、色素材料の場合には、屈折率変化や深さ変化又はその両方の変化により記録が行われる。
【0067】
また、再生にあたっては、同様に再生装置の対物レンズ50bからレーザ光99が出射される。そしてレーザ光99は、平面方向に関しては情報記録担体1の有する微細パターン21のうち、ランド部Lに選択的に集光される。また、鉛直方向に関しては、透光層11を介して、記録層12に選択的に集光される。ランド部Lに相当する記録層12には選択的にマークMが記録されているから、集光された部分からマークMを読み出すことができる。
【0068】
以上のように本発明の参考例1によれば、グルーブ部G間又はランド部L間のピッチをP、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとするとき、微細パターン20をピッチP≦λ/NAとなるように形成し、かつランド部L又はグルーブ部Gのいずれか一方に記録を行う構成としたので、クロスイレースを低減することができると共に高密度記録された情報記録担体が得られる。また、本発明の参考例2によれば、本発明の参考例1のうち、ランド部Lに選択的に記録することによってエラーレートが少なく、書き換え特性も優れる情報記録担体が得られる。
【0069】
次に、本発明の参考例1に係る情報記録担体1の第2の目的である、アドレス等の補助情報及び基準クロックの埋め込み方法について説明する。なお、以降は本発明をランド部Lに記録する実施形態に特定して説明を行う。記録型の情報記録担体では、ユーザーの求める任意の場所に正確に記録することが求められる。図2に平面図で示したようなグルーブ部Gとランド部Lが交互に形成されただけの情報記録担体では、記録装置又は再生装置と情報記録担体との相対位置に基づく位置出ししか行えず、正確さを欠く。従って、微細パターン20のどこかにアドレス情報を埋め込むことが必要になる。例えば、公知の光ディスクのように、グルーブ部Gとランド部Lの交互構成を、あるマクロな間隔毎(例えばミリオーダーの間隔毎)に自由平面に置き換え、そこに複数の長さを有するピットを配置することが考えられる。そして、そのピットの長さの組み合わせによって、アドレス情報となす。このような自由平面におけるピットの読み取りは、CDと同様に深さを位相変化として読み出せるので、容易な方法である。しかしながら、このような自由平面をアドレス領域として設けると容量の損失が大きくなる。読み出し信頼性を考慮すると、それは約10%の損失であり、許容し難いものとなる。
【0070】
また、記録型の情報記録担体では、情報記録担体と記録装置の相対速度、すなわち記録速度が記録密度、ひいては信号品質に影響するから、記録速度を正しく設定するための基準クロックを用意する必要がある。基準クロックを記録装置の内部に設けた場合には、様々な諸条件によって相対速度がずれても補正ができないから、基準クロックを情報記録担体の内部に設けることが望ましい。特に、情報記録担体がディスク状であり、CLV(線速度一定)による記録モードの場合には、線速度が時々刻々変化するので、基準クロックを情報記録担体の内部に設けることが必須である。
【0071】
そこで、このような要請に相応しい情報記録担体1の補助情報及び基準クロックの埋め込み方法を提案する。なお、ここで補助情報とは、情報記録担体1の記録層12に対するユーザ記録の際に補助的に用いるデータ列であり、具体的にはアドレス情報から少なくともなる。アドレス情報とは情報記録担体1の場所によって連続変化する番地を表したもので、情報記録担体1の全面に対して割り当てられた絶対アドレス、部分領域について割り当てられた相対アドレス、トラック番号、セクタ番号、フレーム番号、フィールド番号、時間情報などから選ばれるデータである。これらは記録トラック(例えばランド部L)の進行に従って、連続的にインクリメントまたはデクリメントする。この他アドレス情報に伴って、少量のデータからなる特定情報を併せ持ってもよい。特定情報とは、情報記録担体1の面内で共通のデータであり、例えば情報記録担体の種別、情報記録担体のサイズ、情報記録担体の想定記録容量、情報記録担体の想定記録線密度、情報記録担体の想定記録線速度、情報記録担体のトラックピッチ、記録ストラテジ情報、再生パワー情報、製造者情報、製造番号、ロット番号、管理番号、著作権関連情報、暗号作成のためのキー、暗号解読のためのキー、暗号化されたデータ、記録許可コード、記録拒否コード、再生許可コード、再生拒否コードなどから少なくとも選ばれるものである。なお、これら補助情報は、例えば10進法または16進法によって記述されたものを2進法に変換した情報(例えばBCDコードやグレイコード)であってもよい。また、データエラーを防止するためのエラー訂正コードを伴っていてもよい。
【0072】
また、基準クロックは一定時間の区切りを信号上表現するために設けるものであり、記録の際に速度制御のためのクロックを提供するものである。具体的には後述するように単一周波数波からなる。
【0073】
図5は本発明なる補助情報及び基準クロックを埋め込んだ微細パターン20の構造を平面図で示したものである。すなわち微細パターン20は、ランド部Lとグルーブ部Gから構成されており、更に、ランド部L又はグルーブ部Gが蛇行して形成されている。つまり溝の蛇行によって、補助情報及び基準クロックが記録されている。図5ではランド部Lを蛇行させて、補助情報及び基準クロックを記録した様子を図示している。
【0074】
また、本発明なる微細パターン20は、マクロ的には少なくとも2つの区域に分かれており、補助情報領域200及び基準クロック領域300とから少なくともなる。それぞれは先述したとおり溝蛇行されており、補助情報領域200には補助情報が、基準クロック領域300には基準クロックが溝蛇行によって記録されている。そして、これらの領域は途切れることなく連続形成されており、連続再生が可能になっている。図5では、補助情報領域200及び基準クロック領域300の2領域のみ配置された様子を図示しているが、この交互配置が繰り返されて情報記録担体1の微細パターン20全体を構成している。なお、図5では最も好ましい例として、補助情報領域200及び基準クロック領域300は共にランド部に形成しているが、一方をグルーブ部Gとするならば、他方もグルーブ部Gとする必要がある。このように補助情報領域200及び基準クロック領域300を同じ極性で形成することによって、補助情報及び基準クロックが連続して再生できる。
【0075】
ここで、補助情報領域200は、デジタルデータが変調された波によって構成されている。具体的には振幅変移変調波250(250、251、252)、周波数変移変調波260(260、261、262)、位相変移変調波270(270、271、272)のいずれか、またはこれらの変形によって構成されている。図5では、補助情報領域200が周波数変移変調波260(260、261、262)によって構成されている例を特に図示している。
【0076】
これら変調方式については後に詳述するが、振幅変移変調では基本波の有無によって補助情報のデジタルデータが表現(例えば1、0)される。また、周波数変移変調では、基本波の周波数の高低によって、補助情報のデジタルデータが表現(例えば1、0)される。また、位相変移変調では、基本波の位相角度の相違によって、補助情報のデジタルデータが表現(例えば1、0)される。これら変調方式を採用することにより、アドレス等の補助情報を高効率に記録することが可能となり、基準クロック領域200を相対的に長く割り当てることが可能になる。基準クロック領域200が長く割り当てられるということは、情報記録担体1を記録する際に、基準クロックを長時間検出できることになるから、安定した記録を行うことができるようになる。なお、これらの変調の基本波は、正弦波(余弦波)、三角波、矩形波などから選ぶことができる。このうち、正弦波(余弦波)を選択すると、再生時の高調波成分が最小とできるので、電力効率向上及びジッタ抑制ができて好適である。なお、これら変調による信号波形は、そのままランド部L側壁の蛇行として形状記録される。
【0077】
また、基準クロック領域300は、単一周波数波350の連続繰り返しから構成されている。周波数が単一であるから、再生時の相対運動により、回転数に応じた周波数を発生させることが可能であり、基準クロックを生成することができる。そしてその基準クロックを記録時の回転制御に用いることができる。なお、単一周波数の基本波は、正弦波(余弦波)、三角波、矩形波のいずれかから構成される。このうち特に正弦波(余弦波)を選択すると、再生時に高調波成分を最小にできるので、電力効率向上及びジッタ(時間軸方向の揺らぎ)抑制ができて好適である。なお、これら変調による信号波形は、そのままランド部Lの側壁蛇行として形状記録される。
【0078】
このように本発明なる微細パターン20は、補助情報領域200及び基準クロック領域300とから少なくともなり、補助情報と基準クロックが途切れることなく溝蛇行によって記録されている。これらランド部L側壁に蛇行形成記録された補助情報及び基準クロックは、公知の2分割または4分割ディテクタを用い、プッシュプル信号から読み取ることができる。そして記録にあたっては、読み取った基準クロックから、記録時の回転制御を行うことができ、更に補助信号からアドレス情報を抜き出して、特定のアドレスに情報を書き込み、または消去することができる。
【0079】
なお、これら補助情報領域200及び基準クロック領域300は、それぞれの長さが一定しており、交互に配置されているのが、再生上望ましい。一定していない場合には、再生時にどのタイミングでアドレス等の補助情報や基準クロックが検出できるのか予測がつかないため、混乱が生じやすい。しかし、それぞれの長さが一定しており、交互に配置されているならば、一度再生できれば次の信号の到来が推測しやすく、従って取得のタイミングを論理回路で予測し、エラーの少ない補助情報や基準クロックを再生することができる。なお、基準クロック領域300は情報記録担体1の再生時に回転数を制御する重要な信号であるために、できる限り長く形成するのが望ましい。具体的には、補助情報領域200及び基準クロック領域300に対する基準クロック領域300の割合が、50%以上、望ましくは60%以上となるように構成することが必要である。これらの値以下だと基準クロックが短い時間しか取得できないことになるので、回転制御が不連続になり、再生動作が不安定になる。甚だしい場合には再生論理回路上の不整合が発生して、再生を停止してしまうことになる。
【0080】
なお、これら2領域の基本波形状、振幅量は互いに異なっていてよいが、記録回路、再生回路の簡素化及び安定化を考えると、同じであることが望ましい。
【0081】
また、周波数に関しては、補助情報領域200の補助情報が振幅変移変調250または位相変移変調270により形成される場合にはその周波数と、基準クロック領域300の単一周波数波350の周波数は互いに異なっていてよいが、同じであれば記録回路、再生回路が大幅に簡素化できるので望ましい。少なくとも互いに整数倍または整数分の1倍の関係であることが望ましい。
【0082】
また、補助情報領域200の補助情報が周波数変移変調260により形成される場合には、それを構成する2つの周波数と、基準クロック領域300の単一周波数波350の周波数は互いに異なっていてもよい。しかし、周波数変移変調260を構成する2つの周波数のうち1つと、単一周波数波350の周波数は同じであると、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、望ましい。また記録回路、再生回路の簡素化の観点からは、これら3つの周波数が、互いに整数倍または整数分の1倍の関係であるのが望ましい。
【0083】
また、これら2領域の境界には、その区分を明確化するためのスタートビット信号やストップビット信号、同期信号などを溝蛇行として記録してもよい。このような信号としては、所定の長さと、所定の周波数を有した単一周波数波を用いることができる。ただし、その周波数は少なくとも基準クロック領域300を構成する単一周波数波350と異ならせることが必要である。最も相応しいのは、単一周波数波350や、振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270を構成する周波数のいずれとも異なる周波数を有することである。
【0084】
ところで、本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、冒頭で述べたようにディスク状、カード状、テープ状などのその形態は問わないものである。従って略平行溝からなる微細パターン20も、スパイラル状、同心円状、ライン状のいずれの形態であってもよい。このうち特にディスク状の情報記録担体1であり、スパイラル状に記録された微細パターン20の場合には、ランド部Lやグルーブ部Gは、角速度一定(constant angular velocity、CAV)や線速度一定(constant linear velocity、CLV)の様式、あるいは半径毎に異なるゾーンを形成し、各ゾーン毎で制御が異なるZCAV(zone constant angular velocity)やZCLV(zone constant linear velocity)の様式により記録される。例えばCLVで記録する場合には、情報記録担体1面内全域で同じ線速度が保たれる。また、ZCAVで記録する場合には、ゾーン内でCLVが実現され、情報記録担体1全体ではCAVに近い制御が行われる。また、ZCLVで記録する場合には、ゾーン内でCAVが実現され、情報記録担体1全体ではCLVに近い制御が行われる。
【0085】
図6は、ランド部LにCLV記録することを前提としたときの基準クロック領域300の拡大平面図である。記録層12のランド部Lに相当する箇所に記録を行うとすると、ランド部Lから補助情報や、基準クロックを抽出することが必要になるから、ランド部Lに基準クロックとなる単一周波数波350が記録されなければならない。記録光はランド部Lの中心線(図示せず)に沿って走査することを考えると、ランド部Lの両側壁を互いに平行にすることが必要である。すなわち、図6ではランド部Lを3本、グルーブ部Gを2本図示しており、ランド部Lの内周側側壁をLi、外周側側壁をLoとして図示している。また同様にグルーブ部Gの内周側側壁をGi、外周側側壁をGoとする。ここで、ランド部Lの内周側側壁Liとグルーブ部Gの外周側側壁Go、ランド部Lの外周側側壁Loとグルーブ部の内周側壁Giは同じ壁面を指している。そして基準クロックは正弦波信号としてランド部LにCLV記録でされるから、図示したとおり、3つのランド部L同士はほとんどの場合、互いに平行にはならない。しかしながら、両側壁から各々の位相ずれに伴う混信を避けて正弦波信号を正しく抽出するためには、ランド部Lの内周側側壁Liと外周側側壁Loは互いに常に平行になるように作成することが必須となる。これは逆の見方をすると、残りの部分であるグルーブ部Gを構成するグルーブ部Gの内周側側壁Giと外周側側壁Goは、平行にならないことを意味している。
【0086】
一方、図7は、ランド部LにCAV記録することを前提としたときの基準クロック領域300の拡大平面図である。CAV記録の場合には、情報記録担体面内全域で同じ角速度が保たれている。このようにすると、蛇行したグルーブ部G及びランド部Lは互いに常に完全平行とすることができるので、隣接溝とのクロストーク量は常に一定となり、この結果、蛇行周波数の出力変動及び時間軸方向の変動を、最小限に抑制した理想的な再生を行うことができる。すなわち、図6の拡大平面図に示したように、角速度の性質から、ランド部L同士が平行になると同時に、グルーブ部G同士も平行となる。図6ではランド部Lを3本、グルーブ部Gを2本図示しており、ランド部Lの内周側側壁をLi、外周側側壁をLoとする。また同様にグルーブ部Gの内周側側壁をGi、外周側側壁をGoとする。ここでランド部Lの内周側側壁Liとグルーブ部Gの外周側側壁Go、ランド部Lの外周側側壁Loとグルーブ部Gの内周側側壁Giは同じ壁面を指している。例えば先述のように、記録層12のランド部Lに記録を行うとすると、ランド部Lからクロックを抽出することが必要になるから、ランド部Lに基準クロックとなる単一周波数波350が記録される。そしてそのクロックはCAVで記録されるから、図6のとおり、3つのランド部Lは、完全に平行となる。同時に残りの部分であるグルーブ部Gも完全に平行となる。すなわち、正弦波信号を正しく抽出するためにランド部Lの内周側側壁Liと外周側側壁Loは互いに平行になるように作成することが必須となるが、CAV記録では同時にグルーブ部Gの内周側側壁Giと外周側側壁Goも互いに平行になるように作成される。
【0087】
言い換えれば、CLV記録、CAV記録いずれであっても、ランド部L記録においては、少なくともランド部Lを構成する両側壁、すなわちランド部Lの内周側側壁Li及び外周側側壁Loは互いに平行であることが必要である。そして特にCAV記録においては、ランド部Lのみならず、グルーブ部Gを構成する両側壁Gi,Goも互いに平行であり、ランド部Lの内周側側壁Li、ランド部Lの外周側側壁Lo、グルーブ部Gの内周側側壁Gi、グルーブ部Gの外周側側壁Goがすべて平行となる。
【0088】
以上、ディスク状の情報記録担体1であり、スパイラル状に記録された微細パターン20における基準クロック領域300の側壁の形状について述べた。この事情は、基準クロック領域300のみならず、同様な理由により補助情報領域200についても同様である。すなわちCLV記録、CAV記録いずれであっても、ランド部L記録においては、少なくともランド部Lを構成する両側壁、すなわちランド部Lの内周側側壁Li及び外周側側壁Loは互いに平行であることが必要である。本発明なる情報記録担体1では、補助情報領域200と基準クロック領域300とが途切れることなく形成されているから、面内のいずれの場所であってもランド部Lを構成する両側壁、すなわちランド部Lの内周側側壁Li及び外周側側壁Loは互いに平行に形成されている。
【0089】
次に本発明の参考例1に係る情報記録担体1に形成される溝蛇行の蛇行量Δについて説明する。図8は本発明の参考例1に係る情報記録担体1のうち、CLVで形成された微細パターン20を拡大した平面図である。微細パターン20は、正弦波(または余弦波)を基本波とした補助情報領域200と基準クロック領域300とが途切れることなく構成されている。ここで、溝蛇行の中心線が一点鎖線直線で示されており、その中心線同士の距離がピッチPである。また、図7はランド記録の情報記録担体1であり、ランド部Lに焦点を結ぶように再生スポット(または記録スポット)が点線円形で示されている。このスポット径は、先述したようにS(=λ/NA)で表されるものである。また、ランド部Lは蛇行しており、その蛇行幅peak to peakが点線直線で示されている。すなわち、蛇行幅をΔとしている。なお、この情報記録担体1がディスク状の情報記録担体である場合には、その配置は図示したとおり、蛇行方向がディスクの半径方向に対応する。
【0090】
情報記録担体1の再生装置では、再生スポットから補助情報領域200と基準クロック領域300の蛇行振幅を信号として、途切れることなく抽出することができる。すなわち、再生スポットの反射光から、プッシュプル信号を生成することによって、正弦波をベースとした単一周波数波350や、振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270を、ほぼ相似形の信号としてそのまま取り出すことができる。具体的には溝蛇行のトラック方向が再生信号の時間軸方向に変換され、更に溝蛇行の半径方向が再生信号の振幅方向に変換されて再生される。
【0091】
本発明の参考例1に係る情報記録担体1の他の発明は、これら溝蛇行をΔ<Pの範囲で形成するものである。このように形成すると、隣接トラック同士(例えばランド部L同士)が物理的に接触しないので、記録によるクロストークが回避できる。また、情報記録担体1の記録層12に相変化記録材料を選択し、反射率または位相差またはその両方の高低差によって記録を行う場合について、具体的に実験を行った。すなわち、情報記録担体1に対して、相変化記録によるランダムデータを書き込み、プッシュプル法による補助情報の再生を試みたところ、アドレス信号の検出が可能な限界としては、0.01S≦Δであり、0.01Sを下回って作成された溝に対しては、相変化記録によるランダムデータがノイズとして顕著に重畳されて、補助情報のエラーレートが急増した。しかし、0.01S≦Δとすれば、相変化記録による低い反射率状態(例えばアモルファス状態)であっても、充分補助情報が再生できた。ただし、0.15S<Δとした場合には、隣接溝からの再生クロストークの影響が現れ、補助情報信号及び基準クロック信号の時間軸方向の揺らぎが発生し、特に基準クロックの安定性が劣化した。従って、Δ<Pであり、特にΔ<P且つ、0.01S≦Δ≦0.15Sの関係を満たす条件が最も相応しいといえる。
【0092】
なお、図9にはこのような情報記録担体1の記録層12に対して、記録を行った状態の情報記録担体1の微細パターン21を示した。図9に示したように、蛇行したランド部Lに対して、記録マークMが記録されている。記録マークMは変調信号のONまたはOFFを示すものであり、後述するような各種長さのものがある。マークMはまた、先述したとおり記録層12に形成されるものであり、記録層12が相変化材料である場合には、反射率及び位相差、若しくは反射率又は位相差の高低差によって記録されるものである。
【0093】
ところで、プッシュプル信号に溝蛇行の形状が反映される仕組みについて補足しておく。図10は、再生光を情報記録担体1に照射した後、集光するフォトディテクタ9を図示しているが、フォトディテクタ9が4分割ディテクタである場合には、情報記録担体1の半径方向、接線方向に合わせて図のように分割される。そして、接線方向の合計同士を引き算することによって、プッシュプル信号を生成することができる。具体的には、4分割した各素子をA、B、C、Dとし、それぞれが受光して得られる電流をIa、Ib、Ic、Idとすると、(Ia+Ib)−(Ic+Id)で表せる。言い換えれば得られる信号は、半径方向の差分信号である。情報記録担体1の再生装置は、溝の中心、すなわち一点鎖線の中心をトレースするとき、このプッシュプル信号は、中心線に対して半径方向の出力差をとる形になるから、蛇行した形状が、そのまま信号として反映されて再生することができるのである。
【0094】
以上、本発明の参考例1に係る情報記録担体1の全体構成について縷々説明してきた。なお、補助情報記録領域200は、振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270から1つを選択して側壁記録するのみならず、2つ乃至3つの変調方式を選択して、異なる領域にそれぞれ側壁に時分割記録するようにしてもよい。また2つの変調方式を選択して、同じ領域に重畳して側壁に多重記録するようにしてもよい。
【0095】
また、この振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270に対し、単一周波数波を重畳記録してもよい。すなわち、振幅変移変調波250、周波数変移変調波260に対して、それを構成する周波数側と同じ周波数、または異なる周波数を重畳してよい。
【0096】
また、特に周波数変移変調波260に対しては、高周波数側または低周波数側のいずれかの周波数を重畳してもよい。同様に高周波数側または低周波数側のいずれかの周波数の整数倍、または整数分の1の周波数を重畳してもよい。
【0097】
また、位相変移変調波270に対しては、それを構成する周波数の整数倍、または整数分の1の周波数を重畳してもよい。いずれの場合であっても、重畳波から、公知のバンドパスフィルタや位相検出器等によって単一周波数波と振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270を分離することが可能である。例えば、位相変移変調波270に対して実験を試みたところ、単一周波数を重畳記録する際に、位相変移変調の振幅と単一周波数波の振幅比が所定値、1:5〜5:1の範囲内であれば問題なく分離再生できることを確認した。すなわち、これ以外の範囲で試作した場合には、振幅の大きい側は再生できるものの、他方はS/Nが低すぎて再生することができなかった。
【0098】
重畳記録のうち特に、重畳する単一周波数波と、基準クロック領域300の単一周波数波350が同じ周波数であるように構成した場合には、補助信号領域200からも基準クロックが抽出できることになるので、極めて好適である。すなわち長い距離に渡って補助信号領域200が形成されていたとしても、基準クロックは実質的に連続するので、極めて安定した記録が可能となる。
【0099】
ところで、ランド部Lの側壁に形成される補助情報は、高度に分解して分散記録されたものであってもよい。例えばダミーデータ「101」と組み合わせて、「101X」(Xは0か1)というデータの組み合わせで記録し、一定間隔毎にこのデータ列を配置する記録方法である。すなわち図11に示すように、データトリガTrとして「101」が一定間隔ごと(ここでは11ビットごと)に配置され、それに続けてXが配置されている。つまりデータトリガTr直後のXのみを抽出すれば、データを復元できる。この例では、「1」をデータと考えると、データ有、無、有の順に復元できるので、補助情報としては「101」が再生できる。この記録方法は、扱うデータ列について時間をかけて読み込んでもよいフォーマットの場合に有効である。なおここで、一定間隔ごとに抽出される1ビットデータをワードとして定義し、ワードが集積されて補助情報が構成されるとする。
【0100】
なお、この方式の変形として、図12に示すようにデータトリガTrと、データを所定のビット間隔分、離して形成してもよい(アドレス分散記録の第2の例)。ここではデータトリガTrが「11」であり、11ビットごとに配置されている。そしてデータは「101」の有無で一定間隔ごとに記録されている。すなわちデータトリガTrに続いて、4ビットめから6ビットめのデータを取り込むことによって、1ビットのデータが復元される。できる。この例では、データ有、無、有の順に復元できるので、補助情報としては「101」が再生できる。この記録方法は、データトリガTrと、データが離れているので、読み誤りを減らすことができる。
【0101】
また、高度分散記録の第3の例としては、第1の特定データパターン(例えば「11」)を一定間隔毎に配置(記録)しておく。そして第2の特定データパターン(例えば「101」)を、第1の特定データパターンの間に配置する。第2の特定データパターンを配置する位置は、第1の特定データパターンに対して、所定のビット(距離、時間)進んだ位置とし、特に2通りの位置を割り当てておく。すなわち図13の例のように示すように、第1の特定データパターンとして、データトリガTr「11」が一定間隔ごと(ここでは11ビットごと)に配置され、その間に第2の特定データパターン「101」が配置されている。この第2の特定データパターンの配置位置は、3ビットめから5ビットめ、または5ビットめから7ビットめの2通りが用意されていて、そのどちらの位置に配置されているか判定して復号を行う。この例では、3ビットめ開始、5ビットめ開始、3ビットめ開始の順に配置されているから、補助情報としては「101」が再生できる。この記録方法は、データ「101」が読み取れるかどうかを信頼性判定の基準の一つに追加できることから、特に補助情報に高い信頼性を持たせたいときに有効な方法である。
【0102】
このことを換言するならば、補助情報領域に記録されるデータは一定間隔毎に設けられたデータトリガと、このデータトリガ間の所定位置に割り当てられたデータとから少なくとも構成されており、このデータトリガと、データの相対距離によって、補助情報が記録されている情報記録担体である。
【0103】
なお、上記高度分散記録の第3の例の説明では、第1の特定データパターンと第2の特定データパターンを用いて、その位置差を用いた分散記録の方法を説明したが、特定データパターンとして極めて読み取り精度の高いパターンを用意できる場合には、第1の特定データパターンと第2の特定データパターンは同じものとしてもよい。すなわち一定時間間隔で記録された特定データパターンに対して、その時間間隔よりも短い特定パターンを抽出し、更にその距離間隔(時間間隔)を測定することによって、復号するようにしてもよい。具体的には例えば図14に示す第4の例のように、第1の特定データパターンとして、データトリガTr「11」が一定間隔ごと(ここでは11ビットごと)に配置され、その間にデータトリガTrと共通である第2の特定データパターン「11」が配置されている。この第2の特定データパターンの配置位置は、3ビット目から5ビット目、または5ビット目から7ビット目の2通りが用意されていて、そのどちらの位置に配置されているかを判定して復号を行う。この例では、3ビット目に開始、5ビット目に開始、3ビット目に開始の順で配置されているから、補助情報としては「101」が再生できる。この記録方法は、特定データパターンを1つ用意すればよいだけであるので、再生回路を簡素化できるという利点がある。
【0104】
以上、各種高度分散記録について説明してきた。すなわちこの記録方法によれば、いずれの方法にしても補助情報は1ビットずつに分解されたデータとして記録が行われる。具体的には、まず数ビット程度のダミーデータをデータトリガTrとして用意する。続いて単一データの連続からなるデータ列(例えば0の連続)を用意し、データトリガTrが一定間隔ごとに配置されるように、一旦単一データ列で接続する。そして1ビットずつに分解された補助情報は、単一データ列の一部を、所定の規則によって変換するように記録される。すなわち、そしてデータトリガTrより所定の距離進んだ位置のビットを所定の規則によって変換して記録される。
【0105】
一方、再生にあたっては、ランド部Lの側壁から一旦すべてのデータが取り出され、そのデータ列より、一定間隔ごとに配置されたデータトリガTrが検出される。そしてデータトリガTrを除いたデータから、所定の規則と照合して、1ビットのデータ(図11〜図14中の「ワード」に相当)を抽出する。そして抽出した1ビットデータを集積して補助情報が復元される。
【0106】
以上、本発明なる高度分散記録方法と再生方法について記した。ところで、補助情報、特にアドレス情報の場合には、0の連続、または1の連続が多く、読み出しデータ列に直流成分が生じる可能性がある。これを回避するために、予めデータをベースバンド変調して記録する方法を取ってもよい。即ちランド部Lの側壁に蛇行変調して記録するデータ列を、あらかじめ別のコードに置き換えて、0と1の連続を一定値以下にする。そのような方法として、マンチェスタ符号、PE変調、MFM変調、M2変調、NRZI変調、NRZ変調、RZ変調、微分変調などがあり、これらを単独または組み合わせて用いることができる。
【0107】
本発明なる情報記録担体1に特に相応しいベースバンド変調の方法として、マンチェスタ符号(二相変調)がある。これは記録しようとするデータ1ビットに対して、図15のように2ビットを当てはめる方法である。即ち記録しようとするデータ0に対して00または11を、データ1に対して01または10を割り当てる。そしてデータの接続に際しては、必ず前の符号の反転符号から入るようにする。
【0108】
その結果、図16に示すように、100001という補助情報は、010011001101という符号列になる。オリジナルの補助情報は、0の連続を4つ含み、また、0の出現確率は、1の2倍となった非対称なデータである。それに対し変調を行うと、0または1の連続は、最大2つで済み、また0と1の出現確率は等しい対称なデータに変換される。このように同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようなベースバンド変調は、その読み取りの安定性を向上させる効果があるので、長い補助情報を扱う際に相応しい前処理となる。
【0109】
次に本発明の参考例1に係る情報記録担体1に用いる溝蛇行変調波として第1から第3の例を振幅変移変調波250(250、251、252)、周波数変移変調波260(260、261、262)、位相変移変調波270(270、271、272)として順に説明する。
【0110】
本発明なる振幅変移変調波250は、図17に示すようにデータを振幅変移変調によって形状記録するものであり、具体的には溝を一定の周期で蛇行させた振幅部分2501と非振幅部分2500とからなる。言い換えれば、振幅部分2501は溝の蛇行部分であり、非振幅部分2500は溝が蛇行しない部分である。そして振幅部分251と非振幅部分2500はデータビットの1と0にそれぞれ対応する。ここで、振幅部分2501は複数の波から構成されている。その数には制限がないが、多すぎると非振幅部分2500の長さも必然的に長くなるので、再生時にゲートを生成する基本波を検出しにくくなる。従って2〜100波、望ましくは3〜30波が適当である。このように振幅の有無によってデジタルデータ(図17では10110)が記録される。なお記録されたデータの読み取りには、先述のプッシュプル法を用いることができる。また、本発明なる振幅変移変調波250は、振幅部分2501と非振幅部分2500のそれぞれの長さや、その振幅の大きさについて制限を与えるものではない。例えば図17では振幅部分2501の長さは非振幅部分2500よりも長く設定している。
【0111】
また、図18に記載した振幅変移変調波251は振幅部分2511と非振幅部分2510によって構成されており、振幅部分2511の振幅が各々ばらばらであるが、これでも構わない。或いは意図的にその振幅を多段階として、3値以上の多値記録を実現してもよいものである。
【0112】
更に、図19に記載した振幅変移変調波252のように、振幅部分2521の振幅が、各々揃っており、且つ振幅部分2521の長さが、非振幅部分2520の長さと同じになっていてもよいものである。これらのうち、特に0,1の2値によってデータをデジタル記録する場合には、図19に記載したように等方的なレイアウトとした場合が望ましい。すなわち振幅部分2521の高さが揃っており、振幅部分2521と非振幅部分2520との長さを互いに等しくすると、再生時に0,1判定を充分な振幅閾値で行うことができ、なおかつシリーズ化したデータを1つの時間閾値で読み取ることができるので、再生回路が簡単になる。また再生データにジッタがあった場合にも、その影響を最小にできるというメリットがある。また記録するコードが理想的に対称であったとすると、振幅部分2521の総計長さと非振幅部分2520の総計長さは等しくなり、再生信号に直流成分がないことになる。これはデータのデコード及びサーボに負担がかからないことになり、有利である。
【0113】
このように本発明の参考例1に係る情報記録担体1には振幅変移変調波250,251,252により補助情報が記録される。そして、溝の側壁蛇行有無に対応して、0,1を記録するので0,1の判別能力には優れたものがある。すなわち、補助情報は比較的少ないC/Nであっても低いエラーレートを得ることができる。また、ユーザによる記録層12への記録が行われた状態であっても、その記録に伴うランダムノイズの影響は少なくすることができ、低いエラーレートを維持することができる。
【0114】
次に、周波数変移変調波の第1例として周波数変移変調波260を用いた例について説明する。これは、データを周波数変移変調によって形状記録するものであり、具体的には溝を異なる周波数で蛇行させた複数の部分よりなる。具体的には、2値(バイナリ)データの場合、高周波数部分と低周波数部分とを用いて形状記録される。また、n値データの多値とする場合は、n種類の周波数部分を用いた周波数変移変調によって形状記録される。以下、データがバイナリである例について、図20を用いて説明する。図20はデータ1,0,1,1,0を形状記録した一例であり、高周波数部分2601と低周波数部分2600とからなっている。そして高周波数部分2601と低周波数部分2600はデータビットの1と0にそれぞれ対応し、1チャネルビット毎に周波数が切り替わってデジタル記録されている。ここでそれぞれの周波数部分を構成する波の数に制限はなく、1波以上の波で構成される。しかし再生装置において周波数を正しく検知すること、及びデータ転送速度をある程度得るため、冗長になりすぎないことを考慮すると、1〜100波、望ましくは1〜30波の範囲で、前記した各データビットに対応した周波数部分のそれぞれを構成するのが望ましい。また高周波数部分2601と低周波数部分2600それぞれの振幅は一致していてよい。しかし振幅比に制限はなく、再生装置の周波数特性を考慮して、高周波数部分301の振幅を、低周波数部分300よりも大きく形成してもよい。なお、記録されたデータの読み取りには、先述したようにプッシュプル法を用いることができる。
【0115】
また、本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、高周波数部分301及び低周波数部分300で構成されるチャネルビットの物理長さや、その振幅の大きさについて制限を与えるものではない。例えば図20では低周波数部分2600の物理長さは高周波数部分2601より長く設定している。
【0116】
また、図21に記載した周波数変移変調波の第2の例として周波数変移変調波261を用いた場合のように、高周波数部分2611と低周波数部分2610の振幅が、各々揃っており、且つ高周波数部分2611の長さが、低周波数部分2610の長さと同じになっていてもよいものである。このようにすると、再生時に0,1判定を充分な振幅閾値で行うことができ、なおかつシリーズ化したデータを1つの時間閾値で読み取ることができるので、再生回路が簡単になる。また再生データにジッタがあった場合にも、その影響を最小にできるというメリットがある。また、記録するコードが理想的に対称であったとすると、高周波数部分2611の長さ総計と低周波数部分2610の長さ総計は等しくなり、再生信号に直流成分がないことになる。これはデータのデコード及びサーボに負担がかからないことになり、有利である。
【0117】
また図20、図21では高周波数部分2601、2611と低周波数部分2600、2610がそれぞれ、チャネルビットの切り替え点で立ち上がるように接続されている。しかしながらこのとき、50%の確率で位相ジャンプが発生するので、高周波成分が生成され、周波数あたりの電力効率が悪くなる。そこで図22はこのような問題を改善するために、周波数変移変調波の第3の例として周波数変移変調波262のチャネルビット切り替え点で位相連続性が保たれるように、高周波数部分2621と低周波数部分2620を配置した例である。すなわち高周波数部分2621の終了と低周波数部分2620の開始が同じ位相方向になるように低周波数部分2620の開始位相を選択する。また逆も同じで、低周波数部分2620の終了と高周波数部分2621の開始が同じ位相方向になるように高周波数部分2621の開始位相を選択する。このように選択すると、位相の連続性は保たれ、電力効率が向上するとともに、再生エンベロープが一定となるので情報記録担体1に記録された補助情報のデータエラーレートが向上する。このようなチャネルビット切り替え点で位相連続性が保たれるような手法は、図5に示したように、補助情報領域200と基準クロック領域300の間にも適応することでき、そのように相互の波形を配置すれば、補助情報のデータエラーレートは更に向上する。
【0118】
また、高周波数部分2621(2601、2611、2621)と低周波数部分2620(2600、2610、2620)の周波数の選択は任意であるが、情報記録担体1にユーザがデータを記録する周波数帯との干渉を避けるために、高周波数部分2621は低周波数部分2620と比べ、著しく高い周波数にならないことが求められる。一方アドレスデータの再生エラーレートを良好にするために高周波数部分2621と低周波数部分2620の周波数差はある程度有し、分離性を良好に保つことが望ましい。これらの観点から、高周波数部分2621と低周波数部分2620の周波数比(高周波数/低周波数)は、1.05〜5.0の範囲内、特に1.09〜1.67の範囲内であることが望ましい。言い換えると、2つの周波数の位相関係は、基準位相を2πとしたとき、2π±(π/20.5)〜±(π/0.75)の範囲内、特に2π±(π/12)〜±(π/2)(すなわち360±15度〜±90度)の範囲とすることが望ましい。
【0119】
このうち特に、図22の例で示すように周波数比(高周波数/低周波数)を1.5倍とすると、2つの周波数は単一波の位相を−π/2.5(高周波数)と+π/2.5(低周波数)にずらした位相関係となる(すなわち基準位相を2πとしたとき、2π±(π/2.5))。言い換えると360±72度にずらした関係となる。これら2つの周波数は単一の周波数(ここでは0.5)の整数倍(ここでは3倍と2倍)で表現できる。従って復調回路を簡単化できるという利点が生じる。また0.5のウインドを持った回路により、クロックの生成も容易になる。また、復調を同期検波回路により行うこともでき、その場合はエラーレートを著しく減少させることができる。このように本発明の参考例に係る情報記録担体1には周波数変移変調260,261、262により補助情報が記録される。また、蛇行周波数の変化に対応して、0,1を記録するので0,1の判別能力には優れたものがある。すなわち、補助情報は比較的少ないC/Nであっても低いエラーレートを得ることができる。また、ユーザによる記録層12への記録が行われた状態であっても、その記録に伴うランダムノイズの影響は少なくすることができ、低いエラーレートを維持することができる。
【0120】
次に、本発明なる位相変移変調波270は、図23に示すようにデータを位相変移変調によって形状記録するものであり、具体的には溝を一定の周波数で蛇行させた複数の部分よりなる。具体的には、2値(バイナリ)データの場合は、前進位相部分と後退位相部分の2種類で構成し、n値データの多値とする場合は、n種類の位相にそれぞれ対応するn個の位相部分で構成する。以下、データがバイナリである例について、図23を用いて説明する。図23はデータ1,0,1,1,0を形状記録した位相変移変調波の第1の例であり、前進位相部分2701と後進位相部分2700とからなっている。そして前進位相部分2701と後進位相部分2700はデータビットの1と0にそれぞれ対応し、1チャネルビット毎に位相が切り替わってデジタル記録されている。具体的には前進位相部分2701が正弦波のsin0で表され、後進位相部分2700が正弦波のsin(−π)で表される。前進位相部分2701と後進位相部分2700はそれぞれ1波で構成されているが、位相差はπもあるので、エンベロープ検波や同期検波によって充分分離再生することができる。
【0121】
ここで前進位相部分2701と後進位相部分2700の周波数はいずれも同じであるが、それぞれを構成する波の数に制限はなく、1波以上の波で構成される。しかし再生装置において位相を正しく検知すること、及びデータ転送速度をある程度得るため、冗長になりすぎないことを考慮すると、1〜100波、望ましくは1〜30波の範囲で、前記した各データビットに対応した周波数部分のそれぞれを構成するのが望ましい。
【0122】
また、前進位相部分2701と後進位相部分2700のそれぞれの物理長さは同じであっても異なっていてもよい。ぞれぞれの物理長さを同じとすると、再生時にシリーズ化したデータ1つ1つを一定の時間(クロック)で区切ることができるので、再生回路が簡単になる。更に、再生データにジッタがあった場合にも、その影響を最小にできるというメリットがある。
【0123】
また、前進位相部分2701と後進位相部分2700それぞれの振幅は一致していても異なっていてもよいが、再生のしやすさを考慮すると一致していることが望ましい。
【0124】
なお、本発明の参考例1に係る情報記録担体1は、バイナリデータのみならず多値データも扱うことができる。何種類の位相まで扱えるかは、各データビットの位相差をどの程度の細かさまで分離できるかに依っている。本発明人は情報記録担体1から、実験的にその分離限界を求めたところ、位相差がπ/8まで分離できることを確かめた。言い換えると、多値のチャネルビットを構成する多種の位相部分は、それぞれの最小位相差をπ/8〜πまで扱うことが可能である(πはバイナリの最小位相差に相当)。すなわち2値から16値のデータまで扱うことができる。
【0125】
図24は位相変移変調波271に4値のデータを記録した位相変移変調波の第2の例を示すもので、位相部分[sin(−3π/4)]2710、位相部分[sin(−π/4)]2711、位相部分[sin(π/4)]2712、位相部分[sin(3π/4)]2713の4種類の位相を扱う。それぞれの位相部分の最小位相差はπ/2であるので、充分データを分離取得することができる。なおここで、便宜上位相部分[sin(−3π/4)]2710はデータ「1」、位相部分[sin(−π/4)]2711はデータ「2」、位相部分[sin(π/4)]2712はデータ「3」、位相部分[sin(3π/4)]2713はデータ「4」に対応させている。なお、このような多値データの記録にあたっては、多値データを多次元データとしてもよい。例えばデータを2次元の「x,y」とすると、データ「1」をデータ「0,0」、データ「2」をデータ「0,1」、データ「3」をデータ「1,0」、データ「4」をデータ「1,1」と置き換えて扱ってもよい。
【0126】
また、図25は本発明の参考例1に係る情報記録担体1でバイナリデータを扱う位相変移変調波の第3の例を示した図である。すなわち基本波が鋸波になっており、立ち上がりと立ち下がりの非対称な形状と捉える。そしてそれぞれを別々に制御することで位相の違いを表現している。すなわち図25の例では、データ「1」を立ち上がり緩やか、立ち下がり急峻部分2721(以下、下り急峻部分2721と呼ぶ)、データ「0」を立ち上がり急峻、立ち下がり穏やか部分2720(以下、登り急峻部分2720と呼ぶ)として記録している。そしてアドレスデータの例として10110を記録する場合においては、図25のように、下り急峻部分2721、登り急峻部分2720、下り急峻部分2721、下り急峻部分2721、登り急峻部分2720の順で形状記録される。このような登りと下りの角度の違いによってデータを記録する方法は、高帯域フィルタに入力し、微分成分を抽出することで復調でき、低いC/N環境下でも再生できる利点がある。
【0127】
このように本発明の参考例1に係る情報記録担体1には位相変移変調270,271、272により補助情報が記録される。蛇行数の位相変化に対応して、0,1を記録するので0,1の判別能力には優れたものがある。特に位相変移変調は周波数が一定であるために、アドレス復調回路の前段に設けるフィルタを、1つの周波数に特化したバンドパスフィルタとすることができ、ユーザ記録により生じたノイズを含め、あらゆるノイズを効果的に除去することができる。つまり補助情報は比較的少ないC/Nであっても低いエラーレートを得ることができる。また、ユーザによる記録層12への記録が行われた状態であっても、その記録に伴うランダムノイズを効果的に除去することができ、低いエラーレートを維持することができる。
【0128】
以上、本発明になる振幅変移変調250、251、252、周波数変移変調260、261、262、位相変移変調270、271、272の構成及び効果について説明してきた。なお、図17〜図25を用いた説明では、基本波を正弦波として記録する例を説明したが、基本波を余弦波とした記録であってもよい。
【0129】
以上、本発明の参考例1に係る情報記録担体1の構成及び効果について縷々説明してきた。ところで、本発明は図1〜図25の説明なる情報記録担体1に限定されるものではなく、本発明の趣旨に則った種々変形や応用が可能である。図面で示した実施例はお互いに構成要素を入れ替えることも可能であるし、本文で記載した別の構成要素と交換することも可能である。
【0130】
例えば、この情報記録担体1の形状は、ディスク状、カード状或いはテープ状のいずれの形態であっても構わない。また円形であっても、四角形でも、楕円形でも構わない。更に、穴が開けられていてもよいものである。図26の例では、穴が開いたディスク状の情報記録担体1の例を示しており、略平行溝連続体からなる微細パターン20が円弧状に、情報記録担体1の内径、または外径に対し平行に形成されている。なお、この微細パターン20は、円弧状に限らず、同心円状あるいは螺旋状に360度連続して接続されたものであってもよい。また、図27の例では、穴のないカード状の情報記録担体1の例を示しており、略平行溝連続体からなる微細パターン20がライン状に、情報記録担体1の長辺に平行に形成されている。また、図28の例では、穴のあるカード状の情報記録担体1の例を示しており、略平行溝連続体からなる微細パターン20が円状に、形成されている。
【0131】
また、図1を用いて説明した情報記録担体1はこの断面図に限るものではない。すなわち本発明の要点に則って、様々な断面構造の情報記録担体に応用することが可能である。
【0132】
図29〜31は本発明の参考例1を適応した情報記録担体の参考例2乃至参考例4である。例えば図29に示す参考例2のように、図1に記載した透光層11が透光層11aと接着性透光層11bとからなり、これ以外は同一とすることもできる。なお、ここで透光層11aは、前記した透光層11と同様のものである。そして接着性透光層11bは、記録層12と透光層11aを強固に接着するための層であり、波長λの光を70%以上、望ましくは80%以上透過し、接着性または粘着性のある熱硬化樹脂、各種エネルギ線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂などを用いることができる。この接着性透光層11bの厚みは接着力が発現する最低厚みとして0.001mm以上、接着性材料の応力割れの発生防止を考慮して0.04mm以下が望ましく、0.001mm以上、0.03mm以下がより望ましい。更に望ましくは0.001mm以上、0.02mmであるが、情報記録担体2全体の反りをも考慮すると、0.001mm以上、0.01mm以下が最も望ましい。
【0133】
また、例えば図30に示す参考例3のように、図1に記載した微細パターン20の刻まれた支持体13を、平坦な支持体13と微細パターン21が形成された樹脂層14の2層構造体に置き換えてもよい。なお、この樹脂層14は、熱硬化樹脂、各種エネルギ線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂などを用いることができる。この樹脂層14には、再生光が届かないので、透過率は限定されない。樹脂層14の厚さは、情報記録担体3全体の反りを考慮すると0.02mm以下が望ましい。
【0134】
また、例えば図31に示す参考例4のように、図1に記載した微細パターン20の刻まれた支持体13を、平坦な支持体13と微細パターン22を有したパターン転写層15の2層構造体に置き換え、更に透光層11を図29同様に接着性透光層11bと透光層11aとからなる構成に置き換えてもよい。ここでパターン転写層15とは、微細パターン22を具備するための極めて厚みの薄い膜である。このパターン層15の材料としては、金属やその合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)や樹脂から選ばれ、その厚みは5〜200nm程度が選ばれる。樹脂の代表例としては、アルカリ現像可能なノボラック感光樹脂、アルカリ現像可能なポリヒドロキシスチレン感光樹脂などがある。
【0135】
また、図1乃至図31に示した情報記録担体1乃至4の各構成要素は、再生特性を劣化させない範囲内で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。例えば情報記録担体1乃至4を2枚用意し、支持体13同士を互いに対向させて貼り合わせてもよい。また、情報記録担体1乃至4の透光層11上に、記録層12と透光層11をセットでもう一層ずつ重ねてもよい。このようにすれば、情報記録担体1乃至4の容量を約2倍に増すことができる。また、記録層12と透光層11のセットの積層を複数回繰り返して、多層の情報記録担体としてもよい。
【0136】
また、本発明の参考例1乃至参考例4に係る情報記録担体1乃至4は、図示しないが、透光層11の記録層12とは反対側に公知の静電気防止層、潤滑層、ハードコート層などを形成してもよい。静電気防止層の具体的な材料としては、エネルギ線硬化樹脂や熱硬化樹脂などに界面活性剤や導電性微粒子などを分散させたものを用いることができる。潤滑層の具体的な材料としては、炭化水素高分子にシリコンやフッ素を修飾し、表面エネルギを調整した液体潤滑剤を用いることができる。なお、潤滑層の厚みは、0.1nm〜10nm程度が望ましい。
【0137】
また、ハードコート層の具体的な材料としては、波長λの光を70%以上透過する熱硬化樹脂、各種エネルギ線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)、湿気硬化樹脂、複数液混合硬化樹脂、溶剤含有熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0138】
なお、ハードコート層は、透光層11の耐摩耗性を考慮して、JIS規格K5400の鉛筆ひっかき試験値がある一定以上値であることが望ましい。情報記録担体再生装置の対物レンズの最も硬い材料はガラスであり、これを考慮するとハードコート層の鉛筆ひっかき試験値は、H以上が特に望ましい。この試験値以下であるとハードコート層が削れることによる塵埃の発生が著しくなり、エラーレートが急激に悪くなるからである。また、ハードコート層の厚みは、耐衝撃性を考慮して0.001mm以上が望ましく、また情報記録担体1全体の反りを考慮して0.01mm以下が望ましい。
【0139】
また、ハードコート層の別の材料として、波長λの光を70%以上透過し、鉛筆ひっかき試験値H以上のカーボン、モリブデン、シリコンなどの単体やその合金(酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、炭化物の例を含む)を用いることもできる(膜厚1〜1000nm)。
【0140】
更にまた、図示しないが、支持体13の記録層12とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。印刷材料には例えば、各種顔料や染料を含んだ各種エネルギ線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができ、視認性を考慮して0.001mm以上が望ましく、また、情報記録担体1、2、3、4全体の反りを考慮して0.05mm以下が望ましい。
【0141】
また、微細パターン20、21、22のうち、グルーブ部Gとランド部Lはそれぞれ平坦としたが、これに限るものではない。例えばグルーブ部G、ランド部Lの少なくとも一方が、その断面図において、V形状、またはΛ形状としてもよいものである。
【0142】
また、更に情報記録担体1は、その平面上に、記録に用いる所定領域(記録再生領域)以外に、再生専用領域を形成してもよい。この再生専用領域は、ピットで形成してもよいし、振幅変移変調波250、周波数変移変調260、位相変移変調270の少なくとも1つから選択して側壁記録した溝蛇行で形成してもよい。このとき、基準クロック領域300を併せ持ってもよい。また、これらをバーコードで形成してもよい。これらの再生専用領域は、記録または再生にあたって、記録装置または再生装置をチューニングするための情報を提供することができる。また、情報記録担体の個別認別情報や著作権情報、コピー制限情報なども扱うことができる。なお、この再生専用領域の配置位置は任意であるが、ディスク状の情報記録担体であれば、その内周側に再生専用領域、外周側に記録再生領域を配置するようにし、これらが互いに重ならないように形成することが考えられる。特にこれら2つの領域が接して1点で接続され、連続再生が可能となっているのが最も望ましい。
【0143】
また更に、記録に用いる所定領域以外に、情報記録担体1を認識するためのホログラムや目視可能な微細パターンを形成してもよい。
【0144】
また、情報記録担体1乃至4は、再生装置や記録装置への装着性やハンドリング上の保護性を向上するために、情報記録担体全体をカートリッジに入れた構成としてもよい。
【0145】
また、情報記録担体1乃至4がディスク状の場合、その大きさに制限はなく、例えば直径20〜400mmの各種サイズを取ることができ、直径30、32、35、41、51、60、65、80、88、120、130、200、300、356mmなどであってもよい。
【0146】
ところで、情報記録担体1乃至4で用いる記録層12は、図面上単層で示したが、記録特性や再生特性を向上させる目的や保存安定性向上の目的等で、複数の薄膜材料で構成してもよい。以下、次の実施形態を用いて、詳しく説明する。
【0147】
情報記録担体1の記録層12を4層の薄膜材料とした本発明の実施例に係る情報記録担体5について図32を用いて説明する。本発明の参考例1と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図32に示すように、本発明における情報記録担体5は、本発明の参考例1の情報記録担体1の代わりに、微細パターン20を有した支持体13の上に順次形成された反射層121と、第1保護層122と、記録層123と、第2保護層124と、透光層11とからなる。反射層121の材質としては、光反射性を有するAl、Au,Agなどの金属、及びこれらを主成分とし、1種類以上の金属または半導体からなる添加元素を含む合金及びAl,Au,Agなどの金属に金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなどがある。Al,Au,Agなどの金属、及びこれらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率が高いことから好ましい。なお、この反射層121は、記録層123への記録を行なう時の熱伝導を最適化する役割も有することから、ヒートシンク層と呼んでもよいものである。前記した合金として、AlあるいはAgに対し、添加元素として、Si、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、Pd、Zr、Rh等などの少なくとも1種の元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加えたもの、あるいは、Auに対し、添加元素として、Cr,Ag、Cu,Pd、Pt、Niなどの少なくとも1種の元素を合計で20原子%以下1原子%以上加えたものなどがある。とりわけ、耐腐食性が良好でかつ繰り返し性能が向上することから、Alを主成分とし、添加元素を合計で0.5原子%以上3原子%未満としたAl−Cr合金、Al−Ti合金、Al−Ta合金、Al−Zr合金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn合金のいずれかにより構成することが好ましい。前記添加元素としては、金属単体よりも金属あるいは半導体を添加した方が結晶粒が小さくなり再生時のノイズレベルが低下するので好ましい。また、高温高湿下における安定性を改善する上でも添加物を含ませた方がよい。例えば、Al−Ti、Al−Cr、Al−Zr、Al−Si、Ag−Pd−Cu、Ag−Rh−Cu等の合金が上げられる。波長400nm前後の青色半導体レーザを使用するときは、Al系やAg系の合金を用いた方が高い反射率を得ることができる。これら反射層121の厚さとしては、10nm以上300nm以下である。
【0148】
反射層121を形成する金属或いは合金の熱伝導率の大きさによって、この膜厚は変化する。例えば、Al−Cr合金の場合には、Crの含有量が増加するにつれて熱伝導率が低下するため、反射層121の膜厚を厚くしなければ記録ストラテジに適合しなくなる。Cr含有量が多い場合には、記録層123は、加熱されやすく冷却しにくくなり、いわゆる徐冷構造をとることになる。記録ストラテジで記録マークの形成を制御するためには、先頭パルスを短縮したり、マルチパルスを短縮したり、冷却パルスを延長したりの工夫が必要となる。反射層121は、厚さが50nm以上となると光学的には変化せず、反射率の値に影響を与えないが、冷却速度への影響が大きくなる。その厚さを300nm以上にするには製造する上で時間を要するため、熱伝導率の高い材質の反射層121を用いることにより膜厚をなるべく抑制する。反射層121を2層以上に分割すると、情報記録担体5の再生を行った際のノイズレベルを低減することができる。この反射層121は、例えば以下のようにして形成する。支持体13を1枚ずつ搬送し、各層を複数の真空槽で成膜する枚葉式スパッタ装置を用い、全体の膜厚が150nmの反射層121を形成する場合には、1つ目の真空槽で第1反射層を成膜速度2nm/sで形成し、2つ目と3つ目の真空槽で第2及び第3反射層を成膜速度6.5nm/sで形成すれば、10秒間という短時間でディスクを次々と成膜することができる。このように、成膜速度を変更することにより結晶粒を細かくすることができるので、情報記録担体5を再生した際のノイズレベルを低減することが可能となる。
【0149】
第1保護層122及び第2保護層124は、記録時に支持体13、記録層123などが熱によって変形し記録特性が劣化することを防止するなど、支持体13、記録層123を熱から保護する効果ならびに光学的な干渉効果により、再生時の信号コントラストを改善する効果がある。これらの保護層122、124は、記録再生光波長において透明であって屈折率nが1.9≦n≦2.5の範囲にある。第1保護層122と第2保護層124とは、同一の材料、組成でなくてもよく、異種の材料から構成されていてもかまわない。第2保護層122の厚さは、分光反射率の極小値を示す波長を決める。更に、第1保護層122及び第2保護層124は、記録層の結晶化を促進して、消去率を向上する効果もある。これらの保護層122、124の材料としては、ZnS、SiO 、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機薄膜がある。
【0150】
特に、Si,Ge,Al,Ti,Zr,Taなどの金属あるいは半導体の酸化物の薄膜,Si,Ge,Alなどの金属あるいは半導体の窒化物の薄膜,Ti,Zr,Hf,Siなどの金属あるいは半導体の炭化物の薄膜, ZnS,In,TaS,GeS等の金属あるいは半導体の硫化物の薄膜、及びこれらの化合物の2種類以上の混合物の膜が、耐熱性が高く、化学的に安定なことから好ましい。
【0151】
更に、第1保護層122及び第2保護層124の材料としては、記録層121への拡散がないものが好ましい。これらの酸化物、硫化物、窒化物、炭化物は、必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。酸素、硫黄、窒素、炭素含有量を変えることにより屈折率nを制御する。これらの含有量が増加すると、屈折率は低下する。特に、ZnSとSiOの混合膜は、記録、消去の繰り返しによっても、記録感度、C/Nならびに消去率などの劣化が起きにくいことから好ましい。第1保護層122及び第2保護層124の厚さは、それぞれおよそ10〜500nmである。第1保護層122は、C/N、消去率などの記録特性、安定に多数回の書換が可能なことから10〜50nmが好ましい。第1保護層122の厚さが薄いと反射率が増加し、記録感度が低下する。また、反射層121との間隔が狭くなり急冷構造となってマークを形成するのに大きな記録パワーを必要とする。逆に、第1保護層122の厚さが厚くなると、反射層121との間隔が広くなり、徐冷構造となって書き換え性能が劣化し繰り返しオーバーライト回数が減少する。第1保護層122の膜厚は、第2保護層124よりも薄く、いわゆる急冷構造をとり、熱的ダメージを軽減するために膜厚は、2〜50nmとするのがよい。好ましくは第1保護層122の成膜速度は、第2保護層124の成膜速度よりも遅くする。こうすると、書き換えによるジッタの増加が抑制され、書き換え回数が延びる。
【0152】
記録層123の材料は、上述した記録層12と同じ相変化材料を用いることができる。記録層の膜厚は5〜100nm、好ましくは、再生信号を増大させるために、10〜30nmとするのがよい。
【0153】
第2保護層124は、第1保護層122と同じ材料が用いられる。第2保護層124の厚さは、10〜200nmの範囲にある。使用する光源の波長によって最適膜厚は変動するが、好ましくは、再生信号を増大させるために、40〜150nmとするのがよい。記録レーザ光が青色(波長400nm程度)の場合には、40〜60nmにすると変調振幅を増大させることができる。
【0154】
以上のように、本発明によれば、参考例1の効果に加え、情報記録担体5の記録特性や再生特性を向上させることができる。なお、これら積層構造は、情報記録担体1のみならず、情報記録担体2乃至4に適応してもよい。また記録特性、再生特性をより一層向上させるために、更なる補助的な薄膜を各層の層上または層間に形成してもよい。
【0155】
以上、本発明の参考例に係る情報記録担体1乃至4と、本発明の実施例に係る情報記録担体5について、縷々説明してきた。次に、情報記録担体1乃至5を再生する第1の再生装置40について図33を用いて説明する。ここでは、説明を簡素化するために情報記録担体1を用いることにするが、その他の情報記録担体(情報記録担体2、3、4、5)の場合も同様である。
【0156】
図33に示すように、第1の再生装置40は、情報記録担体1乃至情報記録担体5の記録層12又は記録層123を再生するための再生装置であって、再生光の波長λが350nm〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた再生手段と、前記再生光を前記ランド部に対してのみ照射して再生を行わせるように前記再生手段を制御する制御手段とを少なくとも有することを特徴とする再生装置である。すなわち、具体的には、情報記録担体1からの反射光を読み取るピックアップ50と、この情報記録担体1を回転するモータ51と、ピックアップ50及びモータ51の駆動を制御するサーボ52と、ピックアップ50で読み取った情報信号を復調する復調器54と、復調器54で復調した信号を外部に送出するインターフェース(I/F)55と、全体を制御するコントローラ60とから少なくともなる。ここで、復調器54とは、例えば再生信号がDVDで使用されているEFMプラス変調(8−16変調)であれば、16ビットデータを、オリジナルの8ビットデータに戻す操作を行うデジタル変換器である。
【0157】
なお、ターンテーブル53と情報記録担体1とは中心穴Qを填めあいにして接続されているが、これらは固定接続でもよいし、自由に着脱できる半固定接続でもよい。また、情報記録担体1は、カートリッジに装着されたものであってもよく、中央に開閉機構がある公知のカートリッジをそのまま用いることができる。
【0158】
モータ51は、ターンテーブル53と接続されており、ターンテーブル53と情報記録担体1とは中心穴Qを填めあいにして接続されている。モータ51はターンテーブル53を介し、情報記録担体1を保持し、再生のための相対運動を付与する。信号出力は図示しない外部出力端子に接続されていてもよいし、図示しない表示装置や、オーディオ装置、印字装置に直接接続されていてもよい。
【0159】
ピックアップ50は、λ=350〜450nmの間の単一波長、望ましくは400〜435nmの間の単一波長で発光する発光素子50aと、及び開口数0.75〜0.9の対物レンズ50bと、情報記録担体1からの反射光を受光する図示しないフォトディテクタ9を備えている。そして、これらによって再生光99を形成するものである。前記した発光素子50aは、窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよいし、第2高調波生成素子を有したレーザであってもよい。サーボ52は、図面の説明上1つとしたが、ピックアップ50駆動制御用サーボ、及びモータ51駆動制御用サーボの2つに分けてもよい。復調器54には、図示しない公知のイコライザとPRML(Partial Response Maximum Likelihood)復号回路が内蔵されていてもよい。例えばイコライザ(波形等化器)として、非線形な入出力特性を有する複数の変換系が独立した可変重みで結合されて、ニューラルネットワークを構成する、いわゆるニューラルネットイコライザ(特許第2797035号)や、再生信号の振幅レベルを所定値に制限してからフィルタリング処理する、いわゆるリミットイコライザ(特開平11−259985号公報)、再生信号と波形等化目標値との誤差を求めて、それを最小とするように波形等化器の周波数を適応的に可変する、いわゆる誤差選択型イコライザ(特開2001−110146号公報記載)などを特に好適に用いることができる。また、公知のPRML復号回路のうち、予測値制御/等化誤差演算回路を含み、ビタビ・アルゴリズムの復号に用いる予測値を演算するとともに、波形等化器の等化誤差を最小とするように周波数特性を最適化する、いわゆるアダプティブビタビデコーダ(特開2000−228064号公報、及び特開2001−186027号公報)を特に好適に用いることができる
次に、第1の再生装置40の動作について説明する。まず、情報記録担体1をターンテーブル53に装着する。続いて、ピックアップ50の発光素子50aから対物レンズ50bを介して、再生光99を出射し、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる。具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。そして、微細パターン20からの反射光を図示しないフォトディテクタ9で受光して記録信号を読み取る。ここでフォトディテクタ9は図10に記載したように、4分割に分割されており、すべての分割検出器出力の総和信号(いわゆるIa+Ib+Ic+Id)が、復調器54に送られる。この記録信号の読み取りは、微細パターン20上に記録(例えばランド部Lのみに記録)されている記録マークMを再生することによって行われることになる。
【0160】
なお、説明を省略したが、フォーカスにはフォーカスエラー信号を生成し、トラッキングにはトラッキングエラー信号を生成する必要がある。フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号は、4分割フォトディテクタ出力の半径方向の差分信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic+Id))によって生成され、サーボ52に送られる。そして、コントローラ60の制御に基づいて、受信したフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号より、サーボ52内でフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号を生成してピックアップ50に送る。一方、サーボ52からは回転サーボ信号も生成して、モータ51に送る。
【0161】
そして、復調器54では、前記した記録信号を復調し、必要に応じて誤り訂正を行い、得られたデータストリームをインターフェース(I/F)55に送る。そして、コントローラ60の制御に基づいて信号を外部に送出する。
【0162】
以上のように、本発明における再生装置40によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光99に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再生することができる。第1の再生装置40は、記録層12、123に記録された情報を読み出すための再生装置であり、特に長時間にわたって連続して記録されたコンテンツを再生することができる。例えばビデオレコーディングされたHDTV番組や映画の再生に用いることができる。
【0163】
次に、本発明なる第2の再生装置41について、図34を用いて説明する。ここでは、情報記録担体としては、情報記録担体1を用いた場合について説明するが、それ以外でも同様である。第2の再生装置41は、図33に示す第1の再生装置40において、ピックアップ50とコントローラ60との間にピックアップで読取った補助情報復調器56、基準クロック復調器57を備えたものであり、それ以外は同様である。そして、例えば、ビデオレコーディングされたHDTV番組や映画の頭出し再生や、データの記録されたコンピュータデータの頭出し再生のための再生装置である。
【0164】
前述したとおり、ピックアップ50から復調器54へ送られる信号は、図示しない4分割フォトディテクタのすべての分割ディテクタ出力の総和信号(いわゆるIa+Ib+Ic+Id)である。一方、ピックアップ50から情報復調器56へ送られる信号は、4分割フォトディテクタの半径方向の差分信号(いわゆる(Ia+Ib)−(Ic+Id))である。情報記録担体1に溝蛇行として形状記録された補助情報及び基準クロックは、その蛇行が半径方向になされているために、この差分信号をモニターすることで抽出できる。
【0165】
補助情報復調器56の具体的な構成は、振幅変移変調復調器、周波数変移変調復調器、位相変移変調復調器の少なくとも1つからなるものである。具体的には、振幅変移変調復調器の場合には包絡線検波回路など、周波数変移変調復調器の場合には周波数検波回路や同期検波回路など、位相変移変調復調器の場合には同期検波回路や遅延検波回路、包絡線検波回路などを好適に用いることができる。4分割フォトディテクタの半径方向の差分信号から、補助信号領域200を構成する振幅変移変調波250、周波数変移変調波260、位相変移変調波270が入力されて、これらが復号される。ところで半径方向の差分信号には、総和信号が少ないながら洩れ込んでくることがある。これを避けるために、補助信号の周波数帯域に合わせたバンドパスフィルタを補助情報復調器56の前に接続してもよい。
【0166】
基準クロック復調器57の具体的な構成は、スライス回路から少なくともなるものである。4分割フォトディテクタの半径方向の差分信号から、基準クロック領域300を構成する単一周波数波350が入力されて、これを適宜スライスすることによって二値化される。この時、補助信号領域200からの信号と分離するためにバンドパスフィルタを基準クロック復調器57の前に接続してもよい。二値化された信号は、ターンテーブル53の回転数を決定すべく、コントローラ60、サーボ52を介してモータ51の回転が制御される。なお、二値化した信号を増幅や、波形変換、波形整形、分周すべく、増幅器、波形変換器、波形整形器、分周器などを接続してもよい。
【0167】
なお、補助情報復調器56と基準クロック復調器57は、差分信号を分配するように接続されるが、S/Nを劣化させないため、または読み誤りを減らすために、図示しないスイッチング回路をこれらの前段に設けてもよい。補助情報領域200と基準クロック領域300が一定間隔毎に配置されていれば、読み出し及び信号認識により、次の読み出し信号の予測が論理的に決定できるので、スイッチング回路を構成することができる。また、補助情報領域200と基準クロック領域300の間に、スタートビット信号やストップビット信号が配置されている場合には、これらを参照することによって、次の読み出し信号の予測が論理的に決定できるので、スイッチング回路を構成することができる。
【0168】
次に、第2の再生装置41の動作について、図34及び図39を用いて説明する。再生装置41の動作、すなわち情報記録担体1の再生装置41を用いた再生方法は、図40に記載したように、情報記録担体1をターンテーブル53に装着するステップ(ステップP1)、情報記録担体1に形成された微細パターン20にピックアップ50からの再生光99を集光し、フォーカシングするステップ(ステップP2)、トラッキングを行うステップ(ステップP3)、再生光99が記録層12にて反射して得られる反射光から差分信号を生成するステップ(ステップP4)、差分信号から基準クロック信号を抽出するステップ(ステップP5)、抽出した基準クロック信号からモータ51の回転制御を行うステップ(ステップP6)、差分信号から補助信号を抽出するステップ(ステップP7)、抽出した補助信号からアドレス情報を抽出するステップ(ステップP8)、抽出したアドレス情報と、外部から入力されたアドレス情報とからピックアップ50の位置制御を行うステップ(ステップP9)と、総和信号を復調して再生するステップ(ステップP10)、とから少なくともなる。
【0169】
具体的にはまず、情報記録担体1をターンテーブル53に装着する(ステップP1)。続いてピックアップ50の発光素子50aから対物レンズ50bを介して、再生光99を出射し、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる(ステップP2)。これは具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う(ステップP3)。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いてピックアップ50からの半径方向の差分信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を生成する(ステップP4)。生成した差分信号は、基準クロック復調器57に送り、クロック信号を生成する(ステップP5)。そして先述したように、ターンテーブル53の回転数を決定すべく、コントローラ60に信号が送られ、サーボ52を介してモータ51の回転が制御される(ステップP6)。
【0170】
差分信号は同時に、補助情報復調器56にも送られ、補助情報が読み取られる(ステップP7)。このとき、各種補助情報のうち、アドレス情報に着目し、抽出を行う(ステップP8)。そして抽出したアドレス情報を、コントローラ60に入力されているデータを頭出しするためのアドレス情報と照合する。ここで一致が見られない場合には、コントローラ60はサーボ52に信号を送りサーチの指示を行う。サーチはピックアップ50の半径方向スキャンを行いながら、モータ51の回転数を半径移動に伴って、半径に見合う回転数に設定しなおす。そしてスキャンの過程では、ピックアップ50からの差分信号を受けている補助情報復調器56から出力されるアドレス情報が、所定のアドレス情報と照合され、これらが一致するまでサーチが続けられる(ステップP9)。一致が見られると、半径方向のスキャンは中止され、総和信号(Ia+Ib+Ic+Id)の連続再生に切り替えられる(ステップP10)。総和信号(Ia+Ib+Ic+Id)が入力された復調器54からの出力は、頭出しして得られたデータストリームの復調となり、インターフェース(I/F)55に入力される。そしてコントローラ60の制御に基づいて信号を外部に送出する。
【0171】
以上のように、本発明における第2の再生装置41及びステップP1〜P10からなる再生方法によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光99に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1を良好に再生することができると同時に、補助情報をも再生して、データストリームの頭出し再生を行うことができる。
なお、補助情報に、アドレス情報以外に、再生パワーに関する情報を含む場合には、読み取った補助情報から、これら再生パワー情報を抽出して、発光素子50aのパワーの設定値を設定、又は更新するようにしても良い。
【0172】
ところで、対物レンズ50bのNAが大きいことから、情報記録担体1の透光層11の厚み誤差により生ずる球面収差は非常に大きなものとなる。従って、ピックアップ50内において、光学系を調整することによって、球面収差の補正を行ってもよい。具体的には、例えばステップP2において、フォーカスを行った後に、差分信号を観察して、その出力が最大となるように光学系を調整することで行える。例えばピックアップ50内にあらかじめ補正レンズを有した構成としておけば、その補正レンズと他の光学素子(例えば対物レンズ50b)との距離を可変することによって、差分信号の最大点を見出すことが可能になる。
【0173】
また、球面収差の補正は、総和信号を観察して行ってもよい。具体的には、ステップP10において、総和信号を観察してその出力が最大となるように先述の手法によって光学系を調整することで補正を行うことができる。
【0174】
なお、差分信号を観察して行う球面収差補正は、あらかじめ決めた特定領域の微細パターンの差分信号を観察するようにして行ってもよい。また、総和信号を観察して行う球面収差補正は、あらかじめ決めた特定領域のランド部Lまたはグルーブ部Gに、テストデータを記録しておき、この総和信号を観察するようにして行ってもよい。特にこれら球面収差補正は、情報記録担体1がディスク状である場合には、ユーザーがデータを記録再生しない内周部で行うのが望ましい。
【0175】
次に、本発明なる記録装置90について図35を用いて説明する。ここでは、情報記録担体としては、情報記録担体1を用いた場合について説明するが、それ以外でも同様である。記録装置90は、情報記録担体1乃至情報記録担体5の記録層12又は記録層123に記録するための記録装置であって、記録光の波長λが350nm〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた記録手段と、記録光を前記ランド部にのみ照射して記録を行わせるように前記記録手段を制御する制御手段とを少なくとも有することを特徴とする記録装置である。すなわち、具体的には、図34に示す第2の再生装置41において復調器54の代わりに変調信号を情報記録担体1の記録に相応しいように変形する波形変換器83とオリジナルデータを変調する変調器82を直列に接続したものであり、それ以外は同様である。この記録装置90は、例えば、所定のアドレスに新規にコンピュータデータを記録したり、所定のアドレスより連続してHDTV番組や映画をビデオレコーディング記録したりするための記録装置である。
【0176】
変調器82は、例えばEFMプラス変調であれば、オリジナルデータの8ビットを16ビットに変換する変調器である。また波形変換器83は、変調器82から受け取った変調信号を情報記録担体1の記録に相応しいように変形する。具体的には情報記録担体1の記録層12の記録特性に合わせた記録パルスに変換する変換器であり、例えば記録層12が相変化材料である場合には、いわゆるマルチパルスが形成される。即ち、変調信号をチャネルビットもしくはそれ以下の単位に分割され、パワーを矩形波状に変化させるものである。ここで、マルチパルスを構成するピークパワー、ボトムパワー、イレイスパワー、パルス時間などがコントローラ60の指示に従って設定される。
【0177】
次に、記録装置90の動作について図35及び図40を用いて説明する。記録装置90の動作、すなわち情報記録担体1の記録装置90を用いた記録方法は、図40に記載したように、情報記録担体1をターンテーブル53に装着するステップ(ステップR1)、情報記録担体1に形成された微細パターン20にピックアップ50から出力される再生光99を集光し、フォーカシングするステップ(ステップR2)、トラッキングを行うステップ(ステップR3)、再生光99が記録層12にて反射して得られる反射光から差分信号を生成するステップ(ステップR4)、差分信号から基準クロック信号を抽出するステップ(ステップR5)、抽出した基準クロック信号からモータ51の回転制御を行うステップ(ステップR6)、差分信号から補助信号を抽出するステップ(ステップR7)、抽出した補助信号からアドレス情報を抽出するステップ(ステップR8)、抽出したアドレス情報と、外部から入力されたアドレス情報とからピックアップ50の位置制御を行うステップ(ステップR9)と、入力信号を復調し、記録光を照射するステップ(ステップR10)、とから少なくともなる。
【0178】
具体的にはまず、情報記録担体1をターンテーブル53に装着する(ステップR1)。続いて、ピックアップ50の発光素子50aから対物レンズ50bを介して、再生光99を出射し、情報記録担体1の微細パターン20に集光させる(ステップR2)。具体的には透光層11の厚みに相当する0.07〜0.12mmの深度にある微細パターン20にフォーカスを行う。続いてグルーブ部G、ランド部Lのいずれか一方にトラッキングを行う(ステップR3)。このトラッキングはあらかじめ定めておいた側を選んで行うが、前述したとおり、ランド部Lを選択するのが最もよい。続いてピックアップ50からの半径方向の差分信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を生成する(ステップR4)。生成した差分信号は、基準クロック復調器57に送り、クロック信号を生成する(ステップR5)。そして先述したように、ターンテーブル53の回転数を決定すべく、コントローラ60に信号が送られ、サーボ52を介してモータ51の回転が制御される(ステップR6)。
【0179】
差分信号は同時に、補助情報復調器56にも送られ、補助情報が読み取られる(ステップR7)。このとき、各種補助情報のうち、アドレス情報に着目し、抽出を行う(ステップR8)。そして抽出したアドレス情報を、コントローラ60に入力されているデータを頭出しするためのアドレスと照合する。ここで一致が見られない場合には、コントローラ60はサーボ52に信号を送りサーチの指示を行う。サーチはピックアップ50の半径方向スキャンを行いながら、モータ51の回転数を半径移動に伴って、半径に見合う回転数に設定し直す。スキャンの過程では、ピックアップ50からの差分信号を受けている補助情報復調器56から出力されるアドレス情報が、所定のアドレス情報と照合され、これらが一致するまでサーチが続けられる(ステップR9)。一致が見られると、半径方向のスキャンは中止され、記録動作に切り替えられる。即ち、インターフェース(I/F)81から入力されたデータが、コントローラ60の制御に基づいて変調器82によって変調される。続いて、コントローラ60の制御に基づいて変調されたデータが波形変換器83に入力され、記録に相応しい様式に変換されてピックアップ50に出力される(ステップR10)。
【0180】
ピックアップ50では、波形変換器83で設定された記録パワーに変更して、記録光89を生成し、情報記録担体1に照射される。このようにして情報記録担体1の所定のアドレスに記録が行われる。なお、記録中も記録光89によって半径方向の差分信号((Ia+Ib)−(Ic+Id))を読み取ることは可能であり、補助情報復調器56よりアドレスを抽出することができる。従って、ユーザー希望のアドレスまでの限定した領域記録も可能である。
【0181】
以上のように、本発明における記録装置90及びステップR1〜R10からなる記録方法によれば、情報記録担体1を装着しており、これらはλ=350〜450nmの間の単一波長を有する発光素子50aと、開口数NA0.75〜0.9の対物レンズ50bによって生成される再生光99及び記録光89に適合して設計されたものであるから、情報記録担体1に良好に記録することができると同時に、補助情報をも再生して、記録のための任意位置出しを行うことができる。なお、補助情報に、アドレス情報以外にマルチパルス発生のための記録ストラテジーに関する情報(例えばピークパワー、イレイスパワー、パルス間隔等の情報)を含む場合には、読み取った補助情報から、これらストラテジー情報を抽出して、波形変換器83の設定値を設定、又は更新するようにしても良い。
【0182】
また、上述した記録方法と再生方法を組み合わせることも可能である。例えばステップR1〜R10からなる記録方法によって、情報記録担体1に記録を行った後、記録後のデータが正しく記録できたかどうか、再生によって確認するステップを追加してもよい。この確認するステップは、記録した領域を、再生光99によって再生することによって行われ、再生される記録に供したデータと、再生されるデータを照合することによって行われる。なお、この時、補助情報からアドレス情報を抽出して、アドレス情報との対照ができるようになっている。そして、照合によって、正しい記録のできていないデータが見つかった場合には、そのデータに相当するアドレス情報を情報記録担体1の内周部及び/または外周部の特定の領域に記録するようにする。すなわち、記録に続いて、再生による確認を行い、エラーが判明した場合は、情報記録担体1の特定領域にそのアドレス情報を記録する。このようにすれば、ユーザーが記録したデータを再生する際に、その特定領域を参照することによって、エラーのあるアドレス情報を知ることができ、更にそのアドレス情報に相当するデータのみを除去した再生を行うことが可能になる。従ってエラーのない再生が可能になる。
【0183】
また、照合によって、正しい記録のできていないデータが見つかった場合には、そのデータに相当するアドレス情報を情報記録担体1の内周部及び/または外周部の特定の領域に記録するようにするとともに、欠損したデータを別のアドレス情報の箇所に記録するようにしてもよい。このようにすれば、エラーのない再生を行えるばかりか、欠損部分を補って、完全なデータを復元することができ、より効果的である。
【0184】
ここで、再生装置40、41に用いる発光素子50aについて述べておくと、発光素子50aは、窒化ガリウム系化合物半導体レーザであってもよいし、第2高調波生成素子を有したレーザであってもよいとした。しかしながら、これら2つの異なるレーザは、それぞれの固有のレーザノイズを有し、特に窒化ガリウム系化合物半導体レーザの場合は、ノイズレベルが高いという特徴を持つ。我々の測定では、第2高調波生成素子を有したレーザRIN(Relative Intensity Noise)が−134dB/Hzであり、これはDVDで用いられる赤色半導体レーザ(λ=約650nm)とほぼ同等のノイズを有する。
【0185】
一方、窒化ガリウム系化合物半導体レーザの場合は、RINが−125dB/Hzであり、これは第2高調波生成素子を有したレーザRINと比べて、9dBも大きい。このノイズは、情報記録担体1からの再生信号にそのまま加算され、再生信号のS/Nを著しく悪くする。すなわち、再生装置40、41の発光素子50aに窒化ガリウム系化合物半導体レーザを採用した場合は、信号特性が劣化するので、DVDで得た設計指針を比例的にシフトして適応できないことを意味する。従って、このような再生装置40、41の場合には、情報記録担体1からの再生信号に、レーザ固有のノイズが加算されることを考慮して、その劣化分を補った信号特性を有する情報記録担体を用意する必要がある。
【0186】
次に、本発明における実施形態の情報記録担体5について、反射層121、第1保護膜122,記録層123、第2保護膜124の材料及び膜厚を変えながら各種作製し、発光素子50aに窒化ガリウム系化合物半導体レーザ(RIN:−125dB/Hz)を採用した第1の再生装置41による再生を行って、変調振幅と再生信号のエラーレートとの関係について調べた。なお、情報記録担体5の記録は、記録装置90により、最もエラーレートが下がる、理想的な記録条件で行った。
【0187】
再生変調振幅は、再生信号の出力ともいえ、記録層12、123が相変化記録材料の場合には、クリスタル−アモルファス間の反射率コントラストと相関のある指数である。具体的には、情報記録担体5に、情報記録担体記録装置90によって、先述の(d、k)符号と呼ばれる変調信号を記録して、得られるものである。
【0188】
変調振幅は、再生装置41に情報記録担体5を平坦に装着(傾きゼロ)して記録信号を再生し、ピックアップ50から出力されたDC系の再生信号をオシロスコープに接続して、(d、k)符号で使用する最長長さの信号(k+1)から求める。例えば、DVDで使用する8/16変調の場合には、最長長さが14Tであるから、規格(JIS規格X6241:1997)で規定されているようにI14LとI14Hを測定して、変調振幅、即ち(I14H−I14L)/I14Hを計算する。一方、17PP変調の場合には、最長長さ(k+1)が8Tであるから、I8LとI8Hを測定して、変調振幅、即ち(I8H−I8L)/I8Hを計算する。また、D4,6変調の場合には、最長長さ(k+1)が10Tであるから、I10LとI10Hを測定して、変調振幅、即ち(I10H−I10L)/I10Hを計算する。また、エラーレートは、復調器54を通して得られた再生信号を測定して求める。
【0189】
記録装置90によって、17PP変調を記録し、再生装置40によって変調振幅及びエラーレートを測定した結果を図36に示す。図36に示すように、変調振幅とエラーレートは、明確な相関関係があり、変調振幅が小さくなるとエラーレートは著しく大きくなることが分かる。実用的なエラーレートをDVD等で定める3×10−4に設定すると、必要な変調振幅は0.34以上となる。
【0190】
また、情報記録担体5は、使用環境の温度変化等により反ることがある。従ってDVDと同様の、0.7度程度の傾きが起こりうると仮定すると、λ=350〜450nm、NA=0.75〜0.9、透光層11の厚み0.07〜0.12mmが複合的にもたらすコマ収差より、エラーレートは増大することになる。
【0191】
0.7度傾き付加時のエラーレートが3×10−4となるのは、傾きゼロ時の0.7×10−4に相当することが実測結果より分かった。即ち、実使用時の傾きを考慮すると、0.7×10−4のエラーレートが必要である。このことから実用的な変調振幅は、0.4以上であることが分かった。
【0192】
このように、窒化ガリウム系化合物半導体レーザを発光素子として用いた場合に再生信号にノイズが加算されることを考慮して、情報記録担体5を変調振幅が0.4以上になるようにした構成にすれば、エラーレートをDVDの仕様程度にすることができ、実用的となる。
【0193】
なお、図36のような、変調振幅とエラーレートの相関関係は、前述した(d、k)符号のうち、どの変調方式を用いてもほぼ同様な結果が得られることが実験の結果分かっている。変調方式により最長マーク長(k+1)は変わりうるが、これら変調方式ではおよそ6T以上となると信号出力がほぼ飽和して、一定値を取るからである。従って、例えば情報記録担体1に17PP変調で記録を行い、求めた変調振幅と、D4,6変調で記録を行い、得られる変調振幅とは、同じ値が得られる。情報記録担体1の代わりに、情報記録担体5としても同様である。
【0194】
次に、より具体的に、以下実施例1〜5を用いて説明する。なお、比較のために比較例1〜3のサンプルも作製した。
【0195】
実施例1
相変化記録型情報記録担体5として、支持体13に厚さ1.1mmのポリカーボネートを用い、反射層121にAg98PdCu、第1保護層122にZnSSiO2(80:20、mol%)、記録層123にAgInSbTe、第2保護層124にZnSSiO2(80:20、mol%)、透光層11としてポリカーボネート0.10mmを用いて作製した。この情報記録担体5のランド部Lには、補助情報領域200及び基準クロック領域300が途切れることなく連続して形成されている。補助情報領域200は、基本波を正弦波(余弦波)とした周波数変移変調波262からなり、2π±(π/2.5)であり、さらに周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択されて、溝蛇行によって側壁形状記録されている。また基準クロック領域300には、基本波を正弦波(余弦波)とした単一周波数波350が、溝蛇行によって側壁形状記録されている。
【0196】
この情報記録担体5は、λ405nm、NA0.85を想定して設計したものであり、ランド部L間のピッチPは、0.32μmとした。なお、反射層121及び記録層123は直流スパッタリング法により、第1保護層122及び第2保護層124は交流スパッタリング法により、5mTorrのアルゴンガス雰囲気で形成したものである。なお、スパッタリングに用いる真空槽はあらかじめ1×10−6Torr以下に充分排気して用いている。また、完成した情報記録担体5は、透光層11側よりレーザ光を照射して、記録層123を反射率の低いアモルファス状態から、反射率の高い結晶状態へ相変化させて、初期化を行った。
【0197】
この情報記録担体5をλが405nm、NAが0.85のピックアップを有した記録装置90に装着し、ランド部Lに対し、記録信号を17PP変調とし、最短マーク長(=2T)を0.149μmとした変調信号により記録を行った。なお、記録に際しては、情報記録担体5の基準クロック領域300から再生した差分信号を、基準クロック復調器57に導き、得られた基準クロックよりターンテーブル53の回転を制御した。このように回転を制御して、所望の長さのマークMが正確に記録できるようにした。記録条件は、記録ピークパワー6.0mW、バイアスパワー2.6mW、マルチパルス間ならびに冷却パルスのボトムパワー0.1mW、線速度5.3m/sである。なお記録は、波形変換器83により、いわゆるマルチパルスに変換した信号による記録であり、先頭パルスとそれに続くパルスの幅を記録周期1Tの0.4倍、冷却パルスを記録周期1Tの0.4倍とした3値パワー変調を採用している。
【0198】
続いて、この情報記録担体5をλが405nm、NAが0.85のピックアップ50を有した第2の再生装置41に装着し、ランド部Lの再生を行った。評価項目は、総和信号より変調振幅(=(I8H−I8L)/I8H)、復調器54から得られる記録マークMの再生エラーレート、補助情報復調器56から得られる補助情報領域200に記録されたアドレス情報の再生エラーレートである。
【0199】
総和信号から、変調振幅(=(I8H−I8L)/I8H)が0.52の信号を再生することができた。続いて復調器54から得られる再生信号のエラーレートを求めたところ、2×10−5の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、補助情報復調器56から得られるアドレス情報のエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは良好に復元できた。なお、アドレス情報のエラーレートは、記録層123への記録を行った後の再生で、5%以下であると誤り訂正処理により、エラーのほとんどないデータ復元ができるので、相応しいものである。
【0200】
実施例2
記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長(=2T)を0.154μmとした以外は、実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I10H−I10L)/I10H)が0.60の信号が再生できた。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、8×10−6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレス情報のエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
【0201】
実施例3
記録信号をD8−15変調とし、最短マーク長(=3T)を0.185μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I12H−I12L)/I12H)が0.63の信号が再生できた。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、4×10−6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。またアドレス情報のエラーレートも記録部分で1%程度であり、アドレスデータは、良好に復元できた。
【0202】
実施例4
ランド部Lに補助情報のデータを、位相変移変調波272により蛇行形状を記録した情報記録担体5とし、記録信号を17PP変調とし、最短マーク長(=2T)を0.149μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I8H−I8L)/I8H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、2×10−5の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレス情報エラーレートも記録部分で0.1%程度であり、アドレスデータも良好に復元できた。
【0203】
実施例5
ランド部Lに補助情報のデータをマンチェスタ符号によりベースバンド変調し、図22記載の周波数変移変調、すなわち2π±(π/2.5)であり、さらに周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変移変調を行うことにより蛇行形状を記録した情報記録担体5とし、記録信号をD4,6変調とし、最短マーク長(=2T)を0.154μmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。ランド部Lの再生を行ったところ、変調振幅(=(I10H−I10L)/I10H)が0.60の信号が再生できた。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、8×10−6の良好なエラーレートが得られ、実用上問題のないデータが抽出できた。また、アドレス情報のエラーレートも記録部分で0.1%程度であり、アドレスデータも良好に復元できた。
【0204】
比較例1
実施例1の情報記録担体5を用い、グルーブ部Gに記録を行う以外は、実施例1と同様にして記録及び再生を行った。グルーブ部Gの再生を行ったところ、変調振幅が0.38の信号が再生できた。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、4×10−3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。また、アドレスデータは、全く混乱し、データを抽出することが不可能であった。
【0205】
比較例2
透光層11の厚さを0.06mmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。再生を行ったところ、変調振幅が0.46の信号が再生できたもののアイパターンは不鮮明であった。続いて、再生信号のエラーレートを求めたところ、6×10−3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。アドレス情報のエラーレートも記録部分で10%もあり、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデータしか抽出できなかった。また、情報記録担体5に、対物レンズ50bを強制的に接触、摺動させる試験を行ったところ、簡単にスクラッチ傷が入り、情報記録担体として不適当であった。
【0206】
比較例3
透光層11の厚さを0.13mmとした以外は実施例1と同様にして記録及び再生を行った。再生を行ったところ、変調振幅が0.38の信号が再生でき、アイパターンは不鮮明であった。続いて再生信号のエラーレートを求めたところ、9×10−3のエラーレートが得られ、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるデータが抽出できた。アドレス情報のエラーレートも記録部分で10%もあり、欠陥が多く、所々訂正不能箇所のあるアドレスデータしか抽出できなかった。
【0207】
以上、図36の結果、及び実施例1〜5及び比較例1〜3の結果より、トータルシステム成立に相応しい変調振幅範囲として、0.4以上と考えられる。
【0208】
以上、本発明なる情報記録担体1乃至5、及び再生装置40、41及び記録装置90について縷々説明してきた。本発明は、本発明の実施形態では、基本的な部分のみについて説明したが、上記記載した内容以外に、本発明を阻害しない範囲での種々変形や追加が可能である。例えば、微細パターン20を単層とした情報記録担体1以外に、記録層7と透光層8のセットの積層を複数回繰り返して、複層(例えば二層、三層、四層)などに拡張した情報記録担体としてもよい。
【0209】
また、本発明は、再生装置40、41及び記録装置90に関して、請求項に記載した範囲以外に、再生装置40、41及び記録装置90の各動作についても含むものである。装置の諸動作を、各々ステップに置き換えることにより生成される再生方法、及び記録方法を含むものである。また再生方法の各ステップを実行するコンピュータプログラム、及び記録方法の各ステップを実行するコンピュータプログラムを含むものである。更に、上述した記録装置及び再生装置を兼ねた記録再生装置、上述した記録方法及び再生方法を兼ねた記録再生方法を含むものである。
【0210】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、グルーブ部とランド部とが交互に形成された略平行溝連続体からなる微細パターンを有した支持体と、この微細パターン上に形成された記録層と、前記記録層上に形成され、厚さが0.07〜0.12mmである透光層とから少なくともなり、前記グルーブ部又は前記ランド部のピッチをP、再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、前記微細パターンがP≦λ/NAの関係を有して形成され、前記λが350〜450nmで、前記NAが0.75〜0.9であり、かつ前記ランド部又は前記グルーブ部のいずれか一方にのみ信号記録変調振幅が0.4以上になるようにして行われた反射率差または位相差の少なくとも一方に基づく記録が行われているので、クロスイレースの低減ができると共に高密度化が達成できる。また、実用的なエラーレートにすることができる。すなわち、再生装置、記録装置、再生方法、記録方法とあわせて、トータルシステムを成立させることができる。
【0211】
また、微細パターンの一部に、アドレスデータ等の補助情報が振幅変移変調で形状記録されているので、低いC/N環境であっても復調できる。また、微細パターンの一部に、アドレスデータ等の補助情報が周波数変移変調で形状記録されているので、簡単な回路構成で復調できる。特に周波数切り替え点で波が連続するよう位相が選択された周波数変移変調とすることによって、再生エンベロープが一定となり、安定した再生が可能となる。更に、微細パターンの一部に、アドレスデータ等の補助情報が位相変移変調で形状記録されているので、同期検波により復調することによって低いC/N環境下であっても再生できる。
【0212】
特に周波数変移変調を構成する高周波数部分と低周波数部分の位相差を±π/2.5とすると同期検波により良好な信号復調が可能となる。
【0213】
また、微細パターンの一部に、基準クロックが、補助情報に連続して記録されているので、再生装置、記録装置の回転制御が可能となり、特に記録あたっては、マーク長さの安定した記録が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における参考例1の情報記録担体を示す断面図である。
【図2】本発明における参考例1の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図3】本発明における参考例1の情報記録担体に、記録を行った状態を示す拡大平面図である。
【図4】本発明における参考例1、参考例2の情報記録担体を再生、または記録を行う様子を示す断面である。
【図5】本発明における参考例1の情報記録担体における補助情報領域及び基準クロック領域を説明するための拡大平面図である。
【図6】本発明における参考例1の情報記録担体をCLV記録に適応した場合に、その情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図7】本発明における参考例1の情報記録担体をCAV記録に適応した場合に、その情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図8】本発明における参考例1の情報記録担体を、ディスク形状のCLV記録に適応した場合の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図9】本発明における参考例1の情報記録担体を、ディスク形状のCLV記録に適応し、更にランドに記録を行った場合の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図10】本発明における情報記録担体再生装置のフォトディテクタの分割状態を示す拡大平面図である。
【図11】補助情報を分散記録した第1の例を示す図である。
【図12】補助情報を分散記録した第2の例を示す図である。
【図13】補助情報を分散記録した第3の例を示す図である。
【図14】補助情報を分散記録した第4の例を示す図である。
【図15】本発明なるベースバンド変調を説明するための図である。
【図16】本発明なるベースバンド変調を具体的に説明するための図である。
【図17】本発明なる振幅変移変調波の第1の例を説明するための図である。
【図18】本発明なる振幅変移変調波の第2の例を説明するための図である。
【図19】本発明なる振幅変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【図20】本発明なる周波数変移変調波の第1の例を説明するための図である。
【図21】本発明なる周波数変移変調波の第2の例を説明するための図である。
【図22】本発明なる周波数変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【図23】本発明なる位相変移変調波の第1の例を説明するための図である。
【図24】本発明なる位相変移変調波の第2の例を説明するための図である。
【図25】本発明なる位相変移変調波の第3の例を説明するための図である。
【図26】本発明なる情報記録担体の形状を説明するための図である。
【図27】本発明なる情報記録担体の形状を説明するための図である。
【図28】本発明なる情報記録担体の形状を説明するための図である。
【図29】本発明における参考例2の情報記録担体を示す断面図である。
【図30】本発明における参考例3の情報記録担体を示す断面図である。
【図31】本発明における参考例4の情報記録担体を示す断面図である。
【図32】本発明における実施形態の情報記録担体を示す断面図である。
【図33】本発明における第1の再生装置を示すブロック図である。
【図34】本発明における第2の再生装置を示すブロック図である。
【図35】本発明における記録装置を示すブロック図である。
【図36】変調振幅とエラーレートとの関係を示す図である。
【図37】従来の情報記録担体を示す断面図である。
【図38】従来の情報記録担体を上方から見た拡大平面図である。
【図39】本発明に係る再生方法の一例を示すフローチャートである。
【図40】本発明に係る記録方法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,2,3,4、5  情報記録担体
9  4分割フォトディテクタ
11,11a  透光層
11b  接着透光層
12  記録層
13  支持体
14  樹脂層
20,21  微細パターン
40、41  再生装置
50  ピックアップ
50a 発光素子
50b 対物レンズ
51  モータ
52  サーボ
53  ターンテーブル
54  復調器
55、81  インターフェース(I/F)
56  補助情報復調器
57  基準クロック復調器
60  コントローラ
82  変調器
83  波形変換器
89  記録光
90  記録装置
99  再生光
110  透光層
120、123  記録層
121  反射層
122  第1保護層
123  記録層
124  第2保護層
130  支持体
131  微細パターン
200  補助情報領域
300  基準クロック領域
250、251、252  振幅変移変調波
260、261、262  周波数変移変調波
270、271、272  位相変移変調波
350  単一周波数波
G  グルーブ部
L  ランド部
M  記録マーク
P  ピッチ
S  スポット径

Claims (14)

  1. グルーブ部とランド部とが交互に形成された溝連続体からなる微細パターンを有する支持体と、
    前記微細パターン上に形成され、情報を記録するための記録層と、
    前記記録層上に形成された透光層とを少なくとも有する情報記録担体であって、
    前記グルーブ部又は前記ランド部のピッチをP、前記記録層を再生する再生光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとするとき、前記微細パターンがP≦λ/NAの関係を有して形成されるとともに、
    前記ランド部はその両側の側壁が互いに平行になるように蛇行形成されており、
    前記側壁には、前記情報の記録の際に補助的に用いるデータに基づいた補助情報と、前記情報の記録の際に記録速度を制御するためのクロックに基づいた基準クロックとが交互に連続して記録されており、
    前記記録層のうち、前記ランド部に相当する部分にのみ、前記記録層における反射率差または屈折率差の少なくとも1つの変化によって、信号記録変調振幅が0.4以上になるようにして前記情報が記録されていることを特徴とする情報記録担体。
  2. 前記補助情報が、振幅変移変調波、周波数変移変調波、位相変移変調波の少なくとも1つの変調波によって記録されていることを特徴とする請求項1項に記載の情報記録担体。
  3. 前記基準クロックが単一周波数波として記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  4. 前記補助情報は、一定間隔毎に設けられたデータトリガと、前記データトリガ間の所定位置に割り当てられたデータとから少なくとも構成されており、前記データの有無によって、補助情報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  5. 前記補助情報は、一定間隔毎に設けられたデータトリガと、前記データトリガ間の所定位置に割り当てられたデータとから少なくとも構成されており、前記データトリガと、前記データの相対距離によって、補助情報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  6. 前記微細パターンの高さは、λ/10nからλ/18nの間で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか1項に記載の情報記録担体。
  7. 前記補助情報は、0.01λ/NA〜0.15λ/NAの振幅範囲で、半径方向に対して、蛇行していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  8. 前記支持体の、前記微細パターンとは反対側にレーベル印刷が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  9. 前記記録層は、相変化材料、光磁気材料、色素材料の少なくとも1つの材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項8記載のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  10. 前記λが350〜450nmであり、前記NAが0.75〜0.9であり、前記透光層の厚さが0.07〜0.12mmであり、前記支持体と前記記録層と前記透光層の合計厚みが1.2mmであり、直径が120mmのディスク状であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報記録担体。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体の前記記録層を再生するための再生装置であって、
    再生光の波長λが350〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた再生手段と、
    前記再生光を前記ランド部にのみ照射して再生を行わせるように前記再生手段を制御する制御手段とを少なくとも有することを特徴とする再生装置。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体の前記記録層に情報を記録するための記録装置であって、
    記録光の波長λが350〜450nmで、RIN−125dB/Hz以下のノイズを有する発光素子と、開口数NAが0.75〜0.9の対物レンズとを備えた記録手段と、
    前記記録光を前記ランド部にのみ照射して記録を行わせるように前記記録手段を制御する制御手段とを少なくとも有することを特徴とする記録装置。
  13. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体に情報を記録済みの場合に、前記情報記録担体に円環状に形成されている記録層を所定の再生位置から再生するための再生方法であって、
    前記情報記録担体を円周方向に回転制御可能な回転手段に装着し回転させるステップと、
    前記微細パターンにピックアップから出力される再生光を集光し、フォーカシングするステップと、
    前記ランド部又は前記グルーブ部に対してトラッキングを行なうステップと、
    前記再生光による前記記録層からの反射光を4分割ディテクタに投影して、前記4分割ディテクタの各出力から半径方向の差分信号を生成するステップと、
    前記差分信号から前記基準クロック信号を抽出するステップと、
    前記抽出した基準クロック信号によって前記回転手段の回転制御を行なうステップと、
    前記差分信号から前記補助信号を抽出するステップと、
    前記抽出した前記補助信号からアドレス情報を抽出するステップと、
    前記抽出したアドレス情報と、前記所定の再生位置を示すアドレス情報とを照合して前記ピックアップの位置制御を行なうステップと、
    前記4分割ディテクタの各出力を合計した総和信号を生成するステップと、
    前記総和信号を復調するステップと、
    を少なくとも有することを特徴とする再生方法。
  14. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報記録担体に円環状に形成されている記録層に対して情報信号の記録を所定の位置から行なうための記録方法であって、
    前記情報記録担体を円周方向に回転制御可能な回転手段に装着し回転させるステップと、
    前記微細パターンにピックアップから出力される再生光を集光し、フォーカシングするステップと、
    前記ランド部又は前記グルーブ部に対してトラッキングを行なうステップと、
    前記再生光による前記記録層からの反射光によって差分信号を生成するステップと、
    前記差分信号から前記基準クロック信号を抽出するステップと、
    前記抽出した基準クロック信号によって前記回転手段の回転制御を行なうステップと、
    前記差分信号から前記補助信号を抽出するステップと、
    前記抽出した前記補助信号からアドレス情報を抽出するステップと、
    前記抽出したアドレス情報と、所定の記録位置を示すアドレス情報とを照合して前記ピックアップの位置制御を行なうステップと、
    前記情報信号を変調し、記録光を照射するステップと、
    を少なくとも有することを特徴とする記録方法。
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